JP2009183209A - 飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法 - Google Patents

飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機性組成物、例えば食品残渣を処理して飼料組成物を得るための飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法において、品質の優れた飼料組成物を得ることができる飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法を提供する。
【解決手段】本発明の飼料調整剤は、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素、及び有機酸、例えばギ酸を含有することを特徴とする。また、本発明の飼料調整方法は、飼料原料である有機性廃棄物にアリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸を添加することにより、前記有機性廃棄物が酵素処理されることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素、例えばキシラナーゼ及びセルラーゼ、並びに有機酸、例えばギ酸を含有する飼料調整剤に関する。また、その飼料調整剤を用いて、飼料原料を処理・調整する飼料調整方法に関する。
現在日本において、例えば食品製造業、食品流通業、及び外食産業からは、大量の食品残渣、例えば食品製造副産物及び余剰食品が廃棄されている。その食品残渣の多くは、焼却又は埋め立て処理されているのが現状である。そこで、従来より、資源の有効活用の観点から、食品残渣を食品循環資源として飼料化又は肥料化する方法が検討されている。国内において飼料原料の殆どは、輸入に頼っているのが現状であり、食品残渣を飼料化する方法は、飼料自給率の向上を図ることができると期待されている。さらには、食品残渣の有効利用は、環境付加の低減を図ることもできる。
食品残渣をそのまま飼料として再利用することは飼料の安全性及び保存安定性の観点から好ましくないため、食品残渣に対し腐敗及び臭気の発生を防止するための処理を施す必要がある。従来より、特許文献1の食品残渣の処理方法が知られている。特許文献1の処理方法は、食品残渣としておからを使用し、水分含有量の多いおからを乾燥させる方法について開示する。しかしながら、繊維質の多いおからを乾燥させるのみでは、栄養価が高く、消化のよい飼料を得ることはできない。また、飼料の安全性をより向上させるためには、飼料原料を細菌が死滅する温度で加熱処理することが好ましい。そこで、従来より耐熱性を有する多糖類分解酵素を用いた処理方法(特許文献2参照)や乳酸菌を用いた処理方法(特許文献3参照)が知られている。
特許文献2は、高温安定性を有する多糖類分解酵素、例えばセルラーゼを使用する処理方法について開示する。かかる酵素を採用することにより、繊維質の多い食品残渣を高温条件下で処理しながら低分子化することができる。さらには、70℃以上の高温で処理される加熱型造粒機を用いたペレット化処理又は乾燥処理工程を経たとしても、高温安定性を有する多糖類分解酵素が失活するおそれがない。
特許文献3は、有機性残渣を約80℃の高温に加熱することにより、一般細菌等を殺菌し、その後真空乾燥機等を使用することにより冷却後、乳酸菌による発酵処理が行なわれる方法について開示する。
特開2002−51721号公報 特開2001−57852号公報 特開2007−143539号公報
ところが、特許文献2に開示される多糖類分解酵素は、中性領域で活性を有し、酸性条件下では活性を有していなかった。したがって、多糖類の低分子化に伴って中性領域で好ましく生育する細菌の増殖が懸念されていた。特許文献3は、加熱処理後、冷却して温度を下げた後、乳酸発酵へ移行する段階において有機性残渣に雑菌が繁殖するおそれがあった。そこで、飼料調整剤に含有される酵素として、耐熱性を有するとともに、さらに細菌の増殖をより抑制できる酸性条件下で活性を有する繊維性多糖類分解酵素が切望されていた。
そこで、本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、アリシクロバチルス属の菌から得られ、耐熱性を有するとともに酸性側で活性を有する繊維性多糖類分解酵素、及び有機酸を併用することにより、品質の優れた飼料を得ることができる点を発見したことによりなされたものである。本発明の目的とするところは、有機性組成物、例えば食品残渣を処理して飼料組成物を得るための飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法において、品質の優れた飼料組成物を得ることができる飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の飼料調整剤は、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の飼料調整剤において、前記有機酸は、ギ酸であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の飼料調整剤において、前記繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体及びアリシクロバチルス属の菌体培養液から選ばれる少なくとも一方の形態で含有されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の飼料調整剤において、前記繊維性多糖類分解酵素は、以下の(a)から(c)のいずれかに記載の繊維性多糖類分解酵素であることを特徴とする。