JP2009181142A - 液晶収差補正素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】CD、DVD、Blu−ray Disc、HD−DVDにおいて充分な収差補正を行うことができる液晶収差補正素子を提供する。
【解決手段】第1、第2の透明導電膜が形成された第1と第2の透明基板で液晶層を挟持してなる液晶収差補正素子において、第1の透明導電膜が、外部から給電を行うための複数個の引出電極と、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第1、第2の収差補正用分割電極を有し、一つの引出電極と、一つの第1の収差補正用分割電極と、一つの第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の引出電極と、他の第1の収差補正用分割電極と、他の第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の第1、第2の収差補正用分割電極は、一つの第1の収差補正用分割電極と一つの第2の収差補正用分割電極との間に配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】第1、第2の透明導電膜が形成された第1と第2の透明基板で液晶層を挟持してなる液晶収差補正素子において、第1の透明導電膜が、外部から給電を行うための複数個の引出電極と、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第1、第2の収差補正用分割電極を有し、一つの引出電極と、一つの第1の収差補正用分割電極と、一つの第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の引出電極と、他の第1の収差補正用分割電極と、他の第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の第1、第2の収差補正用分割電極は、一つの第1の収差補正用分割電極と一つの第2の収差補正用分割電極との間に配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ディスクの記録および再生時に発生する収差の補正を行うための液晶収差補正素子に関する。
近年、CD、DVDなどの情報記録媒体に光ビームを照射して情報の再生又は記録を行う光ディスクが普及しているが、さらなる記録密度の向上及び大容量化の要求に応えるため、青紫色波長領域の光ビームを用いたBlu−ray DiscやHD−DVDの開発が進んでいる。
光ディスクの記録密度を高めるために、光源からの出射光の波長を短くし、対物レンズの開口数を大きくすることが行われている。これにより、光ディスクのチルト(傾き)によって発生するコマ収差が大きくなる問題がある。このコマ収差が発生すると、光ディスクの情報記録面上に形成されるスポットが劣化するため、正常な記録再生動作が行えなくなる。光ディスクのチルトによって発生するコマ収差は、一般的に以下の式(1)で与えられる。
W31=((n2−1)/(2n3))×(d×NA3×θ/λ) (1)
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長、θは光記録媒体のチルト量を意味する。この式から、短波長、高NAほど収差が大きくなることがわかる。
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長、θは光記録媒体のチルト量を意味する。この式から、短波長、高NAほど収差が大きくなることがわかる。
このコマ収差等の波面収差を補正する方法の一つとして、光源と対物レンズとの間に液晶収差補正素子を用いる方法がある。従来の液晶収差補正素子は、特にCDやDVDにおける収差を補正するものであって、光ディスクのチルト角に起因するコマ収差や光ディスクの基板の厚さに起因する球面収差を補正するための液晶収差補正素子が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、他の収差補正である、光学部品の精度、組み立て誤差、光軸のずれや光軸の傾き等に起因する非点収差を補正するための液晶収差補正素子が提案されている(例えば、特許文献2。)。
これらコマ収差、球面収差、非点収差等の収差補正を行うための液晶収差補正素子は、液晶等の複屈折物質に電圧を印加することにより複屈折物質の屈折率を変化させ、通過する光に適切な位相差を与えることによって発生した収差の補正を行う。なお、電圧を印加する電極材料としては、光の利用効率を最大とするために透明導電膜が使用されて透明電極を形成している。
これらの液晶収差補正素子における透明電極は、収差分布に対応した複数の分割電極から構成されている。そして、これら各分割電極には、独立に異なる電圧を印加することができるようになっており、所望の収差補正が可能となる。
しかしながら、CDやDVDにおける従来技術の透明電極の構成のままでは、青紫色波長領域(例えば、405nm)の光ビームを用いたBlu−ray DiscやHD−DVDにおいて、充分な収差補正機能を発揮することができない。それは、Blu−rayDiscやHD−DVDにおいて使用される青紫色波長領域の光ビームは、CDやDVDなどで使用される赤色波長領域のレーザーに比べて透明電極に吸収されやすく、また光学材料の屈折率波長分散を増加させ、波面収差を増大させる傾向にあるからである。
