JP5009829B2 - 高炉ガスの改質方法及び利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄所の高炉炉頂から排出される高炉ガスの改質方法及び利用方法に関し、詳しくは、高炉ガスをジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテルと高炉ガス中の二酸化炭素とを、一酸化炭素と水素とに改質し、高炉ガス中の二酸化炭素含有量を削減または除去して高炉ガスの発熱量を増加させる改質方法、並びに、このようにして改質した高炉ガスの利用方法に関するものである。
銑鋼一貫製鉄所において、鉄鉱石を還元して溶銑を製造する高炉の炉頂から排出される高炉ガスは、熱風炉燃料ガス、コークス炉燃料ガス及び発電所用燃料ガスとして有効利用されている。しかしながら高炉ガスは、その組成が、一酸化炭素:21.1〜26.2体積%、二酸化炭素:19.3〜23.2体積%、水素:2.9〜5.3体積%、窒素:52.5〜59.2体積%であり、可燃性ガス成分が少なく、その発熱量が3031〜3784kJ(723〜903kcal/Nm3)と低く(第4版鉄鋼便覧(CD-ROM)No.1第2巻製銑・製鋼、2002年7月30日発行、表42-5・7(2000)を参照)、単独で燃料ガスとして使用すると、燃焼ガス温度が低くて高温用途には適していない。そこで、高炉ガスと同様に製鉄所の副生ガスであるコークス炉ガスや転炉ガスなどの8383kJ(2000kcal/Nm3)以上の発熱量を有する高カロリー副生ガスと混合されて、上記用途に利用されている。
製鉄所における副生ガスの発生量では、高炉ガスの発生量が他の副生ガスに比べて圧倒的に多く、その利用のために大量のコークス炉ガスや転炉ガスが増熱用ガスとして消費されている。特に近年、高炉の操業は重油吹き込みから微粉炭吹き込みに転換していることから、高炉ガスの発生量が増大する傾向にあり、それに伴って増熱用高カロリー副生ガスの消費量が増加し、従来、製鉄所下工程の鋼材加熱炉で使用していた高カロリーの副生ガスの不足が懸念される事態となりつつある。高カロリーの副生ガスの代替としては、LPGやLNGなどの購入燃料が使用されることになる。
そこで、高炉ガスを発熱量が高くなるように改質し、単独での利用を可能とする手段が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、高炉炉頂から排出される高炉ガスから二酸化炭素を分離・除去して、3772kJ(900kcal/Nm3)以上の発熱量の改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス、LPGガスの何れか1種または2種以上の一部または全部と代替することが提案されている。
このようにして改質した高炉ガスを使用することにより、増熱用高カロリー副生ガスの消費量はそれなりに減少するものの、特許文献1のように、高炉ガスから二酸化炭素のみを除去した場合に生成される改質高炉ガスは、およそ70体積%程度の窒素を含有しており、その発熱量は高々4191kJ(1000kcal/Nm3)程度にしかならない。即ち、他の副生ガスであるコークス炉ガスや転炉ガスに較べると発熱量が高いとはいえず、コークス炉ガス、転炉ガス、LPGガスのうちの何れか1種の全部と代替することはできず、二酸化炭素分離のための費用を考慮すると、発熱量の増加分が少ないことから効率的な方法とはいえない。また、特許文献1では、二酸化炭素を除去するのみであるため、二酸化炭素除去後の改質高炉ガスの単位体積当りの発熱量は、二酸化炭素が無くなった分だけ増えるものの、高炉炉頂から排出された高炉ガスの単位体積当りの発熱量が増えたわけではなく、単位時間当りに得られる高炉ガスからの熱量は変化しない。
ところで、二酸化炭素をジメチルエーテルと反応させ、ジメチルエーテル及び二酸化炭素を、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスに改質することは公知であり、例えば特許文献2には、ジメチルエーテルに二酸化炭素を加え、製鉄所や発電所などで発生する200〜500℃の中低温排熱を利用して触媒反応させ、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスに改質し、得られた合成ガスを燃料として発電することが提案されている。しかしながら、特許文献2では、使用する二酸化炭素の出所を明示しておらず、この使用目的のために二酸化炭素を製造した場合には、ジメチルエーテルの改質コストは高価となる。
