JP2009186028A - ターボ冷凍機 - Google Patents

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康孝 高田
Nobuhiro Umeda
信弘 梅田
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Abstract

【課題】ターボ圧縮機の起動時の油上がりを防止すること。
【解決手段】ターボ圧縮機(21)は、低段羽根車(31a)の各背圧部(31c)と軸受部(52)とがラビリンスシール(51)によって仕切られている。軸受部(52)には、オイル室(30c)の冷凍機油が供給される。吸入路(41)には吸入流量制御弁(46)が設けられ、吐出路(45)には吐出流量制御弁(47)が設けられている。そして、ターボ圧縮機(21)の起動開始から所定時間の間、吸入流量制御弁(46)および吐出流量制御弁(47)が最小開度に維持される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ冷凍機に関し、特に、冷凍機油の油上がり対策に係るものである。
従来より、ビルや工場等の大型設備の冷却に用いられるターボ冷凍機が知られている。例えば特許文献1のターボ冷凍機は、いわゆる遠心圧縮機であるターボ圧縮機と、凝縮器と、中間冷却器と、蒸発器とが接続された冷媒回路を備え、冷凍サイクル(二段圧縮二段膨張冷凍サイクル)を行うように構成されている。
上記ターボ圧縮機では、羽根車が回転駆動され、その遠心力によって冷媒の速度を上昇させ、その速度を圧力に変えて冷媒が圧縮される。また、このターボ圧縮機は、特許文献2に開示されているように、羽根車の背面側(背圧側)と回転軸の軸受部とがシール機構(ラビリンスシール)によって仕切られている。これにより、軸受部に供給された冷凍機油が羽根車の背面側に漏出して冷媒と共に吐出されるのを防止している。
特開平11−344265号公報 特開2004−197848号公報
ところで、上述したターボ冷凍機では、起動時に、ターボ圧縮機において軸受部の冷凍機油が羽根車の背面側に漏出する虞があるという問題があった。ターボ圧縮機において運転中は、羽根車の背面側は吐出圧力(高圧)とほぼ同じ圧力となる。一方、起動時(運転開始時)には、羽根車の回転に伴う遠心力によってその背面側の中心部の圧力(背圧)が過渡的に吸入圧力(低圧)よりも低下する。そのため、起動時には、羽根車の背面側が軸受部よりも圧力が低くなり、軸受部の冷凍機油がシール機構から羽根車の背面側へ漏出してしまう。漏出した冷凍機油は冷媒と共に冷媒回路へ吐出されて、いわゆる油上がりが生じる。この状態は、起動開始から比較的短時間で解消するが、発停頻度が高い場合、油上がりが顕著となる。その結果、ターボ圧縮機における潤滑不良、蒸発器等における熱交換効率の低下等の不具合が生じるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、起動時において冷凍機油が羽根車の背面側へ漏出するのを抑制し、油上がりを防止することである。
第1の発明は、ケーシング(30)内に、羽根車(31a,32a)を有する圧縮機構(31,32)と、上記羽根車(31a,32a)の背圧部とシール機構(51)によって仕切られた軸受部(52)と、該軸受部(52)との間で冷凍機油が循環される油貯留部(30c)とを有するターボ圧縮機(21)と、該ターボ圧縮機(21)の吸入流量を調節するための吸入流量制御弁(46)および吐出流量を調節するための吐出流量制御弁(47)とが設けられ、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えたターボ冷凍機を前提としている。そして、本発明のターボ冷凍機は、上記ターボ圧縮機(21)の起動開始から所定時間の間、上記吐出流量制御弁(47)の開度を最小開度に維持する制御手段(60)を備えているものである。
上記の発明では、ターボ圧縮機(21)の起動(即ち、ターボ冷凍機の運転開始)から所定時間が経過するまで、吐出流量制御弁(47)が最小開度に設定される。これにより、ターボ圧縮機(21)の吐出圧力(高圧)が所定圧力まで速やかに上昇する。つまり、冷凍サイクルの高圧が短時間で上昇する。そうすると、羽根車(31a,32a)の背圧部において、起動直後は背圧が吸入圧力より低くなるが、その後吐出圧力(高圧)まで速やかに上昇する。そのため、羽根車(31a,32a)の背圧部が軸受部(52)よりも圧力が低くなる時間が短くなり、軸受部(52)から羽根車(31a,32a)の背圧部への冷凍機油の漏出が抑制される。その結果、油上がりが防止される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御手段(60)は、上記ターボ圧縮機(21)の起動開始から上記所定時間の間、上記吸入流量制御弁(46)の開度を最小開度に維持するように構成されているものである。
