JP2009190478A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵補助用の電動モータ18の駆動を制御するためのECU12が、第1のハウジング23および第2のハウジングの間に区画される収容室に収容される。両ハウジングの締結用に第1のハウジング23に設けられた取付部96に対して、外周壁92の側壁111とは直交する方向Y1に近接対向する位置に、発熱要素としてのFET83が配置され、そのFET83が、側壁111の内側に連続して形成された座部103に熱伝導可能に取り付けられている。
【選択図】図7
Description
電動モータの軸方向に関して、電動モータと減速機構との間に、制御装置を配置することが提案されている(例えば特許文献1,2を参照)。
また、上記発熱要素を含むパワー回路(82)を制御する制御回路(84)を備え、この制御回路は、電動モータの回転軸(37)の中心軸線(C1)または中心軸線の延長線(C2)の回りに配置されている場合がある。この場合、制御回路を効率的に配置することが可能となり、車両用操舵装置の小型化に寄与することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、直線状に延びている。また、ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、ステアリングホイール2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19としては、例えばウォームギヤ機構などの食い違い軸歯車機構や、平行軸歯車機構などを用いることができる。本実施形態では、減速機構19として、ウォームギヤ機構が用いられている。すなわち、減速機構19は、駆動ギヤ(伝達機構の駆動側部材)としてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動ギヤ(伝達機構の従動側部材)としてのウォームホイール21とを含む。減速機構19は、伝達ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動され、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6が同行回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
第1のハウジング23および第2のハウジング24は、一端が開放した概ね四角箱形に形成されている。第1および第2のハウジング23,24の互いの端部は、突き合わされ固定ねじ91により互いに締結されている。
また、図3を参照して、電動モータ18の後述する回転軸37の軸方向X1に沿って見たときに、電気コネクタ94および従動ギヤ収容ハウジング28の互いの少なくとも一部が互いに重なり合うレイアウトとされている。これにより、実質的な小型化および省スペース化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
モータハウジング25の第1のハウジング23は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、駆動ギヤ収容ハウジング27、従動ギヤ収容ハウジング28および第2のハウジング24で構成されるギヤハウジング22は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、モータハウジング25のモータハウジング本体26には、例えば非磁性の板金が用いられている。
環状のフランジ31の周方向の一部から径方向外方に張り出したブラケット32が設けられている。そのブラケット32のねじ挿通孔33に挿通された固定ねじ34が、第1のハウジング23のねじ孔にねじ込まれることにより、モータハウジング本体26と第1のハウジング23とが一体に固定されている。上記のねじ挿通孔33は、モータハウジング本体26の周方向に延びる長孔に形成されているので、第1のハウジング23に対して、モータハウジング本体26の周方向位置を調整可能となっている。
ギヤハウジング22の従動ギヤ収容ハウジング28には、トルクセンサ11が収容された筒状のセンサハウジング35が連結されており、従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35は、固定ねじ36を用いて互いに固定されている。ステアリングシャフト6が、筒状の従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35内に挿通されている。
再び図4を参照して、第1のハウジング23は、収容室100の一部を区画する第1の内壁面101を含み、第2のハウジング24は収容室100の一部を区画する第2の内壁面102を含み、これら第1の内壁面101および第2の内壁面102は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に対向している。
第2の内壁面102のなす環状平面の延長面P1が、ステアリングシャフト6を取り囲む筒状部としての従動ギヤ収容ハウジング28の外周面28aの主要部のなす円筒面P2と図4のように交差するか、または接する状態にある。具体的には、従動ギヤ収容ハウジング28は、ステアリングシャフト6が嵌合するウォームホイール21を取り囲んでいる。
