JP2009186090A - 熱交換器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に流体が通流される伝熱管1と、この伝熱管を挿通するカラー部22が形成され該カラー部の高さ方向に所定間隔で積層された複数のフィン2を備えた熱交換器において、上記カラー部が上記伝熱管の外周面1aに対して縮径され上記伝熱管に固着されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、この発明に係る熱交換器の製造方法は、伝熱管が挿通されたフィンのカラー部を縮径させることにより、上記フィンと上記伝熱管を固定する縮径工程を含むことを特徴とするものである。
また、この発明の熱交換器の製造方法においては、伝熱管が挿通されたフィンのカラー部を縮径させることによりフィンと伝熱管を固定するようにしたので、拡管治具や拡管液等を用いる必要がない。しかも伝熱管の内面の凹凸を変形させたり汚染することなく伝熱管とフィンを密着させることができるので、伝熱管の内面形状の設計自由度が高く、冷媒と伝熱管内面との間の熱伝達効率の高い熱交換器が得られる効果がある。
図1及び図2は、本発明の実施の形態1によるフィンチューブ形の熱交換器を説明する図であり、図1は伝熱管とフィンのカラー部との固定部分を拡大して示す要部断面図、図2はフィンに複数立設されたカラー部の例を模式的に示す概略斜視図である。図において、熱交換器10は、内部に例えば冷凍サイクルの冷媒などの流体が通流される伝熱管1と、伝熱管1の外周面1aに密着固定された複数のフィン2を備えている。フィン2は図2に示すように板状のプレート部21と、プレート部21に列状に所定間隔で突設された概略円筒状の複数のカラー部22から構成されている。カラー部22は何れもプレート部21の一方の側(図1の左側、図2の上方側)に突出形成されており、中心の孔Hは伝熱管1を挿通し得る大きさに形成されている。
図3は、本発明の実施の形態2による熱交換器の製造方法におけるカラー部の縮径工程により伝熱管とフィンを密着する方法を説明する部分断面図である。図において、縮径工程に用いる縮径装置は、互に平行に積層された複数個のフィン2に挿通された複数の伝熱管1の一端部1cをそれぞれ挿通する複数の貫通孔3aが設けられた台座3と、上記複数の伝熱管1の他端部1dをそれぞれ挿通する複数の貫通孔4aが設けられた押圧治具4と、押圧治具4を矢印A方向に押圧する図示省略している駆動手段を備えている。その他の符号は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図5はこの発明の実施の形態3による熱交換器の製造方法におけるカラー部の縮径前の状態を示す要部断面図である。図において、銅管などのチューブ材からなる伝熱管1の外周面には、予めコーティングされた所定の厚さの樹脂層5が設けられている。なお、その他の構成は実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
この実施の形態3では、上記のように予め外周面に樹脂層5が設けられた伝熱管1を用いることにより、実施の形態2と同様にカラー部22を縮径する際に、カラー部22と伝熱管1外面との間の密着度合いを、樹脂層5が存在しない場合よりも高めることができる。従って、得られる熱交換器のフィン2と伝熱管1の固着が強固となるほか、フィン2と伝熱管1の間の熱伝達効率が一層向上され、熱交換効率に優れた熱交換器が得られるという効果がある。
図6はこの発明の実施の形態4による熱交換器のカラー部と樹脂層を設けた伝熱管とが密着した状態を示す要部断面図である。この実施の形態4は、上記実施の形態3と同様の樹脂層5Aを構成する樹脂材料として、所定の温度あるいは所定の荷重により軟化あるいは流動性を生じる性質を有するものを用いるようにしたものである。上記樹脂材料としては、軟化温度が熱交換器の最高動作温度よりも高く、フィン2の耐熱温度以下で、使用環境に耐えるものであれば特別な制限なく用いることができる。例えば、ポリエチレン樹脂などは好ましく用いることができる。
なお、上記樹脂層5Aに用いる樹脂材料としては、例示したポリエチレン樹脂に限定されるものではなく、例えばポリプロピレン、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂等を用いても差し支えない。また、加熱温度、加熱時間は用いる樹脂材料に応じて適宜変更すればよい。
図7は本発明の実施の形態5による熱交換器の要部を模式的に示す断面図である。この実施の形態5は、伝熱管1Aとして、軸方向に垂直な断面の形状が扁平であるいわゆる扁平管を用い、また、フィン2Aとして、プレート部21にルーバ211などの加工が施されたものを用いた場合である。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態5においては、伝熱管1Aを通流する冷媒などの流体と伝熱管との流路断面積当りの接触面積が拡大され、また、フィン2Aと、冷却風などの流体との接触面積が拡大されることで熱交換効率が向上される。なお、伝熱管1Aの断面形状は円管や扁平管に限らず、楕円や角管や多孔管などであっても良い。また、組み合わせるフィン2Aとしては、フラットフィン、ルーバ211以外の例えばスリット等の加工が施されたものなどであっても良い。
図8は本発明の実施の形態6に係る熱交換器におけるカラー部の形状を示す要部断面図である。この実施の形態6は、カラー部22Aの固定部221Aを、図示省略している伝熱管が挿通される内周面側に弱凸に成形しておくのみならず、さらに中心部方向に滑らかに湾曲された小突起状に形成したものである。
上記のように構成された実施の形態6においては、実施の形態2と同様の縮径装置を用いて、カラー部22Aに対して高さ方向の圧縮荷重を付加すると、小突起状の固定部221Aを起点にカラー部22Aが中心部方向へ屈曲することにより、図示省略している伝熱管外周面と密接、固定されるので、縮径が一層容易となる。
Claims (6)
- 内部に流体が通流される伝熱管と、この伝熱管を挿通するカラー部が突設され該カラー部の高さ方向に所定間隔で積層された複数のフィンを備えた熱交換器において、上記カラー部が上記伝熱管の外周面に対して縮径され上記伝熱管に固着されていることを特徴とする熱交換器。
- 上記伝熱管と上記カラー部との間に樹脂層が介装されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 上記樹脂層は、熱または荷重により軟化し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
- 伝熱管が挿通されたフィンのカラー部を縮径させることにより、上記フィンと上記伝熱管を固定する縮径工程を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
- 上記カラー部は上記フィンのプレート部に対して突出形成されてなり、上記縮径工程は、上記カラー部の突出端部をその高さ方向に圧縮荷重を付加することにより該カラー部の内径を縮径させることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器の製造方法。
- 上記圧縮荷重は、所定数積層された上記フィンのカラー部に対して積層方向の両端部から作用させることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器の製造方法。
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