JP2009183192A - インスリン結合性アプタマー - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のアプタマーよりも結合能の高い新規なインスリン結合性アプタマーを提供する。
【解決手段】アプタマーのスクリーニングの際に、通常用いられるランダムなssDNAライブラリーではなく、ランダム領域中の特定の領域にグアニンを含ませた、Gカルテット構造をとり得るランダムssDNAから成るライブラリーを用いることにより得た、公知のアプタマーよりも結合能の高いインスリン結合性アプタマー。また、該インスリン結合性アプタマーを利用したインスリン測定試薬。
【選択図】図2

Description

本発明はインスリンに結合する新規なアプタマーに関する。
試料中のタンパク質等の被検物質の測定は、現在、主として免疫測定法により行なわれている。免疫測定法としては様々な方法が知られており、実用化されているが、いずれの方法においても、被検物質に対する特異抗体が用いられる。被検物質に対する特異抗体の作出は常法により行なうことができるが、手間がかかり、このため特異抗体は高価である。
一方、任意の分子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドであるアプタマーが知られている。アプタマーは、市販の核酸合成機を用いて化学的に全合成できるので、特異抗体に比べてはるかに安価であり、修飾が容易であるため、センシング素子としての応用が期待されている。所望の標的分子と特異的に結合するアプタマーは、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)と呼ばれる方法により作出可能である(非特許文献1)。この方法では、標的分子を担体に固定化し、これに膨大な種類のランダムな塩基配列を有する核酸から成る核酸ライブラリを添加し、標的分子に結合する核酸を回収し、これをPCRにより増幅して再び標的分子を固定化した担体に添加する。この工程を10回程度繰り返すことにより、標的分子に対して結合力の高いアプタマーを濃縮し、その塩基配列を決定して、標的分子を認識するアプタマーを取得する。なお、上記核酸ライブラリーは、核酸の自動化学合成装置により、ランダムにヌクレオチドを結合していくことにより容易に調製可能である。このように、ランダムな塩基配列を有する核酸ライブラリーを用いた、偶然を積極的に利用する方法により、任意の標的物質と特異的に結合するアプタマーを作出できる。
アプタマーは、特定の三次元構造を形成し、標的の分子に対して選択的な分子認識能を発揮する。アプタマーの三次元構造としては、これまでに、ヘアピン型、シュードノット型、バルジ型、Gカルテット型といった様々な形をとることが報告されている。中でもGカルテット構造は、通常のWatson-Crick二重らせん構造とは異なり、4分子のグアニンがHoogsteen配置の塩基対を形成する(Gテトラ平面)。近年、このGカルテット構造は染色体末端のテロメア配列や機能性核酸が形成する構造として報告されており、生体内タンパク質認識分子として注目されている。
本願発明者らは、アプタマーを利用したB/F分離の操作が不要な疾病マーカー検出技術として、特定の分子の検出を行う際に、その分子を認識するアプタマーと酵素制御アプタマー(酵素活性に変化を及ぼすアプタマー)を連結することで、アプタマーを酵素のサブユニットとして用いたセンシング技術であるAES(Aptameric Enzyme Subunit)を構築している(特許文献1)。検出原理は、特定の分子が存在した場合、その分子に対するアプタマーが結合すると、連結されている酵素制御アプタマーの構造に影響を及ぼし、その結果酵素活性に変化が生じるので、その変化を測定するというものである。この検出法の利点として、ELISAによる検出と異なり、標的分子の結合を直接、酵素活性のシグナルとして検出するため、B/F分離を必要としない、迅速で簡便な検出が可能である点があげられる。また、一度、酵素活性を阻害するアプタマーを獲得してしまえば、検出したい標的分子に結合するアプタマーは1種類でよく、様々な標的分子の検出に用いることも可能である。さらに、アプタマーは抗体に比べ、作成が簡単で安価である。
インスリンは、糖尿病診断マーカーとして用いられているが、インスリンに対する良好な結合性を有するアプタマーを取得することができれば、例えばインスリン測定用のAESの構築も可能になり、糖尿病診断に有用である。インスリンに特異的に結合するオリゴヌクレオチドとして、非特許文献2には、Gカルテット構造を形成するILPR2が記載されている。しかしながら、特異性が十分に高いインスリン結合性アプタマーは未だ得られていない。上記の通り、アプタマーの創製方法は、偶然を積極的に利用する方法であるので、標的物質に対して高い結合能を有するアプタマーが得られるかどうかは、実際に膨大な実験を行なってみなければわからない。一旦創製され、その塩基配列が明らかになれば、常法により容易に調製可能であるが、創製には膨大な実験と試行錯誤が必要となる。
国際公開WO2005/049826号公報 Tuerk, C. and Gold L. (1990), Science, 249, 505-510 Connor et al. J Am Chem. Soc. 2006, 128, 4986-91
従って、本発明は、従来のアプタマーよりも結合能の高い新規なインスリン結合性アプタマーを提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、アプタマーのスクリーニングの際に、通常用いられるランダムなssDNAライブラリーではなく、Gカルテット構造をとり得るランダムssDNAから成るライブラリーを用いることで、公知のアプタマーよりも結合能の高いインスリン結合性アプタマーを得ることができることを見出し、さらに、該インスリン結合性アプタマーを利用したAESの構築に成功し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、配列表の配列番号1又は2に示される塩基配列中の少なくとも7nt〜23ntの領域を含み、サイズが100mer以下であるポリヌクレオチドから成る、インスリン結合性アプタマーを提供する。また、本発明は、上記本発明のインスリン結合性アプタマーを含むインスリン認識アプタマー部位と、酵素と結合し該酵素の活性を変化させる能力を有する酵素制御アプタマー部位とを含むポリヌクレオチドであって、インスリンが前記インスリン認識アプタマー部位に結合することにより、前記酵素制御アプタマー部位が前記酵素の活性を変化させる能力が変化するポリヌクレオチドを提供する。さらに、本発明は、上記本発明のポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチドの前記酵素制御アプタマー部位に結合した酵素とを含む、インスリン測定試薬を提供する。さらに、本発明は、上記本発明のインスリン測定試薬を、インスリンを含み得る検体と接触させる工程と、前記酵素制御アプタマー部位に結合した前記酵素の酵素活性の変化を測定する工程と、該変化を指標として該検体中のインスリンを測定する工程とを含む、インスリンの測定方法を提供する。
