JP2009181661A - 情報記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩和振動を伴って発生するサブナノクラスのパルスレーザ光が用いられる場合、複数の単パルスと、複合パルスとを使い分けて、品質の良い安定したマークを得る。
【解決手段】レーザ素子に駆動電流を与えるレーザ駆動回路は、矩形波の第1の電流を出力する第1の電流源と、前記第1の電流の終端レベルを強調するための第2の電流を出力する第2の駆動電流源と、前記レーザ素子が発振を生じる閾値以下の値の第3の電流を出力する第3の電流源とを有する。制御部は前記第1と第2と第3の電流源を制御し、緩和振動を伴うパルスレーザ光を間欠的に複数回用いる複数回レーザ光使用モードと、レーザパルスが組み合わされ始端が緩和振動に伴う急峻なインパルス変化部を有し中間区間が一定強度の平坦部となったレーザ光を用いる複合レーザ光使用モードを選択的に得られるようにする。
【選択図】図3

Description

この発明は、情報記録装置及びその制御方法に関するもので、サブナノクラスのパルスレーザ光を用いて記録媒体に情報を記録する装置ならびに方法に用いられる。
情報の記録、再生ならびに消去(繰り返し記録)に適した記録媒体として、光ディスクが広く利用されている。なお、光ディスクは、記録容量で区別すると、CD規格、DVD(デジタル多用途ディスク)規格に分類される。特に、映像および音声(音楽データ)の記録には、DVD規格とDVD規格をさらに発展させたHD DVDおよびBD(ブルーレイディスク)が、記録容量の点で、幅広く使われている。
上記のような光ディスクへの記録方法として、記録パルス長さが1ns(ナノ秒)よりも小さい急峻なパルスを利用して、より高密度で情報を記録する方法が開発されている。この記録方法は、例えばサブナノパルス記録方法、あるいは緩和振動を利用した記録方法と称される。
特許文献1には、緩和振動を使った光ディスク記録装置/半導体レーザ駆動方法が開示されている。なお、文献1には、記録用のレーザ光を出力する際に、半導体レーザ素子に注入する電流を下げる、ことおよびその周期がおよそ2GHzから4GHzであることが記載されている。
特開2002−123963
上記の特許文献1に記載された記録装置/半導体レーザ駆動方法においては、記録用のレーザ光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を改善するために、緩和振動を利用することを示している。しかし、
(1)情報記録に際しては、レーザ光によって記録トラックの感熱記録層が熱反応し情報に応じた各種の長さのマークが形成されることと、緩和振動を伴うパルスレーザ光の関係、及び低エネルギー化の方策については述べられていない。また
(2)このとき上記の緩和振動を伴うパルスレーザ光を得る効果的な駆動回路及び駆動方法については述べられていない。
そこでこの発明の目的は、緩和振動を伴って発生するサブナノクラスのパルスレーザ光が用いられる場合、複数の単パルスと、複合パルスとを使い分けて、品質の良い安定したマークを得るようにした情報記録装置及びその制御方法を提供することにある。
上記の課題を解決するためにこの発明は、
レーザ素子に駆動電流を与えるレーザ駆動回路と、前記レーザ駆動回路から出力される前記駆動電流を書き込みストラテジに応じて制御する制御部とを有した装置において、
前記レーザ駆動回路は、
複数の電流源を含み、複数の電流源の出力を合成して出力する構成であり、
前記制御部は、
前記複数の電流源を制御して、第1のマーク形成のために緩和振動を伴う単パルスのレーザ光を間欠的に複数個得る第1の駆動電流と、第2のマーク形成のためにレーザパルスが組み合わされ、始端が緩和振動に伴う急峻なインパルス変化部を有し中間区間が一定強度の平坦部となったレーザ光を得る第2の駆動電流を選択的に制御する手段を具備したことを特徴とする。
この発明によれば、マーク長が短いものから長いものまで安定したマーク形成を行なうことができる。また複数回レーザ光使用モード、複合レーザ光使用モードを併用することで全体的なエネルギー出力を抑制できる。この影響で周辺部品の温度影響を軽減できるために光学素子の熱変化に伴って生じる収差を低減し、マークの記録品位の低下を防止できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態が適用可能な情報記録装置(光ディスク装置)の構成の一例を示す。図2は、同じく情報記録装置(光ディスク装置)の半導体レーザ駆動回路29の構成を示すブロック図である。
光源は短波長の半導体レーザ光源20が用いられる。その出射光の波長は、例えば400nm〜410nmの範囲の紫色波長帯のものである。
半導体レーザ光源20からの出射光100は、コリメートレンズ21により平行光となり偏光ビームスプリッタ22、λ/4板23を透過する。そして、対物レンズ24に入射する。その後、光ディスクDの保護層を透過し、目的とする情報記録層に集光される。光ディスクDの情報記録層からの反射光101は、光ディスクDの保護層を透過し、対物レンズ24、λ/4板23を透過し、偏光ビームスプリッタ22で反射された後、集光レンズ25を透過して光検出器26に入射する。
