JP4411399B2 - 真偽判別形成体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重印刷物に適用する真偽判別形成体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
銀行券、通行券、パスポート、カード等の貴重印刷物は、その性質上、偽造、変造されにくいことが要求される。この防止策として、印刷物を傾けて観察することにより潜像画像を認識できるようにして真偽判別を行う技術は公知であり、凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するもの、ホログラム等が挙げられる。
【０００３】
基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するものとして、光を透過する被印刷体の表裏いずれか一方に万線、画素等によって各種模様を印刷し、他方には万線、画素等に潜像とすべき図柄を施した画線からなる各種模様を、互いに印刷位置が合うように印刷し、この印刷物を光で透かして見ると表裏の模様が合成され、潜像が連続階調の画像として出現することを特徴とする表裏模様合成印刷物が開示されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平５−１３９０２２号公報（第２頁、第１−３図）
【０００５】
更に、厚みのある透明性シートの表裏に、所定ピッチで並行した筋による縞柄を設けてなる装飾シートにおいて、表裏の縞柄の少なくとも一方の縞柄の筋は、夫々が色分けされており、表裏の少なくとも一方の縞柄は、筋のピッチをずらして、模様を形成する装飾シートが開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献２】
特許第２８０２４８４号公報（第１−３頁、第１−３図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は総じて、印刷物を傾けて観察することにより潜像画像を認識できるようにして真偽判別を行う技術は、凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するもの、ホログラム等であった。凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、ホログラムは高度な技術、設備等によりコストが高く、少量生産には不向きであった。特開平５−１３９０２２号公報は、透過光で観察すると潜像が出現するものであり、基材を傾けて潜像を出現させるものではなく、観察角度によって異なった潜像画像を出現させることはできなかった。同様に、特許第２８０２４８４号公報においても複数の潜像画像を形成することができなかった。
【０００８】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされることを見出した。よって、本発明は真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体を提案するものである。
【０００９】
また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされることを見出した。よって、本発明は真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体を提案するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体である。
【００１１】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり，前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００１２】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像をからなり，前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から異なる方向に傾けて透過光で観察した場合に、画素群からなる少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を傾けて透過光で回転させて観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１３】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から同一方向に徐々に傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像により形成された少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を同一方向に徐々に傾けて透過光で観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１４】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記光透過性を有する基材の一方の面に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に、前記一対の画素群により形成された少なくとも一つの潜像画像が立体的に視認される。
【００１５】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体である。
【００１６】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり，前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００１７】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から異なる方向に傾けて透過光で観察した場合に、画素群からなる少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を傾けて透過光で回転させて観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１８】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から同一方向に徐々に傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像により形成された少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を同一方向に徐々に傾けて透過光で観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１９】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり，前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記第１の基材に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００２０】
また，本発明は，前記潜像画像が色彩を有することを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２１】
また，本発明は，前記少なくとも一つの潜像画像又は前記少なくとも二つの潜像画像は潜像画像毎に色彩及び濃度の少なくとも一つが異なっていることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２２】
また，本発明は，前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に少なくとも一層の光透過性を有する基材を設けたこと特徴とする真偽判別形成体である。
【００２３】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、色彩を有していること特徴とする真偽判別形成体である。
【００２４】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、紫外線により発光する基材であることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２５】
また，本発明は，前記画素群を構成する画素及び前記潜像画像を構成する画素が、それぞれが等しいピッチで配置されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２６】
また，本発明は，前記画素の径が５０μｍ〜１０００μｍであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２７】
また、本発明は、前記画素の形状が円形状、多角形及び特殊形状の少なくとも１つであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２８】
また、本発明は、前記潜像画像が、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２９】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材が接着されて積層されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００３０】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材、前記中間層及び前記光透過性を有する第２の基材が接着されて積層されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００３１】
上記記載の光遮断層
また，上記記載の特定方向、特定距離についての説明図を図３６（ａ）に示す。ここで言う、特定方向とは画素（３ａ）に対して画素（３ｃ）が形成される方向のことである。特定距離とは画素（３ａ）に対して画素（３ｃ）が形成される距離のことである。
【００３２】
【発明の実施の形態】
本発明に係る真偽判別形成体の実施の形態を基づいて図面を参照して説明する。本発明の真偽判別形成体の特徴は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、透過光で特定の観察方向から潜像画像を観察可能とするものである。また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、透過光で特定の観察方向から潜像画像を観察可能とするものである。光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に中間層を設けても良い。本発明の光透過性画素とは、周辺領域が光遮断層によって形成されるもので白抜きの画素及び／又は半透明の画素、つまり、画素は非印刷領域及び／又は光を透過する薄い印刷領域となる。白抜きの画素及び半透明の画素は、その画素領域から光を透過することができる必要がある。光遮断層とは，光透過性画素の周辺領域が塗りつぶされた領域であり，ベタ印刷，金属蒸着等の光を遮断するものである。
【００３３】
図１に光透過性を有する基材の一方の面（１ａ）に周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した画像（２ａ）を示す図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す。周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の周辺部分は光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）にする必要がある。この場合、ベタ画像（Ｚ）は画素（３ａ）以外の領域の全体に印刷されているが画素（３ａ）の周辺領域だけでも良い。図２に光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）を示す図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す。周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）の周辺部分は光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）にしてもしなくてもどちらでも良い。図１に示した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した画像（２ａ）を基材の一方の面に施し、図２に示した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）を基材の他方の面に施し、真偽判別形成体（４ａ）を形成する。真偽判別形成体（４ａ）及びそのＸ−Ｘ’断面図を図３に示す。図４に示すように潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向（Ｖ）及び特定距離（Ｗ）だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。つまり、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、ずれを有している。この場合は、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して、一定方向（右部）に規則的に配置されているが、左部、上部又は下部等に規則的に配置されていれば良い。
【００３４】
図５は、真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を形成している面から反射光で観察した場合又は真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を形成している面から垂直方向から透過光で観察した場合の図を示す。図５に示すように、潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）の一方の面（１ａ）の領域は、画像（２ａ）を形成している周辺領域の光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）で表現（印刷）されているため、反射光又は垂直方向から透過光で観察することができない。また、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の他方の面（１ｃ）の領域は、潜像画像（２ｃ）を形成している周辺領域の光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）で表現（印刷）されているため、反射光又は垂直方向から透過光で観察することができない。よって、反射光で観察した場合又は基材に対して垂直方向から透過光では、観察者は、ベタ画像（Ｚ）だけを認識することになる。
【００３５】
図６は、真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を表現している面から、図４に示した透過光が観察できるＸ方向に傾けて透過光で観察した場合の図を示す。図６に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）をはっきりと視認することができる（この場合は数字の１である）。これは、基材（１ｃ）に設けた潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、基材（１ａ）に設けた画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に一定方向に規則的に配置されているため、図４に示すような透過光が観察できる方向から観察することによって、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が重なっているように視認される領域からは透過光量が強く、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が重なっていない領域からはほとんど透過光量が認識されないため、このコントラストの差によって、図６に示したように潜像画像（２ｃ）を視認することができる。