本発明により、従来のアプタマーよりもインスリンへの結合能が高いインスリン結合性アプタマーが提供された。また、該インスリン結合性アプタマーを利用した、AES法によるインスリン測定試薬が提供された。本発明のアプタマーとインスリンとの特異的な結合性を利用することにより、インスリン特異的抗体を用いることなく、インスリンを高感度、高精度かつ低コストで検出及び定量することが可能になる。
本発明のインスリン結合性アプタマーはポリヌクレオチドから成る。ポリヌクレオチドはDNAでもRNAでも人工核酸でもよいが、安定性の観点からDNAが好ましい。
配列番号1及び2にそれぞれ示す塩基配列は、下記実施例に記載されるように、ランダム配列中の特定の位置にG領域が設けられるようにして作製したGカルテットライブラリー(図1)から、公知のSELEX法によるスクリーニングを行なって取得したものである。配列番号1及び2に示される塩基配列を有する各ssDNAは、非特許文献2に記載のGカルテット構造を有するインスリン結合性オリゴヌクレオチドILPR2(配列番号4)よりも、インスリンへの結合性が高い(実施例参照)。SELEX法で通常用いられるランダムライブラリーでは、このような有用なインスリン結合性アプタマーを得ることはできず、上記Gカルテットライブラリーを用いることで初めて得ることができた。本発明は、該Gカルテットライブラリーの有用性を示唆するものでもある。
上記Gカルテットライブラリーは、図1に示される通り、6種類のランダム一本鎖DNA(ssDNA)が混合したライブラリーである。その6種類のランダムssDNAの配列を配列番号5〜10に示す。これらのランダムssDNAは、30merのランダム領域の両端に18merのPCRプライマー結合領域を付加した塩基配列を有する。該ssDNAがGカルテット構造をとり得るように、30merのランダム領域中には、特定の4箇所にグアニンを含ませている。すなわち、4箇所のG領域の間は2〜3merとしてループ部分に2〜3個の塩基が含まれるようにし、各4箇所のグアニンは2〜4個としてGテトラ平面を少なくとも2〜4つ持つように構成されている。例えば、配列番号6に示される塩基配列を有するssDNAは、30merランダム領域中の7〜8nt(配列番号6中の25〜26nt)、12〜13nt(同30〜31nt)、17〜18nt(同35〜36nt)及び22〜23nt(同40〜41nt)がG領域となっており、これらのG領域の間はそれぞれ3merであり、ループ部分には3個の塩基が含まれる。配列番号6の塩基配列では、このように固定したG領域がそれぞれ2個のグアニンで構成されているため、該塩基配列を有するssDNAは少なくとも2つのGテトラ平面を持つGカルテット構造をとり得る(ただし、任意のnはgでもあり得るので、配列番号6の塩基配列を有するssDNAが3つのGテトラ平面を形成することもある)。
この混合Gカルテットライブラリーは、例えば下記実施例に記載されるように、公知のSELEX法において通常使用されるランダムライブラリーと同様にスクリーニングに用いることができる。特に、Gカルテット構造を有する結合因子を取得したい場合に有用である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「塩基配列を有する」とは、ポリヌクレオチドの塩基がそのような順序で配列しているという意味である。従って、例えば、「配列番号2で示される塩基配列を有するアプタマー」とは、配列番号2に示されるggtggtgggg ggggttggta gggtgtcttcの塩基配列を持つ30塩基のサイズのポリヌクレオチドからなるアプタマーを意味する。また、「Xnt」(Xは数字)は、その配列における、5'末端からX番目の塩基を示す。従って、「配列番号2に示される塩基配列の3nt〜28ntの領域」とは、配列番号2に示される塩基配列中の3番目〜28番目の塩基の領域を意味する。
本発明のインスリン結合性アプタマーは、配列表の配列番号1又は2に示される塩基配列中の少なくとも7nt〜23ntの領域を含む、1分子のポリヌクレオチドから成る。上述した通り、配列番号1及び2に示される塩基配列は、所定の4箇所の領域にグアニンを有する6種類のssDNAからなる混合Gカルテットライブラリーのスクリーニングにより取得された配列であるが、Hoogsteen配置の塩基対を形成する上記4箇所のG領域を全て含む領域(すなわち上記した7nt〜23ntの領域)がアプタマー配列中に含まれていれば、配列番号1又は2の全長ではなく一部領域のみから成るものであっても、該アプタマーは、配列番号1又は2に示される塩基配列を有するアプタマーと同様に、インスリンへの結合性を発揮するものと考えられる。なお、Hoogsteen配置の塩基対を形成する4つのG領域とは、配列番号1及び2における7〜8nt、12〜13nt、17〜18nt及び22〜23ntの領域である。好ましくは、本発明のアプタマーは、配列表の配列番号1に示される塩基配列中の少なくとも3nt〜27ntの領域、より好ましくは2nt〜28ntの領域、又は配列番号2に示される塩基配列中の少なくとも3nt〜28ntの領域、より好ましくは2nt〜29ntの領域を含む。さらに好ましくは、本発明のアプタマーは、配列番号1又は2に示される塩基配列の全長を含む。特に好ましくは、本発明のアプタマーは、配列番号1又は2に示される塩基配列を有する。
