JP2009187595A - ヒータを有するヘッドスライダ及び情報記憶装置 - Google Patents

ヒータを有するヘッドスライダ及び情報記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】再生ヘッドと記録ヘッドが複合された複合ヘッドとヒータとを内蔵したヘッドスライダにおいて、ヒータ通電時の再生ヘッドとディスクとの距離を低減する。
【解決手段】ヘッドスライダ15の空気の流出側に隣接して設けられる支持体15Sに、再生ヘッド13と記録ヘッド19の両方が設けられているヘッドスライダ15において、再生ヘッド13の空気の流入側と流出側に一対のヒータ31,32を、再生ヘッド13を挟むように設けると共に、記録ヘッド19の空気の流入側と流出側に一対のヒータ33,34を、記録ヘッド19を挟むように設け、更に、ヒータ32とヒータ33の間の支持体15Sに、支持体15Sよりも熱膨張係数が低い熱膨張材40を配置したものである。ヒータ31〜34への通電時に再生ヘッド13、記録ヘッド19が共にディスク側に大きく近づき、ヘッドスライダ15の再生、記録の性能が向上する。
【選択図】図7

Description

本発明はヒータを有するヘッドスライダ及び情報記憶装置に関し、特に、磁気ディスク装置のヘッドスライダに使用されるヒータを有するヘッドスライダ及びこの磁気ヘッドスライダを備える情報記憶装置に関する。
従来、コンピュータの外部記憶装置として使用される磁気ディスク装置は、記憶される情報量の増大に伴って記憶媒体である磁気ディスクが高密度化されてきている。そして、磁気ディスク(以後単にディスクという)により高い密度で情報を記憶するためには、ディスクとヘッドを搭載するヘッドスライダをできるだけ近づける必要があり、高密度化されたディスクではヘッドの浮上量が小さくなってきている。
ヘッドの浮上量は、ヘッドスライダのディスクに対向するエアベアリング面に発生する浮上力によって決まり、この浮上力は、ディスクの周速と、周速ベクトルとスライダ長手方向の角度に影響を受ける。ディスクの内周部、中周部、及び外周部では周速ベクトルが大きく変化するが、ヘッドとディスクの浮上間隔はほぼ一定であることが望まれている。このため、ヘッドスライダのヘッド組み込み部の近傍に電熱コイルを備えたヒータを内蔵させ、ヒータへの通電を制御することによって発生する熱量を制御し、発生した熱でヘッドスライダ本体の空気の流出側に設けられたヘッド支持体の膨張を制御して、ヘッドとディスクの浮上間隔をほぼ一定に保つ技術が特許文献1に記載されている。
また、特許文献1では、ヒータに電流を流して加熱し、ヘッドスライダ本体の空気の流出側に設けられたヘッド支持体の膨張によって、ヘッドスライダをディスク側に突き出して、ヘッドとディスクとの間隔を狭くすることも提案されている。ここで、ヒータに電流を流して加熱して支持体を膨張させ、ヘッドスライダヘッドとディスクとの間隔を狭くする動作について、図1(a)から(c)を用いて説明する。
図1(a)は、ハードディスク装置のサスペンション18に支持されたヘッドスライダ15を示すものである。ディスクに情報を読み書きするヘッド(再生ヘッドと記録ヘッド)Hは、ディスク回転時にヘッドスライダ15に対して流れる空気流Aの、空気の流出端に設けられている。従来はこのヘッドスライダ15のヘッドHの近傍にヒータが組み込まれていた。そして、従来技術では、ヒータに電流を流して加熱し、ヘッドスライダ15のヘッド組込み部の近傍をディスク側に突き出して、ヘッドHとディスクとの間隔を狭くしていた。
図1(b)は図1(a)のヘッドHが設けられたヘッドスライダ15の要部を拡大して示す断面図である。ヘッドスライダ本体15Bに隣接して空気の流出端に設けられた支持体15Sには、再生ヘッド13と記録ヘッド19の2つのヘッドが設けられている。再生ヘッド13は2つのシールド層23,24に挟まれた再生素子25を備えている。再生素子25には最初は磁気抵抗効果素子(MRヘッド)が使用されていたが、現在は再生感度と記録密度が更に大きい巨大磁気抵抗効果素子(GMRヘッド)が使用されている。一方、記録ヘッド19は記録用コイル26、ヨーク27、及び磁極28から構成されている。
従来技術では、支持体15Sの再生ヘッド13と記録ヘッド19の間の部分に、ヘッドスライダ15の浮上量制御用のヒータ30が1個だけ搭載されていた。ヒータ30は記録ヘッド19のヨーク27の近傍に配置されていた。このヒータ30に電流を流して加熱すると、ヒータ近傍の支持体15Sが膨張するので、ヘッドHがディスクに近づく。そして従来は、ヒータ30に流す電流量を制御することによって、ヘッド30のディスクからの浮上量を能動的に制御していた。