光検出器26の受光部は通常複数に分割されており、それぞれの受光部から光強度に応じた電流を出力する。出力された電流は、図示しないI/Vアンプにより電圧に変換された後、演算回路27により、ユーザデータ情報を再生するHF信号及び光ディスクD上の光源によるビームスポット位置を制御するためのフォーカス誤差信号及びトラック誤差信号などに演算処理される。演算回路27は、制御部31によって制御される。制御部31は、書き込みストラテジ部、各種電流設定部を含む。
対物レンズ24はアクチュエータ28にて上下方向のフォーカス制御方向、ディスクラジアル方向のトラッキング制御方向に駆動可能であり、サーボドライバ30によって光ディスクD上の情報トラックに追従するように制御される。光ディスクDは情報の書き込みが可能な記録形ディスクであり、半導体レーザ光源20の出射光100により情報が記録される。半導体レーザ光源20は半導体レーザ駆動回路29により、出射光100の光量が制御可能である。
光ディスクDへの情報記録時には、光ディスクDに記録する情報に応じて、半導体レーザ20に電流が流されるように、制御部31によって半導体レーザ駆動回路29は制御される。また、光ディスクDへの情報記録時には半導体レーザ20で緩和振動が発振される。そして、緩和振動に伴って半導体レーザ光源20から出射されるパルスレーザが目的とする情報記録層に集光されるように制御される。光ディスクDへの情報記録時の記録パルスについては後に詳しく述べる。
図2は、半導体レーザ駆動回路29の構成例を示している。光源20に含まれ、レーザ光を出力するレーザダイオードLDのアノードには+8Vが供給されている電源端子に接続されている。レーザダイオードLDのカソードは、高速動作するスイッチトランジスタ121,122,123の各コレクタに接続されている。スイッチトランジスタ121,122,123はそれぞれベース電位がハイレベルのときはオンし電流を流し、ベース電位がローレベルのときはオフし電流が遮断される。スイッチトランジスタ121、122、123のベースには制御部31から書き込みストラテジに応じた変調制御信号が与えられる。レーザダイオードLDに供給される駆動電流が種々の期間にコントロールされる。また前記種々の期間の駆動電流値は以下のように設定される。
即ち、スイッチトランジスタ121、122、123の各エミッタとアース電位間には、それぞれ可変電流源131、132、133が接続されている。可変電流源131、132、133の電流量は、制御部31からの制御信号V1,V2,V3により制御され、制御信号V1,V2,V3に応じた電流値となる。各可変電流源131、132、133に流れる第1、第2、第3の電流が合成されて前述した光源20の駆動電流となる。
ここで、上記の駆動回路29内では、複数の電流源の内で1つのみの電流源の立ち上がり時間を速くし、他の電流源は立ち上がり時間を遅くした。
つまり、トランジスタ121と電流源131を通る線路Aは立ち上がり時間が最も速く、トランジスタ122と電流源132を通る線路Bは立ち上がり時間が次に速く、トランジスタ123と電流源133を通る線路Cは立ち上がり時間が最も遅く設計した。
レーザダイオードLDに流れる電流値が最大値の10%から90%になるまでの時間を立ち上がり時間とすると、たとえば、線路Aの立ち上がり時間T1は100ps、線路Bの立ち上がり時間T2は500ps、線路Cの立ち上がり時間T3は600psである。このように特定の伝送路のインピーダンスが最適になるように駆動回路内部及び、駆動回路からレーザダイオードLDまでの伝送路を最適化することによって、複数の電流源の立ち上がり時間を同じ程度に速くするよりも、立ち上がり時間を最小化する事が出来る。また、特定の線路Aの立ち上がり時間を早くすることによって、線路Aを使ってレーザ素子LDに緩和振動を発生させた場合に大きなピークパワーの緩和振動を得ることが出来る。
図3には、nTの長さのマークを得るときのレーザ素子LDのレーザ強度(LD出力)と、このLD出力を得るための電流源131、132、133の出力の例を示している。電流源131の出力は立ち上がりが速いが、変化周波数は低い。電流源132の出力は変化周波数が速いが立ち上がりは電流源131の出力よりも遅くてよい。電流源133の出力は、立ち上がりも遅くてよく、また変化周波数も低い。このようなレーザ素子駆動部(LDD)を使って、図のような電流源からの電流出力をレーザ素子LDに流す。このときLDに流れる電流はそれぞれの電流原で駆動されて電流の和、つまりI1+I2+I3に等しい。
LD駆動する電流は閾値(Ith)以下の電流I3が流れている状態から、急激に大きな電流I1を流す。このときに、LDはLDに電流が駆動されてからある一定時間遅れてから、発光を始め、その後しばらく発振されたレーザの強度は振動を繰り返し定常値に収束する。この時、振動したレーザの強度の最大レーザ強度は、定常状態よりも大きくなる。
また、nT長マークを形成するためには、定常状態のパワーを照射すると、マークの開始箇所と、終了箇所でのマーク幅が小さくなってしまう。これは、記録の開始箇所や、終了箇所では、記録領域の周囲の温度がマーク中心に比べて低いために、レーザ照射による到達温度が低いためである。そのために前記の場所では、レーザ強度を上げる事が必要になる。このために、LDのレーザ出力の波形は、図3に示されるような、開始時点と、終了箇所でのレーザ強度が大きいいわゆるキャッスル形と言われるレーザ波形になる。
