JP2009185344A - 蒸着方法、蒸着装置、および表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着方法、蒸着装置、および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着速度の検出精度を低下させることなく水晶板の長寿命化が可能で、これにより稼働率の向上を図ることが可能な蒸着方法を提供する。
【解決手段】水晶板の周波数を測定する第1工程と、周波数を測定した後の水晶板を所定時間の間だけ蒸着物質の蒸気に晒す第2工程と、蒸着物質の蒸気に晒した後の前記水晶板の周波数を測定する第3工程と、第1工程と第3工程とで測定した各周波数と前記第2工程での所定時間とから、当該蒸着物質の蒸着速度を算出する第4工程とを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸着方法、蒸着装置、および表示装置の製造方法に関し、特には水晶板を用いて蒸着速度を検知する蒸着方法、この蒸着方法を行う蒸着装置、およびこの蒸着方法を適用した表示装置の製造方法に関する。
有機電界発光素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)の作製においては、発光層を含む有機層やこの上部の電極層の形成を蒸着成膜によって行っている。特に、この蒸着成膜においては、有機電界発光素子の発光特性を確保する上で、蒸着膜の膜厚の制御が重要である。このため、水晶板を用いた膜厚センサーにより精度良く蒸着膜厚を検出して成膜速度を算出し、蒸着速度の制御系にフィードバックすることによって、有機層や電極層などの蒸着膜の膜厚を制御している。
ここで水晶板(水晶振動板)を用いた膜厚センサーは、センサー自身に蒸着膜が付着することによりその周波数(発振周波数)が減少することを利用して蒸着膜厚を検出し、成膜速度を算出する原理である。このため、蒸着装置を連続的に使用することで一定量以上の膜厚の蒸着膜が付着すると、水晶板の発振が不安定になりついには発振しなくなる。このため水晶板が寿命に至る度に蒸着装置を停止し、水晶板を新しいものと交換する作業が発生する。しがって、水晶板の寿命が、蒸着装置の稼働率を大きく左右する一因となっている。
このような水晶板の寿命による蒸着装置の稼働率の低下を防ぐ第1の方法として、予め装置内に複数の水晶板を設置しておき、1つの水晶板が寿命に達するたびに次の水晶板に切り替えて使用する方法がある。ところが、このような第1の方法では、膜厚モニターの取り付け機構が巨大になって蒸着室内に収まらず、蒸着装置が大型化する。また、複数の水晶板同士でのキャリブレーション作業が煩雑になるなどの問題がある。
そこで第1の方法に代わる第2の方法として、水晶板と蒸着源との間にシャッター機構を取り付けて水晶板に入射する蒸着蒸気を一定サイクルで遮断し、間欠的にシャッターを開いて蒸着膜厚を検出する方法が提案されている。この場合、シャッターを開いたモニター期間において、水晶板が出力する信号に基づいて蒸着速度を算出し、蒸着速度が一定となるように蒸着速度の制御系を制御する(例えば下記特許文献1,2参照)。
以上のような第2の方法によれば、水晶板の寿命の延長度合いは、シャッターの開/閉、各々の時間設定によって決定される。このため、上記第1の方法のように膜厚モニターの取り付け機構が巨大化せず、キャリブレーション作業が煩雑化することも無い。
特開平04−34891号公報(例えば第5頁左上欄参照) 特開2007−39762号公報(例えば段落0021参照)
しかしながら、上述した第2の方法には、次に示すような2つの問題があった。
1つ目の問題点を図17のタイミングチャートに基づいて説明する。上述した第2の方法では、水晶板と蒸着源との間の(1)シャッター開閉動作にともない、シャッターを開いた状態において(2)水晶板上の積算膜厚が増加していく。この場合、(1)シャッター開閉動作にともない水晶板が機械的に振動し、また(3)水晶板の温度も変動する。これにより、シャッターを開けてから一定時間は、(4)水晶板の周波数から検出される(5)蒸着速度がこれらの変動に左右されるため、正確な蒸着速度を読み取ることが不可能な読み取り不可能時間Aとなる。
すなわち、シャッターが開くことにより、水晶板が蒸着源からの蒸着物質の蒸気に晒されると(3)水晶板の温度が変化する。(4)水晶板の周波数は温度に対する依存性も有しているため、この温度変化に伴って水晶板の周波数が変化し、結果として検出される蒸着速度に影響を与える。また、シャッターの開閉動作による機械的振動によっても、水晶板の周波数は若干の影響を受ける。典型的な蒸着源の例では、これらの影響が概ね緩和され、検出される蒸着速度の信頼性が確保されるまでの時間、すなわち蒸着速度の読み取り不可能時間Aとして、概ね30秒〜120秒程度必要である。
2つ目の問題点は、水晶板の周波数ノイズである。すなわち、一般に水晶板を用いたモニターにより検出される蒸着速度には、水晶板の周波数ノイズに由来するノイズが含まれる。連続的に蒸着速度をモニターする方式においては、このノイズを除去するために、過去の一定時間のレートの変動を利用した各種のフィルターをかけることが可能である。しかしながら、上述した第2の方法のように、シャッターが開いている間のみに蒸着速度を測定する間欠モニター方式においては、シャッターが開いている時間が短いため、十分にノイズを除去することが出来ない。このノイズの影響により、検出されるレートの精度が下がってしまう。またノイズを十分に除去するためには、シャッターを開けておく時間を長くする必要がある。
以上のように、上述した第2の方法では、精度の良く蒸着速度を検出するためには、シャッターを開けておく時間にある程度の長い時間が必要であり、水晶板の寿命の延長には限界があった。