(a)配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する。(b)配列番号1で表わされ、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する。(c)配列番号1で表わされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飼料調整剤において、前記アリシクロバチルス属は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターへ2007年8月29日に寄託されたアリシクロバチルス.エスピーGCB−A1(受託番号NITE BP-406)であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明の飼料調整方法は、飼料原料である有機性組成物にアリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸が添加されることにより、前記有機性組成物が酵素処理されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の飼料調整方法において、前記繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体及びアリシクロバチルス属の菌体培養液から選ばれる少なくとも一方の形態で前記有機性組成物に配合されることを特徴する。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の飼料調整方法において、前記酵素処理は、50〜100℃の条件下で行なわれることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の飼料調整方法において、前記酵素処理は、飼料原料である有機性組成物が乳酸発酵処理される前の段階において行なわれることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の飼料調整方法において、前記有機性組成物は、おから、醸造副産物、及び果実の搾汁残渣から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
本発明によれば、有機性組成物、例えば食品残渣を処理して飼料組成物を得るための飼料調整剤及びそれを用いた飼料調整方法において、品質の優れた飼料組成物を得ることができる。
以下、この発明の飼料調整剤を具体化した実施形態を詳細に説明する。本実施形態の飼料調整剤は、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸を含有する。本実施形態の飼料調整剤は、飼料原料である有機性組成物、例えば食品残渣を処理して飼料組成物を製造する際に適用することができる。本実施形態の飼料調整剤を飼料原料に添加し、加熱処理することにより、高温・酸性条件下で細菌の増殖を抑えながら多糖類を低分子化することができ、それにより栄養価の高い品質の優れた飼料組成物を得ることができる。
繊維性多糖類分解酵素は、飼料原料である有機性組成物に添加されることにより、飼養動物の栄養源となる低分子糖類(例えば、グルコース)を生成させることができる。本実施形態において用いられる繊維性多糖類分解酵素が作用する基質は、多糖類であれば特に限定されないが、飼料原料に多く含有されるキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類であることが好ましい。つまり、本実施形態において用いられる繊維性多糖類分解酵素としては、キシラナーゼ、セルラーゼ、リケナーゼ、及びマンノシダーゼであることが好ましい。
アリシクロバチルス属の菌は、好熱性の好酸性細菌(高温好酸性細菌)である。主として土壌中に分布し、芽胞形成のグラム陽性桿菌である。したがって、アリシクロバチルス属の菌から得られる繊維性多糖類分解酵素は、至適温度範囲が高温領域にあり、至適pH範囲が酸性領域にあるため、飼料原料の有機性組成物が加熱処理された際、及びpHが酸性領域へ移行した際に活性を失うことがない。また、至適温度範囲が高温領域にあるため、長期間の安定性も優れ、長時間にわたる加熱処理においても活性を維持し続ける。アリシクロバチルス属の菌として、例えば、アリシクロバチルス・エスピー(Alicyclobacillus sp.)、アリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)、及びアリシクロバチルス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)が挙げられる。
アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素の性質は、好ましくは、至適温度が50℃以上、より好ましくは60℃以上である。至適温度が50℃未満であると飼料原料の加熱処理時に酵素が失活するおそれがある。温度安定性は、好ましくは、70℃、10分間の処理で80%以上、より好ましくは90%以上の残存活性(熱に対して未処理の活性を100%とした場合の割合)を保有する。70℃、10分間の処理で残存活性が80%未満の場合、酵素の長期安定性が低下するおそれがある。至適pHは、好ましくはpH6以下、より好ましくはpH5以下である。至適pHが6を超えると、有機酸の添加により飼料原料中のpHが低下した時に酵素活性を十分に発揮することができないおそれがある。
本実施形態において使用される繊維性多糖類分解酵素として、好ましくは(a)配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素が挙げられる。この繊維性多糖類分解酵素は、キシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性(キシラナーゼ、セルラーゼ、リケナーゼ、及びマンノシダーゼ活性)を有する新規な繊維性多糖類分解酵素である。また、本実施形態において、配列番号1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなり、キシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する繊維性多糖類分解酵素を適用してもよい。実質的に同一とは、具体的に(b)配列番号1で表わされ、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する繊維性多糖類分解酵素を示す。又は(c)配列番号1で表わされるアミノ酸配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する繊維性多糖類分解酵素を示す。ここで、1又は数個のアミノ酸とは、好ましくは1〜10個のアミノ酸、より好ましくは1〜5個のアミノ酸を示す。尚、上記のアミノ酸配列の同一性は、BLASTを用いたアミノ酸配列ホモロジー検索法により実施することができる。
キシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有するとは、その活性の程度が、その機能を発揮する限り配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素と同程度のものであってもよい。又は低いもの(好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上)のみならず、これより高いものであってもよい。なお、本実施形態において用いられる繊維性多糖類分解酵素は、公知の化学合成法又は対応する遺伝子配列より遺伝子工学的手法によって製造することができる。また、アミノ酸配列における改変は、公知の方法、例えば部位特異的変異導入法等を用いて、改変しようとするアミノ酸配列に、1又は数個のアミノ酸の置換、欠失、付加の変異を導入することができる。
配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素と公知の繊維性多糖類分解酵素とのアミノ酸配列における同一性を比較すると、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)ATCC27009株のエンドグルカナーゼ(celB)(Eur.J.Biochem.270, 3593-3602(2003))との同一性が高く、88%であった。基質特異性及び相同検索の結果から本実施形態で用いられる酵素はグルカナーゼに分類される酵素であると考えられる。
配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素は、基質としてキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する。つまり、キシラナーゼ、セルラーゼ、リケナーゼ、及びマンノシダーゼ活性を有する。特に、これらの中でキシラン及びセルロースを加水分解する活性が高い。基質としてのセルロースは、セルロース誘導体としてのカルボキシメチルセルロース、及び結晶セルロース(例えば、Phosphoric acid swollen Avicel)であっても加水分解することができる。また、配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素の至適温度範囲は70〜85℃である。例えば、カルボキシメチルセルロースを基質として使用し、pH4.0、反応時間20分間の条件下において、至適温度は75〜80℃付近にあり、70〜85℃の範囲において最大活性の80%以上を示す。また、至適pH範囲が2〜6である。例えば、カルボキシメチルセルロースを基質として使用し、温度60℃、反応時間30分間の条件下において、至適pHは3〜4付近にあり、pH2〜6の範囲において最大活性の40%以上を示す。また、温度安定性は、70℃、10分間の処理で80%以上の残存活性(熱に対して未処理の活性を100%とした場合の割合)を保有する。例えば、カルボキシメチルセルロースを基質として使用し、pH4.0の条件下において、未処理の活性を100%とした場合、70℃以下の温度では熱に対して80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の残存活性を有する。また、同条件下において、80℃では好ましくは30%、より好ましくは40%の残存活性を有する。
