JP2009190998A - 共有結合で架橋された二本鎖核酸を合成するための化合物及びその製造法 - Google Patents

共有結合で架橋された二本鎖核酸を合成するための化合物及びその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】核酸合成法により種々の塩基配列をもつ、共有結合により架橋した二本鎖核酸を製造する方法に用いられる化合物の提供。
【解決手段】核酸合成に通常用いられている固相フォスフォルアミダイト法に利用でき、かつ核酸の塩基配列に特別な条件を付することなく、共有結合により架橋した二本鎖核酸の直接合成を可能とするヌクレオシドダイマーアミダイト(例えば、化合物10)。
【選択図】図1

Description

本発明は、いずれか一端を共有結合により架橋させた二本鎖核酸を製造するために使用される化合物及びその製造法並びに該製造法に使用される化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は2つの核酸塩基が共有結合したヌクレオシドダイマーアミダイトであって、第一のヌクレオシドの5’水酸基がジメチルトリチル基で保護されており、第一のヌクレオシドの3’位、並びに第二のヌクレオシドの5’位がジメチルトリチル基と異なる保護基で保護されており、第二のヌクレオシドの3’水酸基が亜リン酸化されている前記ヌクレオシドダイマーアミダイト及びその製造法並びに該製造法に使用される化合物に関する。
現在、疾病に関連する遺伝子を制御するための医薬として核酸医薬が注目を集めている。核酸医薬とは、目的とするDNAやmRNAに相補的な塩基配列をもつ人工的に合成された核酸分子である。核酸医薬は、抗体や酵素などのタンパク質を用いたタンパク医薬と比べて、ターゲット分子に対して高い特異性と容易かつ安価な合成により得られるという有利な特徴を有する。このような核酸医薬としては、一本鎖核酸のアンチセンスや二本鎖核酸のデコイDNAなどが注目されている。
アンチセンスは目的遺伝子のmRNAと特異的に結合する塩基配列をもった人工合成核酸である。アンチセンスを細胞内に導入すると、目的遺伝子と二本鎖を形成し、タンパク質の発現を抑制する。しかし、アンチセンスは目的遺伝子の発現を抑制するのみであり、複数の遺伝子の発現を抑制する用途としては不利である。
デコイDNAは、遺伝子ではなく転写調節因子に結合する。すなわち、デコイDNAは、デコイという名の如く、目的遺伝子に替わる囮となって転写調節因子と結合することにより、目的遺伝子の発現を抑制する。デコイDNAは転写調節因子に関与することから、複数の遺伝子を同時に制御することが可能であり、一般にアンチセンスより高い効果を得ることが可能である(非特許文献1)。
デコイDNAを核酸医薬として利用する場合、デコイDNAは、機能する細胞の場所へ到達するまで二本鎖構造を保持することが望まれる。すなわち、デコイDNAの二本鎖構造は、デコイDNAが血液、細胞膜、細胞質などを通過しても安定に保持されていなければならない。二本鎖構造を安定化させる方法としては、熱力学的、物理学的及び生化学的な分解から二本鎖構造を保護するために、共有結合による架橋が有効と考えられている。この共有結合による架橋を実現するために、一般的に次の2つのアプローチが有力である。
第一のアプローチは、核酸鎖内にクロス架橋を作るために二価性試薬で二本鎖を処理して、該試薬によって付加された官能基間の反応により鎖内を架橋することを特徴とする、核酸合成の後に核酸を架橋する方法である(非特許文献2)。しかし、この方法は、合成される架橋二本鎖が低収率であり、複雑な操作及び精製段階を必要とする。第二のアプローチは、固相DNA合成法を用いて共有結合による架橋二本鎖核酸を合成する、直接合成法である(非特許文献3〜8)。
三宅隆、森下竜一、(2007)、日薬理誌、129、158-162 P. L. Fischhaber, et al., Cancer Res., 59, 4363-4368 (1999). E. A. Harwood, et al., J. Am. Chem. Soc., 121, 5081-5082 (1999). A. M. Noronha, et al., Nucleosides, Nucleotides, & Nucleic Acids, 20, 1303-1307 (2001) A. M. Noronha, et al., Biochemistry, 41, 8605-8612 (2002). C. J. Wilds, et al., J. Am. Chem. Soc., 126, 9257-9265 (2004) C. J. Wilds, et al., Nucleosides, Nucleotides, & Nucleic Acids, 24, 965-969 (2005). C. J. Wilds, et al., Can. J. Chem., 85, 249-256 (2007).
