JP2009190249A - 立体画像形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
印刷物を立体視して観察するために道具を用いる必要がなく、結像を認識する訓練をする必要がなく、立体画像を構成する画像として見栄えのよい、裸眼で立体画像を視認することが可能な立体画像形成体を提供する。
【解決手段】
基材に、基材と異なる色を有する色材を含む印刷層によって第1の画像を形成し、その上に高光沢で透明な材料を含む印刷層によって第2の印刷層を形成し、更にその上に低光沢で透明な材料を含む印刷層によって第2の画像を形成する。このとき、第1の画像と第2の画像を同一又は略同一の図柄で形成し、第1の画像に対し、第2の画像は、所定の方向に所定の距離をずらして形成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、拡散反射条件で観察した場合には第1の画像が視認され、正反射条件で観察した場合には第2の画像が視認され、光源に対して特定の角度と位置で観察した場合には両眼視差によって第1の画像と第2の画像が結像した立体画像が視認される画像形成体に関するものである。
文字、図形等の図象が、立体的に浮き上がって見える立体表現印刷物は、通常の平面的な印刷物に比べて、よりリアルな表現が可能であり、意匠性の高い印刷物であるとともに複製が極めて困難であることから偽造防止効果にも優れている。このような印刷物としては、立体視を使って観察されるものがある。
立体視とは、人間の両目が右目と左目で左右に約60〜70mm離れていることで生じる両眼視差を利用するものであり、平面に固定されている画像であっても、右目と左目でわずかに異なった画像を絶縁してそれぞれの目に見せることで、観察者に錯覚が起こり、平面の画像の中に奥行き感を生じさせる。そして、観察者が認識する画像は、本来、平面の画像の中には存在しない立体画像となる。仮に、右目で見る画像を画像1、左目で見る画像を画像2とすると、立体画像形成体の中には、画像1と画像2しか存在していないにもかかわらず、立体視を行う観察者には、三番目の画像ともいうべき立体画像が認識される。
立体画像は、平面に固定されている画像が奥行き感を生じさせるというユニークさから、その効果を見て楽しむものとして古くから商業印刷ベースで発展してきた。また、これ以外に、国土地理院のホームページ掲載の立体視サービスのように、地図を余色立体法(アナグリフ方式)によって表現し、色眼鏡を用いて立体視することで地図上の高低を判断したり、わずかにカメラ位置を変えて撮影したレントゲン写真を左右に並べ、ステレオグラム方式で立体視することで患部をより詳しく診断する等、平面的な画像に立体効果を付与できる手法としても広く用いられている。
公知の代表的な立体視可能な画像形成体は、古典的な技術としてステレオグラム又はアナグリフに始まり、ポラライザー(偏光)方式を用いて形成されるもの、パララックスバリア又はレンチキュラーレンズを重ね合わせるものや、比較的新しい技術としては、ホログラムを用いて形成されるもの等が存在する。
ステレオグラムの最も単純な形態は、撮影角度の異なる画像を左右に並べて裸眼の状態で観察者に平行視や交差視を駆使させて画像を融合させるものである。派生型としては、特定の装置によって光路誘導を行い、左目用と右目用の画像を絶縁表示することで、立体視をより容易にしたステレオビューアー又はステレオスコープ等が存在する。また、ステレオグラムの中には、立体視を容易に起こさせるために、シートに立体視可能な左右一対のステレオパターンと、シートの後方の見通しが可能な窓で形成される視差補正用マークを備えたステレオグラム表示体がある(例えば、特許文献1参照)。
アナグリフ方式は、余色立体法又はカラーフィルタ法とも呼ばれ、一枚の画像中に、主に青色画線で表現された青画像と赤色画像で表現された赤画像を重ね合わせて構成し、左右の目にそれぞれ青色フィルタと赤色フィルタを配置し、赤色フィルタが青色画像を、青色フィルタが赤色画像を透過させる現象を利用して、左右の目で一枚の画像中の青色情報と赤色情報を絶縁して認識させて立体視を行うものである。また、このアナグリフ方式を応用した技術として、基材上に第1の領域と第2の領域が複数配置されて濃度階調を有する可視画像が形成され、前記第2の領域は、前記第1の領域内に毛抜き合わせで配置されて潜像画像を形成し、前記第1の領域によって前記濃度階調を有する可視画像から前記潜像画像を構成するための前記第2の領域を除いた画像が形成され、前記第1の領域は第1の印刷インキで、前記第2の領域は第2の印刷インキで印刷され、前記第1の印刷インキと前記第2の印刷インキの分光反射率は可視領域内の第1の波長の範囲では近似し、可視領域内の第2の波長の範囲では異なる値であるメタメリックペアインキで印刷され、前記濃度階調を有する可視画像は左目用画像又は右目用画像のいずれか一方として視認され、前記潜像画像は前記左目用画像又は前記右目用画像の他方として視認されることを特徴とする印刷物がある(例えば、特許文献2参照)。
ポラライザーは、色後退の発生するアナグリフ方式に代わって、主にスクリーン投影型で広く用いられる形態で、スクリーン上の画像の配置構成はアナグリフと同様であるものの、色成分を青や赤に分離する必要がなく、立体画像にアナグリフと比較して鮮明なカラー情報を付与できる特徴がある。主に二台のプロジェクタの前に直交させた偏光フィルタを配置して同一面上に投影し、偏光フィルタを左右直交させて配置した眼鏡で画像を観察することで立体視を行う。
パララックスバリア方式又はレンチキュラー方式は、右目用画像と左目画像を定ピッチで分断した上で合成し、一定の透明層又は空間を設けたバリア層又は蒲鉾型レンズを積層して作製する。バリア層や蒲鉾型レンズ層は、画像分断ピッチと同一ピッチで構成し、バリア開口部や蒲鉾型レンズを通過する視線角度が両眼で異なる分離現象を利用するもので、同じ裸眼立体視可能なステレオグラムと比較して、平行視や交差視の訓練を必要とせず、容易に立体画像が結像する特徴がある。その中には、合成樹脂版を含む透明な媒体を印刷媒体とし、その一方の面に、縦の平行線のパララックスバリアを施し、他方の面に、左右の立体情報を施し、印刷媒体の伸縮による見当不良を解消した立体画像印刷物がある(例えば、特許文献3参照)。
ホログラムは、2光束のレーザ光を拡散させて用いる。レーザ光の一つを拡散させて被写体に当てることで発生する反射光(いわゆる、物体光)と、もう一方のレーザ光(いわゆる、参照光)も拡散させて記録材に当て、物体光と参照光が干渉してできる干渉縞を記録材に焼き付けるもので、現像処理して作製する。ホログラムにおいては、物体から反射されて伝播してくる光と全く同じ性質を持った光が生じるため、前述の技術と異なり、眼の視覚機能と完全に整合した、矛盾のない3次元画像が得られる特徴がある。
上記の技術のうち、裸眼立体視可能な画像形成体は、色眼鏡を必要とするアナグリフ方式と偏光フィルタを必要とするポラライザー方式を除いたものであり、すなわち、ステレオグラムやパララックスバリア形成体、レンチキュラー形成体、ホログラム等である。
特許第3018898号公報 特願2006−256956号公報 特許第3005659号公報
立体視可能な画像は極めてユニークであり、単に見ていて楽しいだけではなく、平面視では取り出せない多くの情報を観察者に提供することが可能である。しかし、この立体視可能な画像は、現在のところ、雑誌の付録や特殊なカード類等、かなり限定した用途でしか一般的に用いられていない。
この一因としては、ニーズ自体が現時点では低いと考えられていることはもちろんであるが、立体画像の結像に特殊な判別具を要するものであったり、結像を認識できるまでに多少の訓練を必要とし、基材を含めて厚さや材料等の制約が大きく、立体画像形成体自体の技術的な問題や画像形成のためのコストの問題等、様々な要因が存在している。
前述した公知の立体画像の具体的な問題を以下に記す。ステレオグラム方式は、単純な構成である場合には、観察者が立体画像の結像を認識できるまでに平行視又は交差視を余儀なくされる。観察者は、結像を認識できるまでに、個人差はあるものの、多少の訓練を必要とすることから、結像認識できる前に立体視をあきらめてしまう者も少なくない。また、特許文献1に記載の視差補正用マークを備えたステレオグラム表示体においても、立体視するまでに時間を要するという問題がある。また、画像も右目用と左目用が別々の画像として異なった位置に二つ配置されていることから、二つの画面が必要であるとともに、見栄えがよいものではない。光路誘導を行い左目用と右目用画像を絶縁表示するステレオビューアーやステレオスコープの形態を利用する場合には、観察者の負担は軽減するものの、光路誘導の装置は、若干かさばる場合が多い。
また、アナグリフ方式は、同一画面上に右目画像と左目画像が配されており、立体画像の結像自体は、ステレオグラムと比較して極めて容易なものの、特殊な眼鏡が必要となり、簡便性に欠ける。このことは、特許文献2記載の印刷物についても同様の問題がある。また、その画像自体も青画像と赤画像が入り組んで配置されており、眼鏡を持たないユーザが観察した場合、立体視することができないだけでなく、赤画像と青画像が入り組んで構成されている画像自体も裸眼による鑑賞に堪え得るものではない。
また、パララックスバリア方式又はレンチキュラー方式を用いた立体画像形成体は、上記の問題をクリアしており、観察者は、訓練を必要とせず、裸眼で立体視を楽しむことができる。最近では、小さな玩具カードやマウスパッド等でレンチキュラー方式の立体画像形成体を見ることがある。ただし、レンチキュラー又はパララックスバリアに準じる形態では、画像形成体自体に一定の透明な空間が必要となる。これらの空間は100μm以上を必要とすることが多く、この透明な空間の厚みが不十分であると、パララックスバリアにおいては視線分離現象を機能させることが困難となり、レンチキュラーでは、蒲鉾レンズによるレンズ効果と視線分離現象を機能させることが困難になる。一般的な商業印刷で許される紙厚は、50〜250μm程度であることから、そのままの形態で適用することは困難であり、結果として、これらは多くの場合、一定の厚みが許されるカード等の形態で用いられるにとどまっている。また、ベース基材としては、単一のフィルムの形態又はフィルムを紙に貼り付けて用いられる場合が多く、紙と異なる材料又は紙との複合形態で形成されることから、印刷や基材の貼り合わせ等の工程において、単一な印刷と比較して製造者側の負荷が大きくなってしまい、割高となる。
また、ホログラムでは、極めて高精度で自然な裸眼立体視を実現している。ただし、その製造工程は複雑であり、金型は高価であって、大量生産しない限り、コスト的にマイナスとなる場合が多いことに加え、単純な印刷方式と比較して製造時間がかかるという問題がある。また、多くの場合、その外観は、独特のメタリック調となってしまう。
以上のように、ステレオグラムは、安価であるものの、画像としての見栄えが悪く、結像を認識するのに訓練が必要であり、アナグリフに関しては、安価で結像を認識するのが容易であるものの、画像としての見栄えが悪く、眼鏡が必要であるという問題があった。パララックスバリア又はレンチキュラー系の技術は、裸眼立体視を容易に実現できるものの、画像形成体自体に一定の厚みが必要であり、製造工程が複雑になるという問題があった。ホログラムについては、裸眼立体視を容易に実現できるものの、工程又は加工方法が極めて複雑であって、高価であるという問題があった。立体視可能な画像は、それぞれに一長一短が存在し、すべての問題を解決しているものは存在しなかった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、単純なオフセット印刷のみであっても形成でき、画像形成体自体に厚みを必要とせず、一般的な印刷用紙を基材としても形成可能であって、通常視認できる画像は、アナグリフのような違和感がなく、かつ、訓練の必要もなく、両眼視差を用いた立体画像を裸眼で結像させる立体画像形成体を提供するものである。