配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターへ2007年8月29日に寄託されたアリシクロバチルス・エスピー GCB−A1株(受託番号NITE BP-406)より取得することができる。本寄託されたアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1株(受託番号NITE BP-406)について、下記に生育形態所見及び生化学的所見を示す。
(a)形態
形状:桿菌(0.7〜0.9×2.0〜3.0μm)
グラム染色:陰性
胞子形成能:有り
運動性:なし
(b)生育状態(YSG寒天培地)
色調:クリーム色
形:円形
隆起状態:レンズ状
周縁:全縁
表面の形状:スムーズ
透明性:半透明
粘稠度:バター様
(c)生理学的性質
カタラーゼ:陰性
オキシダーゼ:陰性
<炭化水素からの酸産生について>
グリセロール +
エリスリトール −
D−アラビノース −
L−アラビノース +
リボース −
D−キシロース −
L−キシロース −
アドニトール −
β−メチルキシロシド −
ガラクトース +
D−グルコース +
D−フルクトース +
D−マンノース −
L−ソルボース −
ラムノース −
ズルシトール −
イノシトール −
マンニトール +
ソルビトール −
α−メチル−D−マンノシド −
α−メチル−D−グルコシド −
N−アセチルグルコサミン −
アミグダリン −
アルブチン −
エスクリン −
サリシン −
セロビオース −
マルトース +
ラクトース −
メリビオース −
サッカロース −
トレハロース −
イヌリン −
メレジトース −
D−ラフィノース −
デンプン −
グリコーゲン −
キシリトール −
β−ゲンチオビオース −
D−ツラノース −
D−リキソース −
D−タガトース −
D−フコース −
L−フコース −
D−アラビトール −
L−アラビトール −
グルコン酸塩 −
2−ケト−グルコン酸 −
5−ケト−グルコン酸 −
嫌気的生育:−
生育温度範囲:40〜70℃
生育pH範囲:pH2.5〜6.5
塩化ナトリウム耐性:3%塩化ナトリウム濃度で生育
DNA塩基組成:GC含量62.6%
アリシクロバチルス・エスピーGCB−A1株は、グラム陰性桿菌であり、YSG寒天培地にて50℃で生育し、芽胞を形成し、カタラーゼ反応及びオキシダーゼ反応はともに陰性を示したことから、アリシクロバチルス・エスピーであることが推認された。
また、上記微生物について、16SrRNAのホモロジー検索ソフト(BLAST)を用いた相同検索の結果、アリシクロバチルス属由来の16SrRNAに対し、高い相同性を示した。アリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)NTAP−1株と99.7%の相同性を示し、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)ATCC27009株と98.4%の相同性を示した。アリシクロバチルス・エスピーGCB−A1株はアリシクロバチルス・センダイエンシスと最も近縁であった。アリシクロバチルス・センダイエンシスNTAP−1株は、生育温度が40〜65℃、4%塩化ナトリウム濃度で生育可能である(Int J Syst Evol Microbiol. 2003, 53, 1081-1084参照)。一方、アリシクロバチルス・エスピーGCB−A1株は、生育温度40〜70℃、3%塩化ナトリウム濃度で生育可能であることから同一種ではないと思料される。
本微生物は、例えば、酵母エキス、並びにカルボキシメチルセルロース(CMC)及びキシランを含む寒天培地を使用し、好ましくは60〜80℃、より好ましくは65〜70℃の高温条件下、及びpH2.5〜6.5の酸性条件下にて培養することにより、耐熱性及び耐酸性を有する繊維性多糖類分解酵素の産生菌をスクリーニングすることができる。
