JP2009179585A - 有機el素子、ジベンゾホスホールオキシド誘導体およびその製造方法 - Google Patents

有機el素子、ジベンゾホスホールオキシド誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高発光効率で、長寿命でかつ低駆動電圧の有機EL素子を提供。
【解決手段】有機EL素子において、該有機薄膜層が一般式(I):
Figure 2009179585

(式中、R1およびR2は、水素原子、脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり;aおよびbは、1〜4の整数であり、;Lは、結合手または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基であり;nは1〜4の整数であり、;Arは、結合手、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜3価の基であり;mは1〜3の整数)で表わされるジベンゾホスホールオキシド誘導体を含有。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子、ジベンゾホスホールオキシド誘導体およびその製造方法に関する。本発明の新規なジベンゾホスホールオキシド誘導体を用いることにより、有機EL素子の長寿命化および駆動電圧の改善を達成することができる。
発光物質として有機材料を用いた有機EL素子(「有機電界発光素子」ともいう)は、陽極から注入される正孔(ホール)と陰極から注入される電子が再結合して励起状態の分子(励起子)を形成し、その励起子が基底状態にもどる際にエネルギーを放出することにより発光する。
1987年にイーストマン・コダック(Eastman Kodak)社のタン氏(C.W.Tang)らは、陽極と陰極との間に有機膜を積層した有機電界発光素子を発表し、低電圧駆動で高輝度の発光を実現した(C.W.Tangら,「Applied Physics Letters」,1987年,第51巻,p.913:非特許文献1)。
このタン氏らの発表以来、有機電界発光素子について、RGBの三原色の発光、輝度向上、安定性、積層構造、作製方法などの研究が盛んに行われている。現在では、有機電界発光素子は、携帯電話やカーオーディオ用のディスプレイとして一部実用化が始まっており、液晶ディスプレイに代わる次世代のフラット・ディスプレイとして有望視されている。
有機電界発光素子は、電子輸送材料が発光材料と組み合わせて用いられることが多い。
電子輸送材料は、陰極から注入された電子を効率よく発光層に輸送するために用いられ、また正孔を阻止するのにも役立っている。電子輸送材料としては、例えばオキサジアゾール誘導体や、緑色発光材料として広く用いられているAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)が用いられている。
特開2004−256468号公報(特許文献1)には、有機電界発光素子の構成材料として利用可能な、式:
Figure 2009179585
(式中、Rは水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキロキシ基、アルケニロキシ基、シクロアルケニロキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基、アラルキロキシ基もしくは複素環式基を示し、Arはアリール基または芳香族複素環式基を示す)で表される9−オキソ−9−ホスファフルオレン誘導体が開示されている。
また、特開2004−256469号公報(特許文献2)には、有機電界発光素子の構成材料として利用可能な、式:
Figure 2009179585
(式中、Rは水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキロキシ基、アルケニロキシ基、シクロアルケニロキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基、アラルキロキシ基もしくは複素環式基を示し、Thは置換基を有していてもよいチオフェンジイル基を示し、nは3以上の自然数を示す)で表される9−オキソ−9−ホスファフルオレン−2,7−ジイル基を主鎖に含む重合体が開示されている。
しかしながら、このような従来の電子輸送材料は、いまだ有機電界発光素子に用いた際の駆動電圧が高く、寿命特性も不十分であり改善が望まれている。
特開2004−256468号公報 特開2004−256469号公報 C.W.Tangら,「Applied Physics Letters」,1987年,第51巻,p.913
本発明は、高発光効率で、長寿命でかつ低駆動電圧の有機EL素子を提供すること、さらには本発明の有機EL素子に用いられる電子輸送材料として特に好適なジベンゾホスホールオキシド誘導体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のジベンゾホスホールオキシド誘導体を電子輸送材料として用いることにより、高発光効率で、長寿命でかつ低駆動電圧の有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のジベンゾホスホール誘導体は、上記の公報に記載の材料と類似するものの、ホスファフルオレンの9位で架橋した構造を有しておらず異なる。
かくして、本発明によれば、陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む一層または複数層からなる有機薄膜層が挟持された有機EL素子において、該有機薄膜層が一般式(I):
Figure 2009179585
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり;aおよびbは、同一または異なって、1〜4の整数であり、aおよびbが2以上の整数であるとき、複数のR1およびR2は同一または異なっていてもよく;
Lは、結合手または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基であり;nは1〜4の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよく;
Arは、結合手、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜3価の基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよい)
で表わされるジベンゾホスホールオキシド誘導体を含有することを特徴とする有機EL素子が提供される。
また、本発明によれば、一般式(I)で表わされることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体が提供される。
さらに、本発明によれば、
金属触媒および/または塩基の存在下で、アリールハライドと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールおよび/または9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドとを溶媒中で反応させ、次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化させて、上記の一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得ることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体の製造方法、および
9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドとアリールリチウムまたはアリールグリニャール試薬とを溶媒中で反応させて、上記の一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得ることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体の製造方法
が提供される。
本発明によれば、高発光効率で、長寿命でかつ低駆動電圧の有機EL素子を提供すること、さらには本発明の有機EL素子に用いられる電子輸送材料として特に好適なジベンゾホスホールオキシド誘導体を提供することができる。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む一層または複数層からなる有機薄膜層が挟持された有機EL素子であり、該有機薄膜層が一般式(I)で表わされるジベンゾホスホールオキシド誘導体を含有することを特徴とする。
一般式(I)におけるR1およびR2は、同一または異なって、水素原子、脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。
「脂肪族炭化水素基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基など炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
「芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−テルフェニル−4−イル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−2−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル−4−イル基などが挙げられる。
これらの中でも、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−(10−フェニル)アントリル基、9−(10−ナフチル−1−イル)アントリル基、9−(10−ナフチル−2−イル)アントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基が特に好ましい。
「芳香族複素環基」としては、例えば、
1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、
ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、
1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、
