このように、遊技者が選択しなかった判定テーブル(残余判定テーブル)についても、その擬似判定結果に基づいていわばダミーの遊技(擬似遊技)を行い、架空の遊技結果(例えば、大当たり回数やボーナスゲーム回数)を報知することができる。その際、その架空の遊技結果を遊技者にそのまま報知したり、遊技者が選択した判定テーブル(選択判定テーブル)での当否判定結果に基づく現実の遊技結果と比較対照して報知したりできるので、遊技者に選択の妥当性(選択が正しかったか)を確認させるとともに、興趣の向上を図り注目度を高めることができる。
なお、上記操作手段は、遊技機の筐体に配置された操作ボタン、操作レバー、タッチパネル等の操作部材で構成することができる。また、上記報知手段は、遊技盤に配置されて当否判定結果を表示する表示部(例えば液晶表示部)で構成することができる。
このような遊技機においても、遊技者が選択しなかった判定テーブル(残余判定テーブル)の擬似判定結果に基づいて架空の遊技結果(例えば、大当たり回数)を報知することにより、遊技者の興趣の向上を図り注目度を高めることができる。
しかも、各判定テーブルは、遊技領域において進行する遊技状態の変化に対応して当たり値の個数が異なるように設定されている複数の単位判定テーブルで構成されたテーブル群の形態をなす。よって、低確率状態(例えば、通常状態)と高確率状態(例えば、確変状態)とに応じて大当たりの当選確率が変動する低確率用判定テーブル(例えば、通常用判定テーブル)と高確率用判定テーブル(例えば、確変用判定テーブル)とを用いる遊技機に適用して、遊技者の一層の興趣の向上を図ることができる。
なお、このような遊技機は、上記した(2)の「確率変動セブン機」に好適に実施することができる。このとき、各判定テーブル(群)を同数の単位判定テーブルで構成する場合には、当否判定手段(選択判定テーブル)の当否判定結果に基づく制御手段での現実の遊技結果と擬似判定手段(残余判定テーブル)の擬似判定結果に基づく制御手段での架空の遊技結果との格差(乖離)が相対的に小さくなるので、両遊技結果の比較対照が容易になる。
選択判定テーブルを変更した場合に、例えば、遊技領域における現実の遊技状態が変更前の通常状態(又は確変状態)から変更後の確変状態(又は通常状態)へ急変することがなくなる。よって、遊技者に不安感や不信感を抱かせることなく、遊技の連続性を保持することができる。
このように、選択判定テーブルが変更されてから後の架空の遊技結果を報知することができるので、遊技者は選択判定テーブルの変更操作の妥当性について容易に判断することができる。
また、報知手段は、当否判定手段の当否判定結果に基づく制御手段での現実の遊技結果と、擬似判定手段の擬似判定結果に基づく制御手段での架空の遊技結果とを比較可能に報知することができる。
これによって両遊技結果の比較対照がしやすくなり、遊技者は判定テーブルの選択の妥当性を素早く判断することができるようになる。なお、「セブン機」(パチンコ遊技機)の場合には、大当たりの履歴を比較表示することで、両遊技結果を綿密に比較することができ、妥当性の判断が一層容易となる。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機の正面模式図である。図1に示すパチンコ遊技機1(遊技機)は、台枠に取り付けられた透明のガラス扉2と、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3には、円形状の遊技領域3aが形成されている。遊技領域3aの下方には、玉供給皿4が設けられている。玉供給皿4に準備された玉(遊技玉;遊技媒体)は、ハンドル装置5を含んで構成される発射装置110(図2参照)によって遊技領域3aに向けて発射される。遊技領域3aには釘3b(一部のみ図示)が多数植設されているので、レール(図示省略)を通じて遊技盤3の遊技領域3aに達した玉は、それらの釘3bに弾かれながら遊技領域3aを落下する。なお、102はスピーカ、103は装飾ランプ類を示す。
遊技領域3aの中央付近には横長矩形状の液晶表示装置20(特図表示部;報知手段)が配設されている。この液晶表示装置20には、所定条件の成立に基づいて実行される大当たり抽選(内部抽選)の当否判定結果を特別図柄(特図)としての複数列の図柄(例えば、3桁のアラビア数字;識別情報)を変動表示した後停止表示したり、各種の表示演出を行ったりして、遊技者に遊技の状況を報知するための図柄表示領域が形成されている。液晶表示部20の下方には、横一列状に位置する複数(例えば4個)のLEDからなる特図保留表示部21が配置されている。
液晶表示部20の下方には、開閉する一対の回動翼片12a,12aを有する電動チューリップ(電チュー)で構成されるスタートチャッカー12(始動入賞口)が配置されている。液晶表示部20の左側には、玉が通過したときスタートチャッカー12の回動翼片12a,12aを所定時間及び所定回数だけ開放するための通過ゲート11(スルーチャッカー)が配置され、スタートチャッカー12の下方には、スタートチャッカー12への入賞に基づいて実行される大当たり抽選において大当たりしたときに開放される大入賞装置13(可変入賞装置;アタッカー)が設けられている。なお、符号14は玉を回収するための玉排出口を示す。
液晶表示部20の左斜め下方(通過ゲート11の下方)には、1又は複数(例えば1つ)のLEDにより普通図柄(普図)を表示する普図表示部15と、複数(例えば4つ)のLEDからなる普図保留表示部16とが上下に配設されている。この普図表示部15においては、玉が通過ゲート11を通過したときに行われる当たり抽選の結果に応じ、LEDを点滅表示(その変動時間は、通常状態で30秒間、時短状態及び確変状態で1秒間)することによって普図の変動表示を行った後、当たりの場合には点灯表示し、ハズレの場合には消灯表示する。当たり抽選の結果が当たりの場合、通常状態であれば回動翼片12a,12aを短い時間(例えば、0.2秒で1回)開放し、時短状態や確変状態であれば回動翼片12a,12aを長い時間(例えば、1.5秒を3回)開放するので、時短状態や確変状態は通常状態に比べてスタートチャッカー12への入賞率が高くなり、持玉をあまり減らすことなく遊技を継続することができる。
