JP3771660B2 - 分岐型オリゴヌクレオチド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアンチセンス分子として有用な分岐型オリゴヌクレオチド及びその架橋試薬(中間体)として有用なペンタエリスリトール化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アンチセンス法による遺伝子治療が脚光を浴び、種々の機能性アンチセンス分子が合成されている。中でも、mRNAとオリゴヌクレオチドのコンプレックス形成による翻訳開始阻害(steric blocking)を目的とする修飾オリゴヌクレオチドについては数多くの報告がある(有機合成化学第48巻第3号180〜193頁(1990))。しかし、この修飾オリゴヌクレオチドのうち、リン酸ジエステル部分を修飾したオリゴヌクレオチドの中にはRNaseHの基質とならないものが多いという欠点がある。
【0003】
そのような理由から、最近、mRNAに対して高い親和性と特異性を有するオリゴヌクレオチドの研究が活発に行われている。その中でも、mRNAに対して相補的な3本鎖形成性オリゴヌクレオチド(TFO;triplex forming oligonucleotide)を用いてmRNAと3本鎖を形成させることによるアンチセンス分子の研究が注目を浴びている。
【0004】
かかるTFOのうち分岐型オリゴヌクレオチドとしては、2′−5′、3′−5′の二つのホスホジエステル結合をもつアデノシンを分岐点とするオリゴヌクレオチドが報告されている(Tetraheron, 51,8491−8506(1995)、同34,6435−6438(1993)、同51,10389−10402(1995)、Nucleic Acid Research,23,4255−4261(1995)、J. Am. Chem. Soc.,115,2119−2124(1993))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の分岐型オリゴヌクレオチドは、液相法により合成しなければならず、操作が煩雑であり、工業的に生産することは困難であった。また、これら従来の分岐型オリゴヌクレオチドは、分岐点が3方向であり、更にmRNAなどとの結合性も充分安定とはいえなかった。
従って、本発明はmRNAなどとの結合性に優れ、かつ固相法による自動合成の可能な分岐オリゴヌクレオチド合成試薬及び分岐型オリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、3方向に分岐型でなく4方向に分岐したオリゴヌクレオチドに着目して種々検討を行ってきた。そして、4方向分岐の分岐点となる基としてペンタエリスリトールを採用し、これにアルキルカルバメート基を介してトリチル保護基とホスフェート、ホスホネート又はホスホロアミダイト基とをそれぞれ2個導入したペンタエリスリトール化合物を得た。該化合物を用いれば、固相法により容易に4方向分岐型オリゴヌクレオチドが得られ、得られた分岐型オリゴヌクレオチドは、1本鎖DNA、1本鎖RNA、2本鎖DNA又は2本鎖RNAと3本鎖を形成し、アンチセンス分子として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次式(1)
【0008】
【化3】
【0009】
〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってDNA又はRNAを示し、nは2〜6の数を示す〕
で表される分岐型オリゴヌクレオチドを提供するものである。
【0010】
また、本発明は次式(2)
【0011】
【化4】
【0012】
〔式中、Trは、置換基を有していてもよいトリチル基を示し、Aはホスフェート基、ホスホネート基又はホスホロアミダイト基を示し、nは2〜6の数を示す〕
で表されるペンタエリスリトール化合物を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のペンタエリスリトール化合物を示す式(2)中、Trは置換基を有していてもよいトリチル基を示すが、例えばアルコキシル基、アルキル基、ハロゲン原子及びニトロ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいトリチル基が挙げられる。このうち、ジメトキシトリチル基、すなわち、次式
【0014】
【化5】
【0015】
で示される基が特に好ましい。
【0016】
また、Aはホスフェート基、ホスホネート基又はホスホロアミダイト基であるが、これらは固相法による核酸合成の活性エステル残基となり得る基であれば特に限定されない。すなわち、ホスフェート基としては固相ジエステル法、固相トリエステル法に使用される基であれば特に限定されず、ホスホネート基としては固相ホスホネート法に使用される基であれば特に限定されず、ホスホロアミダイト基としては固相ホスホロアミダイト法に使用される基であれば特に限定されない。このうち、ホスホロアミダイト基が特に好ましい。
【0017】
かかるホスホロアミダイト基としては、次式(A−1)
【0018】
【化6】
【0019】
〔式中、R3 は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(シアノ基、アルキルスルホニル基、トリアルキルシリル基で置換されていてもよい)又はアルケニル基を示し、R4 及びR5 は低級アルキル基を示すか、R4 とR5 が隣接する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成してもよい〕