【００３６】
観察可能な方向については、図７に示すように潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）と、画像（２ａ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）との配置規則に依存する。つまり、図７のＸ−Ｘ’断面図に示すように、画像（２ａ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して、潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）がＹ１側に規則的に配置された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２側に規則的に配置された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要である。
【００３７】
次に、透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が見える真偽判別形成体（４ｂ）を図１０に示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示した画像を設けたものを用いる。透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図８（ａ）乃至図８（ｄ）に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図９に示すように光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を形成する必要があり、光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に設ける潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。つまり、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、ずれを有している。潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、図１０に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対してＹ１位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ１）された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ２）された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ３位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ３）された場合は、Ｘ３方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ４位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ４）された場合は、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察することが必要である。
【００３８】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成した潜像画像（２ｃ）を設けた真偽判別形成体（４ｂ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に真偽判別形成体（４ａ）と同様にベタ画像（Ｚ）として認識され、図１１（ａ）に示すように、図１０に示したＸ１方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ１に規則的に配置された潜像画像（２ｃ１）（この場合は２）が視認され、図１１（ｂ）に示すように、図１０に示したＸ２方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ２に規則的に配置された潜像画像（２ｃ２）（この場合は３）が視認され、図１１（ｃ）に示すように、図１０に示したＸ３方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ３に規則的に配置された潜像画像（２ｃ３）（この場合は４）が視認され、図１１（ｄ）に示すように、図１０に示したＸ４方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ４に規則的に配置された潜像画像（２ｃ４）（この場合は５）が視認される。つまり、透過光で異なる４方向から傾けて異なる４つの画像が視認できることとなる。
【００３９】
上記の真偽判別形成体（４ｂ）は、４つの画像を出現されているが、言うまでもなく、２つ、３つの画像を出現させることもできる。また、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像は、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して上下左右に規則的に配置されているが、斜め方向に規則的に配置させてもよく、この場合、上下左右に規則的に配置された白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、斜めに規則的に配置させて白抜きの画素及び／又は半透明の画素を組み合わせて８つの画像を出現させることも可能である。また、このような複数の潜像画像を用いて、動画的にそれぞれの潜像画像の一部を異ならせ、真偽判別形成体を作製することによって、透過光で傾けて真偽判別形成体を回転させて観察することによって潜像画像が動画像のように動いて観察することができる。また、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像は、すべて異なっている画像を用いているが、同一の画像を用いても、同一の画像と異なった画像を組み合わせても良い。
【００４０】
以上、真偽判別形成体（４ａ）、（４ｂ）をまとめると、光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素からなる潜像画像が、ｎ個の潜像画像を合成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素によって構成され、第１の潜像画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に白抜きの画素及び／又は半透明の画素からな画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置され、ｎ個の潜像画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に白抜きの画素及び／又は半透明の画素による画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、ｎ−１の潜像画像を設けた領域以外で、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。
【００４１】
次に、垂直方向から同一方向に連続的に傾けて、つまり、真偽判別形成体の傾け度合に伴って、透過光で観察した場合に画像が連続的に動いて視認できる場合又は異なった潜像画像が視認できる場合を示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示したものを用いる。垂直方向から同一方向に連続的に傾けて透過光で観察した場合に画像が連続的に動いて視認又は、異なった潜像画像が視認できるようにするために光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図１２に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を連続的に出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図１３に示すように光透過性を有する基材の他方の面に潜像画像（２ｃ）を形成する必要がある。
【００４２】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成する場合には、垂直方向から透過光で画像が視認されないようにするためには、図１４（ａ）に示すように光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して重ならないように配置させる。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１）の個々の画素の中心位置を基準とし、潜像画像（２ｃ１）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）を、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して形成する。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）に対して潜像画像（２ｃ２）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）を隣接させて形成する。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）に対して潜像画像（２ｃ３）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ３）を隣接させて形成する。次に白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ３）に対して潜像画像（２ｃ４）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ４）を隣接させて形成する。この場合の隣接とは、一部重なり合っても、多少離れていても、接しても良い。潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像を合成した光透過性を有する基材の他方の面に潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素は光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１）から白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ２）の間、つまり、図１４（ａ、ｂ）に示すように、領域（Ｓ）の間に形成する必要がある。このように形成した真偽判別形成体（４ｃ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に真偽判別形成体（４ａ）と同様にベタ画像（Ｚ）として認識される。
【００４３】
図１５に示すように、図１４に示したＹ方向からＹ’方向に連続的に傾けて透過光で観察する場合は潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の順に視認することができる。
【００４４】
このようなことなら、真偽判別形成体（４ｃ）は、光透過性を有する基材の他方の面に設ける潜像画像が、ｎ個の潜像画像の合成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素によって構成された潜像画像は、光透過性を有する基材の他方の面に設ける第１の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の周辺領域に規則性をもって配置され、光透過性を有する基材の他方の面に設けるｎ個の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、ｎ−１の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の位置と同一方向及び異なる距離だけ離れた位置に規則性をもってｎ個の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が順に配置される必要がある。
【００４５】
次に、光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に立体的な画像が視認できる場合を示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示したものを用いる。光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に立体的な像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の配置に規則性を持たせる必要がある。図１６に示すように、潜像画像を形成する一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）による潜像画像は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準として対称に配置され、且つ、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れて規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。さらに、一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）による潜像画像を配置する位置は、両眼視差を考慮した位置に配置する必要がある（図１７）。つまり、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、潜像画像を形成する一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）はパララックスバリアの関係にある必要がある。
【００４６】
このように画像（２ａ）及び潜像画像（２ｃ１、２ｃ２）を配置して作製した真偽判別形成体（４ｄ）は、図１７に示すように真偽判別形成体（４ｄ）に対して垂直方向から透過光で観察した場合に、観察者の左眼には、画像（２ａ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の右側に設けた、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）による潜像画像が視認され、観察者の右眼には、画像（２ａ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の左側に設けた、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）による潜像画像が視認されることによって、白抜きの画素及び／又は半透明の画素による潜像画像（２ｃ）が立体的に視認される。つまり、一対の潜像画像（２ｃ１、２ｃ２）は、画像（２ａ）をパララックスバリアとする位置に配置する必要がある。
【００４７】