なお、普図の当選確率は、遊技状態にかかわらず1/1(すなわち100%)に設定されているので、玉が通過ゲート11を通過するとスタートチャッカー12の回動翼片12a,12aが必ず開放する。
また、普図表示部15での変動表示中あるいは回動翼片12a,12aの開放動作中において、玉が通過ゲート11を通過したとき、その玉の通過に基づいて行われた当たり抽選(普図抽選)の結果(当たり100%)を一時記憶(保留)し、普図保留表示部16のLEDを1つ点灯する。当たり抽選の結果は最大4つまで保留することが可能であり、先の普図表示部15における変動表示や回動翼片12a,12aの開放動作が終わった後、保留した順に読み出して新たな普図表示部15での変動表示を開始する。
液晶表示部20では、スタートチャッカー12への入賞に基づいて実行される大当たり抽選の当否判定結果に応じて、各桁毎に所定時間にわたり特図が変動表示される。その後、所定の順(例えば、左図柄→右図柄→中図柄の順)に停止表示され、3桁のアラビア数字からなる大当たり図柄(例えば「777」等のゾロ目)又はハズレ図柄(例えば「135」等のバラケ目)が液晶表示装置20に確定表示される。
また、液晶表示部20での変動表示中あるいは大当たり中において、玉がスタートチャッカー12を通過したとき、その玉の通過に基づいて行われた大当たり抽選(特図抽選)の当否判定結果を一時記憶(保留)し、特図保留表示部21のLEDを1つ点灯する。大当たり抽選の結果は最大4つまで保留することが可能であり、先の液晶表示部20における変動表示や大当たりが終わった後、保留した順に読み出して新たな特図の変動表示を液晶表示部20で開始する。
ところで、大当たり抽選(特図抽選)において当否判定を実行するために、複数の当たり値を含む判定テーブル(具体的には、通常用判定テーブル(単位判定テーブル)及び確変用判定テーブル(単位判定テーブル)からなる判定テーブル群)が複数(例えば2群)設定されている。そして、第1判定テーブル群123dと第2判定テーブル群123e(図3参照)とのうちいずれか一方を選択判定テーブル(具体的には選択判定テーブル群)として用いることにより当否判定(現実の表側での大当たり判定)が実行され、その他方を残余判定テーブル(具体的には残余判定テーブル群)として用いることにより擬似判定(架空の裏側での大当たり判定)が導かれている。
また、玉供給皿4の前面中央には、遊技者が操作する第1操作ボタン(以下、Aボタンともいう)6(操作手段)と第2操作ボタン(以下、Bボタンともいう)7とが左右に並んで配置されている。左側のAボタン6の操作によって、第1判定テーブル群123dと第2判定テーブル群123e(図3,図12(a)参照)とのうちいずれか一方が選択判定テーブル群として選択(変更)される(図13参照)。右側のBボタン7の操作によって、上記選択判定テーブル群を選択操作するための画面(図13左列参照)と、選択判定テーブル群を用いた当否判定結果に基づく第1遊技結果(現実の遊技結果)及び残余判定テーブル群を用いた擬似判定結果に基づく第2遊技結果(架空の遊技結果)を比較報知する画面(図13右列参照)とが切り換えられる。
図2は、パチンコ遊技機の電気的構成を概略的に示すブロック図、図3は主回路のRAMを示す構成図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の主制御部100には主回路120が搭載され、副制御回路101及び払出制御回路107が接続されている。
主回路120は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)121(抽選手段;当否判定手段;擬似判定手段;制御手段)、プログラム格納用の読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)122、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)123、及び入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)124を備えており、これらはバス(図示せず)を介して相互に接続されている。なお、その他の各回路も、個別にCPU(制御回路)やメモリを備える構成が一般的であるが、図2では省略している。また、各回路には、電源回路117にて生成された所定電圧の電力が主回路120を介して供給されている。
図3に示すように、RAM123には、上記した第1判定テーブル群123d及び第2判定テーブル群123eからなる判定テーブル群(判定テーブル)がROM122から読み出されて展開されている。具体的には、第1判定テーブル群123dは、当たり値が1(確変大当たり)と2(非確変大当たり)とに設定され、通常状態及び時短状態で用いられる第1通常用判定テーブル(単位判定テーブル)と、当たり値が1〜10(確変大当たり)と11〜20(非確変大当たり)とに設定され、確変状態で用いられる第1確変用判定テーブル(単位判定テーブル)とからなる。他方、第2判定テーブル群123eは、当たり値が101(確変大当たり)及び102(非確変大当たり)に設定され、通常状態及び時短状態で用いられる第2通常用判定テーブル(単位判定テーブル)と、当たり値が101〜110(確変大当たり)及び111〜120(非確変大当たり)に設定され、確変状態で用いられる第2確変用判定テーブル(単位判定テーブル)とからなる。
また、RAM123は、これらの判定テーブル群123d,123eの他に、普図保留記憶領域123a、特図用乱数カウンタ123b(乱数カウンタ)、特図保留記憶領域123c、第1遊技結果記憶領域123f、第2遊技結果記憶領域123g等を有している。普図保留記憶領域123aは、通過ゲート11の玉通過に基づいて行われた当たり抽選(普図抽選)の結果(当たり100%)を一時記憶しておくエリアであり、普図保留表示部16(図2参照)のLED点灯数と同数の普図抽選結果が記憶されている。特図用乱数カウンタ123bは、スタートチャッカー12への入賞に基づいて大当たり抽選(特図抽選)における当否判定(及び擬似判定)用の値を抽出するために、予め定められた範囲内で順次更新される(具体的には、1〜600の範囲で2ms毎にカウントアップされ、600に到達後は再び1に戻る)。特図保留記憶領域123cは、特図用乱数カウンタ123bでの抽出値を一時記憶しておくエリアであり、特図保留表示部21(図2参照)のLED点灯数と同数の抽出値を記憶している。