特開2004−309067号公報 特開平11−106770号公報
特許文献1のように、従来の高炉ガスの増熱方法は、高炉ガスから二酸化炭素を除去することを前提としており、改質された後の高炉ガスの発熱量は、他の副生ガスに比較して低く、高カロリーの副生ガスの代替として利用できないのみならず、高炉ガスの単位体積当りの発熱量が増えたわけではなく、高炉ガスの発生量が一定であれば、高炉ガスから得られる熱量は変化しないという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉ガスの発熱量を高めるべく高炉ガスを改質するに当り、従来、高炉ガスから分離・除去されていた二酸化炭素を分離・除去することなく、逆に二酸化炭素を有効活用することで、改質後の高炉ガスの単位体積当りの発熱量を従来に比較して格段に高めることができるともに、単位時間当りに得られる高炉ガスからの熱量を、高炉ガスの発生量が従来と同等であっても従来に比較して格段に増加することのできる、高炉ガスの改質方法を提供するとともに、改質した高炉ガスの利用方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究・検討した。その結果、高炉炉頂から排出される高炉ガスをジメチルエーテルと反応させることにより、高炉ガス中の二酸化炭素を削減する或いは実質的に除去することができると同時に、高炉ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を高めることができ、その結果、二酸化炭素及び窒素の含有量が少なく、高発熱量の高炉ガスに改質できることを見出した。即ち、ジメチルエーテルと高炉ガスに含有される二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とを製造することにより、一酸化炭素及び水素の含有量が上昇し、それに応じて二酸化炭素及び窒素の濃度が低下し、高炉ガスの単位体積当りの発熱量を従来に比較して格段に高めることができるともに、単位時間当りに得られる高炉ガスからの熱量を従来に比較して格段に増加することができることを見出した。
本発明者等は、既に、ジメチルエーテルと二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とを製造するジメチルエーテルの二酸化炭素による改質について、数多くの開発を行っており(例えば、特開2003−10684号公報など)、ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質においては、所定の触媒を用いれば、300℃以上の反応温度にて、99%以上の反応率で一酸化炭素と水素とを製造できることを確認している。尚、このジメチルエーテルの二酸化炭素による改質反応は吸熱反応であり、ジメチルエーテル1モルを燃焼させたときの発熱量(=1328kJ)よりも、二酸化炭素と反応させて生成される一酸化炭素及び水素の発熱量の合計値(=1575kJ)の方が大きくなる。また、この反応を製鉄所で発生する排熱を利用して行えば、併せて排熱の有効利用も達成される。
即ち、製鉄所において、加熱炉の燃焼排ガスなどの排熱を利用して高炉ガスをジメチルエーテルと反応させることにより、高炉ガス中の二酸化炭素を削減する或いは実質的に除去することができると同時に、高炉ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高めることができ、それによって高炉ガス中の二酸化炭素及び窒素の濃度が下がり、二酸化炭素を分離しなくても、高発熱量の改質高炉ガスを得ることができるとの知見が得られた。
本発明は、上記検討結果に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る高炉ガスの改質方法は、製鉄所の高炉から排出される高炉ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び高炉ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、改質後の高炉ガス中の二酸化炭素を削減すると同時に、改質後の高炉ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させることを特徴とするものである。
