JP2009183602A - 医療器具の保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡や挿入補助具などの医療器具の操作性を向上させることができる医療器具の保持装置を提供する。
【解決手段】保持装置100は、挿入補助具60を保持する装置であり、チューブ本体64、把持部62を吊って支持する吊り部材104、106と、吊り部材104、106を挿抜方向に走行自在に支持するレール102と、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】保持装置100は、挿入補助具60を保持する装置であり、チューブ本体64、把持部62を吊って支持する吊り部材104、106と、吊り部材104、106を挿抜方向に走行自在に支持するレール102と、を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は医療器具の保持装置に係り、特に内視鏡や挿入補助具を保持する保持装置に関する。
医療用内視鏡は、被験者の体内に挿入する挿入部と、術者が把持して操作する操作部とを備えており、挿入部を被検者の口或いは肛門から体内に挿入することによって、胃、十二指腸、大腸等を観察することができる。この医療用内視鏡で消化管深部を観察する場合、そこに至るまでの複雑な形状の消化管を単純化するため、挿入補助具(オーバーチューブ、スライディングチューブともいう)が用いられる。挿入補助具は筒状に形成されており、内視鏡の挿入部を挿通させた状態で体内に挿入される。そして、内視鏡の挿入部を体内に挿抜する操作と、挿入補助具を体内に挿抜する操作とを組み合わせることによって、挿入補助具で複雑な形状の消化管を単純化し、内視鏡の挿入部を容易に挿入することができる。
しかし、挿入補助具を用いると、内視鏡と挿入補助具の両方を操作しなければならないため、術者一人では操作できないという問題が生じる。このため、従来は、術者が内視鏡の手元操作部を把持して操作する一方で、助手が挿入案内具を把持して操作しており、操作性の改善が求められていた。
この問題を解消するため、特許文献1には、内視鏡や挿入補助具を保持する保持装置が記載されている。内視鏡や挿入補助具はアームによって支持され、さらにアームは天井や手術台に設けたレールに走行自在に設けられている。これにより、内視鏡と挿入補助具の両方を術者が把持する必要がなくなり、術者一人で内視鏡と挿入補助具を操作することができる。
特開2006−141976
しかしながら、特許文献1は、内視鏡挿入部や挿入補助具の動きがレールの方向に限定されてしまうため、保持状態では内視鏡挿入部や挿入補助具の動きの自由度が小さく、操作性の面で改善が求められていた。さらに特許文献1は、レールとアームとが摺動した際に振動が発生し、その振動が術者に伝わって不快感を与えるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡や挿入補助具などの医療器具の操作性を向上させることができる医療器具の保持装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、被検者の体内に挿抜される挿入部と術者が把持して操作する操作部とを有する医療器具を保持する保持装置において、前記挿入部と前記操作部の少なくとも一方を吊って支持する吊り部材と、前記吊り部材を前記挿入部の挿抜方向に走行自在に支持するレールと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、医療器具の挿入部、操作部を吊り部材で吊って支持するようにしたので、支持された医療器具の動きの自由度が大きく、操作性を向上させることができる。また、本発明によれば、吊り部材を挿抜方向に走行自在としたので、支持された医療器具を挿抜方向に移動させることができ、挿抜操作を容易に行うことができる。さらに本発明によれば、吊り部材で吊る構成としたことによって、吊り部材をレールに摺動させた際の振動が医療器具に伝わりにくくなり、被検者の不快感を無くすことができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記レールの端部を前記被検者に固定する固定部を備えたことを特徴とする。本発明によれば、レールの端部を被検者に固定できるので、レールが被検者の動きに追従する。したがって、レールに支持された吊り部材、および、吊り部材に支持された医療器具も被検者の動きに追従するので、被検者が動いた場合であっても医療器具を被検者の体内にスムーズに挿抜することができる。
請求項3に記載の発明は請求項1または2の発明において、前記吊り下げ部材は、前記操作部が着脱される操作部用吊り部材と、前記挿入部が前記挿抜方向にスライド自在に係合される挿入部用吊り部材と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、挿入部が挿入部用吊り部材にスライド自在に係合されるので、挿入部を挿入部用吊り部材で支持した状態で挿抜方向に移動させることができる。また、操作部が操作部用吊り部材に装着されるので、操作部を把持する必要がなくなり、操作性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記吊り部材が複数設けられ、該複数の吊り部材同士の間には間隔を拡げる方向に付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする。本発明によれば、吊り部材同士の間に付勢手段が設けられているので、吊り部材同士の間隔を拡げることができる。したがって、医療器具を挿入した際に吊り部材同士の間隔が狭まった場合であっても、医療器具を引き抜く際には吊り部材同士の間隔が拡がり、医療器具を確実に支持することができる。