電動モータ18の回転軸37およびウォーム軸20が同軸上に並べて配置されており、回転軸37およびウォーム軸20は、互いの間に介在する継手38を介して動力伝達可能に連結されている。継手38は、電動モータ18の回転軸37と同行回転する環状の入力部材39と、ウォーム軸20と同行回転する環状の出力部材40と、入力部材39および出力部材40の間に介在し入力部材39および出力部材40を動力伝達可能に連結する環状の弾性部材41とを有している。
ウォーム軸20の第1の端部20aは、駆動ギヤ収容孔42の一端(電動モータ18側の端部)の内周の軸受保持部44に保持された第1の軸受45によって、回転可能に支持されている。ウォーム軸20の第2の端部20bは、駆動ギヤ収容孔42の他端の内周の軸受保持部46に保持された第2の軸受47によって、回転可能に支持されている。
第2の軸受47は、内輪53と、外輪54と、内輪53および外輪54の間に介在する複数の転動体55とを有する転がり軸受からなる。内輪53は、ウォーム軸20の第2の端部20bに同行回転可能に保持されている。内輪53の一方の端面は、ウォーム軸20の外周に設けられた位置決め段部に当接している。これにより、ウォーム軸20に対する内輪53の軸方向移動(第1の軸受45側への移動)が規制されている。
ウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bを支持する第1および第2の軸受45,47は、何れも公知のシール軸受により構成されている。具体的には、転動体の軸方向X1の両側において、内輪と外輪の間を密封するシール部材62を備えており、そのシール部材62は、内輪または外輪の何れか一方に固定される。また、シール部材62は他方に摺接するリップを有している。
ロータ64は、回転軸37の外周に同行回転可能に取り付けられた環状のロータコア66と、ロータコア66の外周に同行回転可能に取り付けられた例えば環状の永久磁石からなるロータマグネット67とを有している。ロータマグネット67には、複数の磁極が周方向に並べて配置されている。これらの磁極は、ロータ64の周方向に関して、N極およびS極が交互に入れ替わるようにされている。
また、図4を参照して、回転軸37は、モータハウジング25の一部とECU12を収容するハウジングの一部とを兼用する第1のハウジング23によって保持された第3の軸受75および第4の軸受76によって、回転可能に支持されている。第3および第4の軸受75,76は、第1および第2の軸受45,47と同じ構成のシール軸受により構成されている。
収容室100には、ECU12の一部を構成するパワー基板78および制御基板79が収容され保持されている。パワー基板78には、電動モータ18を駆動するためのパワー回路の少なくとも一部(例えばFETなどのスイッチング素子)が実装されている。上記の各コイル69と接続されたバスバー71は、第1のハウジング23の上記仕切り壁77を挿通して収容室100内に進入するバスバー端子80を介して、パワー基板78に接続されている。
収容室100内において、パワー回路が実装されたパワー基板78は、第1の内壁面101および第2の内壁面102のうち第1の内壁面101に相対的に近接して配置されている。すなわち、上記の仕切り壁77は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関しての厚みt1が相対的に厚い厚肉部77aと相対的に薄い薄肉部77bとを含んでいる。厚肉部77aは、収容室100内に突出するように設けられている。
本実施の形態では、パワー基板78は厚肉部77aにおける第1の内壁面101に対して熱伝導可能に接触しており、上記の厚肉部77aは、パワー基板78の熱を逃がすためのヒートシンクとして機能している。
制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して、第2のハウジング24の第2の内壁面102とパワー基板78との間に配置されている。パワー基板78および制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して所定の間隔を隔てて配置されている。
また、ECU12は、電動モータ18に流れる電流のリップルを除去するための複数のコンデンサ85や、必要に応じて電動モータ18に流れる電流を遮断するためのリレー86、その他の非発熱要素を有している。非発熱要素としてのコンデンサ85およびリレー86等は、図示しない環状の合成樹脂製のホルダによって支持されたサブアセンブリを構成しており、第1のハウジング23に対して一括して取り付け操作が行えるようになっている。
収容室100内において、仕切り壁77の中央部には、本体87の開放側(第2のハウジング24側)に向かって延びる筒状部89が形成されている。外周壁92は、仕切り壁77の外周縁から延設されており、筒状部89を取り囲んでいる。本体87および筒状部89は、単一の部材で一体に形成されている。
