JP4905711B2 - 立体画像形成体 - Google Patents

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Description

本発明は、拡散反射を観察した場合には第1の画像が、正反射を観察した場合には第2の画像が、光源に対して特定の角度と位置で観察した場合には両眼視差によって第1の画像と第2の画像が融合した立体画像が、それぞれ認識できる裸眼立体視可能な画像形成体に関するものである。
文字や図形などの図象が、立体的に浮き上がって見える立体表現印刷物は、通常の平面的な印刷物に比べて、より豊かな表現が可能であり、外観意匠性の高い印刷物であるとともに複製が困難であることから偽造防止効果にも優れる。このような印刷物としては、立体視を行って観察される印刷物がある。
立体視とは、人間の両目が右目と左目で左右に約60〜70mm離れていることで生じる両眼視差を利用するものであり、平面に固定されている画像であっても、右目と左目でわずかに異なった画像を絶縁して見せることで観察者に錯覚が起こり、平面の画像の中に奥行き感を生じさせる。そして、観察者が認識する画像は、本来、平面の画像の中には存在しない立体画像となる。仮に、右目で見る画像を画像1、左目で見る画像を画像2とすると、立体画像形成体の中には画像1と画像2しか存在していないにもかかわらず、立体視を行う観察者には三番目の画像ともいうべき立体画像が認識される。
立体画像は、平面に固定されている画像が奥行き感を生じさせるというユニークさから、その効果を見て楽しむものとして古くから商業印刷ベースで発展してきたほか、国土地理院のホームページ掲載の立体視サービスのように、地図を余色立体法(アナグリフ方式)によって表現し、色眼鏡を用いて立体視することで地図上の高低を判断したり、わずかにカメラ位置を変えて撮影したレントゲン写真を左右に並べ、ステレオグラム方式で立体視することで患部をより詳しく診断する等、平面的な画像に立体効果を付与できる手法としても広く用いられている。
公知の代表的な立体視可能な画像形成体は、古典的な技術としてステレオグラムやアナグリフに始まり、ポラライザー(偏光)方式を用いて形成されるもの、パララックスバリアやレンチキュラーレンズを重ね合わせるもの、比較的新しい技術としては、ホログラムを用いて形成されるもの等が存在する。
ステレオグラムの最も単純な形態は、撮影角度の異なる画像を左右に並べて裸眼の状態で観察者に平行視や交差視を駆使させて画像を融合させるものである。派生型としては、特定の装置によって光路誘導を行い、左目用と右目用画像を絶縁表示することで立体視をより容易にしたステレオビューアーやステレオスコープ等が存在する。また、ステレオグラムの中には、立体視を容易に起こさせるために、シートに立体視可能な左右一対のステレオパターンと、シートの後方の見通しが可能な窓で形成される視差補正用マークを備えたステレオグラム表示体がある(例えば、特許文献1参照)。
アナグリフ方式は、余色立体法又はカラーフィルタ法とも呼ばれ、一枚の画像中に、主に青色画線で表現された青画像と赤色画像で表現された赤画像を重ね合わせて構成し、左右の目にそれぞれ青色フィルタと赤色フィルタを配置し、赤色フィルタが青色画像を、青色フィルタが赤色画像を透過させる現象を利用して、左右の目で一枚の画像中の青色情報と赤色情報を絶縁表示し、立体視を行うものである。その中には、基材上に第1の領域と第2の領域が複数配置されて濃度階調を有する可視画像が形成され、第2の領域は、第1の領域内に毛抜き合わせで配置されて潜像画像を形成し、第1の領域によって濃度階調を有する可視画像から潜像画像を構成するための第2の領域を除いた画像が形成され、第1の領域は第1の印刷インキで、第2の領域は第2の印刷インキで印刷され、第1の印刷インキと第2の印刷インキの分光反射率は可視領域内の第1の波長の範囲では近似し、可視領域内の第2の波長の範囲では異なる値であるメタメリックペアインキで印刷され、濃度階調を有する可視画像は左目用画像又は右目用画像のいずれか一方として視認され、潜像画像は左目用画像又は右目用画像の他方として視認されることを特徴とする印刷物がある(例えば、特許文献2参照)。
ポラライザー方式は、色後退の発生するアナグリフ方式に代わって主にスクリーン投影型で広く用いられる形態で、スクリーン上の画像の配置構成はアナグリフ方式と同様であるものの、色成分を青や赤に分離する必要がなく、立体画像に対してアナグリフ方式と比較して鮮明なカラー情報を付与できる特徴がある。主に二台のプロジェクタの前に直交させた偏光フィルタを配置して同一面上に投影し、偏光フィルタを左右直交させて配した眼鏡で画像を観察することで立体視を行う。
パララックスバリア方式やレンチキュラー方式は、右目用画像と左目画像を定ピッチで分断したうえで合成し、一定の透明層又は空間を設けて、バリア層又は蒲鉾型レンズを積層して作製する。バリア層や蒲鉾型レンズ層は前述した画像分断ピッチと同一ピッチで構成し、バリア開口部や蒲鉾型レンズを通過する視線角度が両眼で異なる分離現象を利用するもので、同じ裸眼立体視可能なステレオグラムと比較して、平行視や交差視の訓練が必要なく、容易に立体画像が結像する特徴がある。その中には、合成樹脂版を含む透明な媒体を印刷媒体とし、その一方の面に縦の平行線のパララックスバリアを施し、他方の面に左右の立体情報を施して印刷媒体の伸縮による見当不良を解消した立体画像印刷物がある(例えば、特許文献3参照)。
ホログラムは、2光束のレーザ光を拡散させて用いる。レーザ光の一つを拡散させて被写体に当てることで発生する反射光(いわゆる物体光)と、もう一方のレーザ光(いわゆる参照光)も拡散させて記録材に当て、物体光と参照光が干渉してできる干渉縞を記録材に焼き付けるもので、現像処理して作製する。ホログラムにおいては、物体から反射されて伝播してくる光と全く同じ性質をもった光が生じるため、前述の技術と異なり、眼の視覚機能と完全に整合した矛盾のない三次元像が得られる特徴がある。
上記の技術のうち、裸眼立体視可能な画像形成体は、色眼鏡を必要とするアナグリフ方式と偏光フィルタを必要とするポラライザー方式を除いたものであり、すなわちステレオグラムやパララックスバリア形成体、レンチキュラー形成体、ホログラム等である。
特許第3018898号公報 特願平2006256956号公報 特許第3005659号公報
立体視可能な画像は極めてユニークであり、単に見ていて楽しいだけでなく、平面視では取り出せない多くの情報を観察者に提供することが可能である。しかし、この立体視可能な画像は、現在のところ、雑誌の付録や特殊なカード類等、かなり限定した用途でしか一般的に用いられていない。
この一因としては、ニーズ自体が現時点では低いと考えられていることはもちろんであるが、立体画像の結像に特殊な判別具であったり、結像を認識できるまでに多少の訓練が必要であったり、基材を含めて厚さや材料等の制約が大きく、立体画像形成体自体の技術的な問題や画像形成のためのコストの問題等、様々な要因が存在している。
ここで公知の立体画像の具体的な問題を以下に記す。ステレオグラム方式は、単純な構成である場合に、観察者は立体画像の結像を認識できるまでに平行視又は交差視を余儀なくされる。観察者は、結像を認識できるまでに、個人差はあるものの多少の訓練が必要となることから、結像認識できるまでに立体視をあきらめてしまう者も少なくない。また、特許文献1に記載の視差補正用マークを備えたステレオグラム表示体においても、立体視するまでに時間を要するという問題がある。また、画像も右目用と左目用が別々の画像として異なった位置に二つ配置されていることから、二つの画面が必要であるとともに見栄えがよいものではない。光路誘導を行い左目用と右目用画像を絶縁表示するステレオビューアーやステレオスコープの形態を利用する場合には、観察者の負担は軽減するが、光路誘導の装置は若干かさばる場合が多い。