請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれか1の発明において、前記吊り部材は、前記レールに走行自在に支持されるランナーと、該ランナーに上端が固定されるベルト状部材と、該ベルト状部材の下端に取り付けられて前記挿入部または前記操作部が係合される係合部と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、可撓性を有するベルト状部材を介して挿入部または操作部を吊り下げるので、保持した後の医療器具の動きの自由度が大きくなり、操作性が向上する。
本発明によれば、医療器具の挿入部または操作部を吊り部材で吊って支持するとともに、その吊り部材をレールに沿って走行させるようにしたので、支持された医療器具の動きの自由度が大きくなり、操作性を向上させることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る医療器具の保持装置の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は本発明の保持装置で保持される医療器具の一例として、バルーン内視鏡装置を示すシステム構成図である。図1に示すようにバルーン内視鏡装置は主として、内視鏡10、挿入補助具60及びバルーン制御装置70で構成される。
内視鏡10は、体内に挿入される挿入部12と、術者が把持する手元操作部14とを備える。手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16が接続され、このユニバーサルケーブル16の先端にLGコネクタ18が設けられる。LGコネクタ18は光源装置20に着脱自在に連結され、これによって後述の照明光学系54(図2参照)に照明光が送られる。また、LGコネクタ18には、ケーブル22を介して電気コネクタ24が接続され、この電気コネクタ24がプロセッサ26に着脱自在に連結される。
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、シャッターボタン32、及び機能切替ボタン34が並設されるとともに、一対のアングルノブ36、36が設けられる。
挿入部12は、手元操作部14側から順に軟性部40、湾曲部42、及び先端部44で構成される。軟性部40は、螺旋状に巻回された金属板の外周にネットを被せ、その外周を被覆することにより構成されており、十分な可撓性を有している。
湾曲部42は、手元操作部14のアングルノブ36、36を回動することによって遠隔的に湾曲するように構成される。たとえば、湾曲部42は、円筒状の複数の節輪をピンによって回動自在に連結するとともに、その節輪の内部に複数本の操作ワイヤを挿通させて前記ピンにガイドさせ、操作ワイヤを押し引き操作することによって、節輪同士が回動して湾曲部42が湾曲操作されるようになっている。この湾曲部42を湾曲操作することによって、先端部44を所望の方向に向けることができる。
図2に示すように、先端部44の先端面45には、観察光学系52、照明光学系54、54、送気・送水ノズル56、鉗子口58が設けられる。観察光学系52の後方にはCCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板に信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタ24まで延設され、プロセッサ26に接続される。よって、観察光学系52で取り込まれた観察像がCCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサ26に出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサ26に接続されたモニタ50に観察画像が表示される。
照明光学系54は、その後方にライトガイド(不図示)の出射端が配設される。ライトガイドは挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16に挿通されてLGコネクタ18内にその入射端が配設される。したがって、LGコネクタ18を光源装置20に連結することによって、光源装置20から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系54に伝送され、照明光学系54から前方に照射される。