緩和振動を使ったストラテジでは、電流源133からの閾値以下の電流I3の大きさを変えることによって、LD出力が図3に示されるように急峻な立ち上がりのピーク強度を変えることが出来る。この電流源133については、電流源131からの出力電流I1が出力される時刻以前にあるピーク強度になるように、設定されておけば良く、そのために立ち上がり時間が遅い電流源を使うことが出来る。
上記した始端に緩和振動を伴うキャッスル形のレーザ光波形を得る駆動回路29の設計に関しては、周波数の高い電流の出力源は、第2の電流源のみである。よって、回路設計に関して低コスト化を得ることができる。
ここで、本発明の装置および方法は、緩和振動を伴って発生するサブナノクラスのパルスレーザ光が用いられる場合、1つのマーク形成のために緩和振動を伴う複数個のパルスレーザ光を出力する複数回レーザ光使用モードと、緩和振動を伴うパルスレーザ光と一定強度レーザ光を組み合わせた複合レーザ光使用モードとを切り替えることができる。
なお図3にはこの発明の特に重要な波形をわかり易く示したが、このようなレベル及び期間に限らず、図2の駆動回路29では各種の波形を生成することができる。消去のための駆動電流、マーク情報読み取りのためのリード電流、バイアス電流などを生成することができる。
図4は、複数回レーザ光使用モードのときと複合レーザ光使用モードのときのそれぞれのレーザダイオード駆動電流、レーザ光(レーザ強度)、形成されるマークの例を示している。
複数回レーザ光使用モードのときは、1つのマーク40を形成するために緩和振動を伴う複数個(例えば3個)のパルスレーザ光41、42、43を出力している。またこのときはパルス状の駆動電流44、45、46が出力されている。この駆動電流は、主として、先の電流源131,133の出力が用いられている。
これに対して、複合レーザ光使用モードのときは、1つのマーク50を形成するために、緩和振動を伴うキャッスルタイプのレーザ光52を出力している。このときは、このキャッスルタイプのレーザ光52は、始端に緩和振動に伴う急峻な変化部52aを有し、中間部は一定強度の平坦部52bとなっている。また終端部は一定強度を強調する強調部52cを含む。上記の処理により、トラック方向の前後の形状に対称性を持ったマークを形成することができる。
次に複数回レーザ光使用モードと複合レーザ光使用モードはどのように使い分けられるかについて説明する。
「複数回レーザ光使用モードのみを用いる場合」
緩和振動を伴う単パルスのレーザ光を用いる記録ストラテジでは、ピークパワーが大きく、短時間で大きなパワーをディスクに照射するので、レーザを記録層に照射している時間での熱の拡散が小さい。そのために、記録エネルギーを小さくすることが出来る。
「複合レーザ光使用モードのみを用いる場合」
それに対して、緩和振動を伴うキャッスルタイプのレーザ光を用いる記録ストラテジは、長いマーク長を得る場合、マーク先頭位置では緩和振動に伴う急峻インパルスであるが、マークの長手方向の中間部では、レーザ素子を定常発振させている時間が、単パルスのレーザ光を得るときよりも長くなる。この結果、相対的に緩和振動の寄与エネルギーが小さくなり、複数の緩和振動を伴う単パルス列を使った記録に比べて、大きなエネルギーが必要になる。
大きなエネルギーが使われた場合は、ピックアップヘッドの対物レンズやミラーなどの光学素子が温度上昇によって、熱膨張を起こし、変形するために、対物レンズで集光されるスポット径が大きくなり、記録されるマークの大きさが大きくなり、記録されたマーク品位が劣化する。
このために、マーク長がある長さ以上になるマークを形成する場合は、複合レーザ光使用モードによる記録よりも、複数回レーザ光使用モードによる記録が好ましい。
ただし、図4に示すように、長いマーク40を複数の緩和振動を伴う単パルスで記録しようとすると、緩和振動を発生させるために駆動電流を一定にしておいて複数の単パルスを発生させても、単パルスと単パルスの時間間隔Tsによっては、第1回目の単パルスによるレーザピーク強度P1に対して第2回目の単パルスによるレーザピーク強度P2が小さくなってしまう。
これは、緩和振動の大きさは緩和振動を駆動させるための電流値が同じであっても緩和振動を発生させる直前の電流の値によって、レーザパワーが異なることによる。
これは図5に示すように緩和振動を発生させるためにレーザ素子に加えられた電流は駆動回路の内部、レーザ素子の内部、レーザ素子と駆動回路の間の伝送路のインピーダンスなどによって、レーザ素子電流の立下り時間が発生するためである。
そこで、この発明の回路を見た場合レーザ素子に流れる駆動電流が最大値の10%から90%に低下するまでの時間を立下り時間とすると、立ち下がり時間は500psであった。
ここで図6にTs(図4に示す単パルスと単パルスの間隔)の時間と(P2/P1)(図4に示す第1回目の緩和振動に伴うレーザ光ピークパワーと第2回目に緩和振動を伴うレーザ光ピークパワーの比)の関係を示す。これから、パルス間隔Tsが小さい場合には、先頭のパルスがあることにより、第1回目に比べて第2回目のレーザのパワーの大きさが小さくなっていることが分かる。しかし、Tsが4ns以上ある場合には、第2回目の緩和振動に伴うレーザパワーの大きさは、第1回目の緩和振動にほとんど影響が受けていないが分かる。なお、パルス間隔Tsはレーザ素子LDのたち下がり時間にも依存し、たち下がり時間が長いほど、Tsを長くするほうがよい。
図6の例であれば、