1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、
2−フリル基、3−フリル基、
2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、
1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、
2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、
1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、
2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、
1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、
1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、
1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、
1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、
1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、
1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、
1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、
2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、
2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、
2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、
1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、
1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、
2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、
2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、
3−フラザニル基、
2−チエニル基、3−チエニル基、
ジベンゾチオフェン−3−イル基、ジベンゾチオフェンジオキサイド−3−イル基、
2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、
3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、
2−t−ブチルピロール−4−イル基、
3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、
2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、
2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基
5−オキソ−ベンゾホスホリル−2−イル基、5−オキソ−ベンゾホスホリル−3−イル基、5−オキソ−ベンゾホスホリル−4−イル基
などが挙げられる。
aおよびbは、同一または異なって、1〜4の整数であり、aおよびbが2以上の整数であるとき、複数のR1およびR2は同一または異なっていてもよい。
Lは、結合手または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基である。
「芳香族炭化水素基から誘導される2価の基」としては、前記「芳香族炭化水素基」からさらに水素原子1個を取り除いて生ずる2価基が挙げられる。
これらの中でも、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、クリセン、ピレンなどから生ずる2価基が特に好ましい。
「芳香族複素環基から誘導される2価の基」としては、前記「芳香族複素環基」からさらに水素原子1個を取り除いて生ずる2価基が挙げられ、その置換基も前記置換基と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、ピロール、ピリジン、インドール、イソインドール、キノリン、カルバゾール、フェナントロリン、チオフェン、フラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンジオキサイド、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフランなどから生ずる2価基が特に好ましい。例えば、ジベンゾチオフェン−3,6−ジイル基、ジベンゾチオフェンジオキサイド−3,6−ジイル基などが挙げられる。
「芳香族複素環基から誘導される2価の基」としては、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、カルバゾリレン基および置換もしくは無置換の5−オキソ−ジベンゾホスホレニル基が特に好ましい。
芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基は、置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基およびアリール基などが挙げられる。
nは1〜4の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよい。
Arは、結合手、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜3価の基である。
「芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜2価の基」としては、それぞれ前記「芳香族炭化水素基」、「芳香族炭化水素基から誘導される2価の基」、「芳香族複素環基」および「芳香族複素環基から誘導される2価の基」が挙げられる。
「芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基」としては、それぞれ前記「芳香族炭化水素基から誘導される2価の基」および「芳香族複素環基から誘導される2価の基」からさらに水素原子1個を取り除いて生ずる「芳香族炭化水素基から誘導される3価の基」および「芳香族複素環基から誘導される3価の基」が挙げられる。
また、それらの好ましい例も同様であり、それらの置換基も前記置換基と同様のものが挙げられる。
mは1〜3の整数であり、mが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよい。
一般式(I)で表されるジベンゾホスホールオキシド誘導体は、副式(II)〜(V)で表されるものが好ましい。
副式(II):
Figure 2009179585
(式中、R1、R2、a、b、Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義であり;Ar1は、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される1価の基である)
副式(III):
Figure 2009179585
(式中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義である)
副式(IV):
Figure 2009179585
(式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lは、一般式(I)における定義と同義であり;q、rおよびsは、同一または異なって、一般式(I)におけるnの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
副式(V):
Figure 2009179585
(式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
一般式(I)で表されるジベンゾホスホールオキシド誘導体は、
副式(II)の化合物:
Figure 2009179585
副式(III)の化合物:
Figure 2009179585
Figure 2009179585
Figure 2009179585
副式(IV)の化合物:
Figure 2009179585
副式(V)の化合物:
Figure 2009179585
から選択される化合物が好ましい。
これらの中でも、
Figure 2009179585
から選択される化合物が特に好ましい。
本発明のジベンゾホスホール誘導体は、例えば、次の2つの方法により合成することができる。
(方法1)
金属触媒(縮合触媒)および/または塩基の存在下で、アリールハライドと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールおよび/または9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドとを溶媒中で反応(縮合、すなわち脱ハロゲン化水素反応)させ、次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化させて、上記の一般式(I)または(Ia)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。
Figure 2009179585
Figure 2009179585
(方法2)
5−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドとアリールリチウムまたはアリールグリニャール試薬とを溶媒中で反応させて、上記の一般式(I)または(Ia)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。
Figure 2009179585
方法1について説明する。
金属触媒および/または塩基の存在下で、アリールハライドと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールとを溶媒中で反応させ、次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化させて、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。
