JP2009190053A - ガイドロールの軸受け部保護装置 - Google Patents

ガイドロールの軸受け部保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009190053A
JP2009190053A JP2008032019A JP2008032019A JP2009190053A JP 2009190053 A JP2009190053 A JP 2009190053A JP 2008032019 A JP2008032019 A JP 2008032019A JP 2008032019 A JP2008032019 A JP 2008032019A JP 2009190053 A JP2009190053 A JP 2009190053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide roll
guide
segment
movable cover
slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008032019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5017137B2 (ja
Inventor
Shinichi Fukunaga
新一 福永
Junya Iwasaki
潤哉 岩崎
Hirobumi Azuma
博文 東
Koji Morishige
浩二 森重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Nippon Steel Plant Designing Corp
Original Assignee
Nittetsu Plant Designing Corp
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Plant Designing Corp, Nippon Steel Corp, Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nittetsu Plant Designing Corp
Priority to JP2008032019A priority Critical patent/JP5017137B2/ja
Publication of JP2009190053A publication Critical patent/JP2009190053A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5017137B2 publication Critical patent/JP5017137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】パウダー等のガイドロール軸受け部近傍への付着を抑制して、ガイドロール回転不良による鋳片品位の悪化を抑制でき、セグメント寿命の大幅な向上が図れると共に、ブレークアウトの発生時には、従来よりも短時間で連続鋳造作業を復旧できるガイドロールの軸受け部保護装置を提供する。
【解決手段】モールド12と一括で交換可能なサポートロールセグメント13と、ガイドロールセグメント14を備える連続鋳造設備15に使用するガイドロールの軸受け部保護装置10であり、サポートロールセグメント13とガイドロールセグメント14との間で、ガイドロールセグメント14のガイドロール20、21入側の幅方向両側に設置され、幅方向中央位置に向けて移動可能となって、鋳片11の鋳造中は、ガイドロール20、21入側の軸受け部22〜25を覆い、鋳片11と隙間D1、D2を有して配置される可動式カバー16、17を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造において、パウダーやスケール等が、ロールの軸受け部近傍へ付着することを抑制し、ロールの不転による鋳片表面品位の悪化やブレークアウトの発生を抑制するガイドロールの軸受け部保護装置に関する。
従来、鋳片の製造にあっては、モールドと、このモールドの下方に配置されるサポートロールセグメントと、このサポートロールセグメントの下方に配置されるガイドロールセグメントとを備える連続鋳造設備が使用されている。
このガイドロールセグメントは、複数のガイドロールで構成されており、このため、鋳造中の鋳片にブレークアウトが発生した場合、流出した高温の地金(溶融金属)が、ガイドロールや軸受け部等に付着して凝固する。これにより、地金が付着したガイドロールが回転不能となるため、その復旧に多大な労力と時間を要し、その結果、鋳片の生産効率の低下を招くという問題があった。
