JP2009185521A - ラッチ装置 - Google Patents

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    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
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Abstract

【課題】最小の部品点数をもって慣性力や衝撃力の作用時にもストライカを捕捉し続ける機能を付与する。
【解決手段】 スライダー2によってストライカMaを、このスライダー2が前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放するようにしてなるラッチ装置である。ベース部材1には、ストッパー3の基部30の支持部17が形成されていると共に、慣性力や衝撃力の作用によって付勢に抗してストッパー3が支持部17に基部30を案内させながら後退されるようになっている。
【選択図】図1

Description

この発明は、リッドや扉などの可動体の閉じた状態を解除可能に維持するために用いられるラッチ装置の改良に関する。
ケース内にスライド移動可能に保持させたラッチ本体を付勢手段の付勢力に抗してロック位置にロックすると共に、ロック位置にあるラッチ本体を解除位置に押し込み操作するとこのロックが解かれるようにしたラッチ装置がある。(特許文献1参照)このラッチ装置にあっては、慣性力が作用されたときにラッチ本体と同方向に移動する応動体を備えており、この応動体に前記ロックをなすロックレバーを軸支させて、慣性力が作用されたときにこの応動体を通じてロックレバーを後退させ前記ロックを解かせないようにしている。
しかるに、特許文献1のものでは、ロックレバーと別体の応動体を必要不可欠とし、また、ラッチ本体のスライド移動方向に沿った慣性力の作用時とこれに直交する向きの慣性力の作用時とで、応動体を移動させる力の大きさを等しくさせ難いものであった。
特許第2912433号公報
この発明が解決しようとする第一の問題点は、この種のラッチ装置において、最小の部品点数をもって慣性力や衝撃力の作用時にもストライカを捕捉し続ける機能を付与する点にある。
また、この発明が解決しようとする第二の問題点は、この種のラッチ装置において、スライダーの移動方向に直交する向きに慣性力や衝撃力が作用された場合でも、スライダーの移動方向に沿った向きに慣性力や衝撃力が作用されたときと同じように、スライダーと一緒にストッパーを後退させてストライカを捕捉し続けるようにする点にある。
前記第一の問題点を達成するために、この発明にあっては、ラッチ装置を、以下の(1)〜(6)の構成を備えたものとした。
(1)ベース部材と、
(2)このベース部材に、前進位置と後退位置と最後退位置とに亘る前後動可能に支持されると共に、前方に向けた付勢力の作用を常時受けるスライダーと、
(3)ベース部材に備えられて、スライダーの後退位置において、スライダーの被掛合部に掛合部を掛合させてスライダーをこの後退位置に位置づけると共に、後退位置にあるスライダーに対する最後退位置に向けた移動操作によって前記掛合を解くストッパーとを有し、
(4) スライダーによってストライカを、このスライダーが前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放するようにしてなるラッチ装置であって、
(5)ベース部材には、ストッパーの基部の支持部が形成されていると共に、
(6)慣性力や衝撃力の作用によって付勢に抗してストッパーが支持部に基部を案内させながら後退されるようになっている。
スライダーはストライカを後退位置において捕捉し、これにより典型的には、ストライカの設けられたリッドや扉などの可動体を保持する。この状態においてラッチ装置に、スライダーの移動方向に沿った慣性力や衝撃力及びスライダーの移動方向に交叉する向きの慣性力や衝撃力の双方又はいずれか一方が作用されると、スライダーは最後退位置に向けて移動される場合が生じるが、スライダーがこのように最後退位置に向けて移動されたときにはストッパーも同じく後退させて、スライダーの被掛合部に対するストッパーの掛合部の掛合状態を維持させることができる。これにより、このような慣性力や衝撃力が作用されたときにラッチ装置による可動体の掛止状態が解かれないようにすることができる。こうした慣性力や衝撃力の作用が止むと、付勢によりストッパーは元の位置に押し戻され、最後退位置に向けてスライダーを押し込むように前記可動体を操作することで、ストッパーの掛合部とスライダーの被掛合部との掛合を解いて付勢によりスライダーを前進位置に移動させてストライカの捕捉を解き、可動体をフリーにさせることができる。