そこで本発明は、蒸着速度の検出精度を低下させることなく水晶板の長寿命化が可能で、これにより稼働率の向上を図ることが可能な蒸着方法を提供すること、さらにはこの蒸着方法を行う蒸着装置および表示装置の製造方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するための本発明の蒸着方法は、次の工程を順次行うことを特徴としている。先ず第1工程では、水晶板の周波数を測定する。次の第2工程では、前記周波数を測定した後の水晶板を所定時間の間だけ蒸着物質の蒸気に晒す。次いで第3工程では、蒸着物質の蒸気に晒した後の水晶板の周波数を測定する。その後第4工程では、第1工程と第3工程とで測定した各周波数と、第2工程で蒸着物質の蒸気に水晶板を晒した所定時間とから、当該蒸着物質の蒸着速度を算出する。
このような構成の蒸着方法では、蒸着物質の蒸気に晒された所定時間の間の全体において水晶板に堆積された蒸着物質の膜厚に基づいた水晶板の周波数から、蒸着速度が算出される。このため、水晶板上には、蒸着速度の算出に寄与しない蒸着物質の堆積はなく、蒸着速度の算出のために必要な水晶板上への蒸着物質の堆積が最小限に抑えられる。
また本発明の蒸着装置は上記蒸着方法を実現するための蒸着装置でもある。この蒸着装置は、蒸着物質を発生させる蒸着源と、蒸着源の上方に被蒸着基板を保持するための保持手段と、蒸着源の上方にシャッターを介して配置された水晶板と、さらに蒸着速度を算出する演算部とを備えている。この演算部では、所定時間の間だけシャッターを開き、その前後の当該シャッターが閉じた状態で水晶板の周波数を測定し、測定された各周波数と当該シャッターを開いた所定時間とから蒸着物質の蒸着速度を算出する。
また本発明は、基板上に蒸着膜を形成する工程を有する表示装置の製造方法であって、蒸着膜を形成する工程に、上述した本発明の蒸着方法を適用する。
以上説明したように本発明によれば、水晶板の周波数に基づいて精度良好に、かつ水晶板上への蒸着物質の堆積を最小限に抑えつつ蒸着速度を得ることが可能になる。これにより、水晶板を蒸着速度の検出モニターとした蒸着装置の稼働率の向上を図ることが可能であり、この蒸着装置を用いて作製される表示装置の製造性の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態においては、先ず蒸着装置の構成を説明し、次にこの蒸着装置の特徴部ともなる演算部で行う蒸着方法を説明し、その後各変形例としての各実施形態を説明する。そして、これらの実施形態の後にこの蒸着方法を適用して作製される表示装置の構成と、その適用例を説明する。
≪第1実施形態≫
<蒸着装置>
図1は、本発明の蒸着方法が適用される蒸着装置の一構成例を示す図であり、図1(a)は全体図構成を示す模式図であり、図1(b)は要部を拡大した斜視図である。これらの図に示す蒸着装置1は、蒸着物質Mを加熱して蒸気にする蒸着源3を備えている。この蒸着源3は、固体または液体状の蒸着物質Mを貯留するルツボ5と、ルツボ5を加熱するためのヒーターなどの加熱手段7とを備えており、ルツボ5の開口から上方の蒸着室内に蒸着物質の蒸気(以下、蒸着物質蒸気と記す)mを放出する構成となっている。
蒸着源3の上方の蒸着室内には、ルツボ5の開口に対向する状態で被蒸着基板(以下、単に基板と記す)Wを保持するための保持手段(図示省略)が設けられている。尚、この保持手段は、蒸着源3に対して相対的に基板Wを移動させる機能を備えていても良い。
また、蒸着源3の上方の蒸着室内には、基板W上への蒸着物質蒸気mの到達を妨げることのない位置で、かつ蒸着物質蒸気mが到達する位置に、蒸着速度の検出部10が設けられている。この検出部10は、水晶板(水晶振動板)11を用いたものであり、蒸着物質の堆積によって周波数(発振周波数)が変化する水晶板11の特性を利用したものである。
水晶板11の蒸着源3側には、水晶板11に対応する部分に開口13aを設けた防着板13と、防着板13の開口部13aを開閉するシャッター15とが設けられ、さらにシャッター15による開口部13aの開閉を検出するセンサー17が、防着板13の背面側に開口部13aを挟んで配置されている。このセンサー17は、例えば光学式のセンサーであることとする。そして、シャッター15による開口部13aの開閉によって、水晶板11への蒸着物質蒸気mの到達が制御される構成となっている。
ここで、この蒸着装置1を用いた蒸着方法においては、シャッター15を「開」とした状態の時間を厳密に求めることが、蒸着速度の検出精度を向上させるために重要である。特に、水晶板11の寿命を長くするためには、シャッター15を「開」とした時間を短く設定することが必須であり、シャッター「開」の時間の精度が、蒸着速度の検出に及ぼす影響が大きくなる。しかしながら、一般的な機械駆動式シャッターが動作する時間の精度はそれほど良くない。このため、シャッター駆動機構とは別のシャッターの開閉を検知するセンサー17を設けたことにより、厳密にシャッター「開」時間を検出し、これによって十分な精度で蒸着速度を求めることを可能にしている。また、このセンサー17の蒸着源3側には、防着板13を設けたことにより、センサー17に蒸着物質蒸気mが付着することを防止している。
さらにこの蒸着装置1には、水晶板11の周波数を測定する周波数カウンター21、周波数カウンター21で測定した周波数に基づいて蒸着速度を算出する蒸着速度演算部23、蒸着速度演算部23で算出された蒸着速度に基づいて蒸着源3の加熱温度を制御するヒーター出力制御部25が設けられている。
本実施形態においては、この蒸着速度演算部23で行われる蒸着速度の算出が特徴的である。すなわち蒸着速度演算部23においては、所定時間の間だけシャッター15を開いた前後においての当該シャッター15が閉じた状態で測定された各周波数fcと、シャッターが開いていた所定時間Tとから、蒸着物質の蒸着速度を算出する。このような蒸着速度演算部23において行われる蒸着速度の算出手順の詳細は、次の蒸着方法にいて詳細に説明する。
