JP2009188450A - ヘッドホンモニタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドホンで、複数の入力音を聞きながら任意の入力音を集中して聴くことができるヘッドホンモニタ装置を提供する。
【解決手段】ヘッドホンモニタ装置1は、複数の音信号をミキシングしてヘッドホン3でモニタする場合に、選択したチャンネルの音信号には頭外定位処理を行わずに、遅延回路19で遅延処理を行って出力し、選択された音信号以外の音信号には畳み込みフィルタ17で頭外定位処理を行う。これにより、選択した音信号のみを頭内に定位させ、その他の音信号を頭外に定位させることができ、自分の楽器の演奏音を集中してモニタでき、かつバック演奏音源を自然な聴き疲れしない音としてモニタできるようになる。また、選択するチャンネルを変更することで、頭内定位させるチャンネルの音を変更できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、ヘッドホンで、複数の入力音を聞きながら任意の入力音を集中して聴くことができるヘッドホンモニタ装置に関する。
従来、楽器の練習時やレコーディング時には、演奏者はヘッドホンモニタ装置でミックスされた演奏音をヘッドホンでモニタする。図1は、(A)が従来のヘッドホンモニタ装置のブロック図であり、(B)が従来のヘッドホンモニタ装置に頭外定位技術を適用した場合のブロック図である。図1(A)に示すヘッドホンモニタ装置101は、入力端子111−1L・111−1R(ch1),111−2L・111−2R(ch2)から演奏者の楽器の演奏音信号と、録音再生装置から出力されたバック演奏音(バック音源)信号が入力されると、これらの信号をA/Dコンバータ113−1,113−2でA/D変換し、バランス利得制御部123−1,123−2で信号バランスを調整し、加算器(ミキサ)125L,125Rで2チャンネルステレオにミックスする。そして、ミックスした信号をD/Aコンバータ127でD/A変換した後に、出力端子129L・129Rを介してヘッドホン103に出力する。なお、図には、入力音信号が共にアナログ音信号の場合を示している。
ヘッドホンで音を聴く場合には、スピーカ出力を聴く場合と異なり、音像が頭の中にこもるような聴感になることはよく知られている。これは一般に”頭内定位”と呼ばれており、正しい音像定位を損ない、また長時間のヘッドホン聴取時の聴き疲れの原因にもなっている。図1(A)に示したような従来のヘッドホンモニタ装置は、複数の音信号をステレオミックスするだけなので、全ての音の音像が頭内定位するため、長時間の使用では聴き疲れし易いという問題があった。
一方、上記問題を解消するために、ヘッドホンでもスピーカで聴いているような頭の外から自然に立体的に音が聞こえる(音像が頭外に定位する)装置が開発されている。これらの装置では、スピーカ再生時のスピーカから耳までの伝達関数を測定し、それを畳み込むことによって実現している。この伝達関数は、頭部の形で決定される特性を関数で表したものであり、頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Function)と一般に呼ばれる。音像を頭外定位させる装置としては、例えば、コンテンツを聴く場合の頭内定位の違和感を解消するためのものや、電子楽器のヘッドホンモニタ時のステレオ感を改善するものなどが提案されている(特許文献1、2参照。)。
特許第3514639号公報 特許第3594281号公報
しかしながら、従来のヘッドホンでの音像頭外定位技術は、ヘッドホンで聴く音全ての音像を頭外定位させることを前提としたものであった。そのため、図1(B)に示すように、この頭外定位処理を仮に現状のヘッドホンモニタ装置101に適用した場合、ヘッドホンモニタ装置101とヘッドホン103の間に頭外定位処理部141を設けることになり、演奏者の楽器の演奏音も含めて全ての音像が頭外に定位してしまう。この場合、聴き疲れ感は減少するが、演奏者の楽器の演奏音の音像も頭外に定位するため、演奏者は、自分の演奏を集中してモニタすることができない。