次に、真偽判別形成体（４ｂ）とは異なる構成で、透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が見える真偽判別形成体（４ｅ）を図３３に示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示した画像を設けたものを用いる。透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と画像を形成する白抜きの画素及び半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図３１（ａ）乃至図３２（ｄ）に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図３２に示すように光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を形成する必要があり、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）は潜像画像毎に異なる色彩及び濃度の少なくとも一つで形成している必要がある。また、光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に設ける潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）内に内在又は一部内在して規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、図３３に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対してＹ１位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ１）された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ２）された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ３位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ３）された場合は、Ｘ３方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ４位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ４）された場合は、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察することが必要である。上記記載の内在又は一部内在についての説明図を図３６（ｂ）に示す。上記記載の内在とは、画素（３ａ）内に画素（３ｃ）が形成され、一部内在とは、画素（３ａ）内に画素（３ｃ）の一部が重なって形成されることをいう。
【００４８】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成した潜像画像（２ｃ）を設けた真偽判別形成体（４ｅ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に各潜像画像は視認しにくいが、図３４（ａ）に示すように、図３３に示したＸ１方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ１に規則的に配置された潜像画像（２ｃ１）（この場合は２）が視認され、図３４（ｂ）に示すように、図３３に示したＸ２方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ２に規則的に配置された潜像画像（２ｃ２）（この場合は３）が視認され、図３４（ｃ）に示すように、図３３に示したＸ３方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ３に規則的に配置された潜像画像（２ｃ３）（この場合は４）が視認され、図３４（ｄ）に示すように、図３３に示したＸ４方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ４に規則的に配置された潜像画像（２ｃ４）（この場合は５）が視認される。つまり、透過光で異なる４方向から傾けて異なる４つの画像が視認できることとなる。また、図３５のような構成でも本発明の効果を奏することができる。
【００４９】
本発明の白抜きの画素及び／又は半透明の画素は非印刷領域又は印刷によって形成され、大きさは５０〜１０００ミクロンが好ましい。白抜きの画素及び／又は半透明の画素の大きさは光透過性を有する基材の厚みと表現したい画像の解像度や数と関係がある。当然、特定の領域に高い解像度の画像を表現する場合にはできるだけ小さな径の白抜きの画素及び／又は半透明の画素が必要である。また、大きな径の白抜きの画素及び／又は半透明の画素を用いる場合は、表現できる画像が粗いものとなってしまう。印刷方式は特に限定されるものではない。
【００５０】
本発明の真偽判別形成体（４ｅ）は、画像を形成する画素に対して、潜像画像を形成する画素が内在又は一部内在する度合は、画像を形成する画素の直径の５０％程度が好ましい。
【００５１】
本発明に用いる光透過性を有する基材は、特に限定されることはなく、紙葉類、フィルム、プラスティック等を利用することができる。また、光透過性を有する基材の厚さについても特に限定されることはないが、０．１ｍｍから１．０ｍｍ程度が好ましい。
【００５２】
本発明の白抜きの画素及び／又は半透明の画素の形状は、特に限定されることはなく、円形、多角形及び特種形状の少なくとも一つで形成する必要がある。多角形又は特殊な形状の白抜きの画素及び／又は半透明の画素を用いることによって、複製されにくくなるため偽造防止効果が向上する。
【００５３】
本発明の光透過性を有する基材の他方の面に形成する潜像画像は文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つで構成することにより、透過光で傾けて観察した場合に真偽判別効果が向上する。
【００５４】
上記記載のベタ画像はベタ印刷によって形成されているが，金属箔，ホログラム等の光を遮断できるをものであれば良い。
【００５５】
本発明の潜像画像は、色彩を設けることができる。更に、少なくとも一つの潜像画像の各潜像画像又は少なくとも二つの潜像画像の各潜像画像が、各潜像画像毎に異なる色彩を有することによって、真偽判別が向上する。
【００５６】
白抜きの画素及び半透明の画素の一方又は両方により形成された画素群からなる画像及び白抜きの画素及び半透明の画素の一方又は両方により形成された画素群からなる潜像画像を構成する画素が、それぞれが等しいピッチで配置することによって、潜像画像が明瞭する。
【００５７】
本発明の画素の粗密、大きさ及び配置の少なくとも一つで潜像画像又は／及び画像を形成することによって潜像画像又は／及び画像に階調を付与することができる。
【００５８】
以上の構成中の光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する画像と光透過性を有する基材の他方の面に設ける白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する潜像画像の配置関係を概念的に簡単に整理すると、図１８に示す通りである。画素（３ｃ）は白抜きでも、光を透過する色彩を付与しても良い。
【００５９】
上記記載の真偽判別形成体（ａ）乃至（ｅ）は１枚の基材に形成されているが、本発明はこれに限定されることなく、次の構成によっても本発明の効果を奏することができる。図２８（ａ）乃至（ｃ）に示すように第１の基材と第２の基材を設ける２層構造にしても良い。図２８（ａ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２８（ｂ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２８（ｃ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。第１の基材と第２の基材は接着剤等で接着される。
【００６０】
また、図２９（ａ）乃至（ｄ）に示すように第１の基材、第２の基材、第３の基材を設ける３層以上の構造にしても良い。図２９（ａ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３層の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｂ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｃ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｄ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｂ）、（ｃ）は、第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設けているが、中間層となる第２の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設けても良い。また、図２９（ｃ）、（ｄ）は、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けているが、中間層となる第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けても良い。第１の基材、第２の基材と第３の基材は接着剤等で接着される。
【００６１】
また、図２８及び図２９に示した多層構造の積層体は、第１の基材、第２の基材と第３の基材を接着剤等で接着する必要があるが、図３０に示すように冊子中に第１の基材、第２の基材と第３の基材を設けても良い。
【００６２】
光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に少なくとも一つの光透過性を有する基材を設けても良く、光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、色彩を設けることや、紫外線により発光する基材にすることによって、偽造防止効果が向上する。また、光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材は接着剤で積層しても良く、光透過性を有する第１の基材、中間層及び光透過性を有する第２の基材が接着層によって積層しても良い。
【００６３】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【００６４】
（実施例１）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した（図１９（ａ）参照）。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって潜像図柄（Ｂ）を施した（図１９（ｂ）参照）。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成する白抜きの画素が、図柄（Ａ）の白抜きの画素の個々の画素の中心位置を基準として左側に規則的に配置し、真偽判別形成体（Ｃ１）を作成した（図２０参照）。この真偽判別形成体（Ｃ１）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、透過光で図２０の矢印に示す方向から観察した場合には、図２１に示すように、潜像画像（Ｂ）が視認することができた。
【００６５】
（実施例２）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって異なる４つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が形成されている潜像画像（Ｂ）を施した（図２２参照）。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ１）を形成する白抜きの画素が、図柄（Ａ）の白抜きの画素の個々の画素の中心位置を基準として右側（上側を０度とした場合、９０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が左側（上側を０度とした場合、２７０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が上側（上側を０度とした場合、０度）に規則的に配置して真偽判別形成体（Ｃ２）を作成した。この真偽判別形成体（Ｃ２）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、透過光で図２２に示すＸ１方向から観察した場合には、図２３（ａ）に示すように潜像画像（Ｂ１）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ２方向から観察した場合には、図２３（ｂ）に示すように潜像画像（Ｂ２）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ３方向から観察した場合には、図２３（ｃ）に示すように潜像画像（Ｂ３）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ４方向から観察した場合には、図２３（ｄ）に示すように潜像画像（Ｂ４）が視認できた。
【００６６】
（実施例３）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって異なる４つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が形成されている潜像画像（Ｂ）を施した。フィルムの両面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成する白抜きの画素（３ｃ）が、重ならないようにし、図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）に対して、潜像画像（Ｂ１）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ１）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置するようにして真偽判別形成体（Ｃ３）を作成した（図２４参照）。この真偽判別可能な積層物（Ｃ３）を反射光で観察した場合又は透過光で垂直方向から観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、図２５に示すようにＹ方向からＹ’方向に透過光で徐々に傾けて観察した場合に、図２６に示すように連続的な動画を構成する潜像画像（Ｂ１）、潜像画像（Ｂ２）、潜像画像（Ｂ３）潜像画像（Ｂ４）の順に出現し、視認することができた。図柄（Ａ）の白抜きの画素に対して、潜像画像（Ｂ１）から潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に連続的に配置しているが、図柄（Ａ）の白抜きの画素に対して、潜像画像（Ｂ１）から潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が３６０度どの位置であっても連続的に配置するようにすれば、本発明の効果を奏することができる。
【００６７】