図2の送気・送水ノズル56は、図1の送気・送水ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通され、このバルブがLGコネクタ18に設けた送気・送水コネクタ48に連通される。送気・送水コネクタ48には不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン28を操作することによって、送気・送水ノズル56からエア又は水が観察光学系52に向けて噴射される。
図2の鉗子口58は、図1の鉗子挿入部46に連通される。よって、鉗子挿入部46から鉗子等の処置具を挿入することによって、処置具を鉗子口58から導出することができる。また、鉗子口58は、吸引ボタン30によって操作されるバルブ(不図示)に連通され、このバルブがLGコネクタ18の吸引コネクタ49に接続される。したがって、吸引コネクタ49に不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン30で操作することによって、鉗子口58から病変部等を吸引することができる。
一方、図1の挿入補助具60は主として、把持部62(操作部に相当)及びチューブ本体64(挿入部に相当)で構成される。把持部62は、術者が把持する部分であり、プラスチック等の硬質材料によって筒状に形成され、この把持部62の先端側に、チューブ本体64の基端が外嵌されて固定される。
チューブ本体64は、ポリウレタン等の可撓性材料から成り、内視鏡10の挿入部12が挿通される筒状に形成される。チューブ本体64の先端部外周には、膨縮自在なバルーン66が装着される。
また、チューブ本体64には、その軸方向にエア流路(不図示)が形成されている。エア流路の先端はバルーン66の内部に連通され、エア流路の基端はコネクタ68に連通される。このコネクタ68をバルーン制御装置70のチューブ80に連結することによって、バルーン制御装置70からエアを供給または吸引することができる。バルーン66は、エアを供給することによって略球状に膨張し、エアを吸引することによって収縮してチューブ本体64の外周面に張り付くようになっている。なお、符号69は、水などの潤滑剤をチューブ本体64の内部に注入するための注入口であり、循環剤を注入することによって、チューブ本体64と、その内部に挿入した挿入部12との摩擦を軽減することができる。
バルーン制御装置70は主として、装置本体72と、リモートコントロール用のハンドスイッチ74で構成される。装置本体72の前面には、電源スイッチSW1、停止スイッチSW2、圧力表示部76が設けられる。圧力表示部76はバルーン66の圧力値を表示するパネルであり、バルーン破れ等の異常発生時にはこの圧力表示部76にエラーコードが表示される。
また、装置本体72の前面には、バルーン66へのエアの供給・吸引を行うチューブ80が接続される。チューブ80と装置本体72との接続部分には、バルーン66が破れた時の体液の逆流を防止するための逆流防止ユニット82が設けられる。逆流防止ユニット82の構成は特に限定するものではないが、たとえば、装置本体72に着脱自在に装着された中空円盤状のケースの内部に気液分離用のフィルタを組み込むことによって構成される。
ハンドスイッチ74には、各種のスイッチが設けられる。たとえば、装置本体72側の停止スイッチSW2と同様の停止スイッチや、バルーン66の加圧/減圧を指示するON/OFFスイッチ、バルーン66の圧力を保持するためのポーズスイッチなどが設けられる。このハンドスイッチ74はコード84を介して装置本体72に電気的に接続されている。なお、図1には示してないが、ハンドスイッチ74には、バルーン66の送気状態、或いは排気状態を示す表示部が設けられる。
上記の如く構成されたバルーン制御装置70は、バルーン66にエアを供給して膨張させるとともに、そのエア圧を一定値に制御してバルーン66を膨張した状態に保持するように制御を行う。また、バルーン66からエアを吸引して収縮させるとともに、そのエア圧を一定値に制御してバルーン66を収縮した状態に保持するように制御を行う。
バルーン制御装置70は、バルーン専用モニタ86に接続されており、バルーン66を膨張、収縮させる際に、バルーン66の圧力値や膨張・収縮状態をバルーン専用モニタ86に表示する。なお、バルーン66の圧力値や膨張・収縮状態は、内視鏡10の観察画像にスーパーインポーズしてモニタ50に表示するようにするようにしてもよい。
次に上記の如く構成された内視鏡装置の操作方法について説明する。上述した内視鏡装置は、まず、挿入補助具60に挿入部12を挿通させた状態で、挿入部12と挿入補助具60をプッシュ式で交互に挿入していき、必要に応じてバルーン66を膨張させて挿入補助具60を体内(たとえば大腸)に固定する。そして、挿入補助具60を脱去方向に動かして体内(たとえば大腸)の管形状を単純化した後、挿入部12をさらに深部に挿入する。たとえば、挿入部12を被検者の肛門から挿入し、挿入部12の先端がS状結腸を過ぎた際にバルーン66を膨張させて挿入補助具60を腸管に固定し、挿入補助具60を引いてS状結腸を略直線状にする。そして、挿入部12の先端を腸管の深部に挿入していく。これにより、挿入部12を腸管の深部に挿入することができる。