また、音楽プロデューサ等が、楽器の練習時やレコーディング時に、複数の演奏音の全体のバランスや各演奏音を個別にモニタしたい場合等にも、従来のヘッドホンモニタ装置を用いると全ての音の音像が頭内または頭外に定位するため、集中してモニタすることができない。
そこで、本発明は、ヘッドホンで、複数の入力音を聞きながら任意の入力音を集中して聴くことができるヘッドホンモニタ装置を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)音信号入力用の複数の入力インタフェース手段と、前記複数の入力インタフェース手段のうち、任意の入力インタフェース手段を選択する操作手段と、前記選択した入力インタフェース手段以外の入力インタフェース手段から入力された音信号に対して、聴取者の周囲に設定された各仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を頭部伝達関数に基づいて付与する仮想定位付与手段と、前記選択した入力インタフェース手段から入力され、前記仮想定位付与手段が周波数特性を付与していない音信号と、前記選択した入力インタフェース手段以外の入力インタフェース手段から入力され、前記仮想定位付与手段が周波数特性を付与した音信号とを、入力タイミングを調整した後に加算して加算音信号を出力する加算手段と、前記加算音信号出力用の出力インタフェース手段と、を備えたことを特徴とする。
民生オーディオ分野では、ヘッドホンによる自然な頭外定位実現のため、この技術の研究や応用が続けられている。発明が解決しようとする課題では頭内定位のデメリットについて述べたが、頭内定位はデメリットばかりかというと必ずしもそうではない。例えば、自分で楽器等を演奏し、その音をヘッドホンでモニタする場合には、演奏音の音像が頭内に定位すると、その演奏音を注意深く聴きながら演奏に集中することができる。このように、楽器を単独で演奏する場合には、1つの演奏音のみを聴取するので聴き疲れも発生しにくい。
一方、演奏者が、既にレコーディング済みの音源やカラオケ等にあわせて演奏する場合には、その音源と自分の演奏音をヘッドホンモニタ装置で2チャンネルにミックスした音をヘッドホンでモニタしながら演奏することになる。この場合には、自分の演奏音も含めて全ての音の音像が頭内に定位するため、長時間の演奏では聴き疲れし易くなる。
そこで、本発明のヘッドホンモニタ装置では、複数の音信号をミキシングしてヘッドホンでモニタする場合に、選択した音信号には頭外定位処理を行わずに出力し、選択した音信号以外の音信号には聴取者の周囲に設定された各仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を頭部伝達関数に基づいて付与し、頭外定位処理を行うように構成する。これにより、選択した音信号の音像のみを頭内に定位させ、選択していないその他の音信号の音像を頭外に定位させることができる。例えば上記のように、演奏者が既にレコーディング済みの音源やカラオケ等にあわせて演奏する場合には、自分で演奏する楽器の演奏音のみ従来手法(+遅延処理)とし、その演奏音を頭外定位処理を行ったバック演奏音源とミキシングする。その結果、自分の楽器の演奏音の音像は頭内定位し、それ以外の音源(バック演奏音源)の音像が頭外定位するので、自分の楽器の演奏音を集中してモニタでき(聴くことができ)、かつバック演奏音源を自然な聴き疲れしない音としてモニタできる(聞くことができる)ようになる。
また、ヘッドホンモニタ装置では、頭内に定位させる音信号を入力する入力インタフェース手段を任意に選択できるので、状況に応じて操作手段を操作して入力インタフェース手段の選択を変更することで、音像を頭内定位させる音信号を変更できる。これにより、複数の演奏音を同時に聞きつつ、各演奏音を個別に集中して聴くことができる。
さらに、数個の入力インタフェース手段を選択することで、数個の音信号の音像を頭内に定位させて、他の音信号の音像を頭外に定位させることができる。これにより、複数の演奏音を同時に聞きつつ、数個の音信号の演奏のズレやバランスを集中して確認できる。