第2の発明に係る高炉ガスの改質方法は、第1の発明において、改質後の高炉ガス中の二酸化炭素の濃度が、高炉から排出された時点での高炉ガス中の二酸化炭素濃度の10%以下となるように、高炉ガスとジメチルエーテルとを反応させることを特徴とするものである。
第3の発明に係る高炉ガスの利用方法は、第1または第2の発明に記載の高炉ガスの改質方法によって得られた改質後の高炉ガスを、燃料ガスとして利用することを特徴とするものである。
本発明によれば、ジメチルエーテルと、高炉ガス中の二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とに転化するので、高炉ガス中の二酸化炭素を、実質的にゼロとなるまで削減することができるとともに、改質後の高炉ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高め、且つ、窒素濃度を低下することができるので、高炉ガスから二酸化炭素を分離する工程を実施することなく、改質後の高炉ガスの単位体積当りの発熱量を従来に比較して格段に高めることが達成されるともに、ジメチルエーテルの添加によって、単位時間当りに得られる高炉ガスからの熱量も従来に比較して格段に増加される。
以下、本発明を具体的に説明する。
製鉄所の高炉炉頂から排出される高炉ガスには、二酸化炭素(「CO2」とも記す)が19〜24体積%、一酸化炭素(「CO」とも記す)が21〜27体積%、水素(「H2」とも記す)が2〜6体積%含まれており、残りの成分は窒素(「N2」とも記す)である。これらのガス成分の中で燃料ガスとして有用な成分は、一酸化炭素と水素であり、二酸化炭素及び窒素は不燃性である。本発明では、高炉ガスにジメチルエーテル(「CH3OCH3」とも記す)を添加し、高炉ガス中の二酸化炭素を原料としてジメチルエーテルと反応させて、一酸化炭素と水素とに転化させる。この反応式を下記の(1)式に示す。
CH3OCH3+CO2 →3CO+3H2 …(1)
(1)式に示すように、この改質反応により、1モルのジメチルエーテルと1モルの二酸化炭素とから、3モルの水素と3モルの一酸化炭素とが生成し、分子数が3倍に増大して体積膨張が発生することが分かる。また、ジメチルエーテル1モルの発熱量は1328kJであり、転化して生成される一酸化炭素及び水素の発熱量の合計値が1575kJであるので、この改質反応により、発熱量は約18%増加することになる。
また、(1)式の反応は、ジメチルエーテルを残留させなくても二酸化炭素がほぼ無くなるまで進行し、従って、反応後の高炉ガスの成分を、実質的に、一酸化炭素と水素と窒素のみとすることができ、しかも、燃料ガスとして有用な一酸化炭素及び水素の含有量を高めることができるので、高炉ガスから二酸化炭素を分離・除去することなく、高炉ガスの発熱量を増加させることができる。つまり、高炉ガスに含有される二酸化炭素のモル数と同一のモル数のジメチルエーテルを添加すれば、ジメチルエーテルを残留させずに二酸化炭素をほぼゼロとすることができる。ジメチルエーテルの添加量が二酸化炭素のモル数に比較して少ない場合には、ジメチルエーテルの濃度がゼロとなるまで反応が進行し、ジメチルエーテルと反応できなかった二酸化炭素がガス中に残留することになる。
(1)式に示す反応では触媒を用いるが、触媒は、通常、原料ガス中の硫黄分やダストによる性能の劣化が起こり、しかも、高炉ガスには、ダスト(固体粒子)や硫黄分が含まれているので、予め高炉ガスを脱硫処理及びダスト除去処理しておくことが好ましい。因みに、高炉炉頂から排出された後にダストキャッチャー及びベンチュリースクラバーを通した後の高炉ガス中には、ダスト分としては、亜鉛、マンガン、鉄などの金属粉のほかに、炭素粉が最大5mg/Nm3程度混合しており、また、硫黄分としては、硫化カルボニル及び硫化水素が最大100mg−S/Nm3含まれている。脱硫処理やダスト除去処理の方法は、吸着による硫黄分除去やフィルターによるダスト除去など、慣用の方法を用いることができる。
上記(1)式の反応に用いる触媒の種類は、特に限定されるものではなく、ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質反応を行い得る触媒である限り、どのような触媒であっても構わない。但し、特に好ましい触媒としては、本発明者等の経験から、銅及びアルミナ(Al23)を含有する触媒が挙げられる。
