JP2009195187A - 核酸アプタマーのスクリーニング方法 - Google Patents

核酸アプタマーのスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】核酸アプタマーの効率の良いスクリーニング方法を提供することを課題とする。
【解決手段】下記(a)〜(f)により、核酸アプタマーを検出する。
(a)固相に保持された標的捕捉分子が備えられた反応系に標的分子を添加し、標的分子と標的捕捉分子とを接触させ、
(b)標的分子と標的捕捉分子とで形成された標的分子−標的捕捉分子複合体に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、
(c)前記(b)の後、標的分子−標的捕捉分子複合体と複合体を形成していない候補核酸フラグメントを、標的分子を含む溶液で洗浄して除去し、
(d)前記(c)の洗浄後、反応系内に残存している、標的分子−標的捕捉分子複合体に対する親和性の高い候補核酸フラグメントを分画し、
(e)分画して回収された候補核酸フラグメントを増幅し、
(f)増幅された候補核酸フラグメントの塩基配列を決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、核酸アプタマーのスクリーニング方法に関するものである。
近年の遺伝子機能解析により、構造遺伝子のみならず、非構造遺伝子領域に潜む配列が生体内における遺伝子機構において重要な役割を担っていることが次々に明らかにされてきている。特に、リボザイム、siRNAなどRNAに関する新たな研究成果にはめざましいものがある。バイオテクノロジーの分野においては、特異的な結合物質の検出は、新規な測定方法、医薬、薬物送達、創薬ターゲットの探索などの開発に大きく貢献する。そのため、上記のように核酸に関する新たな知見と相まって、特異的に所定の物質に結合するDNAやRNA、すなわち核酸アプタマーの探索が進められている。(核酸アプタマーに関する初期の研究段階では、核酸リガンドという用語も用いられており、これらはほぼ同様の意味で用いられる場合がある。)
核酸アプタマーの探索方法としては、SELEX(Systematic Evolution of ligands by exponential enrichment)が知られている(例えば、特許文献1および2など)。この方法によると、標的とする生理活性部位を有する生体高分子材料に対し、ランダムな配列をもつ多数のオリゴヌクレオチドの混合物であるオリゴヌクレオチドライブラリを接触させる。そして、標的とする物質に対し親和性の高いオリゴヌクレオチドを選び出し、選び出されたオリゴヌクレオチドを増幅生産して、標的とする生理活性部位に対し特異的に結合するかどうかを確認する。
SELEX法は、種々改良法の開発が進められている。例えば、抗原特異性のより高い結合分子を得るために、セレクションの際にネガティブ選択やカウンターSELEXと呼ばれる手法も開示されている(例えば、非特許文献1など)。ここで開示されているネガティブ選択は、抗原類似の化合物を固定化したアフィニティーカラムを作製し、そこを通過した分子だけを、次の選別工程に供する手法である。また、カウンターSELEXはアフィニティーカラムに結合した分子を溶出させる際に、予め抗原類似の化合物で溶出させ、その後で抗原で溶出させて得られたものを次の選別に用いる手法である。
米国特許公報第5270163号 特開平8−252100号公報 抗体エンジニアリングの最前線、伊藤嘉浩、2004年、第115−122頁
本発明は、以上のような状況の下、所望の核酸アプタマーを効率よくスクリーニングする新たな方法を提供することを課題とする。
生体物質の特異的結合性を利用したものの一つとして、抗原と抗体の特異的反応を利用した免疫診断などが開発されている。抗原抗体の特異的結合関係を利用した測定方法は、標的分子(例えば、抗原など)の捕捉のさせ方によって、直説法、競合法、サンドイッチ法などがある。中でも、2ステップ・サンドイッチ法による検出は、直説法、競合法などの手法に比べ、感度の点で最も優れているため、精度の高い測定が要求される場合は、2ステップ・サンドイッチ法が好んで用いられる。この方法は、まず担体に結合した一次抗体に対して抗原を反応させた後、B/F(Bound/Free)分離のための洗浄を行い、次に標識された二次抗体を反応させてB/F分離洗浄を行って検出を行う方法である。
しかしながら、この方法では、一般に上記のように二段階のB/F分離が必須となる。ここで、抗原抗体複合体のみに対して選択的に結合する抗体(抗原のみには結合しない)を二次抗体として用いることができれば、1ステップで複合体の形成反応を行い、洗浄工程も1ステップで可能になる実験系を構築し得る。このような実験系が構築できれば、工程が簡素化され、測定結果を得るまでの所要時間を短縮できる。
標的捕捉分子および核酸アプタマーを用いて標的分子をサンドイッチする場合においても、夾雑成分を効率よく除外し、目的物を迅速に濃縮することが望ましい点は同様である。すなわち、標的分子の検出や定量などの測定方法に用いる核酸アプタマーとして、標的分子とこれを捕捉する標的捕捉分子が形成する複合体に対して選択的に結合するもののプローブとして用いることができれば、核酸アプタマーを用いた標的分子の測定において、より簡素化された工程を備えた実験系を構築し得る。したがって、このような複合体のみ結合する核酸アプタマーをスクリーニングすることは、核酸アプタマーを用いた各種の測定方法を開発する上で、極めて有用となる。
また、複数種の抗体(これらは一次抗体、二次抗体等と称される場合がある)を用いるサンドイッチ法では、異なるエピトープ(抗原決定基)を認識する複数種の抗体が必要となる。しかして、1000ダルトン以下の質量しかない小分子では、エピトープがあったとしても一つしかない場合が多い。抗体の結合部位に埋もれてしまうような小分子の抗原では、二次抗体が接合し得る面積が極めて狭く、二次抗体を結合させることができない場合が生じ得る。同様に、標的捕捉分子としてのタンパク質の活性中心をなすポケット部位に埋もれてしまうような小分子の標的分子に対しては、これらの標的分子−タンパク質の複合体に特異的に結合するタンパク質を見いだすのは困難と推測される。このような見地から、小分子を標的分子とする場合は、サンドイッチ法はあまり好適ではない方法であるとの見方もある。
しかし、標的分子と標的捕捉分子とによって形成される複合体に対して親和性の高い分子を見いだすことができれば、小分子に対するサンドイッチ法の適用が大幅に改善され得る。そのため、核酸アプタマーの中に、小分子の標的分子の測定に好適に用い得る分子を見いだすことが期待される。
本発明では、候補となる多数の核酸フラグメントの中から、標的分子と標的捕捉分子とによって形成される複合体に対し親和性の高い核酸アプタマーを、より効率良く濃縮し得る手法を見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