しかし、これまでに、核酸合成に通常用いられている固相フォスフォルアミダイト法に利用でき、かつ核酸の塩基配列に特別な条件を付することなく、共有結合により架橋した二本鎖核酸の直接合成を可能とする方法やその方法に用いられる化合物については知られていない。
したがって、本発明は、通常用いられている核酸合成法により種々の塩基配列をもつ、共有結合により架橋した二本鎖核酸を製造する方法及びその方法に用いられる化合物を提供することを解決すべき課題とした。さらに、本発明は、上記化合物の製造法及びその製造法に用いる化合物を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、核酸合成に通常用いられている固相フォスフォルアミダイト法に利用でき、かつ核酸の塩基配列に特別な条件を付することなく、共有結合により架橋した二本鎖核酸の直接合成を可能とするヌクレオシドダイマーアミダイトを製造することに成功した。さらに、本発明者らは、上記アミダイトを用いることによって、簡便に所望の塩基配列をもつ、共有結合により架橋した二本鎖核酸を合成し得ることを見出した。本発明は、上記知見に基づいて完成された発明である。
すなわち、以下の発明が提供される。
[1]下記式(I)で表される化合物又はその塩。
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R3はメチル基又はシアノエチル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
[2]前記保護基がベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、およびテトラヒドロピランエーテル基からなる群から選ばれる保護基である、上記[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]下記式(II)で表される化合物又はその塩。
[4]第一の一本鎖核酸鎖の5’末端又は3’末端と第二の一本鎖核酸鎖の3’末端又は5’末端とを共有結合により架橋させた少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造するために使用される、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[5]固相フォスフォルアミダイト法により、任意の塩基配列からなる核酸を合成する工程(A);
前記工程(A)で得られる核酸と上記[1]〜[3]3のいずれかに記載の化合物とをカップリングさせる工程(B);
前記工程(B)で得られる核酸の塩基配列を、前記工程(A)で得られる核酸と一部または全部が相補的な配列で伸長させる工程(C);及び
前記化合物の保護基を脱保護してカップリングさせる工程(D)
を含む、第一の一本鎖核酸鎖の5’末端又は3’末端と第二の一本鎖核酸鎖の3’末端又は5’末端とを共有結合により架橋させた少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造する方法。
[6]下記式(III)で表される化合物
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
とN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイト若しくは2−メチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイトとを反応させる工程を含む、下記式(I)で表される化合物の製造方法。
(式中、R3はメチル基又はシアノエチル基を表し、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2及びnは上記式(III)に準ずる。)
[7]下記式(IV)で表される化合物
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr、Y1及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
におけるZで表される保護基を脱保護して下記式(III)の化合物
(式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2及びnは上記式(IV)に準ずる。)
を得る工程をさらに含む、上記[6]に記載の製造方法。
[8]下記式(V)で表される化合物
(式中、X2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y2はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R2は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
と下記式(VI)で表される化合物
(式中、X1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R4はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)
とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下記式(IV)で表される化合物
(式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、Z及びnは上記式(V)及び(VI)に準ずる。)
を得る工程をさらに含む、上記[6]又は[7]に記載の製造方法。
[9]前記塩基性化合物が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである、上記[8]に記載の製造方法。
[10]下記式(VII)で表される化合物
とN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイトとを反応させる工程
を含む、下記式(II)で表される化合物の製造方法。
[11]下記式(VIII)で表される化合物
における保護基であるテトラブチルジメチルシリル基(TBDMS)を脱保護して下記式(VII)の化合物
を得る工程をさらに含む、上記[10]に記載の製造方法。
[12]下記式(IX)で表される化合物