ここで、従来の液晶収差補正素子における分割電極パターンにおいて、透明電極を薄膜化することで、透明電極による青紫色波長領域の光吸収量を減少させることが可能であり、素子全体の透過率を増加させて、光ビームの利用効率を増加させることができる。しかし、従来の電極パターンのまま単に透明電極の薄膜化を行うと、透明電極の抵抗が高抵抗となってしまい、分割された各電極パターン内において抵抗分布差が生じてしまうという問題が生じる。この様な形態のまま青紫色波長領域の光ビームに対する収差補正を行うと、収差補正に適切な位相量を発生させることが困難となることは容易に理解できよう。
そこで、本発明は上述の問題点を解決し、CDやDVDだけでなくBlu−ray DiscやHD−DVDにおいても充分な収差補正を行うことができる液晶収差補正素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の液晶収差補正素子は、基本的に下記記載の構成要件を採用する。
本発明の液晶収差補正素子は、第1、第2の透明導電膜がそれぞれ形成された第1と第2の透明基板で液晶層を挟持してなる液晶収差補正素子において、第1の透明導電膜は、外部から給電を行うための複数個の引出電極と、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第1の収差補正用分割電極と、該第1の収差補正用分割電極と同様に、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第2の収差補正用分割電極とを有し、複数個の引出電極のうち、一つの引出電極と、対応する一つの第1の収差補正用分割電極と、対応する一つの第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、複数個の引出電極のうち、他の引出電極と、対応する他の第1の収差補正用分割電極と、対応する他の第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の第1の収差補正用分割電極と他の第2の収差補正用分割電極とは、一つの第1の収差補正用分割電極と一つの第2の収差補正用分割電極との間に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の液晶収差補正素子は、第1、第2の透明導電膜がそれぞれ形成された第1と第2の透明基板で液晶層を挟持してなる液晶収差補正素子において、第1の透明導電膜は、外部から給電を行うための複数個の引出電極と、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第1の収差補正用分割電極と、該第1の収差補正用分割電極と同様に、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第2の収差補正用分割電極とを有し、複数個の引出電極のうち、一つの引出電極と、対応する一つの第1の収差補正用分割電極と、対応する一つの第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、複数個の引出電極のうち、他の引出電極と、対応する他の第1の収差補正用分割電極と、対応する他の第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、他の第1の収差補正用分割電極と他の第2の収差補正用分割電極とは、一つの第1の収差補正用分割電極と一つの第2の収差補正用分割電極との間に配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の液晶収差補正素子は、第1の収差補正用分割電極および第2の収差補正用分割電極は、引出電極の一部の表面をオーバーラップして、引出電極と同じ材料で、かつ引出電極よりも薄い膜で形成されていることを特徴とするものである。
第1の収差補正用分割電極に低抵抗の引出電極および接続配線を直接接続させることで、透明導電膜の薄膜化による電極パターン内での抵抗分布差の発生を防ぐことができる。これにより、液晶収差補正素子の透過率は向上し、光の利用効率を高めることが可能となり、特に、青紫色波長領域の光ビームを用いるBlu−ray DiscおよびHD−DVDにおいても充分な収差補正機能を発揮することができる。
また、引出電極および接続配線に第1の収差補正用分割電極よりも低抵抗な透明導電膜を用いることにより、電極間のマージンを減少させることが可能となり、収差補正領域を有効に活用することができる。
本発明の液晶収差補正素子は、液晶層を挟持する内の一方の透明導電膜である第1の透明導電膜が、厚膜透明導電膜で形成された引出電極と、この引出電極と同じ材料からなる薄膜透明導電膜で形成された第1の収差補正用分割電極とを有する。そして、この引出電極の一部の表面と、第1の収差補正用分割電極とが、オーバーラップ(積層)して電気的な接続を取る形態としているので、Blu−ray対応の液晶収差補正素子として機能するものとなる。
以下に、上記構成とした理由について説明する。