9−ヒドロ−ジベンゾホスホールは、例えば、E. H. Braye, I. Caplier and R. Saussez, Tetrahedron, 27, 5523 (1971)(文献1)に記載の方法により得ることができる。
9−ヒドロ−ジベンゾホスホールは、アリールハライドのハライド原子に対して1〜4モル等量使用するのが好ましい。
溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルジオキサン、ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの極性有機溶媒が挙げられ、これらの中でも収率の点で、DMSOおよびDMAが特に好ましい。
金属触媒としては、例えば、酢酸パラジウム[Pd(OAc)2]、酢酸ニッケル[Ni(OAc)2]、およびPd(OAc)2−1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン[dppp]、Pd(OAc)2−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン[dppe]、Pd(OAc)2−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン[dppb]、Ni(OAc)2−dppe、Ni(OAc)2−dpppのような白金族元素とビスホスフィノアルカンとの錯化合物が挙げられ、これらの中でも収率の点で、Pd(OAc)2、Pd(OAc)2−dpppおよびPd(OAc)2−dppbが特に好ましい。
触媒の使用量は、アリールハライドのハライド原子の1モルに対して0.005〜0.1モル程度である。
塩基は、縮合により生成されるハロゲン化水素を捕捉する機能を有する。
このような塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミンやN−エチルジイソプロピルアミン[edpa]のような脂肪族第3級アミンやピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン[DMAP]のような芳香族第3級アミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のような強塩基、が挙げられ、これらの中でも沸点の点で、edpaおよびDMAPが特に好ましい。
塩基の使用量は、生成するハロゲン化水素の理論量を捕捉するに十分な量、すなわちアリールハライドのハライド原子の1モルに対して、1.0〜5.0モル程度である。
方法1の反応における反応温度は、60〜180℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
また、反応時間は、反応温度などの条件にもよるが、通常、1〜48時間程度で十分である。
次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化することにより、ジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。
酸化剤としては、当該技術分野で公知の酸化剤を用いることができ、例えば、過酸化水素、空気、メタクロロ安息香酸、クメンヒドロパーオキシドなどが好適に用いられる。
また、金属触媒および/または塩基の存在下で、アリールハライドと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドとを溶媒中で反応させて、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。条件は上記と同様である。
9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドは、例えば、9−ヒドロ−ジベンゾホスホールを過酸化水素により酸化させることにより得られる。
さらに、金属触媒および/または塩基の存在下で、アリールハライドと、9−ヒドロ−ジベンゾホスホールと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドの混合物とを溶媒中で反応させ、次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化させて、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。条件は上記と同様である。
方法2について説明する。
9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドとアリールリチウムまたはアリールグリニャール試薬とを溶媒中で反応させて、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得る。
9−ヒドロキシジベンゾホスホールオキシドは、例えば、S. Jhon, L. R. H. Cornforth and R. T. Gray, J. Chem. Soc., Perkin trans I, 2289 (1982)(文献2)に記載の方法により得ることができる。
9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドは、例えば、9−ヒドロキシジベンゾホスホールオキシドを1〜100モル等量の塩化チオニル中で0.5〜24時間還流し、その反応液をロータリーエバポレーターで濃縮し、さらに真空乾燥することにより得ることができる。
溶媒としては、脱水したテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)などが挙げられ、これらの中でも収率の点で、THFおよびジエチルエーテルが特に好ましい。
アリールリチウムとしては、例えば、(ビフェニル−4,4’−ジイル)ジリチウム、(ビフェニル−4−イル)リチウムなどが挙げられる。
アリールリチウムの使用量は、9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドの1モルに対して0.5〜2モル程度である。
アリールグリニャール試薬としては、例えば、(ビフェニル−4−イル)マグネシウムブロマイド、1−ナフチルマグネシウムブロマイドなどが挙げられる。
アリールグリニャール試薬の使用量は、9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドの1モルに対して0.5〜2モル程度である。
方法2の反応における反応温度は、−100〜100℃が好ましく、−80〜80℃がより好ましい。
また、反応時間は、反応温度などの条件にもよるが、通常、0.5〜24時間程度で十分である。
本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む一層または複数層からなる有機薄膜層が挟持された有機EL素子であり、該有機薄膜層の少なくとも1層が一般式(I)で表わされるジベンゾホスホールオキシド誘導体を単独もしくは混合物の成分として含有する。
本発明の有機EL素子は、発光層が、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を主成分として含有するのが好ましい。
また、本発明の有機EL素子は、発光層が、本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を電子輸送材料として含有するのが好ましい。
本発明の有機EL素子の素子構成は特に限定されないが、例えば、次のような素子構成が挙げられる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(e)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
(f)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極
(g)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極
(h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(i)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(j)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(k)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(l)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(m)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
これらの中でも、通常(h)の素子構成が特に好ましい。
本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体は、有機EL素子のどの有機薄膜層に用いてもよいが、発光帯域または電子輸送帯域が好ましく、電子注入層、電子輸送層および/または発光層が特に好ましい。
(透光性基板)
本発明の有機EL素子は、通常、透光性基板上に形成される。
透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
透光性基板の材料は、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などのガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフィド、ポリスルホンなどポリマーが挙げられる。
その厚さは、少なくとも有機EL素子を支持し得る程度であればよく、0.05〜10mm程度である。
(陽極)
陽極は、正孔を正孔輸送層または発光層に注入する機能を有するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有する材料からなるのが好ましい。
陽極の材料は、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、金、銀、白金、銅などが挙げられる。