そこで、例えば、特許文献1には、連続鋳造設備のサポートロールセグメント内部に、回転ローラを備えたプロテクター装置を設置し、このプロテクター装置を駆動させ、先端の回転ローラを所定圧力で鋳片表面に接触させながら鋳造を行う方法が開示されている。この方法によれば、ブレークアウトが発生した場合、流出した溶融金属は、プロテクターに付着し凝固するため、下流側のローラエプロンセグメントまで達しないとされている。
また、特許文献2には、連続鋳造設備のサポートロールに、耐火物に覆われ先端にタッチローラが設けられたトレーを設置し、このトレーを水平移動させることにより、ブレークアウトの発生時に溶融金属が下流側へ流出することを防止する方法が開示されている。
そして、引用文献3には、ブレークアウトの発生時に、モールド内の湯面レベルの低下を検知し、モールド内への溶鋼の供給を遮断する方法が開示されている。
特開平6−99258号公報 特開2001−212657号公報 特開2003−236650号公報
しかしながら、特許文献1のように、サポートロールセグメント内部に、複雑な構造の駆動装置を設け、これを駆動させる場合、セグメント内部は、高温度、多量の水や蒸気、更にはパウダーやスケール等が多量に発生する雰囲気(ロール圧着による鋳片のスケール剥離が大きく、プロテクターやロールに付着する)であるため、この雰囲気中で駆動装置を安定的に可動させることが難しい。また、回転ローラの回転不良による鋳片への凹み疵の発生、装置寿命の低下、凹み疵による鋳片割れを誘発し、ブレークアウト発生の原因にもなるという問題がある。
更に、この方法では、サポートロールセグメントの下方に設置されるガイドロールセグメントにおいて、そのガイドロール入側の軸受け部近傍へのパウダー、スケール、及び地金の付着を抑制することが困難であり、セグメント寿命の向上や鋳片の生産性の効果的な向上を達成することが困難となる。
また、特許文献2に開示された方法も、サポートロールセグメント内でのパウダーやスケール等の影響を回避することが困難であり、ガイドロールセグメントのガイドロール入側の軸受け部近傍へのパウダーやスケール及び地金の付着を抑制することが困難であり、セグメント寿命の向上や、鋳片の生産性の効果的な向上を達成することが困難となる。
特に、特許文献1、2は、プロテクターとトレーを、鋳片の表面に接触させる方法であるため、いずれも流出した地金が、プロテクター又はトレーと鋳片の間で固まり、これがくさびとなるため、連続鋳造設備内から鋳片を引き抜くことが困難となる。このため、例えば、連続鋳造設備内の鋳片を細かく切断して、少しずつ搬出しなければならず、連続鋳造作業の復旧に多大な労力と時間を要すると共に、鋳片の生産効率の低下も招く。
また、特許文献3に開示された方法では、流出する溶融金属を少なくできるが、ガイドロールセグメントのガイドロール入側の軸受け近傍への影響を抑制することに対しては無力である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、パウダーやスケール等が、ガイドロールの軸受け部近傍へ付着することを抑制し、ガイドロールの不転による鋳片表面品位の悪化やブレークアウトの発生を抑制できて、セグメント寿命の大幅な向上が図れると共に、ブレークアウトの発生時には、従来よりも短時間で連続鋳造作業を復旧できるガイドロールの軸受け部保護装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るガイドロールの軸受け部保護装置は、鋳片を製造するモールドの交換を行う際に、該モールドの下方に配置されて該モールドと一括で交換可能なサポートロールセグメントと、該サポートロールセグメントの下方に配置されるガイドロールセグメントとを備える連続鋳造設備に使用するガイドロールの軸受け部保護装置であって、
前記サポートロールセグメントと前記ガイドロールセグメントとの間で、しかも前記ガイドロールセグメントのガイドロール入側の幅方向両側に設置され、該ガイドロール入側の幅方向中央位置に向けて移動可能となっており、前記鋳片の鋳造中は、前記ガイドロール入側の軸受け部を覆い、かつ前記鋳片と隙間を有して配置される可動式カバーを有する。
本発明に係るガイドロールの軸受け部保護装置において、前記連続鋳造設備は垂直曲げ型であることが好ましい。
本発明に係るガイドロールの軸受け部保護装置において、前記可動式カバーは、前記ガイドロール入側の幅方向端位置を基準として、該ガイドロール入側の幅方向端位置から幅方向中央位置に向けて100mm以上移動可能であることが好ましい。
本発明に係るガイドロールの軸受け部保護装置において、前記鋳片と前記可動式カバーとの間に形成される前記隙間は、30mm以上250mm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係るガイドロールの軸受け部保護装置において、前記可動式カバーは、駆動手段によって移動可能となっており、しかも該駆動手段とは別に、前記可動式カバーには1又は2以上の補助駆動手段が設けられていることが好ましい。