レーザ素子LDの電流たち下がり時間が4ns以上であれば、前の単パルスの影響を次の単パルスによるパワーが受けていないことが分かる。
第2回目の緩和振動は、レーザ素子LDの電流たち下がり時間が大きくなれば、パルス間隔が同じであっても、小さくなることがわかっている。よって、レーザ素子LDの電流たち下がり時間も考慮すると、
「レーザ素子LDの電流たち下がり時間」 + 「パルス間隔Ts」が4.5ns以上であれば、第2回目の緩和振動に伴うレーザパワーの大きさは、第1回目の緩和振動にほとんど影響が受けていないが分かる。
ここで、パルス間隔Tsが4ns以下であっても、前のパルスの影響をかんがみて、後ろのパルスレーザのパルス駆動電流を大きくして、影響を補償することが考えられる。しかし、前のパルスレーザの影響が次のパルスレーザのパワーに及ぶ場合には、第2のパルスレーザのピーク強度が小さくなるだけではなく、第2のパルスレーザのピーク強度の分散が大きくなることが分かっている。つまり、同じ条件でパルスを発振させてもパルス毎のピーク強度のバラツキが大きくなっている。これは緩和振動を使って記録されたマーク毎のマーク形状が不均一になることを招き、記録後にデータを再生した場合のエラーレートが悪化する。
このようなことが起こるために、
「レーザ素子LDの電流立ち下がり時間」 + 「パルス間隔Ts」が
4.5nsより小さいようであれば、複数の緩和振動を使って記録することは望ましくない。つまり複数の緩和振動を使って記録すると、1回目の単パルス影響で、2回目の緩和振動によるレーザ光のパワーピークがばらつき、記録マークの形成が不安定となるからである。
このために、ディスクの回転数が速くなり、高速で記録する場合には、Tsが4.5nsよりも、小さくなることがあるが、この時は記録ストラテジを「複数回レーザ光使用モード」から「複合レーザ光使用モード」に切り替えることによって、品位の高いマークを記録することが出来る。
また、いわゆる前述したキャッスル型の記録波形で記録する場合にも平坦部の期間が短いので、熱エネルギーが小さく、ピックアップヘッドの対物レンズやミラーなどの光学素子が温度上昇によって、熱膨張を起こし変形するような不具合は生じにくい。
上記の結果、
「レーザ素子LDの電流立ち下がり時間」+「パルス間隔Ts」が4.5ns以下では、緩和振動+キャッスルタイプの記録波形で記録を行い、
「レーザ素子LDの電流立ち下がり時間」+「パルス間隔Ts」が4.5nsより大きい場合には緩和振動を伴った複数個の単パルスによる複数のレーザパルス光を使うことが好ましい。
但し、「レーザ素子LDの電流立ち下がり時間」+「パルス間隔Ts」が4.5nsより小さく、最短のマーク長(例えば2T)の場合には緩和振動を伴った単一の単パルスによるレーザパルス光で十分である。この場合は単一の単パルスが採用される。
なお上記の説明においてレーザ駆動回路29の構成を図2に示して説明したが、レーザ駆動回路29はこのような構成に限定されるものではない。書き込みストラテジが効果的に達成可能なようにさらに電流源およびスイッチトランジスタの系路をさらに増加してもよい。また、使用するディスクに応じて駆動電流が切り換え設定できるように工夫されている。またこのときはレーザ素子も別の素子が使用されるように構成されてもよい。
次に、記録装置にて使用されるレーザ素子LDを含む半導体チップ部について説明する。図7に図示されているのは、発光体となる半導体チップ部10のみであり、通常はこの半導体チップ部10がヒートシンクとなる金属ブロックに固定され、更に基材およびガラス窓付キャップ等により構成される。
半導体チップ部10は、一例として厚さ(図の面内上下方向)が0.15mm、長さ(図中L)が0.5mm、横幅(図中奥行き方向)が0.2mm程度の微小ブロックである。レーザチップは、上端電極11および下端電極12をもっており、上端電極11が−(マイナス)電極、下端電極12が+(プラス)電極である。
レーザ光を発光するのは中央の活性層13であり、これを挟んで上下に上側クラッド層14および下側クラッド層15が形成されている。上側クラッド層14は電子が多数存在するn型クラッド層、下側クラッド層15は正孔が多数存在するp型クラッド層である。
下端電極12と上端電極11間に下端電極12から上端電極11に対して順方向に電圧を印可する、すなわち、下端電極12から上端電極11に向かって電流を流すと、活性層13内で励起した多数の正孔と電子が再結合し、その際に失うエネルギーに相当する光を放出することになる。上側クラッド層14および下側クラッド層15の屈折率は活性層13の屈折率に対して低くなるよう材料選択されており(一例として5%低下)、活性層13にて発生した光は上下のクラッド層14、15との境界を反射しながら活性層13内を図中左右に進行する光波となる。
図中左右の端面は鏡面Mとなっており、活性層13はそれ自体で光共振器を形成するものとなる。活性層13内を左右に進行し、かつ左右両端の鏡面にて反射した光波は活性層13内で増幅され、最終的にレーザ光として図の右端(および左端)から放出される。この際、レーザ素子LDの共振器長とは図中の左右方向の長さLである。
レーザ素子LDは駆動回路29により生成される駆動電流によって、出射波形が制御される。駆動回路29の駆動電流により、光ディスクの記録に用いる記録パルスを生成する様子を説明する。