〔1〕標的分子と当該標的分子が特異的に結合する標的捕捉分子の複合体である標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性の高い核酸アプタマーを検出する方法であって、
(a)固相と当該固相に保持された前記標的捕捉分子を備える反応系に前記標的分子を添加し、前記標的分子と前記標的捕捉分子とを接触させ、
(b)前記標的分子と前記標的捕捉分子とで形成される標的分子−標的捕捉分子複合体に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、
(c)前記(b)の後、標的分子−標的捕捉分子複合体と複合体を形成していない候補核酸フラグメントを、前記標的分子を含む溶液で洗浄して除去し、
(d)前記(c)の洗浄後、反応系内に残存している、前記標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを分画し、
(e)分画して回収された候補核酸フラグメントを増幅し、
(f)増幅された候補核酸フラグメントの塩基配列を決定する、
ことを含む核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔2〕固相と当該固相に保持された標的捕捉分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第一のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、上記〔1〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔3〕固相と当該固相に保持された標的分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを、前記核酸混合物から除去する第二のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、上記〔1〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔4〕固相と当該固相に保持された標的分子の類似分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第三のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、上記〔1〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔5〕固相と当該固相に保持された標的捕捉分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第一のネガティブスクリーニング、
固相と当該固相に保持された標的分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第二のネガティブスクリーニング、および
固相と当該固相に保持された標的分子の類似分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを、前記核酸混合物から除去する第三のネガティブスクリーニングからなる群より選ばれる2種以上のネガティブスクリーニングを行って核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、上記〔1〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔6〕前記(e)で増幅された候補核酸フラグメントの混合物を新たな核酸混合物として、前記(b)から(e)を繰り返す、上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔7〕前記(b)から(e)を、5回以上、20回以下繰り返す、上記〔6〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔8〕前記候補核酸フラグメントが、デオキシリボ核酸である、上記〔1〕から〔7〕のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔9〕前記標的分子の質量が1000ダルトン以下である、上記〔1〕から〔8〕のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔10〕前記標的捕捉分子が抗体であり、前記標的分子が抗原である、上記〔1〕から〔7〕のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
〔11〕前記抗原の質量が1000ダルトン以下である、上記〔10〕に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
本発明によれば、標的分子と標的分子を捕捉する標的捕捉分子が形成する複合体に結合する核酸アプタマーを効率よくスクリーニングすることができる。
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明についてさらに詳説する。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明における生物化学的なあるいは遺伝子工学的な手法を実施するにあたっては、例えば、Molecular Cloning: A LABORATORY MANUAL, 第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor, New York (2001)、新遺伝子工学ハンドブック改訂第4版、村松ら編、羊土社(2003年)、タンパク質実験の進め方(岡田雅人、宮崎香編、羊土社、第1版、1998年)、タンパク質実験ノート(岡田雅人、宮崎香編、羊土社、第2版、1999年)などのような種々の実験マニュアルの記載が参照される。本明細書においては、特に断らない限り、配列番号は配列表中の配列番号を示す。
本発明は、複数種の候補核酸フラグメントの中から、標的分子と当該標的分子が特異的に結合する標的捕捉分子の複合体である標的分子−標的捕捉分子複合体に対する親和性の高い核酸アプタマーを検出する方法である。本明細書において用いられる用語は、基本的に、化学分野、生命科学分野、遺伝子工学分野などにおける標準的な意味に従って用いられるが、以下、本発明をより明確に説明するために、本発明を説明するための用語の一部について説明する。
本明細書において、核酸アプタマーとは、核酸分子であって、所定の標的分子に対する親和性が高く、特異的に結合し得る分子のことをいう。このような性質を有する核酸分子を核酸アプタマーといい、特に断らない限り、塩基配列、分子の大きさ、分子の立体構造などによって限定されるものではない。
本明細書において、標的分子とは、核酸アプタマーを利用した検出方法などにおいて、検出の標的となる分子のことをいう。標的分子の化学種は特に制限されず、低分子化合物、高分子化合物、および生体由来物質など様々な化学種が含まれる。標的分子としてより具体的には、例えば、糖類、脂質類、オリゴペプチド、タンパク質、および核酸などが挙げられる。また標的分子の対象となり得る機能種としては、例えば、抗原、抗体、リガンド、受容体、相互作用タンパク質などが挙げられる。