図1(c)はヒータに所定の電流を流して加熱したときのヘッドスライダの変形を示す図である。図中には、ディスク4も示してあり、ディスク4に接触しているときのヘッドスライダ15の変形が示されている。図中のディスク4には、ディスク基準位置RPとベースグライドBGが示されている。ディスク基準位置RPとは、ディスク表面の粗さ中心位置を示すものであり、ベースグライドBGは、ヘッドHがこれ以下にはディスクに近づけない位置を示すものである。
記録ヘッド19の近傍にヒータ30が配置されているため、記録ヘッド19のヨーク27が加熱によって膨張し、支持体15Sの記録ヘッド19部分でディスク側への突出し(変形量)が最大となる。そして、ヘッドスライダ15の変形量が最大となった部分で、ヘッドスライダ15がディスク4と接触となる。このとき、ヘッドスライダ15がディスク4と接触する接触点と、再生ヘッド13の再生素子25との高さ方向の長さLは約3nmである。
特開2004−241105号公報(図1A,1B,12A)
以上のように、従来技術では、ヘッドスライダがディスクに接触する位置から再生素子までの距離が約3nm離れており、ヘッドスライダがディスクに接触する位置と再生素子との距離をこれ以上小さくすることができない。この結果、ヒータでヘッドスライダの支持体をディスク側に変形させても、再生素子とディスクとの隙間を狭くすることができず、記録容量を上げることができない。
上記の問題を解決するために、特許文献1に記載のように、支持体に2つのヒータを設けることが行われている。特許文献1では、少なくとも1つのヒータは記録ヘッドの流出端側に位置させ、もう1つのヒータは再生ヘッドと記録ヘッドの間に設けている。しかしながら、特許文献1の技術では、ヘッドスライダのディスク側への最大変位位置が記録ヘッドより外側になっているので、ヘッドスライダのディスク側への最大変位位置と再生ヘッドの再生素子との間の距離を短くすることができず、記録容量を上げることができないという課題は解決されていなかった。
更に詳しく説明すると、浮上時のヘッドスライダは、ピッチ角度が付いているため、ヘッドスライダ流出側にある記録ヘッドがディスクに近づき、再生ヘッドはディスクより遠ざかっている。この状態でヒータに電流を流して加熱し、ヒータ周辺部の支持体を膨張させてディスク側に突き出すと、記録ヘッド付近が突き出しの最大点となり、ディスクと接触する。しかしながら、このような従来の突き出しでは、再生ヘッドをディスク側に大きく突き出すことができず、再生ヘッドは記録ヘッド程ディスクに近づくことができなかった。そのため、ヒータに電流を流して加熱した場合に、記録ヘッドのディスク側への突き出しと同様に、再生ヘッドの突き出しも大きくして、突き出しの最大点と再生ヘッドの高低差を小さくすることが望まれている。
そこで本発明は、ヘッドスライダ本体の空気の流出側に隣接して設けられるヘッドを備えた支持体にヒータを内蔵させ、このヒータに電流を流すことによって支持体をディスク側に変位させることができるヒータを有するヘッドスライダにおいて、ヒータに電流を流すことによってヘッドスライダをディスク側に最大変位させた時に、支持体の最大変位位置と同程度に再生ヘッド部分の支持体が変位するようにして、支持体の最大変位に対する再生ヘッド近傍の支持体の変位の高低差を小さくし、再生ヘッドと記録ヘッドの浮上量を可能な限り低減させ、ヘッドスライダの再生、記録の性能を向上させることを目的としている。
このヘッドスライダの特徴は、ディスクに対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体と、ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体と、支持体に設けられた再生ヘッド及び記録ヘッドとを備えたスライダにおいて、一対のヒータを再生ヘッドの空気の流入側と流出側に再生ヘッドを挟み込むように配置すると共に、一対のヒータを記録ヘッドの空気の流入側と流出側に記録ヘッドを挟み込むように配置したことである。この場合、再生ヘッド用のヒータの組と記録ヘッド用のヒータの組の間に、低熱膨張材を設置することにより、各ヒータの組に通電した時のその周囲の支持体の変位を独立させ、お互いの干渉を小さくし、各ヘッドの変位量を大きくできる。