上記の発明では、起動開始から所定時間の間、吸入流量制御弁(46)も最小開度に設定される。これにより、電動機(34)の起動トルク(始動トルク)が低減される。また、起動時において、吐出流量制御弁(47)が最小開度に設定されているが、吸入流量が最小となるため、羽根車(31a,32a)内の圧力が過大に上昇して騒音等の不具合が発生するのを防止できる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記ターボ圧縮機(21)は、上記圧縮機構(31,32)が低段羽根車(31a)を有する低段圧縮機構(31)と高段羽根車(32a)を有する高段圧縮機構(32)とからなる二段式に構成されている。そして、上記冷媒回路(20)は、中間冷却器(24)を有し、該中間冷却器(24)の中間圧のガス冷媒が上記低段圧縮機構(31)の吐出冷媒と共に上記高段圧縮機構(32)へ吸入される二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行うように構成されているものである。
上記の発明では、冷媒回路(20)において、凝縮器(22)から中間冷却器(24)へ流れた冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。中間冷却器(24)の液冷媒は蒸発器(26)へ流れて蒸発する。一方、中間冷却器(24)のガス冷媒は、ターボ圧縮機(21)に導入され、低段圧縮機構(31)で圧縮された冷媒と共に高段圧縮機構(32)へ吸入されて圧縮される。つまり、中間冷却器(24)はいわゆるエコノマイザを構成している。
ここで、ターボ圧縮機(21)の低段圧縮機構(31)において、吸入圧力(低圧)と吐出圧力(中間圧力)の圧力差は単段式のターボ圧縮機における高低圧差よりも小さい。したがって、起動時において低段羽根車(31a)の背圧が吸入圧力よりも低くなりやすくなるが、その場合でも軸受部(52)から低段羽根車(31a)の背圧部への冷凍機油の漏出が抑制される。
以上のように、本発明によれば、ターボ圧縮機(21)の起動開始から所定時間の間は吐出流量制御弁(47)の開度を最小開度にするようにした。したがって、ターボ圧縮機(21)の吐出圧力および羽根車(31a,32a)の背圧を所定高圧まで速やかに上昇させることができる。これにより、起動時において、羽根車(31a,32a)の背圧が吸入圧力よりも低くなる時間を短縮することができる。その結果、軸受部(52)から冷凍機油が羽根車(31a,32a)の背圧部へ漏出するのを抑制することができ、油上がりを抑制することができる。そのため、油上がりに起因するターボ圧縮機(21)の潤滑不良や蒸発器(26)等における熱交換効率の低下を防止することができる。
また、第2の発明によれば、起動開始から所定時間の間、吸入流量制御弁(46)の開度も最小開度にするようにした。これにより、羽根車(31a,32a)内の過大な圧力上昇、引いては羽根車(31a,32a)の背圧部の過大な圧力上昇を防止することができる。その結果、騒音等の不具合を発生させることなく、羽根車(31a,32a)の背圧を適切且つ速やかに上昇させて油上がりを抑制することができる。
また、第3の発明によれば、二段式のターボ圧縮機(21)においては低段羽根車(31a)の背圧が吸入圧力(低圧)よりも低くなりやすくなるが、軸受部(52)から低段羽根車(31a)の背圧部へ冷凍機油が漏出するのを確実に抑制することができる。また、二段圧縮二段膨張冷凍サイクルの場合は冷凍機の成績係数(COP)が高くなるが、油上がりの抑制により蒸発器(26)等における熱交換効率が高くなるため、高効率な冷凍機を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のターボ冷凍機(10)(遠心式冷凍機ともいう。)は、冷媒回路(20)およびコントローラ(60)を備えている。冷媒回路(20)は、ターボ圧縮機(21)(遠心圧縮機ともいう。)と、凝縮器(22)と、高段側膨張弁(23)と、中間冷却器(24)(エコノマイザともいう。)と、低段側膨張弁(25)と、蒸発器(26)とが順に接続されている。冷媒回路(20)は、冷媒が循環して二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行うように構成されている。