そして、ヒーター出力制御部25においては、蒸着速度演算部23からフィードバックされた蒸着速度に基づいて、固体または液体状の蒸着物質Mが貯留されたルツボ5の加熱温度を制御する。ここでは、水晶板11と共に蒸着室内に設けられた基板Wに対する蒸着物質の蒸着速度が目標とする所定の値となるように、ヒーターなどの加熱手段7の出力を演算し、この加熱手段7による加熱温度の調整によって蒸着室内への蒸着物質蒸気mの放出を制御する。
<蒸着方法>
図2は、図1を用いて説明した蒸着装置を用いて行われる蒸着成膜におけるタイムチャートであり、(1)シャッター開閉動作、(2)水晶板上の積算膜厚、(3)水晶板の温度、(4)水晶板の周波数、(5)蒸着速度、(6)時間を同期させて示している。以下においては、先ずこの図2と共に先の図1を参照して本発明の蒸着方法の概要を説明する。
先ず、加熱手段7での加熱によって蒸着源3から蒸着物質蒸気mを放出させた状態において、図2に示すように、検出部10におけるシャッター15の開閉を繰り返し行い、水晶板11を繰り返し蒸着物質蒸気mに晒す。そして、シャッター「閉」の状態において、(4)水晶板11の周波数fc-1,fc-2を周波数カウンター21で測定する。この際、シャッター「閉」にしてから、水晶板の機械的振動や熱的条件が安定化するのを一定期間の間待ち、その後の期間に(4)水晶板11の周波数fc-1,fc-2を周波数カウンター21で測定することが好ましい。シャッター「閉」にしてからのこの期間では(2)水晶板上の積算膜厚の変動が無く、(3)水晶板の温度の変動が小さいため、周波数の変動要因はノイズのみとなり、フィルタリングが容易である。フィルタリングとしては、水晶板の周波数を所定時間の間サンプリングし、その平均値を周波数fc-1、fc-2とする方法が例示される。
そして、シャッター「開」の状態の前後においての、シャッター「閉」の状態で測定された各周波数fc-1,fc-2を積算膜厚d1,d2に換算し、シャッター「開」となっていた所定時間Tによって積算膜厚d1,d2の差分を割ることにより、シャッター「開」の期間においての(5)蒸着速度を得る。ここで、シャッター「開」となっていた所定時間Tは、蒸着装置1の検出部10に設けたセンサー17によって検出された、厳密にシャッター「開」となっていた時間を用いることとする。
またさらに、算出された蒸着速度に基づいて、基板Wに対する蒸着速度が所定の速度となるようにルツボ5の加熱温度を制御することは、蒸着装置の構成において述べた通りである。
また基板W上への蒸着成膜においては、以上のような水晶板に設けたシャッターの開閉を伴う蒸着速度の算出を繰り返し行い、算出された蒸着速度を逐次フィードバックして基板Wに対する蒸着速度が制御される構成となっている。
図3は、以上説明した成膜方法における蒸着速度の算出をさらに詳細に説明するためのフローチャートであり、先の図2を参照しつつ蒸着速度の算出の手順の詳細を説明する。
先ず、ステップS1では、シャッター「閉」の状態で、水晶板の周波数fc-1を測定する。この際、加熱手段7での加熱によって蒸着源3から蒸着物質蒸気mを放出させた状態として良い。またここでは、例えば水晶板の周波数を所定時間の間サンプリングし、その平均値を周波数fc-1とするフィルタリングを行う。
尚、蒸着成膜が開始される時点においては、水晶板11のシャッター15が閉じられた状態であって、シャッター15の開閉動作が伴わないため、ステップS1での周波数fc-1の測定はシャッター「閉」の状態のどの期間で行っても良い。ただし、蒸着源3の加熱による影響がシャッター15を介して水晶板11におよぶ場合には、このような影響による熱的条件を安定化させた状態で水晶板11の周波数fc-1を測定することが好ましい。
次に、ステップS2では、測定した周波数fc-1から水晶板に付着している蒸着物質の積算膜厚d1を算出する。ここでは、一般的に知られているような、水晶板の周波数と付着膜厚の関係を与える下記式(1)を用いる。
Figure 2009185344
尚、fc-1は式(1)においてfcに代入され、積算膜厚d1はdtとして算出される。
その後、ステップS3では、所定時間Tだけシャッター「開」とし、水晶板を所定時間Tの間だけ蒸着物質蒸気に晒す。これにより、水晶板に蒸着物質蒸気が付着して蒸着物質が蒸着成膜される。
次にステップS4では、ステップS3で蒸着物質の蒸気に晒した後のシャッター「閉」状態についての水晶板の周波数fc-2を測定する。ここでは、先ずステップS41として、シャッター「閉」の状態とし、続くステップS42においては水晶板の機械的振動や熱的条件が定常化するのを一定期間の間待つ。その後ステップS43において、シャッター「閉」状態での水晶板の周波数fc-2を測定する。またここでは、例えば水晶板の周波数を所定時間の間サンプリングし、その平均値を周波数fc-2とするフィルタリングを行う。
以上の後のステップS5では、測定した周波数fc-2と、前述の式(1)とから、水晶板に付着している蒸着物質の積算膜厚d2を算出する。尚、fc-2は式(1)においてfcに代入され、積算膜厚d2はdtとして算出される。
次いで、ステップS6では、ステップS3のシャッター「開」の前後で求めた積算膜厚d1,d2の差分を、ステップS3のシャッター「開」とした所定時間Tで割ることにより、ステップ3のシャッター「開」においての蒸着速度を算出する。
そして、ここで算出された蒸着速度に基づいて、基板Wに対する蒸着速度が所定の速度となるようにルツボ5の加熱温度を制御することは、蒸着装置の構成において述べた通りである。
また、さらに続けて蒸着速度を測定するにあたり、次のステップS7においては、先のステップS5で算出した積算膜厚d2を、シャッター「開」の前のシャッター「閉」状態での積算膜厚d1に置き換える。
その後は、ステップS3に戻って再び所定時間Tだけシャッター「開」とし、基板W上への蒸着成膜が終了するまでステップS3〜ステップS7を繰り返し行う。