引出電極は、給電先から第1の収差補正用分割電極に至るまでの間に抵抗損失が生じない低抵抗の膜で形成とするのが望ましい。それに対して、第1の収差補正用分割電極は、Blu−ray対応とするために、使用する波長(405nm)の光ビームを十分透過するだけの薄膜とする必要がある。また、引出電極と第1の収差補正用分割電極は、異なるパターン形状となっており、かつ上述した様に、膜厚がそれぞれ異なっているので、2回のフォトリソ工程を経てそれぞれのパターンを形成しなくてはならない。ここで、1回目のフォトリソ工程で、薄膜透明導電膜で形成しなくてはならない第1の収差補正用分割電極とともに位置合わせマークを形成すると、1回目のフォトリソ工程にて薄膜透明導電膜で形成された位置合わせマークを用いて、2回目のフォトリソ工程にてこの引出電極のパターンと、先のパターン(第1の収差補正用分割電極)とを精度良く位置合わせをすることができなくなる。
引出電極は、給電先から第1の収差補正用分割電極に至るまでの間に抵抗損失が生じない低抵抗の膜で形成とするのが望ましい。それに対して、第1の収差補正用分割電極は、Blu−ray対応とするために、使用する波長(405nm)の光ビームを十分透過するだけの薄膜とする必要がある。また、引出電極と第1の収差補正用分割電極は、異なるパターン形状となっており、かつ上述した様に、膜厚がそれぞれ異なっているので、2回のフォトリソ工程を経てそれぞれのパターンを形成しなくてはならない。ここで、1回目のフォトリソ工程で、薄膜透明導電膜で形成しなくてはならない第1の収差補正用分割電極とともに位置合わせマークを形成すると、1回目のフォトリソ工程にて薄膜透明導電膜で形成された位置合わせマークを用いて、2回目のフォトリソ工程にてこの引出電極のパターンと、先のパターン(第1の収差補正用分割電極)とを精度良く位置合わせをすることができなくなる。
それは、薄膜透明導電膜で形成された位置合わせマークは、フォトリソ工程における露光装置では視認するのが困難となり、結果として、1回目のフォトリソ工程で形成したパターンと、2回目のフォトリソ工程で形成したパターンとのパターンずれが生じるからである。この様に、両パターンの位置合わせを精度よく行えないと、引出電極と第1の収差補正用分割電極との電気的な接続に支障をきたすこととなる。したがって、本発明の液晶収差補正素子の様に、引出電極と位置合わせマークを厚膜透明導電膜で形成した後に、第1の収差補正用分割電極を薄膜透明導電膜で形成する構成とすることにより、課題の欄で記載した問題点を解消したBlu−ray対応の液晶収差補正素子を得ることができる。なお、接続配線を介して第1の収差補正用分割電極に接続する第2の収差補正用分割電極と、この接続配線との関係も、上記した第1の収差補正用分割電極と引出電極との関係と同じである。以下に、本発明の液晶収差補正素子とその製造方法について図面に基づいて詳細に説明する。
まず、液晶収差補正素子の構成例について説明する。以下の説明では、収差補正用のパ
ターンに非点収差パターンを採用した場合の、液晶収差補正素子の構成を例に挙げて説明する。図1(a)は、液晶収差補正素子の一参考例として示す非点収差補正用電極パターンを示す平面図である。図1(b)は、液晶収差補正素子の構成を示す断面図である。なお、特に、図1(b)に示される各要素は、便宜上誇張して図示されており、実際の厚さの比とは異なる。
ターンに非点収差パターンを採用した場合の、液晶収差補正素子の構成を例に挙げて説明する。図1(a)は、液晶収差補正素子の一参考例として示す非点収差補正用電極パターンを示す平面図である。図1(b)は、液晶収差補正素子の構成を示す断面図である。なお、特に、図1(b)に示される各要素は、便宜上誇張して図示されており、実際の厚さの比とは異なる。
図1(b)において、液晶収差補正素子100は、内側に透明導電膜11、12を有する透明基板1、2との間に、光ビームの波面を変化させるための異方性光学媒質(液晶)3を挟持し、その液晶3の外周にシール剤4、5を配することで、透明基板1、2を所定の間隙を持って接着固定する。
この透明基板1の表面には、図1(a)に示すように、位置合わせマーク6A〜6Dが低抵抗の厚膜透明導電膜から形成されており、第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dは、高抵抗の薄膜透明導電膜により形成されている。
また、外部からの給電を行うための引出電極9A〜9Eは、低抵抗の厚膜透明導電膜により形成されており、高抵抗の薄膜透明導電膜からなる第1の収差補正用分割電極7A〜7Eに直接接続する。引出電極9A〜9Eに直接接続されない第2の収差補正用分割電極8A〜8Dは、引出電極9A〜9Eと同材料の透明導電膜で形成された、厚膜透明導電膜からなる接続配線10A〜10Dによってそれぞれ薄膜透明導電膜からなる第1の収差補正用分割電極7A〜7Dに接続され、間接的に外部からの給電を受けることができるようになっている。
この様にして、上述した第1の収差補正用分割電極7Aは、接続配線10Aを介して第2の収差補正用分割電極8Aと接続される。また、第1の収差補正用分割電極7Bは、接続配線10Bを介して第2の収差補正用分割電極8Bと接続され、第1の収差補正用分割電極7Cは、接続配線10Cを介して第2の収差補正用分割電極8Cと接続され、第1の収差補正用分割電極7Dは、接続配線10Dを介して第2の収差補正用分割電極8Dと接続される。