なお、上述した内視鏡10の挿入部12にバルーン(不図示)を装着することにより、ダブルバルーン式内視鏡装置として使用してもよい。この場合、内視鏡10の挿入部12を挿入する挿入操作、挿入部12のバルーンを膨張して挿入部12を固定する固定操作、バルーン66を収縮させた状態で挿入補助具60を挿入部12に沿わして押し込む押込操作、バルーン66を膨張させて腸管を把持する把持操作、挿入補助具60を挿入部12とともに手繰り寄せる手繰り寄せ操作、挿入部12のバルーンを収縮させる収縮操作を繰り返し行うとよい。
次に、本発明に係る医療器具の保持装置(以下、単に保持装置という)について説明する。本発明に係る保持装置は、上述した挿入補助具60の把持部62(操作部に相当)とチューブ本体64(挿入部に相当)とを支持する装置である。
図3は、保持装置100を示す側面図である。同図に示すように、保持装置100は主として、レール102と、複数の挿入部用吊り部材104と、操作部用吊り部材106とで構成される。
レール102は直線状に形成されており、その端部には固定具108が設けられている。固定具108はC形状に形成されており、図6に示すように被検者118の胴体部に嵌め込んで固定できるようになっている。レール102は被検者118に固定することによって、挿入補助具60の挿抜方向に配置される。すなわち、挿入補助具60は被検者118の肛門から挿抜されるので、レール102が肛門の上方を通るように配置される。なお、固定具108の形状や構成は特に限定するものではなく、被検者118に固定できる形状・構成であればよい。
図4に示すように、レール102の断面は中空の角形に形成される。レール102の底面の中央には、レール102の方向にスリット102Aが形成されている。なお、レール102の断面形状は、後述のランナー110が走行自在に係合される形状であればよく、たとえばカーテンレールのようにC形状やI形状であってもよい。また、レール102を円柱状(または円筒状)とし、リング状のランナーを用いてもよい。
挿入部用吊り部材104は、ランナー110、ベルト112、係合部114で構成される。ランナー110は、車輪110A、110Aを有し、この車輪110A、110Aがランナー本体110Bに回動自在に支持される。ランナー本体110Bは、レール102のスリット102Aを通ってレール102の下方まで延設される。ランナー本体110Bの下端はリング状に形成され、このリング状部分にベルト112を挿通させて係合できるようになっている。
ベルト112は、塩化ビニル、布、皮などの軟性材料から成り、十分な可撓性を備えている。ベルト112の上端は、ランナー本体110Bのリング部分に挿通した後、ピン112Aでベルト112の中間部に固定することによって、ランナー110に係合される。また、ベルト112の下端は、リング状の係合部114に挿通した後、ピン112Bでベルト112の中間部に固定することによって、係合部114に係合される。
係合部114は、プラスチックなどの硬質材によってリング状に形成される。この係合部114は、レール102の方向に(すなわち挿入補助具60の挿抜方向に)見て、リング体を成すように配置される。係合部114の内径は、二点鎖線で示すチューブ本体64の外径よりも大きく形成されており、チューブ本体64を係合部114に挿通できるようになっている。
なお、ランナー110、ベルト112、係合部114の形状、構成は上記の例に限定されるものではなく、チューブ本体64に係合する係合部分を有し、且つ、その係合部分が可撓性部材を介してレール102に走行自在に支持されていればよい。
図5に示すように、操作部用吊り部材106は、ランナー120、ベルト122、係合部124で構成される。ランナー120、ベルト122は、上述のランナー110、ベルト112と同様の構成であり、その説明を省略する。
係合部124は、プラスチック等の硬質材料によって略C形状に形成されており、二点鎖線で示す把持部62が嵌め込まれるようになっている。すなわち、把持部62を係合部124に外側から差し込むことにより、係合部124の形状が持つ弾性力によって把持部62が固定される。係合部124の上部には、孔124Aが形成されており、この孔12Aにベルト122が挿通されて固定される。なお、係合部124の形状はC形状に限定されるものではなく、把持部62が着脱自在に固定される構成であればよい。したがって、たとえば係合部124をリング状の弾性材で構成し、この弾性リングに把持部62を軸方向に挿入して嵌め込むようにしてもよい。また、係合部124として、連結することによってリング体となる一対の半円体を用い、この一対の半円体で把持部62を挟むようにしてもよい。
図3に示すように、挿入部用吊り部材104同士の間、及び、挿入部用吊り部材104と操作部用吊り部材106との間には、スプリング126が設けられる。したがって、挿入部用吊り部材104同士の間隔や、挿入部用吊り部材104と操作部用吊り部材106との間隔が縮まった際は、その間隔が拡がる方向にスプリング126が付勢力を付与する。なお、スプリング126の端部の取り付け位置は特に限定するものではないが、係合部114、係合部124に取り付けることが好ましい。これにより、係合部114同士の間隔、係合部114と係合部124の間隔を確実に保持することができる。また、スプリング126は、挿入部用吊り部材104同士の間、挿入部用吊り部材104と操作部用吊り部材106の間に、複数個ずつ配置してもよく、複数個ずつ配置することによって、係合部114、124を略平行に移動させることができる。
