JP5142290B2 - 試料中の被検物質の測定方法並びにアプタマー分子及びその作出方法 - Google Patents

試料中の被検物質の測定方法並びにアプタマー分子及びその作出方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料中の被検物質の測定方法並びにアプタマー分子及びその作出方法に関する。
試料中のタンパク質等の被検物質の測定は、現在、主として免疫測定法により行なわれている。免疫測定法としては様々な方法が知られており、実用化されているが、いずれの方法においても、被検物質に対する特異抗体が用いられる。被検物質に対する特異抗体の作出は常法により行なうことができるが、手間がかかり、このため特異抗体は高価である。
一方、任意の分子と特異的に結合する核酸分子であるアプタマーが知られている。所望の標的分子と特異的に結合するアプタマーは、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)と呼ばれる方法により作出可能である(非特許文献1)。この方法では、標的分子を担体に固定化し、これに膨大な種類のランダムな塩基配列を有する核酸から成る核酸ライブラリを添加し、標的分子に結合する核酸を回収し、これをPCRにより増幅して再び標的分子を固定化した担体に添加する。この工程を10回程度繰り返すことにより、標的分子に対して結合力の高いアプタマーを濃縮し、その塩基配列を決定して、標的分子を認識するアプタマーを取得する。なお、上記核酸ライブラリーは、核酸の自動化学合成装置により、ランダムにヌクレオチドを結合していくことにより容易に調製可能である。このように、ランダムな塩基配列を有する核酸ライブラリーを用いた、偶然を積極的に利用する方法により、任意の標的物質と特異的に結合するアプタマーを作出できる。また、アプタマーは、通常、一本鎖領域を有しており、標的物質と結合していない状態ではこの一本鎖領域に相補的なオリゴヌクレオチドが該一本鎖領域にハイブリダイズすることができ、標的物質に結合している状態では、ハイブリダイズすることができないアプタマーを、SELEXに修飾を加えた方法により作出することも知られている(非特許文献2)。
特開2003-294679号公報 特開2003-294680号公報 特開2003-294681号公報 Tuerk, C. and Gold L. (1990), Science, 249, 505-510 Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 1061-1065 Kazunori Ikebukuro et al., Nucleic Acids Research, 33(12), e108
本発明の目的は、被検物質に対する抗体を用いることなく、試料中の被検物質を特異的に測定することができる被検物質の測定方法を提供することである。
また、本発明の目的は、アプタマーを用いた標的物質の測定に有用な、新たな性質を有する新規アプタマー分子及びその作出方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、被検物質と結合している状態ではオリゴヌクレオチドとハイブリダイズできるが、被検物質と結合していない状態では、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすることができないアプタマーを利用し、該アプタマーを試料と接触させ、被検物質と結合したアプタマーを、該アプタマーとハイブリダイズする固定化したオリゴヌクレオチドと接触させて固相に結合し、固相に結合したアプタマーを測定することにより試料中の被検物質を測定できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、被検物質と結合する性質を有し、被検物質と結合している状態では固相に固定化された固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、被検物質と結合していない状態では前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができないアプタマーと、試料中の被検物質と、前記オリゴヌクレオチドを固定化した前記固相とを同時又は逐次的に接触させ、洗浄後、固相に結合されたアプタマーを測定することを含む、試料中の被検物質の測定方法を提供する。また、本発明は、担体上に前記オリゴヌクレオチドを固定化して成る、上記本発明の方法を行なうための固相を提供する。
また、本願発明者らは、鋭意研究の結果、標的物質と結合することができ、該標的物質と結合した状態でオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができるアプタマー分子に、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするハイブリダイズ領域を付加又は挿入し、かつ、このハイブリダイズ領域として、その少なくとも一部分がアプタマーの他の領域と相補的な塩基配列を有するように設定することにより、標的物質の非存在下では、前記ハイブリダイズ領域が分子内ハイブリダイゼーションに供されて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできなくなり、一方、標的物質の存在下では、標的物質との相互作用によって前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能になるアプタマー分子を作出可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、1本の核酸から成り、標的物質と結合することができ、該標的物質と結合した状態でオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができるアプタマー分子であって、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部分が、アプタマー分子内の他の領域と相補的な塩基配列を有し、前記標的物質の非存在下では、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域の前記少なくとも一部分が、これと相補的な前記他の領域と分子内ハイブリダイズし、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが起きず、前記標的物質の存在下では、前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域が露出し、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能である、構造スイッチング性を有するアプタマー分子を提供する。また、本発明は、1本の核酸から成り、標的物質と結合することができるアプタマー分子に、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域を付加又は挿入した改変アプタマー分子を調製する工程と、得られた改変アプタマー分子が、前記標的物質との結合能を維持しており、かつ、前記標的物質と結合した状態で前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができ、前期標的物質の非存在下では上記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできないアプタマー分子をスクリーニングする工程とを含むアプタマー分子の作出方法であって、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部分が、アプタマー分子内の他の領域と相補的な塩基配列を有し、前記標的物質の非存在下では、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域の前記少なくとも一部分が、これと相補的な前記他の領域と分子内ハイブリダイズし、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが起きず、前記標的物質の存在下では、前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域が露出し、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能である、構造スイッチング性を有するアプタマー分子の作出方法を提供する。
本発明により、被検物質に対する抗体を用いることなく被検物質を特異的に測定することができる新規な測定方法及びそのための固相が提供された。アプタマーは、自動化学合成装置を用いて作製できるので、特異抗体に比べてはるかに容易かつ安価に調製することができる。このため、本発明により、種々の被検物質の特異的な測定を従来よりも安価に行なうことが可能となる。従って、本発明は各種疾患の診断、飲食品の品質検査、環境中の有害物質による汚染度の測定等、様々な分野において大いに貢献するものと考えられる。
また、本発明により、標的物質の存在下では所定の固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができ、標的物質の非存在下では該固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができない構造スイッチング性を有するアプタマー分子及びその作出方法が初めて提供された。このような構造スイッチング性を有するアプタマー分子を利用すれば、高価な抗体を用いることなく、周知の種々の免疫測定方法と同様な方法で標的物質を測定することが可能になる。
本発明の方法により測定される被検物質は、それと特異的に結合するアプタマーが作製可能なものであれば何ら限定されるものではなく、種々のタンパク質(糖タンパク質やリポタンパク質等のタンパク複合体を包含する)、糖類(多糖類、少糖類及び単糖類並びに糖脂質のような糖複合体を包含する)、脂質、核酸、低分子化合物等を例示することができる。上記の通り、アプタマーは、SELEXのような、偶然を積極的に利用する方法により作出されるので、ほとんど全ての標的分子に対して、これと特異的に結合するアプタマーを作出することが可能である。下記実施例では、α−ヘリックス型のプリオン(正常型プリオン、α-PrP)を被検物質としているが、上記の通り被検物質はこれに限定されるものではなく、好ましい具体例として、疾病のマーカー分子となる、インシュリン、グルカゴンや、肝臓ガンマーカーとなるαフェトプロテイン、消化器ガンマーカーであるCEA、前立腺ガンマーカーのPSA、卵巣ガンマーカーのCA125、膵臓ガンマーカーのCA19-9、各種感染症のマーカーとなるHIVウイルス抗体、C型肝炎ウイルス抗体、A型肝炎ウイルス抗体、B型肝炎ウイルス抗体等を挙げることができる。なお、本発明において、「測定」には、定量、半定量及び検出が包含される。