本明細書において、二つの物質について親和性が高いとは、二つの物質が選択的に一体となり複合体を形成しやすい性質を表す。
本明細書において、標的捕捉分子とは、標的分子と特異的に結合し得る分子のことをいう。標的捕捉分子の化学種は制限されず、低分子化合物、高分子化合物、および生体由来物質など様々な化学種が含まれる。また、標的分子をどのような作用機序により捕捉するかも限定されない。また、ここでいう特異的に結合とは、特定の分子と分子とが高い選択性または親和性をもって結合することを意味する。また、標的捕捉分子と標的分子との特異的結合は、その結合様式には限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、電気的な吸着などの化学的な結合、および形状依存的な係合などの物理的な結合などが含まれる。標的捕捉分子としては、例えば、抗原、抗体、リガンド、受容体、相互作用タンパク質などが挙げられる。
本明細書において、標的分子−標的捕捉分子複合体とは、標的分子と標的捕捉分子とが結びついて形成される複合体のことをいう。標的分子および標的捕捉分子が一体を形成していればよく、その結合様式に限定されるものではない。すなわち、標的分子と標的捕捉分子との結合は、共有結合、イオン結合、水素結合、電気的な吸着などの化学的結合の他、形状依存的な係合などの物理的な結合も含まれる。また、標的分子と標的捕捉分子とが接触する反応系において、化学平衡の見地から、分子同士が結合と解離を繰り返していてもよく、標的分子−標的捕捉分子複合体が形成されるという場合、化学平衡的および生物化学的の見地から、当該複合体が有意に生じ得る状態を含む。
本明細書において、候補核酸フラグメントとは、目的とする核酸アプタマーの候補である、核酸のフラグメント(核酸断片)のことをいう。特に断らない限り、用語としてフラグメントの大きさに特に制限はないが、その大きさの目安としては、塩基配列で2〜10000bp程度である。また、本明細書において、核酸には、DNA、RNA、DNAおよびRNAの複合体などが含まれる。また、核酸は、一本鎖、二本鎖であり得る。
本明細書において、反応系とは、化学種が化学的な反応を生じる系全体のことをいう。本件発明に関連しては、例えば、標的分子と標的捕捉分子とから標的分子−標的捕捉分子複合体が形成される反応系、標的分子−標的捕捉分子複合体と候補核酸フラグメントとの複合体が形成される反応系、これらの複合体からその構成分子が分離する反応系、核酸が増幅される反応系などが挙げられる。
本明細書において、核酸フラグメントを増幅するとは、同じ塩基配列および/またはこれと相補的な配列を有する核酸フラグメントを複製することを意味する。
1.本発明のスクリーニング方法の第一実施形態
次に本発明のスクリーニング方法の第一実施形態について、図1を参照しつつ説明する。第一実施形態は、次の(1a)から(1f)の工程を含む。
(1a)固相と当該固相に保持された前記標的捕捉分子を備える反応系に前記標的分子を添加し、前記標的分子と前記標的捕捉分子とを接触させる工程
(1b)前記(1a)工程の接触により形成された標的分子−標的捕捉分子複合体に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させる工程
(1c)前記(1b)工程の後、標的分子−標的捕捉分子複合体と複合体を形成していない候補核酸フラグメントを、前記標的分子を含む溶液で洗浄して除去する工程
(1d)前記(1c)工程の洗浄後、反応系内に残存している、前記標的分子−標的捕捉分子複合体に対する親和性の高い候補核酸フラグメントを分画する工程
(1e)分画して回収された候補核酸フラグメントを増幅する工程
(1f)増幅された候補核酸フラグメントの塩基配列を決定する工程
第一実施形態では、標的分子−標的捕捉分子複合体に対して親和性の高い候補核酸フラグメントを探索する。したがって、標的分子は必ずしもエピトープが2種以上存在することを要しない。そのため、第一実施形態の方法では、標的分子としては、質量1000ダルトン以下の分子も好適に採用し得る。
(1a)の工程では、固相に保持された標的捕捉分子が備えられた反応系に、前記標的分子を添加し、前記標的分子と前記標的捕捉分子とを接触させる。固相は、第一実施形態における反応系で用いられる各種溶液、化学薬品、生物材料に対して不溶なものであり、ここに標的捕捉分子が保持される。第一実施形態で用い得る固相等しては、例えば、アフィニティークロマトグラフィーなどバイオテクノロジーの実験で一般に固相として用いられる材料を用い得る。第一実施形態で用い得る固相としては、例えば、ガラス材料、ポリマー材料、磁性体材料などで作製されたビーズ、シャーレなどが挙げられる。また、反応溶液を保持するための反応容器を固相として用いてもよい。
(1a)の接触工程では、標的分子−標的捕捉分子複合体を形成させる。したがって、標的捕捉分子は標的分子と複合体を形成し得るものが用いられる。標的捕捉分子と標的分子との特異的な結合能が高い組み合わせほど、標的分子を含む溶液中の標的分子の精製度の厳格さをそれに応じて緩和しても、所望の標的分子−標的捕捉分子複合体を形成し得るため、この点においての操作性が容易となり得る。また、標的捕捉分子と標的分子との特異的な結合能が高い組み合わせほど、第一実施形態により見いだされる核酸アプタマーとの組み合わせによって、標的分子の検出、定量などの実験系を構築する際に、その実験系の測定精度をより高いものとし得る。
後段に洗浄工程等があるため、標的捕捉分子は、洗浄工程等において標的捕捉分子が遊離しない程度に固相に保持されていればよい。その限りにおいて、標的捕捉分子の固相への保持様式には、特に制限はない。標的捕捉分子の固相への保持様式としては、例えば、共有結合、イオン結合、水素結合、および電気的な吸着などの化学的な結合による保持、並びに形状依存的な係合などの物理的な保持などが挙げられる。
(1a)の接触工程においては、反応系内に標的分子と標的捕捉分子を添加し、これらを接触させる。例えば、緩衝溶液等を含む反応溶液中に、固相に保持された分子を配置し、その反応溶液中に、もう一方の相方となる分子を添加することにより、標的分子と標的捕捉分子とを接触させ得る。
(1a)で標的分子−標的捕捉分子の接触を行わしめる反応溶液としては、標的分子や標的捕捉分子の性状に障害を与えず、反応溶液中で標的分子と標的捕捉分子とが自由運動的に分子同士がランダムに接触し得る場を提供するものが好適に用いられる。反応溶液の具体的組成は、標的分子、標的捕捉分子の種類に応じて適宜設計してよい。核酸、オリゴペプチド、タンパク質などの生体材料を扱う観点からは、例えば、所定のpHに調製された緩衝水溶液などを好適に用い得る。