また、上述した複数の挿入部用吊り部材104のうち、最も固定具108側の挿入部用吊り部材104は、レール102に固定する構成としてもよい。これにより、挿入補助具60を被検者118に挿入した際に、挿入部用吊り部材104が移動して被検者118に接触することを防止できる。
次に上記の如く構成された保持装置100の作用について図6に基づいて説明する。
内視鏡10と挿入補助具60を被検者118に挿抜する場合、術者116は、挿入補助具60のチューブ本体64を挿入部用吊り部材104の係合部114に挿通させる。挿入部用吊り部材104はレール102に沿って挿抜方向に並んで配置されているので、挿入補助具60は挿入部用吊り部材104によって挿抜方向に支持される。また、挿入部用吊り部材104はスプリング126によって一定の間隔に保たれているので、チューブ本体64は挿入部用吊り部材104によって、弛むことなく支持される。
次に術者116は、挿入補助具60の把持部62を操作部用吊り部材106の係合部124に嵌め込んで固定する。これにより、把持部62が操作部用吊り部材106に保持されるので、術者116は把持部62を把持する必要がなくなり、内視鏡10の操作に集中することができる。
上記の如く挿入補助具60を保持装置100で支持した場合、挿入補助具60は可撓性のベルト112、122を介して支持されるので、挿入補助具60は、ベルト112、122の可撓する範囲で自在に動かすことができる。したがって、保持装置100で支持された挿入補助具60の動きの自由度が増すので、挿抜操作の操作性を向上させることができる。
保持装置100で支持された挿入補助具60は、必要に応じて被検者118の体内に挿抜される。その際、挿入部用吊り部材104、操作部用吊り部材106がレール102に沿って挿抜方向に走行自在に支持されているので、挿入補助具60を保持装置100で支持したまま、被検者118に挿抜することができる。
また、挿入補助具60を被検者118に挿入する際に、挿入部用吊り部材104同士の間隔や挿入部用吊り部材104と操作部用吊り部材106との間隔が狭まるが、挿入補助具60を抜去方向に移動させた際には、スプリング126によって前記間隔が拡がる。したがって、挿入補助具60を常に一定の間隔で確実に支持することができ、挿抜操作をスムーズに行うことができる。
さらに本実施の形態では、レール102の一方の端部に固定具108を設けて被検者118に固定するようにしたので、レール102は被検者118の動きに追従する。したがって、レール102に挿入部用吊り部材104や操作部用吊り部材106を介して支持された挿入補助具60も被検者118の動きに追従するので、被検者118の動きに関係なく、挿入補助具60をスムーズに挿抜することができる。
また本実施の形態は、レール102を一方の端部のみで支持する構成なので、もう一方の端部を支持する必要がなく、もう一方の端部を支持する場合に比べて省スペース化を図ることができる。
なお、上述した実施形態は、レール102の一方の端部のみを支持したが、これに限定するものではなく、図7に示すように、レール102のもう一方の端部を支柱130で支持してもよい。この場合、レール102の側方(すなわち挿抜方向に対して直交する方向)に連結板132を設け、この連結板132を介してレール102と支柱130を連結するとよい。このように側方で連結することによって、挿入補助具60が支柱130に接触することを防止できる。
また、上述した実施形態は、レール102を被検者118に固定するようにしたが、レール102の固定方法はこれに限定するものではなく、レール102を天井面に取り付けたり、検査台に取り付けたりしてもよい。
上述した実施形態において、係合部114同士の間や、係合部114と係合部114との間を筒状の蛇腹で連結してもよい。この場合には、挿入補助具60のチューブ本体64に付着した体液等が垂れて床面に落ちることを蛇腹によって防止することができる。
さらに、上述した実施形態は、挿入補助具60の把持部62とチューブ本体64を保持装置100で支持するようにしたが、内視鏡10の手元操作部14も保持するようにしてもよい。すなわち、操作部用吊り部材106と同様の構成の吊り部材(不図示)を操作部用吊り部材106よりも端に(すなわち図3の右側に)設け、この吊り部材をレール102に走行自在に係合させる。そして、その吊り部材に内視鏡10の手元操作部14を着脱自在に係合させる。これにより、術者116は、内視鏡10の手元操作部14を把持する必要がなくなるので、操作性をさらに向上させることができる。
なお、上述した実施形態は、挿入補助具60を使用する内視鏡装置の例であるが、挿入補助具60を使用しない内視鏡装置の場合にも本発明を適用することができる。その場合、保持装置100の挿入部用吊り部材104によって内視鏡10の挿入部12を支持し、操作部用吊り部材106によって内視鏡10の手元操作部14を保持する。これにより、術者116は内視鏡10を支持する必要がなくなり、且つ、支持状態の内視鏡10の動きの自由度が大きくなり、操作性を向上させることができる。
