JP2009190116A - 穴明け工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】切り屑排出溝のねじれ角を途中で変化させることで折損し難く且つ切り屑排出性も良好となり、小径ドリルであっても良好な穴加工が実現できる極めて実用性に秀れた穴明け工具の提供。
【解決手段】工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が一若しくは複数形成された穴明け工具であって、前記切り屑排出溝2に、第一のねじれ角αを有する第一のねじれ領域3と、この第一のねじれ領域3の工具基端側に連設され前記第一のねじれ角αより大きい第二のねじれ角αを有する第二のねじれ領域4とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、穴明け工具に関するものである。
プリント配線板(PCB)の穴明け加工には、図1に図示したような刃部Cを有するボデーAとシャンク部Bとで構成されるドリルが使用される。具体的には、刃部Cには、図2,3に図示したように本体20の外周にドリル先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝22が形成され、この切り屑排出溝22のすくい面と先端に設けられた第一の逃げ面24との交差稜線部には切れ刃21が形成されている(特許文献1等参照)。尚、図中、符号25は第一の逃げ面24の工具回転方向後方側に連設される第二の逃げ面、O’はドリル回転中心、α’はねじれ角である。
ところで、近年のプリント配線板には、更なる信頼性向上のため、耐熱性の向上、曲げ強度の強化及び低熱膨張化が求められており、PCBを構成するガラスクロスや樹脂の機械的強度を高めることで、高信頼を確保しているものが多くなっている。
しかしながら、上記構成のPCBは、穴明け加工を行う被削材として考慮した場合、機械的強度が高められた分だけドリルの摩耗を促進し易く、穴加工中のドリル折損や過度の摩耗に伴う穴位置精度等の穴品質の悪化を引き起こし易い。
また、PCBの高密度化に伴い、使用されるドリルの穴径は年々径小化しており、直径が0.4mm以下の穴明け加工がその大半を占めている。また、穴加工工程においては、加工効率を考慮し、同仕様のPCBを複数枚重ねて穴明け加工をするのが一般的である。
そのため、近年PCB用小径ドリルに対し、第一に求められる性能は、加工コスト削減を目的としたPCBの重ね枚数の増加や、ドリルの穴明け寿命の延長の試みに対し、上記したような比較的加工性の悪いPCBの加工においても、折損せず穴明け加工できることが挙げられる。
特開昭56−39807号公報
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、切り屑排出溝のねじれ角を途中で変化させることで折損し難く且つ切り屑排出性も良好となり、小径ドリルであっても良好な穴加工が実現できる極めて実用性に秀れた穴明け工具を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が一若しくは複数形成された穴明け工具であって、前記切り屑排出溝2は、第一のねじれ角αを有する第一のねじれ領域3と、この第一のねじれ領域3の工具基端側に連設され前記第一のねじれ角αより大きい第二のねじれ角αを有する第二のねじれ領域4とを備えたことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1記載の穴明け工具において、前記切り屑排出溝2が複数設けられ、この複数の切り屑排出溝2のうち一の切り屑排出溝2のみに工具先端側に切れ刃5が設けられ、他の切り屑排出溝2の工具先端側には切れ刃が設けられていないことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項2記載の穴明け工具において、前記切れ刃5を有する切り屑排出溝2は、前記第一のねじれ角αが35°〜45°に設定され、前記第二のねじれ角αが前記第一のねじれ角αより5°〜20°大きく設定され、前記第一のねじれ領域3と前記第二のねじれ領域4との連設部6が工具先端から0.2mm〜前記切れ刃5を有する切り屑排出溝2の全長lの1/2の位置に設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項2,3いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記切れ刃5を有する切り屑排出溝2は工具先端から刃