これに加えて、前記第二の問題点は、前記ストッパーの基部の支持部が、スライダーの移動中心線に対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線に沿った案内面を備えるようにしておくことで解決される。
すなわち、このようにしておけば、慣性力や衝撃力の作用時のストッパーの後退を、この慣性力や衝撃力の向きがスライダーの移動方向に直交する向きであるときも、スライダーの移動方向に沿った向きのときと同じように、一定の大きさ以上の力の作用をもって生じさせることができる。
また、前記ストッパーを、基部から前方に延びると共に前端を掛合部とした一対のアームを有したものとし、一対のアームの間にスライダーが収まるようにしておくと共に、スライダーの背中合わせとなる両面部にそれぞれ、被掛合部とこれを取り巻いて掛合部を案内するカム溝とを形成させるようにしておけば、スライダーの後退位置においてかかるスライダーをストッパーによって安定的に保持させることができる。
また、前記スライダーを、スライダー主体に、鈎状をなすストライカに引っかかる鈎状部を備えたロック体を回動可能に組み合わせて構成させ、
ストライカに押されて前進位置にあるスライダーが後退位置に移動することに伴ってこのストライカに鈎状部を引っかける位置までロック体が回動されるようにしておくこともある。
このようにすれば、かかるスライダーによってストライカを、このスライダーが前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放することができる。
この発明にかかるラッチ装置によれば、所定の大きさの慣性力や衝撃力の作用時に、スライダーの後退量分ストッパー自体を後退させてストッパーの掛合部をスライダーの被掛合部に掛合させた状態を維持させることができることから、最小の部品点数をもって慣性力や衝撃力の作用時にもスライダーを通じてストライカを捕捉し続けることができる。
また、前記ストッパーの基部の支持部が、スライダーの移動中心線に対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線に沿った案内面を備えるようにしておくことで、スライダーの移動方向に直交する向きに慣性力や衝撃力が作用された場合でも、スライダーの移動方向に沿った向きに慣性力や衝撃力が作用されたときと同じように、スライダーと一緒にストッパーを後退させてストライカを捕捉し続けることができる。
以下、図1〜図9に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、ここで図1〜図4はラッチ装置を断面にしストライカMaを想像線で表すと共に、ラッチ装置の取り付けられる固定体の記載を省略して示しており、図1はラッチ装置にストライカMaが捕捉される直前又はラッチ装置からストライカMaが解放された直後の状態を、図2はラッチ装置にストライカMaが捕捉された直後の状態を、図3はストライカMaを捕捉したスライダー2にストッパー3が掛合してストライカMaの捕捉状態を維持させた状態を、図4は図3の状態から慣性力や衝撃力が作用されてスライダー2が最後退位置に向けて移動された状態を、それぞれ示している。図3の状態から最後退位置に向けてストライカMaの備えられた可動体Mを押し込み操作するとスライダー2は最後退位置に向けて後退してスライダー2とストッパー3との掛合が解かれ、図1の状態への復帰がなされる。
また、図5はラッチ装置を構成するベース部材1を、図6はラッチ装置を構成するスライダー2とストッパー3を、図7はストッパー3を、図8はベース部材1を断面にして、図9及び図10はラッチ装置を断面にして示しており図10は図9と反対の側からラッチ装置を断面にして示している。
この実施の形態にかかるラッチ装置は、リッドや扉などの可動体Mの閉じた状態を解除可能に維持するために用いられるものである。
リッドや扉の閉止に用いられる場合には、典型的には、かかるラッチ装置は、こうしたリッドなどによって閉じられる開口部を持った固定体の内部にかかる開口部側に前部を向けるようにして備えられ、リッドなどが閉じきられる直前においてかかるリッドなどに備えられたストライカMaを後述するスライダー2によって捕捉してリッドが閉じきられた状態を維持するように用いられる。
かかるラッチ装置は、ベース部材1と、スライダー2と、ストッパー3とを備えて構成されている。
