JP2009190929A - 二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高炉ガスなどの二酸化炭素を含有する混合ガスから、発熱量を高めるなどの目的のために、一酸化炭素及び水素を分離・回収するにあたり、従来、前記混合ガスから分離・除去されていた二酸化炭素を分離・除去することなく、逆に二酸化炭素を有効活用して、前記混合ガスから高回収率且つ高効率で一酸化炭素及び水素を分離・回収することのできる、二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも二酸化炭素を含有する混合ガスaを、改質反応器3にて触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び混合ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、混合ガス中の二酸化炭素を削減または除去すると同時に、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させ、その後、吸着分離塔4にて、改質した混合ガスから一酸化炭素d及び水素eを分離・回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製鉄所の高炉炉頂から排出される高炉ガスなどの二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法に関し、詳しくは、二酸化炭素を含有する混合ガス中の二酸化炭素をジメチルエーテルと反応させて一酸化炭素と水素とに改質し、混合ガス中の二酸化炭素含有量を削減または除去した上で、この混合ガスから一酸化炭素及び水素を分離・回収する方法に関するものである。
銑鋼一貫製鉄所において、鉄鉱石を還元して溶銑を製造する高炉の炉頂から排出される高炉ガスは、熱風炉燃料ガス、コークス炉燃料ガス及び発電所用燃料ガスとして有効利用されている。しかしながら高炉ガスは、その組成が、一酸化炭素:21.1〜26.2体積%、二酸化炭素:19.3〜23.2体積%、水素:2.9〜5.3体積%、窒素:52.5〜59.2体積%であり、可燃性ガス成分が少なく、その発熱量が3031〜3784kJ(723〜903kcal/Nm3)と低く(第4版鉄鋼便覧(CD-ROM)No.1第2巻製銑・製鋼、2002年7月30日発行、表42-5・7(2000)を参照)、単独で燃料ガスとして使用すると、燃焼ガス温度が低くて高温用途には適していない。そこで、高炉ガスと同様に製鉄所の副生ガスであるコークス炉ガスや転炉ガスなどの2000kcal/Nm3以上の発熱量を有する高カロリー副生ガスと混合されて、上記用途に利用されている。
製鉄所における副生ガスの発生量では、高炉ガスの発生量が他の副生ガスに比べて圧倒的に多く、その利用のために大量のコークス炉ガスや転炉ガスが増熱用ガスとして消費されている。特に近年、高炉の操業は重油吹き込みから微粉炭吹き込みに転換していることから、高炉ガスの発生量が増大する傾向にあり、それに伴って増熱用高カロリー副生ガスの消費量が増加し、従来、製鉄所下工程の鋼材加熱炉で使用していた高カロリーの副生ガスの不足が懸念される事態となりつつある。高カロリーの副生ガスの代替としては、LPGやLNGなどの購入燃料が使用されることになる。
そこで、高炉ガスを発熱量が高くなるように改質し、単独での利用を可能とする手段が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、高炉炉頂から排出される高炉ガスから二酸化炭素を分離除去して、900kcal/Nm3以上の発熱量の改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス、LPGガスの何れか1種または2種以上の一部または全部と代替することが提案されている。
このようにして改質した高炉ガスを使用することにより、増熱用高カロリー副生ガスの消費量はそれなりに減少するものの、特許文献1のように、高炉ガスから二酸化炭素のみを除去した場合に生成される改質高炉ガスは、およそ70体積%程度の窒素を含有しており、その発熱量は高々1000kcal/Nm3程度にしかならない。即ち、他の副生ガスであるコークス炉ガスや転炉ガスに較べると発熱量が高いとはいえず、コークス炉ガス、転炉ガス、LPGガスのうちの何れか1種の全部と代替することはできない。また、特許文献1には、分離した二酸化炭素の利用方法については何ら記載されておらず、分離した二酸化炭素を単に空気中に放散したり、ドライアイスの原料としたりする程度では、二酸化炭素の分離のための費用を考慮すると、発熱量の増加分が少ないことから、効率的な方法とはいえない。また、発熱量をより一層高くするために、二酸化炭素を分離した後の高炉ガスから、一酸化炭素及び水素を分離・回収しようとする場合には、70体積%程度を占める窒素の影響によって、一酸化炭素及び水素の効率的な分離・回収が損なわれる。