請求項1〜5記載のガイドロールの軸受け部保護装置は、ガイドロールセグメントのガイドロール入側の軸受け部を、可動式カバーで覆うので、軸受け部へのパウダーやスケール等の付着を抑制し、ガイドロールの不転による鋳片の表面品位の悪化やブレークアウトの発生を抑制すると共に、セグメント寿命の大幅な向上が図れ、鋳片の生産性の向上が図れる。
また、鋳片の鋳造中は、鋳片と可動式カバーとの間に隙間が形成されるので、例えば、堆積したパウダーやスケールが、従来のように、鋳片と可動式カバーとの間で固まってくさびとならない。これにより、連続鋳造設備からの鋳片の引き抜き不能という事態を回避できるため、例えば、連続鋳造設備内で鋳片を細かく切断して、少しずつ搬出するという必要がなくなり、従来よりも、鋳造の復旧作業を短期間にでき、鋳片の生産性の低下も抑制できる。
特に、請求項2記載のガイドロールの軸受け部保護装置は、連続鋳造設備を垂直曲げ型とすることで、本願発明の効果がより顕著に現れる。
この垂直曲げ型の連続鋳造設備は、モールドから鉛直方向に出てくる鋳片を、ガイドロールセグメントで大きく曲げる構成となっているため、ガイドロールセグメントの剛性が高められている。このため、設備構成を頑丈にするために多くの支柱が設けられており、ガイドロールやその軸受け部等に地金が流出した場合、例えば、湾曲型の連続鋳造設備に比べて、復旧作業がしずらく、その復旧に多大な労力と時間を要し、その結果、生産効率の低下を招く。従って、連続鋳造設備が垂直曲げ型の場合は、より効果的に、鋳造の復旧作業時間の短縮化及び鋳片の生産性の低下抑制が行える。
請求項3記載のガイドロールの軸受け部保護装置は、可動式カバーの移動距離を、ガイドロール入側の幅方向端位置を基準として、その幅方向端位置から幅方向中央位置に向けて100mm以上とするので、可動式カバーにより軸受け部を確実に覆うことができ、軸受け部を確実に保護できる。
請求項4記載のガイドロールの軸受け部保護装置は、鋳片と可動式カバーとの隙間を規定することで、従来のように、鋳片と可動式カバーとの間で地金が固まるという問題を、確実に回避できる。
請求項5記載のガイドロールの軸受け部保護装置は、可動式カバーを移動させる駆動手段とは別に、この可動式カバーを移動させる補助駆動手段を設けているので、例えば、駆動手段が故障した場合でも、補助駆動手段により可動式カバーを確実に移動できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るガイドロールの軸受け部保護装置の設置位置を示す説明図、(B)は同ガイドロールの軸受け部保護装置の使用状態の説明図、図2は鋳片と可動式カバーの隙間を変化させた場合の鋳片と可動式カバーの間に形成された付着物の最小厚みを示す説明図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るガイドロールの軸受け部保護装置(以下、単に保護装置ともいう)10は、鋳片11を製造(凝固シェルを形成)するモールド12と、このモールド12の下方に配置されるサポートロールセグメント13と、このサポートロールセグメント13の下方に配置されるガイドロールセグメント14とを備える連続鋳造設備15に使用するものであり、サポートロールセグメント13とガイドロールセグメント14との間に設置される可動式カバー16、17を有するものである。以下、詳しく説明する。
保護装置10を使用する連続鋳造設備15は、垂直曲げ型であるが、湾曲型でもよい。
サポートロールセグメント13は、鋳片11の厚み方向に間隔を有して対向配置された対となるサポートロール18、19が、鋳片11の鋳造方向に間隔を有して複数配置されている。
また、ガイドロールセグメント14は、サポートロールセグメント13とは分離可能な構成となっており、鋳片11の厚み方向に間隔を有して対向配置された対となるガイドロール20、21が、鋳片11の鋳造方向に間隔を有して複数配置されている。
このように構成することで、サポートロールセグメント13は、モールド12の交換を行う際に、モールド12と一括して交換可能な構成となっている。
サポートロールセグメント13の下流側端部(出側)に位置するサポートロール18、19と、ガイドロールセグメント14の最上流側端部(入側)に位置するガイドロール20、21(以下、ガイドロール20、21入側ともいう)との間には、対向する2枚の可動式カバー16、17が設置され、しかもそれぞれがガイドロール20、21入側の幅方向(軸方向)の一方側及び他方側の上方に配置されている。
この可動式カバー16、17は、例えば、鉄又はステンレスのような金属製の板であり、その形状は、鋳造方向に向いて見た場合に長方形(正方形でもよい)となって、厚み(鋳造方向の長さ)が3〜50mm程度のものである。
また、各可動式カバー16、17の幅(鋳片11の厚み方向の長さ)は、鋳片11の厚み方向に対向配置されたガイドロール20、21入側の一方側の軸受け部22、23と、他方側の軸受け部24、25を、それぞれ上方から覆うことができればよい。具体的には、例えば、これらの軸受け部22、23と軸受け部24、25よりも外方(鋳片の厚み方向)へ、少なくとも10〜50mm突出すればよい。