陽極は、これらの電極材料を用いて、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層からの発光を陽極側から取り出す場合には、陽極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましく、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。
陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μmであり、10〜200nmが好ましい。
(発光層)
発光層は、(1)電界印加時に陽極または正孔注入層より正孔を注入し、陰極または電子注入層より電子を注入する注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、および(3)電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる発光機能を併せもつ。
但し、正孔の注入され易さと電子の注入され易さに違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、その発光層に主成分として本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を含有するのが好ましいが、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により他の公知の発光材料を含有させてもよく、また他の公知の発光材料を含む別の発光層を積層してもよい。
さらに、発光層は、必要に応じて正孔輸送材料、電子輸送材料、ポリマーバインダーを含有してもよい。
本発明のホスホールオキシド誘導体は、公知の発光材料およびドーピング材料と併用することができる。
発光材料としては、例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレンおよび蛍光色素などが挙げられる。
ドーピング材料としては、例えば、りん光発光性の化合物が挙げられ、ホスト材料にカルバゾール環を含む化合物が特に好ましい。
りん光発光性のドーピング材料は、三重項励起子から発光することのできる化合物であり、三重項励起子から発光する限り特に限定されないが、Ir、Ru、Pd、Pt、OsおよびReからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む金属錯体であることが好ましく、ポルフィリン金属錯体およびオルトメタル化金属錯体が特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィリン白金錯体が特に好ましい。
オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあり、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体などが特に好ましい。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有してもよく、フッ素化物、トリフルオロメチル基を導入したものが、青色系ドーパントとして特に好ましい。さらに補助配位子としてアセチルアセトナート、ピクリン酸などの上記配位子以外の配位子を有していてもよい。
カルバゾール環を含む化合物からなるりん光発光に好適なホストは、その励起状態からりん光発光性の化合物へエネルギー移動が起こる結果、りん光発光性の化合物を発光させる機能を有する化合物である。ホスト化合物としては励起子エネルギーをりん光発光性の化合物にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カルバゾール環以外に任意の複素環などを有していてもよい。
ホスト化合物としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェンなどの導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などの高分子化合物などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
りん光発光性のドーピング材料の発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70重量%であり、1〜30質量%が特に好ましい。
りん光発光性のドーピング材料の含有量が0.1重量%未満では発光が微弱であり、その含有効果が十分に発揮され難く、70重量%を超える場合には、濃度消光と言われる現象が顕著になり素子性能が低下することがある。
発光層は、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層は、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された薄膜などの分子堆積膜であることが特に好ましい。分子堆積膜は、通常、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違やそれに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、発光層は、例えば、特開昭57−51781号公報(文献3)に開示されているような、樹脂などの結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法などにより薄膜化することによっても形成することができる。
発光層の膜厚は、通常5〜100nmであり、7〜80nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。5nm未満では発光層の形成が困難になることがあり、色度の調整が困難になるおそれがあり、100nmを超える場合には駆動電圧が上昇するおそれがある。
(正孔注入層・正孔輸送層(正孔輸送帯域))
正孔注入層および正孔輸送層は、発光層への正孔の注入を補助(促進)し、発光領域まで輸送する層であり、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい材料からなるのが好ましい。また、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、正孔の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10-4cm2/V・秒であるものが好ましい。
本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を単独で用いて、正孔注入層および正孔輸送層を形成してもよく、他の材料と混合して用いてもよく、また他の材料を含む別の層を積層してもよい。
混合して用いてもよい材料としては、上記の好ましい性質を有するものであれば特に限定されず、公知の材料、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されているものを選択して用いることができる。
このような材料としては、例えば、次のようなものが挙げられる。なお、括弧内は参照の文献を示す。
トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書)
オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書)
イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報)
ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報)
ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報)
フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報)
アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書)
アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書)
オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書)
スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報)
フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報)
ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報)
スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報)
シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)
ポリシラン系(特開平2−204996号公報)
アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)
導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー、特開平1−211399号公報)
ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報)
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報、芳香族第三級アミン化合物が特に好ましい)
2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)(米国特許第5,061,569号明細書)
トリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)(特開平4−308688号公報)
P型Si、P型SiCなどの無機化合物
正孔注入層および正孔輸送層は、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
正孔注入層および正孔輸送層の膜厚は、通常、5nm〜5μmである。
(電子注入層・電子輸送層(電子輸送帯域))
電子注入層および電子輸送層は、発光層への電子の注入を補助(促進)し、発光領域まで輸送する層であり、電子移動度が大きく、電子親和力が通常2.5EV以上と大きい材料からなるのが好ましい。または、より低い電界強度で電子を発光層に輸送する材料が好ましく、電子の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2/V・秒であるものが好ましい。