本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像から成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像から成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、第1の画像と第1の背景は異なる面積率で形成されて成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、第1の画像と第1の背景は異なる面積率で形成されて成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、第1の画像と第1の背景は異なる面積率で形成されて成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像と第2の背景から成り、第2の画像と第2の背景は、異なる面積率で形成されて成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、第1の画像と第1の背景は異なる面積率で形成されて成り、第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像と第2の背景から成り、第2の画像と第2の背景は、異なる面積率で形成されて成り、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の全体を覆うように形成され、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は第1の印刷層の全体を覆うように形成され、略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが第2の印刷層に積層され、第2の印刷層に積層された第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成されるか、又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜40%であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜60%であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜70%であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第2の画像は、50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜40%の範囲で形成され、第2の画像又は第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は1〜50%の範囲で形成され、第2の画像と第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜60%の範囲で形成され、第2の画像又は第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は、1〜50%の範囲で形成され、第2の画像と第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜70%の範囲で形成され、第2の画像又は第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は、1〜50%の範囲で形成され、第2の画像と第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び/又は第2の画像は、階調画像であることを特徴とする
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が40%以下で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が40%以下で形成され、第1の背景は、第1の画像の最も明るい画像の面積率の40%以内の面積率であり、かつ、第1の画像の最も暗い画像の面積率の40%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、C、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が60%以下で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、CMYインキの少なくとも一つから成るインキ又はCMYインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が60%以下で形成され、第1の背景は、第1の画像の最も明るい画像の面積率の60%以内の面積率であり、かつ、第1の画像の最も暗い画像の面積率の60%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が70%以下で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が70%以下で形成され、第1の背景は、第1の画像の最も明るい画像の面積率の70%以内の面積率であり、かつ、第1の画像の最も暗い画像の面積率の70%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第2の画像が階調画像であり、第2の画像の面積率は、50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体の第1の画像及び第2の画像を構成する図柄は、文字、数字、記号、図形又は模様であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体で用いる基材と異なる色の色材は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はアルミニウム粉、銅粉、亜鉛粉、錫粉、真鍮粉又はリン化鉄の少なくとも一つを含む光輝性インキであることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体で用いる高光沢な透明材料は、グロスニス又はOPニスであることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体で用いる低光沢な透明材料は、透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキであることを特徴とする。
本発明の立体画像形成体は、従来のアナグリフのように眼鏡を用いることなく、また、ステレオグラムのように結像を認識する訓練を必要としないで、容易に立体画像を見ることができる。
また、本発明の立体画像形成体は、従来のステレオグラムのように別々の画面上に右目用画像と左目用画像を形成する必要がないため、ステレオグラムに比べて、狭い画面に立体画像を形成することができる。
さらに、本発明の立体画像形成体は、単純なオフセット印刷のみで立体画像形成体が形成できるので、パララックスバリア及びレンチキュラーを形成する工程を必要とせず、また、ホログラムのように複雑な加工を必要としないため、製造コストにおいても優れている。
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
(実施の形態1)
立体画像形成体の一つの実施の形態について図1〜4を用いて説明する。また、立体画像形成体が立体視して視認される原理について図5〜13を用いて説明する。実際の立体画像形成体の表面の反射は、正反射光と拡散反射光が組み合わされているが、本明細書では、拡散反射光の割合が強くなり、第1の画像が視認される観察条件を「拡散反射条件」と記す。このときに視認される画像を「拡散反射条件による画像」と記す。また、正反射光の割合が強くなり、第2の画像が視認される観察条件を「正反射条件」と記す。このときに視認される画像を「正反射条件による画像」と記す。
また、本明細書において、「高光沢な透明材料」とは、光沢度(60°光沢度 株式会社村上色彩技術研究所_デジタル光沢計GM−3D)が50以上である透明材料のことであり、「低光沢な透明材料」とは、光沢度(60°光沢度 株式会社村上色彩技術研究所_デジタル光沢計GM−3D)が10以下である透明材料のことである。しかしながら、光沢度の測定は、基材の影響を受けるため前述の値に限定できない。したがって、本明細書において「高光沢な透明材料」とは、前述の光沢度を参考とし、基材と異なる色の色材によって形成される第1の印刷層の上に形成されたとき、拡散反射条件による観察では、第1の画像の視認に影響しないが、正反射条件による観察では、反射光が強くなり第1の画像が視認できなくなるような光沢を有する透明材料のことである。また、本明細書において「低光沢な透明材料」とは、前述の光沢度を参考とし、基材と異なる色の色材によって形成される第1の印刷層と高光沢な透明材料で形成される第2の印刷層の上に形成されたとき、拡散反射条件による観察では、第1の画像の視認に影響しないが、正反射条件による観察では、周囲に対して反射光量が低くなり第2の画像が視認できるような光沢を有する透明材料のことである。
図1(a)は、立体画像形成体(1)の第1の画像(3a)と第1の背景(3b)から成る第1の印刷層(3)を示す図である。図1(b)は、図1(a)とは異なる立体画像形成体(1)の第1の画像(3a)と第1の背景(3b)から成る第1の印刷層(3)を示す図である。図2は、立体画像形成体(1)の第1の印刷層(3)の上に形成される第2の印刷層(5)を示す図である。図3は、立体画像形成体(1)の第2の画像(7a)から成る第3の印刷層(7)を示す図である。図4は、立体画像形成体(1)を示す図である。図5(a)は、立体画像形成体(1)を観察したときの照明光源(9)、視点(10)及び立体画像形成体(1)の三つの位置関係を示したものである。図5(b)は、立体画像形成体(1)を観察するときの方向をX−X’軸とY−Y’軸を用いて示した図である。図6は、拡散反射条件による観察状態と拡散反射条件で視認される画像を示す図である。図7は、正反射条件による観察状態と正反射条件で視認される画像を示す図である。図8は、拡散反射条件となる場合の色差ΔEを示す図である。図9は、正反射光条件となる場合の色差ΔEを示す図である。図10は、正反射条件となる場合で、低光沢な透明材料の面積率の差による色差ΔEを示す図である。図11は、正反射条件となる場合で、CMYインキと高光沢な透明材料と低光沢な透明材料の刷り重ねの構成による色差ΔEを示す図である。図12(a)は、立体視が行われる観察条件における照明光源(9)、視点(10)及び立体画像形成体(1)の位置関係を示す図である。図12(b)は、立体視して観察される画像を示す図である。図13(a)は、図12(a)とは別の観察条件で立体視が行われる場合の照明光源(9)と視点(10)と立体画像形成体(1)の位置関係を示す図である。図13(b)は、図13(a)の観察条件で立体視して観察される画像を示す図である。