(2)前記操作手段は、前記選択した入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力される音信号の仮想定位位置を設定する手段であり、
前記仮想定位付与手段は、前記選択した入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力された音信号に対して、前記操作手段が設定した仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を付与する手段である。
この構成においては、操作手段が、選択した入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力される音信号の仮想定位位置の設定を受け付けると、仮想定位付与手段は、選択された入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力された音信号に対して、操作手段が受け付けた仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を付与する。したがって、聴取者は、操作手段を操作して、頭外に定位させる音信号の音像を所望の位置に設定できるので、例えば各楽器の音像を実際にステージで演奏する際のオーケストラやバンドの配置にすることで、自分の演奏音に集中しつつ、全体の演奏音と自分の演奏音とのバランスも、生演奏と同じ状態で確認できる。
この発明によれば、選択した音信号の音像のみを頭内に定位させ、選択していないその他の音信号の音像を頭外に定位させることができる。また、音像を頭内定位させる音信号を変更できる。さらに、数個の音信号の音像を頭内に定位させて、他の音信号の音像を頭外に定位させることができる。
以下、本発明のヘッドホンモニタ装置の詳細について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るヘッドホンモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ヘッドホンモニタ装置1は、一例としてステレオnチャンネル入力・ステレオ1チャンネル出力であり、入力端子11−1L・11−1R,11−2L・11−2R,…,11−nL・11−nR、A/Dコンバータ13−1,13−2,…,13−n、スイッチ15−1,15−2,…,15−n、畳み込みフィルタ17−1,17−2,…,17−n、遅延回路19−1,19−2,…,19−n、バランス利得制御部23−1,23−2,…,23−n、加算器25L,25R、D/Aコンバータ27、出力端子29L・29R、記憶部31、操作部33、表示部35、及び制御部37を備えている。
入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRは、ヘッドホンモニタ装置1の入力インタフェースであり、ヘッドホンモニタ装置1に接続された外部接続機器、例えば不図示の楽器7、録音再生装置8、マイク9等が接続される。そして、これら外部接続機器が出力した音信号、すなわち楽器7の演奏音や、予め録音しておき録音再生装置8が再生した演奏音や、別の部屋等で演奏していたりする演奏音や、マイク9で収音された歌声や演奏音等の音信号が、入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRのいずれかを介してヘッドホンモニタ装置1に入力される。
なお、図2には、一例として、各入力系統ともステレオ2チャンネルの場合を示している。また、ヘッドホンモニタ装置1では、楽器7やマイク9の入力がモノラルの場合は2チャンネルに分岐しても良く、また、マルチチャンネルの場合は、装置本体のチャンネル数を拡張して対応しても良い。
また、図2において、入力端子11−1L・11−1Rをch1(チャンネル1)、入力端子11−2L・11−2Rをch2(チャンネル2)、…、入力端子11−nL・11−nRをchn(チャンネルn)とも称する。
A/Dコンバータ13−1〜13−nは、入力端子11を介して入力されたアナログ音信号をデジタル音信号に変換する。なお、入力音信号がデジタル音信号の場合には、A/Dコンバータは不要である。