なお、上記位置合わせマーク6A〜6D、第1の収差補正用分割電極7A〜7E、第2の収差補正用分割電極8A〜8D、引出電極9A〜9E、接続配線10A〜10Dが、図1(b)に示す透明電極11となる。
また、図1(b)に示す様に、透明基板2には、対向する透明基板1上の透明導電膜11との間に電圧を印加するための透明導電膜12が形成されている。この透明導電膜12は、薄膜の対向透明電極と、厚膜の引出電極を有する。さらに、この対向透明電極は、厚膜の引出電極により導出されて、シール剤5に混入された導電性ビーズ15により、透明基板1上の引出電極と電気的な導通をとる。また、透明導電膜11、12上には、異方性光学媒質(液晶3)を配向させるための配向膜13、14(図示せず)がそれぞれ形成されている。
ここで、液晶収差補正素子100の製造方法について説明する。液晶収差補正素子の製造方法は、厚膜電極形成工程と、薄膜電極形成工程と、液晶収差補正素子形成工程とを有するものである。
まず、先に示した1回目のフォトリソ工程を含む厚膜電極形成工程について説明する。最初に、透明基板1、2の表面に透明導電膜を形成する。この透明導電膜には、ITO(
インジウム錫酸化物)等を用いることができる。
インジウム錫酸化物)等を用いることができる。
具体的には、透明導電膜11を構成する、透明基板1上の位置合わせマーク6A〜6Dと、引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dを構成する厚膜透明導電膜を、CVD法(化学気相成長法)等の手段によって形成する。その後、フォトリソエッチング工程を経て、厚膜透明導電膜からなる、位置合わせマーク6A〜6D、引出電極9A〜9E、接続配線10A〜10Dのパターンを形成する。
次に、先に示した2回目のフォトリソ工程を含む薄膜電極形成工程について説明する。まず、この引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10D上に薄膜透明導電膜を、先と同様にしてCVD法等の手段によって形成する。
その後、前述した位置合わせマーク6A〜6Dの内の少なくとも2つを用いて先に形成した厚膜透明導電膜からなるパターンに合わせて、フォトリソエッチング工程を経て、第1の収差補正用分割電極7A〜7E、および第2の収差補正用分割電極8A〜8Dのパターンを形成する。この様に、本発明の製造方法では、厚膜透明導電膜で形成された位置合わせマーク6A〜6Dを用いて2回目のフォトリソ工程にてパターンの位置合わせを行っているので、引出電極9A〜9Eと第1の収差補正用分割電極7A〜7Eのパターン合わせと、引出電極9A〜9Eと、接続配線10A〜10Dと、第2の収差補正用分割電極8A〜8Dとのパターン合わせを正確に行うことができる。
また、上述した圧膜電極形成工程と薄膜電極形成工程における成膜手段は、各成膜工程において統一することが望ましい。2つの成膜手段を各工程において統一することにより、透明導電膜11を構成する結晶粒子の形状を均一化することができる。これにより、透明基板1上に成膜する厚膜透明導電膜からなる引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dと、これら引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dの一部とオーバーラップさせて形成する、薄膜透明導電膜からなる第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dとの間の密着性を高めることが可能となり、各膜間で発生する電気的な断線を防ぐことができる。
次に液晶収差補正素子形成工程について説明する。第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dのパターンが形成された透明基板1に、図示しない配向膜を成膜し、ラビングにより配向処理を行う。もう一方の透明基板2にも同様に配向膜を形成する。
そして、透明基板1の外周にシール剤4、5を塗布し、対向する透明基板1、2を、位置合わせマーク6A〜6Dを用いて位置合わせをして重ね合わせた後、シール剤4、5を硬化させてセルを作成する。このセルに液晶3を真空注入法によって図示しない液晶注入口から注入して、封口剤を用いて液晶注入口を封止し、目的の液晶収差補正素子100を得ることができる。
以上のように、液晶収差補正素子100の製造方法において、収差を補正するための第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dと、外部からの給電を行うための引出電極9A〜9Eと、接続配線10A〜10DとをITO等の透明導電材料により形成する。また、引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dは、第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dに比べ厚膜の透明導電膜により形成する。さらに、第1の収差補正用分割電極7A〜7Eおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Dを、引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dが形成された後に引出電極9A〜9Eおよび接続配線10A〜10Dの一部とオーバーラップして形成する。この様にして製造された液晶収差補正素子100とすることで、Blu−ray Disc、HD−DVDなどの青紫色波長領域での収差補正に必要な透明電極膜の薄膜化を、問題なく行うことが可能となる。