（実施例４）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの一対の周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ１、３ｃ２）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって潜像画像（Ｂ）を施した。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）を形成する白抜きの画素（３ａ）と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成している一対の白抜きの画素（３ｃ１、３ｃ２）が、図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）の中心から左側および右側０．４ｍｍずらして規則的に配置し、真偽判別形成体（Ｃ４）を作成した（図２７）。この真偽判別形成体（Ｃ４）を反射光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で、約３００ｍｍ離れた距離から観察した場合には、左眼と右眼にそれぞれ白抜きの画素（３ｃ１）と白抜きの画素（３ｃ２）が見えることから、立体的な潜像画像（Ｂ）が視認することができた。
【００６８】
（実施例５）
厚さ０．２ｍｍの透明塩ビシートを２枚用意し、この透明塩ビシートの１枚の片面に、１．４mmの一定間隔で格子状に配置してある直径０．３ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）によって図柄（Ａ）をスクリーン印刷機によって施した。また、もう一枚の透明塩ビシートの片面に、一辺の長さ１．５ｍｍの正方形の対角線によって分割されてできる４つの三角形形状の画素上側（３ｃ１）、画素下側（３ｃ２）、画素左側（３ｃ３）、画素右側（３ｃ４）を１．７５ｍｍの一定間隔で格子状に、異なる２つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）が形成されている潜像図柄（Ｂ）をスクリーン印刷機で施した。潜像図柄（Ｂ１）は画素上側（３ｃ１）、画素下側（３ｃ２）で構成されており、画素上側（３ｃ１）は、潜像図柄（Ｂ１）のうち潜像パターンをイエロー色で、それ以外の部分をシアン色で塗られており、画素下側（３ｃ２）は、潜像図柄（Ｂ１）のうち潜像パターンをシアン色で、それ以外の部分をイエロー色で塗られている。潜像図柄（Ｂ２）は画素左側（３ｃ３）、画素右側（３ｃ４）で構成されており、画素左側（３ｃ３）は、潜像図柄（Ｂ２）のうち潜像パターンをイエロー色で、それ以外の部分をシアン色で塗られており、画素右側（３ｃ４）は、潜像図柄（Ｂ２）のうち潜像パターンをシアン色で、それ以外の部分をイエロー色で塗られている。図柄（Ａ）が施された透明塩ビシートと図柄（Ｂ）が施された透明塩ビシートを、中間層に厚さ０．２ｍｍの透明塩ビシート２枚を設けて、周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）の中心と４つの三角形形状の画素が共有する点が重なるようにラミネート密着し、真偽判別可能な印刷物（Ｃ５）を作製した（図３７を参照）。この真偽判別可能な印刷物（Ｃ５）を反射光又は鉛直方向からの透過光で観察した場合は図３８に示すように図柄（Ａ）のみ確認でき、透過光で図３７に示すＸ４方向から観察した場合には、図３９（ａ）に示すように潜像画像（Ｂ１）がイエロー色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ２方向から観察した場合には、図３９（ｂ）に示すように潜像画像（Ｂ１）がシアン色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ３方向から観察した場合には、図３９（ｃ）に示すように潜像画像（Ｂ２）がイエロー色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ１方向から観察した場合には、図３９（ｄ）に示すように潜像画像（Ｂ２）がシアン色で確認できた。
【００６９】
以上、本発明の実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が考えられる。
【００７０】
【発明の効果】
光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされるため、真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体と成り得、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造、複写、改竄を防止する必要性のある貴重印刷物に適用することができる。
【００７１】
また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされるため、真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体と成り得、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造、複写、改竄を防止する必要性のある貴重印刷物に適用することができる。
【００７２】
デザイン上、異なる複数の観察方向により潜像画像を出現させることが可能であり、真偽判別装置等を用いることなく誰でもその場で真偽判別することができる。また、本デバイスを偽造、改竄しようとした場合、光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の位置関係を忠実に再現する必要があり、微細な白抜きの画素及び／又は半透明の画素自体の再現のみならず、それらの配置までも再現することは非常に困難となる。
【００７３】
【図面の簡単な説明】
【図１】光透過性を有する基材の一方の面（１ａ）に画像（２ａ）を白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図２】光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図３】真偽判別形成体（４ａ）及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図４】潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）と、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の規則性を説明する図である。
【図５】真偽判別形成体（４ａ）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合を示す図である。
【図６】真偽判別形成体（４ａ）に対して図４に示したＸ方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【図７】観察可能な方向についての説明図である。
【図８】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図９】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図１０】真偽判別形成体（４ｂ）と観察可能な方向についての説明図である。
【図１１】真偽判別形成体（４ｂ）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けた場合の図である。
【図１２】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図１３】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図１４】潜像画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１乃至３ｃ４）と、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１乃至３ａ２）の規則性を説明する図である。
【図１５】真偽判別形成体（４ｃ）を図１４に示したＹ方向からＹ’方向に連続的に傾けて透過光で観察する場合を示す図である。
【図１６】潜像画像を表現している一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１乃至３ｃ２）と、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の規則性を説明する図である。
【図１７】真偽判別形成体（４ｄ）の立体像が視認される原理を示す図である。
【図１８】光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する画像と光透過性を有する基材の他方の面に設ける白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する潜像画像の配置関係を概念的に簡単に整理した図を示す。
【図１９】白抜きの画素により施した図柄（Ａ）及びフィルムに白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ）を示す図である。
【図２０】真偽判別形成体（Ｃ１）を示す図である。
【図２１】真偽判別形成体（Ｃ１）を透過光で図２０の矢印に示す方向から観察した図である。
【図２２】白抜きの画素により施した図柄（Ａ）及び白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が合成された潜像図柄（Ｂ）から成る真偽判別形成体（Ｃ２）を示す図である。
【図２３】真偽判別形成体（Ｃ２）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【図２４】白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が合成された潜像図柄（Ｂ）から成る真偽判別形成体（Ｃ３）を示す図である。
【図２５】真偽判別形成体（Ｃ３）を示す図である。
【図２６】Ｙ方向からＹ’方向に透過光で徐々に傾けて観察した場合を示す図である。
【図２７】真偽判別形成体（Ｃ４）を示す図である。
【図２８】真偽判別形成体を２層で作成した場合の図である。
【図２９】真偽判別形成体を３層で作成した場合の図である。
【図３０】真偽判別形成体を冊子内に設けた場合の図である。
【図３１】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図３２】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図３３】真偽判別形成体（４ｅ）と観察可能な方向についての説明図である。
【図３４】真偽判別形成体（４ｅ）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けた場合の図である。
【図３５】真偽判別形成体（４ｅ）の他の構成を示す図である。
【図３６】特定方向、特定距離、内在又は一部内在についての説明図である。
【図３７】真偽判別形成体（Ｃ５）を示す図である。
【図３８】真偽判別形成体（Ｃ５）を透過光で観察した場合を示す図である。
【図３９】真偽判別形成体（Ｃ５）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【符号の説明】
１ａ 光透過性を有する基材の一方の面
１ｃ 光透過性を有する基材の他方の面
２ａ 画像
２ｃ、２ｃ１、２ｃ２、２ｃ３、２ｃ４ 潜像画像
３ａ、３ａ１、３ａ２、３ｃ、３ｃ１、３ｃ２、３ｃ３、３ｃ４ 白抜きの画素及び／又は半透明の画素
４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ 真偽判別形成体
Ａ 図柄
Ｂ、Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４ 潜像図柄
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３、Ｃ４、Ｃ５ 真偽判別形成体
Ｖ 特定方向
Ｗ 特定距離
Ｚ ベタ画像
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造防止、改竄防止が必要とされる貴重印刷物に適用する真偽判別形成体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
銀行券、通行券、パスポート、カード等の貴重印刷物は、その性質上、偽造、変造されにくいことが要求される。この防止策として、印刷物を傾けて観察することにより潜像画像を認識できるようにして真偽判別を行う技術は公知であり、凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するもの、ホログラム等が挙げられる。
【０００３】
基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するものとして、光を透過する被印刷体の表裏いずれか一方に万線、画素等によって各種模様を印刷し、他方には万線、画素等に潜像とすべき図柄を施した画線からなる各種模様を、互いに印刷位置が合うように印刷し、この印刷物を光で透かして見ると表裏の模様が合成され、潜像が連続階調の画像として出現することを特徴とする表裏模様合成印刷物が開示されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平５−１３９０２２号公報（第２頁、第１−３図）
【０００５】
更に、厚みのある透明性シートの表裏に、所定ピッチで並行した筋による縞柄を設けてなる装飾シートにおいて、表裏の縞柄の少なくとも一方の縞柄の筋は、夫々が色分けされており、表裏の少なくとも一方の縞柄は、筋のピッチをずらして、模様を形成する装飾シートが開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献２】
特許第２８０２４８４号公報（第１−３頁、第１−３図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は総じて、印刷物を傾けて観察することにより潜像画像を認識できるようにして真偽判別を行う技術は、凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、基材の表裏に規則的な画線パターンを用いて潜像画像を表現するもの、ホログラム等であった。凹版印刷物の凸状画線を用いて潜像画像を表現するもの、ホログラムは高度な技術、設備等によりコストが高く、少量生産には不向きであった。特開平５−１３９０２２号公報は、透過光で観察すると潜像が出現するものであり、基材を傾けて潜像を出現させるものではなく、観察角度によって異なった潜像画像を出現させることはできなかった。同様に、特許第２８０２４８４号公報においても複数の潜像画像を形成することができなかった。
【０００８】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされることを見出した。よって、本発明は真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体を提案するものである。
【０００９】
また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされることを見出した。よって、本発明は真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体を提案するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体である。