スイッチ15−1〜15−nは、A/Dコンバータ13−1〜13−nを、畳み込みフィルタ17−1〜17−n、または遅延回路19−1〜19−nに接続し、その接続を切り替えるためのものである。各スイッチ15−1〜15−nは、操作部33におけるチャンネルの選択操作に応じて、制御部37からの制御信号により接続が切り替えられる。例えば、操作部33が操作されてch2が選択されると、制御部37はこの操作を検出して各スイッチ15−1〜15−nを制御して(切り替えて)、A/Dコンバータ13−2を遅延回路19−2に接続し、A/Dコンバータ13−1,13−3〜13−nをそれぞれ畳み込みフィルタ17−1,17−3〜17−nに接続する。
なお、制御部37を介さずに、各スイッチを演奏者が手動で直接切り替える構成にすることも可能である。
スイッチ15−1は、初期状態では、遅延回路19−1側に接続されている。また、スイッチ15−2〜15−nは、初期状態では、畳み込みフィルタ17−2〜17−n側に接続されている。
畳み込みフィルタ17−1〜17−nは、頭外定位処理を行うフィルタである。図3は、畳み込みフィルタの構成を示すブロック図である。各畳み込みフィルタ17−1〜17−nは、畳み込み演算部41LL,41LR,41RL,41RR、左耳信号加算部43L、及び右耳信号加算部43Rを備えている。畳み込みフィルタ17−1〜17−nでは、記憶部31に用意された頭部伝達関数係数と入力音信号を畳み込み演算し、聴取者の周囲に設定された各仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を頭部伝達関数に基づいて付与することで、頭外定位を実現する。
畳み込み演算部41LLには、記憶部31に用意された頭部伝達関数係数であるLch左耳係数が設定される。また、畳み込み演算部41LRには、記憶部31に用意された頭部伝達関数係数であるLch右耳係数が設定される。また、畳み込み演算部41RLには、記憶部31に用意された頭部伝達関数係数であるRch左耳係数が設定される。また、畳み込み演算部41RRには、記憶部31に用意された頭部伝達関数係数であるRch右耳係数が設定される。
記憶部31には、頭部伝達関数係数が右耳用と左耳用をそれぞれのチャンネル数分用意されており、畳み込み演算部41LL,41LR,41RL,41RRで、それぞれ個別に入力音信号を畳み込んだ後、右耳・左耳の畳み込み結果を左耳信号加算部43L及び右耳信号加算部43Rで加算して出力する。すなわち、左耳信号加算部43Lは、畳み込み演算部41LLと畳み込み演算部41RLの畳み込み演算結果を加算する。また、右耳信号加算部43Rは、畳み込み演算部41LRと畳み込み演算部41RRの畳み込み演算結果を加算する。
なお、頭部伝達関数係数の時間長が比較的短い場合は、FIRフィルタによる時間領域の畳み込み演算を使用するが、係数時間長が長い場合には、処理負荷軽減のため周波数領域でのFFT畳み込み演算を使用することもある。
また、ヘッドホンモニタ装置1では、操作部33の操作により、音像を定位させる位置を変更することが可能であり、この場合、制御部37は操作部33の操作により設定された音像の定位位置に応じて、畳み込みフィルタ17−1〜17−nの畳み込み演算部41LL,41LR,41RL,41RRに設定する頭部伝達関数係数を変更する。
遅延回路19−1〜19−nは、畳み込みフィルタ17−1〜17−nで畳み込み演算されていない音信号を遅延させて、畳み込みフィルタ17−1〜17−nで畳み込み演算された音信号との加算器25L,25Rへの入力タイミングが一致するように調整する。
バランス利得制御部23−1〜23−nは、各音信号の利得を制御するためのものであり、演奏者の好みで、自分の演奏音とバックの演奏音の音量レベルバランスを調整することができる。それぞれの利得を独立に調整しても良いが、ひとつのパラメータでバランスを制御しても良い。例えば、ヘッドホンモニタ装置1のch1とch2を使用する場合、
m_gain_ch1=1.0−m_gain_ch2
として、ひとつのパラメータでバランスを制御しても良い。この場合、
0≦m_gain_ch1≦1.0、0≦m_gain_ch2≦1.0
となる。