部の基端部まで形成される主溝2aに設定され、前記切れ刃が設けられない1つ若しくは複数の切り屑排出溝2が前記主溝2aより短い副溝2bに設定され、この副溝2bのねじれ角αは前記主溝2aの第一のねじれ領域3におけるねじれ角αと略同じ角度に設定されていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項4記載の穴明け工具において、前記副溝2bの全長kは、工具先端から0.2mm〜主溝2aの全長lの1/2に設定されていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項4,5いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記副溝2bの溝深さは、前記主溝2aの溝深さと同じか若しくは該主溝2aの溝深さより浅く設定されていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項4〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記主溝2aと前記副溝2bとを夫々1つずつ有し、この主溝2aと副溝2bは工具先端視において工具回転中心Oに対して非点対称位置に設けられており、工具先端にチゼルエッジが形成されるように先端逃げ面が形成されていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具直径dが0.4mm以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、切り屑排出溝のねじれ角を途中で変化させることで折損し難く且つ切り屑排出性も良好となり、小径ドリルであっても良好な穴加工が実現できる極めて実用性に秀れた穴明け工具を提供となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
工具先端のねじれ角αを小さくすることで、切り屑が薄く長くならずに厚く短くなり、工具本体1への巻付きを防止でき、さらに切れ刃の刃物角を大きく確保することができるため、切れ刃のカケを防ぐことができ穴位置精度を改善するとともに、折損し難くなる。また、工具基端側のねじれ角αを大きくすることで、良好なポンプ作用により工具先端側で生じた厚く短い切り屑をスムーズに排出でき、切り屑詰まりを防止し、内壁粗さを改善することが可能となるとともに、この排出性の改善も折損の防止に寄与する。
本発明の具体的な実施例について図4〜図10に基づいて説明する。
本実施例は、工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が複数形成された穴明け工具であって、前記切り屑排出溝2は、第一のねじれ角αを有する第一のねじれ領域3と、この第一のねじれ領域3の工具基端側に連設され前記第一のねじれ角αより大きい第二のねじれ角αを有する第二のねじれ領域4とを備えたものである。
具体的には、本実施例は、工具直径dが0.105mmで切り屑排出溝2の溝長lが1.5mmのドリルであり、PCBの穴明け加工に使用されるものである。更に具体的には、図2に図示した工具を改良したものであり、ドリルの切り屑排出溝2に前記第一のねじれ領域3と前記第二のねじれ領域4とを設けている。
各部を具体的に説明する。
切り屑排出溝2は2つ設けられ、一の切り屑排出溝2のみに工具先端側に切れ刃5が設けられ、他の切り屑排出溝2の工具先端側には切れ刃が設けられていない構成としている。
具体的には、図4,5に図示したように、切れ刃5を有する切り屑排出溝2は工具先端から刃部(図1のC部分)の基端部まで形成される主溝2aに設定され、切れ刃が設けられない切り屑排出溝2が主溝2aより短い副溝2bに設定されている。
即ち、主溝2aのすくい面と工具先端に設けられた(該主溝2aのすくい面の後方の)第一の逃げ面11との交差稜線部に切れ刃5を設け、副溝2bのすくい面と工具先端に設けられた(該副溝2bのすくい面の後方の)逃げ面13・14との交差稜線部10には切れ刃を設けない構成としている。
具体的には、副溝2bのすくい面と逃げ面13・14との交差稜線部10のうちの少なくとも前記切れ刃5に対応する部分が該切れ刃5に対して工具軸方向に没入して切削作用を発揮しないように構成されている。
また、本実施例は、工具先端にチゼルエッジが形成されるように先端逃げ面が形成されている。具体的には、主溝2aのすくい面と切れ刃5を形成する第一の逃げ面11と、この第一の逃げ面11の後方側に連設する第二の逃げ面12と、副溝2bのすくい面の後方側に夫々連設する逃げ面13・14とで、工具先端が最も突出する角錐形状となるように夫々の逃げ面が工具先端に対して所定角度で逃げる構成としている。
