JP2009182415A - 映像信号変換装置,映像表示装置,映像信号変換方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一次映像信号V1におけるRGB各原色の輝度信号の全てが出力範囲内であればそのまま二次映像信号として出力し(S3),そうでなければ,Ycbcr色空間の座標系での出力可能色域範囲を表す立方体状の領域において,一次映像信号のYcbcr換算信号の位置から最も近い位置に相当する色のRGB映像信号を二次映像信号V2として出力する(S6,S10,S12)。
【選択図】図2
Description
ところで,映像表示装置に入力される映像信号(以下,入力映像信号という)若しくはその入力映像信号に対して既知の色域変換処理を施した映像信号である入力側映像信号により表現可能な色域が,映像表示部により再現可能(表示可能)な色域と一致する場合,前記入力側映像信号の信号値を前記出力側映像信号として採用すれば,映像表示部により前記入力映像信号に対応した映像(色)が表示される。
一方,前記入力側映像信号により表現可能な色域が,映像表示部により再現可能(表示可能)な色域から外れている場合(映像表示部の色域よりも広い場合等),前記入力側映像信号の信号値は前記出力範囲から外れた値をとり得ることとなり,それを前記出力側映像信号として採用することができない場合が生じる。例えば,映像表示部の色域に対応する映像信号の3原色の値の範囲(前記出力範囲)が0〜1であるのに対し,前記入力側映像信号の信号値が負の値となる場合や1を超える値となる場合があり,そのような場合には,前記入力側映像信号を,信号値が前記出力範囲に収まる前記出力側映像信号へ変換しなければならない。このような状況としては,例えば,前記入力側映像信号がIEC 61966−2−4規格(通称,xvYCC規格)やIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号であるのに対し,前記出力側映像信号がITU−R BT.709規格に準拠した映像信号である状況が考えられる。
ここで,前記入力側映像信号の信号値が前記出力範囲から外れている場合の信号変換方法としては,最も簡易な方法として,前記入力側映像信号の信号値に前記出力範囲でのクリップ処理(リミッタ処理といってもよい)を施すことによって前記出力側映像信号に変換する処理が考えられる。
また,特許文献1には,出力系の色域(映像表示部の色域に相当)が入力系の色域(前記入力側映像信号の色域に相当)よりも小さい場合に,入力系の色域を明度及び彩度の2次元平面上において領域分割し,分割領域ごとに色相を一定にしつつ色域の圧縮(信号値の圧縮)を行うことについて示されている。
また,特許文献2には,L*a*b*色空間におけるある平面内において,目的範囲外の入力側の映像信号を目的範囲内の出力側の映像信号に変換することについて示されている。このように,L*a*b*色空間におけるある平面内,即ち,色相が一定の平面内において信号変換を行うと,入力信号と出力信号との間で色相が維持される。
また,特許文献1に示されるように,前記入力側映像信号を色域圧縮によって前記出力側映像信号に変換した場合も,前記入力側映像信号における色味が前記出力側映像信号にほとんど反映されず,元の色とは全く色味の異なる映像が表示されてしまうという問題点があった。
また,視覚を通じた色の感じ方(色感)は,輝度(明るさ),彩度及び色相の全体のバランスにより定まるのに対し,特許文献2に示される技術では,入力信号と出力信号との間において,色相が維持される分だけ輝度(明るさ)や彩度が大きく異なる場合がある。そのため,特許文献2に示される技術によれば,元の色とは大きく色感の異なる映像が表示されてしまう場合があるという問題点があった。さらに,特許文献2に示される技術は,入力側の映像信号の色相に応じてL*a*b*色空間におけるある平面を三角関数等を用いて特定する処理を実行し,さらにその処理ごとに入力映像信号から出力映像信号への変換処理を実行する必要があり,演算負荷が高くなるという問題点があった。
(1−1)前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の全てが前記出力範囲内である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手段。
(1−2)前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手段。
(1−3)前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の1つ以上が前記出力範囲外である場合に,Ycbcr色空間の座標系での予め定められた立方体状の領域における前記Ycbcr一次信号の位置から最も近い位置,に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する最短距離位置信号出力手段。
(2−1)前記一次映像信号が,そのRGB各原色の信号の値が前記出力範囲内であるか前記出力下限値未満であるか前記出力上限値より大きいかの3状態のいずれであるかによって区分される27通りの信号状態のいずれであるかを判別する一次映像信号状態判別手段。
(2−2)前記一次映像信号が前記27通りの信号状態のうちRGB各原色の信号の値の全てが前記出力範囲内である出力可能信号状態である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手段。
(2−3)前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手段。
(2−4)前記一次映像信号が前記出力可能信号状態以外の26通りの信号状態のいずれかである場合に,Ycbcr色空間の座標系での予められた立方体状の領域の輪郭を形成する8つの頂点,12本の辺及び6つの面の中から,予め定められた対応関係に従って前記一次映像信号の信号状態に対応する1つの頂点,1本の辺又は1つの面を選択する頂点・辺・面選択手段。