また、この情報記憶装置の特徴は、記憶再生媒体に対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体と、ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体と、支持体に設けられた再生素子及び記録素子とを備えたスライダにおいて、一対の第1のヒータを再生素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置し、一対の第2のヒータを記録素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置したスライダと、ヘッドスライダにより情報の記憶と再生が行われる記憶再生媒体と、ヘッドスライダとディスクによる情報の記憶信号と再生信号を処理する信号処理基板とを備えることである。
このヘッドスライダによれば、再生ヘッドと記録ヘッドとをそれぞれ挟み込むように、各ヘッドに一対のヒータを配置したので、各ヘッドの近傍の支持体をそれぞれディスク側に最大限変させることができ、変位時の変位最大点と各ヘッドの高低差を小さくすることができ、再生ヘッドと記録ヘッドの浮上量を可能な限り低減することが可能であり、ヘッドスライダの再生、記録の性能を向上させることができる。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、従来技術で説明したヘッドスライダの構成部材と同じ構成部材については原則同じ符号を付して説明する。
図2(a)は、ヘッドスライダを備えるロード/アンロード方式のハードディスク装置1の一例を示すものである。ハードディスク装置1のベース2の上の一方の側には、記憶媒体として、スピンドルモータ3によって回転する少なくとも1枚のディスク4があり、このディスク4にはデータ記録用の多数のトラックがある。
ハードディスク装置1のベース2の上の他方の側には、ディスク4のトラックにアクセスしてデータの読み書きを行うヘッドを備えるヘッドスライダ(図示せず)が取り付けられたスイングアーム5がある。ヘッドスライダはスイングアーム5の先端部に取り付けられている。スイングアーム5は回転軸6を中心にしてスイングするように構成されており、回転軸6に対してスイングアーム5と反対側には、スイングアーム5を駆動するボイスコイルモータ7がある。
また、ロード/アンロード方式のハードディスク装置1では、アンロード時にはヘッドをディスク4の外側に退避させる。このため、ロード/アンロード方式のハードディスク装置1には、ディスク4の外周部近傍のベース2の上に、スイングアーム5の先端部を保持するランプ機構10がある。ランプ機構10には、スイングアーム5の先端部に設けられたリフトタブ9を保持するためのランプ11がある。ランプ機構10はディスク4の外側に設けられるが、ランプ11はその一部が磁気ディスク4とオーバラップしている。
図2(b)は図1(a)に示したランプ11に、スイングアーム5の先端部に設けられたリフトタブ9が保持される様子を示すものであり、符号15がスイングアーム5に取り付けられるヘッドスライダの位置を示している。ランプ11のスイングアーム側の面は、スイングアーム5の回転軌跡Tに合わせて、円周面となっている。このため、スイングアーム5のリフトタブ9は、スイングアーム5の回転によってランプ11の上に乗り上げ、ディスク4の外部で保持される。ランプ機構10の本体12は、ネジ8によってベース2に固定される。
図3(a)は、図2(b)に示されるヘッドスライダ15の外観を示すものである。ヘッドスライダ15にはヘッドスライダ本体15Bと、ヘッドスライダ15に対する空気の流れAの下流側の端面に設けられた支持体15Sがある。ヘッドスライダ本体15Bは、アルチックでできている。支持体15Sには、図3(b)に模式図で示すような、再生ヘッド13と記録ヘッド19から構成される複合ヘッドHが内蔵されている。再生ヘッド13にはディスク4に記録されたデータを読み取って再生する再生素子(MR素子やGMR素子)25がある。また、記録ヘッド19には、コイル26、ヨーク27及び磁極28があり、コイル26に電流を流すことによってディスク4にデータを記録する。
図4(a)は図3(a)に示されるヘッドの支持体15Sに内蔵される再生ヘッド13のみの構成を示すものであり、データ記録用の磁気ヘッドの図示は省略してある。この図に示されるヘッドスライダ15は、右側が図2(a)に示したスイングアーム5側で、下側がディスク4側であり、ディスク4の回転時には、ヘッドスライダ15の下面を矢印Aの方向に空気が流れるようになっている。再生ヘッド13は、ヘッドスライダ15の空気流出側の端面14に設けられている。再生ヘッド13は、ヘッドスライダ15の空気流出側の端面14に設けられた2つの端子電極16,17、データ読出部20、及び2つの端子電極16,17とデータ読出部20とを接続する2本の引出線21,22とから構成されている。