また、本発明のインスリン結合性アプタマーのサイズは100merである。下記実施例のスクリーニング工程に記載されるように、配列番号1又は2の全長から成るポリヌクレオチドの両端に、18merのプライマー結合領域を付加させたポリヌクレオチドであっても、インスリンへの結合性を有している。すなわち、インスリン結合性を発揮できるポリヌクレオチドの末端に、無関係な任意の配列が付加されていても、もとのポリヌクレオチドと同様のインスリン結合性を発揮できる。従って、上記した7nt〜23ntの領域を含むポリヌクレオチドであれば、その一端又は両端に任意の配列を付加させても、インスリンに対する結合性を発揮できると考えられるので、インスリン結合性アプタマーとして用いることができ、本発明の範囲に包含される。付加させる任意の配列は、アプタマーのインスリン結合性を完全に喪失させる等、インスリン結合性に悪影響を及ぼすものでない限り、いかなる塩基配列であってもよく、その鎖長も特に限定されない。ただし、アプタマー全長があまりに長くなると合成の手間とコストがかかる。従って、アプタマー全長のサイズは100mer以下であり、好ましくは66mer以下である。100merのアプタマーの例としては、例えば、配列番号2に示される塩基配列の全長(30mer)の両端に35merの任意の配列を付加させたアプタマーが挙げられ、66merのアプタマーの例としては、例えば、配列番号2に示される塩基配列の全長(30mer)の両端に18merの任意の配列を付加させたアプタマーが挙げられるが、これらに限定されない。なお、アプタマーのサイズの下限は、上記した配列番号1又は2中の7nt〜23ntの領域のみから成る17mer以上であり、特に限定されないが、25mer程度以上のサイズが好ましい。本発明のインスリン結合性アプタマーとしては、配列番号1に示される塩基配列を有する29merのアプタマー及び配列番号2に示される塩基配列を有する30merのアプタマー、並びにこれらのアプタマーの一端又は両端の塩基がごく少数(好ましくは1個又は2個)欠失した塩基配列を有するアプタマーが特に好ましく、中でも、配列番号1に示される塩基配列を有する29merのアプタマー及び配列番号2に示される塩基配列を有する30merのアプタマーが特に好ましい。
本発明のインスリン結合性アプタマーは、下記実施例に記載されるように、上記した混合Gカルテットライブラリーを用いたSELEX法により創製されたものであるが、本発明によりその塩基配列が明らかとなったので、市販の核酸合成機を用いて常法により容易に合成することができる。
本発明のアプタマーは、それ自体周知の方法により、公知のフォールディング条件下でフォールディングさせ、標的物質であるインスリンの検出及び定量に使用することができる。被検試料としては血清や血漿等の体液やその希釈物を用いることができる。本発明のアプタマーを用いた、被検試料中のインスリンの検出又は定量は、アプタマーによる周知の通常の方法により行うことができ、例えば抗体の代わりに、本発明のアプタマーを利用した、免疫測定法(イムノクロマトグラフィーやELISA(Enzyme linked Immunosorbent Assay))で行うことが可能である。それだけでなく、下記実施例に記載されるように、本願発明者が開発した、アプタマーでしかできない測定法である、アプタマー酵素サブユニット(AES)(WO 2005/049826)の測定方法を利用することによっても行うことができる。また、インスリンの検出又は定量は、下記実施例に具体的に記載するアプタマーブロッティングや、表面プラズモン共鳴法(SPR)等の周知の方法によっても行うことができる。
なお、本発明において、「フォールディング条件」とは、1分子から成るアプタマーにおいて、アプタマー分子内の一部の塩基同士が塩基対(すなわち、Hoogsteen配置の塩基対、a-t(a-u)塩基対及び/又はg-c塩基対)を形成することにより、固有の立体構造を形成することができる条件をいい、通常、室温下で、所定の塩濃度を有し、カルシウムキレート剤、さらに所望により界面活性剤を含む水系緩衝液中である。例えば、下記実施例で採用した緩衝液(10 mM Tris-HCl、100 mM KCl、0.05 % Tween20、pH 7.4)や、10mM MOPS及び1mM CaCl2を含む水溶液や、20mM Tris-HCl及び150mM NaClを含む水溶液中で、室温下にてフォールディングを行なうことができる。なお、本明細書において、「フォールディングする」という語は、アプタマー分子の分子内において塩基対を形成させることのみならず、複数のポリヌクレオチド分子の分子間において塩基対を形成させることも包含する意味で用いる。例えば、AES法を利用した本発明のインスリン測定試薬のポリヌクレオチド部分は、後述するとおり、2分子のポリヌクレオチドにより構成され得るが、この場合、上記したフォールディング条件下におくと、2分子のポリヌクレオチドが分子内及び/又は分子間で塩基対を形成することにより、固有の立体構造を形成する。
本発明のインスリン結合性アプタマーを用いれば、AES法を利用したインスリン測定試薬を調製することができる。該試薬中のポリヌクレオチド部分は、上記本発明のインスリン結合性アプタマーを含むインスリン認識アプタマー部位(以下、単に「認識アプタマー部位」ということがある)と、酵素と結合し該酵素の活性を変化させる能力を有する酵素制御アプタマー部位とを含むポリヌクレオチドであって、インスリンがインスリン認識アプタマー部位に結合することにより、酵素制御アプタマー部位が酵素の活性を変化させる能力が変化するポリヌクレオチドから成る(以下、このポリヌクレオチドを「酵素制御ポリヌクレオチド」と呼ぶ)。本発明はまた、かかる酵素制御ポリヌクレオチドをも提供する。
なお、「酵素の活性を変化させる」とは、酵素制御アプタマー部位に結合していない状態の酵素と比較して、酵素の活性を上昇又は低下させることをいう。以下、本明細書において、このような酵素活性を変化させる能力のことを「酵素制御能」といい、酵素制御能を有するアプタマーを「酵素制御アプタマー」という。