また、アナグリフ方式は、同一画面上に右目画像と左目画像が配されており、立体画像の結像自体はステレオグラムと比較して極めて容易ではあるが、特殊な眼鏡が必要となり、簡便性に欠ける。特許文献2記載の印刷物も同様な問題がある。また、その画像自体も青画像と赤画像が入り組んで配されており、眼鏡を持たないユーザが観察した場合、立体視できないだけでなく、赤画像と青画像が入り組んで構成されている画像自体も裸眼による鑑賞に堪えうるものではない。
また、パララックスバリア方式やレンチキュラー方式を用いた立体画像形成体は、上記の問題をクリアしており、観察者は、訓練の必要なく裸眼で立体視を楽しむことができる。最近では、小さな玩具カードやマウスパッド等でレンチキュラー方式の立体画像形成体を見ることがある。ただし、パララックスバリアやレンチキュラーに準じる形態では、画像形成体自体に一定の透明な空間が必要となる。これらの空間は、100μm以上必要とすることが多く、この透明な空間の厚みが不十分であると、パララックスバリアにおいては視線分離現象を機能させることが困難となり、レンチキュラーでは蒲鉾レンズによるレンズ効果と視線分離現象を機能させることが困難になる。一般的な商業印刷で許される紙厚は50から250μm程度であることから、そのままの形態で適用することは困難であり、結果として、多くの場合は一定の厚みが許されるカード等の形態で用いられることにとどまっている。また、ベース基材としては、単一のフィルムの形態か、フィルムを紙に貼り付けて用いられる場合が多く、紙と異なる材料か、紙との複合形態で形成されることから、印刷や基材の貼り合わせ等の工程で単一な印刷と比較して製造者側の負荷が大きくなってしまい、割高となる。
また、ホログラムは、極めて高精度で自然な裸眼立体視を実現しているが、その製造工程は複雑であり、金型は高価であって、大量生産しない限りはコスト的にマイナスとなる場合が多い。それに加え、単純な印刷方式と比較して製造時間がかかるという問題がある。また、多くの場合、その外観は、独特のメタリック調となってしまう。
以上のように、ステレオグラムは安価であるものの、画像としての見栄えが悪く、結像を認識するのに訓練が必要であり、アナグリフは安価で結像を認識するのが容易であるものの、画像としての見栄えが悪く、眼鏡が必要であるという問題があった。パララックスバリアやレンチキュラー系の技術は、裸眼立体視を容易に実現できるものの、画像形成体自体に一定の厚みが必要であり、製造工程が複雑になるという問題があった。ホログラムについては裸眼立体視を容易に実現できるものの、工程や加工方法が極めて複雑であって、高価であるという問題があった。これらの立体視可能な画像の特徴は、それぞれ一長一短で、すべての問題を解決しているものは存在しなかった。
本発明は、前記課題の解決を目的とするものであり、単純なオフセット印刷のみであっても形成でき、画像形成体自体に厚みを必要とせず一般的な印刷用紙を基材としても形成可能であって、通常視認できる画像は、アナグリフのような違和感がなく、かつ、訓練の必要のなく両眼視差を用いた立体画像を裸眼で結像させる立体画像形成体を提供するものである。
本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材で形成された第1の画像から成り、第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、第1の画像と第2の画像は、同一の図柄で形成され、第2の印刷層は第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心を基準として第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材で形成された第1の画像から成り、第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、第1の画像と前記第2の画像は、略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心に第2の画像の中心を合わせて形成又は第1の画像の中心を基準として第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、第1の画像と第2の画像は、同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心を基準として第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、第1の画像と第2の画像は、略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心に第2の画像の中心を合わせて形成又は第1の画像の中心を基準として第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、第2の印刷層は、透明な色材により異なる面積率で形成された第2の画像及び第2の背景から成り、第1の画像と第2の画像は、同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心を基準として第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、第1の印刷層は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、第2の印刷層は、透明な色材により異なる面積率で形成された第2の画像及び第2の背景から成り、第1の画像と第2の画像は、略同一の図柄で形成され、第2の印刷層は、第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、第1の画像の中心に第2の画像の中心を合わせて形成又は第1の画像の中心を基準として第2の画が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、第1の画像と第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像及び前記第1の背景が25〜100%の範囲の面積率で形成され、第1の画像と第1の背景の面積率の差が15〜50%であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第2の画像が75〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第2の画像又は第2の背景のどちらか一方の面積率が75〜100%の範囲で形成され、他方の面積率が1〜25%の範囲で形成され、第2の画像と第2の背景の面積率の差が75%以上であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像及び/又は第2の画像が階調画像であることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像が階調画像であり、第1の画像が50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の背景が50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第2の画像が階調画像であり、第2の画像の面積率が0〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第2の背景の面積率が1〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体は、第1の画像及び第2の画像が、輪郭線、文字、数字、記号、図柄又は模様のうち少なくとも一つを含んで成ることを特徴とする。
また、本発明の立体画像形成体で用いる光輝性材料は、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄である。
また、本発明の立体画像形成体で用いる透明な色材は、透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキである。