ベース部材1は、スライダー2とストッパー3を支持して両者を連動させるように組み合わせるものである。かかるベース部材1は、スライダー2を、前進位置と後退位置と最後退位置とに亘る前後動可能に支持している。
ベース部材1は、筒前端10aを解放させた角筒状をなすように構成されている。筒前端10aには外鍔10bが形成されていると共に、四つの側板10cのうち、向き合った一対の側板10c、10cには、外鍔10b側に掛合端を向けた弾性掛合片11が形成されている。図示の例では、図示しない取り付け穴にこの取り付け穴に外鍔10bが引っかかる位置までベース部材1をその筒後端10f側から入れ込ませる過程で弾性掛合片11を一旦内向きに撓み込ませた後に弾発させてこの外鍔10bとの間で取り付け穴の穴縁を挟み付けさせて、この取り付け穴が形成された部材にラッチ装置をワンタッチで取り付けることができるようにしてある。
ベース部材1の四つの側板10cのうち、弾性掛合片11が備えられていない一対の側板10c、10cの一方(以下、この側板10cを第一側板10dという。)の内面には、ベース部材1の筒前端10aと筒後端10fとの間において、この第一側板10dに向き合う側板10c(以下、この側板10cを第二側板10eという。)の側に向けてベース部材1の内径の略半分の位置まで突き出す仕切り壁部12が形成されている。この仕切り壁部12は筒前端10aに向けて突き出す後述するバネ4の支持突起12aを備えている。また、第一側板10dの仕切り壁部12と筒前端10aとの間には、前後方向に長く続くスロット13が形成されている。また、このスロット13を挟んだ両側にはそれぞれ、第二側板10eの側に頂部14aを向けた山状部14が形成されている。
また、仕切り壁部12と筒後端10fとの間には、ベース部材1の弾性掛合片11の備えられた一対の側板10c、10cの内面との間にそれぞれ略等しい間隔を開けるようにして、第一側板10dと第二側板10eとの間に亘って架橋片15が設けられている。この架橋片15は、ベース部材1の筒軸、すなわち、スライダー2の移動中心線xに対して、略直交する向きに第二側板10eから内方に向かう垂直部分15aと、この垂直部分15aの内端から第一側板10dの内面に亘ると共に第一側板10d側に近づくに連れて次第に後方に向かう傾斜部分15bとを備えている。そして、この架橋片15の傾斜部分15bは、スライダー2の移動中心線xに対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線yに沿うように形成されている。また、ベース部材1における架橋片15よりも後方には、架橋片15を挟んだ両側にそれぞれ、第二側板10e側から第一側板10d側に突き出すと共に、前方を向いたかかる突きだし方向にある側端を架橋片15の傾斜部分15bに略平行をなす傾斜面16aとした突部16が形成されている。図示の例では、かかる架橋片15はその長さ方向に亘る割溝15cにより二分されている。架橋片15の第一側板10dとの連接部であってかかる割溝15c間に位置される箇所には、後述するバネ5の支持突起15dが架橋片15の傾斜部分15bの傾斜に沿う向きに突き出すように形成されている。
図示の例では、かかる架橋片15と突部16を、後述するストッパー3の基部30の支持部17としており、この架橋片15の傾斜部分15bと突部16とがそれぞれスライダー2の移動中心線xに対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線yに沿ったストッパー3の基部30の案内面17aを持っている。
スライダー2は、図示の例では、スライダー主体20と、ロック体21とを組み合わせて構成されている。
図示の例では、スライダー主体20は、ベース部材1内にガタ少なく収まる大きさを備えた前部20aと、ベース部材1の弾性掛合片11が備えられた側板10cの内面との間に隙間を形成させるように形成された後部20cとを備えている。スライダー主体20の後部20cの、スライダー2の移動中心線xを挟んだ第二側板10e側には、ベース部材1の弾性掛合片11が備えられた側板10cに向けられた面部にそれぞれ、後述する被掛合部20dとこれを取り巻くカム溝20eが形成されている。
スライダー2は後方には、スライダー主体20の後部20cが前方からベース部材1の仕切り壁部12に突き当たる位置まで移動可能とされている。(図2/スライダー2の最後退位置)
スライダー主体20の後部20cには前後方向に沿って貫通穴20fが形成されており、仕切り壁部12にバネ後端を押しつけさせ、かつ、この貫通穴20fを通じてバネ前端をスライダー主体20の前部20aの後面に押しつけさせた圧縮コイルバネ4によってスライダー2は前方に向けた付勢力の作用を常時受けるようになっている。スライダー主体20の後部20cにはベース部材1の第一側板10dのスロット13に入り込んだ抜け止め突起20gが形成されており、スライダー2は前方には、この抜け止め突起20gがスロット13の前端に突き当たる位置まで移動可能とされている。(図1/スライダー2の前進位置)