(2−5)前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの頂点が選択された場合に,該1つの頂点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する頂点対応信号出力手段。
(2−6)前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの辺が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの辺上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する辺対応信号出力手段。
(2−7)前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの面が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの面上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する面対応信号出力手段。
なお,前記立方体状の領域は,RGB各原色の信号が前記出力範囲内の信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域である。
以下,前記(1−1)〜(1−3)に示される構成要件によって特定される発明を第1発明,前記(2−1)〜(2−7)に示される構成要件によって特定される発明を第2発明と称する。
本発明(前記第1発明又は前記第2発明)によれば,前記一次映像信号の信号値の全てが前記出力範囲内である場合,その一次映像信号がそのまま前記二次映像信号となるため,前記一次映像信号が表す本来の色が前記映像表示手段によって正しく再現(表示)される。
また,本発明によれば,前記一次映像信号における3つの信号値のうちの1つ以上が前記出力範囲外である場合,Ycbcr色空間における前記一次映像信号の色から前記二次映像信号の色へのシフト量が最小となる。即ち,Ycbcr空間の座標系における前記一次映像信号の色の位置から前記二次映像信号の色の位置への移動距離が最短となる。その結果,前記一次映像信号の色と前記二次映像信号の色との間で,輝度(Y)及び色味(cb,cr)を総合した色感が極力近くなるように映像信号の変換が行われる。
また,前記第2発明によれば,信号値の大小判別や,座標空間における直線又は面とそれに対してある点からおろした垂線との交点を求める簡易な幾何学計算(ベクトル計算)等,演算負荷の低い処理によって信号変換処理を実現できる。
また,本発明は,以上に示した本発明に係る映像信号変換装置における各手段が実行する処理をプロセッサ(演算手段或いはコンピュータといってもよい)によって実行する映像信号変換方法として捉えることもできる。
なお,前記一次映像信号の例としては,IEC 61966−2−4規格(いわゆる新動画用拡張色空間国際規格であるxvYCC)若しくはIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号や,その映像信号にガンマ処理が施された信号が考えられる。IECは,International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略である。
一方,前記二次映像信号又はその二次映像信号にガンマ処理が施された信号の例として,ITU−R BT.709規格又はITU−R BT.601−5規格に準拠した映像信号が考えられる。ITUは,International Telecommunication Union(国際電気通信連合)の略である。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る映像表示装置Zの主要部の概略構成を表すブロック図,図2は映像表示装置Zが実行する信号範囲調整処理の手順を表すフローチャート,図3はYcbcr色空間の座標系における表示可能色域を現す斜視図,図4はYcbcr色空間の座標系における表示可能色域をY軸方向から見た図,図5はYcbcr色空間の座標系における表示可能色域をY軸に直交する方向からみた図,図6は一次映像信号の状態とYcbcr色空間における表示可能色域範囲の立方体の頂点・辺・面それぞれとの対応関係を表す図である。
前記ディスプレイ3は,RGB各原色の信号(R信号,G信号及びB信号)からなる映像信号が入力され,その映像信号に基づく映像を表示する液晶ディスプレイやCRT等のデバイスである。このディスプレイ3に入力される映像信号(RGB信号)は,例えば,ITU−R BT.709規格やITU−R BT.601−5規格に準拠したRGB信号等であり,予め定められた出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで(ここで,Smin<Smax)の範囲(以下,出力範囲Wという)の値をとり得るRGB各原色の信号からなる映像信号(以下,二次映像信号V2という)である。なお,前記二次映像信号V2は,前記ディスプレイ3により表示可能(再現可能)な色域内の色と対応するように,信号値(RGB3原色の信号の値)が前記出力範囲W(例えば,0〜255或いは0〜1等)内で正規化された映像信号である。
そして,映像表示装置Zには,前記ディスプレイ3が表示(再現)可能な色域よりも広く拡張された色域を表現可能な映像信号が入力される。この映像信号のことを,以下,入力映像信号V0という。
前記映像信号変換装置Qは,外部から入力される前記入力映像信号V0を,RGB信号(RGB各原色の信号からなる映像信号,以下,一次映像信号V1という)に変換するとともに,さらに,その一次映像信号V1を,前記ディスプレイ3に入力される前記二次映像信号V2(前記出力範囲Wの値をとり得るRGB各原色の信号からなる映像信号)へ変換する処理を実行するものである。