酵素制御ポリヌクレオチドは、1分子又は2分子のポリヌクレオチド鎖から成り(以下、1分子からなるものを「1分子性酵素制御ポリヌクレオチド」、2分子からなるものを「2分子性酵素制御ポリヌクレオチド」ということがある)、標的物質たるインスリンが認識アプタマー部位へ結合することにより、酵素制御アプタマー部位が酵素活性を変化させる能力が変化することを特徴とする。酵素制御アプタマー部位が有する酵素活性を変化させる能力の変化は、該部位に結合した酵素の活性の変化を調べることで知ることができる。酵素制御アプタマー部位に結合している酵素は、該部位の作用により、酵素活性が上昇又は低下した状態にあるが、この状態で、認識アプタマー部位にインスリンが結合すると、酵素活性がさらに変化する(すなわち、酵素制御アプタマー部位が有する「酵素活性を変化させる能力」が変化する)。通常は、酵素制御アプタマー部位に結合している酵素の酵素活性は、活性が上昇又は低下した状態から、もとの活性に戻る(すなわち、酵素制御アプタマー部位が有する「酵素活性を変化させる能力」が低下する)。この、酵素活性を変化させる能力の低下の原理は、例えば、図3に示されるように、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により、酵素制御ポリヌクレオチドの立体構造が変化し、酵素制御アプタマー部位から酵素が離脱することによるものと考えられるが、これに限定されない。
具体的には、例えば、酵素制御アプタマー部位が酵素の活性を上昇させる能力を有する場合、インスリンが認識アプタマー部位に結合することにより、通常、酵素活性を上昇させる能力が低下し、酵素制御アプタマー部位に結合している酵素の活性は、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により低下することになる。また、酵素制御アプタマー部位が酵素の活性を低下させる能力を有する場合、インスリンが認識アプタマー部位に結合することにより、通常、酵素活性を低下させる能力が低下し、酵素制御アプタマー部位に結合している酵素の活性は、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により上昇することになる。従って、上記本発明の酵素制御ポリヌクレオチドの酵素制御アプタマー部位に、対応する酵素を結合させて調製した、酵素−ポリヌクレオチド複合体を用いれば、酵素活性の変化を指標として、検体中のインスリンの測定を行なうことができる。すなわち、本発明は、上記した本発明の酵素制御ポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチドの酵素制御アプタマー部位に結合した酵素とを含む、インスリン測定試薬をも提供する。なお、本発明において、「測定」には検出、定量及び半定量が包含される。
酵素制御アプタマー部位は、酵素制御アプタマー分子の立体構造(平面的な二次構造も包含する)に基づいて構成される。採用される酵素制御アプタマー分子は特に限定されず、上記した酵素制御能を有するアプタマーであればいかなるものであってもよい。そのような酵素制御アプタマーとしては、例えば、特許文献1に記載されるようにトロンビン制御アプタマーが公知である。
ここで、「アプタマー分子の立体構造に基づいて構成される」とは、上記酵素制御ポリヌクレオチド中で酵素制御アプタマー部位がとる立体構造が、1分子で構成される酵素制御アプタマー分子がとる立体構造と近似するようにして構成されることをいう。従って、酵素制御アプタマー部位を構成する領域は、上記酵素制御ポリヌクレオチドを構成するポリヌクレオチド鎖中において、必ずしも連続する1つの領域として存在する必要はなく、1分子又は2分子のポリヌクレオチド鎖中に分断して存在するものであってもよい。分断して存在していても、ポリヌクレオチド鎖をフォールディング条件下でハイブリダイズさせ、分子内及び/又は分子間の適当な部位において塩基対を形成させることにより、それらの領域が組み合わされて、もとにしたアプタマー分子の立体構造と近似した立体構造を形成することが可能な限り、酵素制御アプタマー部位の構成態様として許容される。具体的には、例えば下記実施例に記載されるように、酵素制御アプタマーとしてトロンビン制御アプタマー(配列番号11)を利用する場合、配列番号11の塩基配列を1nt〜20ntと21nt〜31ntの2つの領域に分断し、これらの断片を2分子のポリヌクレオチド鎖に分けて含ませた構成(配列番号12及び13)としてもよい。このように構成しても、酵素制御ポリヌクレオチド中で望ましく酵素制御能を発揮できる。
酵素制御アプタマー分子の塩基配列を分断する位置としては、ループ構造内のいずれかの部位が好ましい。ループ構造内で分断すれば、分断後の断片をそれぞれ含む2分子のポリヌクレオチド鎖を調製しても、これらのポリヌクレオチド鎖をフォールディング条件下で塩基対形成させることにより、グアニンカルテット構造やステム部等が望ましく形成され、もとにしたアプタマー分子の立体構造を再現できる(もとにしたアプタマー分子の立体構造と近似した立体構造を形成する)可能性が高く、ひいては酵素制御アプタマー部位がもとのアプタマー分子の有する結合能及び酵素制御能を維持する可能性が高くなる(以下、このような、もとの1分子のアプタマーと近似した立体構造をとり得る、2分子のポリヌクレオチド鎖から成るポリヌクレオチドを「分割アプタマー」と呼ぶことがある)。例えば、上述した通り、実施例ではトロンビン制御アプタマー(配列番号11)を20ntと21ntの間で分断しているが、該トロンビン制御アプタマーのループ構造を形成する領域は11nt〜12nt、15nt〜17nt、及び20nt〜21ntの領域であり、これはループ構造内での分断である。このようにして構築した2分子性の酵素制御ポリヌクレオチドは、後述するとおり、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により、酵素制御アプタマー部位が酵素の活性を変化させる能力を好ましく低下させることができる。なお、アプタマー分子がフォールディング条件下でとる立体構造は、コンピューターを用いた常法により容易に決定することができ、例えば、最近接塩基対法を用いた周知の核酸構造予測プログラムであるm-fold(商品名、Nucleic Acids Res. 31 (13), 3406-15, (2003)、The Bioinformatics Center at Rensselaer and Wadsworth のウェブサイトからダウンロード可能)等を利用して決定することができる。