本発明の立体画像形成体は、従来のアナグリフ方式のように眼鏡を用いることなく、また、ステレオグラムのように結像を認識する訓練を必要としないで、容易に立体画像を見ることができる。
また、本発明の立体画像形成体は、従来のステレオグラムのように別々の画面上に右目用画像と左目用画像を形成する必要がないため、ステレオグラムに比べて狭い画面に立体画像を形成することができる。
さらに、本発明の立体画像形成体は、単純なオフセット印刷のみで立体画像形成体が形成できるので、パララックスバリア及びレンチキュラーを形成する工程を必要とせず、また、ホログラムのように複雑な加工を必要としないため、製造コストにおいても優れている。
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
本発明の立体画像形成体の一つの実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。また、立体画像形成体が立体画像として視認される原理について図4〜図13を用いて説明する。
図1は、立体画像形成体(1)の第1の画像(3a)と第1の背景(3b)を示す図である。図2は、立体画像形成体(1)の第2の画像(7a)を示す図である。図3は、立体画像形成体(1)を示す図である。図4は、立体画像形成体(1)を観察したときの照明光源(9)と視点(10)と立体画像形成体(1)の三つの位置関係を示したものである。図5は、立体画像形成体(1)を観察するときの方向をX−X’軸とY−Y’軸を用いて示した図である。図6は、拡散反射光を観察する場合に視認される画像を示す図である。図7は、正反射光を観察する場合に視認される画像を示す図である。図8は、立体画像形成体(1)の拡散反射光を観察する場合の色差ΔEを示す図である。図9は、立体画像形成体(1)の正反射光を観察する場合の色差ΔEを示す図である。図10は、立体視が行われる観察条件の照明光源(9)と視点(10)と立体画像形成体(1)の位置関係を示す図である。図11は、立体視して観察される画像を示す図である。図12は、図10とは別の観察条件で立体視が行われる場合の照明光源(9)と視点(10)と立体画像形成体(1)の位置関係を示す図である。図13は、図12の観察条件で立体視して観察される画像を示す図である。
本実施の形態の立体画像形成体(1)は、基材(2)に第1の画像(3a)と第1の背景(3b)から成る第1の印刷層(3)が形成され、その上に第2の画像(7a)から成る第2の印刷層(7)が形成されている。
(第1の画像及び第1の背景の構成)
図1に示す第1の画像(3a)及び第1の背景(3b)は、基材(2)に、紫外線硬化型の光輝性インキ(T&K TOKA製 UV No.3 シルバー)を用いて、ウェットオフセット印刷方式で印刷する。この時、第1の画像(3a)は、スクリーン線数220線、面積率85%、第1の背景(3b)は、スクリーン線数220線、面積率50%で形成されてなる。なお、第1の画像(3a)は、20mmの大きさの図柄、具体的には、星型の輪郭線で形成している。ここで「面積率」とは、印刷工程で印刷される一定面積の印刷領域において、下地を隠蔽する印刷層の面積を%で示しており、網点で下地を隠す場合は、正確には「網点面積率」となるが、本実施の形態においては、「網点面積率」を「面積率」として説明することとする。
(第2の画像の構成)
また、図2に示す第2の画像(7a)は、基材(2)に形成された第1の画像(3a)と第1の背景(3b)から成る第1の印刷層(3)の上に、酸化重合型の透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線、面積率100%で形成されている。なお、第2の画像(7a)は、第1の画像(3a)と同じ星型の輪郭線で形成した。
(面積率)
本実施の形態において、第1の画像(3a)の面積率を85%、第1の背景(3b)の面積率を50%で形成したが、この範囲は、使用する光輝性インキの特性に応じて変化するものであり、これに限定されるものではない。デザイン上の制約や顧客の要望によって、第1の画像(3a)を、淡くした画像を用いる必要がある場合には、面積率を20〜40%程度のハイライトの面積率で形成したり、30〜60%程度の中間調の面積率で形成する等の条件でも、本発明の立体画像形成体が作製可能である。ただし、正反射光を観察するとき、透明インキで印刷した部分に高いコントラストを得るためには、光輝性インキで形成する第1の印刷層(3)は、好ましくは50〜100%の面積率とするのがよい。
また、本発明は、後述するように、拡散反射光を観察するときに、光輝性インキの面積率の疎密によって第1の画像(3a)と第1の背景(3b)を視認しているが、そのためには、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を15%以上とするのがよい。また、正反射光では、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の反射光量が共に極端に大きくなることを利用して第1の画像(3a)を視認し難くしており、そのために、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を50%以下にする必要がある。仮に第1の画像(3a)と第1の背景(3b)の面積率の差を50%より大きくすると、正反射光の観察で反射光量が共に極端に大きくなるにもかかわらず、その差を視認されてしまう場合が生じる。また、正反射光を観察するとき、透明インキで印刷した第2の画像(7a)を視認するには透明インキの面積率を75%以上とするのがよい。
(立体画像形成体の構成)
次に、本実施の形態の立体画像形成体(1)において、立体視を成立させるための第1の画像(3a)と第2の画像(7a)の配置について説明する。
ある特定の観察角度において立体視を成立させるために、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)を余色立体法又は偏向フィルタ法と同様に、同一の図柄で位置をずらして配置する。本実施の形態では、図3に示すように、第1の画像(3a)の中心(4)を基準として第2の画像(7a)の中心(8)を左側に約3mmずらした位置関係として構成した。なお、第2の画像(7a)の配置は、右側、上側、下側又はその他の方向のどの方向にずらした構成としてもよい。なお、第1の画像(3a)の中心とは、本実施の形態のように第1の画像(3a)が単純な図形であれば、その図形の中心とし、仮に第1の画像(3a)が左右対称及び上下対称でない場合、その立体視する画像を外接して囲む矩形の中心とする。
また、本実施の形態では、第1の画像(3a)の中心(4)を基準として第2の画像(7a)の中心(8)を約3mmずらしているが、これに限定されるものではない。立体画像を視認する際の奥行き感を調整するには、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)のずらし量を調整することで可能であり、立体視の原理から、第1の画像(3a)と第2の画像(3b)のずらし量を1〜65mmずらすことで立体視が可能であり、所望とする奥行き感に合わせてずらし量を調整すればよい。なお、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)のずらし量が1mmより小さい場合、画像の変化が小さいことから立体視し難くなる。
本実施の形態では、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)はそれぞれ同一の図柄で星型の輪郭線を形成したが、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)を略同一の図柄で形成し、第1の画像(3a)の中心と第2の画像(7a)の中心を合わせて第1の画像(3a)の上に第2の画像(7a)を重ねて形成又は第1の画像(3a)の中心を基準として第2の画像(7a)の中心をずらして形成しても、本発明の立体画像形成体を作製することができる。