(1b)の接触工程においては、標的分子と標的捕捉分子とで形成された標的分子−標的捕捉分子複合体に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させる。(1b)の接触工程により、複数種の候補核酸フラグメントのうちのいくつかが標的分子−標的捕捉分子複合体に結合することが期待される。候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体との結合様式は、所定の条件下で候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体とが安定的に一体をなすように結びついていればよい。候補核酸フラグメントは、後の工程に洗浄と分画が予定されるので、洗浄工程において候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体との結合が解けず、分画工程において結合が解け、分画容易な結合様式であることが好適である。核酸フラグメントは、温度条件やpH条件などにより容易に形状、性状が変化し得るので、これらの諸条件を調製することにより、好適な結合条件を設定し得る。
候補核酸フラグメントは、標的分子−標的捕捉分子複合体に対して親和性の高い分子の候補である。標的分子−標的捕捉分子複合体に対して親和性の高い分子とは、標的分子−標的捕捉分子複合体に対して吸着しやすい分子、好ましくは特異的に結合する分子である。
候補核酸フラグメントの核酸の種類、大きさ、およびその配列設計などは、結合標的となる標的分子−標的捕捉分子複合体の種類や、得ようとする核酸アプタマーの目的、例えば、医薬、薬物送達材料、および測定方法における標的検出分子など、に応じて適宜設計してよい。
核酸としては、DNA、RNAおよびこれらの複合物などがある。例えば、医薬や薬物送達目的であって、体内での分解性を重視する核酸アプタマーを探索する場合には、化学的に分解しやすいRNAを好ましい対象とし得る。他方、測定方法における標的検出分子としては、測定実験系における安定性が要求される場合があるので、化学的により安定した分子であるDNAを好ましい対象とし得る。また、候補核酸フラグメントは一本鎖であっても、二本鎖であってもよい。新規な核酸アプタマーを発見し得る確率としては、一本鎖のほうが高いものと推測される。
候補核酸フラグメントの大きさとして好ましは、例えば10bp以上、300bp以下であり、より好ましくは、20bp以上、60bp以下である。上記のような下限以上とすることで、標的分子−標的捕捉分子複合体との結合と解離を安定的に繰り返しやすい分子を得やすい。また上記のような上限以下とすることにより、取り扱いが容易である。また、上記のような範囲の大きさの核酸フラグメントに、多数種の核酸アプタマーが潜在的に存在し得るものと推定される。
(1b)の接触工程では、複数種の候補核酸フラグメントの核酸混合物が用いられる。候補核酸フラグメントの種類は、塩基配列の違いや修飾部の違いなどとして区別される。新規な核酸アプタマーの検出方法としては、ランダムな配列を有する多数の核酸フラグメントを調製することが好適である。塩基の種類は、DNAの場合、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の4種であるから、例えば20塩基のランダム配列を有する核酸フラグメントの種類としては、計算上、420種の候補核酸フラグメントを調製し得る。候補核酸フラグメントの種類の多さは操作者が適宜設計し得る。母集団としての種類が多いほど、数値計算上、新規な核酸アプタマーが見つかる可能性は高まると推測される。他方、実地に実験操作を行う観点から効率よく新規な核酸アプタマーを見いだすために、母集団をある程度絞り込んでもよい。例えば、標的分子、標的捕捉分子およびこれらの複合体についての知見などに基づき、予め設計された定常配列とランダム配列とを有する候補核酸フラグメントを設計してもよい。このように既知の情報に基づいてある程度候補核酸フラグメントの配列の種類を絞り込み得る。
また、第一実施形態において、後に核酸フラグメントを増幅する工程がある。増幅工程では、PCR(Polymerase Chain Reaction)を好適に用い得る。そのため、候補核酸フラグメントの好ましい一形態としては、PCRによる増幅を容易に行うように設計された核酸フラグメントが挙げられる。より具体的には、例えば、第一プライマー対応部、ランダム配列部、および第二プライマー対応部を備える核酸フラグメントが挙げられる。第一プライマー対応部および第二プライマー対応部がそれぞれPCRにおけるプライマーが相補的に結合し得る領域となる。プライマー対応部の配列は、PCRの設計に対応するように設計し得る。両プライマー対応部にランダム配列部が狭持されており、PCRによって増幅され得る。ランダム配列部は、上記のように、候補核酸フラグメントの多様性をもたらす領域である。ランダム配列部は、例えば、ランダム配列となるように既知の核酸合成法に従って調製し得る。また、ランダム配列の他の調製方法としては、所定の生物に存在するゲノムDNAを多数の酵素群などを用いて断片化し、核酸フラグメントの混合物としてもよい。プライマー対応部と核酸フラグメントとは、リガーゼ、ポリメラーゼ等によりライゲーションを行い結合させ得る。
(1b)の接触工程においては、反応系内に候補核酸フラグメントの混合物を添加し、候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体とを接触させる。例えば、(1a)の後、引き続き反応溶液中に、候補核酸フラグメントの混合物を添加することによって、候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体とを接触させ得る。
(1b)の接触工程で、候補核酸フラグメントと標的分子−標的捕捉分子複合体との接触を行わしめる反応溶液としては、候補核酸フラグメント、標的分子および標的捕捉分子の性状に重大な障害を与えず、候補核酸フラグメントが、標的分子−標的捕捉分子複合体に対し自由運動的にランダムに接触し得る場を提供するものが好適に用いられる。反応溶液の具体的組成は、候補核酸フラグメント、標的分子、標的捕捉分子の種類などに応じて適宜設計してよい。核酸、オリゴペプチド、タンパク質などの生体材料を扱う観点からは、例えば、所定のpHに調製された緩衝水溶液などを好適に用い得る。標的分子と標的捕捉分子としては、特異性に結合する抗原と抗体、特異的に相互作用する複数のタンパク質などを用い得る。また、標的分子−標的捕捉分子複合体は、1分子の標的分子と1分子の標的捕捉分子で形成される場合の他、複数の標的捕捉分子が含まれる場合、および複数の標的分子が含まれる場合を含み得る。
第一実施形態の一変形例としては、例えば、上記(1a)の接触工程と、上記(1b)の接触工程とを同時に行う形態が挙げられる。より具体的には、例えば、固相に保持された標的捕捉分子を含む反応溶液に、標的分子と、候補核酸フラグメントの核酸混合物を一緒に添加する形態が挙げられる。上記(1a)の接触工程と、上記(1b)の接触工程とを同時に行う形態は、工程数を減らし、より簡素化した方法とし得るという点で好ましい。
