JP2009179652A - コークスガイド車のケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】コークスガイド車のケージにおける赤熱コークスによる平板又は形鋼の変形によるコークスの押し出し不良を排除する構成を提供する。
【解決手段】コークスガイド車のケージの支持枠1をその長手方向において1本の通しの構成とし、一方平板又は形鋼2と支持枠1との間にスライドガイド部7を設けて、熱膨張による平板又は形鋼2の変形を、個々の平板又は形鋼2に設けたスライドガイド部7により、数個の平板又は形鋼2ごとに1つのフラットバーにより1つのブロックとして、ケージ全体として複数個のブロックに分けて熱膨張による平板又は形鋼2の変形をスライドガイド中のスライドピースのスライド運動による平板又は形鋼2の移動に変えることにより、かかる熱膨張が平板又は形鋼2の変形にも、支持枠1の変形にも影響を及ぼさないことが確保される。
【選択図】図3

Description

本発明は、コークスガイド車のケージの改良に係るものである。
コークスガイド車には、コークス炉から押出機によって押し出されるコークスを消火バケットに案内・誘導するためのケージが設けられている。このケージは、コークスガイド車の上部に取り付けられた機枠に車輪を介して吊り下げられており、コークスガイド車の進行方向に対して直角方向に前後進する機能を有している。ケージは縦に並設された平板若しくは形鋼とそれを繋ぐ支持枠によって構成されるが、これらの構造物は赤熱コークスがケージ内を断続的に通るたびに加熱と冷却が繰り返されるという急激な温度変化に晒される。この温度変化によって、
<1>平板にはその都度熱膨張及び収縮が発生する。
<2>支持枠には赤熱コークスからの熱が平板若しくは形鋼を通して伝わる。
従来技術では、下記の2つの項1)、2)に記載の通り、平板若しくは形鋼を固定する従来構造では、支持枠に炉側先端部をボルトで固定し、その他の部位(中間部及び反炉側)を長穴にしてボルトで固定しているボルトによる締結構造であるため、熱膨張などが円滑に吸収され又は熱膨張による影響から逃れる構造となっておらず、その結果以下の事象とそれに起因する不具合が発生する。
1)平板若しくは形鋼の変形
平板若しくは形鋼の変形により、コークスを円滑に案内することができなくなる。また、平板若しくは形鋼の交換周期が短くなり、メンテナンスコストが増加する。
2)支持枠の変形
支持枠には前後進用の車輪が上部に取り付けられて、機枠に吊り下げられているが、この変形により車輪と機枠との接する部分に不具合が生じて円滑な前後進移動ができなくなる。
従来の構造を更に具体的に述べれば、
1)平板若しくは形鋼の変形の影響がコークスガイド車のケージの作動に悪影響を与えた。
即ち、平板若しくは形鋼を支持枠に対して、一端(コークス炉炉側の一列)を完全にボルトで固定し、平板若しくは形鋼をその長手方向の他の部位(中間部及び反炉側)においてはボルト及び長穴による結合構造としていた。
上記のコークス炉炉体側の一列を基準(固定点)として、平板若しくは形鋼の熱膨張・収縮は平板若しくは形鋼にあけられた長穴によって逃がす構造である。しかしながら、長穴構造としているが、ボルトによる完全締結であるため、熱膨張による変形の度合いに応じて再びボルトによる締結調整をしなければならず、かかるメンテナンスなしには平板若しくは形鋼の熱膨張を円滑に逃がすことができない。
また、平板若しくは形鋼が熱膨張した場合に、膨張代を逃がすことができないため、平板若しくは形鋼自体の変形やこれが支持枠の変形に繋がる。
2)支持枠の変形がコークスガイド車のケージの作動に悪影響を与えた。
即ち、平板若しくは形鋼には熱によって変形しようとする力が発生し、その力が支持枠に作用し、支持枠の左右方向への変形に繋がる可能性があった。