ここで、「略同一の図柄」とは、立体物や三次元の風景に対して、カメラの撮影角度を両目の位置程度ずらして撮影した写真や画像、両目の位置程度ずらして観察される画像を画像処理ソフト等によって描写して作成した画像、更には前述のように両目の位置程度ずらして観察される画像に限らず、立体画像を視認できる程度の差異が形成された画像のことをいう。
第1の画像及び第2の画像に、略同一の図柄を撮影角度の異なる写真によって形成する立体画像形成体では、第1の画像と第2の画像は、撮影時の撮影角度の違いが適切な範囲であれば、立体画像形成体を立体視して観察した場合に写真全体に自然に奥行き感が生じ、立体画像を視認することができ、左右方向の位相の違いを設計者が考慮する必要はない。そして、両画像のセンターを中心として構成し、一方は光輝性材料を用いて印刷し、残りの一方は透明材料を用いて印刷することで立体画像が観察者に視認される。この写真の加工撮影方法については、余色立体法で一般的に用いられているものであり、公知の手法である。当然、撮影角度をずらして撮影した写真や画像を、本実施の形態のように1〜65mmの範囲でずらして構成しても立体画像を視認することができる。
また、本実施の形態では第1の画像(3a)及び第2の画像(7a)を20mm程度の大きさとし第2の画像(7a)を左側に約3mmずらして形成したが、図柄の大きさはこれに限定されるものではない。20mmより大きい図柄であっても、ずらし量を65mm以下でずらすことで立体視が可能である。
本実施の形態では、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)は、星型の輪郭線で形成したが、文字、数字、記号、図柄又は模様等で形成してもよい。また、第1の画像(3a)及び第2の画像(7a)を網点で形成しているが、万線、波線又は破線で構成してもよい。
(観察条件)
次に、立体画像形成体(1)を観察したときの照明光源(9)と視点(10)と立体画像形成体(1)の三つの位置関係と、視認される画像について図4〜図6を用いて説明する。図4は、図3に示す立体画像形成体(1)を観察したときの模式図である。
一般的に、照明光源からの入射角と物体からの反射角が同じであるとき正反射光が観察され、入射角と反射角が異なるとき拡散反射光が観察される。立体画像形成体(1)の観察条件を説明するため、図4に示すように、基材(2)に対して第1の画像(3a)と第2の画像(7a)がずれている方向をX−X’軸とし、X−X’軸と90度の角度で交差する方向をY−Y’軸とし、立体画像形成体(1)に対して鉛直方向をZ−Z’軸としている。また、X軸、Y軸及びZ軸が交わる点を原点(P)とし、原点(P)は第1の画像(3a)の中心(4)と第2の画像(7a)の中心(8)の中間点としている。また、照明光源(9)の入射角は、原点(P)を中心として、照明光源(9)がZ−Z’軸となす角度であり、視点(10)の反射角は、原点(P)を中心として、視点(10)がZ−Z’軸となす角度である。
本発明の立体画像形成体(1)を観察するための最も好ましい観察条件は、照明光源(9)と視点(10)がX−X’軸上に位置し、かつ、視点(10)がX−X’軸上を移動して観察する場合であり、図4はその観察条件を示している。仮に、照明光源(9)及び/又は視点(10)がX−X’軸上からY−Y’軸方向へ少しずれていても立体画像として視認できるが、Y−Y’軸方向へずれるほど立体視できる範囲が小さくなる。
図4に示すように、照明光源(9)が入射角45度で原点(P)から所定の距離だけ離れた位置から光を照射しているとすると、Z−Z’軸上に立体画像形成体(1)から所定の距離だけ離れた位置に視点(10)があるとき、入射光が45度、反射光が0度であるので拡散反射光が観察される。なお、このときの視点(10)の位置を観察点(11)とする。また、Z−Z’軸を基準として照明光源(9)と対称の位置の方向に視点(10)が位置し、かつ、反射角が45度で原点(P)から所定の距離だけ離れた位置に視点(10)があるとき正反射光が観察される。このときの視点(10)の位置を観察点(12)とする。そして、更に反射角が大きくなると、入射角と反射角が異なるため拡散反射光が観察される。このときの視点の位置を観察点(13)とする。
図4では、立体画像形成体(1)の観察条件を立体的に示したが、平面的に示すと図5のようになる。そして、図4で示す視点(10)の位置を観察点(11)から観察点(13)に移動させるにしたがい、図5上では視点(10)がX’方向に移動していくこととなる。なお、本実施の形態の観察条件の説明では、視点(10)がX−X’軸上を移動して立体画像形成体を観察しているが、実際に立体画像形成体を観察する場合、第1の画像と第2の画像をずらした方向に視点(10)を移動させればよい。
(第1の画像と第2の画像の視認)
図6は、立体画像形成体(1)の拡散反射光を観察した場合に視認される画像を示したものである。拡散反射光が観察される位置に左右の目があるとき、すなわち、視点(10)が観察点(11)及び観察点(13)にあるとき、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認される。
図7は、立体画像形成体(1)の正反射光を観察した場合に視認される画像を示したものである。正反射光が観察される位置に左右の目があるとき、すなわち、視点(10)が観察点(12)にあるとき、第1の画像(3a)は視認できないが、第2の画像(7a)は視認できる。
このように、本発明の立体画像形成体(1)は、拡散反射光を観察した場合と正反射光を観察した場合で視認される画像が変化するものである。
次に、本発明の立体画像形成体(1)において、拡散反射光と正反射光を観察した場合に、視認される画像が変化する原理について図8及び図9を用いて説明する。なお、この原理について説明するため本実施の形態で用いた基材(2)と同様の基材に、光輝性インキ及び透明インキを表1に示す水準で印刷した。なお、光輝性インキ及び透明インキのスクリーン線数は220線とし、透明インキは基材の上に印刷した光輝性インキの上に重ねて印刷した。また、光輝性インキは「T&K TOKA製 UV No.3 シルバー」を使用し、透明インキは「DIC製 New Champion マット OPニス」を使用した。そして、水準1〜水準6の印刷した領域の色彩L*a*b*を測定し、測定した色彩L*a*b*の値を基に水準1に対する水準2〜6の色差ΔEを求めた。
Figure 0004905711
図8は、拡散反射光が観察される受光角度と色差ΔEを示す図である。なお、色彩L*a*b*の測定は、光源の入射角度を45度に固定して受光角度を−10〜0度とした。また、図9は、正反射光が観察される受光角度と色差ΔEを示す図である。なお、色彩L*a*b*の測定は、光源の入射角度を45度に固定して受光角度を40〜50度とした。測定については、変角分光測色システム(村上色彩技術研究所製 変角分光測色システムGSP−4)を用いた。また、前述の光源の入射角度とは、図4に示す照明光源(9)とZ軸のなす角度と同様であり、受光角度は、図4に示す視点(10)とZ軸のなす角度と同様である。
(拡散反射光による画像の視認原理)
拡散反射光が観察される場合においては、第1の画像(3a)のみが視認される。これは、拡散反射光が観察される場合では、光輝性インキを異なる面積率で印刷されたそれぞれの領域が、視覚的に面積率の疎密差によるところの濃淡差が視認されるからである。実際に、拡散反射光が観察される場合においては、図8に示すように、水準1に対して水準5及び水準6の色差ΔEは、すべて4.5を下回り、逆に水準2、3及び水準4の色差ΔEは、すべて6を上回り、光輝性インキの面積率の粗密による濃淡差が色差ΔEの値として表れている。このことから、拡散反射光が観察される場合においては、光輝性インキの面積率が本発明によって形成された画像全体の視認性を支配していることがわかる。