と下記式(X)で表される化合物
とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下記式(VIII)で表される化合物
を得る工程をさらに含む、上記[10]又は[11]に記載の製造方法。
[13]前記塩基性化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである、上記[12]に記載の製造方法。
[14]下記式(III)で表される化合物又はその塩。
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
[15]下記式(VII)で表される化合物又はその塩。
[16]下記式(IV)で表される化合物又はその塩。
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr、Y1及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
[17]下記式(VIII)で表される化合物又はその塩。
[18]下記式(VI)で表される化合物又はその塩。
(式中、X1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R4はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)
[19]下記式(X)で表される化合物又はその塩。
本発明によれば、核酸合成に通常用いられている固相フォスフォルアミダイト法を利用して、所望の塩基配列を有する、共有結合により架橋した二本鎖核酸を製造することできる。すなわち、本発明によれば、水素結合を介して結合しているWatson-Crick型塩基対の代わりに共有結合で架橋された塩基対を導入することで、二本鎖構造が安定化された二本鎖核酸を製造することができる。核酸の高次構造には、二本鎖構造よりも複雑な三本鎖構造、四本鎖構造、それらが組み合わされて出来るより複雑な構造が存在する。これらのより複雑な構造の多くは、構造中に二本鎖構造を含んでおり、二本鎖構造を安定化する技術は、より複雑な構造の安定化にも利用できる。さらに、二本鎖構造が安定した二本鎖核酸を核酸医薬として用いることにより、癌や炎症などの細胞周期の異常に起因する疾病の治療又は予防が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(I)で表される化合物又はその塩である。
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R3はメチル基又はシアノエチル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
本明細書でいう「アルキル基」としては、例えば、炭素数1から6のアルキル基を挙げることができ、直鎖又は分岐鎖の何れでもよく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。
本明細書でいう「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基を挙げることができ、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などを挙げることができる。
本明細書でいう「アルキルアミノ基」としては、例えば、炭素数1〜6のアルキルアミノ基を挙げることができ、具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などを挙げることができる。
本明細書でいう「ジアルキルアミノ基」としては、例えば、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基を挙げることができ、具体的にはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基などを挙げることができる。
本明細書にいう「それぞれ独立して」とは、それぞれの基が各基に依存しないことを意味する。例えば、X1及びX2がそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表す場合、X1及びX2はそれぞれ別のアルキル基を表すこともあるし、同一のアルキル基を表すこともある。
本明細書にいう「ジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基」としては、DMTr基と異なれば特に制限されないが、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、およびテトラヒドロピランエーテル基からなる群から選ばれる保護基を挙げることができ、好ましくはアセチル基である。
本明細書にいう「nは2〜10の整数」とは、アルケン基の炭素の数が2〜10の整数であることを表し、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜5、最も好ましくは2〜4である。
本明細書にいう「塩」とは、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好ましい例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好ましい例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好ましい例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好ましい例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好ましい例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好ましい例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。上記した塩の中でも無機酸との塩および有機酸との塩が好ましく、さらに塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが好ましい。