加算器25L,25Rは、バランス利得制御部23−1〜23−nが出力した各音信号をLチャンネルとRチャンネルでそれぞれ加算し、2チャンネルステレオ音信号にして、D/Aコンバータ27に出力する。
D/Aコンバータ27は、加算器25L,25Rが出力したデジタル音信号をヘッドホン出力のためアナログ音信号に変換する。なお、D/Aコンバータ27を設けずにデジタル音信号のまま出力して、外部に設けた別の装置でD/A変換するように構成することも可能である。
出力端子29L・29Rは、ヘッドホン3や録音再生装置5等の外部接続機器を接続するための出力インタフェースであり、D/Aコンバータ27で変換されたアナログ音信号を外部接続機器に出力する。
記憶部31は、複数の頭部伝達関数係数を記憶する。ヘッドホンモニタ装置1では、測定またはシミュレートして求めた頭部伝達関数を畳み込み係数として使用する。
図4は、(A)が伝達関数の測定例を示し、(B)が伝達関数の測定結果を使用した畳み込み演算で仮想立体音響効果を実現する手法の概念図である。頭部伝達関数を測定する際には、図4(A)に示すように、ダミーヘッドまたは聴取者の左耳及び右耳にマイクを取り付けて、ダミーヘッドまたは聴取者の周囲にスピーカを設置し、このスピーカからインパルスまたはTSP信号を出力する。そして、両マイクで収音したインパルス応答に基づいて頭部伝達関数係数を設定する。図4(A)には、ダミーヘッドまたは聴取者の前方にLchスピーカとRchスピーカを設置した場合を示している。
また、上記のようにして得られた頭部伝達関数係数を用いて、図4(B)に示すように、畳み込みフィルタにおいてLchの入力音信号とRchの入力音信号を畳み込み演算を行い、加算器25L,25Rで加算することで、ヘッドホン3を装着した聴取者Uには、ヘッドホンを装着しているのにもかかわらず、図4(A)に示したLchスピーカ及びRchスピーカの位置に音像が定位しているように聞こえる。
なお、頭部伝達関数係数は、ダミーヘッド等で測定したデータで良いが、聴取者本人で測定した頭部伝達関数を使用すると、より明確な頭外定位感を実現できる。
操作部33は、各入力端子から入力される音信号のうち、頭内に音像を定位させる任意の音信号を選択する操作を受け付ける。また、操作部33は、左右上下4方向の移動スイッチまたはジョイスティック等を備えており、頭外定位させる音信号の音像の定位位置を設定する操作を受け付ける。また、各チャンネルから入力された音の音量レベルバランスを調整する操作を受け付ける。
表示部35は、聴取者に伝達する事項を表示する。また、表示部35は、操作部33が頭外定位させる音信号の音像の定位位置を設定する操作を受け付けた際には、音像の定位位置を表示する。
制御部37は、ヘッドホンモニタ装置1の各部の動作を制御する。例えば、制御部37は、操作部33が受け付けた操作に応じて、スイッチ15−1〜15−nを切り替えたり、畳み込みフィルタ17−1〜17−nに頭部伝達関数係数を設定したり、バランス利得制御部23−1〜23−nにおける各音信号の利得を制御したりする。
ヘッドホン3は、ヘッドホンモニタ装置1が出力した音信号を内蔵する2つのスピーカユニットから放音する。
録音再生装置5は、ヘッドホンモニタ装置1が出力した音信号を録音する。また、聴取者の操作により、録音した音信号を再生する。
また、入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRには、不図示の楽器7、録音再生装置8、マイク9等の外部接続機器が接続される。
次に、ヘッドホンモニタ装置1の動作について説明する。ヘッドホンモニタ装置1では、上記のように初期状態では、ch1のスイッチ15−1が遅延回路19−1側に接続され、その他のスイッチ15−2〜15−nが畳み込みフィルタ17−2〜17−n側に接続されている。そのため、演奏者は、自分が演奏する楽器7の出力端子や、自分が歌唱時に使用するマイク9の出力端子を入力端子11−1L・11−1Rに接続すると良い。また、バック音源(バック演奏音)を再生する録音再生装置8の出力端子やその他の楽器やマイクの出力端子を入力端子11−2L・11−2R〜11−nL・11−nRのいずれかに接続すると良い。これにより、ヘッドホンモニタ装置1を動作させる際に、スイッチ15−1〜15−nの設定を操作部33により変更することなく、ch1から入力された音の音像を頭内定位させて、その他の音の音像を頭外定位させることができる。