本実施の形態の立体画像形成体(1)は、基材(2)に第1の画像(3a)と第1の背景(3b)から成る第1の印刷層(3)が、基材と異なる色のインキで、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率を異ならせて形成され、その上に第2の印刷層(5)が高光沢な透明インキによって形成され、さらに、その上に第2の画像(7a)から成る第3の印刷層(7)が低光沢な透明インキによって形成されている。本実施の形態の立体画像形成体(1)において、拡散反射条件による観察では、異なる面積率で形成された第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認される。また、正反射条件による観察では、第2の印刷層(5)による反射光量が大きくなり、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認できなくなる中で、その上に形成された第2の画像(7a)が視認される。そして、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)により立体画像が視認できる。
(第1の印刷層:第1の画像及び第1の背景の構成)
図1(a)に示す第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)は、基材(2)に、基材(2)と異なる色のインキによって形成されている。なお、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)は、異なる濃度、すなわち、異なる面積率の網点で形成され、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)のそれぞれは、単一の濃度で形成されている。第1の画像(3a)を構成する図柄は、複数設けてもよいが、本実施の形態において第1の画像(3a)を構成する図柄は、20mmの大きさの図柄、具体的には、中抜きの円型が一つ形成されている。ここで「面積率」とは、前述した印刷工程で印刷される一定面積の印刷領域において、下地を隠蔽し得る印刷層の面積を「%」で示しており、網点で下地を隠し得る場合は、正確には「網点面積率」となるが、便宜上、「網点面積率」は、「面積率」として説明することとする。
(印刷材料)
第1の画像(3a)と第1の背景(3b)で構成される第1の印刷層(3)に用いられる材料としては、一般的に販売されているオフセットインキであるC、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキを用いたり、アルミニウム粉、銅粉、亜鉛粉、錫粉、真鍮粉若しくはリン化鉄又はそれらの材料が被覆された光輝性材料を含むインキでもよい。これらのインキは、紫外線硬化型インキ、酸化重合型インキ、浸透型インキ、加熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキ等のいずれの乾燥方式の印刷インキであってもよい。
(面積率)
第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率は、0〜100%、好ましくは10〜100%の範囲で、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を15%以上設けて形成される。第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差が15%以上で形成されることによって、拡散反射条件による観察で第1の画像(3a)の視認性が良好となる。また、本発明では、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の上に形成された第2の印刷層(5)によって、正反射条件による観察で第1の画像(3a)の上に形成された第2の印刷層(5)と第1の背景(3b)の上に形成された第2の印刷層(5)の反射光量が共に大きくなり、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認できなくなるが、そのためには、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を適切に設定する必要がある。この具体的な面積率の差については、第1の画像(3a)に用いる印刷材料の反射濃度や光学特性や表面特性、基材及び観察条件等の影響を考慮する必要がある。第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)が、ブラックインキ(本明細書においてブラックインキを「Kインキ」という。)の単色で形成される場合は、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差が15〜40%で形成されるのが好ましい。仮に、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を40%より大きくして形成すると、正反射条件による観察では第1の画像(3a)が視認されてしまう場合がある。
第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)が、シアンインキ(本明細書においてシアンインキを「Cインキ」という。)、マゼンタインキ(本明細書においてマゼンタインキを「Mインキ」という。)、イエローインキ(本明細書においてイエローインキを「Yインキ」という。)の少なくとも一つから成るインキ及びC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキとKインキの混色で形成される場合は、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差が15〜60%で形成されるのが好ましい。第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)がKインキ単色で形成される場合とC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ及びC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキとKインキの混色で形成される場合において、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)を形成する面積率に差があるのは、以下の理由からである。C、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ及びC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキとKインキの混色で形成される第1の画像(3a)は、Kインキ単色で形成される第1の画像(3a)より着色力が弱く、すなわち、視認性が弱いため、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差をKインキ単色で形成される場合より大きくしても、正反射条件による観察で第1の画像(3a)が視認されないためである。
第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)が光輝性材料を含み、基材と異なる色を有するインキで形成される場合は、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差が15〜70%で形成されるのが好ましい。第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)が光輝性材料を含み、基材と異なる色を有するインキで形成される場合は、高い立体効果を得ることができる。この理由は、光輝性材料を含むインキは、正反射条件による観察で反射光が増加する効果を有しており、正反射条件による観察で、第1の画像(3a)の消失効果がC、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ及びC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキとKインキの混色で形成される場合より高いためである。結果的に、第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)が光輝性材料を含み、基材と異なる色を有するインキで形成される場合は、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を15〜70%程度まで広げることができる。
本実施の形態の立体画像形成体(1)は、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が、異なる面積率の網点で形成され、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)のそれぞれは、単一の濃度で形成される場合であるが、第1の画像と第1の背景のそれぞれが複数の階調を有し、第1の画像と第1の背景のそれぞれの面積率を連続的に変えて形成してもよい。以降、複数の階調を有する画像を「階調画像」と記す。例えば、図1(b)に示すように、中抜きの円形で階調が連続的に変化する図柄を第1の画像(3a)とし、第1の画像(3a)がKインキ単色で形成される場合、図1(b)中の破線の円で囲む第1の画像の最も明るい画像(H)と最も暗い画像(L)の面積率の差を40%以下とし、面積率0〜100%、好ましくは、面積率10〜100%の範囲で第1の画像を形成する。このとき、第1の背景(3b)は、Kインキを単色で用いて第1の画像(3a)の最も明るい画像の面積率に対して40%以内であり、かつ、第1の画像(3a)の最も暗い画像に対して40%以内の範囲の面積率で形成すればよく、好ましくは、単一の面積率で形成する。
また、第1の画像が階調画像であり、第1の画像がC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキとKインキの混色で形成される場合、第1の画像の最も明るい画像と最も暗い画像の面積率の差を60%以下とし、第1の画像の面積率を0〜100%、好ましくは、面積率10〜100%の範囲で形成する。このとき、第1の背景は、第1の画像を形成するインキと同じインキを用いて第1の画像の最も明るい画像の面積率に対して60%以内であり、かつ、第1の画像の最も暗い画像に対して60%以内の範囲の面積率で形成すればよく、好ましくは、単一の面積率で形成する。
さらに、第1の画像が階調画像であり、第1の画像が光輝性材料を含み、基材と異なる色を有するインキで形成される場合、第1の画像の最も明るい画像と最も暗い画像の面積率の差を70%以下とし、第1の画像の面積率を0〜100%、好ましくは、面積率10〜100%の範囲で形成する。このとき、第1の背景は、第1の画像を形成するインキと同じインキを用いて第1の画像の最も明るい画像の面積率に対して70%以内であり、かつ、第1の画像の最も暗い画像に対して70%以内の範囲の面積率で形成すればよく、好ましくは、単一の面積率で形成する。