ところで、二酸化炭素をジメチルエーテルと反応させ、ジメチルエーテル及び二酸化炭素を、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスに改質することは公知であり、例えば特許文献2には、ジメチルエーテルに二酸化炭素を加え、製鉄所や発電所などで発生する200〜500℃の中低温排熱を利用して触媒反応させ、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスに改質し、得られた合成ガスを燃料として発電することが提案されている。しかしながら、特許文献2では、使用する二酸化炭素の出所を明示しておらず、この使用目的のために二酸化炭素を製造した場合には、ジメチルエーテルの改質コストは高価となる。
特開2004−309067号公報 特開平11−106770号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉ガスなどの二酸化炭素を含有する混合ガスから、発熱量を高めるなどの目的のために、一酸化炭素及び水素を分離・回収するにあたり、従来、前記混合ガスから分離・除去されていた二酸化炭素を分離・除去することなく、逆に二酸化炭素を有効活用して、前記混合ガスから高回収率且つ高効率で一酸化炭素及び水素を分離・回収することができ、その結果、前記混合ガスの発熱量を従来に比較して大幅に高めることが可能となる、二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究・検討した。その結果、二酸化炭素を含有する混合ガスをジメチルエーテルと反応させることにより、混合ガス中の二酸化炭素を実質的に除去でき、且つ、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を高めることができ、その結果、二酸化炭素及び窒素の少ない混合ガスに改質できることを見出した。即ち、ジメチルエーテルと混合ガスに含有される二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とを製造することにより、二酸化炭素を実質的に除去できると同時に、一酸化炭素及び水素の含有量が上昇し、それに応じて窒素の濃度が低下することを見出した。
本発明者等は、既にジメチルエーテルと二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とを製造するジメチルエーテルの二酸化炭素による改質について、数多くの開発を行っており(例えば、特開2003−10684号公報など)、ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質においては、所定の触媒を用いれば、300℃以上の反応温度にて、99%以上の反応率で一酸化炭素と水素とを製造できることを確認している。
即ち、製鉄所において、高炉ガスをジメチルエーテルと反応させることにより、高炉ガス中の二酸化炭素を実質的に除去できると同時に、高炉ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高めることができ、それによって高炉ガス中の窒素濃度が下がり、二酸化炭素を分離しなくても、改質した高炉ガスから、有用成分である一酸化炭素及び水素を効率的に分離・回収することが可能となるとの知見が得られた。
本発明は、上記検討結果に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法は、少なくとも二酸化炭素を含有する混合ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び混合ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、混合ガス中の二酸化炭素を削減または除去すると同時に、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させ、その後、改質した混合ガスから一酸化炭素及び水素を分離することを特徴とするものである。
第2の発明に係る二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法は、少なくとも二酸化炭素及び窒素を含有する混合ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び混合ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、混合ガス中の二酸化炭素を削減または除去すると同時に、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させ、その後、改質した混合ガスを、一酸化炭素を主成分とするガス、水素を主成分とするガス、窒素を主成分とするガスの3種類に分離することを特徴とするものである。
第3の発明に係る二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法は、第1または第2の発明において、前記混合ガスは、製鉄所の高炉から排出される高炉ガスであることを特徴とするものである。