第1遊技結果記憶領域123fは、第1判定テーブル群123dによる大当たり判定結果(第1判定結果)に基づく第1遊技結果(例えば第1大当たり回数)を累積記憶している。第2遊技結果記憶領域123gは、第2判定テーブル群123eによる大当たり判定結果(第2判定結果)に基づく第2遊技結果(例えば第2大当たり回数)を累積記憶している。
図2に戻り、副制御回路101は、主回路120より入力される音声制御信号に応じてアンプ/スピーカ102より音声を出力させる。また、副制御回路101は、主回路120より入力されるランプ制御信号に応じて装飾ランプ類103の点灯/消灯を制御する。さらに、副制御回路101は、主回路120より入力される表示制御信号を表示制御回路104に出力する。表示制御回路104(表示制御手段)は、副制御回路101を介して入力される表示制御信号に応じて液晶表示部20を制御し、特図の変動表示や演出表示を実行させる。
払出制御回路107は、主回路120より入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が玉供給皿4に払い出される。発射制御回路109は、遊技者がハンドル装置5を操作することに応じて、ハンドル装置5に対応して設けられた発射装置110を作動させ、玉供給皿4に準備された玉を遊技領域3aに向けて発射する。ハンドル装置5の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
主回路120には、通過ゲート11に付設されたゲート通過検出器111、スタートチャッカー12に付設された始動入賞検出器112、及び大入賞装置13に付設された大入賞検出器113からの玉検知信号がそれぞれ入力されている。各検出器111,112,113は、有接点式または無接点式のセンサ(スイッチ)により構成することができる。また、主回路120には、遊技者によるAボタン6、Bボタン7の操作信号がそれぞれ入力されている。
主回路120は、スタートチャッカー12の回動翼片12a,12aを開閉する電チューソレノイド115、大入賞装置13を開閉する大入賞ソレノイド116、特図保留表示部21のLED、普図表示部15のLED、及び普図保留表示部16のLEDをそれぞれ駆動制御している。
次に、図1〜図3を用いて、選択判定テーブル群として第1判定テーブル群123dが選択されている場合のパチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技盤3上での遊技状態の変化)について概要を説明する。
通常状態では、玉が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器111で検知されると、普図保留として普図保留記憶領域123aに記憶される。当たり抽選の結果は必ず当たりとなるので、普図表示部15のLEDを点灯表示させるとともに、電チューソレノイド115を励磁して回動翼片12a,12aを所定時間(0.2秒で1回)開放して、スタートチャッカー12に入賞しやすくする。
玉がスタートチャッカー12に入賞して始動入賞検出器112で検知されると始動条件が成立し、所定数の賞球(例えば1入賞当たり3個)を払い出し、大当たり抽選(特図用乱数カウンタ123bから値を抽出)が実行され、特図保留として特図保留記憶領域123cに記憶される。特図保留記憶領域123cの保留記憶(特図用乱数カウンタ123bからの抽出値)を読み出し、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブル(特図当選確率:1/300)を用いて当否判定(第1判定)し、当否判定結果(第1判定結果)に応じた図柄変動が液晶表示部20で開始される。液晶表示部20では、3桁(左,中,右)の図柄列が所定時間にわたり変動表示され、当否判定結果が大当たりであれば3桁の大当たり図柄(例えば「777」等のゾロ目)が確定表示(停止表示)され、当否判定結果がハズレであれば3桁のハズレ図柄(例えば「135」等のバラケ目)が確定表示(停止表示)される。なお、当否判定結果に基づく第1遊技結果(例えば、現実の表側での大当たり回数)が第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。
液晶表示部20に大当たり図柄が停止表示されると「大当たり状態(特別遊技状態)」となり、大入賞ソレノイド116を励磁することで大入賞装置13を開放し、玉が極めて入り易い状況をもたらす。大入賞装置13は、開放された後、大入賞検出器113による所定数(例えば10個)の入賞検知又は所定時間(例えば25秒)の経過を1ラウンドとし、大入賞ソレノイド116を非励磁にすることで閉鎖される。1回の大当たり状態では、所定ラウンド回数(例えば15回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球(例えば1入賞当たり15個)を得ることができる。
通常状態での大当たり終了後は、50%の割合で確変状態(高確率状態;確変中)となる。すなわち、奇数の大当たり図柄での大当たり(確変大当たり)となった後は確変状態となり、次回の大当たりまで継続する。一方、偶数の大当たり図柄での大当たり(非確変大当たり)となった後は時短状態となり、次回の大当たりが発生するか、特図の変動表示が100回行なわれるか、いずれかが成立するまで継続する。
確変状態においては、通常状態と同様に普図の当選確率は100%に維持され(普図当選確率:1/1)、かつ回動翼片12a,12aの開放時間は長くなる(1.5秒間×3回)とともに、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブル(特図当選確率:1/300)よりも大当たりの当選確率が高い第1確変用判定テーブル(特図当選確率:1/30)によって当否判定が行われる。つまり、確変状態では、スタートチャッカー12への入賞が容易になるので、持玉をさほど減らすことなく遊技できるとともに、すぐに次の大当たりに当選することができる。なお、当否判定結果は第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。