本発明の方法に用いるアプタマーは、被検物質と結合する性質を有し、被検物質と結合している状態では固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、被検物質と結合してない状態では固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができないアプタマーである。なお、本発明の方法に用いるアプタマーとしては、後述する本発明のアプタマー分子が好ましいが、上記要件を満たすアプタマーであれば、後述する本発明のアプタマー以外のアプタマーであっても本発明の方法に用いることができる。本発明の方法に用いるアプタマーのサイズは特に限定されないが、通常、30merないし100mer程度、好ましくは50merないし70mer程度である(merはヌクレオチド数を示す)。また、アプタマーは、DNAでもRNAでもよく、他の人工核酸でもよいが、化学的に安定で自動化学合成も容易なDNAが好ましい。
前記アプタマーは、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態でループ状の一本鎖領域を有することが好ましく、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成していることが好ましい。アプタマーは、多くの場合、このようないわゆる「ステム・ループ構造」を含むことが知られており、主として一本鎖のループ構造部分で被検物質と特異的に結合することも知られている。該一本鎖領域のサイズは特に限定されないが、通常、8merから25mer程度である。また、該一本鎖領域の両端に隣接し、互いに二本鎖領域を形成する領域のサイズは、特に限定されないが、2bpから10bpであることが好ましい。なお、アプタマーの二次構造は、コンピューターを用いた常法により、容易に決定することができる。なお、(アプタマーの二次構造の解析ソフトとしては、例えば、周知のMfold を利用することができ、このソフトは、Mfold web server. (URL: http://www.bioinfo.rpi.edu/applications/mfold/dna/)で無料で使用できる。
本発明に用いるアプタマーは、後述する固相に結合したアプタマーを容易に測定できるように、標識されたものであることが好ましい。標識としては、免疫測定に常用されている周知の標識を採用することができ、例えば、酵素標識、蛍光標識、化学発光標識、放射標識、金コロイド標識等を採用することができる。これらの標識は、アプタマーを作製後、常法によりアプタマーに結合してもよいし、後述するSELEXによるアプタマーの調製過程において行なわれるPCRのプライマーとして、末端(増幅されるポリヌクレオチドの末端になる側の末端)に標識が結合されたプライマーを用いることによっても標識化されたアプタマーを得ることができる。標識によってアプタマーと被検物質との特異的な結合が妨害されないように、標識はアプタマーの一末端若しくはその近傍に結合することが好ましい。なお、アプタマーを標識することにより、固相に結合したアプタマーを測定することが容易になるので好ましいが、下記実施例に記載するように、表面プラズモン共鳴(SPR)法によれば、アプタマーを標識しなくても固相に結合したアプタマーを測定することができるので、標識は必須的ではない。
上記アプタマーにハイブリダイズする、固定化オリゴヌクレオチドは、測定条件下(後述)において、該アプタマーとハイブリダイズすることによりアプタマーを固相に結合できるオリゴヌクレオチドであれば特に限定されないが、アプタマー中の少なくとも連続する一部分に相補的であり、そのサイズが4merから25mer、さらに好ましくは8merから25merである領域を含むものであることが好ましい。アプタマーが、被検物質と結合している状態では固相に固定化された固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、被検物質と結合していない状態では前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができない性質(以下、本発明において、「構造スイッチング性」ということがある)を有することを達成するために、アプタマーの塩基配列と固定化オリゴヌクレオチドの塩基配列の組合せを適切に設定することができる。これについては後で詳しく述べる。
上記オリゴヌクレオチドは、固相に固定化して用いられる。すなわち、オリゴヌクレオチドは、固体の担体に結合された状態で用いられる。オリゴヌクレオチドを固相に固定化する方法自体は周知である。例えば、オリゴヌクレオチドの一端にビオチンを共有結合させ、一方、担体にアビジンを固定化しておき、アビジン−ビオチン結合を介してオリゴヌクレオチドを担体に結合することができるがこの方法に限定されるものではなく、グルタルアルデヒド架橋法等により直接担体に共有結合してもよい。さらに、DNAをよく吸着するナイロンやニトロセルロース等から成る膜等に物理吸着させることもできる。また、オリゴヌクレオチドは、直接担体に結合することも可能であるし、ビオチンのような低分子化合物を介して担体に結合することも可能である。さらには、オリゴヌクレオチドは、スペーサーを介して担体に結合することも可能である。例えば、固定化すべきオリゴヌクレオチドを一端に含む、より長いオリゴヌクレオチドを調製し、固定化すべきオリゴヌクレオチドと反対側の端部を上記したビオチン−アビジン結合等により担体に結合することもできる。この場合、担体に固定化した核酸のうち、上記固定化すべきオリゴヌクレオチド以外のポリヌクレオチド部分は、単なるスペーサーとして機能するので、その塩基配列やサイズは何ら限定されるものではない。なお、固相として用いられる担体は、核酸の固定化に常用されているものをそのまま用いることができる。例えば、アビジンを合成樹脂やアガロース等の高分子から成るビーズに固定化したアビジンビーズは市販されているので、市販品をそのまま利用することができる。あるいは、ガラス、シリコン、合成樹脂製等の、市販されているDNAチップ用の基板を用いることもできる。このような担体は、ビーズ状やプレート状のものの他に、クロマトグラフィーに用いられるようなカラム状のものやフィルター状のものを採用することもできる。あるいは、測定をSPRにより行う場合には、固相としてSPR用のセンサーチップを用いることができる。この場合も、上記と同様、アビジン又はストレプトアビジン等が固定化されたセンサーチップが市販されているので、オリゴヌクレオチドの一端にビオチンを結合し、アビジン−ビオチン結合により、オリゴヌクレオチドをセンサーチップに固定化することができる。
本発明に用いるアプタマーは、被検物質と結合している状態では前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、被検物質と結合していない状態では前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできないものである。すなわち、被検物質と結合している状態と、結合していない状態とで上記アプタマーの二次構造及び/又は三次構造が変化し、その結果、被検物質と結合している状態では前記アプタマーとオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするが、被検物質と結合していない状態ではアプタマーとオリゴヌクレオチドがハイブリダイズすることができなくなるものである。
任意の被検物質に結合することができる、このような構造スイッチングアプタマーは、先ず、上記SELEX法又は後述するその変法により、被検物質と結合するアプタマーを作出し、次いで、得られたアプタマーのうち、構造スイッチング性を有するものをスクリーニングすることにより作出することができる。あるいは、上記SELEX法又は後述するその変法により、被検物質と結合するアプタマーを作出し、次いで、得られたアプタマーを、上記構造スイッチング性が発揮されるように意図的に改変し、改変したアプタマーが構造スイッチング性を有することをチェックすることにより作出することができる。後者の方法の方が、所望の構造スイッチング性を有するアプタマーを効率的に得ることができ、用いる被検物質の量も少なくて済む(被検物質は、しばしば貴重な生体物質であり、アプタマーの作出に必要な被検物質の量が少ないことは有利な特徴である)ので好ましい。アプタマーの意図的な改変方法は後で詳述する。
いずれの場合も、先ず、SELEX法又は後述するその変法により、被検物質と結合するアプタマーを作出する。アプタマーのサイズは、通常、30mer〜100mer程度であるので、この程度のサイズのランダムな塩基配列を有する核酸のライブラリーを核酸自動合成機により合成する。この場合、核酸の全長をランダムな塩基配列としてもよいが、SELEXを実施する際のPCRを簡便にするために、核酸の両端部分は既知の塩基配列としてもよい。この場合には、この既知配列の部分にPCRのプライマーをそれぞれハイブリダイズさせることができる。核酸の両端部分に位置する、プライマーがハイブリダイズする領域のサイズは、特に限定されないが、通常、10merから25mer程度である。下記実施例では、配列番号1の核酸ライブラリーを自動合成した。配列番号1中の「N」が任意の塩基であるので、膨大な数の種類の塩基配列を有する核酸のライブラリーが形成される。なお、プライマーがハイブリダイズする領域は、設けておけば、後述するPCRの前にアプタマーの塩基配列を決定する必要がなくなるのでアプタマーの作製過程が単純化されるが、アプタマーの配列の自由度がその分小さくなるので、設けなくてもよい。
次に、被検物質を固相に固定化したものを準備し、上記の通り作製した核酸ライブラリーを、固定化被検物質と反応させる。被検物質の固定化は、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、ろ紙、ポリスチレン製のマイクロタイタープレートのウェル等の固相に、単に被検物質を物理吸着させたものでもよいし、被検物質がタンパク質の場合には、被検物質のカルボキシル基やアミノ基等を利用して、担体に共有結合させたものでもよい。前者が簡便である。核酸ライブラリーと被検物質との反応の条件は、実際の被検物質の測定時と同じ条件を採用することが好ましいので、室温下で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。被検物質を作用させると、被検物質と結合するアプタマーは、固定化被検物質と結合して固相に固定化される。一方、被検物質と結合しない核酸は、固相に結合されないので、洗浄により除去される。
洗浄により、固相に結合されなかった核酸を除去した後、固定化被検物質と結合したアプタマーを溶離する。溶離は、例えば、固相を6M〜8M程度の高濃度の尿素で処理することにより行なうことができる。溶離した核酸は、常法であるフェノール抽出やフェノール・クロロホルム抽出とエタノール沈殿等により回収することができる。回収されたアプタマーは、いずれも固定化被検物質と結合したものである。