なお、可動式カバー16、17は、連続鋳造設備の構造にもよるが、例えば、水平位置を基準として、連続鋳造設備15の曲率中心側に配置されたガイドロール20から外側に配置されたガイドロール21へかけて、下方へ0度を超え45度以下の範囲内で傾斜させるとよい。これにより、可動式カバー上に落下したパウダーやスケールを、可動式カバー16、17の片側(下方に傾斜した側)へ落下させることができるので、パウダーやスケールが可動式カバー16、17のあちらこちらから落下することを防止できる。なお、ブレークアウトが発生した場合も、同様の作用効果を得ることができる。
この各可動式カバー16、17の基部には、それぞれ駆動手段26、27が設けられている。
駆動手段26、27は、連続鋳造設備15のガイドロールセグメント14を支持する架台(図示しない)に設置されたアクチュエータ28、29(例えば、油圧シリンダ)と、このアクチュエータ28、29と可動式カバー16、17の基部とを接続する連結ロッド30、31とを有している。
これにより、アクチュエータ28、29を動作させることで、可動式カバー16、17をガイドロール20、21入側の上方で、このガイドロール20、21の幅方向に沿って移動させることができる。
なお、可動式カバー16、17には、この駆動手段26、27とは別に、駆動手段と同様の構成である1又は2以上の補助駆動手段(図示しない)を取付けることが好ましい。この場合、この補助駆動手段のアクチュエータと可動式カバー16、17の基部とを、連結ロッドで接続する。
これにより、例えば、駆動手段26、27が故障した場合でも、補助駆動手段によって可動式カバー16、17を移動させることができる。
上記した駆動手段26、27と補助駆動手段は、サポートロールセグメント13とガイドロールセグメント14の間に設けられ、作業者が作業(例えば、モールド12とサポートロールセグメント13の一括交換作業)を行う場合の作業スペース(図示しない)に設置することが好ましい。これにより、駆動手段26、27と補助駆動手段が、従来のように、過酷な雰囲気中(例えば、サポートロールセグメント内)に配置されることを防止できるため、故障の恐れを低減できる。なお、駆動手段26、27と補助駆動手段は、それぞれ可動式カバー16、17を中心として鋳片11とは反対側であって、平面視して対向するガイドロール20、21の中心線上に配置するとよい。
図1(B)に示すように、駆動手段26、27による可動式カバー16、17の移動長さL1、L2は、各ガイドロール20、21入側の幅方向端位置(軸受け部22、23と軸受け部24、25の内側端)を基準として、ガイドロール20、21入側の幅方向端位置から幅方向中央位置に向けて100mm以上であることが好ましい。なお、移動長さL1、L2は、同じ長さでもよく、また異なる長さでもよい。
ここで、可動式カバー16の移動長さL1(以下、可動式カバー17の移動長さL2についても同様)が、ガイドロール20、21の幅方向端位置から100mm未満の場合、平面視して軸受け部22、23から中央側に突出する可動式カバー16の突出長さが短くなり過ぎる。
このため、軸受け部22、23に、パウダーやスケール等が付着し、ガイドロールの不転による鋳片の表面品位の悪化や、著しい場合はブレークアウトが発生すると共に、セグメント寿命が低下し、鋳片の生産性の低下を招く恐れがある。また、ブレークアウトによって地金が流出した場合は、ガイドロール20、21やその軸受け部22、23に地金が付着する恐れがあり、鋳造の復旧作業に多大な労力と時間を要し、その結果、鋳片の生産効率の低下を招く。
従って、可動式カバー16の移動長さL1を、各ガイドロール20、21入側の幅方向端位置を基準として、ガイドロール20、21入側の幅方向端位置から幅方向中央位置に向けて100mm以上としたが、好ましくは130mm以上、更には150mm以上とする。
また、上記した各可動式カバー16、17の移動は、鋳片11の側面32、33と可動式カバー16、17の先端面34、35との間に隙間D1、D2を有するように行う。なお、この各隙間D1、D2は、30mm以上250mm以下の範囲内であることが好ましく、また隙間D1、D2は、同じ幅でも異なる幅でもよい。
ここで、鋳片11と可動式カバー16の隙間D1(以下、可動式カバー17の隙間D2も同様)を変化させた場合の鋳片11と可動式カバー16の間に形成された付着物(パウダーやスケール等)の最小厚みを調査した結果について、図2を参照しながら説明する。
図2から明らかなように、鋳片11と可動式カバー16の隙間D1が30mmよりも小さくなるに伴い、鋳片11と可動式カバー16の間に形成された付着物の最小厚みが厚くなる傾向が得られた。
このように、付着物の最小厚みが厚くなるということは、前記した課題で示したように、堆積したパウダーやスケールが、鋳片11と可動式カバー16との間で固まり、これがくさびとなるため、連続鋳造設備15内から鋳片を引き抜くことが困難となる。このため、鋳片品質の低下や連続鋳造作業の復旧に多大な労力と時間を要するために、鋳片の生産効率の低下も招く。