次に、本発明の液晶収差補正素子の構成例について説明する。図2は、本実施の形態に係る液晶収差補正素子の一構成例として示す球面収差補正用電極パターンを示す平面図である。
本実施例の液晶収差補正素子200は、光ディスクの記録および再生時に発生する球面収差を補正するための収差補正機能を備えている。この、液晶収差補正素子200の構造は、実施例1で示した構成(図1(b)参照)と同じであり、電極パターンのみが異なるものである。
図2に示すように、本実施例における液晶収差補正素子200の電極構成は、実施例1と同様に、位置合わせマーク6A〜6Dを有する。また、この液晶収差補正素子200は、球面収差を補正するための第1の収差補正用分割電極7A〜7Cと、この第1の収差補正用分割電極7A〜7Cに直接接続する引出電極9A〜9Cとを有する。さらに、第1の収差補正用分割電極7Aと接続配線10Aを介して接続する第2の収差補正用分割電極8Aと、第1の収差補正用分割電極7Bと接続配線10Bを介して接続する第2の収差補正用分割電極8Bと、第1の収差補正用分割電極7Cと接続配線10Cを介して接続する第2の収差補正用分割電極8Cとを有する。
なお、本実施例においても同様に、位置合わせマーク6A〜6Dと、引出電極9A〜9C、接続配線10A〜10Cは、厚膜透明導電膜により形成されており、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Cは、薄膜透明導電膜により形成されている。
そして、各第1の収差補正用分割電極7A〜7Cの一部と、引出電極9A〜9Cとは、オーバーラップして形成されて電気的な導通を取っている。また、他の第1の収差補正用分割電極7A〜7Cの一部と接続配線10A〜10Cとの接続、および第2の収差補正用分割電極8A〜8Cと接続配線10A〜10Cとの接続も同様である。
上記本発明の液晶収差補正素子200の製造方法は、前述した製造方法と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
以上のように、本発明の液晶収差補正素子200の製造方法において、収差を補正するための第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Cと外部からの給電を行うための引出電極9A〜9Cと接続配線10C〜10Cとを透明導電膜により形成する。また、引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A〜10Cは、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8B〜8Cに比べ厚膜の透明導電膜により形成する。さらに、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A〜8Cを、引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A〜10Cが形成された後に引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A〜10Cの一部とオーバーラップして形成する。この様にして製造された液晶収差補正素子200とすることで、Blu−ray Disc、HD−DVDなどの青紫色波長領域での収差補正に必要な透明電極膜の薄膜化を、問題なく行うことが可能となる。
次に、液晶収差補正素子の構成例について説明する。図3は、液晶収差補正素子の一参考例として示すコマ収差補正用電極パターンを示す平面図である。
本実施例の液晶収差補正素子300は、光ディスクの記録および再生時に発生するコマ収差を補正するための収差補正機能を備えている。この、液晶収差補正素子300の構造は、実施例1で示した構成(図1(b))参照)と同じであり、収差補正の電極パター
ンのみが異なるものである。
ンのみが異なるものである。
図3に示すように、本実施例における液晶収差補正素子300の電極構成は、実施例1と同様に、位置合わせマーク6A〜6Dを有する。また、本構成は、コマ収差を補正するための第1の収差補正用分割電極7A〜7Cと、この第1の収差補正用分割電極7A〜7Cに直接接続する引出電極9A〜9Cとを有し、さらに、第1の収差補正用分割電極7Aと接続配線10Aを介して接続する第2の収差補正用分割電極8Aと、第1の収差補正用分割電極7Bと接続配線10Bを介して接続する第2の収差補正用分割電極8Bとを有する。
なお、本実施例でも、実施例1、実施例2と同様に、位置合わせマーク6A〜6Dと、引出電極9A〜9C、接続配線10A、10Bは、厚膜透明導電膜により形成されており、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A、8Bは、薄膜透明導電膜により形成されている。