次に、回収されたアプタマーを鋳型として、PCRを行い、アプタマーを増幅する。自動合成した核酸が、両端部分に上記したプライマー結合領域を有するものである場合には、それらのプライマーを用いてPCRを行なう。このようなプライマー結合領域を設けていない場合には、回収したアプタマーの塩基配列を決定し、それらの両端部分に相補的な一対のPCRプライマーをそれぞれ合成し、それらを用いてPCRを行なう。非対称PCR(PCRに用いる一対のプライマーのうちの一方を過剰量用いる)を行なうことにより主として一本鎖の核酸を増幅することができる。あるいは、PCRに用いる一方のプライマーとして、ビオチン標識したプライマーを用い、増幅された二本鎖核酸をアビジンビーズに結合させ、この状態でNaOH等により核酸を変性させ、ビーズから分離した核酸を回収することにより、増幅された二本鎖核酸から一本鎖核酸(ビオチン標識されていない方の鎖)を回収することができる。これにより、固定化被検物質と結合するアプタマーのみが増幅され、しかも、固定化被検物質とよく結合するアプタマーは、PCRの際に鋳型となる分子が多数含まれるため、増幅核酸ライブラリーの中に占める割合も多くなる。
次に、増幅されたアプタマーのライブラリーを上記した核酸ライブラリーとして用いて、上記一連の工程、すなわち、固定化被検物質との反応、洗浄、アプタマーの溶離と回収、PCRによる増幅、の工程から成るサイクルを数回から十数回程度繰り返す。これにより、被検物質とよく結合するアプタマーが濃縮され、被検物質と高い結合能を有するアプタマーを得ることができる。
本願発明者らは、先に、コンピューター内でアプタマーを進化させる、SELEXの改良法を発明している(非特許文献3)。上記した非特許文献2に記載の方法に、非特許文献3記載のコンピューター内進化を適用することにより、所望のアプタマーの作出を効率化することが可能である。この方法は、後述する本発明のアプタマーの作出方法において詳述する。
また、本願発明者らは、通常のSELEXにおいて、被検物質との結合能がより高いアプタマーを効率的に得ることができるSELEXの改良法を発明し、特許出願している(特開2007-14292)。このSELEX改良法により、所望の被検物質と高い特異性を持って結合するアプタマーを効率的に作出することができる。この方法については、本発明のアプタマー分子の作出方法において説明する。
次に、このようにして得られたアプタマーについて、構造スイッチング性を有するか否かをチェックする。被検物質との結合性のランキングが1位であったアプタマーについてチェックし、構造スイッチング性を有さない場合にはランキング2位(すなわち、増幅後の核酸ライブラリー中の割合が第2位のもの)、ランキング2位のものが構造スイッチング性を有さない場合には第3位のものをチェックしていき、構造スイッチング性を有するものを見つけ出す。
もっとも、この方法は、効率が必ずしも高くはなく、手間が掛かり、必要な被検物質の量も多くなる可能性が少なくない。そこで、本願発明者らは、構造スイッチング性が得られるように意図的にアプタマーを改変する方法を考え出した。この方法については、後述の本発明のアプタマー分子の作出方法において説明する。
上記した固定化オリゴヌクレオチド及びアプタマーを用いて、本発明の方法は次のようにして実施することができる。まず、試料中の被検物質と上記アプタマーとを接触させる。これは、試料とアプタマーの溶液とを混合し、インキュベートすることにより行なうことができる。被検物質を定量する場合には、試料中の想定される被検物質量に対して過剰量のアプタマーを反応させ、全被検物質を標識アプタマーに結合させることが好ましい。インキュベーションの条件は特に限定されないが、室温下で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。
次に、試料とアプタマーとの混合溶液を、上記した固定化オリゴヌクレオチドと接触させる。これは、上記したオリゴヌクレオチドを固定化した担体と、試料とアプタマーとの混合溶液とを混合してインキュベートすることにより行なうことができる。あるいは、オリゴヌクレオチドを固定化している担体がカラム状やフィルター状のものである場合には、単にカラムやフィルターを通過させるだけでもよい。被検物質を定量する場合には、固定化オリゴヌクレオチドの量は、測定に供される試料中の被検物質の想定される量よりも過剰量(すなわち、測定に供される試料中の被検物質の全量が、アプタマーを介して固定化オリゴヌクレオチドに結合できる量)であることが好ましい。インキュベーションの条件は、アプタマーの作出時のSELEX変法において採用したのと同様、室温下で行なうことが簡便で好ましく、また、反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。このインキュベーション後、固相を洗浄し、固相に結合しなかったアプタマーを除去する。なお、SPRにより測定する場合には、SPRはリアルタイムで結合を測定することができるので、上記のインキュベーションは不要である。
試料中に被検物質が含まれる場合、被検物質はアプタマーと結合する。被検物質と結合したアプタマーは、上記の通り、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、固相に結合される。一方、被検物質と結合しなかったアプタマーは、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができないので、洗浄により除去される。
次の工程において、固相に結合したアプタマーを測定する。上記の通り、固相に結合したアプタマーは、被検物質と結合したアプタマーであるから、固相に結合したアプタマーを測定することにより、試料中の被検物質を測定することができる。
固相に結合したアプタマーの測定は、例えば、下記実施例に記載したようにSPRにより行なうことができる。この場合、SPR用のセンサーチップにオリゴヌクレオチドを固定化したものを上記固相として用いて上記方法を行なうことができる。あるいは、上記の通り、標識したアプタマーを用い、固相に結合された標識を測定することによっても固相に結合したアプタマーを測定することができる。標識としては、上記の通り、免疫測定において常用されているいずれの標識をも用いることができ、それらの測定も各標識について周知の常法により行うことができる。例えば、標識が蛍光標識である場合には、固相に結合した標識の蛍光強度を測定する。標識が化学発光標識や放射標識の場合には、固相に結合した標識の発光強度や放射能の強度を測定する。標識が酵素である場合には、酵素反応に必要な基質を加え、その酵素反応により生じた生成物を測定する。電気化学反応を触媒する酵素の場合には、酵素の基質を添加した溶液に作用電極、対向電極及び参照電極を浸漬し、作用電極と対向電極間に生じる起電力を測定する。これは通常の酵素電極を用いた酵素反応の測定と同じであり、常法により容易に行なうことができる。酵素反応生成物が着色物質である場合には、反応溶液の吸光度を測定することにより生成物を測定することができる。また、固相に結合した標識を測定する際、遊離の状態で標識を測定したい場合には、NaOH処理等により二本鎖DNAを変性させること等により、アプタマーを固相から離脱させてから標識を測定してもよい。
なお、上記した方法では、試料と標識アプタマーとを先ず混合し、この混合溶液を固定化オリゴヌクレオチドと反応させたが、必ずしも試料と標識アプタマーを先に混合する必要はなく、試料、標識アプタマー及び固定化オリゴヌクレオチドの三者を同時に反応させてもよいし、先に試料と固定化オリゴヌクレオチドを反応させ、次にアプタマーを反応させることも可能である。
試料中の被検物質の定量を行なう場合には、検量線を作製しておき、測定されたSPRのシグナル又は標識に由来するシグナルを測定し、それを検量線に当てはめることにより試料中の被検物質の定量を行なうことができる。すなわち、異なる種々の既知濃度の被検物質を含む複数の標準試料を準備し、これらについて上記方法を行い、SPRのシグナル又は固相に結合された標識に起因するシグナルを測定する。標準試料中の被検物質の濃度を横軸、測定されたシグナルを縦軸にとって検量線を作成する。未知の試料について、検量線作成時と同じ条件で測定を行い、測定結果を上記検量線に当てはめることにより未知の試料中の被検物質を定量することができる。
また、上記の通り、本発明は、構造スイッチング性を有する新規なアプタマー分子及びその作出方法を提供する。この構造スイッチング性を有する新規なアプタマー分子は、上記した本発明の方法に用いることができるが、上記本発明の方法に利用可能なアプタマーは、このアプタマーに限定されるものではない。以下、上記の説明とかなり重複するが、構造スイッチング性を有する本発明の新規なアプタマー分子及びその作出方法について説明する。
本発明のアプタマー分子が結合する標的物質は、それと特異的に結合する(すなわち、標的物質とは結合するが、標的物質とは構造がある程度異なる他の物質とは結合しない)アプタマーが作製可能なものであれば何ら限定されるものではなく、上記した本発明の方法の被検物質と同様である。
本発明のアプタマー分子は、標的物質と結合する性質を有し、標的物質と結合している状態ではオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、標的物質と結合してない状態では固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができない、一本の核酸から成るアプタマー分子である。本発明に用いるアプタマー分子のサイズは特に限定されないが、通常、30merないし100mer程度、好ましくは50merないし70mer程度である(merはヌクレオチド数を示す)。また、アプタマー分子は、DNAでもRNAでもよく、他の人工核酸でもよいが、化学的に安定で自動化学合成も容易なDNAが好ましい。また、「一本の核酸から成る」とは、分子内ハイブリダイゼーションの有無にかかわらず一本の核酸から成るという意味であり、分子内の領域同士がハイブリダイズして部分的に二本鎖になっているアプタマーも「一本の核酸から成る」アプタマーに該当する。また、標的物質との結合やオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションは、室温下、水又はPBS(界面活性剤を含んでいてもよい)のような水系緩衝液中で起きることが好ましい。