本実施の形態では、第1の背景(3b)が単一濃度の網点で形成されて成るが、第1の背景(3b)が画線部と非画線部から成る万線で形成されてもよい。この理由は、第1の背景(3b)として画線と非画線が等ピッチで連続して形成されても、立体画像形成体から視点を離して拡散反射条件で観察する際、一定の濃度の背景として視認され、結果的に第1の画像(3a)が視認されるからである。また、正反射条件で観察する際、第1の背景(3b)を構成する画線部の上に高光沢な透明材料による第2の印刷層(5)が形成され、更にその上に低光沢な透明材料が形成された部分は、第1の背景(3b)を単一濃度の網点で形成した場合と同様に、第2の画像(7a)として視認されるからである。
(第2の印刷層)
図2に示す第2の印刷層(5)は、基材(2)に形成された第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)の全体を覆うように、高光沢な透明材料を用いて形成される。
(印刷材料)
第2の印刷層(5)に用いられる材料としては、グロスニス又はOPニスを用いることができる。これらのインキは、紫外線硬化型インキ、酸化重合型インキ、浸透型インキ、加熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキ等のいずれの乾燥方式の印刷インキであってもよい。
(第3の印刷層:第2の画像の構成)
図3に示す第2の画像(7a)は、第2の印刷層(5)の上に、低光沢な透明材料を用いて形成される。なお、第2の画像(7a)は、単一の濃度、すなわち、単一の面積率の網点で形成されて成る。第2の画像(7a)を構成する図柄は複数設けてもよいが、本実施の形態において、第2の画像(7a)を構成する図柄は、第1の画像(3a)を構成する図柄と同一の図柄である中抜きの円型で形成されて成る。また、本実施の形態では、第3の印刷層(7)に第2の画像(7a)のみが形成されているが、第1の印刷層(3)に対して第2の画像(7a)を除く領域を第2の背景として形成することも可能である。また、第2の画像(7a)を構成する図柄を第1の画像(3a)を構成する図柄と略同一の図柄で形成することも可能である。本明細書において、「略同一の図柄」とは、立体物や三次元の風景に対して、カメラの撮影角度を両目の間隔程度にずらして撮影した写真や画像、両目の間隔程度にずらして観察される画像を画像処理ソフト等によって描写して作成した画像、更に、前述のような両目の位置程度ずらして観察される画像に限らず、立体画像を視認できる程度の差異が形成された画像のことである。
(印刷材料)
低光沢で透明な材料としては、着色顔料を使用しない透明なマットニス、透明ワニス、透明マット調インキ、マットメジウムインキ、半透明着色インキ又は半透明着色ニスのいずれでもよい。これらのインキは、紫外線硬化型インキ、酸化重合型インキ、浸透型インキ、加熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキ等のいずれの乾燥方式の印刷インキであってもよい。
(面積率)
本発明では、正反射条件による観察において、低光沢な透明材料を用いて形成される第2の画像(7a)は、周囲に対して反射光量が低くなることによって視認されるが、そのためには、第2の画像(7a)の面積率を50〜100%の範囲の中で形成すればよい。低光沢な透明材料で形成される第2の画像(7a)の面積率が高いほど第2の画像(7a)の視認性が増す結果となる。仮に、第2の背景が形成される場合、正反射条件による観察で第2の画像(7a)を視認しやすくするためには、第2の画像(7a)と第2の背景の面積率の差が50%以上で形成されるのが好ましい。
本実施の形態では、第2の画像(7a)は単一の濃度の図柄であるが、第2の画像(7a)は階調画像であってもよい。第2の画像(7a)が階調画像である場合、例えば、中抜きの円形とした図柄の階調が連続的に変化する場合、第2の画像(7a)は、面積率50〜100%の範囲で連続的に面積率を変更して形成すればよい。第2の画像(7a)が階調画像で形成され、更に、第2の背景を設ける場合、第2の背景は、面積率1〜100%の範囲の中で形成し、好ましくは単一の面積率で形成する。
(第1の画像と第2の画像の位置関係)
次に、本実施の形態の立体画像形成体(1)において、立体視を成立させるための第1の画像(3a)と第2の画像(7a)の位置関係について説明する。
図4に示すように、立体視するために第1の画像を構成する図柄の中心(4)を基準として、第2の画像(7a)は、第2の画像を構成する図柄の中心(8)を1〜65mmの範囲でずらし、かつ、第2の印刷層(5)上に形成される。本発明においては、立体視の対象となる第2の画像(7a)が第2の印刷層(5)上に形成される必要がある。なお、第1の画像を構成する図柄の中心(4)及び第2の画像を構成する図柄の中心(8)は、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)の位置関係を説明するため、便宜上、図示しているが、実際の立体画像形成体(1)には形成されていない。第2の画像(7a)をずらす方向は、第1の画像を構成する図柄の中心(4)を基準として上側、下側、右側、左側又はその他の方向のどの方向にずらした配置としてもよい。仮に、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄で同一な図柄の組合せを複数設けて形成する場合、第1の画像を構成する図柄に対して、同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の中心を、対応する同一の図柄で形成された第1の画像を構成する図柄の中心を基準として1〜65mmの範囲でずらして形成すればよい。
本実施の形態は、第1の画像を構成する図柄の中心(4)に対して、第2の画像を構成する図柄の中心(8)を左側に約3mmずらした配置で形成している。なお、第1の画像を構成する図柄の中心とは、第1の画像を構成する図柄が左右上下対称の図柄であれば、その図柄の中心とし、仮に第1の画像を構成する図柄が左右上下対称でない場合、その図柄に外接して囲む矩形の中心とする。第2の画像を構成する図柄の中心についても、第1の画像を構成する図柄の中心と同様である。また、立体視する際の奥行き感を調整するには、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)のずらし量を調整することで可能であり、所望する奥行き感に合わせて、ずらし量を1〜65mmの範囲で調整すればよい。なお、この上限値の65mmとは、人間の両目の距離であり、これ以上のずらし量を設定した場合には立体視が不可能となる数値で、好ましくは、40mm以下に抑える。
また、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄が、前述した略同一の図柄で形成される場合、第1の画像を構成する図柄の中心と第2の画像を構成する図柄の中心を合わせて形成してもよい。例えば、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄が、カメラの撮影角度を両目の間隔程度ずらして撮影した画像から形成され、第1の画像と第2の画像の中心を合わせて形成される場合、第1の画像と第2の画像の撮影時に、撮影角度の違いが適切な範囲であれば、立体画像形成体を立体視して観察した場合、写真全体に自然に奥行き感が生じ、立体画像を視認することができ、左右方向の位相の違いを設計者が考慮する必要はない。
この写真の加工撮影方法については、余色立体法で一般的に用いられているものであり、公知の手法である。当然、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄が略同一の図柄で形成された場合において、第1の画像を構成する図柄の中心と第2の画像を構成する図柄の中心を1〜65mmの範囲でずらして配置しても、第2の画像を構成する図柄が第2の印刷層上に形成すれば、立体画像を視認することができる。ただし、カメラで撮影した写真の画像データをそのまま第1の画像及び第2の画像とし、第1の画像の中心を基準として第2の画像の中心を1〜65mmずらして形成する場合、第2の画像が第2の印刷層上に形成されない部分が生じる。このような場合は、立体視の対象とする図柄等が第2の印刷層に収まるように撮影するか、第2の画像のずらす量を調整すればよく、また、前述の第2の画像が第2の印刷層上に形成されない部分は、基材上に形成しなくてもよい。
(観察条件)
次に、立体画像形成体(1)を観察したときの照明光源(9)、視点(10)及び立体画像形成体(1)の三つの位置関係と視認される画像について図5〜7を用いて説明する。図5(a)は、図4に示す立体画像形成体(1)を観察したときの模式図である。
一般的に、照明光源からの入射角と物体からの反射角が同じであるときに正反射光が観察され、入射角と反射角が異なるときに拡散反射光が観察される。立体画像形成体(1)の観察条件を説明するため、図5(a)に示すように、基材(2)に対して第1の画像(3a)と第2の画像(7a)がずれている方向をX−X’軸とし、X軸と90度の角度で交差する方向をY−Y’軸とし、立体画像形成体(1)に対して鉛直方向をZ−Z’軸としている。また、X軸、Y軸及びZ軸が交わる点を原点(P)とし、原点(P)は、第1の画像の中心(4)と第2の画像の中心(8)の中間点としている。また、照明光源(9)の入射角は、原点(P)を中心として、照明光源(9)がZ−Z’軸と成す角度であり、視点(10)の反射角は、原点(P)を中心として、視点(10)がZ−Z’軸と成す角度である。
本発明の立体画像形成体(1)を観察するための最も好ましい観察条件は、照明光源(9)と視点(10)がX−X’軸上に位置し、かつ、視点(10)がX−X’軸上を移動して観察する場合であり、図5(a)は、その観察条件を示している。仮に、照明光源(9)及び/又は視点(10)がX−X’軸上からY−Y’軸方向へ少しずれていても立体画像として視認できるが、Y−Y’軸方向へずれるほど、立体視できる範囲が小さくなる。
図5(a)に示すように、照明光源(9)の入射角が45度で、原点(P)から所定の距離だけ離れた位置から光を照射しているとすると、Z−Z’軸上に立体画像形成体(1)から所定の距離だけ離れた位置に視点(10)があるとき、照明光源(9)の入射角が45度に対して、視点(10)の反射角が0度のため、拡散反射条件による画像が観察される。なお、このときの視点(10)の位置を観察点(11)とする。また、Z−Z’軸を基準として照明光源(9)と対象の位置の方向に、視点(10)が位置し、かつ、視点(10)の反射角が45度で、原点(P)から所定の距離だけ離れた位置に視点(10)があるときに正反射条件による画像が観察される。このときの視点(10)の位置を観察点(12)とする。そして、更に視点(10)の反射角が大きくなると、照明光源(9)の入射角と視点(10)の反射角が異なるため、拡散反射条件による画像が観察される。このときの視点の位置を観察点(13)とする。
図5(a)では、立体画像形成体(1)の観察条件を立体的に示したが、平面的に示すと図5(b)のようになる。そして、図5(a)で示す視点(10)の位置を観察点(11)から観察点(13)に移動させるに従い、図5(b)上では、視点(10)がX’方向に移動していくこととなる。なお、本実施の形態の観察条件の説明では、視点(10)がX−X’軸上を移動して立体画像形成体を観察しているが、実際に立体画像形成体を観察する場合、第1の画像と第2の画像をずらした方向に視点(10)を移動させればよい。