そして、各第1の収差補正用分割電極7A〜7Cの一部と、引出電極9A〜9Cとは、オーバーラップして形成されて電気的な導通を取っている。また、他の第1の収差補正用分割電極7A、7Bの一部と接続配線10A、10Bとの接続、および第2の収差補正用分割電極8A、8Bと接続配線10A、10Bとの接続も同様である。
上記本発明の液晶収差補正素子300の製造方法は、実施例1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
以上のように、液晶収差補正素子300の製造方法において、収差を補正するための第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A、8Bと外部からの給電を行うための引出電極9A〜9Cと接続配線10A、10Bとを透明導電膜により形成する。また、引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A、10Bは、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A、8Bに比べ厚膜の透明導電膜により形成する。さらに、第1の収差補正用分割電極7A〜7Cおよび第2の収差補正用分割電極8A、8Bを、引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A、10Bが形成した後に引出電極9A〜9Cおよび接続配線10A、10Bの一部とオーバーラップして形成する。この様にして製造された液晶収差補正素子300とすることで、Blu−rayDisc、HD−DVDなどの青紫色波長領域での収差補正に必要な透明電極膜の薄膜化を、問題なく行うことが可能となる。
1 第1の透明基板
2 第2の透明基板
3 液晶
4、5 シール剤
6A〜6D 位置合わせマーク
7A〜7E 第1の収差補正用分割電極
8A〜8D 第2の収差補正用分割電極
9A〜9E 引出電極
10A〜10D 接続配線
11、12 透明導電膜
15 導電性ビーズ
13、14 配向膜
100、200、300 液晶収差補正素子
2 第2の透明基板
3 液晶
4、5 シール剤
6A〜6D 位置合わせマーク
7A〜7E 第1の収差補正用分割電極
8A〜8D 第2の収差補正用分割電極
9A〜9E 引出電極
10A〜10D 接続配線
11、12 透明導電膜
15 導電性ビーズ
13、14 配向膜
100、200、300 液晶収差補正素子
Claims (2)
- 第1、第2の透明導電膜がそれぞれ形成された第1と第2の透明基板で液晶層を挟持してなる液晶収差補正素子において、
前記第1の透明導電膜は、外部から給電を行うための複数個の引出電極と、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第1の収差補正用分割電極と、該第1の収差補正用分割電極と同様に、環の中心から順に外側へ向かって配置された複数個の輪帯形状の第2の収差補正用分割電極とを有し、
複数個の前記引出電極のうち、一つの前記引出電極と、対応する一つの前記第1の収差補正用分割電極と、対応する一つの前記第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、
複数個の前記引出電極のうち、他の前記引出電極と、対応する他の第1の収差補正用分割電極と、対応する他の前記第2の収差補正用分割電極とを、それぞれ電気的に接続し、
前記他の第1の収差補正用分割電極と前記他の第2の収差補正用分割電極とは、前記一つの第1の収差補正用分割電極と前記一つの第2の収差補正用分割電極との間に配置されていることを特徴とする液晶収差補正素子。 - 前記第1の収差補正用分割電極および前記第2の収差補正用分割電極は、前記引出電極の一部の表面をオーバーラップして、前記引出電極と同じ材料で、かつ前記引出電極よりも薄い膜で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶収差補正素子。
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Cited By (1)
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JP2005100567A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Asahi Glass Co Ltd | 光ヘッド装置 |
-
2009
- 2009-05-20 JP JP2009121549A patent/JP2009181142A/ja active Pending
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JP7252670B2 (ja) | 2019-04-19 | 2023-04-05 | 国立大学法人大阪大学 | 液晶素子、眼鏡、ヘッドマウントディスプレイ、コンタクトレンズ、及び、ゴーグル |
US11899336B2 (en) | 2019-04-19 | 2024-02-13 | Osaka University | Liquid crystal element |
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