前記アプタマーは、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態でループ状の一本鎖領域を有することが好ましく、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成していることが好ましい。アプタマーは、多くの場合、このようないわゆる「ステム・ループ構造」を含むことが知られており、主として一本鎖のループ構造部分で標的物質と特異的に結合することも知られている。該一本鎖領域のサイズは特に限定されないが、通常、8merから25mer程度である。また、該一本鎖領域の両端に隣接し、互いに二本鎖領域を形成する領域のサイズは、特に限定されないが、2bpから10bpであることが好ましい。なお、アプタマーの二次構造は、コンピューターを用いた常法により、容易に決定することができる。なお、(アプタマーの二次構造の解析ソフトとしては、例えば、周知のMfold を利用することができ、このソフトは、Mfold web server. (URL: http://www.bioinfo.rpi.edu/applications/mfold/dna/)で無料で使用できる。
上記アプタマーにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドは、アプタマーを標的物質の測定に供した場合の測定条件下(上述)において、該アプタマーとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであれば特に限定されないが、アプタマー中の少なくとも連続する一部分に相補的であり、そのサイズが4merから25mer、さらに好ましくは8merから25merである領域を含むものであることが好ましい。アプタマーが、構造スイッチング性を有することを達成するために、アプタマーの塩基配列と前記オリゴヌクレオチドの塩基配列の組合せを適切に設定することができる。これについては後で詳しく述べる。
本発明のアプタマー分子は、標的物質と結合している状態では前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、標的物質と結合していない状態では前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできないものである。すなわち、標的物質と結合している状態と、結合していない状態とで上記アプタマーの二次構造及び/又は三次構造が変化し、その結果、標的物質と結合している状態では前記アプタマーとオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするが、標的物質と結合していない状態ではアプタマーとオリゴヌクレオチドがハイブリダイズすることができなくなるものである。
任意の標的物質に結合することができる、このような構造スイッチングアプタマーは、先ず、上記SELEX法又は後述するその変法により、標的物質と結合するアプタマーを作出し、次いで、得られたアプタマーを、上記構造スイッチング性が発揮されるように意図的に改変し、改変したアプタマーが構造スイッチング性を有することを確認することにより作出することができる。アプタマーのこの意図的な改変方法は後で詳述する。
本発明の構造スイッチング性を有するアプタマー分子は、次のようにして作出することができる。先ず、SELEX法又は後述するその変法により、標的物質と結合するアプタマーを作出する。アプタマーのサイズは、通常、30mer〜100mer程度であるので、この程度のサイズのランダムな塩基配列を有する核酸のライブラリーを核酸自動合成機により合成する。この場合、核酸の全長をランダムな塩基配列としてもよいが、SELEXを実施する際のPCRを簡便にするために、核酸の両端部分は既知の塩基配列としてもよい。この場合には、この既知配列の部分にPCRのプライマーをそれぞれハイブリダイズさせることができる。核酸の両端部分に位置する、プライマーがハイブリダイズする領域のサイズは、特に限定されないが、通常、10merから25mer程度である。下記実施例では、配列番号1の核酸ライブラリーを自動合成した。配列番号1中の「N」が任意の塩基であるので、膨大な数の種類の塩基配列を有する核酸のライブラリーが形成される。なお、プライマーがハイブリダイズする領域は、設けておけば、後述するPCRの前にアプタマーの塩基配列を決定する必要がなくなるのでアプタマーの作製過程が単純化されるが、アプタマーの配列の自由度がその分小さくなるので、設けなくてもよい。
次に、標的物質を固相に固定化したものを準備し、上記の通り作製した核酸ライブラリーを、固定化標的物質と反応させる。標的物質の固定化は、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、ろ紙、ポリスチレン製のマイクロタイタープレートのウェル等の固相に、単に標的物質を物理吸着させたものでもよいし、標的物質がタンパク質の場合には、標的物質のカルボキシル基やアミノ基等を利用して、担体に共有結合させたものでもよい。前者が簡便である。核酸ライブラリーと標的物質との反応の条件は、実際の標的物質の測定時と同じ条件を採用することが好ましいので、室温下で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。標的物質を作用させると、標的物質と結合するアプタマーは、固定化標的物質と結合して固相に固定化される。一方、標的物質と結合しない核酸は、固相に結合されないので、洗浄により除去される。
洗浄により、固相に結合されなかった核酸を除去した後、固定化標的物質と結合したアプタマーを溶離する。溶離は、例えば、固相を6M〜8M程度の高濃度の尿素で処理することにより行なうことができる。溶離した核酸は、常法であるフェノール抽出やフェノール・クロロホルム抽出とエタノール沈殿等により回収することができる。回収されたアプタマーは、いずれも固定化標的物質と結合したものである。
次に、回収されたアプタマーを鋳型として、PCRを行い、アプタマーを増幅する。自動合成した核酸が、両端部分に上記したプライマー結合領域を有するものである場合には、それらのプライマーを用いてPCRを行なう。このようなプライマー結合領域を設けていない場合には、回収したアプタマーの塩基配列を決定し、それらの両端部分に相補的な一対のPCRプライマーをそれぞれ合成し、それらを用いてPCRを行なう。非対称PCR(PCRに用いる一対のプライマーのうちの一方を過剰量用いる)を行なうことにより主として一本鎖の核酸を増幅することができる。あるいは、PCRに用いる一方のプライマーとして、ビオチン標識したプライマーを用い、増幅された二本鎖核酸をアビジンビーズに結合させ、この状態でNaOH等により核酸を変性させ、ビーズから分離した核酸を回収することにより、増幅された二本鎖核酸から一本鎖核酸(ビオチン標識されていない方の鎖)を回収することができる。これにより、固定化標的物質と結合するアプタマーのみが増幅され、しかも、固定化標的物質とよく結合するアプタマーは、PCRの際に鋳型となる分子が多数含まれるため、増幅核酸ライブラリーの中に占める割合も多くなる。
次に、増幅されたアプタマーのライブラリーを上記した核酸ライブラリーとして用いて、上記一連の工程、すなわち、固定化標的物質との反応、洗浄、アプタマーの溶離と回収、PCRによる増幅、の工程から成るサイクルを数回から十数回程度繰り返す。これにより、標的物質とよく結合するアプタマーが濃縮され、標的物質と高い結合能を有するアプタマーを得ることができる。
本願発明者らは、先に、コンピューター内でアプタマーを進化させる、SELEXの改良法を発明している(非特許文献3)。上記した非特許文献2に記載の方法に、非特許文献3記載のコンピューター内進化を適用することにより、所望のアプタマーの作出を効率化することが可能である。この方法では、上記SELEXの1サイクル目完了後、得られたアプタマーの塩基配列を決定すると共に、標的物質との結合能を測定し、結合能の順序をつける。アプタマーのこれまでの研究により、アプタマーの基本構造は4つのタイプ、すなわち、ヘアピン型、バルジ型、シュードノット型及びグアニンカルテット型の4種類に分類されることがわかっており、どのような塩基配列を有するアプタマーがどの構造をとるのか及びその基本構造の維持に必要なヌクレオチドがどれかということはコンピューターによる解析により容易にわかる。非特許文献3記載のコンピューター内進化を利用する方法では、各アプタマーの基本構造の維持に不可欠ではない、例えば3〜5mer程度の複数の領域を、得られた各アプタマーの対応する各領域どうしの間でランダムに交換する(シャフル)する。そして、さらにシャフル後の上記各領域に、ランダムな一塩基置換を導入する。これらのシャフル及び一塩基置換の導入はコンピューターで行なう。そして、コンピューターにより作出された新たな塩基配列を有するアプタマーを化学合成して第2の核酸ライブラリーとし、上記したサイクルに付す。第2の核酸ライブラリーを作製する際、結合能の順序の高かったアプタマーに由来する領域を有するアプタマーの量を最も多くし、以下、順序が下がるにつれてその比率を少なくする。以上のように、コンピューター内でのシャフル及び一塩基置換により人為的に変異を導入することにより、SELEXによる進化の効率を高めることができる。
また、本願発明者らは、通常のSELEXにおいて、標的物質との結合能がより高いアプタマーを効率的に得ることができるSELEXの改良法を発明し、特許出願している(特開2007-14292)。このSELEX改良法により、所望の標的物質と高い特異性を持って結合するアプタマーを効率的に作出することができる。特開2007-14292に記載したSELEX改良法では、通常のSELEXにおいて、所望の標的物質(本発明における標的物質)と核酸ライブラリー中の核酸とを結合させる際に、非標的物質を固定化した担体を共存させ、所望の標的物質と結合した核酸のみを回収し、PCRにより増幅し、増幅物から一本鎖核酸を取得し、これを核酸ライブラリーとして、標的物質を固定化した領域に接触させ、固相に結合した核酸を回収し、同様にPCRで増幅し、一本鎖を取得し、これを核酸ライブラリーとして再度、標的物質と非標的物質をそれぞれ固定化した領域と接触させ、以下同様にサイクルを繰り返す方法である。この方法によれば、非標的物質や担体に結合するアプタマーは淘汰され、標的物質に特異的に結合するアプタマーが濃縮されていくので、標的物質と特異的に結合するアプタマーを効率的に得ることができる。
次に、このようにして得られたアプタマーについて、構造スイッチング性を有するように改変する。この改変は次のようにして行なう。