(1c)の洗浄工程では、標的分子を含む溶液を用いて、B/F分離を行う。具体的には、上記(1b)の接触工程後、標的分子−標的捕捉分子複合体と複合体を形成していない候補核酸フラグメントを、標的分子を含む溶液で洗浄して、反応系内から除去する。(1c)の洗浄工程により、初期の候補核酸フラグメントの混合物の中から、最終的な単離目的の核酸フラグメント以外の多くの候補核酸フラグメントを除外することができる。なお、本明細書において、標的分子−標的捕捉分子複合体と候補核酸フラグメントとで形成される複合体のことを、「候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体」という場合がある。当該表現は、結合順序や部位を限定する意図ではなく、単にこれら3つの因子を含む複合体であることを示すものである。
(1c)の洗浄工程で用いる洗浄溶液としては、候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体を分解せず、余剰な候補核酸フラグメントを反応系から洗い流し得る溶液を用い得る。また、洗浄溶液は、標的分子を含む。候補核酸フラグメントの中には、標的分子にのみ結合し得るものが存在する可能性がある。さらにその中には、標的分子単体に結合するのみならず、標的分子−標的捕捉分子複合体を構成している標的分子部位に結合し、複合体に結合しているわけではない候補核酸フラグメントが存在する可能性がある。第一実施形態の方法で最終的に得ようとする核酸アプタマーは、標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性の高い核酸フラグメントである。したがって、標的分子のみに結合する候補核酸フラグメントは可能な限り除去することが望ましい。そこで、第一実施形態では、洗浄工程において、標的分子を再度反応系に添加し、候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体を構成する標的分子と競合させる。このように候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体を形成させた後に、新たに標的分子を反応系に添加して競合させることにより、標的分子のみに結合する候補核酸フラグメントの数を減少させ得る。従来は、単体の標的分子に結合する候補核酸フラグメントと、標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性が高い候補核酸フラグメントとを分離することが実質困難であったが、第一実施形態により、これらの分離を容易に行い得る。
洗浄溶液としては、上記のように標的分子を含めること以外は、一般にB/F分離に用い得る洗浄溶液を用いてよい。洗浄溶液は、好ましくは水溶液であり、洗浄溶液として好ましくは、標的分子を含む、pHの調整された緩衝溶液などが挙げられる。緩衝溶液としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、HEPES緩衝液、Tris緩衝液などが挙げられる。さらに、洗浄溶液に含まれ得る他の成分としては、例えば、NaCl、MgClなどの塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(製品名:Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタート(製品名:Tween 40)、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエステル(製品名:Triton X)などの非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
洗浄溶液の組成の一例としては、例えば以下のように調製し得る。
100mM NaCl
5mM MgCL2
pH7.5 20mM Tris緩衝液
20mM HEPES緩衝液
0.1% 非イオン系界面活性剤
(1d)における分画工程では、候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体から、候補核酸フラグメントを回収する。候補核酸フラグメント−標的分子−標的捕捉分子複合体から、候補核酸フラグメントを分離させて、これを分画することにより、候補核酸フラグメントを回収し得る。候補核酸フラグメントの分離は、例えば、温度の変更、塩濃度の変更、pHの変更、フェノール処理などにより行うことができる。また、候補核酸フラグメントの分画は、設定された候補核酸フラグメントの大きさ、分子量などに基づいて、溶離溶液を調製し、この溶離溶液を反応系に通液させて、所定の大きさまたは分子量が抽出されるフラクション中に、目的とする候補核酸フラグメントを回収し得る。
(1e)の増幅工程では、(1d)で得られた候補核酸フラグメントを増幅する。増幅する方法は、核酸フラグメントの複製物を作製し得る方法であれば、特に限定なく採用し得る。核酸フラグメントの増幅方法として好ましくは、例えばPCRなどを採用し得る。PCRは、市販のPCR装置、PCRのためのキットなどを用いて実施し得る。PCRの条件は、市販の装置およびキットなどに添付のマニュアルなどを参考とし、既知の方法に従って容易に設定可能である。
(1f)の配列決定工程では、(1e)で得られた候補核酸フラグメントの塩基配列を特定する。核酸の塩基配列は、既知の方法または市販の配列分析装置等を用いて容易に決定し得る。配列を特定することにより、目的とする核酸アプタマーの配列が特定される。
第一実施形態のスクリーニングによりひとたび所望の核酸アプタマーが特定された後は、所望の核酸アプタマーは容易に増産することができる。得られた核酸アプタマーの増産は、例えば、核酸合成装置を用いても良いし、PCR装置を用いても良い。あるいは、得られた核酸アプタマーを、他の核酸に組換体として組み込み、これを微生物などの細胞に導入し、その細胞を増殖させて増やしてもよい。
次に、第一実施形態の具体的な一適用例として、標的分子が抗原であり、標的捕捉分子が抗体である形態について、図2を参照しつつ説明する。本適用例では、標的捕捉分子として抗体20、標的分子として抗原30、候補DNAフラグメント50、51、53として、全長およそ100bpのDNA断片群が用いられる。個々の候補DNAフラグメントは、長さ約60pbのランダムな塩基配列からなるラインダム領域と、その両端にそれぞれ設けられた、長さ20bp程度のPCR用のプライマー対応領域とを備える。ランダム領域の相違により、複数の候補DNAフラグメント群が構築されている。これらのフラグメントは、主としてランダム配列の相異に依存して、反応溶液中にてそれぞれが異なる立体的構造をとり得る。