また、(1)式の反応を行うための反応器としては、流動床式であっても、また固定床式であってもどちらでもよいが、加熱を効率的に行うことのできる方式が望ましい。効率的な反応器の1例としては、シェルアンドチューブ方式などがある。また、反応器に供給する熱源は、250〜400℃の反応温度が得られる限り、どのような熱源を使用しても構わないが、改質費用を下げる観点から、製鉄所で発生する燃焼排ガスなどの排熱を使用することが好ましい。
反応条件としては、反応温度が250〜400℃の範囲、望ましくは300〜350℃の範囲、圧力が0.01〜0.5MPaの範囲、望ましくは0.07〜0.15MPaの範囲、接触時間が0.1〜50g−cat・h/molの範囲、望ましくは10〜40g−cat・h/molの範囲である。
上記の方法で得られる反応成績は、反応条件による各温度での平衡転化率まで得ることができる。例えば、350℃での反応であれば、99.9%の二酸化炭素転化率が得られるため、実質的に二酸化炭素をガス中から除去することができる。因みに、二酸化炭素が22体積%、一酸化炭素が22体積%、水素が2体積%、窒素が54体積%の高炉ガスを350℃でジメチルエーテルと反応させた場合には、改質後のガス組成は、一酸化炭素が41.9体積%、水素が32.4体積%、窒素が25.7体積%となり、発熱量は8787kJ(2096kcal/Nm3)に上昇する。
ジメチルエーテルの二酸化炭素による改質が施された後の高炉ガス、つまり二酸化炭素が削減された或いは実質的に除去された改質高炉ガスは、製鉄所内において、熱風炉燃料ガス、コークス炉燃料ガス、発電所用燃料ガス、及び各種加熱炉の燃料用ガスとして使用することができる。
次いで、添付図面を参照して本発明の具体的な実施方法を説明する。図1は、本発明の実施形態例を示す概略工程図であり、図1において、符合1はダストフィルター、2は脱硫塔、3は改質反応器である。
図1に示すように、高炉から排出された高炉ガスは、先ず、ダストフィルター1に導入されてガス中に含まれる鉄分などのダストが除去され、次いで、脱硫塔2に導入されてガス中に含まれる硫黄分が除去される。このようにして、ダスト及び硫黄分の除去された高炉ガスaに、ジメチルエーテル(「DME」とも記す)を添加する。ジメチルエーテルの添加量は、基本的に、高炉ガス中の二酸化炭素の当量と同一とするか、それよりも少なくする。この場合、改質後の高炉ガスの発熱量を増加させるには、改質後の高炉ガス中の二酸化炭素の濃度をできるだけ少なくすることが必要であり、従って、改質後の高炉ガス中の二酸化炭素の濃度が、高炉から排出された時点での高炉ガス中の二酸化炭素濃度の10%以下となるように、ジメチルエーテルの添加量を設定することが好ましい。最も望ましいのは、ジメチルエーテルの添加量を高炉ガス中の二酸化炭素の当量と同一とすることである。尚、ジメチルエーテルの添加量が高炉ガス中の二酸化炭素の当量よりも多い場合には、改質後の高炉ガス中に過剰分のジメチルエーテルが残留することになり、ジメチルエーテル自体も燃料ガスとして有用であるが、改質することによる発熱量の増加効果は得られないので、二酸化炭素の当量よりも多くならないように添加することが好ましい。
ジメチルエーテルが添加された高炉ガスbは、ジメチルエーテルと混合しながら、改質反応器3に供給される。改質反応器3は、シェルアンドチューブ式の反応器であり、チューブ内に、銅及びアルミナを含有する触媒が充填されている。また、改質反応器3のシェル側には、反応温度を確保するための熱媒体の供給路3a及び熱交換した後の熱媒体の排出路3bが設けられ、供給される熱媒体によって改質反応器3のチューブ内の温度が250〜400℃の範囲に維持されるようになっている。使用する熱媒体としては、前述したように、製鉄所で発生する燃焼排ガスなどの排熱を利用することが好ましい。また、改質反応器3の内部の圧力が0.01〜0.5MPaの範囲、接触時間が0.1〜50g−cat・h/molの範囲の範囲になるように、図示せぬポンプや弁によって制御されている。
改質反応器3において、ジメチルエーテルと二酸化炭素とが混合され、且つ、熱が与えられることにより、触媒反応が進行し、ジメチルエーテルと二酸化炭素とが、一酸化炭素と水素とに転化される。
この改質反応によって得られた改質高炉ガスを、ガスホルダー(図示せず)に一旦貯留し、その後、製鉄所の熱風炉燃料ガス、コークス炉燃料ガス、発電所用燃料ガス及び各種加熱炉の燃料用ガスとして使用する。