本発明によれば、ジメチルエーテルと、二酸化炭素を含有する混合ガス中の二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とに転化するので、改質後の混合ガス中の二酸化炭素を実質的に除去することができるとともに、改質後の混合ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高め、且つ、窒素濃度を低下することができるので、混合ガスから二酸化炭素を分離する工程を実施することなく、改質した混合ガスから、有用成分である一酸化炭素及び水素を高回収率且つ高効率で分離・回収することができる。
以下、二酸化炭素を含有する混合ガスとして製鉄所の高炉から排出される高炉ガスを例として、本発明を高炉ガスに適用した場合について、具体的に説明する。
二酸化炭素を含有する混合ガスの1例である高炉ガスには、二酸化炭素(「CO2」とも記す)が19〜24体積%、一酸化炭素(「CO」とも記す)が21〜27体積%、水素(「H2」とも記す)が2〜6体積%含まれており、残りの成分は窒素(「N2」とも記す)である。本発明では、この二酸化炭素を原料としてジメチルエーテル(「CH3OCH3」とも記す)と反応させて、一酸化炭素と水素とに転化させる。この反応式を下記の(1)式に示す。
CH3OCH3+CO2 →3CO+3H2 …(1)
(1)式に示すように、この改質反応により、1モルのジメチルエーテルと1モルの二酸化炭素から、3モルの水素と3モルの一酸化炭素とが生成し、分子数が3倍に増大して体積膨張が発生することが分かる。また、この改質反応により、発熱量は、ジメチルエーテル1モル当たり58kcal増加し、ジメチルエーテルの発熱量が318kcal/molであることから、約18%の熱量増加になる。
また、(1)式の反応は、ジメチルエーテルを残留させなくても二酸化炭素がほぼ無くなるまで進行し、従って、反応後の高炉ガスの成分は、実質的に、一酸化炭素と水素と窒素のみとなり、高炉ガスの発熱量を増加しようとする際には、二酸化炭素を分離・除去する必要がなくなるのみならず、水素及び一酸化炭素の含有量が増加し、それに伴って相対的に窒素濃度が低下することから、水素及び一酸化炭素の分離・回収工程を効率的に行うことが可能となる。
(1)式に示す反応では触媒を用いるが、触媒は、通常、原料ガス中の硫黄分やダストによる性能の劣化が起こり、しかも、高炉ガスには、ダスト(固体粒子)や硫黄分が含まれているので、予め高炉ガスを脱硫処理及びダスト除去処理しておくことが好ましい。因みに、高炉炉頂から排出された後にダストキャッチャー及びベンチュリースクラバーを通した後の高炉ガス中には、ダスト分としては、亜鉛、マンガン、鉄などの金属粉のほかに、炭素粉が最大5mg/Nm3程度混合しており、また、硫黄分としては、硫化カルボニル及び硫化水素が最大100mg−S/Nm3含まれている。脱硫処理やダスト除去処理の方法は、吸着による硫黄分除去やフィルターによるダスト除去など、慣用の方法を用いることができる。
上記(1)式の反応に用いる触媒の種類は、特に限定されるものではなく、ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質反応を行い得る触媒である限り、どのような触媒であっても構わない。但し、特に好ましい触媒としては、本発明者等の経験から、銅及びアルミナ(Al23)を含有する触媒が挙げられる。
また、(1)式の反応を行うための反応器としては、流動床式であっても、また固定床式であってもどちらでもよいが、加熱を効率的に行うことのできる方式が望ましい。効率的な反応器の1例としては、シェルアンドチューブ方式などがある。また、反応器に供給する熱源は、250〜400℃の反応温度が得られる限り、どのような熱源を使用しても構わないが、改質費用を下げる観点から、製鉄所で発生する燃焼排ガスなどの排熱を使用することが好ましい。
反応条件としては、反応温度が250〜400℃の範囲、望ましくは300〜350℃の範囲、圧力が0.01〜0.5MPaの範囲、望ましくは0.07〜0.15MPaの範囲、接触時間が0.1〜50g−cat・h/molの範囲、望ましくは10〜40g−cat・h/molの範囲である。
上記の方法で得られる反応成績は、反応条件による各温度での平衡転化率まで得ることができる。例えば、350℃での反応であれば、99.9%の二酸化炭素転化率が得られるため、実質的に二酸化炭素をガス中から除去することができる。因みに、二酸化炭素が22体積%、一酸化炭素が22体積%、水素が2体積%、窒素が54体積%の高炉ガスを350℃で反応させた場合には、改質後のガス組成は、一酸化炭素が41.9体積%、水素が32.4体積%、窒素が25.7体積%となる。一方、二酸化炭素のみを除去した場合のガス組成は、一酸化炭素が28.2体積%、水素が2.6体積%、窒素が69.2体積%となる。
ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質が施された後の高炉ガス、つまり二酸化炭素の除去された改質高炉ガスから、一酸化炭素及び水素を回収する方法は、各種の吸着法、深冷分離法、膜分離法などの方法を用いることができるが、一酸化炭素、水素、窒素をそれぞれ分離し、有用な一酸化炭素及び水素を回収する場合には、吸着法を用いることが好ましい。また、水素回収を目的とする場合には、膜分離法が最適である。ここで、改質後の高炉ガスからの一酸化炭素、水素、窒素の分離に費やす動力などのエネルギー源は、省エネルギー及び二酸化炭素発生量の削減などの観点から、高炉炉体の冷却水、転炉排ガスの冷却水、加熱炉排ガスなどの製鉄所の排熱から回収したエネルギーを利用することが好ましい。
次いで、添付図面を参照して本発明の具体的な実施方法を説明する。図1は、本発明の実施形態例を示す概略工程図であり、図1において、符合1はダストフィルター、2は脱硫塔、3は改質反応器、4は吸着分離塔である。
図1に示すように、高炉から排出された高炉ガスは、先ず、ダストフィルター1に導入されてガス中に含まれる鉄分などのダストが除去され、次いで、脱硫塔2に導入されてガス中に含まれる硫黄分が除去される。このようにして、ダスト及び硫黄分の除去された高炉ガスaに、ジメチルエーテル(「DME」とも記す)を添加する。ジメチルエーテルの添加量は、高炉ガス中の二酸化炭素の当量と同一とするのが最も望ましい。つまり、ジメチルエーテルが残留することなく、しかも、高炉ガス中の二酸化炭素の全量がジメチルエーテルと反応するように添加量を設定することが最も望ましい。
ジメチルエーテルが添加された高炉ガスbは、ジメチルエーテルと混合しながら、改質反応器3に供給される。改質反応器3は、シェルアンドチューブ式の反応器であり、チューブ内に、銅及びアルミナを含有する触媒が充填されている。また、改質反応器3のシェル側には、反応温度を確保するための熱媒体の供給路3a及び熱交換した後の熱媒体の排出路3bが設けられ、供給される熱媒体によって改質反応器3のチューブ内の温度が250〜400℃の範囲に維持されるようになっている。使用する熱媒体としては、前述したように、製鉄所で発生する燃焼排ガスなどの排熱を利用することが好ましい。また、改質反応器3の内部の圧力が0.01〜0.5MPaの範囲、接触時間が0.1〜50g−cat・h/molの範囲の範囲になるように、図示せぬポンプや弁によって制御されている。
改質反応器3において、ジメチルエーテルと二酸化炭素とが混合され、且つ、熱が与えられることにより、触媒反応が進行し、ジメチルエーテルと二酸化炭素とが、一酸化炭素と水素とに転化される。
この改質反応によって二酸化炭素が実質的に除去された改質高炉ガスcは、吸着分離塔4に送られる。この場合、改質高炉ガスcを改質反応器3から吸着分離塔4に直接送る必要はなく、途中にガスホルダー(図示せず)などを配置して改質高炉ガスcを一旦貯留するようにしてもよい。
吸着分離塔4に充填される吸着剤としては、一酸化炭素、水素、窒素が或る程度分離され得る材料であれば何れも利用可能であり、特に指定するものではなく、市販の活性炭やゼオライトが使用可能である。また、吸着時の圧力、脱着時の圧力ともに特に指定するものではないが、操作の容易性から、吸着圧力は100〜500kPa、脱着圧力は5〜100kPaが好ましい。
吸着分離塔4に導入された改質高炉ガスcは、一酸化炭素を主成分とするガスd、水素を主成分とするガスe、窒素を主成分とするものの、その他に一酸化炭素及び水素を含む混合ガスfに分離される。一酸化炭素を主成分とするガスdは、純度99%以上の高純度COであり、熱量3000kcal/Nm3以上の燃料ガスとして利用可能である他、化学原料としても有用である。同様に、水素を主成分とするガスeは、純度90%以上のH2である。吸着分離塔4では、吸着分離塔4へのガス導入及び吸着分離塔4からのガス排出の操作を繰り返し実施する。
このように、本発明によれば、二酸化炭素を含有する混合ガス中の二酸化炭素とジメチルエーテルとを反応させて一酸化炭素と水素とに転化するので、改質後の混合ガス中の二酸化炭素を実質的に除去することができるとともに、改質後の混合ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高め、且つ、窒素濃度を低下することができるので、混合ガスから二酸化炭素を分離する工程を必要とせずに、改質した混合ガスから、有用成分である一酸化炭素及び水素を高回収率且つ効率的に分離・回収することが可能となる。
図1に示す装置及び工程で、高炉ガスの分離を行った。吸着分離塔における吸着剤としては、ゼオライトを使用し、改質反応器には、銅及びアルミナを含有する触媒を充填させた。この触媒は、以下の手順により作製した。
硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)7.40kg、硝酸亜鉛(Zn(NO32・6H2O)4.68kg、及び硝酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)2.08kgをイオン交換水約20Lに溶解した水溶液と、炭酸ナトリウム(Na2CO3)約8kgをイオン交換水約20Lに溶解した水溶液とを、約60℃に保温したイオン交換水約50Lの入ったステンレス製容器中に、pHが7.0±0.5に保持されるように調整しながら、約2時間費やして滴下した。滴下終了後、そのまま約1時間熟成させた。次に、生成した沈殿を濾過した後、イオン交換水で洗浄した。得られたケーキを120℃で24時間乾燥した後、更に空気中で350℃の温度で3時間焼成した。焼成後、100μm以下まで粉砕して、銅含有粉体を得た。この銅含有粉体に対して、粒径20μmのγ−アルミナを質量比が2対1になるように混合し、この混合粉体を径3mm、高さ3mmのタブレット状に圧縮成型し、これを触媒とした。
使用した高炉ガスの組成は、二酸化炭素が22体積%、一酸化炭素が22体積%、水素が2体積%、窒素が54体積%であり、3.8Nm3/hrの高炉ガスの改質反応器への供給流量に対し、0.84Nm3/hrの流量でジメチルエーテルを供給し、反応温度を350℃としてジメチルエーテルの二酸化炭素による改質反応を行った。この改質反応により、改質反応器の出側では、一酸化炭素が41.9体積%、水素が32.4体積%、窒素が25.7体積%のガスが得られた。
このガスを吸着分離塔に導入し、一酸化炭素を主体とするガスと、水素を主体とするガスと、窒素を主体とするガスの3種類に分離した(本発明例)。この場合、一酸化炭素を主体とするガスは、ガス中の一酸化炭素濃度が99.5体積%以上となり、また、水素を主体とするガスは、ガス中の水素濃度が90体積%以上になるように、吸着分離塔の運転条件を設定した。
その結果、吸着分離塔により分離・回収された一酸化炭素を主体とするガスの一酸化炭素濃度は99.5体積%で、一酸化炭素の回収率は90%であった。また、水素を主体とするガスの水素濃度は90体積%であり、水素の回収率は80%であった。ここで、一酸化炭素及び水素の回収率とは、吸着分離塔へ導入した一酸化炭素或いは水素の導入量に対する、回収した一酸化炭素または水素の回収量の百分率表示の比率である。
また、比較のために、高炉ガスから二酸化炭素を分離除去したガスを用い、このガスを吸着分離塔に導入し、一酸化炭素を主体とするガスと、水素を主体とするガスと、窒素を主体とするガスの3種類に分離する試験も実施した(比較例)。因みに、高炉ガスから二酸化炭素を分離除去したガスの組成は、一酸化炭素が28.2体積%、水素が2.6体積%、窒素が69.2体積%である。
この予め二酸化炭素を分離・除去したガスから、吸着分離塔により分離・回収された一酸化炭素を主体とするガスの一酸化炭素濃度は99.5体積%で、一酸化炭素の回収率は80%となり、また、水素を主体とするガスの水素濃度は90体積%で、水素の回収率は30%であった。
このように、本発明によれば、高炉ガスから、一酸化炭素及び水素を高回収率で回収できることが確認された。
本発明の実施形態例を示す概略工程図である。
符号の説明
1 ダストフィルター
2 脱硫塔
3 改質反応器
4 吸着分離塔

Claims (3)

  1. 少なくとも二酸化炭素を含有する混合ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び混合ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、混合ガス中の二酸化炭素を削減または除去すると同時に、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させ、その後、改質した混合ガスから一酸化炭素及び水素を分離することを特徴とする、二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法。
  2. 少なくとも二酸化炭素及び窒素を含有する混合ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び混合ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、混合ガス中の二酸化炭素を削減または除去すると同時に、混合ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させ、その後、改質した混合ガスを、一酸化炭素を主成分とするガス、水素を主成分とするガス、窒素を主成分とするガスの3種類に分離することを特徴とする、二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法。
  3. 前記混合ガスは、製鉄所の高炉から排出される高炉ガスであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素を含有する混合ガスの改質・分離方法。
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