上記凝縮器(22)および蒸発器(26)は、いわゆる満液式のものである。凝縮器(22)は、冷却塔との間で水配管(a)が接続されている。凝縮器(22)では、冷媒が水配管(a)の冷水へ放熱して凝縮する。蒸発器(26)は、室内機との間で水配管(b)が接続されている。蒸発器(26)では、冷媒が水配管(b)の水から吸熱して蒸発する。
上記中間冷却器(24)は、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器を構成している。中間冷却器(24)には、分離されたガス冷媒がターボ圧縮機(21)へ導入される導入配管(27)が接続されている。
〈ターボ圧縮機の構成〉
図2に示すように、上記ターボ圧縮機(21)は、二段式(二段圧縮式)のものである。ターボ圧縮機(21)は、ケーシング(30)を備え、該ケーシング(30)内に低段圧縮機構(31)および高段圧縮機構(32)と、動力伝達機構(33)と、電動機(34)とを備えている。
上記ケーシング(30)は密閉容器により形成されている。ケーシング(30)の内部は、2つの圧縮機構(31,32)が収容される圧縮機構室(30a)と、動力伝達機構(33)が収容される伝達室(30b)と、冷凍機油(潤滑油)を貯留するオイル室(30c)と、電動機(34)が収容される電動機室(30d)とに区画されている。また、ケーシング(30)には、圧縮機構室(30a)に連通する吸入路(41)および吐出路(45)が形成されている。
上記圧縮機構室(30a)において、低段圧縮機構(31)および高段圧縮機構(32)は吸入路(41)側から吐出路(45)側へ順に配置されている。低段圧縮機構(31)は吸入路(41)に連通し、高段圧縮機構(32)は吐出路(45)に連通している。低段圧縮機構(31)は低段羽根車(31a)を有し、高段圧縮機構(32)は高段羽根車(32a)を有している。低段羽根車(31a)と高段羽根車(32a)は、1本の回転軸(35)で一体に連結されている。回転軸(35)は、各羽根車(31a,32a)の間に設けられた軸受(52)と、低段羽根車(31a)とは反対側の端部に設けられた軸受(52)とによって回転自在に支持されている。
上記低段圧縮機構(31)および高段圧縮機構(32)には、それぞれ低段圧縮流路(42)および高段圧縮流路(44)が形成されている。低段圧縮機構(31)と高段圧縮機構(32)とは、連通路(43)によって接続されている。低段圧縮流路(42)は、流入側(吸入側)が吸入路(41)に連通し、流出側(吐出側)が連通路(43)の一端に連通している。高段圧縮流路(44)は、流入側(吸入側)が連通路(43)の他端に連通し、流出側(吐出側)が吐出路(45)に連通している。各圧縮流路(42,44)では、羽根車(31a,32a)の回転に伴う遠心力によって冷媒の速度エネルギが増大し、その速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、冷媒が圧縮される。したがって、この圧縮機構(31,32)では、低段圧縮機構(31)で圧縮された冷媒が連通路(43)を通って高段圧縮機構(32)へ流れ、さらに圧縮された後吐出路(45)から冷媒回路(20)の冷媒配管へ吐出される。
また、上記ケーシング(30)には、上述した導入配管(27)が連通路(43)に連通するように接続されている。これにより、中間冷却器(24)のガス冷媒が低段圧縮機構(31)で圧縮された冷媒と共に高段圧縮機構(32)で圧縮される。
上記吸入路(41)には、開度変更自在な吸入流量制御弁(46)(以下、単にIGV(46)という。)が設けられている。このIGV(46)は、吸入路(41)に吸入される冷媒量、即ちターボ圧縮機(21)の吸入流量を調節するためのものである。一方、吐出路(45)には、開度変更自在な吐出流量制御弁(47)(以下、単にDDC(47)という。)が設けられている。このDDC(47)は、高段圧縮機構(32)から吐出される冷媒量、即ちターボ圧縮機(21)の吐出流量を調節するためのものである。
上記動力伝達機構(33)は、駆動歯車(33a)と、該駆動歯車(33a)と噛み合う従動歯車(33b)とによって構成されている。駆動歯車(33a)は後述する電動機(34)の回転軸(34a)に取り付けられ、従動歯車(33b)は前述の回転軸(35)に取り付けられている。この動力伝達機構(33)は、電動機(34)の回転数を増速して回転軸(35)に伝える。
上記電動機(34)は、回転軸(34a)と、回転軸(34a)に取り付けられて回転軸(34a)と共に回転するロータ(34b)と、ロータ(34b)を取り巻くようにケーシング(30)の内壁面に固定されたステータ(34c)とによって構成されている。回転軸(34a)は、両端に設けられた軸受(53)によって回転自在に支持されている。