(画像の視認原理)
図6は、立体画像形成体(1)の拡散反射条件による観察で視認される画像を示したものである。拡散反射条件による画像が視認される位置に左右の目があるとき、すなわち、視点(10)が観察点(11)及び観察点(13)にあるとき、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認される。
図7は、立体画像形成体(1)の正反射条件による観察で視認される画像を示したものである。正反射条件による画像が視認される位置に左右の目があるとき、すなわち、視点(10)が観察点(12)にあるとき、第1の画像(3a)は視認できないが、第2の画像(7a)は視認できる。
このように、本発明の立体画像形成体(1)は、拡散反射条件による観察と正反射条件による観察で視認される画像が変化するものである。
次に、本発明の立体画像形成体(1)において、拡散反射条件による観察と正反射条件による観察で、視認される画像が変化する原理について図8〜11を用いて説明する。なお、この原理について説明するため、表1に示す水準でそれぞれのサンプルを作製した。表1において、水準1〜4は、第1の印刷層の面積率を変更した水準である。また、水準5〜8は、第1の印刷層の面積率を変更し、その上に第2の印刷層を設けた水準である。また、水準9〜12は、第1の印刷層の面積率を変更し、その上に第2の印刷層を設け、更にその上に第3の印刷層を設けた水準である。なお、水準1〜12は、第1の印刷層に、Kインキ「大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス黒N」を用いている。また、水準13は、第1の印刷層にMインキ「大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス紅」を用い、その上に第2の印刷層を設けた水準である。また、水準14は、水準13に対して、更にその上に第3の印刷層を設けた水準である。また、水準15は、第1の印刷層にCインキ「大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure RT-8 藍」を用い、その上に第2の印刷層を設けた水準である。また、水準16は、水準15に対して、更にその上に第3の印刷層を設けた水準である。また、水準17は、第1の印刷層にYインキ「大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス透明黄」を用い、その上に第2の印刷層を設けた水準である。また、水準18は、水準17に対して、更にその上に第3の印刷層を設けた水準である。第1の印刷層に用いたインキは、いずれも紫外線硬化型のインキである。また、サンプル作製に用いた基材は、キャストコート紙(日本製紙製 エスプリコートFM)を用い、第2の印刷層を形成する高光沢な透明材料はグロスニス「大日本インキ化学工業株式会社製 New Champion ハイグロス OPニス」を用い、第3の印刷層を形成する低光沢な透明材料はマットニス「T&K TOKA社製 UVマット OPニス 3H」を用いた。そして、作製したサンプルの色彩L*a*b*を測定し色差ΔEを求めた。測定は、変角分光測色システム(村上色彩技術研究所製 変角分光測色システムGCMS−4型)を用いた。
Figure 2009190249
図8は、拡散反射条件となる測定の受光角度と、水準1に対する水準2〜12のサンプルの色差ΔEを示す図である。なお、色彩L*a*b*の測定は、光源の入射角度を45度に固定して受光角度を−10〜0度までとした。図9は、正反射条件となる測定の受光角度と、水準5に対する水準6〜12のサンプルの色差ΔEを示す図である。なお、色彩L*a*b*の測定は、光源の入射角度を45度に固定して受光角度を40〜50度までとした。図10は、正反射条件となる測定の受光角度と、水準5に対する水準9−1〜9−4のサンプルの色差ΔEを示す図である。なお、色彩L*a*b*の測定は、光源の入射角度を45度に固定して受光角度を40度から50度とした。図11は、正反射条件となる測定の受光角度と、水準13に対する水準14のサンプルの色差ΔE、水準15に対する水準16のサンプルの色差ΔE及び水準17に対する水準18のサンプルの色差ΔEを示す図である。また、本明細書おいて、前述の光源の入射角度とは、図5(a)に示す照明光源(9)とZ軸の成す角度と同様であり、受光角度は、図5(a)に示す視点(10)とZ軸の成す角度と同様とする。
(拡散反射条件による画像の視認原理)
拡散反射条件による画像の視認原理についてKインキを用いた例で説明する。拡散反射条件による観察では、第1の画像(3a)のみが視認される。これは、拡散反射条件による観察では、Kインキが異なる面積率で印刷されたそれぞれの領域は、視覚的に面積率の高低差によるところの濃淡差が視認されるからである。実際に、図8に示すように、Kインキの面積率を100%とした水準1に対して、Kインキの面積率を75%とした水準2の色差ΔEは20程度、Kインキの面積率を50%とした水準3の色差ΔEは36程度、Kインキの面積率を25%とした水準4の色差ΔEは52程度であり、Kインキの面積率の高低差が色差ΔEの値として表れていることが分かる。
一方、Kインキの上に高光沢で透明なグロスニスが印刷された領域と、更にその上に低光沢で透明なマットニスが印刷された領域は、インキ皮膜が透明であるため、下地の色と等色となるだけであり、高光沢な透明材料及び低光沢な透明材料が、Kインキが異なる面積率で印刷された領域の視認へ及ぼす影響は小さい。実際に、図8に示すように、Kインキが異なる面積率で印刷され、その上に高光沢で透明なグロスニスが印刷された水準5〜8のそれぞれは、Kインキの面積率の等しい水準1〜4のそれぞれに対して、同程度の色差の値となっている。
また、Kインキが異なる面積率で印刷され、その上に高光沢で透明なグロスニスが印刷され、更にその上に低光沢で透明なマットニスが印刷された水準9〜12のそれぞれも、また、Kインキの面積率の等しい水準1〜4のそれぞれに対して同程度の色差の値となっている。このことから、拡散反射条件による観察では、高光沢な透明材料及び低光沢な透明材料は視認されず、基材と異なる色を有する有色インキの面積率の差を設けて形成された第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認される結果となる。なお、基材と異なる色を有する有色インキとしてC、M、Yのインキを用いた場合でも、Kインキを用いた場合と同様に、面積率の差を設けることによって濃淡差が視認される結果となる。
(正反射条件による画像の視認原理)
正反射条件による画像の視認原理についてKインキを用いた例で説明する。正反射条件による観察では、第2の画像(7a)が視認される。詳細には、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認できなくなり、第2の画像(7a)が視認される。これは、Kインキが異なる面積率で印刷され、更にその上に高光沢で透明なグロスニスが印刷されたそれぞれの領域では、Kインキの面積率の高低差が存在しているにもかかわらず、高光沢で透明なグロスニスの光沢によって観察者の視点に到達する反射光量が極端に大きくなるため、面積率の高低差によるところの濃淡差、すなわち、第1の画像(3a)を視認することが難しくなるためである。
一方、Kインキと高光沢の透明なグロスニスの上に低光沢で透明なマットニスが重ねて印刷された領域は、低光沢の透明なマットニス表面の凹凸によって反射光が拡散され、反射光量の差による濃淡差が生じ、この原理によって第2の画像(7a)が視認される。なお、透明インキ単体では、色がなく、視認することができないが、本実施の形態では、低光沢の透明なマットニスと高光沢の透明なグロスニスの下にKインキの印刷層を形成しており、Kインキの反射光が低光沢の透明なマットニスによって拡散された結果、第2の画像(7a)の図柄が視認されるものである。
実際に、図9に示すように、Kインキが異なる面積率で印刷され、その上に高光沢の透明なグロスニスが印刷され、更にその上に低光沢で透明なマットニスが印刷された水準9〜12のそれぞれは、Kインキが異なる面積率で印刷され、その上に高光沢の透明なグロスニスが印刷された水準5〜8に対して、色差ΔEの値が大きくなっている。すなわち、低光沢の透明なマットニスの印刷の有無による濃淡差が色差ΔEの値として表れている。
一方、水準6〜8の色差ΔEは、10〜40程度あるが、水準9〜12の色差ΔEが大きく、視認性が強い。結果的に、正反射光による観察において、水準6〜8で印刷された領域は視認できなくなる。このことから、正反射条件による観察では、基材と異なる色を有するインキを異なる面積率で形成した第1の画像(3a)と第1の背景(3b)は、視認されず、低光沢の透明なマットニスで形成された第2の画像(7a)が視認される結果となる。なお、低光沢の透明なマットニスの面積率の差を設けて形成された水準9−1〜9−4のサンプルは、図10に示すように、低光沢の透明なマットニスの面積率の差によって色差ΔEに差が生じていることから、正反射条件で観察するときの第2の画像の濃淡を表現することもできる。また、Kインキの代わりにCMYインキをそれぞれ用いた場合でもKインキを用いた場合と同様であり、図11に示すように、低光沢の透明なマットニスが印刷された領域と低光沢で透明なマットニスが印刷されない領域で色差ΔEの差が生じ、結果として第2の画像(7a)が視認されることとなる。
(立体視が可能な観察条件)
次に、立体視が行われる観察条件と立体視して視認される画像について、図12及び図13を用いて説明する。
立体画像形成体(1)を立体視して観察するには、図12(a)に示すような位置を視点(10)とする。図12(a)では、照明光源(9)が入射角45度で、原点(P)から所定の距離だけ離れた位置から光を照射しており、視点(10)の右目が拡散反射条件による観察で第1の画像を視認し、視点(10)の左目が正反射条件による観察で第2の画像を視認する位置にある。完全な正反射条件による画像を観察するには、反射角が45度の位置に、視点(10)の左目を位置させて観察する必要があるが、実際には反射光の拡散が生じるため、図12(a)に示す角度(α)の範囲で正反射条件による画像を観察することができる。この角度(α)は、6度程度、すなわち、正反射条件による画像は、観察角度45度±3度程度の範囲で観察できる。このとき、視点(10)の右目では第1画像(3a)のみが視認され、視点(10)の左目では第2の画像(7a)のみが視認される。このような視点(10)の位置を観察点(14)とする。この観察点(14)では、両眼視差、すなわち、立体視でいう平行視が機能し、立体画像形成体(1)を立体視することができる。このとき、図12(b)に示すように、実際には第1の画像(3a)と第2の画像(7a)が基材の奥側に結像し、奥行き感のある立体画像(6A)が見える。
本発明では、高光沢な透明材料による正反射光が狭い観察角度、すなわち、角度(α)でしか生じないことから、その上に形成される低光沢な透明材料による第2の画像(7a)が視認される観察角度も狭くなる。本発明では、この原理を利用することによって、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する立体視の観察条件を成立しやすくさせている。