上記式(I)の化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる:
上記式(I)中のX1が水素原子、X2がフッ素原子、Y1がベンジル基、Y2がtert−ブチル基、R1が水素原子、R2がシアノ基、R3がメチル基、及びnが4である化合物;
上記式(I)中のX1がメトキシカルボニル基、X2がカルボキサミド基、Y1がピバロイル基、Y2がベンゾイル基、R1が塩素原子、R2がメチル基、R3がシアノエチル基、及びnが5である化合物;
上記式(I)中のX1がプロピル基、X2がシアノ基、Y1がトリエチルシリル基、Y2がtert−ブチルジフェニルシリル基、R1がメチルアミノ基、R2がジエチルアミノ基、R3がメチル基、及びnが6である化合物;
上記式(I)中のX1が水素原子、X2が水素原子、Y1がメチル基、Y2がメチル基、R1が水素原子、R2が水素原子、R3がメチル基、及びnが4である化合物;
上記式(I)中のX1がメチル基、X2がメチル基、Y1がベンジル基、Y2がベンジル基、R1が水素原子、R2が水素原子、R3がメチル基、及びnが3である化合物;
上記式(I)中のX1がメチル基、X2がフッ素原子、Y1がベンジル基、Y2がベンジル基、R1が水素原子、R2が水素原子、R3がシアノエチル基、及びnが6である化合物など。
上記式(I)で表される化合物の好ましい具体例としては、下記式(II)で表される化合物を挙げることができる。
上記式(II)で表される本発明の化合物は、例えば、下記に示される合成スキームにより製造することができる。
その概略は、チミジンを出発原料として、一般的な保護脱保護反応を組み合わせることにより化合物5を合成する。乾燥大気中において、DBUの存在下にジブロモエタンを用いた別の保護基を有する化合物6のアルキル化によって、N3−(2−ブロモエチル)化合物7を得ることができる。2つの保護されたチミジン化合物5及び7を乾燥大気中で塩基性化合物の存在下で架橋することで、高収率のチミジンダイマー化合物8を得ることができる。TBAFによるチミジンダイマー化合物8の3’末端におけるTB
DMS基の脱保護から、化合物9を(3’−OH遊離化合物)を得ることでき、さらに
該化合物9から化合物10(上記式(II)で表される本発明の化合物)を得ることができる。さらに詳しくは、上記式(II)で表される本発明の化合物は、例えば、実施例の記載に基づき製造することができる。
上記式(I)及び(II)で表される本発明の化合物は、第一の一本鎖核酸鎖の5’末端又は3’末端と第二の一本鎖核酸鎖の3’末端又は5’末端とを共有結合により架橋させた少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造するために使用される。このような核酸鎖を製造する方法として、固相フォスフォルアミダイト法により、任意の塩基配列からなる核酸を合成する工程(A);前記工程(A)で得られる核酸と上記式(I)又は(II)で表される化合物とをカップリングさせる工程(B);前記工程(B)で得られる核酸の塩基配列を、前記工程(A)で得られる核酸と一部または全部が相補的な配列で伸長させる工程(C);及び前記化合物の2つの保護基を脱保護してカップリングさせる工程(D)を含む製造方法を挙げることができ、より詳しくは、実施例に記載の方法を挙げることができる。
本明細書にいう「工程(A)で得られる核酸と一部または全部が相補的な配列」とは、上記式(I)又は(II)で表される本発明の化合物を挟んでその対称位置にある塩基同士が互いに相補的な配列のことを意味する。例えば、上記工程(A)で得られる核酸の塩基配列が5’−CAG−3’であり、本発明の化合物をT’−T’とした場合、上記工程(C)で得られる核酸としては5’−GTC−T’−T’−CAG−3’が挙げられる。
上記少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖としては、センス−アンチセンスの関係にある二本鎖のDNA又はRNAを含む核酸鎖であれば特に制限されないが、例えば、下記に示したODN−1を挙げることができる。
上記少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造するために使用される材料、方法、装置等は、固相フォスフォルアミダイト法を利用したDNA又はRNA合成に通常用いられるものであれば制限されないが、例えば、実施例に記載のものを挙げることができる。固相フォスフォルアミダイト法としては、実施例に記載した方法以外にも、例えば、丹羽峰雄著 “DNAの化学合成法”(廣川 化学と生物 実験ライン 22)ISBN 4-567-18220-0(平成4年)、廣川書店の記載を参照できる。
上記式(I)及び(II)で表される本発明の化合物を製造する方法には、下記式(III)で表される化合物、
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
好ましくは、下記式(VII)の化合物
とN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイト若しくは2−メチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイトとを反応させる工程を含む。上記反応は、例えば、実施例の記載に基づいて実施することができる。
上記式(I)及び(II)で表される本発明の化合物を製造する方法は、下記式(IV)で表される化合物、
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr、Y1及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
好ましくは、下記式(VIII)で表される化合物
のZと表された保護基又はテトラブチルジメチルシリル基(TBDMS)を脱保護して上記式(III)又は(VII)の化合物を得る工程をさらに含むことができる。
本明細書にいう「DMTr、Y1及びY2と異なる保護基」としては、DMTrではなく、かつY1及びY2と異なる保護基であれば特に制限されないが、Y1及びY2がTBDMSと異なる保護基である場合は、TBDMSが好ましい。「DMTr、Y1及びY2と異なる保護基」がTBDMSである場合、その脱保護は、例えば、実施例の記載に基づいて行うことができる。