上記の微生物を用いて配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素を取得するには、まず培養液に微生物を接種し、常法に従って培養する工程が行なわれる。次に、前記培養液から上澄液又は濾過液を回収する工程が行なわれる。次に、上澄液又は濾過液からクロマトグラフィを用いて繊維性多糖類分解酵素を分離する工程が行なわれる。培養液は、例えば酵母エキス、ペプトン等を含有する公知の培地を適宜採用することができる。培養条件は、40〜70℃、pH2.5〜6.5が好ましく、45〜60℃、pH3.0〜5.0がより好ましい。上澄液は、培養後の培養液を遠心分離等の公知の方法を用いて取得することができる。クロマトグラフィとしては、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、カラムクロマトグラフィ及び高速液体クロマトグラフィ(HPLC)のいずれも使用することができる。また、クロマトグラフィ担体としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、ゲルろ過クロマトグラフィが挙げられる。繊維性多糖類分解酵素の分離工程は、上澄液又は濾過液から繊維性多糖類分解酵素を粗精製した状態で完了しても、さらに複数種類のクロマトグラフィを組み合わせることにより精製した状態で完了してもいずれでもよい。このようにして得られた酵素液は、そのまま溶液状態で適用しても、凍結乾燥等の方法を使用することにより粉末状にして適用してもよい。
有機酸は、飼料原料に上記繊維性多糖類分解酵素とともに添加されることにより飼養動物のエネルギー源となる低分子糖類の生成を促進させる。また、飼料原料のpHを酸性側へ導き、細菌の増殖を抑制する。また、加熱処理後の飼料とともに飼養動物に摂取されることにより、消化管内の環境を改善することができる。さらに、酸性条件下で活性を有する上記繊維性多糖類分解酵素の活性を高めることができる。本明細書中に用いられる用語「有機酸」は、例えば少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよい炭化水素基とカルボン酸基とで構成される酸を指していう。有機酸の具体的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸及び吉草酸のような未置換の(すなわち炭化水素基とカルボン酸基とで構成される)カルボン酸、乳酸及びグルコン酸のようなヒドロキシモノカルボン酸、リンゴ酸のようなヒドロキシジカルボン酸、クエン酸のようなヒドロキシトリカルボン酸が挙げられる。これらの中で、低分子糖類の生成促進効果が高く、飼料原料の腐敗抑制効果が高いギ酸が好ましい。有機酸は、化学合成品、及びそれらを含有する天然素材のいずれを使用してもよい。天然素材としては、例えば、クエン酸を含有する柑橘類、梅干し、梅酢、又はそれらの廃棄物等が挙げられる。酢酸を含有する天然素材としては、例えば、リンゴ酒、ワイン、発酵させた穀物、麦芽、米、ジャガイモ等を原料として酢酸産生菌により発酵させたものが挙げられる。乳酸を含有する天然素材としては、例えば、乳酸、ヨーグルト、チーズ、漬物、バター等が挙げられる。
次に、本実施形態の飼料調整剤を用いた飼料調整方法について記載する。
本実施形態の飼料調整剤は、飼料原料である有機性組成物から飼料組成物を製造する際に用いられる。飼料原料である有機性組成物としては、家畜の飼料又は飼料原料となり得るものであれば特に限定されない。例えば食品製造業、食品流通業、及び外食産業において廃棄される食品残渣、例えば食品製造副産物及び余剰食品等を利用することができる。食品製造副産物としては、例えば、おから、醸造副産物、及び果実の搾汁残渣が挙げられる。醸造副産物としては、例えば酒粕、焼酎粕、ビール粕、及び味醂粕が挙げられる。
まず、必要により水分含有量が調整された飼料原料に本実施形態の飼料調整剤が添加されて混合される。次に、飼料調整剤添加後の飼料原料について、加熱処理が施される。加熱処理の目的は、特に限定されず加熱型造粒機(例えばペレットミル及びエクストルーダ)を用いて成形性及びハンドリング性を向上させる目的で行ってもよく、カビ及び細菌を殺菌する目的で行ってもよい。加熱処理の温度及び時間は、各処理目的に応じ適宜決定することができる。殺菌目的であれば、加熱温度として、例えば50〜100℃、好ましくは60〜90℃を採用することができる。加熱時間としては、例えば1分〜48時間、好ましくは3分〜24時間を採用することができる。アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素は、耐熱性を有し、且つ酸性領域で活性を有するため、酸性条件下における加熱処理により、低分子糖類の生成がさらに促進される。
加熱処理後、好ましくは乾燥処理又は乳酸発酵処理が行なわれる。乾燥処理を行なうことにより製造された飼料の保存安定性をより向上させることができる。乳酸発酵処理により乳酸を生成させることにより、保存安定性の向上のみならず、家畜の食欲の増進、及び飼料の消化の促進効果も生ずる。乳酸発酵は、飼料原料に付着した乳酸菌を増殖させることにより自然発酵させてもよい。また、市販の乳酸菌を添加して実施してもよい。乳酸発酵時においては、飼料原料を加重等することによりできるだけ脱気することが好ましい。発酵処理温度及び発酵処理時間は、公知のサイレージ製造方法において適用される処理時間及び温度を採用することができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の飼料調整剤は、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸から構成される。したがって、飼料原料である有機性組成物、例えば食品残渣を処理して飼料組成物を製造する際に、高温・酸性条件下で細菌の増殖を抑えながら多糖類を低分子化することができるため、栄養価の高い品質の優れた飼料組成物を得ることができる。