時短状態では、確変状態と同様に普図の当選確率は100%に維持され、回動翼片12a,12aの開放時間が長くなるとともに、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブル(特図当選確率:1/300)によって当否判定が行われる。つまり、時短状態でも、スタートチャッカー12への入賞は容易なので、持玉をさほど減らすことなく遊技できる。新たな大当たりに当選しなければ特図の変動表示が繰り返され、時短状態が終了すると通常状態へ移行する。なお、当否判定結果は第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。
選択判定テーブル群として第1判定テーブル群123dが選択され、第1通常用判定テーブル又は第1確変用判定テーブルに基づく当否判定(現実の表側での大当たり判定)が行われている。このとき同時に、残余判定テーブル群である第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブル(特図当選確率:1/300)又は第2確変用判定テーブル(特図当選確率:1/30)に基づく擬似判定(架空の裏側での大当たり判定)が行われている。表側の遊技では、第1判定テーブル群123dのいずれかの判定テーブルによって特図保留記憶領域123cから読み出された特図保留(特図用乱数カウンタ123bからの抽出値)を当否判定する。このとき、裏側の遊技では、その読み出された特図保留を、第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブル又は第2確変用判定テーブルによって擬似判定(第2判定)し、擬似判定結果(第2判定結果)に基づく第2遊技結果(例えば、架空の裏側での大当たり回数)を第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶している。
例えば、裏側の遊技状態が通常状態であるとき、第2通常用判定テーブルによって読み出された特図保留を擬似判定する。その第2通常用判定テーブルに基づく擬似判定結果が大当たりであっても「大当たり状態」とはならず、擬似判定結果が大当たりであったことを第2遊技結果記憶領域123gに記憶する。その大当たりが確変大当たりであった場合には、それ以降裏側の遊技状態は確変状態となり、非確変大当たりであった場合には、それ以降も裏側の遊技状態は通常状態を維持する。
一方、裏側の遊技状態が確変状態であるとき、第2確変用判定テーブルによって読み出された特図保留を擬似判定する。その第2確変用判定テーブルに基づく擬似判定結果が大当たりであっても「大当たり状態」とはならず、擬似判定結果が大当たりであったことを第2遊技結果記憶領域123gに記憶する。その大当たりが確変大当たりであった場合には、それ以降も裏側の遊技状態は確変状態を維持し、非確変大当たりであった場合には、それ以降裏側の遊技状態は通常状態となる。
なお、表側での現実の遊技で大当たり状態となっているとき、新たな特図保留の読み出しは行われないので、裏側での架空の遊技では表側での新たな特図保留の読み出しが行われるまで待機している。このように、表側での現実の遊技と裏側での架空の遊技とでは、同時に同じ特図保留に対する判定(当否判定と擬似判定)を行っている。しかし、第1判定テーブル群123dと第2判定テーブル群123eとで、判定テーブルに設定されている当たり値はそれぞれ異なっているので、遊技を継続する過程で大当たりと判定するタイミングが異なるとともに、その大当たりの種別によりその後の遊技状態も異なってくる。よって、表側での現実の遊技と裏側での架空の遊技とでは、第1遊技結果記憶領域123fと第2遊技結果記憶領域123gとに累積記憶される遊技結果(履歴)が異なっている。
次に、Aボタン6の操作により、第2判定テーブル群123eを選択判定テーブル群に変更すると、第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブル又は第2確変用判定テーブルによって当否判定(第2判定)が実行され、当否判定結果(第2判定結果)に基づく第2遊技結果(例えば、現実の表側での大当たり回数)が第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶される。また、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブル又は第1確変用判定テーブルによって擬似判定(第1判定)が導かれ、擬似判定結果(第1判定結果)に基づく第1遊技結果(例えば、架空の裏側での大当たり回数)が第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。
なお、選択判定テーブル群を変更するとき、現実の遊技状態が変化しないように当否判定を行う判定テーブルが選択される。例えば、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブルによって当否判定が行われているときに選択判定テーブル群が変更された場合、その時点で第2判定テーブル群123eのいずれの判定テーブルにより擬似判定が行われていたかにかかわらず、変更後の当否判定は第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブルによって行われる。同様に、第1確変用判定テーブルによって当否判定が行われているときに選択判定テーブル群が変更された場合には、変更後の当否判定は第2確変用判定テーブルによって行われる。
また、選択判定テーブル群が変更されるときには、第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶されている第1遊技結果及び第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶されている第2遊技結果が一旦消去(リセット)される。その後、両記憶領域123f,123gには、第1判定テーブル群123dに基づく第1遊技結果及び第2判定テーブル群123eに基づく第2遊技結果がそれぞれ新たに累積記憶される。