図8(A)、および図8(B)が通常の半導体レーザ駆動電流と半導体レーザ出射波形を表し、図8(C)、および図8(D)が緩和振動パルスを生成する際の半導体レーザ駆動電流と半導体レーザ出射波形を表す。
駆動電流は、図8(A)および図8(C)に示すバイアス電流Ibiとピーク電流Ipeの2レベルに制御されている。なお、バイアス電流が更に2つのレベル、あるいは、3つのレベルに細分化されて制御される場合もあるがここでは、説明の簡易化のため、バイアス電流Ibiとピーク電流Ipeがそれぞれ1レベルずつの場合を用いて説明する。
通常の記録パルス生成の場合、駆動回路29は、図8(A)に示すように、レーザ素子LDがレーザ発振を開始する閾値電流Ithよりもやや高いレベルに設定されたバイアス電流Ibiをまず生成し、レーザ素子LDを駆動する。その後、時刻Aにて、所望のピークパワーを得るためのピーク電流Ipeが印可され、一定時間、ピーク電流Ipeが印可されたのち、時刻Bにて再度、バイアス電流Ibiへと引き下げられる。このときの、レーザ素子LDの出射光強度の時間変化を図8(B)に示す。
図8(B)に示すように、バイアス電流Ibiにより駆動されている時刻Aまでは出射光強度は光ディスクへデータ記録が不可能な極く低いパワーであるが、ピーク電流Ipeが印可されるとともに、記録パワーまで強度が引き上げられ、時刻Bにて駆動電流がバイアス電流Ibiレベルまで引き下げられるまでこのレベルを維持する。時刻B以降は出射光強度は再び低パワーとなる。こうして時刻AからBまでの期間に記録パルスが出射されるようにレーザ素子LDは制御されることとなる。
より詳細に出射光強度を観測すると、時刻Aにおいて強度が記録パワーまで引き上げられた際に、定常の記録パワーに安定するまでに、強度が瞬間的に上昇して低下する様子が伺える(図中の破線円部分)。これが、レーザ素子LDの緩和振動によるものであり、通常の記録パルス生成においては、この緩和振動がなるべく小さくなるように制御を行なう。
緩和振動とは、このように半導体レーザにおいて、駆動電流があるレベルから、閾値電流を大きく超える一定のレベルまで急激に上昇した際に生ずる、過渡的な振動現象である。緩和振動は、振動を繰り返す毎に小さくなり、やがて振動は収まる。
本実施形態に係る記録装置においては、この緩和振動を積極的に記録に利用するものである。緩和振動を記録パルスとして用いる場合には、図8(C)に示すように、駆動回路29はレーザ素子LDの閾値電流Ithより低いレベルに設定されたバイアス電流Ibiをまず生成し、レーザ素子LDを駆動する。
その後、時刻Aにて、通常の記録パルス生成よりも、早い立ち上がり時間で、急激に駆動電流をピーク電流レベルIpeまで引き上げ、通常の記録パルス生成よりも短い時間ののち、時刻Cにて再度、バイアス電流Ibiへと引き下げられる。このときの、レーザ素子LDの出射光強度の時間変化を図8(D)に示す。
図8(D)に示すように、閾値電流Ithより低いバイアス電流Ibiにより駆動されている時刻Aまでは、レーザ素子LDはレーザ発振を開始しておらず、無視レベル程度の発光ダイオードとしての光出射がある程度である。その後、時刻Aにて急激な電流印可に伴い、緩和振動が開始され、出射光強度は急激に上昇する。その後、印可電流が再度閾値電流以下に戻される時刻Cまでの間、緩和振動による光出射が持続する。この例の場合、緩和振動の2周期目のパルスが生成されたタイミングで時刻Cに到達し、記録パルス生成が終了している。
このように、緩和振動によるパルスは、通常の記録パルスに比べて、非常に短い時間で出射光強度が上昇し、半導体レーザの構造によって決まる一定の周期で出射光強度が低下するという特徴を持っている。従って、緩和振動によるパルスを記録パルスに用いることにより、通常の記録パルスでは得られない、短い立ち上がり・立下り時間を持ち、かつ強いピーク強度を持った単パルスを得ることが可能となるのである。
一般的に知られた関係として、共振器長Lと緩和振動周期Tには以下の関係がある。
T=k・{2nL/c}…(1)
ここで、kは定数、nは半導体レーザの活性層の屈折率、cは光速(3.0×108(m/s))である。従って、共振器長Lと緩和振動周期T、ひいては、緩和振動パルス幅は、比例関係にあることが分かる。
このことから、緩和振動パルス幅を長くしたい場合は、共振器長Lを長く、緩和振動パルス幅を短くしたい場合には、共振器長Lを短くすればよいことになる。すなわち、緩和振動パルス幅は共振器長Lによって制御可能であると言える。
図9は、共振器長Lが650μmの半導体レーザによる緩和振動波形の計測結果である。緩和振動パルス幅は半値全幅でおよそ81psであることが分かる。上述の式(1)から、共振器長Lと緩和振動パルス幅は比例関係にあることが判っていることから、半導体レーザの共振器長Lと得られる緩和振動パルス幅(FWHM)Wrの変換式として以下の関係が得られる。
Wr(ps)=L(μm)/8.0(μm/ps)…(2)
次に、本実施形態に係る記録装置における光記録媒体へのデータの記録について述べる。
(アモルファスマークの形成からみた緩和振動による記録処理)
次に、アモルファスマークの形成からみた緩和振動による記録処理を図面を用いて詳細に説明する。図10(A)は、従来の記録パルスにより形成されたアモルファスマークについて説明するための図である。図10(B)は、単パルスにより形成されたアモルファスマークについて説明するための図である。