また、輻射熱による支持枠の変形が生じ、コークスガイド車のケージの作動に悪影響を与えた。コークスガイド車のケージ内を通り抜ける赤熱コークスの熱が平板若しくは形鋼を経由して支持枠に伝達され、この熱により支持枠が変形し、コークスガイド車のケージの進退機能に影響を与えた。
このような様式のケージに関して、記載すべき先行技術文献情報はない。
本発明は、上記の従来技術の欠点を克服するため、 1つとして、平板若しくは形鋼の変形を防止する構成を実現し、2つとして、支持枠の変形防止、即ち、平板若しくは形鋼の熱膨張に起因する支持枠の変形及び輻射熱による支持枠自体のの変形をあわせて防止する構成を実現することを課題の基礎とする。
本発明の課題は、特許請求の範囲に記載された発明特定事項によって解決される。
本発明によれば、本発明によるコークスガイド車のケージは、実施例では4つの支持枠に亘って多数の平板又は形鋼が結合されて構成されているが、平板又は形鋼の左端、 即ち、コークス炉炉側においてのみ支持枠への平板又は形鋼の固定手段をボルトによるが、平板又は形鋼の中間部及び反炉側では、ボルトによる固定手段を採用しない。これにより従来熱膨張後に再締結を要したボルト・長穴による締結手段に対して、平板又は形鋼の熱膨張によるメンテナンス作業が無用とされた。
また、数個の平板又は形鋼を1つのフラットバーで連結して1ブロックとして、平板又は形鋼全体を数ブロックから構成し、各ブロックごとにスライドガイド機構によりスライドガイドとスライドピースとの間のスライド運動により、熱膨張による平板又は形鋼の伸びが各ブロックごとに吸収されるようにして平板又は形鋼の変形を防止し、同時に上記スライド機構により平板又は形鋼から支持枠への影響を遮断し、一方、平板又は形鋼と支持枠との間に防熱板を設けて、平板又は形鋼と防熱板との間及び防熱板と支持枠との間に空気断熱層を形成し、防熱板をケージ全体に亘って平板又は形鋼の下方に配置して、支持枠のない部分(図5を参照)で放熱させる構成を採用することにより、平板又は形鋼の熱膨張による平板又は形鋼の自体の変形を防止しかつ平板又は形鋼の変形の支持枠への影響を断ち切るとともに、支持枠自体の赤熱コークスからの輻射熱による変形も防止することができる。
それによって、コークス炉からの赤熱コークスの押し出し中に発生するコークスガイド車のケージにおける押し出し不良が排除され、赤熱コークスの安全かつ確実な送り出しが達成されることができる。
従って、平板若しくは形鋼の交換周期が短くなり、メンテナンスコストが大幅に減少する。また、コークスガイド車のケージの前後進用の車輪が取り付けられた支持枠と機枠との接する部分に不具合が解消されて、コークスガイド車のケージの円滑な作動が確保される。
本発明によるコークスガイド車のケージは、平板又は形鋼の支持枠への固定手段としてコークス炉炉側でのみボルト締結を採用するが、平板又は形鋼の中間部及び反炉側では、 ボルト・長穴結合構造を採用せず、スライド機構の採用により平板又は形鋼の熱膨張がスライド機構におけるスライドピ―スのスライド運動に変換され、同様に該スライド機構により平板又は形鋼の熱膨張の支持枠への影響が排除され、かつ平板又は形鋼と支持枠との間で、コークスガイド車のケージ全体に亘って防熱板を配置することにより、これらの間の空気断熱層により支持枠への伝熱が遮断されて、赤熱コークスからの輻射熱による支持枠自体の熱膨張を抑制する結果をもたらす構成として実施される。
本発明を図示の実施例に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2によれば、コークスガイド車のケージが示されている。
図1によれば、中央をコークス炉から押し出される赤熱コークスCを挟むように両側に対状に平板又は形鋼2がコークスガイド車のケージの上部から下部まで並んで配列されている。