また、ヘッドホンモニタ装置1では、操作部33が操作されて任意の入力端子(チャンネル)が選択されると、その入力端子から入力された音信号が畳み込み演算されないように、スイッチの接続状態に応じてそのままにするかまたは切り替えて、A/Dコンバータと遅延回路を接続する。また、他の入力端子から入力された音信号は畳み込み演算されるように、スイッチの状態に応じてそのままにするかまたは切り替えて、A/Dコンバータと畳み込みフィルタを接続する。これにより、選択された入力端子から入力される音信号の音像は頭内に定位し、他の入力端子から入力された音信号の音像は頭外に定位するので、他の音信号とのバランスや遅延に気を配りながら、選択した任意の音信号を集中して聴くことができる。
なお、ヘッドホンモニタ装置1は、頭外に定位させる各音信号の音像が聴取者の周囲にバランスよく配置されるように、その信号数に応じて予め設定された配置で頭外に音像が定位するようにデフォルトの定位位置が設定されている。例えば、入力信号数(チャンネル数)が少なく数チャンネルの場合には、聴取者(演奏者)の前方に所定の間隔で各チャンネルの音像を定位させる。一方、入力信号数(チャンネル数)が多い場合、例えば、8チャンネルの場合には、聴取者(演奏者)の周囲に所定の間隔で各チャンネルの音像を定位させる。ヘッドホンモニタ装置1では、デフォルトの定位位置を変更可能である。
また、ヘッドホンモニタ装置1では、操作部33の操作に応じて、頭外に定位させる音信号の音像を任意の位置に定位させることができる。図5は、音信号の音像を頭外定位させた場合のイメージ図である。ヘッドホンモニタ装置1では、例えば入力音信号が4つ(入力が4チャンネル)で、音像を頭内定位するように選択された音信号が1つの場合、初期設定のままだと図5(A)に示すように、頭外定位する音像は聴取者(演奏者)の前方に所定の間隔で各チャンネルの音信号の音像が定位される。しかし、聴取者の設定に応じて、図5(B)に示すように、例えば聴取者(演奏者)の周囲に所定の間隔で音像を定位させることができる。聴取者は、表示部35を確認しながら操作部33を操作することで、各入力音を所望の位置に定位させることができる。これにより、聴取者は、例えば各楽器の音像を実際にステージで演奏する際のオーケストラやバンドの配置にすることで、自分の演奏音に集中しつつ、全体の演奏音と自分の演奏音とのバランスも、生演奏と同じ状態で確認できる。
また、ヘッドホンモニタ装置1では、上記のように操作部33を操作することで、音像を頭内定位させる音信号を選択できるので、複数の演奏音、例えば2つの演奏音の音像を頭内定位させて、他の複数の演奏音の音像を頭外定位させることもできる。この場合、2つの演奏音の音像を頭内定位させることで、2つの演奏音の演奏テンポやズレ等を集中して確認することができる。また、音楽プロデューサ等がヘッドホンモニタ装置1を使用する場合には、例えば、全ての演奏音の音像を一端頭外に定位させておき、演奏中に操作部33を操作して、ある楽器がソロパートを演奏する際に、その楽器の演奏音が入力されるチャンネルを頭内定位させるといった使い方も可能である。これにより、チェックの必要な演奏音や歌唱の音像を頭内定位させて、集中してチェックしたり、全体とのバランスを確認したりすることができる。
次に、本発明の実施形態に係るヘッドホンモニタ装置の動作を、フローチャートに基づいて説明する。図6は、ヘッドホンモニタ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
聴取者(演奏者)は、ヘッドホンモニタ装置1の電源をオンする前に、まず、各入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRに楽器7の出力端子、録音再生装置8の出力端子、マイク9の端子等を接続しておく。また、出力端子29L・29Rにヘッドホン3を接続しておく。そして、準備が完了すると、ヘッドホンモニタ装置1の不図示の電源スイッチをオンにする。ヘッドホンモニタ装置1の制御部37は、電源が投入されると、表示部35に動作可能である旨を表示する。