まず反応系の準備段階(P1)として、抗体20がガラスビーズ10の表面に固定される。抗体20が固定されたガラスビーズ10は、反応溶液が含まれた反応容器内に導入される。その後、反応溶液に抗原30を添加する(I−1a)。抗原30は抗体20に捕捉され、抗原抗体複合体40を形成する。次に、複数種の候補DNAフラグメント50、51、および53が含まれているDNA混合物を反応溶液中に添加する(I−1b)。候補DNAフラグメントのうち、候補DNAフラグメント50は、抗原抗体複合体40に対し親和性が高く、抗原抗体複合体40に特異的に吸着してDNAフラグメント50−抗原30−抗体20で構成される複合体が形成される。候補DNAフラグメントのうち、候補DNAフラグメント51は抗原30に対して親和性が高い。候補DNAフラグメント51は、抗原51の単体、および抗原抗体複合体を構成している抗原30の双方に吸着し得る。その他の候補DNAフラグメント53は、その形状あるいは化学的な性状によって、抗原51、抗原抗体複合体40のいずれにも結合せず、反応溶液中に遊離した状態で存在する。
候補DNAフラグメント50、51、53と抗原抗体複合体40とを接触させた後、抗原30を含む洗浄溶液を用いて、夾雑成分を洗い流す(I−1c−1からI−1c−2)。図2の(I−1c−1)は洗浄溶液が添加された状況を示している。洗浄溶液には抗原30が含まれているため、反応系内には抗原30リッチな状況となる。そのため、抗体20に吸着していた抗原30と、新たに追加された抗原30との間に競合状態が生じ、抗原30単体に対する親和性の高い候補DNAフラグメント51の多くが抗体20から解離し、候補DNAフラグメントと抗原との複合体が形成される。洗浄溶液でガラスビーズ10を洗浄することにより、最終的に(I−1c−2)に示すように、反応系には候補DNAフラグメント50−抗原30−抗体20複合体が残存する。その後、反応溶液の温度を90℃程度に上昇してインキュベートし、候補DNAフラグメント50を抗原抗体複合体40から解離させる(I−1d)。解離した候補DNAフラグメント50を分画して回収する(不図示)。分画物中には、抗原抗体複合体40に対し親和性が高い分子が濃縮されている。また、分画物中からは、抗原30単体に対し親和性の高い分子の多くは除去されている。
その後、回収された候補DNAフラグメントをPCRにて増幅し、得られた候補DNAフラグメントに含まれているランダム配列の塩基を特定する(不図示)。特定されたランダム配列を新規なDNAアプタマーとして特定する。得られた新規なDNAアプタマーは、抗原抗体複合体40に対し親和性が高い分子である。得られたDNAアプタマーに蛍光物質などの標識物質を付加することによって、抗原抗体反応を検出するプローブとして用い得る。このプローブは、抗原抗体複合体に対する親和性が高いことから、当該プローブを採用することにより、複合体形成工程や洗浄工程を簡素化したサンドイッチ方式の測定実験系を構築し得る。
2.本発明のスクリーニング方法の第二実施形態
次に本発明のスクリーニング方法の第二実施形態について、図3を参照しつつ、説明する。第一実施形態と同じ操作については説明を省略し、主に第一実施形態と異なる点について説明する。
第二実施形態は、標的分子と標的捕捉分子との接触工程(2a)、標的分子−標的捕捉分子複合体と、候補核酸フラグメントの核酸混合物との接触工程(2b)、洗浄工程(2c)、分画工程(2d)、増幅工程(2e)および、配列決定工程(2f)を含む。第二実施形態では、まず(2a)の接触工程から(2e)の増幅工程が、上記第一実施形態と同様にして実施される。第二実施形態においては、(2e)の増幅工程の後、(2b)の接触工程へと戻り、再び(2b)の接触工程から(2e)の増幅工程を繰り返す。すなわち、第二実施形態では、(2b)の接触工程から(2e)の増幅工程で得られた候補核酸フラグメントの分画物を、新たな核酸混合物として用いる。新たな核酸混合物は前回用いられた核酸混合物よりも、目的とする候補核酸フラグメントの濃度が高い。そのため、(2b)の接触工程から(2e)の増幅工程を所定の回数繰り返すことにより、目的とする核酸アプタマーを高純度に濃縮していくことができる。繰り返しの回数は、適宜定めて良いが、好ましくは3回以上、20回以下、より好ましくは5回以上、16回以下、より好ましくは8回以上、11回以下である。十分に濃縮した分画物を得た後、配列を特定する(2f)。
3.本発明のスクリーニング方法の第三実施形態
次に本発明のスクリーニング方法の第三実施形態について、図4を参照しつつ、説明する。第一実施形態または第二実施形態と同じ操作については説明を省略し、主にこれらの実施形態と異なる点について説明する。
第三実施形態は、標的分子と標的捕捉分子との接触工程(3a)、標的分子−標的捕捉分子複合体と、候補核酸フラグメントの核酸混合物との接触工程(3b)、洗浄工程(3c)、分画工程(3d)、増幅工程(3e)および、配列決定工程(3f)と、さらに核酸混合物のネガティブスクリーニング工程(3ns)を含む形態である。第三実施形態としては、第一実施形態または第二実施形態に、核酸混合物のネガティブスクリーニング工程(3ns)を加えた形態を採用し得る。より具体的には、第三実施形態では、第一実施形態における接触工程(1b)において、核酸混合物として、ネガティブスクリーニング工程(3ns)で得られた核酸混合物を用いて接触工程を行う(3b)。さらに他の変形例として、第三の実施形態では、第二実施形態における一週目の接触工程(2b)において、ネガティブスクリーニング工程(3ns)で得られた核酸混合物を用いて接触工程を行う(3b)。
ネガティブスクリーニング工程(3ns)は、核酸混合物の中に含まれる候補核酸フラグメントのうち、所望の核酸アプタマーとはなり得ない核酸フラグメント(ネガティブ分子)を予め減らす操作を行う。ネガティブスクリーニング工程(3ns)としては、例えば以下のような第一から第三のネガティブスクリーニングが挙げられる。
第一のネガティブスクリーニングでは、固相と当該固相に保持された標的捕捉分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、固相および/または標的捕捉分子に吸着しなかった候補核酸フラグメントの混合物を採取する。採取された混合物は、固相および/または標的捕捉分子に吸着しやすい分子が減少した核酸フラグメントの混合物である。標的捕捉分子の固相への保持様式としては、例えば、共有結合、イオン結合、水素結合、および電気的な吸着などの化学的な結合による保持、並びに形状依存的な係合などの物理的な保持などが挙げられる。
第一のネガティブスクリーニングのより具体的形態としては、例えば、抗体などの標的捕捉分子を保持したガラスビーズを反応容器中に充填し、候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を反応容器内をゆっくりと通液させることにより、固相や標的捕捉分子単体に結合してしまう候補核酸フラグメントを減らした核酸混合物を調製し得る。ネガティブスクリーニング工程により得られた核酸混合物を用いて、(3b)の接触工程を行うことにより、所望の核酸アプタマーが標的捕捉分子と接触する確率を高めることができ、新規な核酸アプタマーを得る可能性を高めることができる。第一のネガティブスクリーニングは数回繰り返してもよい。図4中、破線は任意の複数回繰り返してもよいことを示す。第一のネガティブスクリーニングを、繰り返すことにより、より精製した核酸混合物を調製し得る。