上記オイル室(30c)は、本発明に係る油貯留部であり、いわゆる油タンクを構成している。オイル室(30c)には、オイルポンプ(36)が設けられている。このターボ圧縮機(21)では、オイル室(30c)の冷凍機油がオイルポンプ(36)によって各軸受(52,53)や動力伝達機構(33)に供給され、再び冷凍機油がオイル室(30c)に戻るように構成されている。つまり、オイル室(30c)と各軸受(52,53)等との間で冷凍機油が循環される。
また、上記ケーシング(30)には、均圧管(48)が設けられている。この均圧管(48)は、一端が吸入路(41)に連通し、他端が伝達室(30b)に連通している。したがって、伝達室(30b)が低圧雰囲気(低圧空間)となっている。そして、オイル室(30c)は、伝達室(30b)に連通し、低圧雰囲気(低圧空間)となっている。このように、オイル室(30c)が低圧雰囲気に維持されるため、各軸受(52,53)等へ供給された冷凍機油がオイル室(30c)へ戻り易くなる。
ここで、上記各圧縮機構(31,32)における羽根車(31a,32a)の背面側の構成について、図3を参照しながら詳細に説明する。なお、何れの羽根車(31a,32a)も同様な構成であるため、ここでは代表して低段羽根車(31a)の背面側について説明する。
上記低段羽根車(31a)には複数の羽根(31b)が設けられている。これら羽根(31b)と羽根(31b)の間が上述した低段圧縮流路(42)となっている。低段羽根車(31a)の背面側には背圧部(31c)が形成されている。この背圧部(31c)は、運転中、低段圧縮機構(31)から連通路(43)に吐出される冷媒の圧力(即ち、冷凍サイクルにおける中間圧力)とほぼ等しい圧力となる。なお、高段羽根車(32a)の場合、図1における右側が背圧部となる。
上記背圧部(31c)は、軸受(52)が設けられる空間(以下、軸受空間という。)とラビリンスシール(51)によって仕切られている。これにより、軸受空間の冷凍機油が低段羽根車(31a)の背圧部(31c)に侵入するのを防止している。また、この軸受空間は、上述したように、オイル室(30c)に連通しているため低圧雰囲気となっている。したがって、運転中は、ラビリンスシール(51)以外に、この圧力差によっても冷凍機油が軸受空間から背圧部(31c)に侵入するのを防止している。なお、高段羽根車(32a)の場合も、その背圧部と軸受空間とがラビリンスシール(51)によって仕切られている(図1を参照)。
〈コントローラの構成〉
上記コントローラ(60)は、本発明に係る制御手段を構成している。コントローラ(60)は、各膨張弁(23,25)の開度調節やIGV(46)およびDDC(47)の開度調節を行うように構成されている。
また、上記コントローラ(60)は、本発明の特徴として、電動機(34)の起動時(即ち、ターボ圧縮機(21)の起動時)においてIGV(46)およびDDC(47)を制御するように構成されている。具体的に、コントローラ(60)は、電動機(34)の起動開始から所定時間の間、IGV(46)およびDDC(47)の開度を最小開度に維持する。
−運転動作−
次に、上記ターボ冷凍機(10)の運転動作について説明する。
先ず、電動機(34)を起動してターボ圧縮機(21)を駆動させると、高段圧縮機構(32)で圧縮された冷媒が吐出路(45)から吐出されて凝縮器(22)へ流れる。凝縮器(22)では、冷媒が水配管(a)の水へ放熱して凝縮する。凝縮した液冷媒は、高段側膨張弁(23)で減圧された後、中間冷却器(24)へ流れて液冷媒とガス冷媒とに分離される。中間冷却器(24)のガス冷媒は、導入配管(27)を通ってターボ圧縮機(21)へ流れる。一方、中間冷却器(24)の液冷媒は、低段側膨張弁(25)で減圧された後、蒸発器(26)へ流れる。蒸発器(26)では、冷媒が水配管(b)の水から吸熱して蒸発し、水が冷却される。冷却された水は、室内機へ流れて室内空気を冷却する。蒸発器(26)で蒸発したガス冷媒は、ターボ圧縮機(21)の吸入路(41)から低段圧縮機構(31)へ吸入されて圧縮される。圧縮された冷媒は、連通路(43)へ流れて導入配管(27)のガス冷媒と合流して高段圧縮機構(32)へ吸入される。
ここで、電動機(34)の起動時において、電動機(34)の起動トルク低減のためにIGV(46)を最小開度に設定する一方、DDC(47)を何ら制御しない場合、各圧力が図4に示す通りに推移する。各羽根車(31a,32a)が回転し始めると、吐出圧Pd(高段圧縮機構(32)の吐出圧力、即ち冷凍サイクルの高圧)が高くなり、中間圧PM(低段圧縮機構(31)の吐出圧力)も若干高くなる。また、吸入圧Ps(低段圧縮機構(31)の吸入圧力、即ち冷凍サイクルの低圧)が低くなり、それに伴い油タンク圧(オイル室(30c)の圧力)も低くなる。一方、羽根車(31a,32a)が回転し始めると、その遠心力によって羽根車(31a,32a)の背圧(高段背圧PHbおよび低段背圧PLb)は急激に低くなる。特に、低段背圧PLbは吸入圧Psよりも低くなる逆圧状態が生じる。その後、高段背圧PHbは上昇して吐出圧Pdとほぼ同等になり、低段背圧PLbは上昇して中間圧PMとほぼ同等になる。