一方、透明インキが印刷された領域については、被膜が透明であるため、下地の色と等色となるだけで、透明インキが第1の画像(3a)の視認へ及ぼす影響は小さい。よって、拡散反射光が観察される場合においては、透明インキは視認されず、光輝性インキの面積率の差で構成された第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認される結果となる。なお、本実施の形態では、第1の画像(3a)をスクリーン線数220線、面積率を85%で形成し、第1の背景(3b)をスクリーン線数220線、面積率を50%で形成しているが、光輝性インキの面積率の疎密によって色差ΔEの値に差が生じ、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が識別され、第1の画像(3a)が視認される。
(正反射光による画像の視認原理)
正反射光が観察される場合においては、第2の画像(7a)が視認される。詳細には、第1の画像(3a)と第1の背景(3b)が視認できなくなり、第2の画像(7a)が視認される。これは、光輝性インキが異なる面積率で印刷されたそれぞれの領域では、面積率の疎密差が存在しているにも関わらず、観察者の視点に到達する反射光量が共に極端に大きくなるため、面積率の疎密差によるところの濃淡差、すなわち、第1の画像(3a)を視認することが難しくなるためである。
光輝性インキが異なる面積率で印刷された領域の反射光量が大きくなり、第1の画像(3a)が視認できなくなる一方、光輝性インキの上に透明インキが重ねて印刷された領域は、透明インキ表面の凹凸によって反射光が拡散されて反射光量の差による濃淡差が生じ、第2の画像(7a)が視認される。なお、透明インキ単体では色がなく視認することはできないが、本発明では、透明インキ下部に光輝性インキを形成しており、光輝性インキの反射光が透明インキによって拡散された結果、第2の画像(7a)の図柄が視認されるものである。また、本発明において、光輝性インキの拡散の程度は、印刷される透明インキの面積率の疎密によって調整することが可能である。そして、実際に、正反射光が観察される場合においては、図9に示すように、水準1に対して水準3及び水準5の色差ΔEは11程度であり、水準4及び水準6の色差ΔEは45程度という結果であった。
このように正反射光が観察される場合においては、透明インキの面積率の疎密による濃淡差及び透明インキの印刷の有無による濃淡差が色差ΔEの値として表れている。このことから、正反射光が観察される場合においては、透明インキの面積率が、本発明によって形成された画像全体の視認性を支配していることが分かる。よって、正反射光が観察される場合においては、光輝性インキの面積率の差で構成された第1の画像(3a)は視認されず、透明インキで構成された第2の画像(7a)が視認される結果となる。
なお、本実施の形態では、第1の画像(3a)をスクリーン線数220線、面積率を85%で形成し、第1の背景(3b)をスクリーン線数220線、面積率を50%で形成し、その上に第2の画像(7a)をスクリーン線数220線、面積率を100%で形成しているが、透明インキの有無及び面積率の疎密によって色差ΔEの値に差が生じ第2の画像(7a)が視認される。また、本実施の形態では透明インキで第2の画像(7a)のみを形成したが、第2の背景を設けてもよく、第2の画像(7a)を透明インキの面積率の疎密で識別するためには、第2の画像と第2の背景の面積率の差を75%以上とするのが好ましい。
(立体視が可能な観察条件)
次に、立体視が行われる観察条件と立体視して視認される画像について図10〜図13を用いて説明する。
立体画像形成体(1)を立体視して観察するには、図10に示すように視点(10)を位置させる。図10では、視点(10)の右目が拡散反射光を観察し、視点(10)の左目が正反射光を観察する位置にある。このとき、視点(10)の右目では第1画像(3a)のみが視認され、視点(10)の左目では第2の画像(7a)のみが視認される。このような視点(10)の位置を観察点(14)とする。この観察点(14)では、両目視差すなわち、立体視でいう平行視が機能し、立体画像形成体(1)を立体視することができる。このとき、図811に示すように、実際には第1の画像(3a)と第2の画像(7a)が基材の奥側に結像して奥行き感のある立体画像(6A)が見える。
次に、視点(10)が図12に示す位置にあるときも、立体画像形成体(1)を立体視して観察することができる。この場合、視点(10)の右目が第2の画像(7a)のみを視認し、左目が第1の画像(3a)のみ視認して両目視差、すなわち立体視でいう交差視が機能し、図13に示すように、実際には第1の画像(3a)と第2の画像(7a)が基材の手前側に結像して奥行き感のある立体画像(6B)が見える。なお、このような視点(10)の位置を観察点(15)とする。
(基材)
基材については、オフセット印刷用コート紙を用いているが、これに限定されるものでなく、白色用紙、上質紙に代表される非塗工紙、コート紙に代表される塗工紙又はプラスチックカード等の印刷画像を担持できる平面を有していればよい。さらには、本発明は、正反射光による画像が支配的に観察される角度領域において、光輝性材料の反射光が面積率にかかわらず、大きくなることを利用しているため、表面の平滑性の高い基材を用いることが好ましい。
(印刷方式)
印刷方式については、ウェットオフセット印刷に限定するものではなく、ドライオフセット印刷、凸版印刷、水無平版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷又は凹版印刷等の工程で印刷してもよい。また、光輝性材料を用いて一定の光沢度が保てるのであれば、レーザプリンタやインキジェットプリンタ又は昇華型プリンタ等で画像を形成してもよい。
(色材)
本発明で用いられる光輝性材料は、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉、錫粉、真鍮粉若しくはリン化鉄等を成分とするか、又はそれらの材料が被覆された銀色、青味金色若しくは赤味金色を示すいずれかの光輝性材料を含むインキでもよい。また、本発明で用いられる透明材料は、着色顔料を使用しない透明なニス、透明ワニス、透明インキ、メジウムインキ、半透明着色インキ又は半透明着色ニスのいずれでもよく、これらのインキは、紫外線硬化型インキや酸化重合型インキに限定するものではなく、浸透型インキ、加熱乾燥インキ又は蒸発乾燥インキ等の印刷インキであってもよい。
なお、本実施の形態では、第1の画像(3a)は、光輝性インキである「T&K TOKA製 UV No.3 シルバー」を用いて形成しているが、この光輝性インキに限定するものではなく、代わりに「DIC製 ニューチャンピオンゴールド(赤口)」や「DIC製 ニューチャンピオンゴールド(青口)」を用いても同様の効果が得られる。色相と彩度の有する光輝性材料であっても、正反射光による画像が観察されるときに本実施の形態の光輝性インキと同様な効果を有する材料であればよい。
本実施の形態で用いたオフセット印刷用コート紙に、光輝性インキ(T&K TOKA製 UV No.3 シルバー)を面積率100%で印刷した領域の光沢度は55である。なお、光沢度については、ディジタル光沢計(村上色彩技術研究所製 GM−3D)を使用して測定した。また、オフセット印刷用コート紙に、透明インキ (DIC製 New Champion マット OPニス)の面積率100%で印刷した領域の光沢度は5である。インキの光沢度は、本発明において、正反射光の拡散による第2の画像(7a)の視認性に関連している。光沢度と透明インキ表面の凹凸のみに限定していうと、光沢度が低いほど透明インキ表面の凹凸が多く、透明インキ下部に形成されたインキの反射光は拡散される。また、透明インキの下に形成された光輝性インキとの光沢度差が大きいほど光輝性インキの反射光は、拡散される。したがって、本実施の形態の立体画像形成体(1)において、第2の画像(7a)の視認性を高くするには、光輝性インキと透明インキの光沢度差が大きいインキを用いることが必要であり、少なくとも光沢度差が10以上であるインキを用いることが好ましい。