上記式(I)及び(II)で表される本発明の化合物を製造する方法は、下記式(V)で表される化合物、
(式中、X2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、、Y2はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R2は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
好ましくは、下記式(IX)で表される化合物
と下記式(VI)で表される化合物
(式中、X1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R4はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)
好ましくは、記式(X)で表される化合物
とを塩基性化合物、好ましくは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンの存在下で反応させて、上記式(IV)又は(VIII)で表される化合物を得る工程をさらに含むことができる。上記反応は、例えば、実施例の記載に基づいて行うことができる。
本発明の別の側面によれば、本発明の化合物には、上記式(I)又は(II)で表される化合物を製造するために使用される、上記式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)又は(X)で表される化合物が含まれる。
上記式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)及び(X)で表される化合物などを用いて製造された上記式(I)や(II)で表される本発明の化合物によれば、その高次構造の安定化向上をはかることができるという特性から、核酸医療への利用が期待できる。
例えば、上記式(I)や(II)で表される本発明の化合物を導入することで、helix IIが安定化され、リボザイムの活性が向上することが期待される。リボザイムとは、RNAを、特定の塩基配列の箇所で、切断する活性を有する小分子RNAである。その例として、ハンマーヘッド型リボザイムを示した(図4(a))。人工的に合成したリボザイムはウイルスや癌細胞のRNAに選択的に結合しこれを切断する。抗ウイルス剤、抗がん剤の開発に用いるべく、研究が進められている。リボザイムが活性を示すには、ある高次構造を形成しなくてはならない。高次構造の基本単位は二本鎖構造であり、図ではhelixと記されている。したがって、太矢印で示した部位に上記式(I)や(II)で表される本発明の化合物を導入することで、helix IIが安定化され、リボザイムの活性が向上することが期待される。
さらに、上記式(I)や(II)で表される本発明の化合物は、アプタマーの安定化にも寄与し得る。アプタマー(aptamer)は、任意の小分子やタンパク質に、高選択的に結合する比較的短鎖の核酸(DNA/RNA)である。図4(b)に、トロンビンに結合するDNA aptamerの基本構造を示した。このaptamerは手術後の拒絶反応の抑制に使用できる可能性がある。太矢印で示した部位に上記式(I)や(II)で表される本発明の化合物を導入することでaptamerが安定化されると期待される。
本発明を以下の実施例でさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。種々の変更、修飾が当業者には可能であり、これらの変更、修飾も本発明に含まれる。
1.分析方法
TLCは、メルク・キーセルゲルF254プリコート・プレート(メルク、ドイツ)を用いて実施した。カラムクロマトグラフィーに使用されたシリカゲルは、シリカゲル60N(球状、中性)(関東化学株式会社、日本)を用いた。エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)及びMALDI−TOF質量分析法は、それぞれJMS−T100CS(JEOL、日本)、及びAXIMA−CFRプラス(島津製作所株式会社、日本)を用いて実施した。1H−NMRスペクトルは、内標準としてテトラメチルシランを用いたECA500(500MHz)スペクトロメーター(JEOL、日本)を用いて測定した。化学シフトはppm(δ)で表し、シグナルはs(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)、又はbr(広幅)で表した。すべての交換可能なプロトンを、D2O添加による消失により検出した。UV吸収スペクトルは、UV−1650PC分光光度計(島津製作所)で測定した。オリゴヌクレオチドの熱変性実験は、Tm分析システム(TMSPC−8)(島津製作所)を備えたUV−1650PC分光光度計で実施した。
下記合成スキームに記載の化合物を、以下に説明する。
2.化合物2の調製
乾燥ピリジンを用いた2度の共蒸発後、チミジン1(0.31g、1.3mmol)を乾燥ピリジン(10mL)で溶解した。溶液に、4,4’−ジメトキシトリチル塩化
物(542mg、1.6mmol、1.2eq、和光純薬)を加えた後、反応混合物を一晩、室温で維持した。EtOH(1mL)の追加後、反応混合物を20分間、室温で維持した。次に、溶液を減圧下で濃縮した。残留物をCHCl3及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物を、シリカゲル・カラム(20g、CHCl3:MeOH=100:0〜100:5)でクロマトグラフィ分離した。フラクションを混合した後濃縮し、黄色泡沫として化合物2(0.66g、1.2mmol、92%)を得た。
3.化合物3の調製
乾燥ピリジン中の化合物2(1.9g、3.6mmol)及びイミダゾール(370mg、5.4mmol、1.5eq)を含む溶液を、減圧下で濃縮した。この操作を2度繰り返した後、残留物を乾燥DMF(20mL)で溶解した。tert−ブチルジメチルシリル塩化物(630mg、4.2mmol、1.2eq、信越化学)を溶液に加えた。反応混合物は2日間、室温で維持された。その後、EtOH(1mL)を反応混合物に加え、混合物全体を20分間、室温で維持した。反応混合物をAcOEt及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物はシリカゲル・カラム(30g、CHCl3)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、黄色泡沫として化合物3(2.0g、3.1mmol、86%)を得た。