また、図2から明らかなように、鋳片11と可動式カバー16の隙間D1が30mm以上の場合においては、これがくさびとなる問題がないため、上限値を規定する必要はないとも思われる。しかし、ガイドロール20、21の長さや製造する鋳片11の幅を考慮すれば、上限値を250mmとすることが好ましい。
以上のことから、鋳片11と可動式カバー16の隙間D1を、30mm以上250mm以下の範囲内としたが、下限を50mm、更には80mmとすることが好ましく、上限を200mm、更には150mmとすることが好ましい。
続いて、本発明の一実施の形態に係るガイドロールの軸受け部保護装置10の使用方法について説明する。
連続鋳造を開始するに際しては、まず、連続鋳造設備15内の操業条件を確認するため、各種センサが取付けられ、製造する鋳片11よりも幅広のダミーバー(図示しない)を使用し、対向配置された複数のサポートロール18、19間と、複数のガイドロール20、21間を通過させる。
このように、ダミーバーは幅広のため、各駆動手段26、27を作動させ、可動式カバー16、17を、初期状態の位置、即ち、平面視して各ガイドロール20、21入側の軸受け部22〜25が露出する位置まで退避させておく。
上記した方法で、ダミーバーを通過させた後、このダミーバーに引き続き、モールド12内で凝固シェルが形成された鋳片11を、モールド12内から連続的に鋳造方向へ引き抜く。
この鋳片11の鋳造開始と共に、各駆動手段26、27を作動させ、可動式カバー16、17をガイドロール20、21入側の幅方向中央位置に向けて移動させ、ガイドロール20、21入側の軸受け部22〜25を覆い、かつ鋳片11と隙間D1、D2を有する位置に配置する。このとき、可動式カバー16、17の移動長さL1、L2と、鋳片11との隙間D1、D2は、前記した範囲とすることが好ましい。
これにより、パウダーやスケール等が、可動式カバー16、17よりも下流側に位置するガイドロール20、21の軸受け部22〜25近傍へ付着することを抑制し、ガイド20、21の不転による鋳片11の表面品位の悪化やブレークアウトの発生を抑制できると共に、ブレークアウトの発生時には、従来よりも短時間で連続鋳造作業が復旧できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、本発明のガイドロールの軸受け部保護装置を使用した場合を実施例とし、使用しなかった場合を従来例として、ガイドロールセグメントの寿命を比較した結果を、図3(A)に示す。なお、ガイドロールセグメントの寿命は、垂直曲げ型と湾曲型の双方の連続鋳造設備で検討し、溶鋼の鋳造回数を現すチャージ数で比較した。また、可動式カバーの移動長さL1、L2は300mm、鋳片と可動式カバーとの隙間D1、D2は50mmに設定した。
図3(A)から明らかなように、従来例では、ガイドロールセグメントの寿命が900チャージであったのに対し、実施例では3500チャージまで、その寿命を伸ばすことができた。なお、この結果は、垂直曲げ型と湾曲型の双方の連続鋳造設備について、略同様であった。
これは、保護装置の可動式カバーにより、可動式カバーよりも下流側に位置するガイドロールの軸受け部近傍へ異物が侵入することを回避でき、その結果、ロールの不転を回避できたためだと考えられる。
次に、ブレークアウト発生時のガイドロールセグメントの交換発生率を比較した結果を、図3(B)に示す。ここで、ガイドロールセグメントの交換発生率とは、ブレークアウト発生時にガイドロールセグメントを交換した回数を、ブレークアウトの発生回数で除した割合である。なお、ブレークアウト発生時のガイドロールセグメントの交換発生率の頻度は、湾曲型よりも垂直曲げ型の連続鋳造設備の方が高いため、ここでは、垂直曲げ型の連続鋳造設備を実施例として比較した。また、可動式カバーの移動長さL1、L2は250mm、鋳片と可動式カバーとの隙間D1、D2は100mmに設定した。
図3(B)から明らかなように、従来例では、ブレークアウト発生時のガイドロールセグメントの交換発生率が70%であったのに対し、実施例ではガイドロールセグメントを交換する必要がなかった。
このように、保護装置の可動式カバーを使用することにより、ブレークアウトの発生時に、可動式カバーよりも下流側に位置するガイドロール、及びその軸受け部に、地金が付着することを防止できるので、従来よりも短時間で連続鋳造作業の復旧が可能となる。
以上の実施例で説明した可動式カバーの移動長さL1、L2と、鋳片と可動式カバーとの隙間D1、D2に限らず、可動式カバーがガイドロール入側の軸受け部を覆い、かつ鋳片と隙間を有する位置に配置されていれば、本願発明の効果が得られることも確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のガイドロールの軸受け部保護装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