先ず、得られたアプタマー分子に対し、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域(以下、便宜的に「ハイブリダイズ領域」)を付加又は挿入した改変アプタマー分子を調製する。ここで、前記ハイブリダイズ領域の少なくとも一部分は、アプタマー分子内の他の領域と相補的な塩基配列を有する。このため、前記標的物質の非存在下では、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域の前記少なくとも一部分が、これと相補的な前記他の領域と分子内ハイブリダイズし、このため前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが起きない。一方、標的物質の存在下では、前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域が露出し、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能となるアプタマー分子をスクリーニングする。なお、ここで、「スクリーニング」という語を用いているが、これは、標的物質の非存在下において、上記のような分子内ハイブリダイゼーションが起きるアプタマー分子であっても、必ずしも構造スイッチング性を有するとは限らないため、ある程度の数の異なるアプタマー分子を作製し、その中から構造スイッチング性を有するものを選び出す必要がある場合も包含されるので、「スクリーニング」と表現している。しかしながら、本発明の作出方法は、構造スイッチング性が得られるように意図的に改変するものであり、特に後述する好ましい態様で改変を行なった場合には、かなり高い確率で所望の構造スイッチングアプタマー分子を作出できる。このため、最初に作出したアプタマー分子が所望の構造スイッチング性を有している可能性も少なくなく、その場合には、最初に作出したアプタマー分子が構造スイッチング性を有していることを確認するだけの工程になるが、構造スイッチング性を有しているか否かをチェックするアプタマー分子がたとえ1種類の場合でも、本発明でいう「スクリーニング」に包含される。
構造スイッチング性を有するアプタマー分子が得られる可能性を高めるため、アプタマー分子は、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態において、ループ状の一本鎖領域を有し、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成しているものであることが好ましい。特に、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域を、前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分に有するようにハイブリダイズ領域を設定することが好ましい。さらには、前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分の、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域のサイズを3mer〜10merに設定することが好ましい。以上のようにハイブリダイズ領域を設定することにより、標的物質の非存在下における分子内ハイブリダイゼーションにより、ループ部の二次元及び/又は三次元構造が変化する。一方、標的物質の存在下では、標的物質とアプタマー分子の相互作用により、構造変化したループ部は、標的物質と特異的に結合可能な構造に戻って標的物質と結合した方が化学的に安定である場合が多く、分子内ハイブリダイゼーションをほどいて本来のループ構造に戻って標的物質と結合する可能性がかなり高い。これが起きると、分子内ハイブリダイゼーションはほどかれ、アプタマー分子のループ部の構造が本来の構造に戻り、従って、ハイブリダイズ領域は露出してオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションできるようになる可能性がかなり高い。すなわち、ハイブリダイズ領域を上記のように設定することにより、所望の構造スイッチィング性を有するアプタマー分子が得られる可能性がかなり高くなる。
上記の改変方法について、後述の実施例で作製したアプタマーを参照して具体的に説明する。
先ず、上記の方法により得られた、標的物質と特異的に結合するアプタマーの塩基配列をシーケンサー等により決定し、その二次構造をコンピューターにより決定する。下記実施例において作出したアプタマー(Clone 4-9と命名)の二次構造及び塩基配列(配列番号2)を図1に示す。上記の通り、アプタマーの基本構造は4つのタイプ、すなわち、ヘアピン型、バルジ型、シュードノット型及びグアニンカルテット型の4種類に分類されることがわかっている。もちろん、典型的な形態以外に、例えば、ヘアピン(ステム・ループ構造)を複数含むもの等もある。いずれの型の場合も、一本鎖のループになる領域が含まれ、この一本鎖のループ部分が標的物質との結合に関与していることもわかっている。Clone 4-9は、図1に示すように、大小2個のステム・ループ構造を有し、基本的にヘアピン型に分類される。
標的物質との結合には、通常、一本鎖のループ部が関与していることがわかっている。従って、ループ部の維持に不要と考えられる領域(例えば、ステム・ループ部のステム部の端から3塩基以上離れた一本鎖領域等)は、構造を単純化するために初めに削除してもよい。下記実施例では、Clone 4-9の5'側から1nt〜16nt(16ntは、5'側から16番目のヌクレオチドを示す、以下同様)の一本鎖領域を削除した。この領域を削除しても、ステム・ループ構造が維持されることはコンピューターを用いた解析からもわかるし、結合実験によっても結合性が維持されることが確認された。
上記の通り、標的物質との結合には、一本鎖のループ部が関与していることがわかっているので、本願発明者らが開発したアプタマーの改変方法では、標的物質の非存在下では、固定化オリゴヌクレオチドと結合する領域の少なくとも一部が、前記ループ部分中又はループ部とそれに隣接するステム部(二本鎖領域)に跨る部分と分子内ハイブリダイズし、それによって固定化オリゴヌクレオチドと結合できないようにする。すなわち、ループ部分中又はループ部とそれに隣接するステム部(二本鎖領域)に跨る部分と、少なくとも一部が相補的な塩基配列を有する領域を、固定化オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズ領域として付加する。このハイブリダイズ領域は、例えば、アプタマーの5'末端に付加することができる。下記実施例では、図1に示すように、Clone 4-9の1nt〜16ntを削除した後、削除後の5'末端(Clone 4-9の17nt)にGTTCggcac(配列番号3)のハイブリダイズ領域を付加した(図1中矢印で表示)。このハイブリダイズ領域は、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするものであるので、固定化オリゴヌクレオチドは、配列番号3で示す塩基配列の相補鎖になる。なお、固定化オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズ領域のサイズは、通常、4merから25mer、好ましくは8merから25mer程度である。図1に示すハイブリダイズ領域のうち、小文字で示したggcacの部分は、Clone4-9の41ntから45ntの領域(図1中に矢印で示す)と相補的であり、この部分と分子内ハイブリダイズすることを意図している。大文字で示したGTTCの部分は、小文字で示したggcacの部分だけでは固定化DNAとハイブリダイズするのに十分ではないと考え、分子内ハイブリダイズに関わらない配列として付加した。分子内ハイブリダイズは、アプタマーが標的物質と接触した場合に、ほどけて固定化オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズ領域が一本鎖になる必要があるので、余りに強固なものは不適であり、サイズは通常、3merから10mer程度、好ましくは4merから6mer程度である。
以上のように設計したアプタマー(「CaAp-3と命名」)(配列番号7)は、標的物質(α-PrP)の非存在下では、図2に示す二次構造を有する(改変後のアプタマーの二次構造もコンピューターにより解析することができる)。一方、標的物質と接触すると、標的物質との相互作用により、上記した分子内ハイブリダイゼーションがほどけ、図1に示すような二次構造を有するに至り、固定化オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズ領域が一本鎖になって露出し、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能になる。
次に、上記のように改変したアプタマーが、実際に構造スイッチング性を有するか否かを実験的にチェックする。これは、例えば、下記実施例に記載するように、次のようにして行なうことができる。先ず、SPR用のセンサーチップ上に標的物質を固定化し、これをアプタマー溶液と接触させ、アプタマーが標的物質との結合能を維持していることを確認する。次に、SPR用のセンサーチップ上に上記固定化オリゴヌクレオチドを固定化し、アプタマーを単独で含む溶液と、アプタマーと標的物質との混合溶液を、それぞれセンサーチップと接触させ、アプタマー単独の場合には、アプタマーが固定化オリゴヌクレオチドと結合せず、アプタマーと標的物質との混合溶液の場合にはアプタマーが固定化オリゴヌクレオチドに結合することを確認することにより行なうことができる。あるいは、SPRに代えて、アプタマーを標識し、アプタマーの固相への結合は、固相に結合された標識を測定することによっても行なうことができる。なお、チェックの結果、構造スイッチング性が得られなかった場合には、分子内ハイブリダイズ領域を別の部位に変えたアプタマーを合成し、上記と同様に実験的にチェックする。すなわち、構造スイッチング性を有するアプタマー分子をスクリーニングする。
上記方法により、配列番号7で示す塩基配列を有し、α-PrPを標的物質とし、構造スイッチング性を有するCaAp-3が得られた。下記実施例に具体的に示すように、この構造スイッチングアプタマーは、β−PrPとも結合する。α-PrPとβ−PrPは、立体構造は異なる(前者は主としてαヘリックス型、後者は主としてβシート型)が、アミノ酸配列は完全に同一である。α-PrPとβ−PrPの両者と結合するということは、両タンパク質の、同一のアミノ酸配列を有する比較的狭い範囲の部分を標的として結合するものと考えられ、β-PrPに対しても上記した構造スイッチング性を発揮すると考えられる。α-PrPとβ−PrPの両者と結合するアプタマーは、β−PrP、すなわち感染型(異常型)のプリオンの測定に有用である。すなわち、α-PrP、すなわち天然型(正常型)のプリオンは、セリンプロテアーゼで処理すると分解するが、β−PrPは分解しない。このため、プリオンを含む試料をセリンプロテアーゼで処理し、処理後の試料中にプリオンが検出されれば、検出されたプリオンは感染型(異常型)であることがわかる。現在、感染型(異常型)及び天然型(正常型)の両者に結合する抗体を用い、上記方法により感染型(異常型)のみを検出する免疫測定キットが実用化されている。本発明のCaAp-3を用いれば、このような免疫測定キットと同様なプリオン測定用キットを提供することができる。上記の通り、アプタマーは、化学合成のみによって得ることができ、煩雑な精製の必要もないので抗体よりもコスト的に有利である。さらに、サンドイッチELISA等の、汎用されているサンドイッチ免疫測定法では、プリオンと抗原抗体反応する2種類の抗体が必要であるが、アプタマーの場合には1種類のアプタマーと、短い固定化オリゴヌクレオチドがあればよく、この点でも免疫測定よりも有利である。