4.化合物4の調製
1.4%のトリクロロ酢酸を含むCH2Cl2及びMeOHの混合物(14:6v/v)に、化合物3(2.0g、3.0mmol)を加えた。反応混合物を3.5時間、氷浴上で撹拌した。反応混合物をCHCl3及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物はシリカゲル・カラム(50g、CHCl3:MeOH=100:0〜100:5)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、黄色泡沫として化合物4(0.90g、2.5mmol、83%)を得た。
5.化合物5の調製
乾燥ピリジンを用いた2度の共蒸発後、化合物4(0.13g、0.37mmol)を乾燥ピリジンに溶解した。溶解液に、4,4’−ジメトキシトリチル塩化物(542
mg、1.6mmol、1.2eq、和光純薬)を加えた後、反応混合物を一晩、室温で維持した。酢酸無水和物(45μL、0.48mmol、1.3eq)を溶液に加えた。反応混合物は、一晩、室温で維持した。EtOH(1mL)の添加後、反応混合物を20分間、室温で維持した。溶媒を蒸発し、残留物をCHCl3及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物は、シリカゲル・カラム(15g、CHCl3:MeOH=100:0〜100:5)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、白色固体として化合物5(0.14g、0.34mmol、94%)を得た。
6.化合物6の調製
乾燥ピリジンを用いた2度の共蒸発後、化合物2(3.2g、5.9mmol)を乾燥ピリジン(30mL)に溶解した。その後、Ac2O(670μL、7.1mmol、1.2eq)が溶液に加えられ、反応混合物は室温で2日間維持された。EtOH(2mL)の添加後、反応混合物は20分間、室温で維持された。その後、溶媒を減圧下で蒸発し、残留物をCHCl3及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物は、シリカゲル・カラム(50g、CHCl3)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、黄色泡沫として化合物6(3.1g、5.2mmol、88%)を得た。
7.化合物7の調製
乾燥CH3CN(10mL)中に化合物6(500mg、0.85mmol)を含む溶液に、1,2−ジブロモエタン(0.59mL、6.9mmol、8eq、和光純薬)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(130μL、0.87mmol、1.0eq、和光純薬)を加えた。反応混合物は1時間、室温でAr大気下で撹拌された。反応混合物をAcOEt及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物はシリカゲル・カラム(8g、n−Hexane:AcOEt=9:1〜4:1)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、黄色泡沫として化合物7(190mg、0.28mmol、33%)を得た。化合物6(292mg、0.50mmol、59%)は白色泡沫として回収された。
1H-NMR(500MHz)(DMSO-d6)8.01(s,1H,H-6),7.79-7.29(m,13H,DMTrO-),6.65(t,1H,H-1',J=6.0H),5.71(m,1H,H-3'),4.59(t,2H,Br-CH2-,J=6.5Hz),4.51(m,1H,H-4'),4.14(S,6H,Ph-OCH3x2),3.98(t,2H,3N-CH2-,J=6.5Hz),3.75(m,1H,H-5'a),3.63(m,1H,H-5'b),2.91(m,1H,H-2'a),2.78(m,1H,H-2'b),2.40(s,3H,-OAc),1.89(s,3H,5-CH3).ESI-MScalcdforC35H37Br1N2O8+Na+:715.163,found715.158.
8.化合物8の調製
乾燥CH3CN(15mL)中に化合物5(257mg、0.65mmol)及び化合物7(537mg、0.77mmol、1.2eq)を含む溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(116μL、0.77mmol、1.0eq、和光純薬)を添加した。反応混合物は5時間、70℃でAr大気下で撹拌された。反応混合物をAcOEt及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物はシリカゲル・カラム(15g、CHCl3)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、白色泡沫として化合物8(488mg、0.48mmol、74%)を得た。化合物6(292mg、0.50mmol、59%)は白色泡沫として回収された。
ESI-MScalcdforC53H66N4O14Si1+Na+:1033.423,found1033.416
9.化合物9の調製
THF(7mL)中の化合物8(267mg、0.26mmol)を含む溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフロリド(0.35mL、0.35mmol、1.2eq、アルドリッチ)を含むTHF溶液を加えた。反応混合物は1時間、室温で維持された。溶媒を蒸発した。残留物は、シリカゲル・カラム(15g、n−Hexane:AcOEt=1:1〜0:1)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、白色泡沫として化合物9(187mg、0.21mmol、81%)を得た。
ESI-MScalcdforC47H52N4O14+Na+:919.337,found918.993.