このように、本発明によれば、ジメチルエーテルと、高炉ガス中の二酸化炭素とを反応させて、一酸化炭素と水素とに転化するので、高炉ガス中の二酸化炭素を、実質的にゼロとなるまで削減することができるとともに、改質後の高炉ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度を高め、且つ、窒素濃度を低下することができるので、高炉ガスから二酸化炭素を分離する工程を実施することなく、改質後の高炉ガスの単位体積当りの発熱量を従来に比較して格段に高めることができる。また、ジメチルエーテルを添加するので、単位時間当りに得られる高炉ガスからの熱量も従来に比較して格段に増加される。
図1に示す装置及び工程で、高炉ガスの改質を行った。改質反応器には、銅及びアルミナを含有する触媒を充填させた。この触媒は、以下の手順により作製した。
硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)7.40kg、硝酸亜鉛(Zn(NO32・6H2O)4.68kg、及び硝酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)2.08kgをイオン交換水約20Lに溶解した水溶液と、炭酸ナトリウム(Na2CO3)約8kgをイオン交換水約20Lに溶解した水溶液とを、約60℃に保温したイオン交換水約50Lの入ったステンレス製容器中に、pHが7.0±0.5に保持されるように調整しながら、約2時間費やして滴下した。滴下終了後、そのまま約1時間熟成させた。次に、生成した沈殿を濾過した後、イオン交換水で洗浄した。得られたケーキを120℃で24時間乾燥した後、更に空気中で350℃の温度で3時間焼成した。焼成後、100μm以下まで粉砕して、銅含有粉体を得た。この銅含有粉体に対して、粒径20μmのγ−アルミナを質量比が2対1になるように混合し、この混合粉体を径3mm、高さ3mmのタブレット状に圧縮成型し、これを触媒とした。
使用した高炉ガスの組成は、二酸化炭素が22体積%、一酸化炭素が22体積%、水素が2体積%、窒素が54体積%であり、3.8Nm3/hrの高炉ガスの改質反応器への供給流量に対して、ジメチルエーテルを、0.38Nm3/hrの流量(本発明例1)及び0.836Nm3/hrの流量(本発明例2)の2水準で供給し、反応温度を350℃としてジメチルエーテルの二酸化炭素による改質反応を行った。
この改質反応により、改質反応器の出側において、本発明例1では、二酸化炭素が7.4体積%、一酸化炭素が35.8体積%、水素が23.5体積%、窒素が33.3体積%で、ジメチルエーテルを含有せず、発熱量が7052kJの改質高炉ガスが得られ、また、本発明例2では、二酸化炭素が0.03体積%、一酸化炭素が41.9体積%、水素が32.4体積%、窒素が25.7体積%、ジメチルエーテルが0.03体積%で、発熱量が8787kJの改質高炉ガスが得られた。
本発明例1及び本発明例2の操業条件及び操業結果を表1に示す。尚、表1には、本発明例1及び本発明例2と同一組成の高炉ガスから、二酸化炭素のみを分離・除去した場合のガス組成及び発熱量の計算値を比較例として併せて示している。
Figure 0005009829
表1に示すように、高炉ガスから二酸化炭素のみを分離・除去した場合には、発熱量は高々3843kJであるのに対し、本発明を適用することにより、2倍以上の発熱量を有するガスに改質可能であることが確認できた。また、高炉ガスから得られる、単位時間当たりの熱量は、比較例に比べて6倍以上になることも確認できた。
本発明の実施形態例を示す概略工程図である。
符号の説明
1 ダストフィルター
2 脱硫塔
3 改質反応器

Claims (3)

  1. 製鉄所の高炉から排出される高炉ガスを触媒の存在下でジメチルエーテルと反応させて、ジメチルエーテル及び高炉ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素と水素とに改質し、これにより、改質後の高炉ガス中の二酸化炭素を削減すると同時に、改質後の高炉ガス中の一酸化炭素及び水素の含有量を増加させることを特徴とする、高炉ガスの改質方法。
  2. 改質後の高炉ガス中の二酸化炭素の濃度が、高炉から排出された時点での高炉ガス中の二酸化炭素濃度の10%以下となるように、高炉ガスとジメチルエーテルとを反応させることを特徴とする、請求項1に記載の高炉ガスの改質方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高炉ガスの改質方法によって得られた改質後の高炉ガスを、燃料ガスとして利用することを特徴とする、高炉ガスの利用方法。
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