また、本実施の形態では、光輝性インキよりも低光沢な透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を使用したが、例えば、光輝性材料より高光沢な透明インキ(DIC製 New Champion ハイグロス OPニス)を用いても、本発明のスイッチ効果が生じる。この場合の正反射光で観察される第2の画像(7a)は、光輝性インキよりも低光沢な透明インキを用いる場合の第2の画像(7a)に対して濃淡反転するため、高光沢な透明インキを用いる場合は、光輝性インキよりも低光沢な透明インキを用いる場合の第2の画像(7a)を階調反転するとよい。
なお、本発明である立体画像形成体(1)の最も好ましい観察環境は、単一光源によって遠距離から照らし出される環境であるが、これ以外の条件、すなわち、単一又はごく少数の蛍光灯に照らされた環境や蛍光灯が多数存在する環境又は曇った日の屋外等において容易に立体視が成立して観察することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、図1に示す立体画像形成体(1)に対して、第1の画像(3a)と第2の画像(7a)の配置が異なるが、その他の形態は同一であるため異なる部分のみ図14を用いて説明する。図14は、実施例1の立体画像形成体(21)を示す図である。
実施例1の立体画像形成体(21)は、図14に示すように、基材(22)に第1の画像(23a)と第1の背景(23b)から成る第1の印刷層(23)が形成され、その上に第2の画像(27a)から成る第2の印刷層(27)が形成されている。そして画像の配置は、第1の画像(23a)の中心(図示せず)を基準として第2の画像(27a)を右側に3mmずらした位置関係で構成した。
立体画像形成体(21)を、図4のように視点(10)を観察点(11)から観察点(13)まで移動させて観察した場合、立体視して観察される観察点(14)では、交差視が機能して立体画像が視認され、観察点(15)では平行視が機能して立体画像が視認される。すなわち、第1の画像(23a)と第2の画像(27a)の配置を図1に示す立体画像形成体(1)と逆にすることによって、立体画像の見え方も逆になって見られる。
(実施例2)
実施例2は、図1に示す立体画像形成体(1)に対して、第2の背景(37b)を設ける点で異なるが、その他の形態は同一であるため、異なる部分のみ図15を用いて説明する。図15は、実施例2の立体画像形成体(31)の第2の印刷層(37)を示す図である。
実施例2の立体画像形成体(31)は、図15に示すように、基材(32)に形成した第1の印刷層(図示せず)の上に、第2の画像(37a)及び第2の背景(37b)から成る第2の印刷層(37)を印刷している。第2の画像(37a)及び第2の背景(37b)は、酸化重合型の透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、第2の画像(37a)をスクリーン線数220線、面積率100%、第2の背景(37b)をスクリーン線数220線、面積率25%で形成した。なお、第2の画像(37a)は、第1の画像(図示せず)の中心を基準とし、左側に3mmずらした位置に形成し、第2の背景(37b)は、第1の背景(図示せず)の印刷範囲と同じ範囲で、同じ位置に形成した。
実施例2の立体画像形成体(31)は、立体画像形成体(1)と同様に立体視することができる。これは、拡散反射光が観察される場合には、透明材料で形成された第2の画像(37a)は視認されず、光輝性材料の疎密で形成された第1の画像が視認され、正反射光が観察される場合には、光輝性材料で形成された第1の画像が視認されず、透明インキの疎密によって第2の印刷層(37)から第2の画像(37a)が視認されるからである。
(実施例3)
実施例3は、図1に示す立体画像形成体(1)と実施例1の立体画像形成体(21)を組み合わせた例である。さらに、第1の画像(43a、43b、43c)と第2の画像(47a、47b、47c)を塗りつぶした形態とした立体画像形成体(41)である。この立体画像形成体(41)について図16〜図18を用いて説明する。図16は、実施例3の立体画像形成体(41)の第1の印刷層(43)を示す図である。図17は、実施例3の立体画像形成体(41)の第2の画像(47a、47b、47c)を示す図である。図18は、実施例3の立体画像形成体(41)を示す図である。
立体画像形成体(41)は、基材(42)に第1の画像(43a、43b、43c)及び第1の背景(43d)から成る第1の印刷層(43)が形成され、その上に第2の画像(47a、47b、47c)から成る第2の印刷層(47)が形成されている。
図12に示す第1の画像(43a、43b、43c)及び第1の背景(43d)は、基材(42)に、紫外線硬化型の光輝性インキ(T&K TOKA製 UV No.3 シルバー)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線で、第1の画像(43a)を面積率85%、第1の画像(43b)を面積率80%、第1の画像(43c)を面積率70%で星型の形状が塗りつぶされて成り、第1の背景(43d)をスクリーン線数220線、面積率50%で形成されて成る。なお、基材(42)には、オフセット印刷用コート紙を用いた。
図17に示す、第2の画像(47a、47b、47c)は、基材(42)に形成された第1の印刷層(43)の上に、酸化重合型の透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線で、第2の画像(47a)を面積率100%、第2の画像(47b)を面積率90%、第2の画像(47c)を面積率80%で星型の形状が塗りつぶされて成る。
次に、立体視を成立させるための第1の画像(43a、43b、43c)と第2の画像(47a、47b、47c)の配置について説明する。
図18に示すように、第1の画像(43a)の中心(中心については図示せず)を基準とし、第2の画像(47a)を右側に約3mmずらした配置で形成した。また、第1の画像(43b)の中心(中心については図示せず)を基準とし第2の画像(47b)を左側に約2mmずらした配置で形成した。また、第1の画像領域(43c)と第2の画像(47c)は、同一の位置に重ね合わせた位置で形成した。
実施例3の立体画像形成体(41)を立体視して観察すると、図10と同様に視点(10)が観察点(14)に位置するとき(観察条件については図示せず)、立体画像を視認することができる。このとき、第1の画像(43a)と第2の画像(47a)が基材(42)の手前側に結像し、第1の画像(43b)と第2の画像(47b)が基材(42)の奥側に結像して立体画像を視認することができる。また、図12と同様に視点(10)が観察点(15)に位置するとき(観察条件については図示せず)、第1の画像(43a)と第2の画像(47a)の結像位置が入れ替わり、基材(42)の奥側に結像し、第1の画像(43b)と第2の画像(47b)の結像位置が入れ替わり、基材(42)の手前側に結像して見える。
このように、実施例3の立体画像形成体(41)は、一度に交差視と平行視を機能させ立体画像を視認することができ、より意匠性に優れた立体画像を視認することができる。なお、第1画像(43c)と第2の画像(47c)は、同じ位置に形成されており立体視するものではなく、第1の画像(43a)と第2の画像(47a)の結像した画像又は第1の画像(43b)と第2の画像(47b)の結像した画像が基材(42)に対して、奥側又は手前側のどちらに現れるかを判断しやすくするためのものである。
(実施例4)