演奏者は、ヘッドホンモニタ装置1の設定が初期状態のままで使用する場合には、操作部33を操作せずにそのまま使用すれば良い。
一方、演奏者は、ヘッドホンモニタ装置1の設定を変更して使用する場合には、操作部33を操作してスイッチの設定切り替えボタンを操作する。
制御部37は、操作部33がスイッチの設定切り替えボタンの操作を受け付けたことを検出すると(s1)、音像を頭内定位させる音信号を入力するチャンネル番号の選択を促す内容を表示させる(s2)。そして、制御部37は、操作部からチャンネル番号が入力されるまで待機する(s3:N)。
制御部37は、操作部33がチャンネル番号の入力を受け付けたことを検出すると(s3:Y)、選択されたチャンネル番号に対応するスイッチを遅延回路側に切り替え、選択されたチャンネル番号以外のチャンネルに対応するスイッチを畳み込みフィルタ側に切り替える(s4)。例えば、2チャンネルが選択された場合には、スイッチ15−1を畳み込みフィルタ17−1側に切り替えてA/Dコンバータ13−1と畳み込みフィルタ17−1を接続し、スイッチ15−2を遅延回路19−2側に切り替えてA/Dコンバータ13−2と遅延回路19−2を接続する。
なお、スイッチ15−1は、初期状態では遅延回路19−1側が接続されており、スイッチ15−2〜15−nは、初期状態では畳み込みフィルタ17−2〜17−n側に接続されている。
続いて、制御部37は、頭外定位させる音信号の音像の定位位置がデフォルトの設定で良いか、それとも任意の位置に設定するかを確認する内容を表示部35に表示させる(s5)。
ここで、各入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRには、出力端子の接続検出機構(不図示)が設けられている。制御部37は、各入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRに、楽器7、録音再生装置8、マイク9等の出力端子が接続されているか否かを検出できるので、各入力端子の接続状態に応じて、各チャンネルの畳み込みフィルタ17−1〜17−nに頭部伝達関数係数を設定する。
制御部37は、操作部33が操作されて、頭外定位させる音信号の音像の定位位置がデフォルトの設定で良い旨の入力があった場合には(s6:Y)、記憶部31が記憶するデフォルトの頭部伝達関数係数を、畳み込みフィルタ17−1を除く他の畳み込みフィルタ17−2〜17−nに設定する(s7)。
また、制御部37は、頭外定位させる音信号の音像を任意の位置に設定する旨の入力があった場合には(s6:N)、各チャンネルの音信号の音像を定位させる位置を指定するように促す内容を表示部35に表示させる(s8)。そして、制御部37は音像を定位させる位置を指定する入力があるまで待機する(s9:N)。
制御部37は、操作部33が操作されて各チャンネルの音信号の音像定位位置が指定されると(s9:Y)、その指定に応じた頭部伝達関数係数を各畳み込みフィルタに設定する(s10)。
ヘッドホンモニタ装置1は、音像を頭内及び頭外に定位させる処理を行う(s11)。すなわち、ヘッドホンモニタ装置1は、各入力端子11−1L・11−1R〜11−nL・11−nRから音信号が入力されると、A/Dコンバータ13−1〜13−nで音信号をデジタル化して、畳み込みフィルタ17−1〜17−nで畳み込み演算を行う。また、選択されたチャンネルの音信号には遅延回路19−1〜19−nで遅延処理を行う。そして、各チャンネルの音信号の音量バランスをバランス利得制御部23−1〜23−nで調整し、各チャンネルの音を加算器25L,25Rで加算する。さらに、加算音信号をD/Aコンバータ27でアナログ音信号に変換して、出力端子29L・29Rを介してヘッドホン3に出力する。
ヘッドホン3を装着した演奏者には、自分が演奏する楽器の演奏音の音像が頭内定位し、その他のチャンネルの音信号の音像が頭外定位して聞こえるので、他の演奏音とのバランスやズレ等に気を配りながら、自分の演奏音を集中して聴くことができる。