また、主溝2aの第一のねじれ角αは35°〜45°に設定されている。これは、切れ刃の欠けを考慮すると共に、被削物上面にアルミ板を載置するような場合や、被削物の内外層などに銅箔が多い場合には、ねじれ角が45°を超える場合に切り屑排出溝2の基端部(根元部)に著しい切り屑の巻き付きが見られるため、切削を行う工具先端の切れ刃部分はねじれ角を45°未満の角度として発生する切り屑を短くして切り屑が巻き付かないようにするためである。本実施例においては38°に設定されている。
また、主溝2aの第二のねじれ角αは第一のねじれ角αより5°〜20°大きく設定されている。これは、溝領域を増やすことで被削材との接触面積を減らすと共に、切り屑を短くするためにねじれ角を小さめにした第一のねじれ領域3より良好なポンプ作用を得るためであり、20°以下としたのは、20°より大きくすると過度の強ねじれ角による工具のねじれ剛性の低下が懸念されるためである。本実施例においては55°に設定されている。
また、切り屑を良好に排出するためには、できるだけ工具先端側で第二のねじれ角αへ変化することが望ましいが、一般的にPCB用のドリルは使用後に先端を研ぎ直して使用するため(再研磨)、第一のねじれ領域3と第二のねじれ領域4との連設部6は、研磨量を考慮して工具先端から0.2mm〜主溝2aの溝長lの1/2の位置に設定するのが好ましい。本実施例においては、第一のねじれ角αと第二のねじれ角αとの変化点が工具先端から溝長lの20%の位置(C)となるように設定されている。
また、上述したように工具先端に切れ刃を1つだけ設け、切り屑排出溝を2つ(以上)設けた場合、切れ刃を形成しない切り屑排出溝(副溝2b)の存在によりドリル先端における切削抵抗を低減し、ドリルの良好な直進性を得ることが可能となる。また、副溝2bは、主溝2a程度の全長にすると、それだけ切り屑排出性が向上するため、穴位置精度や内壁粗さ等の穴品質を改善する効果があるが、長くし過ぎるとドリルの剛性が低下し、返って穴位置精度の悪化を招き、また、折損の要因となる。
そこで、本実施例においては、副溝2bの全長kは、後述する再研磨性を考慮し、工具先端から0.2mm〜主溝2aの全長lの1/2に設定している。尚、全長lの1/2より長くした場合、より良好な内壁粗さを得られるため、使用条件によって適宜選択する。本実施例においては、0.35mmに設定されている。
ところで、副溝2bのドリル基端側が主溝2aの途中部と連設(連通)して連設部(連通部)で剛性が低下する可能性があるが、主溝2aの全長lの1/2の範囲では、折損条件に大きく影響を及ぼさない場合が多く、連設させる構成となっても良い。この場合、切り屑排出性に改善が見られ、良好な内壁粗さを得ることが可能となる。
また、主溝2aと副溝2bは工具先端視において工具回転中心Oに対して非点対称位置に設けられている。具体的には、主溝2aの後方のランド部15が副溝2bの後方のランド部16より大きくなるように設定されている。本実施例においては、主溝2aの切れ刃5の外周側端部とドリル回転中心とを結ぶ線と、副溝2bのドリル回転方向を向く壁面の反対側の面の外周側端部とドリル回転中心とを結ぶ線がなす角θが、40°以上180°未満となるように設定し、主溝2aの後方のランド部15の大きさを十分大きくしている。
即ち、主溝2a後方のランド部15は切れ刃5のバックアップの役割を果たし、このランド部15が小さすぎると十分なバックアップを確保できず、ドリルの直進性が低下して穴位置精度が悪化する。また、逆に大きすぎると、加工条件によっては加工穴内壁との接触面積の増加により穴内壁面を荒らしたり、切削抵抗(トルク抵抗)の増加による折損に至る場合もある。そのため、上記角θは上記数値範囲内となるように設定している。
尚、本実施例においては切削作用を発揮せず主溝2aより全長が短い切り屑排出溝(副溝2b)を1つ設けた構成としているが、切削作用を発揮せず主溝2aより短い切り屑排出溝を2つ以上設ける構成としても良い。