図4(b)は、図4(a)のデータ読出部20の近傍部分を部分的に拡大したものである。データ読出部20は、ヘッドスライダ15の空気流出側の端面14の上に形成された下部シールド層23と上部シールド層24、及び例えばMR素子からなる再生素子25を備えている。ここで、下部シールド層23はヘッドスライダ本体15B側を下側とした時の呼称であり、この結果、再生素子25を挟んで反対側に位置するシールド層24を上部シールド層24としたものであって、上下という用語が特に意味を持つものではない。そして、下部シールド層23と上部シールド層24の間に第1と第2の引出線21,22の先端部が挿入されている。
図5(a)、は図3(a)に示したヘッドの支持体15S内において、再生ヘッド13の下部シールド層23と上部シールド層24の外側にヒータ31,32を配置した構成を説明するものである。この図では、図4(b)で説明した再生素子25及び第1と第2の引出線21,22(これらは同じ面上に位置している)に対して、本来は破線の位置にある下部シールド層23と上部シールド層24とを、ヘッドスライダの長手方向に分解して示してある。
また、ここには、下部シールド層23と上部シールド層24のヘッドスライダの長手方向に対して外側の位置に、ヒータ31,32を設けた構成が示してある。ヒータ31を構成する電熱線31Aは内部端子35と外部端子36に接続されており、同様に、ヒータ32を構成する電熱線32Aは内部端子37と外部端子38に接続されている。なお、この図はヒータ31,32の配置を説明するためのものであり、寸法は正確ではない。また、内部端子35、37と外部端子36、38の位置、及び端子電極16,17のヘッドスライダの長手方向の位置も実際には支持体15Sの外部に露出しており、本図の位置は実際の位置を示すものではない。
図5(b)はヒータ31,32の電熱線32A,32Aのパターンを示すものであり、図5(c)は、電熱線31A,32Aの結線状態を示すものである。図5(b)に示すように、外部端子38から電熱線32Aまでの通電線32Bは太くし、抵抗が大きくならないようにしている。逆に、熱を発生させる電熱線32Aは細くして抵抗を大きくしてある。電熱線32Aが接続する内部端子37は、支持体15Sの内部で内部端子35に結線される。同様に、内部端子35に接続するヒータ31の電熱線31Aは細くして抵抗を大きくしてあり、電熱線31Aを外部端子36に接続する通電線31Bは太くしてある。外部端子36,38には図5(b)に矢印で示す向きに電流が流れるように電圧が印加される。
ここでは再生ヘッド13側の構成と、再生ヘッド13のシールド層23,24の外側に配置するヒータ31,32の構成について説明した。記録ヘッド19については、図1(b)で説明した従来例のヘッドスライダ15のヨーク27の外側に、ヨーク27を挟むようにヒータ33,34を設けている。ヒータ33,34の構成も、ヒータ31,32の構成と同様であるので、その説明を省略する。
ヒータをヘッドスライダ15の支持体に形成するための、ヒータのプロセスの概要図を図6(a)から(k)に示す。ここでは、ヘッドスライダ本体15Bから下部シールド層23までのプロセスについて説明する。
図6(a)の状態からアルミナ41をスパッタリング法などで製膜すると、図6(b)の状態になる。次に、ヒータ31を製膜する。図5(b)に示したヒータパターンになるようにレジスト42を付け、図6(c)の状態にする。ヒータの材料である銅43をスパッタリング法あるいはメッキなどで製膜すると、図6(d)の状態となる。
表面をCMP(Chemical-Mechanical Polishing)を用いて研磨して、余分な銅43を除去すると図6(e)の状態になる。この後、レジスト42を取り去る溶液につけて図6(f)の状態にする。次に、アルミナ44を製膜して図6(g)の状態にし、研磨して図6(h)の状態にする、更に、下シールド層の製膜のために、レジスト45を塗布し、図6(i)の状態にする。下シールド層の材料パーマロイ(NiFe)46をスパッタリング法あるいはメッキで製膜し、その後研磨を行って余分なパーマロイ(NiFe)を除去して図7(j)の状態にする。レジスト45を除去後、アルミナ47の製膜と研磨を行うと図6(k)の状態になる。このような工程を行って、支持体15Sに図7(a)の構成を作成する。