なお、吐出圧Pdは高段圧縮機構(32)の吐出圧力、即ち冷凍サイクルの高圧を意味する。中間圧PMは低段圧縮機構(31)の吐出圧力または高段圧縮機構(32)の吸入圧力を意味する。吸入圧Psは低段圧縮機構(31)の吸入圧力、即ち冷凍サイクルの低圧を意味する。高段背圧PHbは高段羽根車(32a)の背圧を意味し、低段背圧PLbは低段羽根車(31a)の背圧を意味する。
このように、低段羽根車(31a)の背圧PLbが吸入圧Psよりも低くなると、その圧力差によって軸受空間から冷凍機油がラビリンスシール(51)を介して背圧部(31c)に漏出する。
そこで、本実施形態では、電動機(34)の起動開始から所定時間が経過するまで、IGV(46)およびDDC(47)が最小開度に設定される。そうすると、各圧力が図5に示す通りに推移する。吐出圧Pdは、起動直後速やかに上昇して所定の圧力に到達する。また、中間圧PMも上記の場合と比べて速やかに所定の圧力に到達する。一方、高段背圧PHbは、起動直後は低くなるが直ちに上昇して上記の場合よりも速やかに吐出圧Pdと略同圧になる。低段背圧PLbは、起動直後は吸入圧Psよりも低くなって逆圧状態となるが、上記の場合よりも速やかに上昇して中間圧PMと略同圧となる。このように、本実施形態の制御によれば、低段背圧PLbが吸入圧Psよりも低くなる逆圧状態の時間が著しく短縮されているのが分かる。これにより、起動時において、軸受空間から背圧部(31c)へ冷凍機油が漏出する時間が短縮される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、電動機(34)の起動開始から所定時間が経過するまで、IGV(46)およびDDC(47)の開度を最小開度にするようにした。したがって、低段羽根車(31a)の背圧部(31c)の圧力を速やかに昇圧することができる。これにより、背圧部(31c)の圧力が吸入圧力よりも低くなる時間を大幅に短縮することができる。つまり、背圧部(31c)が軸受空間よりも圧力が低くなる逆圧状態の時間を短縮することができる。そのため、軸受空間から背圧部(31c)への冷凍機油の漏出を大幅に抑制することができる。その結果、冷凍機油が冷媒と共にターボ圧縮機(21)から吐出される状態(即ち、油上がり)を抑制することができる。よって、オイル室(30c)の冷凍機油の減少を抑制することができ、潤滑不良となるのを防止することができる。また、冷媒が冷凍機油と共に蒸発器(26)または凝縮器(22)へ流入すると、その蒸発器(26)等における熱交換効率が低下するが、その効率低下を防止することができる。
また、DDC(47)だけでなくIGV(46)も最小開度にするようにしたため、電動機(34)の起動トルクを低減することができる。さらに、DDC(47)を最小開度にしていることから各羽根車(31a,32a)内の圧力および背圧が過大に上昇する虞があるが、IGV(46)を最小開度にすることによって吸入流量が最小となるので、各羽根車(31a,32a)内の過大な圧力上昇を確実に防止することができる。その結果、過大な圧力上昇に伴う騒音等の不具合を発生させることなく、各羽根車(31a,32a)の背圧を適切且つ速やかに上昇させることができる。
また、本実施形態によれば、中間冷却器(24)を設けて二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行うようにしているため、冷凍機の成績係数(COP)が向上する。したがって、上述した油上がりの抑制効果と相まって、ターボ冷凍機(10)の運転効率を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態では、オイル室(30c)を低圧雰囲気にし、各軸受(52)等に供給された冷凍機油がオイル室(30c)に戻りやすくしているが、上述した油上がりの抑制効果により一層冷凍機油がオイル室(30c)に戻りやすくなる。