で表される基が挙げられる。
【0020】
また、nとしては、2〜6の数が挙げられるが、2〜4が好ましく、特に3が好ましい。
【0021】
該ペンタエリスリトール化合物(2)は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
【0022】
【化7】
【0023】
〔式中、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を示し、Tr、A及び及びnは前記と同じ)
【0024】
すなわち、ペンタエリスリトール(3)にt−ブチルジフェニルシリルクロリド(TBDPS−Cl)を反応させて化合物(4)を得、これにカルボジイミダゾールを反応させた後アミノアルカノールを反応させることにより化合物(5)を得る。該化合物(5)にトリチルクロリド類を反応させた後脱保護して化合物(6)を得、これにカルボニルジイミダゾールを反応させた後アミノアルカノールを反応させて化合物(7)とした後、ホスフェート試薬、ホスホネート試薬又はホスホロアミダイト試薬を反応させてペンタエリスリトール化合物(2)を得る。
【0025】
ペンタエリスリトール(3)とTBDPS−Clとの反応は、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等の塩基の存在下室温で行えばよい。また、化合物(4)とカルボニルジイミダゾールとの反応は、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下室温で行えばよい。また、この反応混合物に続いてアミノアルコールを添加し、更に室温で反応を行えば化合物(5)が得られる。化合物(5)とトリチルクロリド類との反応は、ピリジン等の塩基の存在下室温で行えばよい。またこの反応で得られた化合物からのTBDPSの脱離反応は、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフロロボレート等を用いて行うのが好ましい。また、化合物(6)から化合物(7)への反応は、前記化合物(4)から化合物(5)への反応と同様にして行われる。化合物(7)のホスフェート化、ホスホネート化又はホスホロアミダイト化反応は、これらの反応に用いる塩化物等を用い、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下に室温で行うのが好ましい。
【0026】
得られたペンタエリスリトール化合物(2)は、2個のホスホロアミダイト基等の活性エステル基を有し、他の2個の官能基がTr基で保護されており、固相法による自動DNA合成機を用いて、4個の同一のオリゴヌクレオチド残基を有する分岐型オリゴヌクレオチド〔式(1)中、R1 =R2 の場合〕又はそれぞれ異なる2組のオリゴヌクレオチド残基を有する分岐型オリゴヌクレオチド〔式(1)中、R1 ≠R2 の場合〕を製造するための架橋試薬として有用である。
【0027】
式(1)中、R1 及びR2 で示されるDNA又はRNAは、該分岐型オリゴヌクレオチドの標的DNA又はRNAによって決定される。すなわち、標的DNA又はRNAの一部に相補的な配列を有するDNA又はRNAとすればよい。
【0028】
固相法による式(1)の分岐オリゴヌクレオチドの合成は、固相トリエステル法、固相ホスホネート法又は固相ホスホロアミダイト法に従って行うことができ、固相ホスホロアミダイト法の場合には、例えばABI391DNA合成機、ABI394DNA/RNA合成機を用いて行うことができるが、その原理は、固相担体(CPG,controlled pore glass)上で、脱水縮合、酸化、保護基の除去などの反応を繰り返して行い、鎖長を伸張してゆくものである。合成は固相担体(CPG)上のDMTr(ジメトキシトリチル)基を除去し、5’水酸基を遊離させること(ステップ1)から始まる。アミダイトをテトラゾールで活性し、カラム上の5’水酸基末端と反応させる(ステップ2)。未反応の5’水酸基をアセチル化する(ステップ3)。ヨーソ水で酸化する(ステップ4)。この1〜4のステップを繰り返してオリゴマーの鎖長を伸張する。
【0029】
かくして得られた分岐型オリゴヌクレオチドは、1本鎖DNAもしくはRNA又は2本鎖DNAもしくはRNAのいずれとも結合して安定な3本鎖を形成するので、アンチセンス分子として有用である。
【0030】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
実施例1
(1)2,2-ビス[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシメチル]-1,3-プロパンジオール(4a)
ペンタエリスリトール 4.08 g (30.0 mmol) を無水ピリジンで共沸後、無水
DMF(500ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、イミダゾール8.99g(132mmol,4.40eq.)、tert-ブチルジフェニルシリルクロリド(TBDPSCl)17.2ml(66.1mmol,2.20eq.)を加えた。室温で30分間撹拌後、エタノール(10ml)を加え反応を停止した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ7.5×12cm,クロロホルム)にて分離、精製し、白色結晶として標記化合物(4a)を10.1 g (16.5 mmol, y.55%)得た。