記録は、レジスト膜の結晶状態に初期化された領域にアモルファスのマークを形成することを意味する。アモルファスマークは、相変化材料が溶融し、直後に急冷されることにより形成される。このためには、比較的短くて高いパワーのパルス状レーザ光を相変化レジスト層に集光し、局所的な温度を相変化材料の融点Tmを超える温度にまで上昇させて、局所的な溶融を生じさせる必要がある。その後、記録パルスが途切れると溶融した局所領域は急激に冷やされ、溶融−急冷過程を経た固体のアモルファスマークが形成される。
一方、記録されたデータビットの消去を行なう場合も説明すると以下のようになる。アモルファスマークを再結晶化することにより行なわれる。結晶化は、今度は局所的なアニーリングにより実現される。記録層にレーザ光を集光し、記録パワーよりやや低いレベルに制御することで、相変化記録層の局所的な温度を結晶化温度Tg以上にまで上昇させるとともに、融点Tmよりは低い温度に保つ。
このとき、一定の時間に渡り、局所的な温度を結晶化温度Tgと融点Tmとの間に保つことで、アモルファスマークを結晶状態に相変化させることが出来る。こうして記録マークの消去が可能となるのである。なお、このとき結晶化するのに要求される、結晶化温度Tgと融点Tmとの間に保つべき時間を結晶化時間と呼ぶ。記録されたデータビットを再生すると、記録層を相変化させない程度に低いパワー、すなわち再生パワーのDCレーザ光を情報記録層に照射する。
従来の記録パルスによって形成されたアモルファスマークは上述のように相変化材料の溶融−急冷過程を経て形成される際、図10(A)に示すようにアモルファスマークの周縁部に再結晶化の環状領域(再結晶化リング)を生ずる。
これは、アモルファスマークの周縁部で一旦溶融された領域が冷却過程で結晶化温度Tgと融点Tmとの間の温度領域を結晶化時間以上経ることで、再結晶化されたものである。これは、アモルファスマークのサイズを結果的に小さくする効果(セルフシャープニング効果)があるものの、マーク周縁部での再生信号のジッタ(ゆらぎ)や、トラック上の前後のマーク同士の熱的干渉や、隣接トラックに形成されたマークの部分的消去(クロスイレーズ)を引き起こす場合がある。
一方、本実施形態に係る記録装置の緩和振動パルスのような単パルスにより形成されたアモルファスマークは図10(B)のように、アモルファスマークの周縁部に再結晶化リングをほとんど生じない。これは、単パルスにより短時間に高いパワーのレーザ光を照射することで、レーザ光照射直後に相変化層を溶融させ、溶融領域が熱伝導により周縁部に有意に広がる前に照射を終了させることにより、レーザ光照射直後の溶融部のみをアモルファスマーク化することによるものである。
このように、単パルスによる再結晶化リングを生じないアモルファスマークでは、マーク周縁部のジッタが低減することや、トラック上の前後のマーク同士の熱的干渉によるマーク変形やエッジシフトや、隣接トラックに形成されたマークのクロスイレーズが生じないといった利点がある。
勿論、単パルスによる記録には上記のような記録マークの質的向上といった利点があると共に、短時間にマークを記録出来ることから、高転送レート記録に適しているという利点があることは言うまでもない。
光ディスクにおいて、大容量化と共に、高転送レートに対する要求は強く、HD DVD-RやHD DVD-RWでも、標準の1倍速(線速度 6.61m/s)に対して、2倍速の規格が既に発行されている。今後も、4倍速や8倍速といった高倍速化が期待されている状況である。
高転送レートを達成するためには、記録マークを高速に、すなわち短時間に記録する必要がある。相変化形ディスクでは、これはとりもなおさずアモルファスマークを単パルスにより記録することを意味する。例えば、HD DVDでは、8倍速になるとチャネルクロックレートは、518.4Mbpsとなり、1チャネルビットに相当する時間は1.929nsとなる。
本実施形態に係る記録装置で言う単パルス記録に要求されるパルス幅は、アモルファスマーク形成時に再結晶化リングを生じないようなパルス幅である。アモルファスマーク形成時に再結晶化リングとなる領域は、上述のようにアモルファスマーク周縁部で一旦溶融された、すなわち、相変化材料の融点を超えた、領域である。このとき、融点をわずかに超えた領域のみが、再結晶化される。
なぜなら、融点を大きく超えた温度まで昇温された領域は、温度低下の勾配が大きく、比較的急峻に冷却されるため、アモルファス化されるからである。これは、温度勾配δT/δx と、熱流量密度 q(W/m2)との良く知られた関係(フーリエの熱伝導則)q=K・δT/δx から分かるように、温度勾配が大きいほど、温度が高い領域から低い領域への熱流量が大きくなるからである。ここでK(W/m・K)は熱伝導率、xは温度差を持った界面での熱伝導の方向(界面の法線ベクトル方向)の距離である。
単パルス記録の場合、レーザ光照射直後に光スポット中央部が融点を超えるように、高いパワーのレーザ光を照射する。図11及び図12は、記録トラック上の温度分布を説明する図であり、図11及び図12の各々の上段が記録パルス照射直後のトラック上の融点超過領域、中段が記録パルス終了時の融点超過領域、下段が中段のA−A’断面での温度分布を表している。
図11が単パルス記録の場合、図12が従来の記録パルスによる記録の場合を表している。なお、本来は、記録ビームスポット(図11で破線で表した領域)は、パルス照射中に図の上下方向に移動するが、この例では説明の簡易化のため、移動しないものとした。