本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体を単独で用いて、電子注入層および電子輸送層を形成してもよく、他の材料と混合して用いてもよく、また他の材料を含む別の層を積層してもよい。
混合して用いてもよい材料としては、上記の好ましい性質を有するものであれば特に限定されず、公知の材料、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや有機EL素子の電子注入層および電子輸送層に使用されているものを選択して用いることができる。
電子注入層および電子輸送層は、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
電子注入層および電子輸送層の膜厚は、通常、5nm〜5μmである。
本発明の有機EL素子の好ましい形態に、電子を輸送する領域または陰極と有機層の界面領域に、電子輸送性化合物を還元し得る還元性ドーパントを含有する素子がある。
還元性ドーパントとしては、一定の還元性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物または希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体などが挙げられる。
具体的には、Na(仕事関数:2.36EV)、K(仕事関数:2.2eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)およびCs(仕事関数:1.95eV)などのアルカリ金属;Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)およびBa(仕事関数:2.52eV)などのアルカリ土類金属が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが好ましく、K、RbおよびCsのアルカリ金属が好ましく、RbおよびCsがより好ましく、Csが特に好ましい。また、これらのアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特にCsを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbおよびCsとNaとKの組み合わせが好ましい。Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
アルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子注入帯域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化を図ることができる。
(付着改善層)
本発明の有機EL素子では、付着改善層を設けてもよい。
付着改善層は、電子注入層の中で特に陰極との付着性が良好な材料からなる層であり、その形成方法や膜厚は電子注入層および電子輸送層に準ずる。
(有機半導体層・無機半導体層)
本発明の有機EL素子では、陰極と有機層の間に、発光層への正孔注入または電子注入を補助する層として有機半導体層や無機半導体層を設けてもよい。
有機半導体層および無機半導体層は、10-10S/cm以上の導電率を有する材料で形成されるのが好ましい。
有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマー、例えば、特開平8−193191号公報に開示されている含アリールアミンオリゴマーなどの導電性オリゴマー;含アリールアミンデンドリマーなどの導電性デンドリマーなどが挙げられる。
無機半導体層の材料としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物などが挙げられ、これらの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの材料は、微結晶または非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。また、このような絶縁性薄膜は、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポットなどの画素欠陥を減少させることができる。
本発明の有機EL素子では、陰極と有機層の間に、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物およびこれらの組み合わせからなる層を設けてもよい。
具体的には、Li2O、K2O、Na2S、Na2SeおよびNa2Oなどのアルカリ金属カルコゲニド;CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、およびCaSeなどのアルカリ土類金属カルコゲニド;LiF、NaF、KF、LiCl、KClおよびNaClなどのアルカリ金属のハロゲン化物;CaF2、BaF2、SrF2、MgF2およびBeF2などのハロゲン化物アルカリ土類金属のハロゲン化物が挙げられる。
このような層を設けることにより、有機EL素子の電子注入性をさらに向上させることができる。
(絶縁層)
有機EL素子は超薄膜に電界を印可するために、電流のリークやショートによる画素欠陥が生じ易く、これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入することが好ましい。
絶縁層の材料としては、例えば酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウムなどが挙げられ、これらの混合物や積層物を用いてもよい。
絶縁層は、公知の方法により形成することができ、その膜厚は、0.1〜10nm程度である。
(陰極)
陰極は、電子を電子注入層、電子輸送層または発光層に注入する機能を有するものであり、4eV以下の小さい仕事関数を有する材料からなるのが好ましい。
陰極の材料は、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、ナトリウム、ナトリウム・カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などの金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。
陰極は、これらの電極材料を用いて、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層からの発光を陰極側から取り出す場合には、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましく、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。
陰極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μmであり、50〜200nmが好ま
(有機EL素子の製造)
本発明の有機EL素子は、以上に例示した材料および形成方法により陽極、発光層、必要に応じて他の層を形成し、さらに陰極を形成することにより作製することができる。また、本発明の有機EL素子は、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で作製することもできる。
以下、透光性基板上に陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次積層された構成の有機EL素子の作製例について説明する。
まず、陽極材料を用いて、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの公知の薄膜形成方法により、透光性基板上に膜厚1μm以下の陽極を形成する。
次に、正孔注入層の材料を用いて、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により、陽極上に正孔注入層を形成する。これらの薄膜形成方法の中でも、均質な膜が得られ易く、かつピンホールが発生し難いなどの点から真空蒸着法が特に好ましい。真空蒸着法における蒸着条件は使用する正孔注入層の材料、目的とする正孔注入層の結晶構造や再結合構造などにより異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度10-7〜10-3torr、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
次に、有機発光材料を用いて、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により、正孔注入層上に発光層を形成する。発光層の形成方法も正孔注入層と同様に真空蒸着法が特に好ましく、その蒸着条件も正孔注入層と同様に適宜設定することが好ましい。
次に、電子注入材料を用いて、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により、発光層上に電子注入層を形成する。電子注入層の形成方法も正孔注入層と同様に真空蒸着法が特に好ましく、その蒸着条件も正孔注入層と同様に適宜設定することが好ましい。
本発明のジベンゾホスホールオキシド誘導体は、発光帯域や正孔輸送帯域のいずれの層に含有させるかによって異なるが、真空蒸着法の場合には、他の材料と共蒸着させることができ、スピンコート法の場合には、他の材料と混合して含有層を形成することができる。
最後に、陰極材料を用いて、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの公知の薄膜形成方法により、電子注入層上に膜厚1μm以下の陰極を形成して有機EL素子を得る。これらの薄膜形成方法の中でも、成膜時に下地の有機物層が損傷を受け難い真空蒸着法が特に好ましい。
上記の有機EL素子の作製は、同一装置内で1回の真空引きで一貫して実施するのが好ましい。
本発明の有機EL素子における各層の形成方法は、特に限定されず、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの乾式法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの塗布による湿式法などの公知の薄膜形成方法が挙げられる。