実施例4は、立体物を被写体とし、撮影角度のわずかに異なる2枚の写真から立体画像を作製したものである。また、立体視する第1の画像が、連続的に階調変化する形態の立体画像形成体(51)である。この立体画像形成体(51)について図19〜図21を用いて説明する。図19は、実施例4の立体画像形成体(51)の第1の印刷層(53)を示す図である。また、図20は、実施例4の立体画像形成体(51)の第2の画像(57a)を示す図である。また、図21は、実施例4の立体画像形成体(51)を示す図である。
立体画像形成体(51)は、基材(52)に第1の画像(53a)及び第1の背景(53b)から成る第1の印刷層(53)が形成され、その上に第2の画像(57a)から成る第2の印刷層(57)が形成されている。
実施例4の立体画像形成体(51)の第1の画像(53a)を作成するため、まず、立体物の写真をデジカメで撮影する。実施例4では、立体物として鳳凰像の写真を撮影した。撮影した写真から鳳凰像をトリミングし、トリミングした鳳凰像の画像データを階調圧縮して第1の画像(53a)とした。なお、階調圧縮は、画像処理ソフトを用いて鳳凰像の画像データの最低濃度を面積率50%とし、画像データの最高濃度を面積率80%となるように階調圧縮を行った。そして、図19に示すように、基材(52)に第1の画像(53a)及び第1の背景(53b)を、紫外線硬化型の光輝性インキ(T&K TOKA製 UV No.3 シルバー)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、第1の画像(53a)をスクリーン線数220線、階調圧縮時の最低濃度の面積率を50%、階調圧縮時の最高濃度の面積率を80%とし、第1の画像(53a)内で連続的に面積率を変更して形成し、第1の背景(53b)をクリーン線数220線、面積率50%で形成した。
実施例4の立体画像形成体(51)の第2の画像(57a)を作成するため、第1の画像(53a)と撮影角度のわずかに異なる写真を撮影した。そして、撮影した写真から鳳凰像をトリミングし、トリミングした鳳凰像の画像データを階調調整して第2の画像(57a)とした。階調調整は、画像処理ソフトを用いて第1の画像(53a)と撮影角度のわずかに異なる鳳凰像の画像データの最低濃度を面積率0%とし、最高濃度を面積率100%となるように階調調整を行った。そして、図20に示すように、第2の画像(57a)は、基材(52)上に形成された第1の印刷層(53)の上に、酸化重合型の透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、階調調整時の最低濃度の面積率を0%とし、階調調整時の最高濃度の面積率を100%とし、第2の画像(57a)内で連続的に面積率を変更して形成した。なお、基材(52)には、オフセット印刷用コート紙を用いた。
次に、立体視を成立させるための立体画像形成体(51)の第1の画像(53a)と第2の画像(57a)の配置について説明する。
第1の画像(53a)と第2の画像(57a)を形成する位置は、画像のセンターを中心にした位置で刷り重ね合わせた位置とする。実施例4では、仮に、図19に示すように第1の画像(53a)のセンターを第1の画像の鳳凰の胸部中心(54)とし、図20に示すように、第2の画像(57a)のセンターを第2の画像の鳳凰の胸部中心(58)とし、図21に示すように、第1の画像の鳳凰の胸部中心(54)と第2の画像の鳳凰の胸部中心(58)が同じ位置で重なるように形成した。
実施例4の立体画像形成体(51)を立体視して観察すると、立体画像を視認することができる。このとき、第1の画像(53a)及び第2の画像(57a)を連続的に階調を変更して形成しているため、立体視して視認される画像は、階調表現に富んだ立体画像として視認することができる。
実施例4では、第1の画像(53a)と第2の画像(57a)が階調表現に富んだ立体画像として視認されるものであるが、例えば、風景のように撮影した画像全体を立体視の対象とすることも可能である。この場合、トリミングすることなく撮影した写真をそのまま階調圧縮して第1の画像とし、第1の画像と撮影角度の異なる写真をそのまま第2の画像とし、実施例4と同様に第1の画像と第2の画像を形成すればよい。
(実施例5)
実施例5は、第1の背景の面積率が第1の画像の面積率よりも高く、第2の背景の面積率が第2の画像の面積率よりも高く形成した立体画像形成体(61)である。この立体画像形成体について図22〜図24を用いて説明する。図22は、実施例5の立体画像形成体(61)の第1の印刷層(63)を示す図である。図23は、実施例5の立体画像形成体(61)の第2の印刷層(67)を示す図である。図24は、実施例5の立体画像形成体(61)を示す図である。
実施例5の立体画像形成体(61)は、基材(62)に第1の画像(63a)及び第1の背景(63b)から成る第1の印刷層(63)が形成され、その上に第2の画像(67a)及び第2の背景(67b)から成る第2の印刷層(67)が形成されている。
図22に示す第1の画像(63a)及び第1の背景(63b)は、基材(62)に、紫外線硬化型の光輝性インキ(T&K TOKA製 UV No.3 シルバー)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線で、第1の画像(63a)を面積率50%、第1の背景(63b)を面積率80%で形成されてなる。なお、基材(62)には、オフセット印刷用コート紙を用いた。
図23に示す、第2の画像(67a)及び第2の背景(67b)は、基材(62)に形成された第1の印刷層(63)の上に、酸化重合型の透明インキ(DIC製 New Champion マット OPニス)を用いて、ウェットオフセット印刷方式により、スクリーン線数220線で、第2の画像(67a)を面積率10%、第2の背景(67b)を面積率100%で形成されて成る。また、第2の画像(67a)は第1の画像(63a)と同一の図柄とし、第1の画像(63a)の中心を基準として左側に約3mmずらして形成した。
このようにして作製された立体画像形成体(61)は、図24に示すように、図22に示す第1の印刷層(63)の上に図23に示す第2の印刷層(67)が形成された状態となる。
立体画像形成体(61)を拡散反射光で観察すると、光輝性インキの粗密によって形成された第1の画像(63a)と第1の背景(63b)が視認され、面積率の低い第1の画像(63a)が明るく視認される。また、立体画像形成体(61)を正反射光で観察すると、光輝性インキで形成された第1の画像(63a)と第1の背景(63b)は反射光量が共に大きくなり視認できなくなる。一方、透明インキを面積率100%で形成された第2の背景(67b)は、透明インキの凹凸によって反射光が拡散される。また、透明インキを面積率10%で形成された第2の画像(67a)は、第2の背景(67b)に比べて反射光の拡散の程度が低いため、第2の印刷層(67)の下部に形成された第1の印刷層(63)の反射光量が大きいまま観察されて明るい星型の画像として視認される。
そして、前述の立体視の観察条件と同様に、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認するとき、実施例3の形態と比べて第1の画像及び第2の画像の階調が逆となった、明るい星の図柄を立体視することができる。
また、実施例5では透明インキで形成する第2の画像(67a)の面積率を10%で形成しているが、第2の画像(67a)を印刷して形成しなくても、実施例5と同様な効果を有する立体画像形成体を作製することができる。これは、透明インキで第2の背景を形成することによって、正反射光で観察するときに透明インキを形成しない部分とコントラストが生じて第2の画像が視認することができるからである。