次に、視点(10)が図13(a)に示す位置にあるときも、立体画像形成体(1)を立体視して観察することができる。この場合、視点(10)の右目では第2の画像(7a)のみが視認され、視点(10)の左目では第1の画像(3a)のみが視認される。このような視点(10)の位置を観察点(15)とする。この観察点(15)では、両目視差、すなわち、立体視でいう交差視が機能し、立体画像形成体(1)を立体視することができる。このとき、図13(b)に示すように、実際には第1の画像(3a)と第2の画像(7a)が基材の手前側に結像し、奥行き感のある立体画像(6B)が見える。
なお、本発明の立体画像形成体(1)を立体視するときの観察環境は、前述のような単一の照明光源(9)によって立体画像形成体(1)が照らされる場合に限るものではない。これ以外の観察条件、例えば、ごく少数の蛍光灯に照らされた環境、蛍光灯が多数存在する環境又は曇った日の屋外等においても容易に立体視が成立して観察することができる。さらに、立体視して観察するとき、第2の画像を視認するための観察条件は、照明光源(9)の入射角と視点(10)の反射角が45°に限るものではない。前述した蛍光灯で照らされる環境、屋外等で立体画像形成体(1)が照らされるとき、一方の目が正反射条件で観察し、他方の目が拡散反射条件で観察する位置に視点(10)を位置させることで、立体視が成立して観察することができる。
なお、基材(2)は、オフセット印刷用、中質紙、白色用紙、上質紙に代表される非塗工紙、コート紙、アート紙に代表される塗工紙又はプラスチックカード等の印刷画像を担持できる平面を有していればよい。本発明は、正反射条件による観察において、異なる面積率で形成された第1の画像と第1の背景の上に形成された第2の印刷層の反射光が強くなることを利用しているため、表面の平滑性の高い基材を用いることが好ましい。
また、第1の印刷層(3)、第2の印刷層(5)及び第3の印刷層(7)の印刷方式は、ウェットオフセット印刷、ドライオフセット印刷、凸版印刷、水無平版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷又は凹版印刷等の工程で印刷してもよい。また、レーザプリンタ、インキジェットプリンタ、昇華型プリンタ等で画像を形成してもよい。
また、立体画像形成体(1)の第1の画像(3a)及び第2の画像(7a)を構成する図柄は、文字、数字、記号、図形、模様等で形成されてもよい。
また、第1の画像(3a)及び第2の画像は、万線、波線及び破線で構成されてもよい。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、立体視の対象となる図柄が立方体であり、低光沢な透明材料で形成した第2の画像を構成する図柄が、第1の画像を構成する図柄に対して、立体画像として視認できる程度の差異を設けて形成された立体画像形成体(31)である。実施例1の立体画像形成体(31)について、図14〜17を用いて説明する。
図14は、実施例1の立体画像形成体(31)の第1の画像(33a)及び第1の背景(33b)から成る第1の印刷層(33)を示す図である。図15は、実施例1の立体画像形成体(31)の第2の印刷層(35)を示す図である。図16は、実施例1の立体画像形成体(31)の第2の画像(37a)から成る第3の印刷層(37)を示す図である。図17は、実施例1の立体画像形成体(31)を示す図である。
図14に示す第1の画像(33a)及び第1の背景(33b)から成る第1の印刷層(33)は、基材(32)に、紫外線硬化型のKインキ(大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス黒N)を用いて、ウェットオフセット印刷方式で印刷した。このとき、第1の画像(33a)を構成する図柄は、立方体とし、スクリーン線数220線、面積率60%、第1の背景(33b)は、スクリーン線数220線、面積率30%で形成した。なお、基材(32)は、キャストコート紙(日本製紙社製 エスプリコートFM)を用いた。なお、実施例1の立体画像形成体(31)の第1の背景(33b)のサイズは、横30mm×縦20mmである。
図15に示す第2の印刷層(35)は、第1の印刷層(33)の全面を覆うように高光沢な透明材料(大日本インキ化学工業株式会社製 New Champion ハイグロス OPニス)を用いてウェットオフセット印刷方式で印刷した。この時、第2の印刷層は、スクリーン線数220線、面積率100%で形成した。
図16に示す第2の画像(37a)を構成する図柄は、立体画像として視認できる程度の差異を設けて形成された画像であり、具体的には、手前側の面が第1の画像(33a)を構成する図柄の手前側の面と同一で、奥側の面は、第1の画像(33a)の奥側の面に対して約2mm横方向にずれた画像である。そして、第2の画像(37a)を、第2の印刷層(35)の上に、低光沢な透明材料(T&K TOKA社製 UVマット OPニス 3H)を用いてウェットオフセット印刷方式で印刷した。この時、第2の画像(37a)は、スクリーン線数220線、面積率80%で形成し、第2の画像(37a)は、第2の画像(37a)を構成する図柄の手前側の面が第1の画像(33a)を構成する図柄の手前側の面と同一の位置で重なるように形成した。
効果の確認のため、実施例1の立体画像形成体(31)を確認した結果、立体視して観察する角度によって立方体の奥側の位置が変化し、あたかも立方体を上方から観察しているか、又は下方から観察しているかのように立体画像を視認することができた。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の立体画像形成体(31)に対して、第1の背景(33b)を画線部と非画線部から成る万線の構成とした立体画像形成体である。実施例2の立体画像形成体について図18〜20を用いて説明する。なお、用いた基材、インキ及び透明材料については、実施例1と同様であるため説明を一部省略する。
図18は、実施例2の立体画像形成体(41)の第1の画像(43A)及び第1の背景(43B)を示す図である。図19は、第1の背景(43B)を構成する画線(43b)を示す図である。図20は、実施例2の立体画像形成体(41)を示す図である。
図18に示す第1の画像(43A)及び第1の背景(43B)から成る第1の印刷層(43)は、基材(42)に、Kインキを用いて、ウェットオフセット印刷方式で印刷した。このとき、第1の画像(43A)を構成する図柄を立方体とし、スクリーン線数220線、面積率45%で形成し、その上に、第1の背景(43B)を形成した。第1の背景(43B)を構成する画線(43b)は、図19に示すように、ピッチ(P)0.33mm、幅(W1)0.1mmの画線で形成した。形成した第1の背景(43B)は、目視上、面積率約30%の網点で形成した背景と同等の濃度として観察することができる。そして、実施例1と同様に第2の印刷層(図示せず)と第2の画像(47A)を形成した。
実施例2の立体画像形成体(41)は、第1の背景(43B)を所定の間隔の画線で形成しているが、正反射条件による観察において、第1の画像(43A)が視認できなくなり、第2の画像(47A)が視認され、立体視の観察条件で観察したとき立体画像を視認することができた。
(実施例3)
実施例3は、第1の画像を構成する図柄及び第2の画像を構成する図柄の階調が連続的に変化する立体画像形成体である。また、第1の画像を構成する図柄と第2の画像を構成する図柄は、同一の被写体に対して撮影角度が異なる2枚の写真を処理して形成した立体画像形成体である。そこで、実施例3の立体画像形成体について図21〜24を用いて説明する。なお、用いた基材、インキ及び透明材料については、実施例1と同様であるため説明を一部省略する。
図21は、実施例3の立体画像形成体(51)の第1の画像(53a)及び第1の背景(53b)から成る第1の印刷層(53)を示す図である。図22は、実施例3の立体画像形成体(51)の第2の印刷層(55)を示す図である。図23は、実施例3の立体画像形成体(51)の第2の画像(57a)を示す図である。図24は、実施例3の立体画像形成体(51)を示す図である。
図21に示す実施例3の立体画像形成体(51)の第1の画像(53a)を構成する図柄を作成するため、まず、立体物の写真をデジタルカメラで撮影した。実施例3では、立体物として鳳凰像の写真を撮影し、撮影した写真から鳳凰像をトリミングした。撮影した写真の画像データは、必要に応じて輪郭強調処理や階調調整を行うことができる。輪郭強調処理は、撮影した画像と背景の濃度差が少ない場合に第1の画像の輪郭を視認しやすくするための処理である。階調調整は、撮影した画像の階調の範囲が小さい場合に階調の範囲を大きくして、撮影した画像の階調の変化を視認しやすくするための処理又は撮影した画像の階調の範囲が広い場合に階調の範囲を狭くするための処理である。後者の階調の範囲を狭くする処理は、前述のように、第1の画像を形成する印刷材料によって正反射条件による観察で、第1の画像を視認させなくするための面積率の範囲に制限があるためである。
実施例3では、トリミングした鳳凰像の画像データを階調調整してグレースケールにて処理し、第1の画像(53a)を構成する図柄とした。階調調整は、画像処理ソフトを用いて鳳凰像の画像データの最低濃度を面積率50%とし、画像データの最高濃度を面積率75%となるように階調調整を行った。そして、図21に示すように、基材(52)に第1の画像(53a)をKインキを用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、第1の画像(53a)の最低濃度の面積率を50%、第1の画像(53a)の最高濃度の面積率を75%とし、第1の画像(53a)内で連続的に面積率を変更して鳳凰像の図柄を印刷した。また、第1の背景(53b)は、スクリーン線数220線、面積率50%で印刷した。なお、実施例3の立体画像形成体(51)の第1の背景(53b)のサイズは、横100mm×縦120mmである。
図22に示す第2の印刷層(55)は、実施例1と同様に高光沢な透明材料を用いてスクリーン線数220線、面積率100%で形成した。
図23に示す実施例3の立体画像形成体(51)の第2の画像(57a)を構成する図柄には、第1の画像(53a)を構成する図柄の撮影に対して、撮影角度を3度程度変えて撮影した写真を用いた。そして、撮影した写真の画像データを、画像処理ソフトを用いて鳳凰像をトリミングし、階調調整を行った。階調調整は、鳳凰像の最低濃度を面積率50%とし、最高濃度の面積率を100%に調整してグレースケールにて処理し、第2の画像(57a)を構成する図柄とした。そして、第2の印刷層(55)の上に、第2の画像(57a)を低光沢な透明材料を用いてウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、第2の画像(57a)の最低濃度の面積率を50%、第2の画像(57a)の最高濃度の面積率を100%とし、第2の画像(57a)内で連続的に面積率を変更して印刷した。なお、第2の画像(57a)の配置については、第1の画像を構成する図柄の中心(54)と第2の画像を構成する図柄の中心(58)が重なる状態で形成した。
効果の確認のため実施例3の立体画像形成体(51)を確認した結果、階調を有する鳳凰像を立体視することができた。