その際コークス炉炉側においては、平板又は形鋼2は支持枠1にボルト11によって支持枠1と締結固定されていが、上記の平板又は形鋼2は、その長手方向の中間部及び反炉側では支持枠にボルトでは連結されていない。平板又は形鋼は、符号2で表わされる多数の平板又は形鋼2の配列として構成されている。コークスガイド車のケージの機枠12の下方部分では、機枠12の下方部分9は、U字形横断面の形状を有し、この機枠12の下方部分9が平板又は形鋼2と連結されかつ機枠12の下方部分9は支持枠1に図示しないブラケットを介して係留される。
一方、機枠12の上部部分と機枠12の下方部分9とは、最上部の平板用鋼8を介して機枠12の側方部分10と結合されており、側方部分10は図2でみて最も左側の支持枠1に係留されている。支持枠1は長手方向において1本の通しの構成である。
平板又は形鋼2の熱による膨張の累積はフラットバ―3を介して支持枠1に伝達されるが、数個の平板又は形鋼2を1ブロックとして1つのフラットバー3に連結されており、従って、フラットバー3の数だけ平板又は形鋼2はブロック化されており、フラットバー3は、次に述べるスライド機構により各ブロックごとに熱膨張による変形をスライド機構におけるスライドピースのスライド運動に変換されることになる。平板又は形鋼2の長手方向の伸びは支持枠1の曲げ等の変形には影響しない。一方隣接する平板又は形鋼2、2相互間の同様に熱膨張による横変形は上記の各ブロックごとに吸収されることとなり、支持枠の長手方向の伸び変形等には影響を及ぼすことがない。
平板又は形鋼2は、複数個おきに、図3に示す場合には1つおきにスライドガイド7を介して支持枠1と連結しており、平板又は形鋼2の熱膨張による平板又は形鋼2の長手方向の伸び、 従ってフラットバー3の伸びが直接支持枠1の伸びに影響を与えることがなく、熱膨張に基づく変形が平板又は形鋼2はスライドガイド部のスライドガイド7とスライドピース6との間のスライド運動を介して支持枠1との間で、平板又は形鋼2の長手方向の移動(図3中矢印14)に変換されて、従来構造ではメンテナンスを要した平板又は形鋼2の支持枠1へのボルト・長穴構造による再締結作業は完全に不要となる。
それによって、多数の平板又は形鋼2の熱膨張は支持枠1の全長の伸びに影響することがなく、個々の平板又は形鋼2における熱膨張による変形が支持枠1の横方向の取り付け位置にも影響を及びすことがない。
本発明によれば、平板又は形鋼2の熱膨張による変形は、個々の平板又は形鋼2の図3で見て矢印14方向のスライド運動に変換されるため、赤熱コークスによる平板又は形鋼2の変形の支持枠1への影響は排除され、機枠12と支持枠1との間の不具合も解消される。
図3〜図5には、上記スライドガイド部の構成が図示されている。多数の平板又は形鋼2が、コークスガイド車のケージの上部から下部まで並んで配列されている。図4で示すように平板又は形鋼2がコークスガイド車のケージの上部から下部まで貫き、フラットバー3に固定されていて、フラットバー3はスライドガイド7が介して支持枠1に固定されている。フラットバー3は数個の平板又は形鋼2に対して支持枠毎に1個設けられ、これにより上記のスライド機構は、数個の平板又は形鋼2ごとに1つのブロックを形成し、各ブロックごとに平板又は形鋼2の熱膨張による変形をスライド機構におけるスライド運動の形に変えて熱膨張による平板又は形鋼2の変形を逃がす構成となっている。スライドガイド7にはスライドピース6が嵌入しており、スライドピース6はボルト5及びナット4により支持枠1のウエブに固定されている。その結果平板又は形鋼2が熱膨張すると、スライドガイド部のスライドガイド7とスライドピース6との間のスライド運動に変換されて平板又は形鋼2の長手方向(矢印14の方向)の移動に変えられて、支持枠1の変形に繋がる影響は排除される。
また、全ての平板又は形鋼2の下方に亘って延びる形で防熱板13が介装されている。これにより平板又は形鋼2と防熱板との間及び防熱板と支持枠との間に空気断熱層が形成されることとなり、空気断熱層に蓄積されるべき熱は支持枠1に伝達されることなく、空気断熱層の熱は支持枠1のない部分(図5参照)からコークスガイド車のケージの外方に放熱される。