本発明の有機EL素子における各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄過ぎるとピンホールなどの欠陥が生じ易く、逆に厚過ぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nm〜1μmの範囲が好ましい。
本発明の有機EL素子は、陽極に+、陰極に−の極性にして、5〜40Vの直流電圧を印加することにより発光を観測することができる。なお、逆の極性で電圧を印加した場合には電流は流れず、発光は全く生じない。また、交流電圧を印加した場合には陽極が+、陰極が−の極性になった時のみ均一な発光が観測される。印加する交流の波形は任意でよい。
合成例、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの合成例および実施例により本発明が限定されるものではない。
合成した化合物の物性を下記の機器を用いて評価し、所望の化合物が得られていることを確認した。
(融点)
装置:示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製、型番:EXSTAR6000)
条件:試料重量5〜8mg、昇温速度:10℃/分
(FAB−MS)
装置:高速原子線衝撃イオン化質量分析計(日本電子株式会社製、型番:JMS−700MStation)
(IR)
装置:フーリエ変換赤外分光光度計(株式会社島津製作所製、型番:FTIR−8600PC)
条件:KBr錠剤法
(1H−NMR)
装置:FT NMR装置(日本電子株式会社製、型番:JNM−MY60FT)
(HPLC溶出時間)
装置:高速液体クロマトグラフィー(HPLC、ジーエルサイエンス株式会社製、型式:GL−7400)
分離カラム(ジーエルサイエンス株式会社製、Inertsil ODS−3(登録商標)、カラムサイズ4.6×250mm)
条件:流速1.0ml/分
カラム温度:40℃
溶離液と溶出条件:0〜20分:30/70→0/100%
2O/MeOHリニアグラジエント
20分以降:MeOHアイソクラティック
合成例1(4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニル(化合物(9))の合成)
合成例1−1(有機リチウム化合物を使用した合成:方法2)
4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニル(化合物(9))を下記の工程で合成した。
Figure 2009179585
文献2に記載の方法で得られた5−ヒドロキシ−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド8.64g(4mmol)をアルゴン雰囲気下、塩化チオニル40ml中で4時間還流した。その後、得られた反応液をロータリーエバポレーターでガラス状になるまで濃縮し、さらに一晩真空中で乾燥して5−クロロ−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドを得た。
次に、4,4’−ジブロモビフェニル3.12g(1mmol)をテトラヒドロフラン(THF)4mlに溶解し、アルゴン雰囲気下で−78℃に冷却した。得られた溶液に1.6M−n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを5分間掛けて滴下し、そのまま4時間攪拌した(溶液1)。
その後、真空乾燥した5−クロロ−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドをTHF4mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で溶液1に10分間掛けて滴下した。次いで、得られた反応液を室温まで30分間掛けて加熱し、2時間還流した。
得られた反応溶液に蒸留水40mlを加え、ジクロロメタンから有機層を抽出した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール)で精製し、さらに昇華精製して白色の結晶(1.71g)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニルであることを確認した。図1および図2に、それぞれIR測定結果およびNMR測定結果を示す。
融点:436℃
FAB−MS,m/z:551[M]+
IR(cm-1):3051(arC−H),1202(P=O)
1H−NMR(CDCl3,60Hz):7.90〜7.26(complex signal)
HPLC溶出時間:10.8分
収率:収率31%(4,4’−ジブロモビフェニルに対して)
合成例1−2(触媒反応を使用した合成:方法1)
4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニル(化合物(9))を下記の工程で合成した。
Figure 2009179585
文献1に記載の方法で得られた5−ヒドロ−ジベンゾホスホール1.83g(9.94mmol)、4,4’−ジヨードビフェニル509mg(1.25mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)3.01g(24.6mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)47.1g(0.21mmol)および1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン(DPPP)89mg(0.216mmol)の混合物に、ジメチルアセトアミド(DMA)20mlを滴下した。得られた溶液を窒素雰囲気下、130℃で一晩反応させた。
ジクロロメタンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この時点で、FAB−MS分析を行ったところ、5−ヒドロ−ジベンゾホスホールと5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドの混合物であることが確認できた。
次に、濃縮残渣に四塩化炭素および30%過酸化水素水142mgを加えて室温で30分間攪拌した。次いで、ジクロロメタンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮残渣を充填剤シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/エタノール)で分離し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。次いで、濃縮残渣をトルエン/エタノールで再結晶化して白色の結晶(2.78g)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニルであることを確認した。
融点:436℃
FAB−MS,m/z:551[M]+
IR(cm-1):3051(arC−H),1202(P=O)
1H−NMR(CDCl3,60Hz):7.90〜7.26(complex signal)
HPLC溶出時間:10.8分
収率:収率43%(4,4’−ジヨードビフェニルに対して)
合成例1−3(触媒反応を使用した合成:方法1)
4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニル(化合物(9))を下記の工程で合成した。
Figure 2009179585
文献1に記載の方法で5−ヒドロ−ジベンゾホスホール合成する際に副生した5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離した。
得られた5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド6.0g(3mmol)、4,4’−ジヨードビフェニル203mg(0.5mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)3.01g(9mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)13.4mg(0.06mmol)および1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン(DPPP)24.7mg(0.06mmol)の混合物に、ジメチルアセトアミド(DMA)2mlを滴下した。得られた溶液を窒素雰囲気下、130℃で一晩反応させた。
濃縮残渣を充填剤シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/エタノール)で分離し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。次いで、濃縮残渣をトルエン/エタノールで再結晶化して白色の結晶(0.84g)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニルであることを確認した。
融点:436℃
FAB−MS,m/z:551[M]+
IR(cm-1):3051(arC−H),1202(P=O)
1H−NMR(CDCl3,60Hz):7.90〜7.26(complex signal)
HPLC溶出時間:10.8分
収率:収率33%(4,4’−ジヨードビフェニルに対して)
合成例2(5−ビフェニル−4−イル−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド(化合物(1))の合成)
5−ビフェニル−4−イル−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド(化合物(1))を下記の工程で合成した(方法2)。
Figure 2009179585
4−ブロモビフェニル4.66g(2mmol)、マグネシウム0.48g(2mmol)およびTHF4mlを用いてグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬を0℃に冷却し、これに予め合成例1と同様にして合成しておいた5−クロロ−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド4mmolのTHF4mlの溶液を10分間掛けて滴下した。得られた反応液を室温まで5分間掛けて加熱し、2時間還流した。