なお,前記映像信号変換装置Qが備える各構成要素は,前段の構成要素がメモリに記録した信号値(信号処理の結果)を,後段の構成要素がそのメモリから読み出して参照することにより,処理結果(信号値)の受け渡しを行う。
また,映像信号変換装置Qは,例えば,前記一次映像信号V1や前記二次映像信号V2にガンマ処理(ガンマ補正)を施すガンマ処理部等,図1には示されていない他の構成要素も備えているが,ここでは説明を省略する。
そして,前記ディスプレイ3の色域(前記入力映像信号V0により表現可能な色域)よりも前記入力映像信号V0により表現可能な色域の方が広いため,前記一次映像信号V1は,前記出力範囲W(出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで)を一部に含む拡張範囲W’の信号値をとり得るRGB信号(RGB各原色の信号からなる映像信号)となる。
なお,IEC 61966−2−4規格及びIEC 61966−2−1規格において,各規格に準拠したYUV信号やYcbcr信号を同規格に準拠したRGB信号に変換する規則(変換式)が規定されており,前記RGB信号生成部1は,その規則(変換式)に従った信号変換処理を行う。このため,前記入力映像信号V0が,IEC 61966−2−4規格,或いはIEC 61966−2−1規格に準拠したYUV信号やYcbcr信号等の映像信号である場合,前記一次映像信号V1も,IEC 61966−2−4規格,或いはIEC 61966−2−1規格に準拠したRGB信号となる。
図3,図4に示すように,前記表示可能色域範囲Voは,Ycbcr色空間の座標系において立方体状の範囲となる。即ち,図3,図4に示される立方体状の領域(表示可能色域範囲Vo)は,RGB各原色の信号が前記出力範囲内Wの信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域である。
なお,図3において破線で表された辺は,斜視方向から見て裏側にある辺であることを表す。
ここで,前記表示可能色域範囲Voの輪郭は,立方体であるので,8つの頂点Q1〜Q8と,12本の辺(Q1−Q2,Q1−Q3,Q1−Q4,Q2−Q7,Q2−Q8,Q3−Q6,Q3−Q8,Q4−Q6,Q4−Q7,Q5−Q6,Q5−Q7,Q5−Q8)と,6つの面F1〜F6とを有している。ここで,頂点Q1及び頂点Q5は,Y軸上に位置し,頂点Q1が前記表示可能色域範囲Voにおける最大輝度(白色)の位置,頂点Q5が前記表示可能色域範囲Voにおける最小輝度(黒色)の位置である。
ここで,前記一次映像信号V1(RGB信号)をYcbcr色空間の映像信号に換算(変換)して得られるYcbcr映像信号(以下,Ycbcr一次信号という)が,Ycbcr色空間の座標系において前記表示可能色域範囲Voの外側に位置する場合,その一次映像信号V1は,そのままでは前記ディスプレイ3に対する入力信号として採用することができない。図4には,前記Ycbcr一次信号の位置Pi(座標(Iy,Icb,Icr))の一例が表されている。なお,図4に示されるθは,前記Ycbcr一次信号の色相を表す角度(θ=tan-1(Icr/Icb))である。
Ycbcr色空間の座標系(3次元空間)において,立方体状の前記表示可能色域範囲Voの外側の前記Ycbcr一次信号の位置Piから最短となる前記表示可能色域範囲Vo上の位置は,その範囲Voを形成する立方体の頂点の位置か,その立方体のいずれかの辺と前記位置Piからその辺への垂線との交点の位置か,或いはその立方体のいずれかの面と前記位置Piからその面への垂線との交点の位置かのいずれかである。
図5には,Ycbcr色空間の座標系において,前記表示可能色域範囲Voの外側の前記Ycbcr一次信号の位置P1,P2,P3から最短となる前記表示可能色域範囲Vo(立方体)上の位置が,その立方体の面F1と前記位置P1からその面F1への垂線との交点の位置P1’である場合,その立方体の辺Q5−Q7と前記位置P2からその辺Q5−Q7への垂線との交点の位置P2’である場合,及びその立方体の頂点Q1の位置である場合の例が示されている。
ここで,前記一次映像信号V1のRGB各原色の信号の値を(Ir,Ig,Ib)とする。また,便宜上,前記一次映像信号V1のRGB各原色の信号の値(Ir,Ig,Ib)それぞれについて,それが前記出力範囲W内である状態を「中」,前記出力下限値Smin未満である状態を「小」,前記出力上限値Smaxより大きい状態を「大」と称する。
前記一次映像信号V1の状態は,RGB各原色の信号の値(Ir,Ig,Ib)それぞれが「中」であるか「小」であるか「大」であるかの3状態の組合せによって27通りの信号状態(信号パターン)に区分される。
そして,前記一次映像信号V1の信号状態が,信号値(Ir,Ig,Ib)の全てが「中」であるときを除く残りの26パターンのいずれであるかが特定されれば,その一次映像信号V1を基点とした前記表示可能色域範囲Voの立方体における最短位置Pi’の存在部分(頂点,辺,面)を特定できる。即ち,前記一次映像信号V1の26パターンの信号状態それぞれと,前記表示可能色域範囲Voの立方体における最短位置Pi’の存在部分(8つの頂点,12本の辺及び6つの面:合計26の部分)それぞれとが1対1で対応する。
図6は,図3に示したYcbcr色空間に関し,前記一次映像信号V1の26パターンの信号状態それぞれと,前記表示可能色域範囲Voの立方体における最短位置Pi’の存在部分(頂点,辺,面)それぞれとの対応関係を表す図である。
まず,前記信号範囲調整部2は,入力された前記一次映像信号V1が,そのRGB各原色の信号の値(Ir,Ig,Ib)が前記出力範囲W内「中」であるか,前記出力下限値Smin未満「小」であるか,前記出力上限値Smaxより大きい「大」であるかの3状態のいずれであるかによって区分される27パターンの信号状態のいずれであるかを判別する(S1,一次映像信号状態判別手段の一例)。