酵素制御ポリヌクレオチド分子中において、認識アプタマー部位を設ける位置は特に限定されず、酵素制御アプタマー構造の末端部であってもよく、また、酵素制御アプタマー部位のループ構造に付加するようにして設けてもよい。例えば、ループ構造内で分断した分割アプタマーの、一方のポリヌクレオチド鎖の分断部位側末端にインスリン結合性アプタマーを連結させることにより、酵素制御アプタマーのループ構造部にインスリン認識アプタマー部位を設定した、2分子性の酵素制御ポリヌクレオチドを得ることができる。この際、他方の断片の分断部位側末端に、インスリン結合性アプタマー配列中の少なくとも一部の領域と相補的な配列から成る断片を連結させると、インスリン結合性アプタマーと該相補配列断片とがハイブリダイズして塩基対を形成するので、酵素制御アプタマー部位の立体構造を安定させることができ好ましい。該相補配列断片のサイズは、インスリン結合性アプタマーの全長と同一以下の任意のサイズを選択することができ、特に限定されないが、通常3mer以上20mer以下(ないしはインスリン結合性アプタマーの全長の半分以下)程度である。このように、ループ構造内で分断した酵素制御アプタマーを用いて調製した本発明の2分子性の酵素制御ポリヌクレオチドは、後述するとおり、インスリン認識アプタマー部位の構造変化を効率的に酵素制御アプタマーに伝えることができるため、1分子の酵素制御アプタマーの末端に認識アプタマーを連結して調製される1分子性の酵素制御ポリヌクレオチドよりも好ましい。
酵素制御アプタマー部位とインスリン認識アプタマー部位とは、直接連結してもよいが、リンカーを介して連結させてもよい。例えば、酵素制御アプタマーとインスリン結合性アプタマーとをそれぞれの末端部で連結させて1分子性の酵素制御ポリヌクレオチドを調製する場合には、連結部近傍の立体構造を保持する観点から、適当な鎖長のリンカーを介して連結させてもよい。また、ループ部で分断した分割アプタマーを用いて2分子性の酵素制御ポリヌクレオチドを調製する場合にも、インスリン結合性アプタマーをリンカーを介して分断部末端に連結させることができる。リンカーを介する場合、上記相補配列断片には、リンカーと相補的な領域を含ませることが好ましい。なお、相補配列断片の連結もリンカーを介するものであってよい。リンカーは、アデニンのみ又はチミンのみから成ることが好ましい。リンカーの鎖長は、酵素制御アプタマーとインスリン結合性アプタマーとをそれぞれの末端部で連結させる場合には、それぞれのアプタマーが所期の立体構造をとるために十分なだけのスペースを確保できる鎖長であればよく、特に限定されないが、通常は1mer〜20mer程度、好ましくは5mer〜15mer程度である。また、分割アプタマーを用いてループ部分にインスリン認識アプタマー部位を設ける場合には、特に限定されないが、通常1mer〜10mer程度、好ましくは1mer〜5mer程度である。
インスリン認識アプタマー部位は、インスリン結合性アプタマー配列のみから成るものであってもよいが、末端に任意の塩基を少数(1個ないし数個程度)含んでいても差し支えない。例えば、酵素制御ポリヌクレオチドが2分子性である場合、インスリン結合性アプタマーのうち分割アプタマーと連結していないフリーの末端部に、無関係な塩基が1個ないし数個程度付加していても、酵素制御ポリヌクレオチドの機能に支障はない。
酵素制御アプタマー部位のループ構造にインスリン認識アプタマー部位を連結した2分子性のポリヌクレオチドに酵素を結合させた、本発明のインスリン測定試薬の想定される測定スキームを図3に示す。図3中に例示する本発明の試薬は、酵素制御アプタマー部位としてトロンビン制御アプタマー(配列番号11)由来の分割アプタマー、インスリン認識アプタマー部位として配列番号2に示される塩基配列を有するインスリン結合性アプタマーを用いたものである。配列番号11の塩基配列を有するトロンビン制御アプタマーは、特許文献1に記載される通り、トロンビンの活性を低下させる作用を有する。インスリンの非存在下では、インスリン結合性アプタマーが部分相補鎖とハイブリ形成して、トロンビン制御アプタマーは安定した構造をとり、トロンビンと結合してその酵素活性を阻害する。一方で、インスリン存在下ではインスリン結合性アプタマーがインスリンと結合し、リジットな構造を形成することで、連結しているトロンビン制御アプタマーの構造が不安定になり、トロンビン活性阻害能が減少する。即ち、インスリンをトロンビン活性の上昇で検出する系が想定される。
本発明のインスリン測定試薬は、本発明の酵素制御ポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチド中の酵素制御アプタマー部位に結合した酵素とを含むものである。該酵素は、上記した通り、試薬中の認識アプタマー部位へのインスリンの結合により、酵素活性が変化する。具体的には、酵素制御ポリヌクレオチドに採用される酵素制御アプタマーが、酵素の活性を上昇させる作用を有する場合、インスリン測定試薬では、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により、酵素の活性が低下する。これとは逆に、採用される酵素制御アプタマーが酵素の活性を低下させる作用を有する場合、インスリン測定試薬では、認識アプタマー部位へのインスリンの結合により、酵素の活性が上昇する。従って、インスリンを含み得る検体と本発明の試薬を接触させ、試薬の酵素活性の変化を調べることにより、検体中のインスリンを測定することができる。すなわち、本発明は、上記本発明のインスリン測定試薬を、インスリンを含み得る検体と接触させる工程と、上記酵素制御アプタマー部位に結合した上記酵素の酵素活性の変化を測定する工程と、該変化を指標として該検体中のインスリンを測定する工程とを含む、インスリンの測定方法をも提供する。
酵素活性の変化の測定は、例えば、検体と接触させない試薬と、検体と接触させた試薬とを別個に調製し、両者の酵素活性を比較することによって行なうことができる。検体との接触の前後の時点で酵素活性を測定して両者を比較してもよいし、また、検体と接触させる前から接触後までの酵素活性を継続的に測定して変化を測定してもよい。本発明のインスリン測定試薬により、インスリン濃度が既知の試料を用いて酵素活性を調べ、検量線を作成すれば、検体中のインスリンを定量することも可能である。
酵素活性の測定は、採用される酵素の種類に応じて、この分野の技術常識に基づき常法により容易に行うことができる。例えば、酵素としてトロンビンを用いる場合、基質としてN-ベンゾイル-Phe-Val-Arg-p-ニトロアニリドを用い、遊離したp-ニトロアニリンの吸光度(410nm)を測定することによってトロンビンの活性を測定できる。あるいは、フィブリノーゲンを用いて、トロンビンによるフィブリノーゲンの切断によって開始されるフィブリノーゲン溶液の凝固の時間を測定し、凝固時間を指標としてトロンビン活性を測定することができる。溶液の凝固の測定は、周知の常法により行なうことができ、例えば、分光学的方法により屈折率の変化を測定する方法、溶液に金属球を添加して溶液凝固に伴うその運動の停止を観察する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。あるいはまた、酵素活性の変化を電気化学的に測定することにより標的物質の測定を行なう、グルコースセンサー等の測定手段が公知なので、本発明のインスリン測定試薬に採用する酵素制御アプタマー及び酵素を適当に選択することで、そのような電気化学的な測定手段を応用することもできる。