いずれの記録パルスの場合も、パルス照射直後からパルスが終了するまでの間に、光スポット中央の融点を超えた領域は、伝熱により拡大する。しかし、単パルスの場合は、パルス照射時間が短いため、ほとんど拡大しない。
単パルス記録の場合、パルス終了時の光スポット中央を含む断面における温度分布は、光ビーム照射直後とほぼ同一のガウス分布形状となっており、融点以上と融点以下の境界前後では急峻な温度勾配となっている。このため、再結晶化する領域、すなわち融点をわずかに超える範囲の領域(図中、融点Tmと温度Tm2との間の温度を持つ領域)は、平面方向にはほとんど広がりを持っていない。従って、伝熱による光スポット中央の融点以上の領域の拡大が無視できる程度の時間でレーザパワーが0となれば、再結晶化リングはごく狭い領域に限られることとなる。
一方、従来の記録パルスによるマーク形成の場合、比較的低いパワーを長時間照射するため、光スポット中央の融点を超える領域は徐々に拡大していく(図12の上段から中段)。この際、光スポット中央を含む断面における温度分布はもはやガウス分布ではなく、よりなだらかな温度勾配を有する形状となる(図12下段)。
このため、再結晶化する領域は、平面方向に比較的大きな広がりを持つこととなる。図12中段の破線は再結晶化限界を示しており、この破線の内部がアモルファスマークとなる領域である。このように、従来の記録パルスでは、マーク形成時に大きな再結晶化リングを伴うこととなる。
この再結晶化リングの平面方向の幅は、パルス照射時間における融点領域の平面方向の拡散距離とほぼ同様になると考えられる。一般的な相変化材料として、熱伝導率K=0.005 J/cm/s/℃、 比熱 C=1.5 J/cm3/℃、とすると、パルス照射時間内における熱拡散距離を推定することが出来る。時間tの間に、熱は距離L = (Kt/C)1/2だけ拡散すると考えられることから、再結晶化リングの領域が、HD DVD−RWの最短マーク長0.204μmの10%以下の範囲に限られる、すなわち、一方向で、10.2nm以下の範囲に限られるためには、パルス照射時間は0.44nsとなる。これが、単パルス記録に要求されるパルス幅と言える。
既に述べたように、半導体レーザの共振器長Lと得られる緩和振動パルス幅Wrの関係として式(2)が得られていることから、単パルス記録には、440ps以下のパルス幅を用いること、すなわち、共振器長3520μm以下の半導体レーザを用いる必要があることが分かった。
一方、再結晶化リングを縮小する観点から言えば、パルス照射時間は短いほど良いことになるが、現実には相変化材料を融点以上に昇温するためのエネルギーを与えるのが困難になる。すなわち極めて高いパワーを短時間に照射する必要が生じる。従って、現実的にはパルス照射時間は50ps程度以上は必要と考えてよい。これは、式(2)の関係を用いると、共振器長400μm以上の半導体レーザが必要となることに相当する。
式(2)から分かるように、緩和振動パルスを光ディスクへの情報記録に用いるとき、記録装置に用いるレーザ素子LDの共振器長が決まると、緩和振動パルス幅が一意に決まることになる。上述したように、パルス幅が短い場合には、高いパワーを照射することで相変化材料を融点以上に昇温することになるが、レーザ素子LDの最高パワーで照射しても融点以上に達しない場合もある。このような場合には、緩和振動パルスを複数回照射することが有用である。
ここで、緩和振動パルスがたとえば3回発生するように、レーザ素子LDの駆動パルスを制御した場合、照射エネルギー(パルスによる時間積分値)が増加することで、相変化材料を融点以上に上昇させることが可能となる。しかし、1回目の緩和振動パルスに比べて、2回目、3回目のパルス強度が徐々に低下する。このため、これ以上の複数回のパルスの照射は、余り有効でない。
このように、レーザ素子LDの緩和振動パルスを用いて光記録媒体にデータを記録する記録装置では、レーザの共振器長に応じて、緩和振動パルスのパルス数を加減することが必要となる。また、半導体レーザの定格出力が低いレーザを用いる場合にも、複数回の緩和振動パルスを用いることは有用である。
なお本発明による情報記録媒体は、相変化材料からなる記録層、誘電体からなる光学干渉層、金属からなる反射層で構成される。記録層は結晶成長速度が速い共晶化合物であるSbTe系、InSb系、GaSb系が適している。共晶化合物にはGe、In、Co、Agなどを適量添加することで光学コントラストや記録特性をさらに向上させることが出来る。記録前後の反射率変化を大きくするためや機械的、熱的に記録層を保護するために用いられる光学干渉層は、ZnS、SiO2、Al2O3、Si3N4、ZrO2、AlN、Cr2O3、GeN、Ta2O5、Nb2O5、のいずれかからなる複合化合物が適している。光学干渉層は光学的エンハンスだけでなく、記録層に加わる応力の緩和やレーザ照射による昇温をコントロールする役目も持つ。これらの目的を達成するために光学干渉層は2層以上で構成されても構わない。主にAl、Ag、Au、を主成分とする反射層は再生時に反射光を得るためや、記録時のビーム照射に際して温度コントロールをするために存在する。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明適用された記録装置の構成説明図である。 