以上説明したように、液晶表示部20で新たな図柄変動を開始するために特図保留を読み出したとき、第1判定テーブル群123dのいずれか一方の判定テーブルによって第1判定が行われ、その第1判定結果に基づく第1遊技結果が第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。それと同時に、第2判定テーブル群123eのいずれか一方の判定テーブルによって第2判定が行われ、その第2判定結果に基づく第2遊技結果が第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶される。このとき、選択判定テーブル群として選択されているいずれか一方の判定テーブル群に基づく判定結果に従って表側での現実の遊技が進行し、選択されなかった他方の残余判定テーブル群に基づく判定結果に従って裏側での架空の遊技が進行する。
次に、パチンコ遊技機1の制御態様について、図4〜図11に示すフローチャート、図12に示す一覧表及び図13に示す画面表示例に従って説明する。なお、以後のフローチャートにおいて、判定群フラグはAボタン6の操作により選択(変更)された選択判定テーブル群を表わし、第1判定フラグは第1判定テーブル群123dに基づく大当たり判定(第1判定)で用いる単位判定テーブルを表わし、第2判定フラグは第2判定テーブル群123eに基づく大当たり判定(第2判定)で用いる単位判定テーブルを表わす。判定群フラグ、第1判定フラグ及び第2判定フラグは、制御プログラムのスタート時(液晶表示部20での図柄変動前の待機状態)において、いずれも0に初期化されている(図12参照)。
図4はボタン操作処理のフローチャートを示す。遊技者によりAボタン6が操作されると、操作信号が主回路120に送信される。主回路120は、Aボタン6の操作信号を受信すると(S1:YES)、液晶表示部20が待機画面を表示中であるかを判定する(S2)。待機画面(図柄変動前の画面;図13参照)の表示中であれば(S2:YES)、主回路120は判定テーブル群を変更するための第1選択画面(図13左列参照)を液晶表示部20に表示させる(S3)。第1選択画面の表示中はAボタン6及びBボタン7の操作待ち状態となり、遊技者によるAボタン6の操作信号を受信すると(S4:YES)、主回路120は判定群フラグ(図12(a)参照)を変更して選択判定テーブル群を変更する(S5)。
このとき、変更前の選択判定テーブル群に関連付けられた判定フラグ(図12(b)の第1判定フラグ又は図12(c)の第2判定フラグ)を参照し、変更後の選択判定テーブル群に関連付けられた判定テーブルを、必要であれば変更して、変更前の選択判定テーブル群に関連付けられた判定テーブルに合わせる。これにより、選択判定テーブル群の変更前と変更後とで現実の遊技状態を維持する。また、第1判定テーブル群123dによる大当たり判定結果(第1判定結果)に基づき第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶された大当たり回数(第1遊技結果)及び第2判定テーブル群123eによる大当たり判定結果(第2判定結果)に基づき第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された大当たり回数(第2遊技結果)をともにリセットする(S6)。さらに、主回路120は判定テーブル群の変更終了を報知するための変更完了画面(図13左列参照)を液晶表示部20に表示させる(S7)。
一方、第1選択画面の表示中にAボタン6の操作信号を受信せず(S4:NO)、代わりに遊技者によるBボタン7の操作信号を受信すると(S10:YES)、主回路120は第1遊技結果記憶領域123f及び第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された各々の大当たり回数を報知するための第2選択画面(図13右列参照)を液晶表示部20に表示させる(S11)。第2選択画面の表示中はAボタン6及びBボタン7の操作待ち状態となり、遊技者によるAボタン6の操作信号を受信すると(S12:YES)、主回路120は第1遊技結果記憶領域123f及び第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された各々の大当たり回数を読み出す(S13)。
さらに主回路120は、判定群フラグ(図12(a)参照)を確認し、判定群フラグが0であれば、第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶された現実の(表側での)大当たり回数を上段に位置させ、第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された架空の(裏側での)大当たり回数を下段に位置させて、液晶表示部20に大当たり回数画面(図13右列参照)を表示させる(S14)。なお、判定群フラグが1の場合には、第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された大当たり回数を上段に位置させ、第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶された大当たり回数を下段に位置させて、大当たり回数画面を表示させる。また、第2選択画面の表示中にAボタン6の操作信号を受信せず(S12:NO)、代わりに遊技者によるBボタン7の操作信号を受信すると(S15:YES)、第1選択画面の表示に戻る(S3)。
さらに、変更完了画面の表示中(S7)又は大当たり回数画面の表示中(S14)に、遊技者によるAボタン6又はBボタン7の操作信号を受信すると(S8:YES)、主回路120は液晶表示部20を元の待機画面(図13参照)の表示に戻す(S9)。
なお、最初のAボタン6の操作信号を受信していないとき(S1:NO)、及び液晶表示部20が待機画面を表示中でないときには(S2:NO)、直ちにボタン操作処理を終了する。また、液晶表示部20で図柄変動が開始されると、ボタン操作処理は強制終了され、特図変動処理(図9)に移行する。