また、スライダー主体20の前部20aはその前側を枠状部20bとして構成させている。この枠状部20bは第一側板10d側と第二側板10e側とでそれぞれ開放されていると共に、この枠状部20bと第二側板10eとの間にはストライカMaの進入空間sが形成されるようになっている。
ロック体21は、スライダー主体20に、回動可能に組み合わせて構成されている。図示の例では、ロック体21は、前部20aに鈎状をなすストライカMaに引っかかる鈎状部21aを備えると共に、後方に向けて突き出す一対の腕部21c、21cを有している。
ロック体21の一対の腕部21c、21cは、その間にスライダー主体20の後部20cを納める間隔を開けて設けられていると共に、それぞれその長さ方向中程の位置に、他方の腕部21c側に向けて突き出す軸突起21dを備えている。図示の例では、スライダー主体20の後部20cにおけるスライダー2の移動中心線xを挟んだ第一側板10d側にかかる軸突起21dを納める長穴状をなす軸穴20hが形成されており、スライダー主体20の枠状部20bに第一側板10d側から鈎状部21aを入れ込ませ、かつ、一対の腕部21c、21c間にスライダー主体20の後部20cを納めて前記軸突起21dをそれぞれ軸穴20hに入れ込ませることにより、ロック体21をスライダー主体20に回動可能に組み合わせている。
図示の例では、スライダー2が前進位置にあるときは、前記山状部14の頂部14aにロック体21の腕部21cの後端21eが支持されてロック体21は鈎状部21aを枠状部20b内に納める位置に位置づけられ、一方、スライダー2が後退位置にあるときは、前記山状部14の頂部14aよりも後方にロック体21の腕部21cの後端21eが入り込みロック体21は腕部21cを山状部14に案内されて前記軸突起21dを中心に鈎状部21a側が第二側板10eに近づく向きに回動されてこの鈎状部21aが枠状部20bより前記進入空間s内に突き出すようになっている。 そして、かかるスライダー2によってストライカMaを、このスライダー2が前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放するようにしている。
図示の例では、スライダー2が前進位置にある状態において、スライダー主体20の前部20aはベース部材1の筒前端10aより前方に突き出されており、前記枠状部20b上、さらには前記進入空間sへのストライカMaーの入り込みが許容され、移動してくるストライカMaはスライダー主体20の枠状部20b上で前部20aに突き当たって前記バネ4の付勢に抗してスライダー2を後退位置に押し込み移動させる。そしてこれに伴って入り込んできた鈎状をなすストライカMaに鈎状部21aを引っかける位置までロック体21が回動されるようになっている。図示の例では、ストライカMaは枠状部20b側に突き出す爪Mbを持った鈎状に構成され、ロック体21の鈎状部21aは第二側板10e側に突き出す爪21bを持つように構成されている。
スライダー2は、ストライカMaを、このスライダー2が前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放するようにするものであれば良く、図示の構成のものに限られない。ストライカMaの形状も必要に応じて変更される。例えば、スライダー2は、前記ロック体21に代えて、スライダー主体20に樹脂ヒンジ部を介して一体に連接されて前方に突き出すと共にスライダー2が前進位置にあるときに外開き状に位置づけられる一対のウイングを備え、この一対のウイング間にストライカMaが受け入れられると共に受け入れられるストライカMaに押されてスライダー2が後退する過程でベース部材1の内壁によって一対のウイングを内向きにすぼませてこの一対のウイングによってストライカMaを抱持状に捕捉するものとして構成させておくこともできる。
ストッパー3は、ベース部材1に備えられて、スライダー2の後退位置において、スライダー2の被掛合部20dに掛合部31aを掛合させてスライダー2をこの後退位置に位置づけると共に、後退位置にあるスライダー2に対する最後退位置に向けた移動操作によって前記掛合を解くものである。