図1の半導体レーザ駆動回路の詳細を示す図である。 図2の駆動回路の電流源の出力例を示す図である。 この発明の装置の動作例を説明するために示した波形及びマークの説明図である。 駆動回路からの駆動電流とレーザ素子に流れる電流との関係を示す説明図である。 図4のパルス間隔Tsとピークパワー比(P2/P1)との関係を示す図である。 レーザ素子の構成例を示す図である。 レーザ素子に供給される駆動電流とレーザ素子から出力パルスとの関係を従来と本発明とで比較して示す図である。 共振器長が650μmの半導体レーザによる緩和振動波形の計測結果の一例を示す図である。 従来の記録パルスにより形成されたアモルファスマークについて説明するための図と単パルスにより形成されたアモルファスマークについて説明するための図である。 単パルス記録の場合の記録トラック上の温度分布の一例を説明するための図である。 従来の記録パルスによる記録の場合の記録トラック上の温度分布の一例を説明するための図である。
符号の説明
20・・・・半導体レーザ光源、21・・・コリメートレンズ、22・・・偏光ビームスプリッタ、23・・・λ/4板、24・・・対物レンズ、25・・・集光レンズ、26・・・光検出器、27・・・演算回路、28・・・アクチュエータ、29・・・半導体レーザ駆動回路、30・・・サーボドライバ、31・・・制御部、121,122,123・・・半導体スイッチ、131,132,133・・・可変電流源。

Claims (8)

  1. レーザ素子に駆動電流を与えるレーザ駆動回路と、前記レーザ駆動回路から出力される前記駆動電流を書き込みストラテジに応じて制御する制御部とを有した装置において、前記レーザ素子の緩和振動によるレーザ光を使って記録を行う情報記録装置。
  2. 前記制御部は、
    前記複数の電流源を制御して、第1のマーク形成のために緩和振動に伴うパルスレーザ光を間欠的に複数個得る第1の駆動電流と、第2のマーク形成のためにレーザパルスが組み合わされ、始端が緩和振動に伴う急峻なインパルス変化部を有し中間区間が一定強度の平坦部となったレーザ光を得る第2の駆動電流を選択的に制御する手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
  3. 複数の前記レーザ光を使う場合に、
    前記制御部は、前記駆動回路に対して、前記レーザ駆動回路から前記レーザ素子に流される電流の間隔が「前記レーザ素子に流される電流の間隔+前記レーザ素子の電流立ち下り時間」が4.5ns以上になるときに設定することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
  4. 前記レーザ駆動回路は、
    複数の電流源を含み、複数の電流源の出力を合成して出力する構成であり、
    前記複数の電流源として、前記レーザ素子に緩和振動を伴うレーザ光を出力させる矩形波の第1の電流を出力する第1の電流源と、前記第1の電流の終端レベルを強調するためのパルス形の第2の電流を出力する第2の駆動電流源と、前記レーザ素子が発振を生じる閾値以下の値の第3の電流を出力する第3の電流源とを有し、前記第1、第2そして第3の電流を合成して出力する構成であり、
    前記制御部は、
    前記第1と第2と第3の電流源を制御することにより、第1のマーク形成のために緩和振動を伴う単パルスのレーザ光を間欠的に複数個得る第1の駆動電流と、第2のマーク形成のためにレーザパルスが組み合わされ、始端が緩和振動に伴う急峻なインパルス変化部を有し中間区間が一定強度の平坦部となったレーザ光を得る第2の駆動電流を選択的に制御する手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
  5. 前記制御部と前記駆動回路は、前記第1と第3の電流を合成して前記第1の駆動電流を出力し、前記第1と第2と第3の電流を合成して前記第2の駆動電流を出力することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
  6. レーザ素子に駆動電流を与えるレーザ駆動回路と、前記レーザ駆動回路から出力される前記駆動電流を書き込みストラテジに応じて制御する制御部とを有し、前記制御部により前記レーザ駆動回路を制御して、前記駆動電流を出力する情報記録装置の制御方法において、
    前記制御部が前記レーザ駆動回路の複数の電流源を制御し、
    第1のマーク形成のために緩和振動を伴うパルスレーザ光を間欠的に複数個得る第1の駆動電流と、第2のマーク形成のためにレーザパルスが組み合わされ、始端が緩和振動に伴う急峻なインパルス変化部を有し中間区間が一定強度の平坦部となったレーザ光を得る第2の駆動電流を選択的に出力制御することを特徴とする情報記録装置の制御方法。
  7. 前記レーザ素子の電流立ち下り時間と緩和振動を伴う複数の前記単パルスのレーザ光の間隔との合計が4.5ns以上となる場合は、前記第1の駆動電流を出力し、合計が4.5nsより小さくなる場合は前記第2の駆動電流を出力することを特徴とする請求項6記載の情報記録装置の制御方法。
  8. 高速記録が実行されるときは、前記第2の駆動電流が出力されることを特徴とする請求項5記載の情報記録装置の制御方法。
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