ところで、上記したように、制御プログラムのスタート時(待機状態)には判定群フラグ(図12(a)参照)は0に初期化されている。そこで、以後の説明では、遊技者によりAボタン6又はBボタン7が操作される前の遊技状態について記載する。つまり、選択判定テーブル群に選択(初期設定)された第1判定テーブル群123dによって実行される第1判定を当否判定とし、その第1判定結果を当否判定結果として、第1判定結果に基づく第1遊技結果(現実の表側での大当たり回数)が第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶される。一方、残余判定テーブル群に選択(初期設定)された第2判定テーブル群123eによって実行される第2判定を擬似判定とし、その第2判定結果を擬似判定結果として、第2判定結果に基づく第2遊技結果(架空の裏側での大当たり回数)が第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶される。
図5は始動入賞処理のフローチャートを示す。スタートチャッカー12に併設される始動入賞検出器112が玉の通過を検出すると、検出信号が主回路120に送信される。主回路120は、始動入賞検出器112から検出信号を受信すると(S21:YES)、特図保留が3つ以下か否かを判定する(S22)。なお、特図保留は、主回路120のRAM123の特図保留記憶領域123eに一時記憶されることになっている。主回路120は、特図保留が3つ以下と判定すると(S22:YES)、特図用乱数カウンタ123bより値を抽出し(S23)、その抽出した値を特図保留としてRAM123の特図保留記憶領域123eに記憶して(S24)、始動入賞処理を終了する。なお、始動入賞検出器112から検出信号を受信しないとき(S21:NO)、及び特図保留が4つであったときには(S22:NO)、新たな特図保留を記憶することができないので、直ちに始動入賞処理を終了する。
図6は表示開始処理のフローチャートを示す。主回路120は、大当たり中であるか否か判定し(S31)、大当たり中でないと判定したとき(S31:NO)、液晶表示部20が特図の変動表示中であるか否か判定する(S32)。変動表示中でないと判定したとき(S32:NO)、RAM123の特図保留記憶領域123cに特図保留があるかを確認し(S33)、特図保留があれば(S33:YES)、特図読出処理を実行して(S34)、表示開始処理を終了する。なお、大当たり中であると判定したとき(S31:YES)、特図の変動表示中であると判定したとき(S32:YES)、及び特図保留がないときには(S33:NO)、新たな特図の変動表示を開始することができないので、直ちに表示開始処理を終了する。
次に、図7は図6の特図読出処理サブルーチンのフローチャートを示す。図7に示す特図読出処理(S40)では、主回路120は、RAM123の特図保留記憶領域123cから最古の特図保留を読み出して、判定処理を実行する(S42)。
図8は上記した図7の判定処理サブルーチンのフローチャートを示す。図8に示す判定処理(S42)では、主回路120は、第1判定フラグ(図12(b)参照)が0であるか否か判定する(S421)。第1判定フラグが0であれば(S421:YES)、第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブルで大当たり判定(第1判定)を実行し(S422)、その大当たり判定結果を第1判定結果として第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶する(S424)。一方、第1判定フラグが1であれば(S421:NO)、第1判定テーブル群123dの第1確変用判定テーブルで大当たり判定(第1判定)を実行し(S423)、その大当たり判定結果を第1判定結果として第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶する(S424)。
さらに主回路120は、第2判定フラグ(図12(c)参照)が0であるか否か判定する(S425)。第2判定フラグが0であれば(S425:YES)、第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブルで大当たり判定(第2判定)を実行し(S426)、その大当たり判定結果を第2判定結果として第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶し(S428)、判定処理サブルーチンを終了する。一方、第2判定フラグが1であれば(S425:NO)、第2判定テーブル群123eの第2確変用判定テーブルで大当たり判定(第2判定)を実行し(S427)、その大当たり判定結果を第2判定結果として第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶し(S428)、判定処理サブルーチンを終了する。
図7の特図読出処理サブルーチンに戻り、主回路120は判定群フラグ(図12(a)参照)が0であるか否か判定する(S43)。判定群フラグが0(すなわち、選択判定テーブル群が第1判定テーブル群123dであり、第1判定が当否判定に該当する)であれば(S43:YES)、当否判定結果である第1判定結果に基づいて、主回路120は液晶表示部20における特図の停止図柄、変動時間、及び変動パターンを決定する(S44)。一方、判定群フラグが1(すなわち、選択判定テーブル群が第2判定テーブル群123eであり、第2判定が当否判定に該当する)であれば(S43:NO)、当否判定結果である第2判定結果に基づいて、主回路120は液晶表示部20における特図の停止図柄、変動時間、及び変動パターンを決定する(S45)。さらに、これらの停止図柄、変動時間、及び変動パターンの決定後(S44,S45)、特図変動処理及び判定フラグ更新処理を実行して(S46,S47)、特図読出処理サブルーチンを終了する。