図示の例では、かかるストッパー3は、両端に円盤状の鍔部30aを備えたボビン状をなす基部30と、この基部30から前方に延びると共に前端を掛合部31aとした一対のアーム31、31とを有している。図示の例では、一対のアーム31、31の後端間を連接させる連接部31bを備える金属線材のこの連接部31bの外側に前記基部30を一体に設けさせることでストッパー3が構成されている。かかる基部30は、後述する慣性力や衝撃力にストッパー3が応答し易い重さを持つように構成される。例えば、金属粉を混ぜた樹脂材料により、前記金属線材をインサートとして基部30を射出成形することで、基部30に所望の重さを持たせたストッパー3を容易に成形させることができる。
掛合部31aは、図示の例では、前記アーム31の前端を他方のアーム31の側に屈曲させることで構成されている。
また、かかるストッパー3は、前記ベース部材1の架橋片15と突部16に、その基部30を支持させている。図示の例では、架橋片15に後方側からストッパー3の基部30の二箇所の鍔部30a間にある中央部30bの前端を接しさせると共に、前記突部16の傾斜面16aに前方側からストッパー3の鍔部30aの後端21e側を接しさせて、この架橋片15と突部16との間で斜め後方側への移動を可能とした状態でストッパー3の基部30を支持させている。基部30の中央部30bの後部20cには、圧縮コイルバネ5のバネ前端の入れ込み穴30cが形成されており、この入れ込み穴30cにバネ前端を入れ込み、かつ、バネ他端に架橋片15の第一側板10dとの連接部31bに形成された前記支持突起15dを入れ込ませた圧縮コイルバネ5によって、ストッパー3の基部30は架橋片15の垂直部分15aと傾斜部分15bとの連接箇所に基部30の中央部30bの前端を押し当てさせた前進位置に位置づけられるようになっている。(図1)
これにより、かかるストッパー3は、慣性力や衝撃力の作用によって付勢に抗して前記支持部17に基部30を案内させながら後退されるようになっている。前記バネの付勢力を調整することで、スライダー2の付勢に抗した後退を生じさせる大きさの慣性力や衝撃力が作用されたときに、ストッパー3も前記バネの付勢に抗して後退するようにすることができる。
スライダー2はストライカMaを後退位置において捕捉し、これにより典型的には、ストライカMaの設けられたリッドや扉などの可動体Mを保持する。この状態においてラッチ装置に、スライダー2の移動方向に沿った慣性力や衝撃力及びスライダー2の移動方向に交叉する向きの慣性力や衝撃力の双方又はいずれか一方が作用されると、スライダー2は最後退位置に向けて移動される場合が生じるが、スライダー2がこのように最後退位置に向けて移動されたときにはストッパー3も同じく後退させて、スライダー2の被掛合部20dに対するストッパー3の掛合部31aの掛合状態を維持させることができる。(図4)これにより、このような慣性力や衝撃力が作用されたときにラッチ装置による可動体Mの掛止状態が解かれないようにすることができる。こうした慣性力や衝撃力の作用が止むと、付勢によりストッパー3は元の位置に押し戻され、最後退位置に向けてスライダー2を押し込むように前記可動体Mを操作することで、ストッパー3の掛合部31aとスライダー2の被掛合部20dとの掛合を解いて付勢によりスライダー2を前進位置に移動させてストライカMaの捕捉を解き、可動体Mをフリーにさせることができる。
具体的には、図示の例では、スライダー2の被掛合部20dは、前方に向けられた側に窪み20jを備えた略ハート型の突起20iのこの窪み20jによって構成されている。この突起20iは、カム溝20eに取り巻かれている。このカム溝20eは、ストッパー3の掛合部31aを納める溝幅を有している。
かかるカム溝20eは、スライダー主体20の後部20cの後端から突起20iの窪み20jと反対の側に続く出入路Raと、この出入路Raから突起20iの第一側板10d側を通って突起20iよりも前方に至る往路Rbと、出入路Raから突起20iの第二側板10e側を通って突起20iよりも前方に至る復路Rcとを備えている。往路Rbと復路Rcの中間にはそれぞれ突起20iの窪み20jへの連通部Rdが形成されている。
スライダー2の背中合わせとなる両面部、図示の例では、スライダー主体20の後部20cにおけるベース部材1の弾性掛合片11を備えた側板10cに向き合う面部においてそれぞれ、スライダー2が前進位置にあるときにストッパー3の掛合部31aはカム溝20eの出入路Raに位置され、付勢に抗してスライダー2が最後退位置まで押し込みきられるとストッパー3の掛合部31aは往路Rbの前端Rb’に位置され、次いでスライダー2の押し込み操作が解かれて付勢によりスライダー2が後退位置まで前進する過程で連通部Rdを通じて前記窪み20jに入り込み、前記付勢によりこの窪み20jにストッパー3の掛合部31aが掛合してスライダー2が後退位置にある状態が維持されるようになっている。それと共に、スライダが後退位置にある状態から付勢に抗してスライダー2を最後退位置まで押し込み操作すると、ストッパー3の掛合部31aは連通部Rdを通じて窪み20jから抜け出して復路Rcの前端Rc’に至り、次いでこの押し込み操作を解くと連通部Rdには入らずに復路Rcを通じて出入路Raに至り、スライダー2を前進位置に復帰させるようになっている。