【００１１】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり，前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００１２】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像をからなり，前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から異なる方向に傾けて透過光で観察した場合に、画素群からなる少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を傾けて透過光で回転させて観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１３】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から同一方向に徐々に傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像により形成された少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を同一方向に徐々に傾けて透過光で観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１４】
また，本発明は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記光透過性を有する基材の一方の面に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に、前記一対の画素群により形成された少なくとも一つの潜像画像が立体的に視認される。
【００１５】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体である。
【００１６】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり，前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００１７】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から異なる方向に傾けて透過光で観察した場合に、画素群からなる少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を傾けて透過光で回転させて観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１８】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体を基材に対して垂直方向から同一方向に徐々に傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像により形成された少なくとも二つの潜像画像が視認される。デザインの仕方によっては、真偽判別形成体を同一方向に徐々に傾けて透過光で観察することによって潜像画像が動画像として視認される。
【００１９】
また，本発明は，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり，前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記第１の基材に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体である。この真偽判別形成体に対して垂直方向から傾けて透過光で観察した場合に、前記画素群からなる潜像画像が視認される。
【００２０】
また，本発明は，前記潜像画像が色彩を有することを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２１】
また，本発明は，前記少なくとも一つの潜像画像又は前記少なくとも二つの潜像画像は潜像画像毎に色彩及び濃度の少なくとも一つが異なっていることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２２】
また，本発明は，前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に少なくとも一層の光透過性を有する基材を設けたこと特徴とする真偽判別形成体である。
【００２３】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、色彩を有していること特徴とする真偽判別形成体である。
【００２４】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、紫外線により発光する基材であることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２５】
また，本発明は，前記画素群を構成する画素及び前記潜像画像を構成する画素が、それぞれが等しいピッチで配置されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２６】
また，本発明は，前記画素の径が５０μｍ〜１０００μｍであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２７】
また、本発明は、前記画素の形状が円形状、多角形及び特殊形状の少なくとも１つであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２８】
また、本発明は、前記潜像画像が、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つであることを特徴とする真偽判別形成体である。
【００２９】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材が接着されて積層されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００３０】
また、本発明は、前記光透過性を有する第１の基材、前記中間層及び前記光透過性を有する第２の基材が接着されて積層されたことを特徴とする真偽判別形成体である。
【００３１】
上記記載の光遮断層
また，上記記載の特定方向、特定距離についての説明図を図３６（ａ）に示す。ここで言う、特定方向とは画素（３ａ）に対して画素（３ｃ）が形成される方向のことである。特定距離とは画素（３ａ）に対して画素（３ｃ）が形成される距離のことである。
【００３２】
【発明の実施の形態】
本発明に係る真偽判別形成体の実施の形態を基づいて図面を参照して説明する。本発明の真偽判別形成体の特徴は，光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、透過光で特定の観察方向から潜像画像を観察可能とするものである。また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、透過光で特定の観察方向から潜像画像を観察可能とするものである。光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に中間層を設けても良い。本発明の光透過性画素とは、周辺領域が光遮断層によって形成されるもので白抜きの画素及び／又は半透明の画素、つまり、画素は非印刷領域及び／又は光を透過する薄い印刷領域となる。白抜きの画素及び半透明の画素は、その画素領域から光を透過することができる必要がある。光遮断層とは，光透過性画素の周辺領域が塗りつぶされた領域であり，ベタ印刷，金属蒸着等の光を遮断するものである。
【００３３】
図１に光透過性を有する基材の一方の面（１ａ）に周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した画像（２ａ）を示す図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す。周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の周辺部分は光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）にする必要がある。この場合、ベタ画像（Ｚ）は画素（３ａ）以外の領域の全体に印刷されているが画素（３ａ）の周辺領域だけでも良い。図２に光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）を示す図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す。周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）の周辺部分は光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）にしてもしなくてもどちらでも良い。図１に示した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した画像（２ａ）を基材の一方の面に施し、図２に示した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）を基材の他方の面に施し、真偽判別形成体（４ａ）を形成する。真偽判別形成体（４ａ）及びそのＸ−Ｘ’断面図を図３に示す。図４に示すように潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向（Ｖ）及び特定距離（Ｗ）だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。つまり、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、ずれを有している。この場合は、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して、一定方向（右部）に規則的に配置されているが、左部、上部又は下部等に規則的に配置されていれば良い。
【００３４】
図５は、真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を形成している面から反射光で観察した場合又は真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を形成している面から垂直方向から透過光で観察した場合の図を示す。図５に示すように、潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）の一方の面（１ａ）の領域は、画像（２ａ）を形成している周辺領域の光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）で表現（印刷）されているため、反射光又は垂直方向から透過光で観察することができない。また、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の他方の面（１ｃ）の領域は、潜像画像（２ｃ）を形成している周辺領域の光を透過しにくいベタ画像（Ｚ）で表現（印刷）されているため、反射光又は垂直方向から透過光で観察することができない。よって、反射光で観察した場合又は基材に対して垂直方向から透過光では、観察者は、ベタ画像（Ｚ）だけを認識することになる。
【００３５】
図６は、真偽判別形成体（４ａ）を画像（２ａ）を表現している面から、図４に示した透過光が観察できるＸ方向に傾けて透過光で観察した場合の図を示す。図６に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した潜像画像（２ｃ）をはっきりと視認することができる（この場合は数字の１である）。これは、基材（１ｃ）に設けた潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、基材（１ａ）に設けた画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に一定方向に規則的に配置されているため、図４に示すような透過光が観察できる方向から観察することによって、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が重なっているように視認される領域からは透過光量が強く、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が重なっていない領域からはほとんど透過光量が認識されないため、このコントラストの差によって、図６に示したように潜像画像（２ｃ）を視認することができる。
【００３６】
観察可能な方向については、図７に示すように潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）と、画像（２ａ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）との配置規則に依存する。つまり、図７のＸ−Ｘ’断面図に示すように、画像（２ａ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して、潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）がＹ１側に規則的に配置された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２側に規則的に配置された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要である。
【００３７】
次に、透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が見える真偽判別形成体（４ｂ）を図１０に示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示した画像を設けたものを用いる。透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図８（ａ）乃至図８（ｄ）に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図９に示すように光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を形成する必要があり、光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に設ける潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。つまり、潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準とし、ずれを有している。潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、図１０に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対してＹ１位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ１）された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ２）された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ３位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ３）された場合は、Ｘ３方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ４位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ４）された場合は、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察することが必要である。