(A)は本発明の一実施の形態に係るガイドロールの軸受け部保護装置の設置位置を示す説明図、(B)は同ガイドロールの軸受け部保護装置の使用状態の説明図である。 鋳片と可動式カバーの隙間を変化させた場合の鋳片と可動式カバーの間に形成された付着物の最小厚みを示す説明図である。 (A)はガイドロールセグメントの寿命を調査した結果の説明図、(B)はブレークアウト発生時のガイドロールセグメントの交換発生率を調査した結果の説明図である。
符号の説明
10:ガイドロールの軸受け部保護装置、11:鋳片、12:モールド、13:サポートロールセグメント、14:ガイドロールセグメント、15:連続鋳造設備、16、17:可動式カバー、18、19:サポートロール、20、21:ガイドロール、22〜25:軸受け部、26、27:駆動手段、28、29:アクチュエータ、30、31:連結ロッド、32、33:側面、34、35:先端面

Claims (5)

  1. 鋳片を製造するモールドの交換を行う際に、該モールドの下方に配置されて該モールドと一括で交換可能なサポートロールセグメントと、該サポートロールセグメントの下方に配置されるガイドロールセグメントとを備える連続鋳造設備に使用するガイドロールの軸受け部保護装置であって、
    前記サポートロールセグメントと前記ガイドロールセグメントとの間で、しかも前記ガイドロールセグメントのガイドロール入側の幅方向両側に設置され、該ガイドロール入側の幅方向中央位置に向けて移動可能となっており、前記鋳片の鋳造中は、前記ガイドロール入側の軸受け部を覆い、かつ前記鋳片と隙間を有して配置される可動式カバーを有することを特徴とするガイドロールの軸受け部保護装置。
  2. 請求項1記載のガイドロールの軸受け部保護装置において、前記連続鋳造設備は垂直曲げ型であることを特徴とするガイドロールの軸受け部保護装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のガイドロールの軸受け部保護装置において、前記可動式カバーは、前記ガイドロール入側の幅方向端位置を基準として、該ガイドロール入側の幅方向端位置から幅方向中央位置に向けて100mm以上移動可能であることを特徴とするガイドロールの軸受け部保護装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドロールの軸受け部保護装置において、前記鋳片と前記可動式カバーとの間に形成される前記隙間は、30mm以上250mm以下の範囲内であることを特徴とするガイドロールの軸受け部保護装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガイドロールの軸受け部保護装置において、前記可動式カバーは、駆動手段によって移動可能となっており、しかも該駆動手段とは別に、前記可動式カバーには1又は2以上の補助駆動手段が設けられていることを特徴とするガイドロールの軸受け部保護装置。
JP2008032019A 2008-02-13 2008-02-13 ガイドロールの軸受け部保護装置 Active JP5017137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008032019A JP5017137B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 ガイドロールの軸受け部保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008032019A JP5017137B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 ガイドロールの軸受け部保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009190053A true JP2009190053A (ja) 2009-08-27
JP5017137B2 JP5017137B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=41072556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008032019A Active JP5017137B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 ガイドロールの軸受け部保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5017137B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019122998A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機における溶融金属の飛散防止方法