次に,前記信号範囲調整部2は,前記27パターンの信号状態のうちRGB各原色の信号の値(Ir,Ig,Ib)の全てが前記出力範囲W内であるパターン0(出力可能信号状態)であるか否かを判別する(S2)。
さらに,前記信号範囲調整部2は,前記一次映像信号V1の信号状態が前記パターン0であると判別した場合,前記一次映像信号V1と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号V2を出力する(S3,無変換信号出力手段の一例)。
これにより,前記一次映像信号V1の信号値(Ir,Ig,Ib)の全てが前記出力範囲W内である場合,その一次映像信号V1がそのまま前記二次映像信号V2となるため,前記一次映像信号V1が表す本来の色が前記ディスプレイ3によって正しく表示される。
次に,前記信号範囲調整部2は,ステップS4において1つの頂点を選択した場合,その1つの頂点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を前記二次映像信号V2として出力する(S6,頂点対応信号出力手段の一例)。なお,前記頂点Q1〜Q8それぞれに対応するRGBの信号値は既知であるので,前記信号範囲調整部2の記憶部に予め記憶させておけばよい。
さらに,前記信号範囲調整部2は,その位置Pi’のYcbcr映像信号をRGB各原色の信号に換算し,得られたRGB映像信号を前記二次映像信号V2として出力する(S10)。なお,ステップS9,S10の処理を実行する前記信号範囲調整部2が,前記辺対応信号出力手段の一例である。
ここで,Ycbcr映像信号(Oy,Ocb,Ocr)からRGB映像信号(Or,Og,Ob)への換算式(A2)は次の通りである。
さらに,前記信号範囲調整部2は,その位置Pi’のYcbcr映像信号を前記(A2)式に基づいてRGB各原色の信号に換算し,得られたRGB映像信号を前記二次映像信号V2として出力する(S12)。なお,ステップS11,S12の処理を実行する前記信号範囲調整部2が,前記面対応信号出力手段の一例である。
そして,前記信号範囲調整部2は,以上に示した処理を,1フレーム分の前記一次映像信号V1ごとに繰り返し実行する。
なお,3次元空間において,既知の辺(即ち,直線)や既知の面と,基地の点の位置Piからそれら辺又は面におろした垂線との交点は,周知のベクトル計算(内積や外積の計算)によって容易に算出することができる。
また,前記信号範囲調整部2の処理は,信号値の大小判別や,座標空間における直線又は面とそれに対してある点からおろした垂線との交点を求める簡易な幾何学計算(ベクトル計算)等,演算負荷の低い処理によって信号変換処理を実現できる。
Q :映像信号変換装置
Vo:Ycbcr空間における表示可能色域の範囲
1 :RGB信号生成部
2 :信号範囲調整部
3 :ディスプレイ
S1,S2,…:処理手順(ステップ)
Claims (5)
- 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の信号からなる一次映像信号を,所定の映像表示手段に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の信号からなる二次映像信号へ変換して出力する映像信号変換装置であって,
前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の全てが前記出力範囲内である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手段と,
前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手段と,
前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の1つ以上が前記出力範囲外である場合に,Ycbcr色空間の座標系での予め定められた立方体状の領域における前記Ycbcr一次信号の位置から最も近い位置,に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する最短距離位置信号出力手段と,を具備し,
前記立方体状の領域が,RGB各原色の信号が前記出力範囲内の信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域であることを特徴とする映像信号変換装置。 - 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の信号からなる一次映像信号を,所定の映像表示手段に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の信号からなる二次映像信号へ変換して出力する映像信号変換装置であって,
前記一次映像信号が,そのRGB各原色の信号の値が前記出力範囲内であるか前記出力下限値未満であるか前記出力上限値より大きいかの3状態のいずれであるかによって区分される27通りの信号状態のいずれであるかを判別する一次映像信号状態判別手段と,
前記一次映像信号が前記27通りの信号状態のうちRGB各原色の信号の値の全てが前記出力範囲内である出力可能信号状態である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手段と,
前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手段と,
前記一次映像信号が前記出力可能信号状態以外の26通りの信号状態のいずれかである場合に,Ycbcr色空間の座標系での予められた立方体状の領域の輪郭を形成する8つの頂点,12本の辺及び6つの面の中から,予め定められた対応関係に従って前記一次映像信号の信号状態に対応する1つの頂点,1本の辺又は1つの面を選択する頂点・辺・面選択手段と,
前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの頂点が選択された場合に,該1つの頂点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する頂点対応信号出力手段と,