【００３８】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成した潜像画像（２ｃ）を設けた真偽判別形成体（４ｂ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に真偽判別形成体（４ａ）と同様にベタ画像（Ｚ）として認識され、図１１（ａ）に示すように、図１０に示したＸ１方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ１に規則的に配置された潜像画像（２ｃ１）（この場合は２）が視認され、図１１（ｂ）に示すように、図１０に示したＸ２方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ２に規則的に配置された潜像画像（２ｃ２）（この場合は３）が視認され、図１１（ｃ）に示すように、図１０に示したＸ３方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ３に規則的に配置された潜像画像（２ｃ３）（この場合は４）が視認され、図１１（ｄ）に示すように、図１０に示したＸ４方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ４に規則的に配置された潜像画像（２ｃ４）（この場合は５）が視認される。つまり、透過光で異なる４方向から傾けて異なる４つの画像が視認できることとなる。
【００３９】
上記の真偽判別形成体（４ｂ）は、４つの画像を出現されているが、言うまでもなく、２つ、３つの画像を出現させることもできる。また、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像は、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対して上下左右に規則的に配置されているが、斜め方向に規則的に配置させてもよく、この場合、上下左右に規則的に配置された白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、斜めに規則的に配置させて白抜きの画素及び／又は半透明の画素を組み合わせて８つの画像を出現させることも可能である。また、このような複数の潜像画像を用いて、動画的にそれぞれの潜像画像の一部を異ならせ、真偽判別形成体を作製することによって、透過光で傾けて真偽判別形成体を回転させて観察することによって潜像画像が動画像のように動いて観察することができる。また、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像は、すべて異なっている画像を用いているが、同一の画像を用いても、同一の画像と異なった画像を組み合わせても良い。
【００４０】
以上、真偽判別形成体（４ａ）、（４ｂ）をまとめると、光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素からなる潜像画像が、ｎ個の潜像画像を合成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素によって構成され、第１の潜像画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に白抜きの画素及び／又は半透明の画素からな画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置され、ｎ個の潜像画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に白抜きの画素及び／又は半透明の画素による画像を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、ｎ−１の潜像画像を設けた領域以外で、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素の個々の画素の中心位置を基準とし、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。
【００４１】
次に、垂直方向から同一方向に連続的に傾けて、つまり、真偽判別形成体の傾け度合に伴って、透過光で観察した場合に画像が連続的に動いて視認できる場合又は異なった潜像画像が視認できる場合を示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示したものを用いる。垂直方向から同一方向に連続的に傾けて透過光で観察した場合に画像が連続的に動いて視認又は、異なった潜像画像が視認できるようにするために光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図１２に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を連続的に出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図１３に示すように光透過性を有する基材の他方の面に潜像画像（２ｃ）を形成する必要がある。
【００４２】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成する場合には、垂直方向から透過光で画像が視認されないようにするためには、図１４（ａ）に示すように光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して重ならないように配置させる。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１）の個々の画素の中心位置を基準とし、潜像画像（２ｃ１）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）を、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れた基準の周辺位置に規則的に配置して形成する。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）に対して潜像画像（２ｃ２）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）を隣接させて形成する。次に、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）に対して潜像画像（２ｃ３）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ３）を隣接させて形成する。次に白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ３）に対して潜像画像（２ｃ４）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ４）を隣接させて形成する。この場合の隣接とは、一部重なり合っても、多少離れていても、接しても良い。潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの画像を合成した光透過性を有する基材の他方の面に潜像画像（２ｃ）を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素は光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１）から白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ２）の間、つまり、図１４（ａ、ｂ）に示すように、領域（Ｓ）の間に形成する必要がある。このように形成した真偽判別形成体（４ｃ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に真偽判別形成体（４ａ）と同様にベタ画像（Ｚ）として認識される。
【００４３】
図１５に示すように、図１４に示したＹ方向からＹ’方向に連続的に傾けて透過光で観察する場合は潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の順に視認することができる。
【００４４】
このようなことなら、真偽判別形成体（４ｃ）は、光透過性を有する基材の他方の面に設ける潜像画像が、ｎ個の潜像画像の合成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素によって構成された潜像画像は、光透過性を有する基材の他方の面に設ける第１の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の周辺領域に規則性をもって配置され、光透過性を有する基材の他方の面に設けるｎ個の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が、光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素に対して、ｎ−１の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の位置と同一方向及び異なる距離だけ離れた位置に規則性をもってｎ個の潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素が順に配置される必要がある。
【００４５】
次に、光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に立体的な画像が視認できる場合を示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示したものを用いる。光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で観察した場合に立体的な像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の配置に規則性を持たせる必要がある。図１６に示すように、潜像画像を形成する一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）による潜像画像は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の個々の画素の中心位置を基準として対称に配置され、且つ、その基準から特定方向及び特定距離だけ離れて規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。さらに、一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）による潜像画像を配置する位置は、両眼視差を考慮した位置に配置する必要がある（図１７）。つまり、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）と、潜像画像を形成する一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１、３ｃ２）はパララックスバリアの関係にある必要がある。
【００４６】
このように画像（２ａ）及び潜像画像（２ｃ１、２ｃ２）を配置して作製した真偽判別形成体（４ｄ）は、図１７に示すように真偽判別形成体（４ｄ）に対して垂直方向から透過光で観察した場合に、観察者の左眼には、画像（２ａ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の右側に設けた、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１）による潜像画像が視認され、観察者の右眼には、画像（２ａ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の左側に設けた、白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ２）による潜像画像が視認されることによって、白抜きの画素及び／又は半透明の画素による潜像画像（２ｃ）が立体的に視認される。つまり、一対の潜像画像（２ｃ１、２ｃ２）は、画像（２ａ）をパララックスバリアとする位置に配置する必要がある。
【００４７】
次に、真偽判別形成体（４ｂ）とは異なる構成で、透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が見える真偽判別形成体（４ｅ）を図３３に示す。光透過性を有する基材の一方の面には図１に示した画像を設けたものを用いる。透過光で異なる４方向から、それぞれ異なる潜像画像が視認できるようにするためには、潜像画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と画像を形成する白抜きの画素及び半透明の画素に規則性を持たせる必要がある。例えば、図３１（ａ）乃至図３２（ｄ）に示すように潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を出現させたい場合に、これらの４つの画像を合成して、図３２に示すように光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を形成する必要があり、潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）は潜像画像毎に異なる色彩及び濃度の少なくとも一つで形成している必要がある。また、光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に設ける潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）は、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）内に内在又は一部内在して規則的に配置して潜像画像を形成する必要がある。潜像画像（２ｃ）を形成した白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）が、図３３に示すように白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）に対してＹ１位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ１）された場合は、Ｘ１方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ２位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ２）された場合は、Ｘ２方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ３位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ３）された場合は、Ｘ３方向に傾けて透過光で観察することが必要であり、Ｙ４位置に規則的に配置（この場合、潜像画像２ｃ４）された場合は、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察することが必要である。上記記載の内在又は一部内在についての説明図を図３６（ｂ）に示す。上記記載の内在とは、画素（３ａ）内に画素（３ｃ）が形成され、一部内在とは、画素（３ａ）内に画素（３ｃ）の一部が重なって形成されることをいう。
【００４８】
潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）を合成した潜像画像（２ｃ）を設けた真偽判別形成体（４ｅ）は、反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合に各潜像画像は視認しにくいが、図３４（ａ）に示すように、図３３に示したＸ１方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ１に規則的に配置された潜像画像（２ｃ１）（この場合は２）が視認され、図３４（ｂ）に示すように、図３３に示したＸ２方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ２に規則的に配置された潜像画像（２ｃ２）（この場合は３）が視認され、図３４（ｃ）に示すように、図３３に示したＸ３方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ３に規則的に配置された潜像画像（２ｃ３）（この場合は４）が視認され、図３４（ｄ）に示すように、図３３に示したＸ４方向に傾けて透過光で観察する場合はＹ４に規則的に配置された潜像画像（２ｃ４）（この場合は５）が視認される。つまり、透過光で異なる４方向から傾けて異なる４つの画像が視認できることとなる。また、図３５のような構成でも本発明の効果を奏することができる。