本発明のアプタマー分子及び酵素制御ポリヌクレオチドは、市販の核酸合成機を用いて常法により容易に調製することができる。また、インスリン測定試薬に含まれる、酵素とポリヌクレオチドとの複合体(酵素−ポリヌクレオチド複合体)は、下記実施例に詳述されるように、酵素制御ポリヌクレオチドをフォールディング後、該ポリヌクレオチドの酵素制御部位に結合させるべき酵素と混合し、室温で5分〜30分程度インキュベートすることにより、容易に調製することができる。なお、結合させるべき酵素が、活性を発揮するために補酵素や金属を必要とするものである場合、特に限定されないが、通常、補酵素や金属と結合させて活性化形態にしてから上記酵素制御ポリヌクレオチドと混合する。
インスリン測定試薬は、上記した酵素−ポリヌクレオチド複合体のみからなるものであってもよいし、また、該複合体の安定化等に有用な他の成分を含んでいてもよい。例えば、上記複合体のみを適当な緩衝液中に溶解させた溶液の形態であってもよいし、該溶液中に該複合体の安定化のために有用な成分をさらに含んでいてもよい。あるいは、本発明のインスリン測定試薬は、上記本発明の酵素制御ポリヌクレオチドとこれに結合させるべき酵素とを別個に含んだ試薬のセットの形態で提供することもできる。この場合は使用者が使用時に各試薬を混合してインスリン測定試薬を調製することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 インスリン結合性アプタマーの創製
1.方法
(1) Gカルテットライブラリーの設計
30merのランダムな塩基配列の両端に18merのPCRプライマー結合領域を付加した、6種類の一本鎖DNA(ssDNA)(配列番号5〜10)を常法により合成した。ssDNAがGカルテット型構造をとり得るように、30merのランダムな塩基配列には、特定の4箇所にGを含ませた。すなわち、4箇所のG領域の間は2〜3塩基としてループ部分に2〜3個の塩基が含まれるようにし、各4箇所のGは2〜4個としてGテトラ平面を2〜4つ持つようにした。スクリーニングには、これら6種類のssDNAを混合したGカルテットライブラリーを用いた(図1)。
(2) アプタマーのスクリーニング
(i) インスリンに結合するssDNAの抽出
<1、2ラウンド目>
片面4.6 μg/4 μlのインスリンをPES膜の両面に滴下し、自然乾燥させることにより固定化した後、PBST(6 mM NaH2PO4、14 mM Na2HPO4、150 mM NaCl、0.05 % Tween20、pH7.3)を用いて10分間、3回洗浄した。官能基を不活性化させるため15 ml のTris-HCl 1 mM、pH 8.0中で1時間振とうし、15 mlのTrisT(10 mM Tris-HCl、100 mM KCl、0.05 % Tween20、pH 7.4)で10分間、3回洗浄した。GカルテットランダムライブラリーをTrisバッファー(10 mM Tris-HCl、100 mM KCl、pH 7.4)で5 μMに調製し、95℃で3分間熱処理後、30分かけて温度を25℃まで下げていくことで、フォールディングさせた。終濃度500 nM になるように調製したssDNA溶液とタンパク質を固定化したPES膜を1時間インキュベートした後、TrisTで10分間、3回洗浄した。洗浄後、膜のタンパク質を固定化した部分(直径6 mm程度の円)を切り抜き、222 μlの7M尿素および666 μlのフェノールクロロホルムを添加し、3分間攪拌した後に、30分間室温で静置した。ここへ超純水 111 μlを加え、3分間攪拌し、遠心分離(12000 rpm, 10〜20℃)して得られた上清を新しいエッペンに移した。ここへ上清と同量のクロロホルムを加え、3分間攪拌した後に、遠心分離(12000 rpm, 10〜20℃)し、上清を新しいエッペンに移し、この中に含まれるssDNA分子をエタノール沈殿により回収した後に得られたペレットを30 μlのTE buffer(10 mM Tris、1 mM EDTA)で溶解した。
<3ラウンド目以降>
片面4.6 μg/4 μlのインスリンをPES膜の両面に滴下し、自然乾燥させることにより固定化した後、PBS(6 mM NaH2PO4、14 mM Na2HPO4、150 mM NaCl、pH7.3)を用いて3分間、2回洗浄した。0.5 % スキムミルクを含むPBSTで1時間ブロッキングし、PBSTで3分間、3回洗浄した。官能基を不活性化させるため15 ml のTris-HCl 1mM、 pH 8.0中で1時間振とうし、5 mlのTrisTで5分間、3回洗浄した。GカルテットランダムライブラリーをTrisバッファーで500 nMに調製し、95℃で3分間熱処理後、30分かけて温度を25℃まで下げていくことで、フォールディングさせた。終濃度50 nM になるように調製したssDNA溶液とタンパク質を固定化したPES膜を1時間インキュベートした後、TrisTで5分間、3回洗浄した。洗浄後、膜のタンパク質を固定化した部分(直径6 mm程度の円)を切り抜き、222 μlの7M尿素および666 μlのフェノールクロロホルムを添加し、3分間攪拌した後に、30分間室温で静置した。ここへ超純水111 μlを加え、3分間攪拌し、遠心分離(12000 rpm, 10〜20℃)して得られた上清を新しいエッペンに移した。ここへ上清と同量のクロロホルムを加え、3分間攪拌した後に、遠心分離(12000 rpm, 10〜20℃)し、上清を新しいエッペンに移し、この中に含まれるssDNA分子をエタノール沈殿により回収した後に得られたペレットを30 μlのTEバッファー (10 mM Tris、1 mM EDTA)で溶解した。
(ii) 抽出したssDNAの増幅