(2)本実施形態の飼料調整剤において、アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素を使用した。したがって、高温及び酸性条件下においても多糖類の分解活性を維持することができる。また、長時間にわたる加熱処理においても、安定性を向上させることができる。
(3)本実施形態の飼料調整剤において、有機酸(好ましくはギ酸)を使用した。したがって、飼養動物のエネルギー源となる低分子糖類の生成を促進させることができる。また、飼料原料のpHを酸性側へ導き、加熱処理時における細菌の増殖を抑制する。また、加熱処理後の飼料とともに飼養動物に摂取されることにより、消化管内の環境を改善することができる。
(4)本実施形態において、好ましくは配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素又は配列番号1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる繊維性多糖類分解酵素が用いられる。かかる酵素は、耐熱性を有するとともに、酸性条件下で活性を有するため、高温及び酸性環境下において、飼養動物のエネルギー源となる低分子糖類の生成を促進することができる。
(5)本実施形態において、アリシクロバチルス属の菌として、好ましくはアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1(受託番号NITE BP-406)が利用される。したがって、耐熱性を有するとともに、酸性条件下で活性を有する繊維性多糖類分解酵素を容易に取得することができる。
(6)本実施形態において、飼料原料として、おから、醸造副産物、及び果実の搾汁残渣から選ばれる少なくとも一種の有機性組成物が用いられる場合、資源の有効活用を図ることにより環境付加を低減することができる。また、栄養価の高い飼料原料を低コストで取得することができる。
(7)本実施形態において、飼料原料である有機性組成物に前記飼料調整剤が添加された後、好ましくは加熱処理される。したがって、熱により、又は高温で活性を有する繊維性多糖類分解酵素によって、多糖類の加水分解が促進される。また、腐敗の原因となるカビ及び細菌を死滅させることができる。
(8)本実施形態において、飼料調整剤を用いて処理された飼料組成物をさらに乳酸発酵処理してもよい。それにより、乳酸発酵処理後の飼料品質(例えばpHの低下、乳酸・酢酸の生成、及びアンモニア態窒素の低下)をより向上させることができる。
(9)本実施形態の飼料調整剤により、飼料原料から低分子化した糖類を生成させることができる。したがって、その後の乳酸発酵を行なう場合、発酵を促進させることができる。また、発酵中に生成した乳酸及び添加有機酸により、飼料の嗜好性を向上させることができるとともに、腸内環境の改善作用及び消化吸収性の向上効果が期待される。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、飼料調整剤中に含有されるアリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体又はその培養液から抽出して使用してもよい。また、繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体又はアリシクロバチルス属の菌体培養液の形態で飼料調整剤中に含有させてもよい。かかる方法により、酵素の抽出工程を省略することができる。
また、アリシクロバチルス属の菌体を適用することにより、飼料原料中においてアリシクロバチルス属の菌が増殖し、酸素が消費されることにより、飼料原料を嫌気雰囲気に導くことができる。それにより、カビ及び好気性菌等の増殖を抑制することができる。
・上記実施形態の飼料調整剤に飼料組成物の品質を向上させるため、各種添加剤、例えば、プロテアーゼ、乳酸菌、及び栄養補助成分を配合してもよい。
・上記実施形態により得られた飼料組成物を市販の家畜用飼料等に混合させて飼養動物に給餌させてもよい。
・上記実施形態において用いられる繊維性多糖類分解酵素のその他の産業上利用分野として、例えば、植物性廃棄物の減量化又は堆肥化処理、植物性廃棄物、木材・草材等の植物由来のバイオマスから糖を得る方法、衣料用の洗浄成分、衣類の材質の改善、植物細胞をプロトプラスト化するための研究用試薬を挙げることができる。
次に、試験例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
<試験例1:アリシクロバチルス属の菌の分離>
菌株分取用の堆肥を採取した。採取した堆肥を水で希釈し、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びキシランを含む寒天培地(酵母エキス(ディフコ社製)0.2%、ペプトン(ディフコ社製)0.2%、カルボシキメチルセロース(CMC)又はキシラン(Birchwood)0.2%、pH4.0)を使用し、65℃で24時間培養して、耐熱性及び耐酸性の繊維性多糖類分解酵素の産生菌のスクリーニングを行なった。その結果、単離した微生物(GCB−A1と命名)株を分取した。