【0032】
【0033】
(2) 1,3−O−ビス(tert-ブチルジフェニルシリル)-2,2-ビス[[N-(3-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]オキシメチル]-1,3-プロパン (5a)(4a)9.19g(15.0mmol)を無水DMF(50ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)367mg(3.00mmol,0.200eq.)、カルボニルジイミダゾール9.73g(60.0mmol, 4.00eq.)を室温で加えた。40分間撹拌後、3-アミノ-1-プロパノール 17.2ml(225mmol,15.0eq.)を加え、1時間撹拌した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ5.5×13cm,1%メタノールinクロロホルム)にて分離、精製し、白色結晶として標記化合物(5a)を10.9g(13.2mmol,y.88%)得た。
【0034】
【0035】
(3)2,2-ビス[[N-[3-O-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシ)プロピル]カルバモイル]オキシメチル]-1,3-プロパンジオール (6a)
(5a)10.0g(12.3mmol) を無水ピリジン(50ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl)9.17g(27.1mmol,2.20eq.) を室温で加えた。1時間撹拌後、エタノール(15ml)を加え反応を停止した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をTHF(50ml)に溶解し、tert-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(1M in THF)(50mmol,4.07eq.)を氷冷下で加え、室温で1日間撹拌した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ6.0×14cm, 0%〜2%メタノールinクロロホルム)にて分離、精製し、白色泡状物質として(6a)を9.88g(10.5mmol, y.85%)得た。
【0036】
【0037】
(4)1,3-O-ビス[[N-[3-O-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシ)プロピル]カルバモイル]-2,2-ビス[[N-(3-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]オキシメチル]-1,3-プロパンジオール(7a)
(6a)9.43g(10.0mmol)を無水DMF(40ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)122mg(0.999mmol,0.100eq.)、カルボニルジイミダゾール(Im2CO)6.49g(40.0mmol,4.00eq.)を室温で加えた。40分間撹拌後、3-アミノ-1-プロパノール11.5ml(150mmol,15.0eq.)を加え、1時間撹拌した。減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ6.0×13.5cm, 1%〜3%メタノールinクロロホルム)にて分離、精製し、白色泡状物質として標記化合物(7a)を10.4g(9.08mmol, y.91%)得た。
【0038】
【0039】
(5)2,2-ビス[[N-[3-O-[[(β-シアノエトキシ)(N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスフィンノ]オキシ]プロピル]カルバモイル]オキシメチル]-1,3-ビス[N-[3-O-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシ)プロピル]カルバモイル]-1,3-プロパンジオール(8a)
(7a)458mg(0.400mmol)を無水ピリジンで共沸後、無水ジクロロメタン(12ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン279μl(1.60mmol,4.00eq.)、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト268μl(1.20mmol,3.00eq.) を加え、室温で加えた。10分間撹拌後、クロロホルム(40ml)を加え希釈し、溶液を飽和重曹水 (×2)、飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ2.0×12cm酢酸エチル)にて分離、精製し、白色泡状物質として標記化合物(8a)を400mg(0.259mmol, y.65%)で得た。
【0040】
【0041】
実施例2
(1)DNA合成機による分岐型オリゴデオキシリボヌクレオチドの合成