第1の内壁面101のうち、厚肉部77aにおける部分が、パワー基板78を受ける座部103を構成している。座部103は、発熱要素としてのFET83を有するパワー基板78に、熱伝導可能に接触している。すなわち、発熱要素としてのFET83は、座部103に対して熱伝導可能に取り付けられている。また、図7に示すように、上記の座部103は、外周壁92の一部である側壁111の内方に連続して形成されている。発熱要素としてのFET83は、上記取付部96に対して、外周壁92の一部である側壁111とは直交する方向Y1に近接対向する位置に配置されている。発熱要素としてのFET83の熱は、パワー基板78から、座部103を有してヒートシンクを構成する厚肉部77aおよび取付部96を介して、第2のハウジング24とは一体のギヤハウジング22側へ逃がされる。
本実施の形態によれば、下記の優れた利点がある。すなわち、締結用の取付部96に対して、外周壁92の側壁111とは直交する方向Y1に近接対向する位置に、発熱要素としてのFET83が配置され、そのFET83が、側壁111の内側に連続して形成された座部103に熱伝導可能に取り付けられている。したがって、FET83から座部103、側壁111および取付部96を介する非常に短い熱伝導経路で、第2のハウジング24側へ効率良く放熱することが可能となる。
また、発熱要素としてのFET83の熱を、座部103に面接触するパワー基板78を介して効果的に伝達して、放熱することができる。
また、モータハウジング25の少なくとも一部である第1のハウジング23と、これに接触する第2のハウジング24とによって、ECU12の収容室100を形成している。すなわち、第1のハウジング23および第2のハウジング24の間に、別のハウジングを介在させないので、小型化を達成することができる。
また、上記第1のハウジング23は、収容室100とモータ室70とを仕切る仕切り壁77を含み、パワー基板78が仕切り壁77の第1の内壁面101に相対的に近接して設けられている。特に、パワー基板78が、仕切り壁77の厚肉部77aにおける、第1の内壁面101に対して熱伝導可能に接触している。したがって、第1のハウジング23の仕切り壁77の厚肉部77aをヒートシンクとして利用して、FET83等の発熱要素を有するパワー基板78の熱を第1のハウジング23からこれに接触する第2のハウジング24側へ効果的に逃がすことができる。
上記の実施の形態では、第2のハウジング24およびギヤハウジング22を兼用するようにしたが、これに限らず、図8に示すように、第2のハウジング24Aおよびセンサハウジング35を兼用するようにしてもよい。すなわち、第2のハウジング24Aはセンサハウジング35とは単一の材料で一体に形成されることになる。この場合、操舵状態検出センサとしてのトルクセンサ11が収容されたセンサハウジング35を介して、発熱要素としてのFET83からの熱を収容室100外へ効果的に放出することができる。なお、図8において、図4と同一の構成についても同一の符号を付してある。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、いわゆるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に本発明が適用された例について説明したが、これに限らず、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置や、いわゆるラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に、本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、電動モータ18として、ブラシレスモータを用いる例について説明したが、これに限らず、ブラシレスモータ以外のモータを、電動モータ18として用いてもよい。
Claims (5)
- 電動モータの駆動を制御するための制御装置と、
この制御装置を収容する収容室を互いの間に区画する第1および第2のハウジングとを備え、
第1のハウジングは、外周壁と、外周壁から外方に延設され第1のハウジングを第2のハウジングに締結するための取付部と、外周壁の内方に連続して形成された座部とを含み、
上記制御装置は、上記座部に熱伝導可能に取り付けられた発熱要素を含み、
上記発熱要素は、取付部に対して、上記外周壁とは直交する方向に近接対向する位置に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記電動モータの動力を転舵機構に伝達するための伝達機構を備え、
上記第2のハウジングは、上記伝達機構が収容されたハウジングの一部であることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、操舵状態を検出するための操舵状態検出センサを備え、
上記第2のハウジングは、操舵状態検出センサが収容されたハウジングの一部であることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1から3の何れか1項において、上記制御装置は、上記発熱要素が実装され上記座部に面接触するパワー基板を含むことを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1から4のいずれか1項において、上記発熱要素を含むパワー回路を制御する制御回路を備え、この制御回路は、電動モータの回転軸の中心軸線または中心軸線の延長線の回りに配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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