尚、周波数fc-1から積算膜厚d1を算出するスタップS2は、ステップS1とステップS3との間に行われることに限定されず、ステップS1以降でステップS6以前に行われれば良い。また、このような蒸着方法は、図1を用いて説明した蒸着装置1における周波数カウンター21、蒸着速度演算部23、およびヒーター出力制御部25によって実行される。
以上のような蒸着装置および蒸着方法では、シャッター「開」の状態で蒸着物質の蒸気に晒された所定時間の間の全体において水晶板に堆積された蒸着物質の膜厚に基づいた水晶板の周波数fc-1,fc-2から、蒸着速度が算出される。このため、水晶板11上には、蒸着速度の算出に寄与しない蒸着物質の堆積はなく、蒸着速度の算出のために必要な水晶板11上への蒸着物質の堆積を最小限に抑えることが可能である。この結果、測定精度を低下させることなく、水晶板11の長寿命化を図り、蒸着装置1の稼働率の向上を図ることが可能になる。また、この蒸着方法および蒸着装置を用いて作製される表示装置の製造性の向上を図ることが可能になる。
またさらに、図3のフローチャートを用いて説明した算出手順によれば水晶板の周波数ノイズのフィルタリングを十分にかけることができる。これにより、十分にノイズを除去することが可能になり、算出される蒸着速度の精度の向上を図ることも可能である。これにより、従来の間欠モニター法に比べてより精密に被蒸着基板に成膜される膜厚を制御することが可能になる。
尚、上述した第1実施形態においては、算出された蒸着速度に基づいて、基板Wに対する蒸着速度が所定の速度となるようにルツボ5の加熱温度を調整することとした。しかしながら、基板Wに対する蒸着速度のフィードバック制御は、ルツボ5の加熱温度の調整に限定されることはない。例えば、図1に示した蒸着源3に対して相対的に基板Wを移動させながら蒸着成膜を行う場合には、この移動速度の調整によって基板Wに対する蒸着速度のフィードバック制御を行うようにしても良い。また。蒸着源3に、ルツボ5からの蒸着物質蒸気mの放出量を調整する機能として、例えば蒸着源3から蒸着室までの経路における開口径を制御するバルブなどを備えている場合、このバルブによって経路の開口径を調整することによって、基板Wに対する蒸着速度のフィードバック制御を行うようにしても良い。
≪第2実施形態≫
図4は、上述した蒸着方法においての蒸着速度の別の算出手順を説明するフローチャートであり、制御機器(蒸着速度演算部23)の変数のサイズが32ビット程度の蒸着装置において、有効数字9桁以上の周波数の演算精度を実現する例である。これは、極めて一般的なケースとして、水晶板の周波数の演算の精度として有効数字が9桁以上必要になる場合に対応させた実施形態である。
つまり、例えば有機電界発光素子を用いた表示装置の作製において、装置基板上への有機膜の蒸着速度は1Å/s程度である。この場合において、水晶板のシャッター「開」の所定時間Tを例えば60秒程度とすると、シャッター「開」前後においての水晶板の周波数の変動量は5Hz前後となる。このため、蒸着速度の算出には10mHz程度の分解能が必要となり、ここで取り扱う典型的な周波数4,987,654.321Hz(一例)を演算するためには、有効数字が9桁必要となる。
しかしながら、一般的な蒸着装置などの制御機器における変数のサイズは32ビットである。これは整数型で有効数字9桁(符号1ビット、数値部31ビット)、実数型で有効数字7桁(符号1ビット、指数部8ビット、仮数部23ビット)しか確保できないことを意味している。このため、上記の典型的な周波数を実数型のままで、一般的な蒸着装置の制御機器で演算処理した場合、桁落ちが発生して精度の良く蒸着速度を算出ことができない。そこで、次のような手順を行う。
先ずステップS11では、シャッター「閉」の状態で、水晶板の周波数fc-1を測定する。このステップS11は、図3のフローチャートを用いて説明したステップS1と同様に行って良い。ただし、測定した周波数fc-1は10mHz単位の9桁の整数に変換し、32ビット整数型の変数に格納することとする。
次に、ステップS12では、所定時間Tだけシャッター「開」とし、水晶板を所定時間Tの間だけ蒸着物質蒸気に晒す。これにより、水晶板に蒸着物質蒸気が付着して蒸着物質が蒸着成膜される。
次にステップS13では、ステップS12で蒸着物質の蒸気に晒した後のシャッター「閉」状態においての水晶板の周波数fc-2を測定する。このステップS13は、図3のフローチャートを用いて説明したステップS4と同様に行って良い。すなわち、先ずステップS41として、シャッター「閉」の状態とし、続くステップS42においては水晶板の機械的振動や熱的条件が定常化するのを一定期間の間待つ。その後ステップS43において、シャッター「閉」状態での水晶板の周波数fc-2を測定する。またここでは、例えば水晶板の周波数を所定時間の間サンプリングし、その平均値を周波数fc-2とするフィルタリングを行う。ただし、測定した周波数fc-2は10mHz単位の9桁の整数に変換し、32ビット整数型の変数に格納することとする。
次に、ステップS14では、ステップS12のシャッター「開」の前後で測定した周波数fc-1,fc-2の差分を周波数差df=(fc-1−fc-2)として求め、その後100倍にして実数化した値を周波数差dfとする。この型変換は、高々数百Hzなので丸め誤差が生じることはない。
また、ステップS15では、ステップS12のシャッター「開」の前後で測定した周波数fc-1,fc-2の平均値fcを求め、さらにこの平均値を実数型に変換する。そして水晶板上の積算膜厚を周波数で微分した下記式(2)に、実数型に変換した平均値fcを代入して積算膜厚の微分値を得る。尚、微分値では、丸め誤差の影響が問題にならないほど小さい。
Figure 2009185344
尚、ステップS14とステップS15とは、どちらを先に行っても良い。
次に、ステップS16では、ステップS12のシャッター「開」の前後での積算膜厚の変動量を、膜厚変動量=(df×微分値)として算出する。ここでdfは、ステップS14で求めた周波数差df(実数値)であり、微分値はステップS15で実数型に変換した周波数fc-1,fc-2値から求めた微分値である。