20 pmol のdNTP、0.1 nmolのプライマー、2.5 Uの Taq DNAポリメラーゼ、60 fmolのテンプレートDNAを含んだPCR反応液100 μlを30本調製した。プライマーとしては、ライブラリーssDNAの5'側のプライマー結合領域(配列番号5〜10における1nt〜18nt)にハイブリダイズする、該1nt〜18ntの領域と同一の塩基配列からなる18塩基のプライマー、及び3'側のプライマー結合領域(配列番号5〜10における49nt〜66nt)にハイブリダイズする、該49nt〜66ntの領域と相補的な塩基配列からなる18塩基のプライマーを用いた。サーマルサイクラーで、95℃で30分加熱した後、95℃で1分、52℃で1分、72℃で1分を1サイクルとし、30サイクル繰り返した。各PCR産物は、2.5 %アガロース21ゲルを用いてTAEバッファー (40 mM Tris-酢酸、 1 mM EDTA)中で電気泳動を行いテンプレートとなるDNAが増幅されていることを確認した。確認の際は、20 bpラダーを電気泳動用のマーカーとした。
(iii) 増幅したPCR産物からのssDNAの調製
アビジン固定化アガロース75 μlを5倍量のカラムバッファー (30 mM HEPES、500 mM NaCl、5 mM EDTA、pH7.0)で2回洗浄した。PCR産物に、その1/10倍量の×50 TE Bufferおよび1/5倍量の5 M NaClを添加した溶液を、洗浄したアビジン固定化アガロースビーズに加え、30分インキュベートした。インキュベート後、上清を取り除き、ビーズを5倍量のカラムバッファーで2回洗浄した後、ビーズの1.5倍量の0.15 M NaOHを加えて10分間攪拌し、上清を回収した後、再びビーズに同量の0.15 M NaOHを加えて10分間攪拌し、ssDNAを溶出させ上清を回収した。ssDNAを含む上清を2 M HClで中和し、エタノール沈殿によりssDNAを回収した。得られたペレットを30 μlのTEバッファーで溶解し、分光光度計を用いて260 nmの吸収を測定することで、DNA濃度を算出した。なお、操作はすべて室温で行った。
(i)から(iii)までの操作を1ラウンドとし、インスリンに対して7ラウンド行った。得られたライブラリーの塩基配列を解析し、得られたアプタマーの標的タンパク質に対する結合能を評価した。
2.結果
スクリーニングの結果、4ラウンド目から、インスリンが固定化された部分にssDNAの結合を示すスポットが観察され、インスリンに結合するDNAが濃縮されていることがわかった。そこで、6ラウンド目のスクリーニングで得られたライブラリーの塩基配列を解析した結果、18本中16本が同一の塩基配列を有しており、配列の収束が確認された。得られた塩基配列を表1に示す。なお、表1中には、プライマー結合領域を除いたランダム領域に相当する領域の配列のみを示す。
得られたアプタマーのうち、両端のプライマー結合領域を除いた29mer又は30merの塩基配列をもつssDNAを合成し(配列番号1〜3)、その結合能をアプタマーブロッティング、蛍光偏光解消法を用いて確認した。その際、インスリンに結合すると報告のあるILPR2(配列番号4)についても同様に結合能の確認を行なった。アプタマーブロッティングは、以下のとおりに行なった。すなわち、4.6μg/4μL(131pmol)のインスリンをニトロセルロース膜にスポットして固定化した。この膜を、スクリーニングで用いた緩衝液中でビオチン標識したssDNA(終濃度50 nM)と共に25℃で1時間インキュベートした。固定化したインスリンとssDNAとの結合は、HRP標識したアビジンを用いて化学発光により確認した。その結果を図2に示す。また、FITC標識したssDNAの濃度を500 nMとして、インスリン濃度依存的な結合を蛍光偏光解消法により測定した。
ILPR2(配列番号4)、IGA2(配列番号1)、IGA3(配列番号2)を固定化した膜において、インスリンとの結合が確認できた(図2)。IGA2及びIGA3は、公知のILPR2よりも良好な特異的結合性を有していた。また蛍光偏光解消法においては、インスリンの濃度依存的にIGA3の蛍光偏光度が変化することが観察できた。
以上のことから、Gカルテットライブラリーを用いたスクリーニングを行なった結果、インスリンに結合するアプタマーを得ることができた。これまで通常のランダムライブラリーを用いた場合はインスリンに結合するアプタマーは得られておらず、上記した混合Gカルテットライブラリーの有用性が示唆された。
実施例2 インスリン結合性アプタマーを用いたAESの構築
本願発明者らは、これまでに、トロンビン阻害DNAアプタマーにタ−ゲット結合するDNAアプタマーを挿入し、トロンビンの酵素活性を指標に標的分子を検出するセンサー素子Aptameric Enzyme Subunit(AES)を開発している(特許文献1)。そこで上記実施例1で得られたアプタマーを用いてAESを構築し、インスリンの測定を試みた。
1.AESの構築
トロンビンに結合しその活性を阻害する能力を有するトロンビン制御アプタマー(配列番号11)の3'側のTTループ部位(配列番号11中の20nt-21nt間)でアプタマーを2つに分割した。分割部位の一方にはリンカー(tt)を介してインスリンアプタマーIGA3を付加した(3'トロンビン-IGA3アプタマー)。もう一方の分割部位には、IGA3の3'末端側の一部領域との相補的塩基配列をリンカー(ta)を介して付加した(5'トロンビン-IGA3アプタマー)。相補的塩基配列の鎖長としては、10mer、11mer、12merの3通りを検討した。これら2つのポリヌクレオチドから成るインスリン測定用AESの測定スキームを図3に示す。3'トロンビン-IGA3アプタマーと5'トロンビン-IGA3アプタマーがハイブリダイズしている状態では、分割されたトロンビン制御アプタマーがGカルテット構造を形成し、このトロンビン制御アプタマー部位に結合するトロンビンの活性が阻害される。しかし、インスリン存在下では、インスリンがIGA3部位に結合してIGA3が高次構造を形成し、3'トロンビン-IGA3アプタマーと5'トロンビン-IGA3アプタマーが解離する。これにより、トロンビン制御アプタマー部位のGカルテット構造が崩壊し、ここに結合していたトロンビンが解離するため、阻害されていたトロンビン活性が回復する。すなわち、このAESによる測定系は、インスリンの存在によりトロンビン制御アプタマーのトロンビン阻害能が減少し、トロンビン活性が上昇する系である。
2.構築したAESを用いたインスリンの測定