第二のネガティブスクリーニングでは、固相と固相に保持された標的分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、固相および/または標的分子に吸着しなかった候補核酸フラグメントの混合物を採取する。その他は、第一のネガティブスクリーニングと同様に実施し得る。
また、第三のネガティブスクリーニングでは、固相と固相に保持された標的分子の類似分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、固相および/または標的分子の類似分子に吸着しなかった候補核酸フラグメントの混合物を採取する。標的分子の類似分子は、その類似性から候補核酸フラグメントがこれに吸着してしまい、真に目的とする核酸アプタマーが存在しない場合であったとしても、疑似陽性を呈してしまう原因となり得る。標的分子の類似分子を除くことにより、所望の核酸アプタマーを効率よくスクリーニングし得る。類似分子とは、候補核酸フラグメントが親和性を示し得るような化学的、物理的または構造的な特性を有する分子を含む。その他は、第一のネガティブスクリーニングと同様に実施し得る。
さらに第三実施形態の他の変形例として、上記第一から第三のネガティブスクリーニングの2種または3種を組み合わせて実施してもよい。
以下、本発明の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明が下記実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
下記の要領により、抗原抗体複合体に対する核酸フラグメントの結合定数を求め、抗原抗体複合体を特異的に認識できるアプタマーの検出を行った。実施例1として、甲状腺刺激ホルモン(以下、TSH)と抗TSH抗体の複合体に特異的に結合するアプタマーのスクリーニングを、図5を参照しつつ、説明する。
ステップ(S1)として、DNAランダムライブラリーを次のようにして作製した。スクリーニングに用いたライブラリーは、ランダムな配列を有する中間領域の両端にプライマーとなる一定配列を有する一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドの混合物を調製した。具体的には、表1に示すように、個々のオリゴデオキシヌクレオチドは、全長が77mer(77塩基)であり、23merの一定配列を有する5’末端のプライマー領域と、24merの一定配列を有する3’末端のプライマー領域と、その中間に30merのランダムな塩基配列を有するランダム領域を備える(配列番号1)。また、一次選別に用いるライブラリー全体としては、1015種程度の異なる配列を含む混合物である。なお、表1中、Nは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン又はウラシル(TまたはU)のうちの任意のいずれかの塩基であることを示し、[N×30]は、Nが30mer連なることを示す。
Figure 2009195187
ステップ(S2)として、一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドのライブラリーを二本鎖化するためにPCRを行った。PCRに用いたプライマーはT7 Promoter領域を含んだLib−Fプライマー、及びLib−Rプライマーを用いた。その配列は以下表2に示す。ポリメラーゼにはKOD−plus−(TOYOBO社製)を用い、キットの添付資料に従い実験操作を行った。
Figure 2009195187
ステップ(S3)およびステップ(S4)として、核酸の種類の特定および核酸種の変換を行った。本実施例1で調製しようとするアプタマーは、RNAアプタマーであるため、転写を行った(ステップ(S4))。転写には先に作製した二本鎖DNAライブラリーをテンプレートとして用い、in vitro Transcription T7 Kit (for siRNA Synthesis、TaKaRa社製)を用い、キットの添付資料に従い実験操作を行った。得られたRNAフラグメントの混合物を、RNAライブラリーとした。
ステップ(S5)として、上記ステップ(S4)で作製したRNAライブラリーから、抗体単体及び磁性ビーズに対して結合するRNAを取り除くための操作を、次のようにして行った。抗TSH抗体を共有結合させた磁性ビーズ(Olympus社製)をSelection Buffer 1(50 mM Tris、pH 7.5、200mM NaCl、5 mM MgCl、1mM DTT)により3回洗浄した。3回洗浄後、TSH抗体を共有結合させた磁性ビーズと、Selection Buffer 1 90μlと、RNAライブラリー10μlとを混ぜ合わせ、37℃で1時間インキュベートした。
ステップ(S6)として、上記インキュベート後、ネオジウム磁石により磁性ビーズを集磁しながら、結合しなかったRNAを含む上清を取得した。
ステップ(S7)として、ステップ(S6)で得られた上清から、抗原抗体複合体にのみ結合するアプタマーを選択するための操作を次のようにして行った。まず抗体結合磁性ビーズに対してTSH抗原(Olympus社製)を添加し、37℃で30 minインキュベートした。ネオジウム磁石によりビーズを集磁しながら、Selection Buffer 1によって3回洗浄し、ステップ(S6)で得られたRNA上清を加え、抗原提示ビーズとライブラリー中の核酸フラグメントとの複合体形成をさせるため、37℃で1時間インキュベートした。
ステップ(S8)およびステップ(S9)として、ネオジウム磁石によりビーズを集磁しながら、Selection Buffer 1により4回洗浄し、さらにSelection Buffer 2(50mM Tris、pH 7.5、200mM NaCl、5mM MgCl、1mM DTT、抗原TSH 100nmol/L)によって1回洗浄した。
ステップ(S10)として、ビーズに精製水を10μl加え、95℃で10minインキュベートして、核酸フラグメントを遊離させ、抗原抗体複合体に選択的に結合するRNAを回収した。
ステップ(S11)およびステップ(S12)として、得られたRNAを二本鎖DNAとするために逆転写反応を行った。逆転写酵素には、PrimeScript RT−PCR Kit(TaKaRa社製)に付属の酵素を用い、キットの添付資料にしたがって実験操作を行った。
ステップ(S13)として、ステップ(S11)で調製された二本鎖DNAをPCRにより増幅した。PCRの条件は、ステップ(S2)と同様とした。
上記ステップ(S3)からステップ(S13)のサイクルを10回繰り返した。10回サイクルにて当該サイクルの完了とし(ステップ(S14))、抗原抗体複合体にのみ結合するアプタマーのライブラリーを得た。