その後、ステップS17では、ステップS16で算出した膜厚変動量を、ステップS12のシャッター「開」とした所定時間Tで割ることにより、ステップ12のシャッター「開」においての蒸着速度を算出する。
そして、ここで算出された蒸着速度に基づいて、基板Wに対する蒸着速度が所定の速度となるようにルツボ5の加熱温度を制御することは、蒸着装置の構成において述べた通りである。
また、さらに続けて蒸着速度を測定するにあたり、次のステップS18においては、先のステップS13で測定した周波数fc-2を、シャッター「開」の前のシャッター「閉」状態での周波数fc-1に置き換える。
その後は、ステップS12に戻って再び所定時間Tだけシャッター「開」とし、基板W上への蒸着成膜が終了するまでステップS12〜ステップS18を繰り返し行う。
以上のような第2実施形態の蒸着速度の算出も、図1の蒸着装置1における蒸着速度演算部23で行われる。
以上のように蒸着速度の算出を行う蒸着方法であれば、第1実施形態で説明した同様の効果に加えて、制御機器(蒸着速度演算部23)の変数のサイズが32ビット程度の蒸着装置において、有効数字9桁以上の周波数に基づいて精度の高い蒸着速度を算出することが可能になる。
≪第3実施形態≫
図5は、上述した蒸着装置1に設ける蒸着源の別の構成を示す模式図である。この図に示す蒸着源3’は、固体または液体状の蒸着物質Mを貯留するルツボ5と、ルツボ5を加熱するためのヒーターなどの加熱手段(図示省略)とを備えていることは、図1を用いて説明し蒸着源と同様である。
そして特に、この蒸着源3’においては、側壁においてルツボ5の開口上部に連通させた筒状体31が設けられている。この筒状体31は水平方向に延設されていて、側周壁の上方に向かう面に筒状体31の延設方向に沿って複数の蒸着開口31aが配列形成されている。また、ルツボ5と筒状体31との間は、垂直に配管されたもう1つの接続用の筒状体33を介して連通されていることとする。これにより、ルツボ5から放出された蒸着物質Mの蒸気(蒸着物質蒸気m)は、筒状体33内を通過して筒状体31の蒸着開口31aから、検出部10や基板Wが配置された蒸着室内に供給される構成となっている。
また筒状体31,33には、ここでの図示を省略した加熱手段が設けられておいり、内部がルツボ5内よりも高温の所定温度に加熱される構成となっている。
尚、筒状体31の両端は、閉じられた状態であって良い。また、ルツボ5と筒状体31との接続は、接続用の筒状体33を介すること無く、直接接続されていても良い。さらに、筒状体31には、複数のルツボ5を接続させても良い。
また、この蒸着源3’には、筒状体31の内部に輻射熱放射板35が設けられているところが特徴的である。この輻射熱放射板35は、ルツボ5の開口上部を臨む位置に、ルツボ5から放出されて筒状体31に導入される蒸着物質蒸気mの経路を妨げない状態で、かつルツボ5内の蒸着物質Mに対して輻射熱を効率的に供給できる位置に配置される。
またこの輻射熱放射板35は、ルツボ5からの蒸着物質蒸気mの流出方向に対して直交させて、ルツボ5の開口上部と筒状体31の蒸着開口31aとの間を遮蔽する状態で配置されることも重要である。これにより、蒸着物質蒸気mが、ルツボ5から直接、蒸着開口31aに向かうことを防止している。このような配置にすることで、例えば有機材料が蒸発する際の突沸による基板W上への蒸着膜厚の変動を軽減することができ、さらに蒸着源3’内での蒸気の拡散を助ける効果をもたらす。
このような輻射熱放射板35は、ルツボ5内においての蒸着物質Mの加熱温度t1よりも高い温度t2に加熱されるものである。尚、輻射熱放射板35の加熱は、筒状体31に設けた加熱手段によって筒状体31を加熱することによって行われる。
ここで、上記輻射熱放射板35の温度t2は、輻射熱放射板35からの輻射熱によってルツボ5内の蒸着物質Mの表面側の一部が局所的に蒸発温度以上に加熱される温度である。これにより、ルツボ5に設けた加熱手段による蒸着物質Mの加熱温度t1を、蒸着物質Mの蒸発温度t0よりも低い温度に設定しておき、輻射熱放射板35からの輻射熱によって蒸着物質Mの表面側の一部を局所的に加熱することにより、その表面部分だけを上は通温度0よりも高い温度状態とし、蒸着物質Mを表面側から蒸発させることができる。この結果、ルツボ5内において蒸着物質Mの内部が表面よりも先に蒸発温度に達して蒸着物質Mが突沸することを防止できる。
このように用いられる輻射熱放射板35の材質としては、金属材料、カーボン材料、セラミックスのうち選択された1つが用いられる。このうち、金属材料としては、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ステンレス(SUS)、セラミックスとしては、例えば、Al23が挙げられる。つまり、輻射熱放射板35としては、真空中における加熱により、分解せず、ガス放出等しない安定した材質を用いる。また、輻射熱放射板35は、表面加工などを施しておき、輻射率を高くしておくことが好ましい。
尚、このような構成の蒸着源3’が設けられる蒸着装置における蒸着源3’以外の構成は、図1を用いて説明したと同様であり、水晶板11を有する検出部10、周波数カウンター21、蒸着速度演算部23、およびヒータ出力制御部25が備えられている。
以上説明した構成の蒸着源3’は、有機材料が蒸発する際の突沸が抑えられ、1時間程度の、比較的短時間におけるレートの安定性に極めて優れるという特徴がある。そのためこの蒸着源は、間欠式レートモニター法と組み合わせるのに最適な蒸着源であるといえる。
つまり、図1を用いて説明した蒸着装置に対して、上述したように有機材料が蒸発する際の突沸による基板W上への蒸着膜厚の変動を軽減することが可能な蒸着源3’を組み合わせて用いることにより、水晶板11の前面のシャッター15が閉じている間の蒸着速度を相当精度にて保証することが出来る。したがって、より精密に被蒸着基板Wに成膜される蒸着膜厚を制御することが可能になる。