前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの辺が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの辺上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する辺対応信号出力手段と,
前記頂点・辺・面選択手段により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの面が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの面上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する面対応信号出力手段と,を具備し,
前記立方体状の領域が,RGB各原色の信号が前記出力範囲内の信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域であることを特徴とする映像信号変換装置。 - 請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号変換装置及び該映像信号変換装置により出力された前記二次映像信号に基づく映像を表示する映像表示手段を具備してなることを特徴とする映像表示装置。
- 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の信号からなる一次映像信号を,所定の映像表示手段に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の信号からなる二次映像信号へ変換して出力する映像信号変換方法であって,
所定のプロセッサにより,
前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の値の全てが前記出力範囲内である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手順と,
前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手順と,
前記一次映像信号におけるRGB各原色の信号の値の1つ以上が前記出力範囲外である場合に,Ycbcr色空間の座標系での予め定められた立方体状の領域における前記Ycbcr一次信号の位置から最も近い位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する最短距離位置信号出力手順と,を実行してなり,
前記立方体状の領域が,RGB各原色の信号が前記出力範囲内の信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域であることを特徴とする映像信号変換方法。 - 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の信号からなる一次映像信号を,所定の映像表示手段に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の信号からなる二次映像信号へ変換して出力する映像信号変換方法であって,
所定のプロセッサにより,
前記一次映像信号が,そのRGB各原色の信号の値が前記出力範囲内であるか前記出力下限値未満であるか前記出力上限値より大きいかの3状態のいずれであるかによって区分される27通りの信号状態のいずれであるかを判別する一次映像信号状態判別手順と,
前記一次映像信号が前記27通りの信号状態のうちRGB各原色の信号の値の全てが前記出力範囲内である出力可能信号状態である場合に,前記一次映像信号と同じRGB各原色の信号からなる前記二次映像信号を出力する無変換信号出力手順と,
前記一次映像信号を該一次映像信号に対応するYcbcr色空間における映像信号であるYcbcr一次信号に換算する一次信号換算手順と,
前記一次映像信号が前記出力可能信号状態以外の26通りの信号状態のいずれかである場合に,Ycbcr色空間の座標系での予め定められた立方体状の領域の輪郭を形成する8つの頂点,12本の辺及び6つの面の中から,予め定められた対応関係に従って前記一次映像信号の信号状態に対応する1つの頂点,1本の辺又は1つの面を選択する頂点・辺・面選択手順と,
前記頂点・辺・面選択手順により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの頂点が選択された場合に,該1つの頂点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する頂点対応信号出力手順と,
前記頂点・辺・面選択手順により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの辺が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの辺上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する辺対応信号出力手順と,
前記頂点・辺・面選択手順により前記一次映像信号の信号状態に対応する前記1つの面が選択された場合に,Ycbcr色空間の前記1つの面上における前記Ycbcr一次信号の位置からの垂線との交点の位置に相当するYcbcr映像信号がRGB各原色の信号に換算された映像信号を算出し,それを前記二次映像信号として出力する面対応信号出力手順と,を実行してなり,
前記立方体状の領域が,RGB各原色の信号が前記出力範囲内の信号値をとり得る映像信号のYcbcr色空間における色域を表す領域であることを特徴とする映像信号変換方法。
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