ここで、図7(a)に示すヘッドスライダ15の構成について詳しく説明する。図7(a)に示すヘッドスライダ15は、支持体15S上に積層された再生ヘッド13と、記録ヘッド19とを備えており、再生ヘッド13の積層方向の上下両側に配置される一対のヒータ31,32と、記録ヘッド19の積層方向の上下両側に配置される一対のヒータ33,34とを備えるものである。一対のヒータ31,32は再生ヘッド13を挟み込むように配置されており、この実施例では、ヘッドスライダ15の下面を流れる空気の流れに沿った方向に対して再生素子25から等距離にある。また、一対のヒータ33,34は記録ヘッド19を挟み込むように配置されており、前述の空気の流れに沿った方向に対して記録ヘッド19の中心から等距離にある。
ヘッドスライダ15への空気の流入側に近いヒータ31,32の部分は、ヘッドスライダ15にピッチ角度がついているため、ディスクとの距離がヒータ33,34よりも離れている。ヒータ31,32とヒータ33,34の形状を、コスト低減のために同じ形状にした場合、同時に各ヒータ31〜34に電流を流して加熱したとき、ヒータ33,34によって変形する記録ヘッド19側の支持体15Sの変形による、ディスク側への突出しが最大点に達する時間が、ヒータ31,32によって変形する再生ヘッド13側の支持体15Sの変形による、ディスク側への突出しが最大点に達する時間よりも1ms程度早い。そこで、ヒータ31,32の組と、ヒータ33,34の組を並列に接続し、ヒータ31,32の組を早めに加熱するようにすることができる。もちろん、ヒータ31,32の組と、ヒータ33,34の組を直列に接続してもかまわない。
以上説明したように、再生ヘッド13と記録ヘッド19を両側からヒータ31〜34で挟み込み、ヒータ31〜34に電流を流して加熱することによって、再生ヘッド13と記録ヘッド19の各々がディスク4に対して近づく。この動作によって、再生ヘッド13においては、再生信号出力が増大し、記録ヘッド19においては、記録磁界効率が向上することによって、高記録密度に適したヘッドスライダを具現化することが出来る。
またこの場合、ヒータ31,32とヒータ33、34の間の部分に、支持体15Sよりも熱膨張係数が低い低熱膨張材40を配置することができる。低熱膨張材は炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、酸化珪素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、タングステン(W)、モリブデン(M)、又はインバー材の何れか1つを含んでいる。ヒータ31,32とヒータ33、34に電流を流して加熱した時、低熱膨張材40によりこの部分の膨張が妨げられ、各ヘッド部分の支持体15Sの膨張を大きくすることができる。
このように、低熱膨張材40をヒータ31,32とヒータ33、34の間の部分に形成したヘッドスライダ15において、ヒータ31〜34に電流を流して加熱すると、支持体15Sの変形は図7(b)に実線で示すようになる。この図には図1(b)に示した従来構成のヘッドスライダ15の支持体15Sの変形を比較のために破線で示してある。図中には、ディスク4も示されており、ディスク4に接触しているときのヘッドスライダ15の変形が示されている。図中のディスク4には、ディスク基準位置RPとベースグライドBGが示されている。ディスク基準位置RPは、ディスク表面の粗さ中心位置を示すものであり、ベースグライドBGは、ヘッドHがこれ以下にはディスクに近づけない位置を示すものである。
各ヒータ31〜34に電流を流して加熱すると、再生ヘッド13と記録ヘッド19の間に谷間が形成される。これは、低熱膨張材40が再生ヘッド13と記録ヘッド19の間に配置されており、低熱膨張材40の部分が各ヒータ31〜34によってあまり熱膨張しないためである。また、ヒータ31と32は再生ヘッド13の中心に対して等距離に配置することにより、加熱後の最大変形位置を再生ヘッド13の中心にすることが可能である。同様に、ヒータ33と34は、記録ヘッド19の中心に対して等距離に配置することにより、加熱後の最大変形位置を記録ヘッド19の中心にすることが可能である。この構成により、各ヒータ31〜34で加熱された再生ヘッド13と記録ヘッド19の部分の変形が最大となり、再生ヘッド13と記録ヘッド19の部分の変形が同じ程度となり、両者の高低差はほとんどなくなる。
低熱膨張材40の作用により、ヒータ31,32とヒータ33、34の間の部分に低熱膨張材40を配置しない場合に比べて、更に、再生ヘッド13と記録ヘッド19の各々を磁気ディスク4に対して近づけることが可能となる。