トロンビンの酵素活性は、フィブリノーゲン溶液が固まる時間を指標として測定した。フィブリノーゲンは測定バッファー(50 mM Tris-HCl, 5 mM KCl, 100 mM NaCl, 5 mM MgCl2 pH 8.0)を用い2 mg / mlになるように調整した。上記3'トロンビン-IGA3アプタマー及び5'トロンビン-IGA3アプタマー(終濃度各500 nM)は、フォールディングバッファー(50 mM Tris-HCl, 5 mM KCl, 5 mM MgCl2 pH 8.0)を用い、95℃に加熱させた後、30分かけてゆっくり25℃まで冷却することでフォールディングさせた。トロンビン(10μl、終濃度54 nM)、アプタマー(50μl、終濃度各500 nM)、測定バッファーに溶解したインスリン(40μl)混合溶液とフィブリノーゲン溶液100μlを別々に、37℃で5分間インキュベートした後に、フィブリノーゲン溶液に以下のいずれかを加え、37℃において溶液が固まる時間を測定した。
(1) トロンビンのみ
(2) トロンビン+5'トロンビン-IGA3アプタマー
(3) トロンビン+3'トロンビン-IGA3アプタマー
(4) トロンビン+5'トロンビン-IGA3アプタマー+3'トロンビン-IGA3アプタマー
(5) トロンビン+5'トロンビン-IGA3アプタマー+3'トロンビン-IGA3アプタマー+インスリン
(6) トロンビン+31merトロンビンアプタマー(配列番号11)
(7) トロンビン+31merトロンビンアプタマー(配列番号11)+インスリン
3.結果
相補的塩基配列の鎖長が11merであるAESによる結果を図4に示す。3'トロンビン-IGA3アプタマー(配列番号12)又は5'トロンビン-IGA3アプタマー(配列番号13)単独ではトロンビンの活性が阻害されないのに対し(図4中の(2)、(3))、5'トロンビン-IGA3アプタマーと3'トロンビン-IGA3アプタマーの両者を加えると凝固時間が顕著に遅延し、トロンビン活性の阻害が確認された(図4中(4))。系内にさらにインスリンが加わると、インスリン非存在下よりも凝固時間が短くなり(図4中(5))、5'トロンビン-IGA3アプタマー及び3'トロンビン-IGA3アプタマーの混合アプタマーによるトロンビン活性阻害能の低下が認められた。なお、相補的塩基配列の鎖長が10mer又は12merであるAESにおいても、11merの場合と同様に、インスリン存在下でトロンビン活性阻害能の低下が認められた。
実施例で作製したGカルテットライブラリーの塩基配列を表す図である。 アプタマーブロッティングによる結合アッセイの結果を示す図である。 実施例で作製したインスリン測定AESの測定スキームを示す図である。 実施例で作製したインスリン測定AES(相補的塩基配列11mer)を用いて、インスリン存在下における該AESのトロンビン活性を調べた結果を示す図である。

Claims (13)

  1. 配列表の配列番号1又は2に示される塩基配列中の少なくとも7nt〜23ntの領域を含み、サイズが100mer以下であるポリヌクレオチドから成る、インスリン結合性アプタマー。
  2. 配列表の配列番号1に示される塩基配列中の少なくとも3nt〜27ntの領域又は配列番号2に示される塩基配列中の少なくとも3nt〜28ntの領域を含む請求項1記載のインスリン結合性アプタマー。
  3. 配列表の配列番号1に示される塩基配列中の少なくとも2nt〜28ntの領域又は配列番号2に示される塩基配列中の少なくとも2nt〜29ntの領域を含む請求項2記載のインスリン結合性アプタマー。
  4. 配列表の配列番号1又は2に示される塩基配列を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインスリン結合性アプタマー。
  5. 前記サイズが66mer以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインスリン結合性アプタマー。
  6. 配列表の配列番号1又は2に示される塩基配列を有する請求項5記載のインスリン結合性アプタマー。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインスリン結合性アプタマーを含むインスリン認識アプタマー部位と、酵素と結合し該酵素の活性を変化させる能力を有する酵素制御アプタマー部位とを含むポリヌクレオチドであって、インスリンが前記インスリン認識アプタマー部位に結合することにより、前記酵素制御アプタマー部位が前記酵素の活性を変化させる能力が変化するポリヌクレオチド。
  8. 1分子から成る酵素制御アプタマーのループ構造内のいずれかの部位で分断して得られる断片をそれぞれ含む2分子のポリヌクレオチド鎖から成り、一方のポリヌクレオチド鎖の分断側末端には前記インスリン結合性アプタマーがリンカーを介して又は介さずに連結され、他方のポリヌクレオチド鎖の分断側末端には該インスリン結合性アプタマー中の少なくとも一部と相補的な領域がリンカーを介して又は介さずに連結され、2分子のポリヌクレオチド鎖の分子内及び/又は分子間の塩基対形成により前記酵素制御アプタマー部位の立体構造が形成される請求項7記載のポリヌクレオチド。
  9. 前記酵素がトロンビンである請求項7又は8記載のポリヌクレオチド。
  10. 前記酵素制御アプタマー部位は、配列表の配列番号11に示される塩基配列中の11nt〜12ntの領域、15nt〜17ntの領域、又は20nt〜21ntの領域で形成されるループ構造内のいずれかの部位で該塩基配列を分断して得られる2つの断片を含んで成る請求項9記載のポリヌクレオチド。
  11. 配列表の配列番号12に示される塩基配列から成るポリヌクレオチド鎖と、配列番号13に示される塩基配列から成るポリヌクレオチド鎖とから成る請求項10記載のポリヌクレオチド。
  12. 請求項7ないし11のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチドの前記酵素制御アプタマー部位に結合した酵素とを含む、インスリン測定試薬。
  13. 請求項12記載のインスリン測定試薬を、インスリンを含み得る検体と接触させる工程と、前記酵素制御アプタマー部位に結合した前記酵素の酵素活性の変化を測定する工程と、該変化を指標として該検体中のインスリンを測定する工程とを含む、インスリンの測定方法。
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