また、聴取者は、演奏音を聴いているときに、スイッチの設定切り替えボタンやチャンネル番号の選択操作を行うことで、ヘッドホンモニタ装置1は上記のステップs1〜s11の処理を行うので、頭内に音像を定位させる音信号を変更することができる。
なお、ヘッドホンモニタ装置1の出力端子29L・29Rに、ヘッドホン3に代えて録音再生装置5を接続し、ヘッドホンモニタ装置1が出力する音信号を録音しておき、録音再生装置5にヘッドホン3を接続して録音した音信号を再生することで、ヘッドホン3を装着した聴取者は、選択したチャンネルの音の音像は頭内定位し、その他の音の音像は頭外定位しているように聞こえる音を聞くことができる。
(A)が従来のヘッドホンモニタ装置のブロック図で、(B)が従来のヘッドホンモニタ装置に頭外定位技術を適用した場合のブロック図である。 本発明の実施形態に係るヘッドホンモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。 畳み込みフィルタの構成を示すブロック図である。 (A)が伝達関数の測定例を示し、(B)が伝達関数の測定結果を使用した畳み込み演算で仮想立体音響効果を実現する手法の概念図である。 音信号を頭外定位させた場合のイメージ図である。 ヘッドホンモニタ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,101…ヘッドホンモニタ装置 3,103…ヘッドホン 5…録音再生装置 11−1L・11−1R〜11−nL・11−nR,111−1L・111−1R,111−2L・111−2R…入力端子 13−1〜13−n,113−1,113−2…A/Dコンバータ 15−1〜15−n…スイッチ 17−1〜17−n…フィルタ 19−1〜19−n…遅延回路 23−1〜23−n,123…バランス利得制御部 25L,25R,125−1,125−2…加算器 27,127…D/Aコンバータ 29L・29R,129L・129R…出力端子 31…記憶部 33…操作部 35…表示部 37…制御部 41LL,41LR,41RL,41RR…畳み込み演算部 43R…右耳信号加算部 43L…左耳信号加算部

Claims (2)

  1. 音信号入力用の複数の入力インタフェース手段と、
    前記複数の入力インタフェース手段のうち、任意の入力インタフェース手段を選択する操作手段と、
    前記選択した入力インタフェース手段以外の入力インタフェース手段から入力された音信号に対して、聴取者の周囲に設定された各仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を頭部伝達関数に基づいて付与する仮想定位付与手段と、
    前記選択した入力インタフェース手段から入力され、前記仮想定位付与手段が周波数特性を付与していない音信号と、前記選択した入力インタフェース手段以外の入力インタフェース手段から入力され、前記仮想定位付与手段が周波数特性を付与した音信号とを、入力タイミングを調整した後に加算して加算音信号を出力する加算手段と、
    前記加算音信号出力用の出力インタフェース手段と、
    を備えたことを特徴とするヘッドホンモニタ装置。
  2. 前記操作手段は、前記選択した入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力される音信号の仮想定位位置を設定する手段であり、
    前記仮想定位付与手段は、前記選択した入力インタフェース手段以外の各入力インタフェース手段から入力された音信号に対して、前記操作手段が設定した仮想定位位置から聴取者の耳へ到来する音の周波数特性を付与する手段である請求項1に記載のヘッドホンモニタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11758343B2 (en) 2021-03-29 2023-09-12 Yamaha Corporation Audio mixer and method of processing sound signal

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