本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体を示す。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の第1の画像を示す。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の第2の画像を示す。 本発明の立体画像形成体の代表的な観察角度を示す。 本発明の立体画像形成体を観察するときの方向を示す。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の、拡散反射光を観察した場合に視認される画像を示す。 本発明の一つの実施の形態における立体画像形成体の、正反射光を観察した場合に視認される画像を示す。 拡散反射光が観察される場合の色差ΔEを示す。 正反射光が観察される場合の色差ΔEを示す。 立体視が行われる観察条件を示す。 図10の観察条件で視認される立体画像を示す。 図10とは別の立体視が行われる観察条件を示す。 図12の観察条件で視認される立体画像を示す。 本発明の実施例1における立体画像形成体を示す。 本発明の実施例2における立体画像形成体を示す。 本発明の実施例3における立体画像形成体を示す。 実施例3における立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景を示す。 実施例3における立体画像形成体の第2の画像の画像領域を示す。 本発明の実施例4における立体画像形成体を示す。 実施例4における立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景を示す。 実施例4における立体画像形成体の第2の画像を示す。 実施例5における立体画像形成体の第1の画像及び第1の背景を示す。 実施例5における立体画像形成体の第2の画像及び第2の背景を示す。 本発明の実施例5における立体画像形成体を示す。
符号の説明
1 立体画像形成体
2 基材
3 第1の印刷層
3a 第1の画像
3b 第1の背景
4 第1の画像の中心
6A 立体画像
6B 立体画像
7 第2の印刷層
7a 第2の画像
8 第2の画像の中心
9 照明光源
10 視点
11 観察点
12 観察点
13 観察点
14 観察点
15 観察点
21 立体画像形成体(実施例1)
22 基材
23 第1の印刷層
23a 第1の画像
23b 第1の背景
27 第2の印刷層
27a 第2の画像
31 立体画像形成体(実施例2)
32 基材
37 第2の印刷層
37a 第2の画像
37b 第2の背景
41 立体画像形成体(実施例3)
42 基材
43 第1の印刷層
43a、43b、43c 第1の画像
43d 第1の背景
47 第2の印刷層
47a、47b、47c 第2の画像
51 立体画像形成体(実施例4)
52 基材
53 第1の印刷層
53a 第1の画像
53b 第1の背景
54 第1の画像の中心
57 第2の印刷層
57a 第2の画像
58 第2の画像の中心
61 立体画像形成体(実施例5)
62 基材
63 第1の印刷層
63a 第1の画像
63b 第1の背景
67 第2の印刷層
67a 第2の画像
67b 第2の背景

Claims (17)

  1. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材で形成された第1の画像から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  2. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材で形成された第1の画像から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心に前記第2の画像の中心を合わせて形成又は前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  3. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  4. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材で形成された第2の画像から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心に前記第2の画像の中心を合わせて形成又は前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  5. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材により異なる面積率で形成された第2の画像及び第2の背景から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画像が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  6. 基材上に第1の印刷層及び第2の印刷層を有し、前記第1の印刷層は、前記基材と異なる色を有する光輝性材料を含む色材により、異なる面積率で形成された第1の画像及び第1の背景から成り、前記第2の印刷層は、透明な色材により異なる面積率で形成された第2の画像及び第2の背景から成り、前記第1の画像と前記第2の画像は、略同一の図柄で形成され、前記第2の印刷層は、前記第1の印刷層の少なくとも一部に積層されるように形成され、前記第1の画像の中心に前記第2の画像の中心を合わせて形成又は前記第1の画像の中心を基準として前記第2の画が1〜65mmの距離をずらして形成され、一方の目が正反射光を視認し、他方の目が拡散反射光を視認する観察条件で観察すると、前記第1の画像と前記第2の画像により立体画像が視認できることを特徴とする立体画像形成体。
  7. 前記第1の画像及び前記第1の背景は、25〜100%の範囲の面積率で形成され、前記第1の画像と前記第1の背景の面積率の差が15〜50%であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  8. 前記第2の画像は75〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の立体画像形成体。
  9. 前記第2の画像又は前記第2の背景のどちらか一方の面積率は、75〜100%の範囲で形成され、他方の面積率は1〜25%の範囲で形成され、前記第2の画像と前記第2の背景の面積率の差が75%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の立体画像形成体。
  10. 前記第1の画像及び/又は前記第2の画像は階調画像であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  11. 前記第1の画像が階調画像であり、前記第1の画像は、50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項10記載の立体画像形成体。
  12. 前記第1の背景は50〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項10又は11記載の立体画像形成体。
  13. 前記第2の画像が階調画像であり、前記第2の画像の面積率は、0〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  14. 前記第2の背景の面積率は、1〜100%の範囲の面積率で形成されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  15. 前記第1の画像及び前記第2の画像は、輪郭線、文字、数字、記号、図柄又は模様のうち少なくとも一つを含んで成ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  16. 前記光輝性材料は、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
  17. 前記透明な色材は、透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の立体画像形成体。
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