これにより、ターボ圧縮機(21)における潤滑不良を確実に防止することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、電動機(34)の起動時から所定時間の間、IGV(46)およびDDC(47)の両方の開度を最小開度に維持するようにしたが、DDC(47)のみを最小開度に維持し、IGV(46)は各羽根車(31a,32a)内の圧力が適切となる範囲で開度を大きくするようにしても同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、IGV(46)およびDDC(47)をターボ圧縮機(21)のケーシング(30)内に設けるようにしたが、本発明はターボ圧縮機(21)とは別個独立(別体)に設けるようにしてもよい。つまり、本発明は、IGV(46)をターボ圧縮機(21)の吸入側(吸入路(41)側)の冷媒配管に設け、DDC(47)をターボ圧縮機(21)の吐出側(吐出路(45)側)の冷媒配管に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、各羽根車(31a,32a)の背圧部(31c)が軸受空間とラビリンスシール(51)によって仕切られる構成であるが、本発明は軸受空間に限らず、他の給油対象箇所と仕切られていてもよい。つまり、本発明は、各羽根車(31a,32a)の背圧部(31c)がオイル室(30c)から冷凍機油が供給される箇所とラビリンスシール(51)によって仕切られる構成であればよい。
また、上記実施形態では、ラビリンスシール(51)が他のシール機構であってもよいことは勿論である。
また、上記実施形態では、二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)について説明したが、本発明はこれに限らず、単段圧縮単段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたターボ冷凍機(10)に適用するようにしてもよい。その場合、ターボ圧縮機(21)は単段式に構成され、中間冷却器(24)が省略されると共に何れか1つの膨張弁(23,25)が省略される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ターボ圧縮機を備えたターボ冷凍機について有用である。
実施形態に係るターボ冷凍機の冷媒回路図である。 実施形態に係るターボ圧縮機の構成を概略的に示す断面図である。 低段圧縮機構を拡大して示す断面図である。 起動時における羽根車の背圧の推移を示すグラフである。 起動時における羽根車の背圧の推移を示すグラフである。
符号の説明
10 ターボ冷凍機
20 冷媒回路
21 ターボ圧縮機
24 中間冷却器
30 ケーシング
30c オイル室(油貯留部)
31 低段圧縮機構(圧縮機構)
31a 低段羽根車(羽根車)
32 高段圧縮機構(圧縮機構)
32a 高段羽根車(羽根車)
46 吸入流量制御弁(IGV)
47 吐出流量制御弁(DDC)
52 軸受(軸受部)
60 コントローラ(制御手段)

Claims (3)

  1. ケーシング(30)内に、羽根車(31a,32a)を有する圧縮機構(31,32)と、上記羽根車(31a,32a)の背圧部とシール機構(51)によって仕切られた軸受部(52)と、該軸受部(52)との間で冷凍機油が循環される油貯留部(30c)とを有するターボ圧縮機(21)と、該ターボ圧縮機(21)の吸入流量を調節するための吸入流量制御弁(46)および吐出流量を調節するための吐出流量制御弁(47)とが設けられ、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えたターボ冷凍機であって、
    上記ターボ圧縮機(21)の起動開始から所定時間の間、上記吐出流量制御弁(47)の開度を最小開度に維持する制御手段(60)を備えている
    ことを特徴とするターボ冷凍機。
  2. 請求項1において、
    上記制御手段(60)は、上記ターボ圧縮機(21)の起動開始から上記所定時間の間、上記吸入流量制御弁(46)の開度を最小開度に維持するように構成されている
    ことを特徴とするターボ冷凍機。
  3. 請求項1または2において、
    上記ターボ圧縮機(21)は、上記圧縮機構(31,32)が低段羽根車(31a)を有する低段圧縮機構(31)と高段羽根車(32a)を有する高段圧縮機構(32)とからなる二段式に構成され、
    上記冷媒回路(20)は、中間冷却器(24)を有し、該中間冷却器(24)の中間圧のガス冷媒が上記低段圧縮機構(31)の吐出冷媒と共に上記高段圧縮機構(32)へ吸入される二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行うように構成されている
    ことを特徴とするターボ冷凍機。
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