かかるストッパー3の掛合部31aの往復動作は、カム溝20eの深さを変えて掛合部31aが逆走しないようにすることにより確保させることができる。あるいはまた、スライダー主体20の後部20cの背中合わせの向きにある両面部にそれぞれ設けられたカム溝20eの一方と他方の形状を若干異ならせるようにして、ストッパー3の一対のアーム31、31の連接部31bにねじり力を働かせ、このねじり力により掛合部31aがカム溝20eを逆走しないようにすることにより確保させることができる。
図示の例とは別に、かかる被掛合部20dとカム溝20eは、スライダー主体20の後部20cの一面部にのみ形成させておいても良く、この場合にはストッパー3は一つのアーム31を備えれば足りることとなる。
この実施の形態にあっては、ストッパー3の基部30の支持部17、つまり、架橋片15の傾斜部分15bと突部16の傾斜面16aは、スライダー2の移動中心線xに対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線yに沿った案内面17aとなっていることから、慣性力や衝撃力の作用時のストッパー3の後退を、この慣性力や衝撃力の向きがスライダー2の移動方向に直交する向きであるときも、スライダー2の移動方向に沿った向きのときと同じように、一定の大きさ以上の力の作用をもって生じさせることができるようになっている。
ラッチ装置の使用状態を示した断面構成図 ラッチ装置の使用状態を示した断面構成図 ラッチ装置の使用状態を示した断面構成図 ラッチ装置の使用状態を示した断面構成図 ベース部材1の斜視構成図 スライダー2とストッパー3の分離斜視構成図 ストッパー3の斜視構成図(図6の左側から見た図) ベース部材1の要部破断斜視構成図 ラッチ装置の要部破断斜視構成図 ラッチ装置の要部破断斜視構成図
符号の説明
Ma ストライカ
1 ベース部材
17 支持部
2 スライダー
20d 被掛合部
3 ストッパー
30 基部
31a 掛合部

Claims (4)

  1. ベース部材と、
    このベース部材に、前進位置と後退位置と最後退位置とに亘る前後動可能に支持されると共に、前方に向けた付勢力の作用を常時受けるスライダーと、
    ベース部材に備えられて、スライダーの後退位置において、スライダーの被掛合部に掛合部を掛合させてスライダーをこの後退位置に位置づけると共に、後退位置にあるスライダーに対する最後退位置に向けた移動操作によって前記掛合を解くストッパーとを有し、
    スライダーによってストライカを、このスライダーが前進位置から後退位置に後退する過程で捕捉し、かつ、後退位置から前進位置に前進する過程で解放するようにしてなるラッチ装置であって、
    ベース部材には、ストッパーの基部の支持部が形成されていると共に、
    慣性力や衝撃力の作用によって付勢に抗してストッパーが支持部に基部を案内させながら後退されるようになっていることを特徴とするラッチ装置。
  2. 支持部が、スライダーの移動中心線に対して略45度の角度をもって交叉する仮想の直線に沿った案内面を備えていることを特徴とする請求項1に記載のラッチ装置。
  3. ストッパーは、基部から前方に延びると共に前端を掛合部とした一対のアームを有しており、
    一対のアームの間にスライダーが収まるようになっていると共に、スライダーの背中合わせとなる両面部にそれぞれ、被掛合部とこれを取り巻いて掛合部を案内するカム溝とが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラッチ装置。
  4. スライダーは、スライダー主体に、鈎状をなすストライカに引っかかる鈎状部を備えたロック体を回動可能に組み合わせて構成されており、
    ストライカに押されて前進位置にあるスライダーが後退位置に移動することに伴ってこのストライカに鈎状部を引っかける位置までロック体が回動されるようになっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のラッチ装置。
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