得られた反応溶液に蒸留水40mlを加え、ジクロロメタンから有機層を抽出した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール)で精製し、さらに昇華精製して白色の結晶(2.53g)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が5−ビフェニル−4−イル−5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドであることを確認した。
FAB−MS,m/z:352[M]+
収率:収率36%(4−ブロモビフェニルに対して)
合成例3(1,3,5−トリス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ベンゼン(化合物(32))の合成:方法1)
1,3,5−トリス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ベンゼン(化合物(32))を下記の工程で合成した。
Figure 2009179585
文献1に記載の方法で得られた5−ヒドロ−ジベンゾホスホールと5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドの混合物1.21g(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール換算で6.55mmol)、U.Schoberl, T.F.Magnera, R.M.Harir, J.Am. Chem. Soc.,119, 3907(1997)(文献3)に記載の方法で得られた1,3,5−トリヨードベンゼン230mg(0.5mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)1.83g(15.0mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)28.5mg(0.127mmol)および1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン(DPPP)52.0mg(0.126mmol)の混合物に、DMA15mlを滴下した。得られた溶液を窒素雰囲気下、130℃で一晩反応させた。
ジクロロメタンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた乾燥物を充填剤シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/エタノール)で分離し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。次いで、濃縮残渣をトルエン/エタノールで再結晶して白色の結晶(165mg)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が1,3,5−トリス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ベンゼンであることを確認した。図3および図4に、それぞれIR測定結果およびNMR測定結果を示す。
融点:315℃
FAB−MS,m/z:673[M]+
IR(cm-1):3053(arC−H),1202(P=O)
1H−NMR(CDCl3,60Hz):8.20〜7.27(complex signal)
HPLC溶出時間:6.10分
収率:収率48.9%(1,3,5−トリヨードベンゼンに対して)
合成例4(9,9−ジメチル−2,7−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)フルオレンの合成(化合物(17)):方法1)
9,9−ジメチル−2,7−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)フルオレン(化合物(17))を下記の工程で合成した。
Figure 2009179585
工程1(9,9−ジメチルフルオレンの合成)
フルオレン3.01g(18mmol)、水酸化ナトリウム4.32g(108mmol)および15−クラウン−5−エーテル21.5ml(2.38g,10.8mmol)にDMSO120mlを加えて攪拌した。さらに、ヨウ化メチル8.22mL(18.7g,132mmol)を2時間掛けて滴下し2時間攪拌し、次いで水120ml加えて1.5時間攪拌した。
ジクロロメタンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。充填剤シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:シクロヘキサン/トルエン)で分離した。次いで、濃縮残渣をエタノールで再結晶化して白色の結晶(2.12g)を得た。この時点で、FAB−MS分析を行ったところ、m/z=194([M+])の結果が得られ、得られた化合物が9,9−ジメチルフルオレンであることが確認できた(収率59.9%)。
工程2(2,7−ジヨード−9,9−ジメチルフルオレンの合成)
9,9−ジメチルフルオレン1.09g(5.61mmol)に酢酸(AcOH)/H2O(=6.67ml/1.0ml)を混合して75℃に加熱し、得られた混合溶液に50%塩化ヨウ素塩酸水溶液5.68g(35mmol)を滴下し、一晩反応させた。
トルエンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液8mlで残存ヨウ素を中和し分液した。
得られた溶液に10%NaOH水溶液を加えて中和し水洗した。得られた溶液から有機層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固させた。次いで、濃縮乾固物をエタノールで再結晶化して、白色の結晶(1.31g)を得た。この時点で、FAB−MS分析を行ったところ、m/z=446([M+])の結果が得られ、得られた化合物が2,7−ジヨード−9,9−ジメチルフルオレンであることが確認できた(収率52.5%)。
工程3(9,9−ジメチル−2,7−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)フルオレンの合成)
文献1に記載の方法で得られた5−ヒドロ−ジベンゾホスホールと5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシドの混合物737mg(4mmol)、2,7−ジヨード−9,9−ジメチルフルオレン226mg(0.51mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.22g(10mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)19.4mg(0.086mmol)および1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン(DPPP)36.0mg(0.087mmol)の混合物に、DMA10mlを滴下した。得られた溶液を窒素雰囲気下、130℃で一晩反応させた。
ジクロロメタンで得られた反応液から有機層を抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた乾燥物を充填剤シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/エタノール)で分離し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。次いで、濃縮残渣をトルエン/エタノールで再結晶して白色の結晶(192mg)を得た。
得られた化合物の物性を評価したところ、下記のような結果が得られ、得られた化合物が9,9−ジメチル−2,7−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)フルオレンであることを確認した。図5および図6に、それぞれIR測定結果およびNMR測定結果を示す。
融点:328℃
FAB−MS,m/z:591[M]+
IR(cm-1):3055(arC−H),1441,1403(C−H),1203(P=O)
1H−NMR(CDCl3,60Hz):8.19〜7.20(complex signal,22H),1.61〜1.49(d6H)
HPLC溶出時間:12.1分
収率:収率68.7%(2,7−ジヨード−9,9−ジメチルフルオレンに対して)
実施例1
厚さ50mm×50mm×0.8mmのITO透明電極(膜厚80nm、幅2mmのライン状)付きガラス基板(三容真空社製)をアルカリ洗剤およびアセトン中で順次5分間超音波洗浄した。次いで、このガラス基板をイソプロピルアルコール中で5分間煮沸洗浄し、さらに15分間UVオゾン洗浄した。
次に、得られたガラス基板を真空蒸着装置内の基板ホルダーに装着し、装置内を約5×10-4Paの真空度にし、陰極として機能するITO透明電極を覆うように、N,N’−ジ−1−ナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジンを蒸着して、膜厚80nmの正孔輸送層を得た。
次に、正孔輸送層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、4,4’−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ビフェニル(化合物(9))およびフッ化リチウムを順次蒸着して、膜厚20nmの発光層、膜厚40nmの電子輸送層および膜厚0.2nmの電子注入層の積層体を得た。
最後に、電子注入層上に、ITO電極に直交するように幅2mmでアルミニウムを蒸着して、膜厚100nmの陰極を得、有機EL素子を完成した。
得られた有機EL素子に通電し駆動させたところ、発光層であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムに由来する緑色発光が得られた。
この素子は、輝度100cd/m2での電圧が4.7Vと十分に低い駆動電圧を示した。また、この素子を輝度500cd/m2で定電流駆動したところ、80%の輝度まで低下する時間は15時間と長い素子寿命を示した。
実施例2
電子輸送層を1,3,5−トリス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)ベンゼン(化合物(32))を蒸着して形成すること以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に通電し駆動させたところ、発光層であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムに由来する緑色発光が得られた。