合成はホスホロアミダイト法に従いABI model 391 DNA Synthesizerまたは、ABI model 394 DNA/RNA Synthesizerを用いて行った。#1-4ボトルには、A,G,C,Tのホスホロアミダイトを、#5ボトルには、化合物(8a)を、#9-15 ボトルには、DNA Synthesizer試薬をセットした。1μmol のCPG樹脂に対して、0.1M(A,G,C,T),0.025M化合物(8a)(in CH3CN)(A,G,C,Tについては約20当量)を縮合反応に使用した。縮合時間は、A,G,C,Tについては300秒、化合物 (8a)については 600秒とした。なお、鎖長伸長反応は、5'末端のDMTr基を脱保護した状態(Tr-Off)で終了した。縮合収率は、DMTrカチオン発色が見られる各フラクションを乾固後、クロロホルムを加え10μl に希釈し、その200μlを取り乾固した後、残渣に過塩素酸:エタノール=3:2の溶液(1ml)を加え、その500nm における吸光度を測定した。得られたオリゴマーの構造及びオリゴマーの収量(OD260units) については以下に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
(2)分岐型オリゴデオキシリボヌクレオチドの精製
CPGに結合したオリゴマーに29%アンモニア水(2ml)を加え、55℃で10〜16時間放置し、反応液をろ過したのち凍結乾燥した。残渣にミリQ水(1ml)を加え、その260nmにおける吸光度を測定し、C-18逆相HPLCで分析した後、ポリアクリルアミドゲルに1レーン2.0 OD260unitsずつアプライし、20%PAGE (700〜1400V(定電圧),10〜16h)を行った。泳動終了後、目的とするオリゴマーのバンドをポリアクリルアミドゲルから切り出した。切り出したゲルに、ミリQ水(約1ml)を加え2時間振蘯し、その上澄みを取った。この操作を3回繰りかえしたのち、凍結乾燥し、残渣をC-18逆相HPLCにより精製し高純度のオリゴマーを得た。C-18逆相HPLCでの分析ならびに精製条件、精製後のオリゴマーの質量分析については以下に示した。
【0044】
C-18逆相HPLC
A液: 5%アセトニトリルin 0.1M TEAA buffer
B液: 50%アセトニトリルin 0.1M TEAA buffer
【0045】
【表2】
【0046】
実施例3
パラレル型T・AT塩基対を形成する分岐型オリゴヌクレオチドの分子間3本鎖核酸形成能の検討。
実施例2で得られた分岐型オリゴヌクレオチド(C)を用いて、図1で示すような3本鎖を形成するか否かを熱変性法により検討した。
【0047】
(1)熱変性法による50%融解温度の測定
測定における2本鎖及び3本鎖の濃度は全て3μMとなるように設定した。試料はあらかじめ以下に示すような条件でアニーリングした。
(i)コントロール2本鎖[d(T)14・d(A)14]
100℃、3分間加熱後、4℃までゆっくり冷却した。
(ii)コントロール3本鎖[2d(T) 14 ・d(A)14]
2本鎖溶液と第三の鎖溶液を別々に調製し、2本鎖溶液を100℃、3分間加熱後、室温までゆっくり冷却した。2本鎖溶液と第三の鎖溶液を混合し、50℃、10分間加熱後、4℃までゆっくり冷却した。
(iii)分岐型オリゴヌクレオチド(2本鎖及び3本鎖)
100℃、3分間加熱後、4℃までゆっくり冷却した。
(2)連続変動法による混合曲線の測定
測定は全て5℃で行った。
0.01M NaH2PO4(pH7.0)、0.5M NaCl2、0.02M MgCl2のBuffer(400μl)に分岐型オリゴヌクレオチドを3μMとなるようにキュベットに入れ、260nmにおいて吸光度を測定した。別に用意した相補的な鎖の3μM溶液(Bufferは同様)を加え転倒混和後、5℃で10分間静置したのち260nmにおける吸光度を測定した。これを繰り返し、相補鎖のモル分率に対して260nmにおける吸光度をプロットした。
【0048】
その結果、コントロール2本鎖の場合には284nmにおいて転移は観測されず、260nmにおいてのみ転移が測定された。一方、コントロール3本鎖及び分岐型オリゴヌクレオチド(C)とd(A)21からなるコンプレックスは、260nm及び280nmにおいてほぼ同温度で1つの転移が観測された。一方、分岐型オリゴヌクレオチド(C)単独では、260nmにおいて、転移が観測されたが、280nmにおいては転移は観測されなかった。
以上の結果から、本発明の分岐型オリゴヌクレオチドはパラレル型3本鎖核酸を形成することが判明した。
【0049】
実施例4
アンチパラレル型A・AT塩基対を形成する分岐型オリゴヌクレオチドの分子間3本鎖核酸成形能の検討
実施例2で得られた分岐型オリゴヌクレオチド(D)を用いて、図2で示すような3本鎖を形成するか否かを熱変性法により検討した。
その結果、本発明の分岐型オリゴヌクレオチドはアンチパラレル型3本鎖核酸も形成することが判明した。
【0050】
【発明の効果】
本発明のペンタエリスリトール化合物(2)を用いれば固相ホスホロアミダイト法により容易に4方向分岐型オリゴヌクレオチド(1)が得られる。この分岐型オリゴヌクレオチド(1)は、種々のDNAやRNAと3本鎖核酸を形成するので、アンチセンス分子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明分岐型オリゴヌクレオチドのパラレル型3本鎖核酸形成の模式図を示す。
【図2】 本発明分岐型オリゴヌクレオチドのアンチパラレル型3本鎖核酸形成の模式図を示す。
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