例えば図6に図示したように主溝2aの後方のランド部15の中央部に副溝2bより浅く且つ主溝2aの1/2以下の長さの副溝2cを設ける構成としても良い(主溝2aの後方のランド部15のL・L部分を残すように、即ち、工具先端において主溝2a及び副溝2bに連通しないように設ける。)。この場合、加工条件によってはドリルの剛性を極力低下させることなく、また切れ刃5のバックアップ効果を低減させることなく加工穴内壁との接触面積を最適化して、穴品質及び耐折損性の向上を図ることができる。また、例えば図7に図示したように主溝2aの後方のランド部15に副溝2bと連通し該副溝2bより浅く且つ主溝2aの1/2以下の長さのクリアランスXを設けた場合も図6の構成とした場合と同様、穴品質及び耐折損性の向上を図ることができる。尚、この場合、ランド部15のL部分がランド部16のガイド幅Gより大きくなるように設定する。
また、副溝2bのねじれ角αは前記主溝2aの第一のねじれ領域3におけるねじれ角αと略同じ角度(38°)に設定されている。これは、主溝2aの第一のねじれ角と同じ角度に設定することで良好な直進性が発揮されるためであり、これにより良好な穴位置精度を得ることが可能となる。
また、副溝2bの溝深さYは、前記主溝2aの溝深さYと同じか若しくは該主溝2aの溝深さYより浅く設定されている。これは、副溝2bはドリル先端部で切削作用を持たず、この副溝2b内に排出される切り屑は主溝2aに比し微量となるため、副溝2bの溝深さYを主溝2aの溝深さYよりも浅くすることができるためである。本実施例においては主溝2aと副溝2bの溝深さは略同じに設定しているが、副溝2bの溝深さYを主溝2aの溝深さYより浅く設定した場合には、肉厚を確保してそれだけドリル剛性を高めることが可能となり、切り屑排出性を損なうことなく、穴位置精度を改善でき、また、ドリルの折損が発生し難くなる。
また、図8に図示したように、主溝2aは溝深さYが工具基端側に向かって徐々に浅くなる第一の傾斜領域7と、この第一の傾斜領域7の基端側に連設され該第一の傾斜領域7より傾斜度合いの小さい第二の傾斜領域8とを有する構成としている。また、副溝2bは、溝深さY及び溝深さの傾斜度合いが前記主溝2aの第一の傾斜領域7と略同じになるように構成している。
具体的には、主溝2a及び副溝2bの工具先端における溝深さは工具直径dの20%〜40%となるように設定される。これは、20%未満であると工具先端においてスムーズな切り屑流れを得ることができず、穴内壁粗さの悪化が懸念されるためであり、40%を超えると工具先端の切れ刃5が加工により摩滅し易く、また、適度な剛性を得られないことから穴位置精度が悪化してしまうからである。本実施例においては29%に設定されている。尚、副溝2bは主溝2aより浅く設定しても良い。
また、主溝2aの第一の傾斜領域7における溝深さの傾斜度合いは、0.040mm/mmに設定され、第二の傾斜領域8における溝深さの傾斜度合いは、0.004mm/mmに設定されている。
また、第一の傾斜領域7と第二の傾斜領域8との連設部9、即ち、第一の傾斜領域7と第二の傾斜領域8との変化点Cはねじれ角の変化点Cより工具基端側にあることが望ましい。本実施例においては、第一の傾斜領域7と第二の傾斜領域8との変化点Cが工具先端から溝長lの30%の位置となるように設定されている。
尚、副溝2bの長さが工具先端から前記変化点Cまでの長さより長い場合は、適度な剛性を確保するため、主溝2aと同様に副溝2bの溝深さの傾斜度合いを変化させてもよい。
本実施例は上述のように構成したから、工具先端のねじれ角αを小さくすることで、切り屑が薄く長くならずに厚く短くなり、工具本体1への巻付きを防止でき、さらに切れ刃の刃物角を大きく確保することができるため、切れ刃のカケを防ぐことができ穴位置精度を改善するとともに、折損し難くなる。また、工具基端側のねじれ角αを大きくすることで、良好なポンプ作用により工具先端側で生じた厚く短い切り屑をスムーズに排出でき、切り屑詰まりを防止し、内壁粗さを改善することが可能となるとともに、この排出性の改善も折損の防止に寄与する。
また、主溝2aに第一の傾斜領域7の工具基端側に第二の傾斜領域8を設けることで、工具本体1の剛性を確保するとともに切り屑排出溝2の基端側においてもある程度溝容積を確保することができ、それだけ切り屑をスムーズに排出させることが可能となる。
また、主溝2aの第一の傾斜領域7と第二の傾斜領域8との連設部9を、第一のねじれ領域3と第二のねじれ領域4との連設部6より工具基端側にずらして設けることで、切り屑の排出性を阻害する溝深さの傾斜度合いの変化点Cとねじれ角の変化点Cとをずらすことができ、切り屑排出性が急激に悪化する部位が生ぜず、よって、切り屑排出性を可及的に低下させることなく、穴位置精度と穴内壁粗さの双方を改善することが可能となる。
よって、本実施例は、切り屑排出溝のねじれ角を途中で変化させることで折損し難く且つ切り屑排出性も良好となり、小径ドリルであっても良好な穴加工が実現できる極めて実用性に秀れたものとなる。