この素子は、輝度100cd/m2での電圧が6.5Vと十分に低い駆動電圧を示した。また、この素子を輝度500cd/m2で定電流駆動したところ、80%の輝度まで低下する時間は125時間と長い素子寿命を示した。
実施例3
電子輸送層を9,9−ジメチル−2,7−ビス(5−ヒドロ−ジベンゾホスホール5−オキシド−5−イル)フルオレン(化合物(17))を蒸着して形成すること以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に通電し駆動させたところ、発光層であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムに由来する緑色発光が得られた。
この素子は、輝度100cd/m2での電圧が3.7Vと十分に低い駆動電圧を示した。また、この素子を輝度500cd/m2で定電流駆動したところ、80%の輝度まで低下する時間は11.3時間と長い素子寿命を示した。
比較例
電子輸送層をトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを蒸着して形成すること以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に通電し駆動させたところ、発光層であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムに由来する緑色発光が得られた。
この素子は、輝度100cd/m2での電圧が4.7Vと十分に低い駆動電圧を示したが、この素子を輝度500cd/m2で定電流駆動したところ、80%の輝度まで低下する時間は9.5時間と上記実施例と比較して短い素子寿命を示した。
合成例1の化合物のIR測定結果を示す図である。 合成例1の化合物のNMR測定結果を示す図である。 合成例3の化合物のIR測定結果を示す図である。 合成例3の化合物のNMR測定結果を示す図である。 合成例4の化合物のIR測定結果を示す図である。 合成例4の化合物のNMR測定結果を示す図である。

Claims (16)

  1. 陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む一層または複数層からなる有機薄膜層が挟持された有機EL素子において、該有機薄膜層が一般式(I):
    Figure 2009179585
    (式中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり;aおよびbは、同一または異なって、1〜4の整数であり、aおよびbが2以上の整数であるとき、複数のR1およびR2は同一または異なっていてもよく;
    Lは、結合手または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基であり;nは1〜4の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよく;
    Arは、結合手、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜3価の基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよい)
    で表わされるジベンゾホスホールオキシド誘導体を含有することを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記一般式(I)が、副式(II):
    Figure 2009179585
    (式中、R1、R2、a、b、Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義であり;Ar1は、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される1価の基である)
    で表わされる請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記一般式(I)が、副式(III):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義である)
    で表される請求項1に記載の有機EL素子。
  4. 前記一般式(I)が、副式(IV):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lは、一般式(I)における定義と同義であり;q、rおよびsは、同一または異なって、一般式(I)におけるnの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
    で表される請求項1に記載の有機EL素子。
  5. 前記一般式(I)が、副式(V):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
    で表される請求項1に記載の有機EL素子。
  6. 前記一般式(I)が、
    Figure 2009179585
    Figure 2009179585
    Figure 2009179585
    Figure 2009179585
    Figure 2009179585
    Figure 2009179585
    から選択される請求項1に記載の有機EL素子。
  7. 前記発光層が、一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を主成分として含有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  8. 前記発光層が、一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を電子輸送材料として含有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  9. 一般式(I):
    Figure 2009179585
    (式中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり;aおよびbは、同一または異なって、1〜4の整数であり、aおよびbが2以上の整数であるとき、複数のR1およびR2は同一または異なっていてもよく;
    Lは、結合手または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される2価の基であり;nは1〜4の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよく;
    Arは、結合手、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基から誘導される1〜3価の基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上の整数であるとき、複数のLは同一または異なっていてもよい)
    で表わされることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  10. 前記一般式(I)が、副式(II):
    Figure 2009179585
    (式中、R1、R2、a、b、Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義であり;Ar1は、水素原子または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される1価の基である)
    で表わされる請求項9に記載のジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  11. 前記一般式(I)が、副式(III):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lおよびnは、一般式(I)における定義と同義である)
    で表される請求項9に記載のジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  12. 前記一般式(I)が、副式(IV):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Lは、一般式(I)における定義と同義であり;q、rおよびsは、同一または異なって、一般式(I)におけるnの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
    で表される請求項9に記載のジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  13. 前記一般式(I)が、副式(V):
    Figure 2009179585
    (式中、R1〜R6およびa〜fは、それぞれ一般式(I)におけるR1およびR2ならびにaおよびbの定義と同義であり;Ar2は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基から誘導される3価の基である)
    で表される請求項9に記載のジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  14. 一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体が、
    Figure 2009179585
    から選択される請求項9に記載のジベンゾホスホールオキシド誘導体。
  15. 金属触媒および/または塩基の存在下で、アリールハライドと9−ヒドロ−ジベンゾホスホールおよび/または9−ヒドロ−ジベンゾホスホールオキシドとを溶媒中で反応させ、次いで得られた反応生成物のリン原子を酸化剤で酸化させて、請求項9に記載の一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得ることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体の製造方法。
  16. 9−クロロ−ジベンゾホスホールオキシドとアリールリチウムまたはアリールグリニャール試薬とを溶媒中で反応させて、請求項9に記載の一般式(I)のジベンゾホスホールオキシド誘導体を得ることを特徴とするジベンゾホスホールオキシド誘導体の製造方法。
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