ここで、本第3実施形態で説明した蒸着源3’を適用した蒸着装置を用いて、本発明の蒸着方法を実施した結果を説明する。先ず、図6には、図2および図3を用いて説明した本発明方式で測定した蒸着速度と、図17を用いて説明した従来方式で測定した蒸着速度のモニター結果を示す。尚、本発明方式、従来方式とも、シャッター「開」時間60秒、シャッター「閉」時間540秒として、間欠的に水晶板11が蒸着物質蒸気mに晒されるようにして、24時間の連続蒸着を行った。また、検出されるレートが1Å/s近辺になるように蒸着材料Mと輻射熱放射板35の温度を調整した。そして、本発明方式では、周波数安定化待ち時間420秒(図3のステップS42)、周波数平均化時間60秒(図3のステップS42)とした。一方、従来方式では、シャッターが「開」になってから45秒〜60秒の間で蒸着速度の測定を行った。
これらの結果から、従来方式で測定された蒸着速度[レート(Å/s)]は、バラツキσ=0.009(Å/s)であったのに対して、本発明方式で測定された蒸着速度[レート(Å/s)]は、バラツキσ=0.003(Å/s)であり、バラツキが1/3に低減されていることが分かる。これにより、従来方式では、検出されるレートが安定しないレート読み取り不可能時間が存在し、さらにその後のレートにもノイズがのっているため、十分なレートの検出精度が得られないのに対して、本発明による検出法によればレート読み取り不可能時間や、ノイズの影響を受けずにレートを検出できていることがわかる。
また、図7には、上述した本発明方式において測定した蒸着速度のモニター結果と共に、同様の条件でシャッター「開」時間30秒、シャッター「閉」時間570秒に変更して測定した蒸着速度のモニター結果を示す。
この結果、上述した条件においては、シャッター「開」60秒と30秒との両方において、測定された蒸着速度[レート(Å/s)]のバラツキσ=0.003(Å/s)であった。これにより、本発明方式を適用した場合、シャッター「開」時間30秒に削減したとしても、シャッター「開」時間60秒とした場合と同程度に蒸着速度の検出精度が保たれていることが分かる。したがって、本発明の蒸着方法の適用により、水晶板11の周波数に基づいて測定精度を低下させることなく、かつ水晶板11上への蒸着物質の堆積を最小限に抑えてた蒸着速度の測定を行うことが可能で有ることが確認された。
尚、本第3実施形態で示した蒸着源3’の構成は、あくまでも一例であり、ルツボ5の蒸着物質Mの表面側に輻射熱を供給する輻射熱放射板35を、ルツボ5から放出される蒸着物質蒸気mの経路を妨げない状態で、かつルツボ5から基板Wへの蒸着物質蒸気mの直接的な放射が防止される位置に設けた構成であれば良く、同様の効果を得ることが可能である。
≪第4実施形態≫
図8は、本発明の蒸着装置を、インライン式の蒸着装置に適用した構成図である。
この図に示すインライン式の蒸着装置1’は、一方向に配列された複数の蒸着源3を備えている。各蒸着源3は例えばライン状の蒸着源であり、ライン状の長尺方向と垂直な方向に配列されていることとする。尚、蒸着源3は、第3実施形態で説明した蒸着源3'であっても良い。
そして、これらの蒸着源3の上方には、蒸着源3の上方において蒸着源3の配列方向に基板(被蒸着基板)Wを搬送する保持手段(図示省略)が設けられており、各蒸着源3からの蒸着物質蒸気mが基板W上に順次積層成膜される構成となっている。
このようなインライン式の蒸着装置1’おいては、基板Wを介して各蒸着源3に対向する位置に水晶板11を配置することで、基板Wをシャッター(15)として機能させる。つまり、1枚目の基板Wの通過終了から2枚目の基板Wの通過開始までの間において、水晶板11に対してシャッターが開かれ、間欠的に水晶板11が蒸着物質蒸気mに晒される構成となっている。
また、基板Wの搬送位置を挟む位置には、各水晶板11に対応させて一対の光学式のセンサー17を配置する。これにより、1枚目の基板Wの通過終了と2枚目の基板Wの通過開始とをモニターし、この間をシャッター(15)が開く正確な所定時間Tとして検出する。尚、これらのセンサー17に対して蒸着物質蒸気mが付着することを防止するために、基板Wに対する蒸着物質蒸気mの付着に影響を与えない部分に防着板13を設けることとする。
さらにここでの図示は省略したが、各水晶板11および蒸着源3に対応させて、図1を用いて説明した周波数カウンター(21)、蒸着速度演算部(23)、およびヒーター出力制御部(25)を設ける。これにより、第1実施形態および第2実施形態で説明したと同様に、各水晶板11および蒸着源3に対応する部分において、蒸着速度を算出して基板Wに対する蒸着成膜の蒸着速度の制御にフィードバックする。
この場合、基板Wに対する蒸着成膜の蒸着速度の制御は、蒸着物質Mの加熱温度の調整のほかに、基板Wの搬送速度の調整によっても行われる。
以上のようなインライン式の表示装置1’であっても第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
<表示装置の製造方法>
図9は、本発明の蒸着方法を適用して得られる表示装置の一構成例を説明するための概略の回路構成図であり、まず、この図を用いて表示装置の概略構成を説明する。
この図に示すように、表示装置40を構成する基板41は、上述した基板(被蒸着基板)Wに対応するものであり、矩形形状に整形されている。この基板41上には、表示領域41aとその周辺領域とが設定されている。表示領域41aには、複数の走査線43と複数の信号線44とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。尚、各画素aは例えば略矩形形状を有している。
またこのように画素aが配列された表示領域41aの周辺領域には、走査線43を走査駆動する走査線駆動回路45と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線44に供給する信号線駆動回路46とが配置されている。