また、本発明の保持装置100で保持する医療器具は、内視鏡10や挿入補助具60に限定するものではなく、鉗子、高周波スネア、カテーテルなど、被検者118の体内に挿入される様々な医療器具を保持する際に使用することができる。
10…内視鏡、12…挿入部、60…挿入補助具、62…把持部、64…チューブ本体、66…バルーン、70…バルーン制御装置、100…保持装置、102…レール、104…挿入部用吊り部材、106…操作部用吊り部材、108…固定具、110…ランナー、112…ベルト、114…係合部、116…術者、118…被検者、120…ランナー、122…ベルト、124…係合部、126…スプリング、130…支柱
Claims (5)
- 被検者の体内に挿抜される挿入部と術者が把持して操作する操作部とを有する医療器具を保持する保持装置において、
前記挿入部と前記操作部の少なくとも一方を吊って支持する吊り部材と、
前記吊り部材を前記挿入部の挿抜方向に走行自在に支持するレールと、
を備えたことを特徴とする医療器具の保持装置。 - 前記レールの端部を前記被検者に固定する固定部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の医療器具の保持装置。
- 前記吊り下げ部材は、
前記操作部が着脱される操作部用吊り部材と、
前記挿入部が前記挿抜方向にスライド自在に係合される挿入部用吊り部材と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の医療器具の保持装置。 - 前記吊り部材が複数設けられ、該複数の吊り部材同士の間には間隔を拡げる方向に付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の医療器具の保持装置。
- 前記吊り部材は、
前記レールに走行自在に支持されるランナーと、
該ランナーに上端が固定されるベルト状部材と、
該ベルト状部材の下端に取り付けられて前記挿入部または前記操作部が係合される係合部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の医療器具の保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008029029A JP2009183602A (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | 医療器具の保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008029029A JP2009183602A (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | 医療器具の保持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009183602A true JP2009183602A (ja) | 2009-08-20 |
Family
ID=41067513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008029029A Pending JP2009183602A (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | 医療器具の保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009183602A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021000353A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | 株式会社アダチメディカル | 内視鏡用シース包装袋及び内視鏡用シース取付補助機構 |
KR102252577B1 (ko) * | 2020-06-30 | 2021-05-17 | 한국과학기술원 | 내시경의 오버튜브를 위한 버클링 방지 장치 |
-
2008
- 2008-02-08 JP JP2008029029A patent/JP2009183602A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021000353A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | 株式会社アダチメディカル | 内視鏡用シース包装袋及び内視鏡用シース取付補助機構 |
JP7338854B2 (ja) | 2019-06-24 | 2023-09-05 | 株式会社アダチメディカルレンタルリース | 内視鏡用シース包装袋及び内視鏡用シース取付補助機構 |
KR102252577B1 (ko) * | 2020-06-30 | 2021-05-17 | 한국과학기술원 | 내시경의 오버튜브를 위한 버클링 방지 장치 |
WO2022004968A1 (ko) * | 2020-06-30 | 2022-01-06 | 한국과학기술원 | 내시경의 오버튜브를 위한 버클링 방지 장치 |
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