なお、配列番号7で示される塩基配列において、1個ないし数個の塩基が置換し、欠失し、挿入され及び/又は付加された塩基配列を有するアプタマーであって、α-PrPに対して構造スイッチイング性を発揮するアプタマーもCaAp-3と同様にプリオンの測定に用いることができる。この場合、置換、欠失、挿入及び付加の合計数は1個ないし数個(最大9個)、好ましくは1個ないし5個である。置換、欠失、挿入及び付加は、標的物質との結合に関与しない部分において行なわれることが好ましく、アプタマーの末端又はその近傍、少なくとも、ステム・ループ部以外の部分で行なうことが好ましい。特に、ステム・ループ部以外の部分であれば、アプタマーの末端の1個〜数個のヌクレオチドを欠失させたり、末端に1個〜数個のヌクレオチドを付加しても構造スイッチングには影響しないと考えられる。
ちなみに、配列番号2で示す塩基配列を有するClone 4-9や、その17nt-66nt断片及び19nt-66nt断片は、構造スイッチング性を有さないが、α-PrP及びβ-PrPの両者と結合するものである。したがって、これらは、α-PrP及びβ-PrPの両者と抗原抗体反応する抗体の代替物として利用可能である。アプタマーは、化学合成のみにより合成することができ、精製の必要性がなく、抗体よりも安価であるので、抗体をアプタマーで代替できれば有利である。また、上記と同様、配列番号2で示す塩基配列において、1個ないし数個の塩基が置換し、欠失し、挿入され及び/又は付加された塩基配列を有するアプタマーであって、α-PrP及びβ-PrPと結合するものも抗プリオン抗体の代替物として利用可能である。この場合、上記と同様、置換、欠失、挿入及び付加の合計数は1個ないし数個(最大9個)、好ましくは1個ないし5個である。置換、欠失、挿入及び付加は、標的物質との結合に関与しない部分において行なわれることが好ましく、アプタマーの末端又はその近傍、少なくとも、ステム・ループ部以外の部分で行なうことが好ましい。特に、ステム・ループ部以外の部分であれば、アプタマーの末端の1個〜数個のヌクレオチドを欠失させたり、末端に1個〜数個のヌクレオチドを付加しても構造スイッチングには影響しないと考えられる。
すなわち、(1)配列番号2で示す塩基配列を有するアプタマー、(2)配列番号2の塩基配列の17nt〜66ntから成るアプタマー、(3)配列番号2の塩基配列の19〜66ntから成るアプタマー、(4) 上記(1)〜(3)の塩基配列において、 1個ないし数個の塩基が置換し、欠失し、挿入され及び/又は付加された塩基配列を有するアプタマーであって、α-PrP及びβ-PrPと結合するアプタマーは、α-PrP及びβ-PrPの測定に用いることができる。上記のように、α-PrPはセリンプロテアーゼにより分解されるので、セリンプロテアーゼ処理後の試料を測定に供すれば、セリンプロテアーゼにより分解されないβ-PrPのみを測定することができる。
本発明の構造スイッチング性を有するアプタマー分子は、標的物質の測定に用いることができる。本発明のアプタマー分子を用いた標的物質の測定は、上述の通り、例えば、次のようにして行うことができる。
まず、試料中の標的物質と上記アプタマーとを接触させる。これは、試料とアプタマーの溶液とを混合し、インキュベートすることにより行なうことができる。標的物質を定量する場合には、試料中の想定される標的物質量に対して過剰量のアプタマーを反応させ、全標的物質を標識アプタマーに結合させることが好ましい。インキュベーションの条件は特に限定されないが、室温下で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。
次に、試料とアプタマーとの混合溶液を、固相に固定化した上記したオリゴヌクレオチドと接触させる。これは、上記したオリゴヌクレオチドを固定化した担体と、試料とアプタマーとの混合溶液とを混合してインキュベートすることにより行なうことができる。あるいは、オリゴヌクレオチドを固定化している担体がカラム状やフィルター状のものである場合には、単にカラムやフィルターを通過させるだけでもよい。標的物質を定量する場合には、固定化オリゴヌクレオチドの量は、測定に供される試料中の標的物質の想定される量よりも過剰量(すなわち、測定に供される試料中の標的物質の全量が、アプタマーを介して固定化オリゴヌクレオチドに結合できる量)であることが好ましい。インキュベーションの条件は、アプタマーの作出時のSELEX変法において採用したのと同様、室温下で行なうことが簡便で好ましく、また、反応時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜30分間程度、好ましくは10分間〜20分間程度である。このインキュベーション後、固相を洗浄し、固相に結合しなかったアプタマーを除去する。なお、SPRにより測定する場合には、SPRはリアルタイムで結合を測定することができるので、上記のインキュベーションは不要である。
なお、オリゴヌクレオチドを担体に固定化する方法は、周知であり、常法により行なうことができる。例えば、オリゴヌクレオチドの一端にビオチンを共有結合させ、一方、担体にアビジンを固定化しておき、アビジン−ビオチン結合を介してオリゴヌクレオチドを担体に結合することができるがこの方法に限定されるものではなく、グルタルアルデヒド架橋法等により直接担体に共有結合してもよい。さらに、DNAをよく吸着するナイロンやニトロセルロース等から成る膜等に物理吸着させることもできる。また、オリゴヌクレオチドは、直接担体に結合することも可能であるし、ビオチンのような低分子化合物を介して担体に結合することも可能である。さらには、オリゴヌクレオチドは、スペーサーを介して担体に結合することも可能である。例えば、固定化すべきオリゴヌクレオチドを一端に含む、より長いオリゴヌクレオチドを調製し、固定化すべきオリゴヌクレオチドと反対側の端部を上記したビオチン−アビジン結合等により担体に結合することもできる。この場合、担体に固定化した核酸のうち、上記固定化すべきオリゴヌクレオチド以外のポリヌクレオチド部分は、単なるスペーサーとして機能するので、その塩基配列やサイズは何ら限定されるものではない。なお、固相として用いられる担体は、核酸の固定化に常用されているものをそのまま用いることができる。例えば、アビジンを合成樹脂やアガロース等の高分子から成るビーズに固定化したアビジンビーズは市販されているので、市販品をそのまま利用することができる。あるいは、ガラス、シリコン、合成樹脂製等の、市販されているDNAチップ用の基板を用いることもできる。このような担体は、ビーズ状やプレート状のものの他に、クロマトグラフィーに用いられるようなカラム状のものやフィルター状のものを採用することもできる。あるいは、測定をSPRにより行う場合には、固相としてSPR用のセンサーチップを用いることができる。この場合も、上記と同様、アビジン又はストレプトアビジン等が固定化されたセンサーチップが市販されているので、オリゴヌクレオチドの一端にビオチンを結合し、アビジン−ビオチン結合により、オリゴヌクレオチドをセンサーチップに固定化することができる。
試料中に標的物質が含まれる場合、標的物質はアプタマーと結合する。標的物質と結合したアプタマーは、上記の通り、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、固相に結合される。一方、標的物質と結合しなかったアプタマーは、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができないので、洗浄により除去される。
次の工程において、固相に結合したアプタマーを測定する。上記の通り、固相に結合したアプタマーは、標的物質と結合したアプタマーであるから、固相に結合したアプタマーを測定することにより、試料中の標的物質を測定することができる。
固相に結合したアプタマーの測定は、例えば、下記実施例に記載したようにSPRにより行なうことができる。この場合、SPR用のセンサーチップにオリゴヌクレオチドを固定化したものを上記固相として用いて上記方法を行なうことができる。あるいは、上記の通り、標識したアプタマーを用い、固相に結合された標識を測定することによっても固相に結合したアプタマーを測定することができる。本発明のアプタマー分子を標識することにより、標的物質を周知の免疫測定と同様な手法で測定することができるようになる。本発明は、本発明のアプタマー分子を標識した標識アプタマー分子をも提供するものである。標識としては、免疫測定に常用されている周知の標識を採用することができ、例えば、酵素標識、蛍光標識、化学発光標識、放射標識、金コロイド標識等を採用することができる。これらの標識は、アプタマーを作製後、常法によりアプタマーに結合してもよいし、上記したSELEXによるアプタマーの調製過程において行なわれるPCRのプライマーとして、末端(増幅されるポリヌクレオチドの末端になる側の末端)に標識が結合されたプライマーを用いることによっても標識化されたアプタマーを得ることができる。標識によってアプタマーと被検物質との特異的な結合が妨害されないように、標識はアプタマーの一末端若しくはその近傍に結合することが好ましい。なお、アプタマーを標識することにより、固相に結合したアプタマーを測定することが容易になるので好ましいが、下記実施例に記載するように、表面プラズモン共鳴(SPR)法によれば、アプタマーを標識しなくても固相に結合したアプタマーを測定することができるので、標識は必須的ではない。標識の測定も各標識について周知の常法により行うことができる。例えば、標識が蛍光標識である場合には、固相に結合した標識の蛍光強度を測定する。標識が化学発光標識や放射標識の場合には、固相に結合した標識の発光強度や放射能の強度を測定する。標識が酵素である場合には、酵素反応に必要な基質を加え、その酵素反応により生じた生成物を測定する。電気化学反応を触媒する酵素の場合には、酵素の基質を添加した溶液に作用電極、対向電極及び参照電極を浸漬し、作用電極と対向電極間に生じる起電力を測定する。これは通常の酵素電極を用いた酵素反応の測定と同じであり、常法により容易に行なうことができる。酵素反応生成物が着色物質である場合には、反応溶液の吸光度を測定することにより生成物を測定することができる。また、固相に結合した標識を測定する際、遊離の状態で標識を測定したい場合には、NaOH処理等により二本鎖DNAを変性させること等により、アプタマーを固相から離脱させてから標識を測定してもよい。
なお、上記した方法では、試料と標識アプタマーとを先ず混合し、この混合溶液を固定化オリゴヌクレオチドと反応させたが、必ずしも試料と標識アプタマーを先に混合する必要はなく、試料、標識アプタマー及び固定化オリゴヌクレオチドの三者を同時に反応させてもよいし、先に試料と固定化オリゴヌクレオチドを反応させ、次にアプタマーを反応させることも可能である。