10.化合物10の調製
乾燥ピリジンを用いた2度の共蒸発後、化合物9(610mg、0.68mmol)は乾燥CH2Cl2(5mL)に溶解された。溶解液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(200μL、1.2mmol、1.7eq、和光純薬)及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイト(59μL、0.26mmol、1.3eq、和光純薬)を加えた。反応混合物は、2時間、室温でAr大気下で撹拌された。EtOH(0.1mL)が反応混合物に加えられ、混合物全体は20分間、室温で維持された。反応混合物を濃縮し、残留物をCHCl3及び飽和NaHCO3溶液で分液した後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮した。残留物はシリカゲル・カラム(15g、n−Hexane:AcOEt:Et3N=80:20:0.1〜40:60:0.1)でクロマトグラフィ分離された。フラクションを混合した後濃縮し、白色泡沫として化合物10(286mg、0.26mmol、38%)を得た。化合物9(298mg、0.33mmol、49%)は白色泡沫として回収された。
ESI-MScalcdforC56H59N4O15P+Na+:1119.446,found1119.486.
11.オリゴヌクレオチドの合成
架橋したヌクレオチド・ユニットを含むオリゴヌクレオチドは、製造業者によって推奨されたプロトコルに微細な改良を加えて、DNA/RNAシンセサイザー(アプライド・バイオシステムズModel394、CA、U.S.A)上で次の通りに合成された。
制御された孔質ガラス支持体(有限会社Genoglass、日本)に結合したDMTrで保護したシチジン(1μmol)を開始点として、3’→5’方向にACTGGTAACGTCACとDNA鎖を伸長させた後、化合物10(CH3CN中の0.1M溶液)を添加して、より長い時間(360秒)カップリングさせた。化合物10のカップリング後、さらにGTGACGTTACCAGTGとDNA鎖を伸長させた。
合成されたオリゴヌクレオチドは、通常のオリゴヌクレオチドの精製に使用される通常の操作によって脱保護され、及び精製された。すなわち、支持体に架橋されたオリゴヌクレオチドはそれぞれ、5時間、55℃で濃縮アンモニアを用いて処理された。また、5’−末端におけるDMTr基によって保護された遊離オリゴヌクレオチドは、0.
1Mトリエチルアンモニウム酢酸バッファー(pH6.8)中で23%〜39%のCH3CNの線形勾配を使用して、C−18シリカゲル・カラム(InertsilODS−3、7.6×260mm、GLサイエンス社、日本)を備えたHPLCによって精製された。フラクションは濃縮され、残留物は20分間、室温で80%AcOH水溶液で処理された。溶液は濃縮され、残留物は水で蒸発された。残留物は水に溶かされ、溶液はEt2Oで洗浄された。水層を濃縮し、脱保護されたオリゴヌクレオチドを得た。試料の精製はC−18シリカゲル・カラムを備えたHPLCによってモニターされた。
上記した通り、共有結合により架橋されたチミジンダイマーを含むオリゴヌクレオチド(ODN−1、図2)を、化合物10及び通常のデノキシヌクレオチドの市販のアミダイトユニットを使用して、DNA/RNAシンセサイザー上で合成できた。化合物10のカップリング反応は、簡素なアミダイトユニットと同じく高収率でなされた。精製後に得られたODN−1の29のODユニット(260nm)は、C−18シリカゲル・カラム上のHPLC解析によって単一ピークを示した(データなし)。
12.熱変性試験
溶液は、それぞれ適切なバッファーに適切なオリゴヌクレオチドを含み、90℃で加熱され、およびゆっくりと4℃にまで冷却された。各混合物の熱的誘導遷移は、UV−1650PC分光光度計を用いて260nmでモニターされた。温度傾斜は1℃・min-1だった。
共有結合により架橋されたチミジンダイマーを含むODN−1が二本鎖を形成するかを確認するために熱変性試験を行った。熱的誘導遷移のプロファイルを図3に示した。ダイマーユニットのエチレン架橋が自由に回転できるので、ODN−1中の鎖は、二本鎖構造を形成するために好ましいアンチパラレルな配向で配置され得る。ODN−1と同じ配列を持つが、共有結合の架橋を欠く、コントロールの二本鎖CD−1と比べて、ODN−1の二重螺旋構造ははるかに高い温度領域で融解した。ODN−1及びCD−1の間のTm値の差は26℃であった。その値は、ODN−1の二本鎖螺旋構造が、二重螺旋構造の末端において共有結合的架橋チミジンダイマー残基を結合することによってのみ、顕著に安定化されたことを示した。
図1は、共有結合的架橋チミジンダイマー誘導体及びアミダイトユニット(化合物10)の合成スキームを示す。 図2は、熱変性試験に用いた共有結合的架橋チミジンダイマーを有するヌクレオチド鎖(ODN−1)及びコントロール二本鎖ヌクレオチド(CD−1)を示す。 図3は、ODN−1及びCD−1の熱変性測定結果を示す。10mMカコジル酸ナトリウム(pH7.0)における、ODN−1(2μM;開環)及びCD−1(2μM;閉環)に対する、縦軸:相対的吸光度(260nm)、A=[(AtoC−A30oC)/(A90oC−A30oC)]、横軸:温度。 図4は、リボザイム及びアプタマーの安定化のための本発明の式(I)及び(II)で表される化合物の利用可能性の模式図を示す。

Claims (19)

  1. 下記式(I)で表される化合物又はその塩。
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R3はメチル基又はシアノエチル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
  2. 前記保護基がベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、およびテトラヒドロピランエーテル基からなる群から選ばれる保護基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 下記式(II)で表される化合物又はその塩。
  4. 第一の一本鎖核酸鎖の5’末端又は3’末端と第二の一本鎖核酸鎖の3’末端又は5’末端とを共有結合により架橋させた少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造するために使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  5. 固相フォスフォルアミダイト法により、任意の塩基配列からなる核酸を合成する工程(A);