更に、ヒータ31と32、及びヒータ33と34は、それぞれ独立して電流を流すことによって加熱するようにしたことにより、ヘッドスライダ15の浮上時においては、ピッチ角度の付与等により、再生ヘッド13の浮上量の方が記録ヘッド19の浮上量よりも高くなるので、各素子に対する加熱を独立して制御することができる。
そして、以上のように構成されたヘッドスライダ15は、ヘッドスライダ15により情報の記憶と再生が行われる磁気ディスク4と、ヘッドスライダ15と磁気ディスク4による情報の記憶信号と再生信号を処理する信号処理基板29を備える図2(a)に示す、情報記憶装置としてのハードディスク装置に組み込んで使用することが可能である。
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本発明の容易な理解のために、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
(付記1) 記憶再生媒体に対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体と、
前記ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体と、
前記支持体に設けられた再生素子及び記録素子と、
前記再生素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第1のヒータと、
前記記録素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第2のヒータと、
を備えることを特徴とするヘッドスライダ。
(付記2) 前記一対の第1のヒータと前記一対の第2のヒータの間の前記支持体部分に、前記支持体よりも熱膨張係数が低い低熱膨張材を配置したことを特徴とする付記1に記載のヘッドスライダ。
(付記3) 前記第1のヒータのそれぞれは、前記空気の流れに沿った方向に対して前記再生素子から等距離の位置に設けると共に、前記第2のヒータのそれぞれは、前記空気の流れに沿った方向に対して前記記録素子から等距離の位置に設けたことを特徴とする付記1又は2に記載のヘッドスライダ。
(付記4) 前記第1のヒータと前記第2のヒータは、それぞれ独立した通電用の端子を備えることを特徴とする付記1から3の何れか1項に記載のヘッドスライダ。
(付記5) 前記第1のヒータと前記第2のヒータが通電用の端子により直列に接続されていることを特徴とする付記4に記載のヘッドスライダ。
(付記6) 前記第1のヒータと前記第2のヒータが通電用の端子により並列に接続されていることを特徴とする付記4に記載のヘッドスライダ。
(付記7) ヒータへの通電時に、前記第1のヒータへの通電を前記第2のヒータへの通電より早くしたことを特徴とする付記6に記載のヘッドスライダ。
(付記8) 前記低熱膨張材が炭化珪素、窒化珪素、酸化珪素、窒化アルミニウム、タングステン、モリブデン、又はインバー材の何れか1つを含んでいることを特徴とする付記2に記載のヘッドスライダ。
(付記9) ヒータをヘッドスライダの支持体に形成する方法であって、少なくとも以下の工程を含む、
ヘッドスライダ本体にアルミナをスッパッタリング法などで製膜し、
次に、ヒータを製膜するために、ヒータパターンになるようにレジストと塗布し、
その上にヒータの材料である銅をスパッタリング法あるいはメッキなどで製膜し、
表面を研磨して、余分な銅を除去し、
溶液に浸けてレジストを取り去り、
次に、アルミナを製膜し、その後に研磨し、
次に、下シールド層の製膜のために、レジストを塗布した後に、下シールド層の材料パーマロイをスパッタあるいはメッキで製膜し、
その後研磨を行って余分なパーマロイを除去し、
レジストを除去後、アルミナの製膜と研磨を行うことを特徴とするヒータをヘッドスライダの支持体に形成する方法。
(付記10)
記憶再生媒体に対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体、前記ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体、前記支持体に設けられた再生素子及び記録素子、前記再生素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第1のヒータ、及び前記記録素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第2のヒータとを有するヘッドスライダと、
前記ヘッドスライダにより情報の記憶と再生が行われる記憶再生媒体と、
前記ヘッドスライダと前記記憶媒体による情報の記憶信号と再生信号を処理する信号処理基板と、