試料中の標的物質の定量を行なう場合には、検量線を作製しておき、測定されたSPRのシグナル又は標識に由来するシグナルを測定し、それを検量線に当てはめることにより試料中の標的物質の定量を行なうことができる。すなわち、異なる種々の既知濃度の標的物質を含む複数の標準試料を準備し、これらについて上記方法を行い、SPRのシグナル又は固相に結合された標識に起因するシグナルを測定する。標準試料中の標的物質の濃度を横軸、測定されたシグナルを縦軸にとって検量線を作成する。未知の試料について、検量線作成時と同じ条件で測定を行い、測定結果を上記検量線に当てはめることにより未知の試料中の標的物質を定量することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1. α-PrP結合性アプタマーの作出
特開2007-14292に記載した、SELEXの変法により、α-PrP結合性アプタマーを次のようにして作出した。
(1) すなわち、先ず、配列番号1に示す塩基配列を有するDNAを自動DNA合成機により化学合成した。配列番号1中の「N」は、任意のヌクレオチドであり、自動DNA合成機により、配列番号1中の連続するNで表される領域がランダムな塩基配列を有する一本鎖DNAのライブラリーを構築した。一本鎖DNAを結合バッファ(10mM Tris-HCl、pH7.4、100mM KCl)で1nmol/100μlに調製し、95℃で3分間加熱した後、30分間で室温の25℃まで徐冷することにより、フォールディングさせた。調製した一本鎖DNA溶液を結合バッファで3000μlに希釈し、蛋白質を固定化した
(2) ニトロセスルース膜上に、α−PrPと、転写タンパク質の1種であるZif268とを別々の部位に物理吸着させた。このニトロセルロース膜を、 (1)で調製したDNAランダムライブラリーの溶液(総DNA濃度: 1ラウンドでは500 nM、2ラウンドでは40 nM、3ラウンドでは20 nM、4ラウンドでは5 nM)と共に室温で1時間インキュベートした。この時の溶液のバッファーとしては、PBS-T(0.05% Tween20(商品名)を含むPBS)を用いた(以下のいずれの操作においても特に断りがない限り緩衝液はPBS-Tを用いた)。インキュベーション後、溶液を捨て、ニトロセルロース膜をさらに数回PBS-Tで洗浄した。
(3) 次に、ニトロセルロース膜上のα-PrPに7M尿素溶液を作用させて、結合していたDNAを溶出させた。これを常法に従いフェノール・クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によりDNAを回収した。
(4) 回収したDNAを鋳型とし、配列番号1の「n」以外の各領域と相補的な塩基配列を有する一対のプライマーを用いて、PCR(40サイクル、94℃、34秒で変性、46℃、30秒でアニーリング、72℃、30秒で伸長反応)を行い、DNAを増幅した。得られた増幅二本鎖DNAをアビジン固定化ビーズに添加し、0.15M NaOHで溶出することにより一本鎖DNAを調製した。
増幅した一本鎖DNAライブラリーを鋳型として用いて上記(2)〜(4)のサイクルを4回繰り返した。その結果、最もよく増幅された、すなわち、最も良くα−PrPに結合したアプタマーとして、配列番号2に示す塩基配列を有するアプタマーが得られた。このアプタマーをClone 4-9と命名した。
2. Clone 4-9及びその断片のキャラクタリゼーション
Clone 4-9(配列番号2)の二次構造をコンピューター(解析ソフト:Mfold, URL: http://www.bioinfo.rpi.edu/applications/mfold/dna/)により解析した。結果を図1に示す。ステム・ループ構造を有するアプタマーの場合、通常、ループ部が標的物質との結合に関与していることが知られている。従って、5'側から1個目のステム・ループ構造の根元の部分から3塩基上流の18ntよりも上流の部分は、α-PrPとの結合に関与していないことが推測された。このため、Clone 4-9の1nt〜18ntを欠失させたアプタマーを自動DNA合成機により合成した。このアプタマーを「Clone 4-9(19-66)」と命名した。また、1個目のステム・ループ構造よりも下流の部分(すなわち、Clone 4-9の47nt〜66nt)をさらに欠失させたアプタマーも合成した。このアプタマーを「Clone 4-9(19-46)」と命名した。
Clone 4-9、Clone 4-9(19-66)及びClone 4-9(19-46)の、α-PrPとの結合能をSPRにより測定した。すなわち、センサーチップCM5(BIACORE社製商品名、金薄膜表面にカルボキシメチルデキストランが固定化されたチップ)にα-PrPを、そのアミノ基を介して共有結合させることにより固定化した。2μMのClone 4-9を95℃で熱処理した後、30分かけて25℃まで徐々に冷却することによりClone 4-9のフォールディングを行なった。SPRは、BIACORE社製のBIACORE Xを用いた。ランニングバッファーは、PBS、再生化は0.05% SDSで行なった。約10000RU(レゾナンスユニット)のα-PrPを固定化したセンサーチップに、種々の濃度のClone 4-9溶液を50μLインジェクトし、相互作用を室温下で測定した。測定は流速10 μL/minで行い、PBSバッファー(pH 7.0)を用いて行なった。また、上記したClone 4-9 (19-66)およびClone 4-9 (19-46)についても同様に実験を行なった。ただし、流速20μL/minで行なった。
結果を図3に示す。図3に示されるように、Clone 4-9 (19-66)については、Clone 4-9とほぼ同等のシグナルが得られ、Clone 4-9 (19-66)がα-PrPと結合することが確認された。ただし、僅かな結合能の低下が見られた。Clone 4-9の19-66ntのステム・ループ構造の両末端には、配列TT(17-18ntと47-48nt)がある。ステム・ループ構造の両末端にある配列TTはそのステムループ構造を安定化する事がある。このため、Clone 4-9 (19-66)の僅かな結合能の低下は配列TTの削除のためだと考え、所望の構造スイッチング性を有するアプタマーの策出には、配列TTを残したClone 4-9 (17-66)を改変することで行なった。
3. アプタマーの改変
Clone 4-9 (17-66)を、上記の通り改変した。すなわち、図1に示すように、Clone 4-9 (17-66)の5'末端に配列番号3で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを付加したDNAを合成した。配列番号3で示される塩基配列を有する付加領域は、固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域であり、固定化オリゴヌクレオチドは、この領域の相補鎖である。配列番号3で示される塩基配列のうち、3'側のggcacは、図1中に矢印で示す、Clone 4-9の41nt〜45ntと相補的であり、α-PrPの非存在下においてこの領域と分子内ハイブリダイゼーションする(図2参照)。上記のとおり、この改変により得られたアプタマーをCaAp-3と命名し、その塩基配列は配列番号7に示されている。
同様に、配列番号4に示す塩基配列を有するCaAp-1及び配列番号5に示す塩基配列を有するCaAp-2を合成した。CaAp-1及びCaAp-2とも、5'末端に付加した領域の3'側の6塩基、すなわち、acagaaが、図1に示すClone 4-9の27nt〜32nt及び37nt〜42ntの相補鎖になっているものである(Clone 4-9の27nt〜32nt及び37nt〜42ntは共にttctgt)。これらの場合も、α-PrPの非存在下では、分子内ハイブリダイゼーションにより、5'側から1個目のループが壊れるように設計されている。
4. アプタマーの結合能の測定
合成した3種類のアプタマーのそれぞれについて、上記2と同様にしてSPRにより、α-PrPとの結合能を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、合成した3種類のアプタマーは、いずれも、濃度依存的にSPR強度(平衡レゾナンスユニット(RU))が増大しており、α-PrPとの結合能を有していることがわかる。特に、CaAp-3は、改変前のClone 4-9と同等以上の結合能を有しており、α-PrPとの結合親和性が3種類のアプタマーの中で最も高かった。一方、CaAp-1及びCaAp-2は、α-PrPとの結合親和性が改変前のClone 4-9に比べてかなり低下しており、これらの3種の中ではCaAp-3が最も優れている。なお、CaAp-3の結果より作製したスキャッチャード・プロットからKd = 116 nMが得られた。
5. CaAp-3を用いたα-PrPの定量
CaAp-3の5'末端の9塩基(配列番号3)の相補鎖(CaDNA-3、配列番号6)を、SPR用のセンサーチップに固定化した。すなわち、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの3'末端にビオチンを結合し、表面にアビジンを固定化したSPR用センサーチップにアビジン−ビオチン結合を利用してオリゴヌクレオチドをセンサーチップに固定化した。
0.1μMのCaAp-3と、0〜1.00μMの範囲の種々の濃度のα-PrPを含む複数の標準溶液を調製した。これらをそれぞれインジェクトし、室温下で相互作用を測定した。測定は流速20 μL/minで行い、PBSバッファー(pH 7.0)を用いて行なった。
結果を図5に示す。図5に示されるように、平衡RUの値は、濃度依存的に増大しており、上記方法によりα-PrPが定量可能であることがわかる。
CaAp-3を用いたELISAによるα-PrPの定量
固定化DNAとしてCaDNA-3(配列番号6)の5'端に11 merのチミンオリゴDNAをスペーサーとして挿入した、ビオチン修飾したCaDNA-3-11Tを用いた。0.1μM CaDNA-3-11T(100μL)をストレプトアビジンコートプレートに固定化した後、1%スキムミルクでブロッキングした。種々の濃度のα-PrPまたはBSAを0.1μM CaAp-3(終濃度)と混合し、室温で30分間インキュベートした。このインキュベート試料100μLを、DNA固定化プレートに添加し、室温で2時間インキュベートした。インキュベート後、200μLのPBS-T(0.05% tween20(商品名))で4回洗浄を行ない、蛍光測定を行なった。なお、試料調製にもPBS-Tを用いた。
蛍光測定の結果を図6に示す。α-PrPの濃度依存的に蛍光強度が変化していた。一方、対照のBSAの場合には、濃度に応じて蛍光強度は変化しなかった。このことから、このプレートアッセイにより、標的分子を定量できる事が示された。
なお、補足としてCaDNA-3の代わりに20 merのチミンオリゴDNAを用いて同様に行なった対照実験の結果を図7に示す。図7で示されるように20T-DNAを用いた場合は高い蛍光強度は観察されず、CaAp-3とCaDNA-3のα-PrPへの非特異結合が起きていないことが確認された。