(実施例4)
実施例4は、第1の画像及び第2の画像の階調が連続的に変化する立体画像形成体であり、第1の画像と第2の画像が、撮影角度の異なる3次元の景色の写真を処理して形成した立体画像形成体である。また、実施例1〜3が第1の画像のみを立体視の対象とするのに対して、実施例4の立体画像形成体は、第1の画像全体を立体視の対象とするものである。実施例4の立体画像形成体について図25〜28を用いて説明する。なお、用いた基材、インキ及び透明材料については実施例1と同様であるため説明を一部省略する。
図25は、実施例4の立体画像形成体(61)の第1の画像(63a)から成る第1の印刷層(63)を示す図である。図26は、実施例4の立体画像形成体(61)の第2の印刷層(65)を示す図である。図27は、実施例4の立体画像形成体(61)の第2の画像(67a)から成る第3の印刷層(67)を示す図である。図28は、実施例4の立体画像形成体(61)を示す図である。
図25に示す実施例4の立体画像形成体(61)の第1の画像(63a)を構成する図柄を作成するため、まず、3次元の景色の写真をデジカメで撮影した。実施例4では、3次元の景色として廊下の写真を撮影し、撮影した写真の画像データを階調調整してグレースケール処理し、第1の画像(63a)を構成する図柄とした。階調調整は、画像処理ソフトを用いて撮影した写真の画像データの最低濃度を面積率40%とし、画像データの最高濃度を面積率70%となるように階調調整を行った。そして、図25に示すように、基材(62)に第1の画像(63a)をKインキを用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、第1の画像(63a)の最低濃度の面積率を40%、第1の画像(63a)の最高濃度の面積率を70%とし、第1の画像(63a)内で連続的に面積率を変更して印刷した。なお、実施例4の立体画像形成体(61)の第1の画像(63a)のサイズは、横120mm×縦100mmである。
図26に示す第2の印刷層(65)は、実施例1と同様に高光沢な透明材料を用いて、スクリーン線数220線、面積率100%で形成した。
図27に示す実施例4の立体画像形成体(61)の第2の画像(67a)を構成する図柄には、第1の画像(63a)を構成する図柄の撮影に対して、撮影角度を3度程度変えて撮影した写真を用いた。そして、画像処理ソフトを用いて撮影した写真の画像データの階調調整を行った。階調調整は、撮影した画像データの最低濃度を面積率50%とし、最高濃度の面積率を100%に調整してグレースケールにて処理し、第2の画像(67a)を構成する図柄とした。そして、第2の印刷層(65)の上に第2の画像(67a)を低光沢な透明材料を用いてウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、第2の画像(67a)の最低濃度の面積率を50%、第2の画像(67a)の最高濃度の面積率を100%とし、第2の画像(67a)内で連続的に面積率を変更して印刷した。なお、第2の画像(67a)の配置については、第1の画像を構成する図柄の中心(64)と第2の画像を構成する図柄の中心(68)が重なる状態で形成した。
効果の確認のため実施例4の立体画像形成体(61)を確認した結果、第1の画像(63a)全体で立体画像を観察することができた。
(実施例5)
実施例5は、第1の印刷層がC、M、Y、Kのインキの混色で形成される立体画像形成体である。なお、実施例5の第1の画像を構成する図柄及び第2の画像を構成する図柄は、実施例3で用いた画像と同様である。実施例5の立体画像形成体について図29〜33を用いて説明する。なお、実施例5の立体画像形成体は、実施例3に対して、第1の印刷層を形成する処理は異なるが、その他の構成は、同様であるため説明を省略する。
図29は、実施例5の立体画像形成体(71)における第1の画像(73a)及び第1の背景(73b)から成る第1の印刷層(73)を示す図である。図30は、第1の画像(73a)を印刷するためのシアン版(C)を示す図である。図31は、第1の画像(73a)を印刷するためのマゼンタ(M)版を示す図である。図32は、第1の画像(73a)を印刷するためのイエロー版(Y)を示す図である。図33は、第1の画像(73a)を印刷するためのブラック版(Bk)を示す図である。
図30〜33に示すシアン版(C)、マゼンタ版(M)、イエロー版(Y)、ブラック版(Bk)は、撮影した鳳凰像の写真の画像データから鳳凰像をトリミングし、最低濃度を面積率20%、最高濃度の面積率を80%に階調調整し、カラープロセス分解処理し、分解されたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの画像データから作製した。なお、第1の背景(73b)は各版面ともに面積率を80%とした。
そして、作製したそれぞれの版面に、紫外線硬化型のCインキ(大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure RT-8 藍)、Mインキ(大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス紅)、Yインキ(大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス透明黄)及びKインキ(大日本インキ化学工業株式会社製 Dai cure セプターDT プロセス黒N)を用いて基材(72)に第1の画像(73a)を印刷した。なお、印刷は、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、第1の画像(73a)の最低濃度の面積率を20%、第1の画像(73a)の最高濃度の面積率を80%とし、第1の画像(73a)内で連続的に面積率を変更して形成した。また、第1の背景(73b)は、スクリーン線数220線、面積率80%で形成した。
効果の確認のため、実施例5の立体画像形成体を確認した結果、CMYKインキが混色したカラーの階調を有する鳳凰像を立体視することができた。
(実施例6)
実施例6は、第1の印刷層が基材と異なる色を有する光輝性材料で形成される立体画像形成体である。なお、実施例6の第1の画像及び第2の画像は、実施例1で用いた画像と同様である。実施例6で用いた基材、透明材料及び印刷層の構成は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
実施例6の立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景は、基材に、基材と異なる色を有する光輝性材料「大日本インキ化学工業株式会社製 New Champion ゴールド(青口)」を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、第1の画像を、スクリーン線数220線、面積率90%、第1の背景を、スクリーン線数220線、面積率20%で印刷した。前述のように、第1の印刷層を基材と異なる色を有する光輝性材料で形成する場合、第1の画像と第1の背景の面積率の差を70%程度の範囲内で形成することができる。
効果の確認のため、実施例6の立体画像形成体を確認した結果、実施例1と同様に立体画像を立体視することができた。
本発明の実施の形態における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の第2の印刷層を示す図である。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の第2の画像を示す図である。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体を示す図である。 本発明の立体画像形成体の代表的な観察角度及び方向を示す図である。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体を、拡散反射条件で観察した場合に視認される画像を示す図である。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体を、正反射条件で観察した場合に視認される画像を示す図である。 拡散反射条件で観察される場合の色差ΔEを示す図である。 正反射条件で観察される場合の色差ΔEを示す図である。 正反射条件で観察される場合の色差ΔEを示す図である。 正反射条件で観察される場合の色差ΔEを示す図である。 立体視が行われる観察条件及び立体画像を示す図である。 図12とは別の立体視が行われる観察条件及び立体画像を示す図である。 本発明の実施例1における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 本発明の実施例1における立体画像形成体の第2の印刷層を示す図である。 本発明の実施例1における立体画像形成体の第2の画像を示す図である。 本発明の実施例1における立体画像形成体を示す図である。 本発明の実施例2における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 本発明の実施例2における立体画像形成体の第1の背景を構成する画線を示す図である。 本発明の実施例2における立体画像形成体を示す図である。 本発明の実施例3における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 本発明の実施例3における立体画像形成体の第2の印刷層を示す図である。 本発明の実施例3における立体画像形成体の第2の画像を示す図である。 本発明の実施例3における立体画像形成体を示す図である。 本発明の実施例4における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 本発明の実施例4における立体画像形成体の第2の印刷層を示す図である。 本発明の実施例4における立体画像形成体の第2の画像を示す図である。 本発明の実施例4における立体画像形成体を示す図である。 本発明の実施例5における立体画像形成体の第1の画像を示す図である。 実施例5の立体画像形成体の第1の画像を印刷するためのシアン版を示す図である。 実施例5の立体画像形成体の第1の画像を印刷するためのマゼンタ版を示す図である。 実施例5の立体画像形成体の第1の画像を印刷するためのイエロー版を示す図である。 実施例5の立体画像形成体の第1の画像を印刷するためのブラック版を示す図である。
符号の説明
1 立体画像形成体(実施の形態1)
2 基材
3 第1の印刷層
3a 第1の画像
3b 第1の背景
4 第1の画像を構成する図柄の中心
5 第2の印刷層
7 第3の印刷層
7a 第2の画像
6A、6B 立体画像
8 第2の画像を構成する図柄の中心
9 照明光源
10 視点
11 観察点
12 観察点
13 観察点
14 観察点
15 観察点
31 立体画像形成体(実施例1)
32 基材
33 第1の印刷層
33a 第1の画像
33b 第1の背景
37、37a 第2の画像
41 立体画像形成体(実施例2)
42 基材
43 第1の印刷層
43A 第1の画像
43B 第1の背景
43b 画線
47、47A 第2の画像
51 立体画像形成体(実施例3)
52 基材
53 第1の印刷層
53a 第1の画像
53b 第1の背景
54 第1の画像を構成する図柄の中心
55 第2の印刷層
57 第3の印刷層
57a 第2の画像