本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
図2に図示されるように2つの切り屑排出溝(ねじれ角は45°で一定)を有し各切り屑排出溝の先端側に夫々切れ刃を有する2溝2刃で各溝長が1.5mmである従来例のドリルと、図4に図示される主溝2a(ねじれ角は38°と55°、ドリル先端から0.35mmの位置で変化)と副溝2b(ねじれ角は38°)とを有し主溝2aの溝長が1.5mmで副溝2bの溝長が0.35mmである本実施例のドリルの折損寿命を評価した。尚、いずれもドリル直径は0.105mmである。
図9,10より本実施例のドリルは明らかに折損に至るまでのヒット数が多くなっており、対折損性が向上していることが確認できた。
尚、本実施例の構成は小径ドリル、特に工具直径が0.4mm以下のドリルに好適であることを確認している。
PCB用ドリルの概略説明側面図である。 従来例の要部の拡大概略説明図である。 従来例の概略説明正面図である。 本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。 本実施例の概略説明正面図である。 別例の概略説明正面図である。 別例の概略説明正面図である。 本実施例の要部の拡大概略説明図である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 工具本体
2 切り屑排出溝
2a 主溝
2b 副溝
3 第一のねじれ領域
4 第二のねじれ領域
5 切れ刃
6 連設部
α 第一のねじれ角
α 第二のねじれ角
α (副溝2bの)ねじれ角
l (主溝2aの)全長
k (副溝2bの)全長
O 工具回転中心
d 工具直径

Claims (8)

  1. 工具本体の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝が一若しくは複数形成された穴明け工具であって、前記切り屑排出溝は、第一のねじれ角を有する第一のねじれ領域と、この第一のねじれ領域の工具基端側に連設され前記第一のねじれ角より大きい第二のねじれ角を有する第二のねじれ領域とを備えたことを特徴とする穴明け工具。
  2. 請求項1記載の穴明け工具において、前記切り屑排出溝が複数設けられ、この複数の切り屑排出溝のうち一の切り屑排出溝のみに工具先端側に切れ刃が設けられ、他の切り屑排出溝の工具先端側には切れ刃が設けられていないことを特徴とする穴明け工具。
  3. 請求項2記載の穴明け工具において、前記切れ刃を有する切り屑排出溝は、前記第一のねじれ角が35°〜45°に設定され、前記第二のねじれ角が前記第一のねじれ角より5°〜20°大きく設定され、前記第一のねじれ領域と前記第二のねじれ領域との連設部が工具先端から0.2mm〜前記切れ刃を有する切り屑排出溝の全長の1/2の位置に設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  4. 請求項2,3いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記切れ刃を有する切り屑排出溝は工具先端から刃部の基端部まで形成される主溝に設定され、前記切れ刃が設けられない1つ若しくは複数の切り屑排出溝が前記主溝より短い副溝に設定され、この副溝のねじれ角は前記主溝の第一のねじれ領域におけるねじれ角と略同じ角度に設定されていることを特徴とする穴明け工具。
  5. 請求項4記載の穴明け工具において、前記副溝の全長は、工具先端から0.2mm〜主溝の全長の1/2に設定されていることを特徴とする穴明け工具。
  6. 請求項4,5いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記副溝の溝深さは、前記主溝の溝深さと同じか若しくは該主溝の溝深さより浅く設定されていることを特徴とする穴明け工具。
  7. 請求項4〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記主溝と前記副溝とを夫々1つずつ有し、この主溝と副溝は工具先端視において工具回転中心に対して非点対称位置に設けられており、工具先端にチゼルエッジが形成されるように先端逃げ面が形成されていることを特徴とする穴明け工具。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具直径が0.4mm以下であることを特徴とする穴明け工具。
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