走査線43と信号線44との各交差部の各画素aに設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Csで構成されている。そして、この画素回路を覆う絶縁膜上における各画素aの広い範囲に、画素回路に接続された状態で、有機電界発光素子ELが設けられている。各有機電界発光素子ELは、画素回路に接続された画素電極と、各画素aに共通に配置された共通電極との間に有機発光機能層を挟持してなる。そして、例えばこの有機発光機能層が、マスク蒸着によってパターン形成された層となっており、上述した蒸着装置を用いた蒸着方法を適用して形成される層となる。
このような回路構成の表示装置40では、走査線駆動回路45による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線44から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2と保持容量Csとは、共通の電源供給線(Vcc)49に接続されている。
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域には、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
図10は、有機電界発光素子ELを設けた各画素aの構成の詳細を説明する1画素分の断面構成図である。以下に、この図に基づいて、有機電界発光素子ELを備えた表示装置の製造手順を説明する。
先ず、基板41上に、例えばボトムゲート型の薄膜トランジスタTrを画素a毎に形成する。次に、これらの薄膜トランジスタTrを層間絶縁膜51で覆い、この層間絶縁膜51に形成した接続孔を介して薄膜トランジスタTrに接続された配線53を形成し、配線53と薄膜トランジスタTrとで構成された画素回路を形成する。尚、図示した薄膜トランジスタTrは、駆動用の薄膜トランジスタTr2である。
次いで、配線53および薄膜トランジスタTrで構成される画素回路を覆う状態で、平坦化絶縁膜55を形成し、この平坦化絶縁膜55に対して配線53に達する接続孔55aを形成する。その後、平坦化絶縁膜55上に、接続孔55aを介して薄膜トランジスタTr2に接続された画素電極57をパターン形成する。各画素電極57は、例えばアノード(またはカソード)として用いられるものである。また、これらの画素電極57の形成と同一工程で、画素電極57と同一層からなる補助配線57aを形成する。
次に、画素電極57の周縁を絶縁膜パターン59で覆う。尚、この絶縁性パターン59から広く画素電極57を露出させた部分が画素開口となる。またこの絶縁性パターン59には、補助配線57に達する接続孔59aも設けることとする。
その後、絶縁性パターン59から広く露出された画素電極57上を覆う状態で、有機発光機能層61を蒸着成膜によってパターン形成する。各有機発光機能層61は、例えばアノードとなる画素電極57側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層などを必要に応じて積層させた構成であることとする。このような有機発光機能層61の形成に、上述した蒸着装置を用いた蒸着方法を適用する。
次に、有機発光機能層61上に、全ての画素aに共通の共通電極63をベタ膜状で形成する。この共通電極63は、例えばカソード(またはアノード)として用いられるもので、接続孔59aを介して補助配線57にも接続させる。このような共通電極63の形成にも、上述した蒸着装置を用いた蒸着方法を適用する。
以上の構成において、アノードとなる画素電極57とカソードとなる共通電極63とで、有機発光機能層61を挟持した部分が有機電界発光素子ELとなる。
その後の図示は省略したが、共通電極63上に光透過性を有する接着剤層を介して透明基板を貼り合わせ、有機電界配向素子ELを各画素aに配列してなる表示装置(40)を完成させる。
尚、本発明にかかる表示装置は、図11に開示したような、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部である表示領域41aを囲むように基板41上にシーリング部71が設けられ、このシーリング部71を接着剤として、透明なガラス等の対向部(封止基板73)に貼り付けられ形成された表示モジュールが該当する。この透明な封止基板73には、カラーフィルタ、保護膜、遮光膜等が設けられてもよい。尚、表示領域41aが形成された表示モジュールとしての基板41には、外部から表示領域41a(画素アレイ部)への信号等を入出力するためのフレキシブルプリント基板75が設けられていても良い。
以上説明した表示装置の製造方法では、上述した実施形態の蒸着装置を用いた蒸着方法を適用して有機発光機能層61および共通電極63を形成する構成であるため、従来に比べより生産性が高められ、安価に、そして大量に有機電界発光素子ELを用いた表示装置を生産することが可能になる。また。従来に比べて有機発光機能層61および共通電極63の膜厚が高精度に制御されるため、より高品質な有機電界発光素子EL及びこれを用いた表示装置を得ることが可能になる。
<適用例>
以上説明した本発明に係る製造方法によって得られる表示装置は、図12〜図16に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
図12は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
図13は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図14は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図15は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図16は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