【００４９】
本発明の白抜きの画素及び／又は半透明の画素は非印刷領域又は印刷によって形成され、大きさは５０〜１０００ミクロンが好ましい。白抜きの画素及び／又は半透明の画素の大きさは光透過性を有する基材の厚みと表現したい画像の解像度や数と関係がある。当然、特定の領域に高い解像度の画像を表現する場合にはできるだけ小さな径の白抜きの画素及び／又は半透明の画素が必要である。また、大きな径の白抜きの画素及び／又は半透明の画素を用いる場合は、表現できる画像が粗いものとなってしまう。印刷方式は特に限定されるものではない。
【００５０】
本発明の真偽判別形成体（４ｅ）は、画像を形成する画素に対して、潜像画像を形成する画素が内在又は一部内在する度合は、画像を形成する画素の直径の５０％程度が好ましい。
【００５１】
本発明に用いる光透過性を有する基材は、特に限定されることはなく、紙葉類、フィルム、プラスティック等を利用することができる。また、光透過性を有する基材の厚さについても特に限定されることはないが、０．１ｍｍから１．０ｍｍ程度が好ましい。
【００５２】
本発明の白抜きの画素及び／又は半透明の画素の形状は、特に限定されることはなく、円形、多角形及び特種形状の少なくとも一つで形成する必要がある。多角形又は特殊な形状の白抜きの画素及び／又は半透明の画素を用いることによって、複製されにくくなるため偽造防止効果が向上する。
【００５３】
本発明の光透過性を有する基材の他方の面に形成する潜像画像は文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つで構成することにより、透過光で傾けて観察した場合に真偽判別効果が向上する。
【００５４】
上記記載のベタ画像はベタ印刷によって形成されているが，金属箔，ホログラム等の光を遮断できるをものであれば良い。
【００５５】
本発明の潜像画像は、色彩を設けることができる。更に、少なくとも一つの潜像画像の各潜像画像又は少なくとも二つの潜像画像の各潜像画像が、各潜像画像毎に異なる色彩を有することによって、真偽判別が向上する。
【００５６】
白抜きの画素及び半透明の画素の一方又は両方により形成された画素群からなる画像及び白抜きの画素及び半透明の画素の一方又は両方により形成された画素群からなる潜像画像を構成する画素が、それぞれが等しいピッチで配置することによって、潜像画像が明瞭する。
【００５７】
本発明の画素の粗密、大きさ及び配置の少なくとも一つで潜像画像又は／及び画像を形成することによって潜像画像又は／及び画像に階調を付与することができる。
【００５８】
以上の構成中の光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する画像と光透過性を有する基材の他方の面に設ける白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する潜像画像の配置関係を概念的に簡単に整理すると、図１８に示す通りである。画素（３ｃ）は白抜きでも、光を透過する色彩を付与しても良い。
【００５９】
上記記載の真偽判別形成体（ａ）乃至（ｅ）は１枚の基材に形成されているが、本発明はこれに限定されることなく、次の構成によっても本発明の効果を奏することができる。図２８（ａ）乃至（ｃ）に示すように第１の基材と第２の基材を設ける２層構造にしても良い。図２８（ａ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２８（ｂ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２８（ｃ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、第２の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。第１の基材と第２の基材は接着剤等で接着される。
【００６０】
また、図２９（ａ）乃至（ｄ）に示すように第１の基材、第２の基材、第３の基材を設ける３層以上の構造にしても良い。図２９（ａ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３層の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｂ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｃ）は第１の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｄ）は第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設け、中間層に第２の基材を設け、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けた構成である。図２９（ｂ）、（ｃ）は、第１の基材の裏面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設けているが、中間層となる第２の基材の表面に画像（２ａ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）を設けても良い。また、図２９（ｃ）、（ｄ）は、第３の基材の表面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けているが、中間層となる第２の基材の裏面に潜像画像（２ｃ）を構成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）を設けても良い。第１の基材、第２の基材と第３の基材は接着剤等で接着される。
【００６１】
また、図２８及び図２９に示した多層構造の積層体は、第１の基材、第２の基材と第３の基材を接着剤等で接着する必要があるが、図３０に示すように冊子中に第１の基材、第２の基材と第３の基材を設けても良い。
【００６２】
光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に少なくとも一つの光透過性を有する基材を設けても良く、光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材の間に設ける少なくとも一つの光透過性を有する基材が、色彩を設けることや、紫外線により発光する基材にすることによって、偽造防止効果が向上する。また、光透過性を有する第１の基材と光透過性を有する第２の基材は接着剤で積層しても良く、光透過性を有する第１の基材、中間層及び光透過性を有する第２の基材が接着層によって積層しても良い。
【００６３】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【００６４】
（実施例１）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した（図１９（ａ）参照）。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって潜像図柄（Ｂ）を施した（図１９（ｂ）参照）。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成する白抜きの画素が、図柄（Ａ）の白抜きの画素の個々の画素の中心位置を基準として左側に規則的に配置し、真偽判別形成体（Ｃ１）を作成した（図２０参照）。この真偽判別形成体（Ｃ１）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、透過光で図２０の矢印に示す方向から観察した場合には、図２１に示すように、潜像画像（Ｂ）が視認することができた。
【００６５】
（実施例２）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって異なる４つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が形成されている潜像画像（Ｂ）を施した（図２２参照）。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ１）を形成する白抜きの画素が、図柄（Ａ）の白抜きの画素の個々の画素の中心位置を基準として右側（上側を０度とした場合、９０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が左側（上側を０度とした場合、２７０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が上側（上側を０度とした場合、０度）に規則的に配置して真偽判別形成体（Ｃ２）を作成した。この真偽判別形成体（Ｃ２）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、透過光で図２２に示すＸ１方向から観察した場合には、図２３（ａ）に示すように潜像画像（Ｂ１）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ２方向から観察した場合には、図２３（ｂ）に示すように潜像画像（Ｂ２）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ３方向から観察した場合には、図２３（ｃ）に示すように潜像画像（Ｂ３）が視認でき、透過光で図２２に示すＸ４方向から観察した場合には、図２３（ｄ）に示すように潜像画像（Ｂ４）が視認できた。
【００６６】
（実施例３）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって異なる４つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が形成されている潜像画像（Ｂ）を施した。フィルムの両面に施した図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成する白抜きの画素（３ｃ）が、重ならないようにし、図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）に対して、潜像画像（Ｂ１）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ１）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ２）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置し、潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が、潜像画像（Ｂ３）を形成している白抜きの画素が下側に規則的に配置するようにして真偽判別形成体（Ｃ３）を作成した（図２４参照）。この真偽判別可能な積層物（Ｃ３）を反射光で観察した場合又は透過光で垂直方向から観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、図２５に示すようにＹ方向からＹ’方向に透過光で徐々に傾けて観察した場合に、図２６に示すように連続的な動画を構成する潜像画像（Ｂ１）、潜像画像（Ｂ２）、潜像画像（Ｂ３）潜像画像（Ｂ４）の順に出現し、視認することができた。図柄（Ａ）の白抜きの画素に対して、潜像画像（Ｂ１）から潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が下側（上側を０度とした場合、１８０度）に連続的に配置しているが、図柄（Ａ）の白抜きの画素に対して、潜像画像（Ｂ１）から潜像画像（Ｂ４）を形成している白抜きの画素が３６０度どの位置であっても連続的に配置するようにすれば、本発明の効果を奏することができる。
【００６７】
（実施例４）
厚さ約０．１５ｍｍのフィルムを１枚用意し、このフィルムの表面に、直径０．１ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）を０．８ｍｍの一定間隔で格子状にスクリーン印刷機によって図柄（Ａ）を施した。また、このフィルムの裏面に、直径０．１ｍｍの一対の周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ｃ１、３ｃ２）を０．８ｍｍの一定間隔で、スクリーン印刷機よって潜像画像（Ｂ）を施した。このとき、フィルムの表面に施した図柄（Ａ）を形成する白抜きの画素（３ａ）と、フィルムの裏面に施したの潜像図柄（Ｂ）を形成している一対の白抜きの画素（３ｃ１、３ｃ２）が、図柄（Ａ）の白抜きの画素（３ａ）の中心から左側および右側０．４ｍｍずらして規則的に配置し、真偽判別形成体（Ｃ４）を作成した（図２７）。この真偽判別形成体（Ｃ４）を反射光で観察した場合には、ベタ画像（Ｚ）のみが視認され、光透過性を有する基材に対して垂直方向から透過光で、約３００ｍｍ離れた距離から観察した場合には、左眼と右眼にそれぞれ白抜きの画素（３ｃ１）と白抜きの画素（３ｃ２）が見えることから、立体的な潜像画像（Ｂ）が視認することができた。
【００６８】
（実施例５）
厚さ０．２ｍｍの透明塩ビシートを２枚用意し、この透明塩ビシートの１枚の片面に、１．４mmの一定間隔で格子状に配置してある直径０．３ｍｍの周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）によって図柄（Ａ）をスクリーン印刷機によって施した。また、もう一枚の透明塩ビシートの片面に、一辺の長さ１．５ｍｍの正方形の対角線によって分割されてできる４つの三角形形状の画素上側（３ｃ１）、画素下側（３ｃ２）、画素左側（３ｃ３）、画素右側（３ｃ４）を１．７５ｍｍの一定間隔で格子状に、異なる２つの潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）が形成されている潜像図柄（Ｂ）をスクリーン印刷機で施した。潜像図柄（Ｂ１）は画素上側（３ｃ１）、画素下側（３ｃ２）で構成されており、画素上側（３ｃ１）は、潜像図柄（Ｂ１）のうち潜像パターンをイエロー色で、それ以外の部分をシアン色で塗られており、画素下側（３ｃ２）は、潜像図柄（Ｂ１）のうち潜像パターンをシアン色で、それ以外の部分をイエロー色で塗られている。潜像図柄（Ｂ２）は画素左側（３ｃ３）、画素右側（３ｃ４）で構成されており、画素左側（３ｃ３）は、潜像図柄（Ｂ２）のうち潜像パターンをイエロー色で、それ以外の部分をシアン色で塗られており、画素右側（３ｃ４）は、潜像図柄（Ｂ２）のうち潜像パターンをシアン色で、それ以外の部分をイエロー色で塗られている。図柄（Ａ）が施された透明塩ビシートと図柄（Ｂ）が施された透明塩ビシートを、中間層に厚さ０．２ｍｍの透明塩ビシート２枚を設けて、周辺領域が塗りつぶされた白抜きの画素（３ａ）の中心と４つの三角形形状の画素が共有する点が重なるようにラミネート密着し、真偽判別可能な印刷物（Ｃ５）を作製した（図３７を参照）。この真偽判別可能な印刷物（Ｃ５）を反射光又は鉛直方向からの透過光で観察した場合は図３８に示すように図柄（Ａ）のみ確認でき、透過光で図３７に示すＸ４方向から観察した場合には、図３９（ａ）に示すように潜像画像（Ｂ１）がイエロー色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ２方向から観察した場合には、図３９（ｂ）に示すように潜像画像（Ｂ１）がシアン色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ３方向から観察した場合には、図３９（ｃ）に示すように潜像画像（Ｂ２）がイエロー色で確認でき、透過光で図３７に示すＸ１方向から観察した場合には、図３９（ｄ）に示すように潜像画像（Ｂ２）がシアン色で確認できた。