ステップ(S15)として、上記のようにしてアプタマーの配列を次のようにして解析した。得られたライブラリ中のアプタマーから、任意に4種のアプタマー(サンプルNo.5、15、17、および28)を選択した。選択したアプタマーを、プラスミド法によりE.coli中に形質導入してモノクローン化し、大量増幅した後、塩基配列決定した。決定された塩基配列に基づいて合成したRNAを用いて、ゲルシフトアッセイを行い、その結果から、得られたRNAの抗原抗体複合体に対する解離定数を算出した(表3)。
Figure 2009195187
ゲルシフトアッセイの結果から、アプタマーの抗原及び抗原抗体複合体に対する解離定数を算出した。表3に示されるとおり、得られた全てのアプタマーは、抗原抗体複合体に対する解離定数が顕著に低かった。すなわち、この結果は、得られた全てのアプタマーは、抗原抗体複合体に対する結合活性が高い一方で、他の標的に対する結合活性は低いことを示す。したがって、本実施例1で得られたアプタマーが、抗原抗体複合体のみに対し高い結合活性を持っていることが確認された。
以上のように、本発明は、所望の核酸アプタマーをスクリーニングするために有用である。
第1実施形態のスクリーニング方法の工程図である。 第1実施形態のスクリーニング方法の一部工程における反応の様子を模式的に表した図である。 第2実施形態のスクリーニング方法の工程図である。 第3実施形態のスクリーニング方法の工程図である。 実施例1のスクリーニング方法の工程図である。
符号の説明
10 固相
20 抗体
30 抗原
40 抗原抗体複合体
50 DNAアプタマー(抗原抗体複合体40に吸着する)
51 DNAアプタマー(抗原30に吸着する)
53 候補DNAフラグメント

Claims (11)

  1. 標的分子と当該標的分子が特異的に結合する標的捕捉分子の複合体である標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性の高い核酸アプタマーを検出する方法であって、
    (a)固相と当該固相に保持された前記標的捕捉分子を備える反応系に前記標的分子を添加し、前記標的分子と前記標的捕捉分子とを接触させ、
    (b)前記標的分子と前記標的捕捉分子とで形成される標的分子−標的捕捉分子複合体に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、
    (c)前記(b)の後、標的分子−標的捕捉分子複合体と複合体を形成していない候補核酸フラグメントを、前記標的分子を含む溶液で洗浄して除去し、
    (d)前記(c)の洗浄後、反応系内に残存している、前記標的分子−標的捕捉分子複合体に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを分画し、
    (e)分画して回収された候補核酸フラグメントを増幅し、
    (f)増幅された候補核酸フラグメントの塩基配列を決定する、
    ことを含む核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  2. 固相と当該固相に保持された標的捕捉分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第一のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、請求項1に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  3. 固相と当該固相に保持された標的分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを、前記核酸混合物から除去する第二のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、請求項1に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  4. 固相と当該固相に保持された標的分子の類似分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第三のネガティブスクリーニングを行い、前記固相および/または標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントが除去された核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、請求項1に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  5. 固相と当該固相に保持された標的捕捉分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的捕捉分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第一のネガティブスクリーニング、
    固相と当該固相に保持された標的分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを前記核酸混合物から除去する第二のネガティブスクリーニング、および
    固相と当該固相に保持された標的分子の類似分子に、複数種の候補核酸フラグメントを含む核酸混合物を接触させ、前記固相および/または前記標的分子の類似分子に対し親和性の高い候補核酸フラグメントを、前記核酸混合物から除去する第三のネガティブスクリーニングからなる群より選ばれる2種以上のネガティブスクリーニングを行って核酸混合物を調製し、当該調製された核酸混合物を用いて前記(b)の接触を行う、請求項1に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  6. 前記(e)で増幅された候補核酸フラグメントの混合物を新たな核酸混合物として、前記(b)から(e)を繰り返す、請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  7. 前記(b)から(e)を、5回以上、20回以下繰り返す、請求項6に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  8. 前記候補核酸フラグメントが、デオキシリボ核酸である、請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  9. 前記標的分子の質量が1000ダルトン以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  10. 前記標的捕捉分子が抗体であり、前記標的分子が抗原である、請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
  11. 前記抗原の質量が1000ダルトン以下である、請求項10に記載の核酸アプタマーのスクリーニング方法。
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