次に、図9は上記した図7の特図変動処理サブルーチンのフローチャートを示す。図9に示す特図変動処理(S46)では、主回路120は、変動タイマを作動開始させて液晶表示部20にて特図の変動を開始し(S461)、液晶表示部20での特図の停止図柄と変動時間とを副制御回路101へ通知する。その後主回路120は、所定時間(変動時間)の経過を待って(S462:YES)、副制御回路101へ特図の変動終了(停止表示)を指示する(S463)。続いて主回路120は、特図の停止図柄(当否判定結果)が大当たりであるか否か判定し(S464)、大当たりであれば(S464:YES)、大当たりフラグを1に変更して(S495)、特図変動処理を終了する。なお、大当たりでなければ(S495:NO)、そのまま特図変動処理サブルーチンを終了する。
さらに、図10は上記した図7の判定フラグ更新処理サブルーチンのフローチャートを示す。図10に示す判定フラグ更新処理(S47)では、主回路120は、第1判定テーブル群123dでの第1判定結果が大当たりであるかを確認し(S471)、第1判定結果が大当たりであれば(S471:YES)、第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶された第1大当たり回数をインクリメント(+1)する(S472)。
続いて主回路120は、第1判定結果が確変大当たりであるかを確認し(S473)、確変大当たりであれば(S473:YES)、第1判定フラグ(図12(b)参照)が0であるか否か判定する(S474)。第1判定フラグが0であれば(S474:YES)、第1判定フラグを1に変更して、当否判定用テーブルを第1判定テーブル群123dの第1確変用判定テーブルに切り換える(S475)。ただし、第1判定フラグが1であれば(S474:NO)、すでに第1確変用判定テーブルにて第1判定が行われているので、そのまま次のステップに進む。一方、主回路120は、第1判定結果が確変大当たりでない(すなわち非確変大当たり)場合には(S473:NO)、第1判定フラグが1であるか否か判定する(S476)。第1判定フラグが1であれば(S476:YES)、第1判定フラグを0に変更して、当否判定用テーブルを第1判定テーブル群123dの第1通常用判定テーブルに切り換える(S477)。ただし、第1判定フラグが0であれば(S476:NO)、すでに第1通常用判定テーブルにて第1判定が行われているので、そのまま次のステップに進む。
次に、主回路120は、第2判定テーブル群123eでの第2判定結果が大当たりであるかを確認し(S478)、第2判定結果が大当たりであれば(S478:YES)、第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された第2大当たり回数をインクリメント(+1)する(S479)。
続いて主回路120は、第2判定結果が確変大当たりであるかを確認し(S480)、確変大当たりであれば(S480:YES)、第2判定フラグ(図12(c)参照)が0であるか否か判定する(S481)。第2判定フラグが0であれば(S481:YES)、第2判定フラグを1に変更し、擬似判定用テーブルを第2判定テーブル群123eの第2確変用判定テーブルに切り換えて(S482)、判定フラグ更新処理サブルーチンを終了する。ただし、第2判定フラグが1であれば(S481:NO)、そのまま判定フラグ更新処理サブルーチンを終了する。一方、主回路120は、第2判定結果が確変大当たりでない(すなわち非確変大当たり)場合には(S480:NO)、第2判定フラグが1であるか否か判定する(S483)。第2判定フラグが1であれば(S483:YES)、第2判定フラグを0に変更し、擬似判定用テーブルを第2判定テーブル群123eの第2通常用判定テーブルに切り換えて(S484)、判定フラグ更新処理サブルーチンを終了する。ただし、第2判定フラグが0であれば(S483:NO)、そのまま判定フラグ更新処理サブルーチンを終了する。
なお、第1判定テーブル群123dでの第1判定結果が大当たりでない場合には(S471:NO)、第2判定テーブル群123eでの第2判定結果が大当たりであるかの確認ステップ(S478)へ直ちに移行する。また、その第2判定結果が大当たりでない場合には(S478:NO)、直ちに判定フラグ更新処理サブルーチンを終了する。
次に、図11は大当たり処理のフローチャートを示す。主回路120は、大当たりフラグが1であるか否か判定し(S51)、大当たりフラグが1(すなわち大当たり状態の発動中)であれば(S51:YES)、ラウンド数をインクリメント(+1)し(S52)、アタッカー13を開放する(S53)。アタッカー13の開放状態は大入賞検出器113が入賞可能個数10個を検知したとき(S54:YES)、又は開放状態が25秒経過したとき(S55:YES)に終了し、アタッカー13を閉鎖する(S56)。次に、主回路120は、ラウンド数が15に達しているか否かを判定し(S57)、ラウンド数が15に達していなければ(S57:NO)、大当たり処理を一旦終了した後、再度大当たり処理を実行し、ラウンド数が15に達するまで繰り返す。ラウンド数が15に達していれば(S57:YES)、大当たりフラグを0(すなわち大当たり状態の終了)に変更して(S58)、大当たり処理を終了する。また、大当たりフラグが0の場合(S51:NO)には、直ちに大当たり処理を終了する。
このように、第1判定テーブル群123dと第2判定テーブル群123eとのうち遊技者が選択しなかった残余判定テーブル群においても擬似判定を導き、その擬似判定結果に基づいていわばダミーの遊技(擬似遊技)を行い、架空の裏側での遊技結果(大当たり回数)を液晶表示部20で報知することができる。その際、遊技者が選択した選択判定テーブル群での当否判定結果に基づく現実の遊技結果(大当たり回数)と、上記架空の遊技結果(大当たり回数)とを比較対照して報知するので、遊技者自身で選択が正しかったかを確認できるとともに、興趣の向上を図り注目度を高めることができる。
また、各判定テーブル群123d,123eが、ともに2個の単位判定テーブル(通常用判定テーブルと確変用判定テーブル)で構成される。これによって、選択判定テーブル群での当否判定結果に基づく現実の(表側での)遊技結果と、残余判定テーブル群での擬似判定結果に基づく架空の(裏側での)遊技結果との格差(乖離)が相対的に小さくなり、両遊技結果の比較対照が容易になる。