ゲルシフトアッセイによるCaAp-3の構造変化の確認
CaAp-3とCaDNA-3は5'端にFITC標識した物を用いた。α-PrPとCaAp-3を混合し室温で15分間以上静置した後、CaDNA-3を加えさらに室温で15分間以上静置した。試料調製には150 mM NaCl, 20 mMリン酸バッファーを用い、試料は終濃度4μM α-PrP、400 nM CaAp-3、400 nM CaDNA-3で混合した。調製した混合試料を用いてポリアクリルアミドゲル電気泳動を行ない、得られたゲルの蛍光スキャンを行なった。対照実験として、各試料の代わりに試料調製用bufferを混合し、同様の実験を行なった。電気泳動はPhastSystem(GEヘルスケアサイエンス)で行い、8-25%グラジエントゲルを用いた。
ゲルシフトアッセイの結果を図8に示す。図8中、黒いバンドがFITCの蛍光を示している。ゲルシフトイメージの上部に混合した各試料を示した。白文字の“+”はDNAがFITC非標識であること示す。CaAp-3のみを示すレーン1のバンドに対し、レーン2ではCaAp-3とα-PrPの複合体によるバンドのシフトが観察された。このレーン2の混合試料に対しさらにCaDNA-3を加えたレーン6の混合試料は、レーン2とほぼ同程度のバンドのシフトが観察された。しかし、レーン7と8の対照実験から、このレーン6で見られるバンドがα-PrP、CaAp-3、CaDNA-3の3種類の試料で構成されていることが示された。したがって、このゲルシフトアッセイの結果はCaAp-3がα-PrP認識により構造変化し、これに伴いCaDNA-3とハイブリダイズすることを支持している。なお、レーン2とレーン6、7、8のバンドのシフトに差が観察されなかったのは、CaDNA-3が9塩基からなる小さなオリゴDNAのためだと考えられる。
本発明の実施例1で得られた、α-PrPに結合するアプタマーであるClone 4-9の塩基配列及び二次構造並びにその改変方法を示す図である。 本発明の実施例1で合成した、構造スイッチング性を有する、α-PrP結合性アプタマーのα-PrPの非存在下における二次構造を示す図である。 Clone 4-9及びその断片とα-PrPとの、SPRによる結合試験の結果を示す図である。 本発明の実施例1で合成した3種類のアプタマー及びClone 4-9とα-PrPとの、SPRによる結合試験の結果を示す図である。 本発明の実施例1で合成したアプタマーCaAp-3をアプタマーとして用いた本発明の方法により、種々の濃度のα-PrPをSPRで測定した結果を示す。 実施例2で行った、アプタマーCaAp-3をアプタマーとして用いた本発明の方法に従い、種々の濃度のα-PrPをELISAと同様な方法で測定した結果を示す。 実施例2の対照実験で行った、アプタマーCaAp-3をアプタマーとして用い、固定化オリゴヌクレオチドとして、アプタマーCaAp-3と相補性を有さない20 merのチミンオリゴDNAを用いた結果を示す。 実施例3で行った、アプタマーCaAp-3を用いたゲルシフトアッセイの結果を示す図である。

Claims (19)

  1. 被検物質と結合する性質を有し、被検物質と結合している状態では固相に固定化された固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするが、被検物質と結合していない状態では前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができないアプタマーと、試料中の被検物質と、前記オリゴヌクレオチドを固定化した前記固相とを同時又は逐次的に接触させ、洗浄後、固相に結合されたアプタマーを測定することを含む、試料中の被検物質の測定方法。
  2. 前記アプタマーが標識されており、固相に結合されたアプタマーの測定は、該標識を測定することにより行われる請求項1記載の方法。
  3. 前記アプタマーは、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態において、ループ状の一本鎖領域を有し、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成している請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記アプタマーは、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域を、前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分に有する請求項3記載の方法。
  5. 前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分の、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域のサイズが3mer〜10merである請求項4記載の方法。
  6. 前記アプタマーと前記被検物質とを混合した後、該混合物を前記固相に接触させることを含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 1本の核酸から成り、標的物質と結合することができ、該標的物質と結合した状態でオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができるアプタマー分子であって、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部分が、アプタマー分子内の他の領域と相補的な塩基配列を有し、前記標的物質の非存在下では、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域の前記少なくとも一部分が、これと相補的な前記他の領域と分子内ハイブリダイズし、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが起きず、前記標的物質の存在下では、前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域が露出し、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能である、構造スイッチング性を有するアプタマー分子。
  8. 前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態において、ループ状の一本鎖領域を有し、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成している請求項7記載のアプタマー分子。
  9. 前記アプタマーは、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域を、前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分に有する請求項8記載のアプタマー分子。
  10. 前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分の、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域のサイズが3mer〜10merである請求項9記載のアプタマー分子。
  11. 標的物質がα型プリオンタンパク質であり、β型プリオンタンパク質とも結合する請求項10記載のアプタマー分子。
  12. 配列番号7で示される塩基配列又は該塩基配列において、1個ないし数個の塩基が置換し、欠失し、挿入され及び/又は付加された塩基配列を有する請求項11記載のアプタマー分子。
  13. 配列番号7で示される塩基配列を有する請求項12記載のアプタマー分子。
  14. 請求項7ないし13のいずれか1項に記載のアプタマー分子を標識して成る標識アプタマー分子。
  15. 1本の核酸から成り、標的物質と結合することができるアプタマー分子に、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域を付加又は挿入した改変アプタマー分子を調製する工程と、得られた改変アプタマー分子が、前記標的物質との結合能を維持しており、かつ、前記標的物質と結合した状態で前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができ、前期標的物質の非存在下では上記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできないことアプタマー分子をスクリーニングする工程とを含むアプタマー分子の作出方法であって、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部分が、アプタマー分子内の他の領域と相補的な塩基配列を有し、前記標的物質の非存在下では、前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域の前記少なくとも一部分が、これと相補的な前記他の領域と分子内ハイブリダイズし、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが起きず、前記標的物質の存在下では、前記分子内ハイブリダイゼーションがほどけて前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする前記領域が露出し、それによって前記オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能である、構造スイッチング性を有するアプタマー分子の作出方法。
  16. 前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした状態において、ループ状の一本鎖領域を有し、該一本鎖領域の両端にそれぞれ隣接する領域同士が二本鎖領域を形成している請求項15記載の方法。
  17. 前記アプタマーは、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域を、前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分に有する請求項16記載の方法。
  18. 前記ループ中又は前記ループと前記二本鎖領域に跨る部分の、前記固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする領域の少なくとも一部と相補的な領域のサイズが3mer〜10merである請求項17記載の方法。
  19. 請求項15ないし18のいずれか1項に記載の方法により作出されたアプタマー分子を化学合成又は遺伝子工学的に生産することを含む、アプタマーの生産方法。
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