JP2020192590A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機のローラーエプロンセグメント

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376353U (ja) * 1986-11-10 1988-05-20
JPH0699258A (ja) * 1992-09-21 1994-04-12 Nippon Steel Corp 連鋳機における地金流出防止装置
JP2001212657A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造機の溶融金属流下防止装置および溶融金属の流下防止方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376353U (ja) * 1986-11-10 1988-05-20
JPH0699258A (ja) * 1992-09-21 1994-04-12 Nippon Steel Corp 連鋳機における地金流出防止装置
JP2001212657A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造機の溶融金属流下防止装置および溶融金属の流下防止方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019122998A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機における溶融金属の飛散防止方法
JP2020192590A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機のローラーエプロンセグメント
JP7136006B2 (ja) 2019-05-30 2022-09-13 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機のローラーエプロンセグメント

Also Published As

Publication number Publication date
JP5017137B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4918500B2 (ja) 熱間圧延機におけるストリップ形状制御方法及び装置
EP3144080B1 (en) Continuous casting method for slab
JP4786473B2 (ja) 表内質に優れた鋳片の製造方法
JP2009274116A (ja) 垂直曲げ型の連続鋳造機
JP5017137B2 (ja) ガイドロールの軸受け部保護装置
JP6003850B2 (ja) 連続鋳造用鋳型の製造方法及び鋼の連続鋳造方法
JP6044614B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5808313B2 (ja) 鋳造初期の鋳片冷却方法
JP5723214B2 (ja) 連続鋳造設備のガイドロールセグメント
JP7135717B2 (ja) 連続鋳造用鋳型及び鋼の連続鋳造方法
JP4935383B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6787359B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2008023564A (ja) 連続鋳造用のダミーバー及び鋼の連続鋳造方法
KR20090098384A (ko) 연속 주조용 벤더 세그먼트
JP5768478B2 (ja) 垂直曲げ型連続鋳造機、連続鋳造方法、及び連続鋳造機の冷却部延長方法
JP5082630B2 (ja) 連続鋳造機における2次冷却水噴射方法
JP6319179B2 (ja) 鋳片支持ロールのロール間隔調整方法
JP2018149602A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2007098432A (ja) 連続鋳造方法
JP6000137B2 (ja) 溶鋼飛散防止装置
JP7136006B2 (ja) 連続鋳造機のローラーエプロンセグメント
JP2011173131A (ja) 空冷帯に配置されるロールの冷却方法を用いた連続鋳造方法
KR20110034356A (ko) 압연장치용 권취롤러
JP5769645B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5195636B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5017137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350