第1実施形態の蒸着装置の一構成例を示す図である。 第1実施形態の蒸着方法を説明するタイムチャートである。 第1実施形態の蒸着方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態の蒸着方法を説明するフローチャートである。 第3実施形態の蒸着装置に適用する蒸着源の一構成例を示す図である。 従来方式で測定された蒸着速度[レート(Å/s)]と本発明方式で測定された蒸着速度[レート(Å/s)]とを示す図である。 本発明方式においてシャッター「開」の時間を30秒と60秒にした場合に測定された各蒸着速度[レート(Å/s)]を示す図である。 第4実施形態の蒸着装置の一構成例を示す図である。 実施形態の表示装置の回路構成の一例を示す図である。 実施形態の蒸着方法を適用して得られる表示装置の断面構成図である。 本発明が適用される封止された構成のモジュール形状の表示装置を示す構成図である。 本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 従来の蒸着方法を説明するタイムチャートである。
符号の説明
1,1’…蒸着装置、3,3’…蒸着源、11…水晶板、15…シャッター、23…蒸着速度演算部(演算部)、25…ヒーター出力制御部(制御部)、m…蒸着物質蒸気、M…蒸着物質、W…基板(被蒸着基板)、40…表示装置、61…有機発光機能層、EL…有機電界発光素子

Claims (12)

  1. 水晶板の周波数を測定する第1工程と、
    前記周波数を測定した後の水晶板を所定時間の間だけ蒸着物質の蒸気に晒す第2工程と、
    前記蒸着物質の蒸気に晒した後の前記水晶板の周波数を測定する第3工程と、
    前記第1工程と第3工程とで測定した各周波数と前記第2工程での所定時間とから、当該蒸着物質の蒸着速度を算出する第4工程とを行う
    ことを特徴とする蒸着方法。
  2. 請求項1記載の蒸着方法において、
    前記水晶板への蒸着物質の堆積時間の制御は、当該蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源と当該水晶板との間に設けたシャッターの開閉によって行われる
    ことを特徴とする蒸着方法。
  3. 請求項1記載の蒸着方法において、
    前記第4工程で算出した蒸着速度に基づいて、前記水晶板と共に被蒸着基板が設けられた蒸着室内への前記蒸着物質の蒸気の放出を制御する第5工程を行う
    ことを特徴とする蒸着方法。
  4. 請求項3記載の蒸着方法において、
    前記第5工程では、前記第4工程で算出した蒸着速度に基づいて、前記蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源の加熱温度を制御する
    ことを特徴とする蒸着方法。
  5. 請求項3記載の蒸着方法において、
    前記第5工程では、前記第4工程で算出した蒸着速度に基づいて、前記蒸着物質を発生させる蒸着源から前記蒸着室までの経路における開口径を制御する
    ことを特徴とする蒸着方法。
  6. 請求項3記載の蒸着方法において、
    前記第5工程では、前記第4工程で算出した蒸着速度に基づいて、前記蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源に対する前記被蒸着基板の相対的な移動速度を制御する
    ことを特徴とする蒸着方法。
  7. 請求項1記載の蒸着方法において、
    前記第1工程および第3工程では、前記周波数を複数回測定してその平均値を当該周波数とする
    ことを特徴とする蒸着方法。
  8. 蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源と、
    前記蒸着源の上方に被蒸着基板を保持する保持手段と、
    前記蒸着源の上方にシャッターを介して配置された水晶板と、
    所定時間の間だけ前記シャッターを開いた前後においての当該シャッターが閉じた状態で測定された各周波数と、当該シャッターを開いた所定時間とから前記蒸着物質の蒸着速度を算出する演算部とを備えた
    ことを特徴とする蒸着装置。
  9. 請求項8記載の蒸着装置において、
    前記演算部で算出された蒸着速度に基づいて、前記水晶板と共に被蒸着基板が設けられた蒸着室内への前記蒸着物質の蒸気の放出を制御する制御部をさらに設けた
    ことを特徴とする蒸着装置。
  10. 基板上に蒸着膜を形成する工程を有する表示装置の製造方法であって、
    前記周波数を測定した後の水晶板を所定時間の間だけ蒸着物質の蒸気に晒す第2工程と、
    前記蒸着物質の蒸気に晒した後の前記水晶板の周波数を測定する第3工程と、
    前記第1工程と第3工程とで測定した各周波数と前記第2工程での所定時間とから、当該蒸着物質の蒸着速度を算出する第4工程とを行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の表示装置の製造方法において、
    前記第4工程で算出した蒸着速度に基づいて、前記水晶板と共に被蒸着基板が設けられた蒸着室内への前記蒸着物質の蒸気の放出を制御する第5工程を行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  12. 請求項10記載の表示装置の製造方法において、
    前記基板上には前記蒸着膜として、有機電界発光素子を構成する有機膜を形成する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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