本試験例において、自然界より単離したGCB−A1株を同定したところ、該菌株は生育形態所見及び生化学的所(上記参照)より、アリシクロバチルス・エスピー(Alicyclobacillus sp.)であることが判明した。本単離及び同定したアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1を、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託した(受託番号NITE BP-406、受託日2007年8月29日)。以下、本実施例においては、寄託されたアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1を使用した。
<試験例2:繊維性多糖類分解酵素の抽出及びアミノ酸配列の決定>
分取したアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1株を酵母エキス(ディフコ社製)0.2%、ペプトン(ディフコ社製)0.2%、CMC0.2%、pH4.0の液体培地に接種し、50℃で18時間培養した。培養後、菌体を遠心分離により取り除き、上清を限外濾過膜で濃縮した。
上記のように採取された培養上清をCMC又はキシラン(Birchwood)を含んだSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により展開し、CBB染色とザイモグラムを行ない、セルラーゼとキシラナーゼの両方の活性を有する約100kDaの繊維性多糖類分解酵素を検出した。
上記検出された約100kDaの繊維性多糖類分解酵素をSDS−ポリアクリルアミドゲルから切り出し、セントリエリュータ(アミコン社製)を用いてゲルからタンパク質を取り出し、限外濾過膜で脱塩・濃縮し、精製タンパク質を得た。得られた精製タンパク質について、N末端アミノ酸配列分析を行なった。残りはプロテアーゼV8(ロシュ社製)を用いて断片化し、タンパク質の内部配列分析を行なった(配列番号1参照)。
<試験例3:理化学的性質の特定>
採取された培養上清を繊維性多糖類分解酵素の含有溶液として用い、至適pHの測定を行なった。基質には1%(w/v)CMCを含む0.05Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.0、pH3.0)(グラフ中「Glycine buffer」と表記)、0.05Mリン酸−クエン酸緩衝液(pH3.0、pH4.0、pH5.0、pH6.0、pH7.0)(グラフ中「PC buffer」と表記)を使用し、60℃、30分間の反応条件下でDNS法により活性を測定した。最大活性を示したpHの値を100%とした相対活性で示した。結果を図1に示す。その結果、至適pHは2〜6の範囲にあり、より正確にはpH3〜4であった。
採取された培養上清を繊維性多糖類分解酵素の含有溶液として用い、至適温度の測定を行なった。基質には1%(w/v)CMCを含む0.05Mリン酸−クエン酸緩衝液pH4.0を使用し、各温度、20分間の反応条件下でDNS法により活性を測定した。最大活性を示した温度の値を100%とした相対活性で示した。結果を図2に示す。その結果、至適温度は60〜90℃の範囲にあり、正確には70〜85℃、より正確には75〜80℃であった。
採取された培養上清を繊維性多糖類分解酵素の含有溶液として用い、基質特異性の測定を行なった。表1に示される各基質を1%(w/v)含む0.05Mリン酸−クエン酸緩衝液pH4.0を使用し、60℃、60分間の反応を行い、還元糖の生成量を調べた。結果を表1に示す。その結果、キシラン、セルロース、リケナン及びマンナンを加水分解することが示された。また、ラミナリンやガラクタンを基質とした場合、還元糖の産生は確認されなかった。
Figure 2009183209
採取された培養上清を繊維性多糖類分解酵素の含有溶液として用い、熱安定性の測定を行なった。基質には1%(w/v)CMCを含む0.05Mリン酸−クエン酸緩衝液pH4.0中に培養上清を添加し、40〜100℃の各温度で10分間インシュベートした後の残存活性について、熱に対して未処理の活性を100%とした場合の割合を測定した。結果を図3に示す。その結果、70℃以下の温度では、95〜100%の残存活性が認められ、それらの温度範囲では熱安定性を有することが確認された。80℃の温度では約45%の残存活性が認められ、それ以上の温度では、耐熱性は低下することが確認された。
<試験例4:飼料組成物の調整>
飼料原料としておからを使用した。繊維性多糖類分解酵素として、試験例3で使用したアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1(NITE BP-406)の培養液又は菌体、及び有機酸としてギ酸を使用することにより、飼料調整剤を構成した。
実施例1として、おから150gにアリシクロバチルス・エスピーGCB−A1(NITE BP-406)の濃縮培養液1mL及びギ酸750μLを添加し、よく混合した。次に、高温処理(65℃20時間)を行なった。反応後の飼料組成物を乾燥させて、全糖量と還元糖の量を測定した。全糖量はフェノール硫酸法を使用することにより決定した。還元糖の量はDNS法を使用した。結果を表2に示す。