さらに、遊技者がAボタン6を操作して判定群フラグ(選択判定テーブル群)を変更したとき(図4のS5)、第1判定フラグ及び第2判定フラグを確認し、変更後の選択判定テーブル群に関連付けられた判定フラグを変更前の選択判定テーブル群に関連付けられた判定フラグと一致させるようにした。その結果、遊技領域における現実の遊技状態が変更前の通常状態(又は確変状態)から変更後の確変状態(又は通常状態)へ急変することがなくなる。よって、遊技者に不安感や不信感を抱かせることなく、遊技の連続性を保持することができる。
(変形例)
図14は、図13の大当たり回数画面に代わる大当たり履歴画面の表示例を示す。大当たり履歴とは、判定群フラグ(図12(a)参照)が変更(図4のS5)されてから特図保留の判定結果が大当たりと判定されるまで(若しくは現在まで)、又は大当たりが終了してから次に大当たりと判定されるまで(若しくは現在まで)の変動回数を履歴として記憶したものである。その際、大当たりが確変大当たりか非確変大当たりかを判別可能に記憶している。
具体的には、第1遊技結果記憶領域123f及び第2遊技結果記憶領域123g(図3参照)では、特図保留の第1判定及び第2判定が行われる毎に大当たり履歴の最新行の変動回数をインクリメント(+1)している。その判定結果が大当たりであった場合には、その大当たりが確変大当たりであったのか非確変大当たりであったのかを判別可能に大当たり履歴の最新行に記憶している。その後新たな特図保留の判定が行われたときには、新たな行を追加して、その最新行の変動回数をインクリメント(+1)していく。このようにして、各判定結果に基づく大当たり履歴(遊技結果)が各遊技結果記憶領域123f,123gに形成される。
したがって、図4において、選択判定テーブル群として第1判定テーブル群123dが選択されている状態で、第2選択画面の表示中(S11)に遊技者によるAボタン6の操作信号を受信すると(S12:YES)、主回路120は第1遊技結果記憶領域123f及び第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された各々の大当たり履歴を読み出す(S13)。さらに主回路120は、第1遊技結果記憶領域123fに累積記憶された現実の(表側での)大当たり履歴を左側に位置させ、第2遊技結果記憶領域123gに累積記憶された架空の(裏側での)大当たり履歴を右側に位置させて、図14に示す大当たり履歴画面を液晶表示部20に表示させる(S14)。
これによって、遊技者は第1遊技結果記憶領域123fでの現実の遊技状態と、第2遊技結果記憶領域123gでの架空の遊技状態との差異を理解しやすくなり、選択判定テーブル群の変更操作を行ってよかったのか否かを判断することができる。なお、図14の大当たり履歴画面において、「変動回数」欄の数字は大当たり当選までに要した特図変動回数を示すから、累計変動回数は等しくなる(この例では1171回)。また、「大当たり」欄の『確変』は当選種別が確変大当たり(奇数の大当たり図柄)、『非確変』は当選種別が非確変大当たり(偶数の大当たり図柄)であったことを示す。
以上で説明した実施例の他、本発明は次のように実施してもよい。
(1)実施例では、パチンコ遊技機について説明したが、スロットマシンにおいて、各役の当選確率に複数段階の格差を持たせた「設定」毎に複数の判定テーブルを設けてもよい。この場合には、各判定テーブルでボーナス、小役、リプレイ等の役に係る当たり値を異ならせることができる。例えば、いずれかの判定テーブルで小役に当選したときにのみ表示される演出が用意されていると遊技状態の興趣を一層高めることができる。
(2)Aボタン6の操作によって、開店から現在まで判定群フラグを変更しなかった場合の各判定テーブル群による大当たり回数を、開店から現在までの選択判定テーブル群による現実の大当たり回数と比較可能に表示したり、さらにはAボタン6の操作によって選択されなかった残余判定テーブル群による架空の大当たり回数を累計して表示したりすることができる。これらによって、遊技者は自己の選択が正しかったかを確認できる。
(3)遊技機にRTC(Real Time Clock)を備え、大当たり回数を所定周期(例えば1日毎)で所定期間(例えば1週間)蓄積し、集計表示してもよい。これによって、日報のような形態で遊技者にデータ提供することもできる。
(4)遊技者が選択しなかった残余判定テーブル群による擬似判定結果(例えば大当たり)に基づいて、液晶表示部20で変動表示中の演出パターン(例えば大当たりとなる期待値の高い特別なリーチ演出)を決定(実行)してもよい。これによって、遊技者は擬似判定結果が大当たりであったかも知れないと思うのと同時に、遊技者に対して選択判定テーブル群を変更するか否か考えるきっかけを与えることができる。
(5)実施例では、2つの判定テーブル群123d,123eからいずれか一方を選択判定テーブル群とし、他方を残余判定テーブル群に設定したが、3以上の判定テーブル群を用いてもよい。
(6)実施例では、各判定テーブル群は、いずれも通常用判定テーブルと確変用判定テーブルとからなる2つの単位判定テーブルで構成されているが、3以上の単位判定テーブルで構成したり、判定テーブル群毎に異なる数の単位判定テーブルで構成したりしてもよい。なお、判定テーブル群毎に異なる数の単位判定テーブルで構成する場合には、いずれの判定テーブル群を選択しても、遊技で得られる出玉の期待値を等しく設定しておくことが望ましい。
(7)実施例では、選択判定テーブル群を変更するとき、現在の遊技状態を維持するようにしたが、変更先の選択判定テーブル群に合わせるようにしてもよい。例えば、通常状態や時短状態で遊技中に、残余判定テーブル群では確変用判定テーブルによって当否判定中である場合、選択判定テーブル群を変更するといきなり確変状態に遊技が変更される。この場合、時短状態に遷移してからの特図の変動回数が例えば50回以内でないと選択判定テーブル群の変更が行えないようにすると、遊技者は、時短状態での残り変動回数50回が消滅して通常状態に遊技が変更されてしまうリスクを負って、確変状態に遷移することを期待しながら選択判定テーブル群の変更操作を行うことになる。
(8)選択判定テーブル群を変更する際の条件(例えば、特図変動100回までは再変更できない;通常状態でのみ変更可能など)を設定してもよい。