【００６９】
以上、本発明の実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が考えられる。
【００７０】
【発明の効果】
光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け，基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け，他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされるため、真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体と成り得、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造、複写、改竄を防止する必要性のある貴重印刷物に適用することができる。
【００７１】
また，光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け，第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け，第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、第１の基材と第２の基材は積層され、潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置配置されることによって、傾けて透過光で観察した場合に明瞭な潜像画像の出現、多方向から異なる潜像画像の出現、色彩を有する潜像画像の出現、立体的な潜像画像の出現がされるため、真偽判別効果の高い、改竄、複製防止効果のある真偽判別形成体と成り得、銀行券、通行券、パスポート、カード等の偽造、複写、改竄を防止する必要性のある貴重印刷物に適用することができる。
【００７２】
デザイン上、異なる複数の観察方向により潜像画像を出現させることが可能であり、真偽判別装置等を用いることなく誰でもその場で真偽判別することができる。また、本デバイスを偽造、改竄しようとした場合、光透過性を有する基材の一方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素と、光透過性を有する基材の他方の面に形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素の位置関係を忠実に再現する必要があり、微細な白抜きの画素及び／又は半透明の画素自体の再現のみならず、それらの配置までも再現することは非常に困難となる。
【００７３】
【図面の簡単な説明】
【図１】光透過性を有する基材の一方の面（１ａ）に画像（２ａ）を白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）により形成した図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図２】光透過性を有する基材の他方の面（１ｃ）に潜像画像（２ｃ）を白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）により形成した図及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図３】真偽判別形成体（４ａ）及びそのＸ−Ｘ’断面図を示す図である。
【図４】潜像画像（２ｃ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ）と、画像（２ａ）を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の規則性を説明する図である。
【図５】真偽判別形成体（４ａ）を反射光で観察した場合又は垂直方向から透過光で観察した場合を示す図である。
【図６】真偽判別形成体（４ａ）に対して図４に示したＸ方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【図７】観察可能な方向についての説明図である。
【図８】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図９】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図１０】真偽判別形成体（４ｂ）と観察可能な方向についての説明図である。
【図１１】真偽判別形成体（４ｂ）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けた場合の図である。
【図１２】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図１３】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図１４】潜像画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１乃至３ｃ４）と、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ１乃至３ａ２）の規則性を説明する図である。
【図１５】真偽判別形成体（４ｃ）を図１４に示したＹ方向からＹ’方向に連続的に傾けて透過光で観察する場合を示す図である。
【図１６】潜像画像を表現している一対の白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ｃ１乃至３ｃ２）と、画像を表現している白抜きの画素及び／又は半透明の画素（３ａ）の規則性を説明する図である。
【図１７】真偽判別形成体（４ｄ）の立体像が視認される原理を示す図である。
【図１８】光透過性を有する基材の一方の面に設ける画像を形成する白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する画像と光透過性を有する基材の他方の面に設ける白抜きの画素及び／又は半透明の画素で形成する潜像画像の配置関係を概念的に簡単に整理した図を示す。
【図１９】白抜きの画素により施した図柄（Ａ）及びフィルムに白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ）を示す図である。
【図２０】真偽判別形成体（Ｃ１）を示す図である。
【図２１】真偽判別形成体（Ｃ１）を透過光で図２０の矢印に示す方向から観察した図である。
【図２２】白抜きの画素により施した図柄（Ａ）及び白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が合成された潜像図柄（Ｂ）から成る真偽判別形成体（Ｃ２）を示す図である。
【図２３】真偽判別形成体（Ｃ２）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【図２４】白抜きの画素により施した潜像図柄（Ｂ１）、潜像図柄（Ｂ２）、潜像図柄（Ｂ３）、潜像図柄（Ｂ４）が合成された潜像図柄（Ｂ）から成る真偽判別形成体（Ｃ３）を示す図である。
【図２５】真偽判別形成体（Ｃ３）を示す図である。
【図２６】Ｙ方向からＹ’方向に透過光で徐々に傾けて観察した場合を示す図である。
【図２７】真偽判別形成体（Ｃ４）を示す図である。
【図２８】真偽判別形成体を２層で作成した場合の図である。
【図２９】真偽判別形成体を３層で作成した場合の図である。
【図３０】真偽判別形成体を冊子内に設けた場合の図である。
【図３１】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を示す図である。
【図３２】潜像画像（２ｃ１）、潜像画像（２ｃ２）、潜像画像（２ｃ３）、潜像画像（２ｃ４）の４つの潜像画像を合成して作成した潜像画像（２ｃ）を示す図である。
【図３３】真偽判別形成体（４ｅ）と観察可能な方向についての説明図である。
【図３４】真偽判別形成体（４ｅ）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けた場合の図である。
【図３５】真偽判別形成体（４ｅ）の他の構成を示す図である。
【図３６】特定方向、特定距離、内在又は一部内在についての説明図である。
【図３７】真偽判別形成体（Ｃ５）を示す図である。
【図３８】真偽判別形成体（Ｃ５）を透過光で観察した場合を示す図である。
【図３９】真偽判別形成体（Ｃ５）を透過光でＸ１方向、Ｘ２方向、Ｘ３方向、Ｘ４方向に傾けて透過光で観察した場合を示す図である。
【符号の説明】
１ａ 光透過性を有する基材の一方の面
１ｃ 光透過性を有する基材の他方の面
２ａ 画像
２ｃ、２ｃ１、２ｃ２、２ｃ３、２ｃ４ 潜像画像
３ａ、３ａ１、３ａ２、３ｃ、３ｃ１、３ｃ２、３ｃ３、３ｃ４ 白抜きの画素及び／又は半透明の画素
４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ 真偽判別形成体
Ａ 図柄
Ｂ、Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４ 潜像図柄
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３、Ｃ４、Ｃ５ 真偽判別形成体
Ｖ 特定方向
Ｗ 特定距離
Ｚ ベタ画像
Claims (13)
- 光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、
前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、
前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、 前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、
前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する基材の一方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の一方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する基材の他方の面に光遮蔽層を設け、前記基材の他方の面の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり、
前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記基材の一方の面に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記光透過性を有する基材の一方の面に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け、前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け、前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる潜像画像からなり、
前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、
前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け、前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け、前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、
前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、
前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記特定方向はそれぞれの潜像画像毎に異なる方向であることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け、前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け、前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群からなる少なくとも二つの潜像画像からなり、
前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、
前記少なくとも二つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記少なくとも二つの潜像画像のうち、第１の潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、
前記少なくとも二つの潜像画像のうち、前記第１の潜像画像以外の少なくとも一つの潜像画像を形成する前記光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、第１の潜像画像を形成する個々の画素位置と同一の特定方向及び異なる特定距離だけずれて配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 光透過性を有する第１の基材に光遮蔽層を設け、前記第１の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された画素群と、光透過性を有する第２の基材に光遮蔽層を設け、前記第２の基材の光遮蔽層内に光透過性画素により形成された一対の画素群からなる少なくとも一つの潜像画像からなり、
前記第１の基材と前記第２の基材は積層され、
前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素位置に対応して配置される真偽判別形成体であって、
前記少なくとも一つの潜像画像を形成する光透過性画素により形成された一対の画素群の一方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一対の画素群の他方の画素群の個々の画素位置は、前記第１の基材に光透過性画素により形成された画素群の個々の画素の中心位置を基準とし、前記基準から特定方向及び特定距離だけずれて配置され、且つ、前記一方の画素群とは異なる方向で特定方向に配置され、更に、前記一対の画素群は、前記第１の基材に形成された画素群をパララックスバリアとする位置に配置されていることを特徴とする真偽判別形成体。 - 前記潜像画像が色彩を有することを特徴とする請求項１、２、３、５、６、７又は８記載の真偽判別形成体。
- 前記少なくとも一つの潜像画像又は前記少なくとも二つの潜像画像は潜像画像毎に色彩及び濃度の少なくとも一つが異なっていることを特徴とする請求項２、３、４、６、７又は８記載の真偽判別形成体。
- 前記光透過性を有する第１の基材と前記光透過性を有する第２の基材の間に少なくとも一層の光透過性を有する基材を設けたこと特徴とする請求項５、６、７又は８記載の真偽判別形成体。
- 前記画素群を構成する画素及び前記潜像画像を構成する画素が、それぞれが等しいピッチで配置されたことを特徴とする請求項１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０又は１１記載の真偽判別形成体。
- 前記画素の径が５０μｍ〜１０００μｍであることを特徴とする請求項１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０、１１又は１２記載の真偽判別形成体。
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