実施例2として、繊維性多糖類分解酵素として、アリシクロバチルス・エスピーGCB−A1(NITE BP-406)の菌体(10cfu)を添加した以外は、実施例1と同様に処理した。結果を表2に示す。
比較例1として、飼料原料であるおから150gを乾燥させて、その中に含まれる全糖量と還元糖の量を測定した。結果を表2に示す。
比較例2として、飼料原料であるおから150gを高温処理(65℃20時間)し、その後、乾燥させた。乾燥処理後の飼料原料について、全糖量と還元糖の量を測定した。結果を表2に示す。
比較例3として、おから150gにギ酸750μLを添加し、よく混合した。次に、高温処理(65℃20時間)を行なった。反応後の飼料組成物を乾燥させて、全糖量と還元糖の量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009183209
表2に示されるように繊維性多糖類分解酵素として、アリシクロバチルス・エスピーGCB−A1(NITE BP-406)の培養液又は菌体を添加した実施例1,2は、何も処理しない比較例1と比べ、飼料組成物中に含まれる多糖類が加水分解され、還元糖が大幅に増加していることが確認される。一方、加熱処理のみ又は有機酸の添加のみの比較例2,3は、各実施例と比較すると還元糖の含有量が少ないことが確認される。以上により、実施例1,2において飼料組成物の品質を向上させることができることが確認された。尚、実施例1,2において処理された飼料組成物は、その後の乳酸発酵が行なわれる場合、増加した還元糖により発酵品質の向上が期待される。
本実験例の繊維性多糖類分解酵素のpH依存性を示すグラフ。 本実験例の繊維性多糖類分解酵素の温度依存性を示すグラフ。 本実験例の繊維性多糖類分解酵素の温度安定性を示すグラフ。

Claims (10)

  1. アリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸を含有することを特徴とする飼料調整剤。
  2. 前記有機酸は、ギ酸であることを特徴とする請求項1に記載の飼料調整剤。
  3. 前記繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体及びアリシクロバチルス属の菌体培養液から選ばれる少なくとも一方の形態で含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飼料調整剤。
  4. 前記繊維性多糖類分解酵素は、以下の(a)から(c)のいずれかに記載の繊維性多糖類分解酵素であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飼料調整剤。
    (a)配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する。
    (b)配列番号1で表わされ、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する。
    (c)配列番号1で表わされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つキシラン、セルロース、リケナン及びマンナンから選ばれる少なくとも一つの繊維性多糖類を加水分解する活性を有する。
  5. 前記アリシクロバチルス属は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターへ2007年8月29日に寄託されたアリシクロバチルス.エスピーGCB−A1(受託番号NITE BP-406)であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飼料調整剤。
  6. 飼料原料である有機性組成物にアリシクロバチルス属の菌が生産する繊維性多糖類分解酵素及び有機酸が添加されることにより、前記有機性組成物が酵素処理されることを特徴とする飼料調整方法。
  7. 前記繊維性多糖類分解酵素は、アリシクロバチルス属の菌体及びアリシクロバチルス属の菌体培養液から選ばれる少なくとも一方の形態で前記有機性組成物に添加されることを特徴する請求項6に記載の飼料調整方法。
  8. 前記酵素処理は、50〜100℃の条件下で行なわれることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の飼料調整方法。
  9. 前記酵素処理は、飼料原料である有機性組成物が乳酸発酵処理される前の段階において行なわれることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の飼料調整方法。
  10. 前記有機性組成物は、おから、醸造副産物、及び果実の搾汁残渣から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の飼料調整方法。
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