58 第2の画像を構成する図柄の中心
61 立体画像形成体(実施例4)
62 基材
63 第1の印刷層
63a 第1の画像
63b 第1の背景
64 第1の画像を構成する図柄の中心
65 第2の印刷層
67 第3の印刷層
67a 第2の画像
68 第2の画像を構成する図柄の中心
71 立体画像形成体(実施例5)
72 基材
73 第1の印刷層
73a 第1の画像
73b 第1の背景
H 最も明るい画像
L 最も暗い画像
C シアン版
M マゼンタ版
Y イエロー版
Bk ブラック版
α 角度
P ピッチ
W1 幅

Claims (25)

  1. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像から成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  2. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像から成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成されるか、又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  3. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、前記第1の画像と前記第1の背景は異なる面積率で形成されて成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  4. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、前記第1の画像と前記第1の背景は、異なる面積率で形成されて成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像から成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成されるか、又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  5. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、前記第1の画像と前記第1の背景は、異なる面積率で形成されて成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像と第2の背景から成り、前記第2の画像と前記第2の背景は、異なる面積率で形成されて成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  6. 基材上に第1の印刷層、第2の印刷層及び第3の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色の色材により少なくとも一つの図柄で構成された第1の画像と第1の背景から成り、前記第1の画像と前記第1の背景は、異なる面積率で形成されて成り、前記第2の印刷層は、高光沢な透明材料で形成された印刷層から成り、前記第3の印刷層は、低光沢な透明材料により少なくとも一つの図柄で構成された第2の画像と第2の背景から成り、前記第2の画像と前記第2の背景は、異なる面積率で形成されて成り、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記第1の画像を構成する図柄と前記第2の画像を構成する図柄のうち少なくとも一つが略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の全体を覆うように形成され、前記略同一の図柄で形成された第2の画像を構成する図柄の少なくとも一つが前記第2の印刷層に積層され、前記第2の印刷層に積層された前記第2の画像を構成する図柄は、対応する略同一の図柄で形成された前記第1の画像を構成する図柄の中心を基準として、中心を合わせて形成又は1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射条件による画像を視認し、他方の目が拡散反射条件による画像を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  7. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜40%であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  8. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜60%であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  9. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜70%であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  10. 前記第2の画像は、50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  11. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜40%の範囲で形成され、前記第2の画像又は前記第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は、1〜50%の範囲で形成され、前記第2の画像と前記第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の立体画像形成体。
  12. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜60%の範囲で形成され、前記第2の画像又は前記第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は、1〜50%の範囲で形成され、前記第2の画像と前記第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の立体画像形成体。
  13. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜70%の範囲で形成され、前記第2の画像又は前記第2の背景のどちらか一方の面積率は、50〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は1〜50%の範囲で形成され、前記第2の画像と前記第2の背景の面積率の差が50%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の立体画像形成体。
  14. 前記第1の画像及び/又は前記第2の画像は階調画像であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の立体画像形成体。
  15. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が40%以下で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の立体画像形成体。
  16. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、Kインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が40%以下で形成され、前記第1の背景は、前記第1の画像の最も明るい画像の面積率の40%以内の面積率であり、かつ、前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の40%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  17. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、C、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が60%以下で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の立体画像形成体。
  18. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、C、M、Yのインキの少なくとも一つから成るインキ又はC、M、Yのインキの少なくとも一つのインキとKインキから成るインキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が60%以下で形成され、前記第1の背景は、前記第1の画像の最も明るい画像の面積率の60%以内の面積率であり、かつ、前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の60%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  19. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が70%以下で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の立体画像形成体。
  20. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、光輝性インキによって10〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像の最も明るい画像と第1の画像の最も暗い画像の面積率の差が70%以下で形成され、前記第1の背景は、前記第1の画像の最も明るい画像の面積率の70%以内の面積率であり、かつ、前記第1の画像の最も暗い画像の面積率の70%以内の面積率の範囲で形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  21. 前記第2の画像が階調画像であり、前記第2の画像の面積率は、50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  22. 前記第1の画像及び前記第2の画像を構成する図柄は、文字、数字、記号、図形又は模様であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  23. 前記基材と異なる色の色材は、C、M、Y、Kのインキの少なくとも一つから成るインキ又はアルミニウム粉、銅粉、亜鉛粉、錫粉、真鍮粉又はリン化鉄の少なくとも一つを含む光輝性インキであることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  24. 前記高光沢な透明材料は、グロスニス又はOPニスであることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  25. 前記低光沢な透明材料は透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
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