    前記工程(A)で得られる核酸と請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物とをカップリングさせる工程(B);
    前記工程(B)で得られる核酸の塩基配列を、前記工程(A)で得られる核酸と一部または全部が相補的な配列で伸長させる工程(C);及び
    前記化合物の保護基を脱保護してカップリングさせる工程(D)
    を含む、第一の一本鎖核酸鎖の5’末端又は3’末端と第二の一本鎖核酸鎖の3’末端又は5’末端とを共有結合により架橋させた少なくとも一部が二本鎖である核酸鎖を製造する方法。
  6. 下記式(III)で表される化合物
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
    とN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイト若しくは2−メチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイトとを反応させる工程を含む、下記式(I)で表される化合物の製造方法。
    (式中、R3はメチル基又はシアノエチル基を表し、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2及びnは上記式(III)に準ずる。)
  7. 下記式(IV)で表される化合物
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr、Y1及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
    におけるZで表される保護基を脱保護して下記式(III)の化合物
    (式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2及びnは上記式(IV)に準ずる。)
    を得る工程をさらに含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. 下記式(V)で表される化合物
    (式中、X2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y2はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R2は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
    と下記式(VI)で表される化合物
    (式中、X1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R4はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)
    とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下記式(IV)で表される化合物
    (式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、Z及びnは上記式(V)及び(VI)に準ずる。)
    を得る工程をさらに含む、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記塩基性化合物が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである、請求項8に記載の製造方法。
  10. 下記式(VII)で表される化合物
    とN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロフォスフォルアミダイトとを反応させる工程
    を含む、下記式(II)で表される化合物の製造方法。
  11. 下記式(VIII)で表される化合物
    における保護基であるテトラブチルジメチルシリル基(TBDMS)を脱保護して下記式(VII)の化合物
    を得る工程をさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 下記式(IX)で表される化合物
    と下記式(X)で表される化合物
    とを塩基性化合物の存在下で反応させて、下記式(VIII)で表される化合物
    を得る工程をさらに含む、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 前記塩基性化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである、請求項12に記載の製造方法。
  14. 下記式(III)で表される化合物又はその塩。
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
  15. 下記式(VII)で表される化合物又はその塩。
  16. 下記式(IV)で表される化合物又はその塩。
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立してジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、ZはDMTr、Y1及びY2と異なる保護基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
  17. 下記式(VIII)で表される化合物又はその塩。
  18. 下記式(VI)で表される化合物又はその塩。
    (式中、X1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルボキサミド基又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1はジメチルトリチル基(DMTr)と異なる保護基を表し、R1は水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基又はチオール基を表し、R4はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)
  19. 下記式(X)で表される化合物又はその塩。
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