それによって多数の平板又は形鋼2の個々の変形量の累積による平板又は形鋼2の自体の伸びがスライド機構により逃がされ、平板又は形鋼2の熱膨張の変形に起因する支持枠1の長手方向の熱膨張も防止され、 支持枠1と平板又は形鋼2との間の長穴を使用したボルト11の再締結の必要なく、また、防熱板13の採用により赤熱コークスから支持枠1への輻射熱の放射も遮断される。これにより支持枠1の変形がなくなるために機枠12との車輪による連結部へのしわ寄せもなくコークスガイド車のケージの円滑な進退機能がメンテナンスなしに常に維持されることができる。
本発明によれば、機枠12と支持枠1との間に位置調整が、コークスガイド車のケージの使用時も、コークスガイド車のケージの不使用時も全く操作・調整の必要がなくなるので、コークスガイド車のケージは無論、コークスガイド車自体の操作も容易となり、コークス炉のコークスガイド作業が容易となる。
本発明によるコークスガイド車のケージは、コークス炉におけるコークスガイド車のケージの作動を、赤熱コークスによるケージの熱変形の影響と遮断し、コークスガイド車のケージの適正な作動に普遍的に利用されることができる。
図1は、本発明によるコークスガイド車のケージの正面図である。 図2は、本発明によるコークスガイド車のケージの外側側面図である。 図3は、本発明によるコークスガイド車のケージのスライドガイド部のコークスガイド車のケージの中央から外側へ向かって見た内側部分側面図である。 図4は、スライドガイドのVI−VIに沿う横断面図である。 図5は、図4に示すスライドガイドの図4のV−V線に沿う横断面図である。
符号の説明
1 支持枠
2 平板又は形鋼
3 フラットバー
4 ボルト
5 ナット
6 スライドピース
7 スライドガイド
8 上部平板
9 機枠の下部部分
10 機枠の側方部分
11 ボルト
12 機枠
13 防熱板
14 矢印
C 赤熱コークス

Claims (3)

  1. コークスガイド車のケージにおいて、
    上方から下方へ多数の平板又は形鋼(2)が配列されており、平板又は形鋼(2)はその長手方向において、支持枠(1)に下記スライドガイド部により支持され、
    平板又は形鋼(2)の熱による膨張の累積はフラットバ―(3)を介して支持枠(1)に伝達されるが、数個の平板又は形鋼(2)に対して1つのフラットバー(3)を固定して1ブロックを形成し、平板又は形鋼(2)全体を数個のブロック群から成るように構成し、平板又は形鋼(2)は、1つ又は複数個おきにスライドガイド部を介して支持枠(1)と連結しており、平板又は形鋼(2)の熱膨張による平板又は形鋼(2)の長手方向の伸びがスライドガイド部のスライドガイド(7)とスライドピース(6)との間のスライド運動に代えられて平板又は形鋼(2)自体の変形を防止し、
    平板又は形鋼(2)の熱膨張に起因する支持枠(1)の変形も,上記スライドガイド部にスライドガイド(7)とスライドピース(6)との間のスライド運動に代えられることにより支持枠(1)の変形として支持枠(1)の変形をもたらすことがないことを特徴とする、 前記コークスガイド車のケージ。
  2. 平板又は形鋼(2)と支持枠(1)との間に防熱板(13)が介装されており、それによって平板又は形鋼(2)と防熱板(13)との間に、及び防熱版(13)と支持枠(1)との間に空気断熱層を形成し、赤熱コークスからの輻射熱が上記空気断熱層からコークスガイド車のケージ外に放熱されて、直接支持枠(1)へは伝達されないようにしたことを特徴とする、コークスガイド車のケージ。
  3. 請求項1及び請求項2に記載した構成を有することを特徴とする、コークスガイド車のケージ。
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