を備えることを特徴とする情報記憶装置。
(a)はヘッドサスペンションに保持された従来のヘッドスライダの斜視図、(b)はヒータを内蔵するヘッドスライダのヘッド部分の部分拡大断面図、(c)はヒータに通電した時のヘッドスライダのヘッドの支持体の変位を示す説明図である。 (a)は本発明が適用されたハードディスク装置の構成を示す斜視図、(b)は(a)に示したハードディスク装置におけるヘッドスライダの位置を示す部分拡大平面図である。 (a)は図2(b)に示されるヘッドスライダ単体の斜視図、(b)は(a)に示されるヘッドスライダのヘッドの支持体に内蔵される再生ヘッドと記録ヘッドの概略構成を示す説明図である。 (a)は図3(a)に示されるヘッドの支持体に内蔵される再生ヘッドのみの構成を示す斜視図、(b)は(a)の再生ヘッドの再生素子とシールド層の構成を説明する部分拡大斜視図である。 (a)は図3(a)に示されるヘッドの支持体内において再生ヘッドの両側にヒータを配置した構成を説明する分解斜視図、(b)は(a)に示されるヒータの構成を説明する説明図、(c)は(a)に示されるヒータの電気配線を示す回路図である。 (a)から(k)はヒータの製造プロセスを説明するプロセス図である。 (a)は本発明のヘッドスライダのヘッド部分の構成を示す部分拡大断面図、(b)は(a)の4つのヒータに通電した時のヘッドの支持体の変位を説明する説明図である。
符号の説明
1 ハードディスク装置
13 再生ヘッド
14 端面
15 ヘッドスライダ
15S 支持体
19 記録ヘッド
23、24 シールド層
25 再生素子(MR素子)
30〜34 ヒータ
40 低熱膨張材

Claims (5)

  1. 記憶再生媒体に対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体と、
    前記ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体と、
    前記支持体に設けられた再生素子及び記録素子と、
    前記再生素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第1のヒータと、
    前記記録素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第2のヒータと、
    を備えることを特徴とするヘッドスライダ。
  2. 前記一対の第1のヒータと前記一対の第2のヒータの間の前記支持体部分に、前記支持体よりも熱膨張係数が低い低熱膨張材を配置したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドスライダ。
  3. 前記第1のヒータのそれぞれは、前記空気の流れに沿った方向に対して前記再生素子から等距離の位置に設けると共に、前記第2のヒータのそれぞれは、前記空気の流れに沿った方向に対して前記記録素子から等距離の位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドスライダ。
  4. 前記第1のヒータと前記第2のヒータは、それぞれ独立した通電用の端子を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のヘッドスライダ。
  5. 記憶再生媒体に対向する面がエアベアリング面となったヘッドスライダ本体、前記ヘッドスライダの空気の流出端に設けられたヘッド支持体、前記支持体に設けられた再生素子及び記録素子、前記再生素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第1のヒータ、及び前記記録素子の空気の流入側と流出側にそれぞれ配置された一対の第2のヒータとを有するヘッドスライダと、
    前記ヘッドスライダにより情報の記憶と再生が行われる記憶再生媒体と、
    前記ヘッドスライダと前記記憶媒体による情報の記憶信号と再生信号を処理する信号処理基板と、
    を備えることを特徴とする情報記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8634167B2 (en) 2011-05-27 2014-01-21 HGST Netherlands B.V. Magnetic head with self compensating dual thermal fly height control

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