JP2009179568A - 芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物、その製造方法、芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物並びにその成形体及び光学部材 - Google Patents

芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物、その製造方法、芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物並びにその成形体及び光学部材 Download PDF

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晋広 笠野
Kunio Takahashi
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Abstract

【課題】高屈折率とカチオン硬化反応性とを一成分で両立でき、次世代のエポキシ化合物として有望な芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物及びその製造方法、並びに、当該化合物によって構成される樹脂組成物、その成形体及び光学部材を提供する。
【解決手段】下記一般式(1);
Figure 2009179568

(式中、Xは、芳香族骨格を表す。Yは、同一若しくは異なって、エポキシシクロヘキサン基、又は、エポキシ基が直接若しくは炭化水素を介して付加した環状脂肪族炭化水素を表す。R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。nは、0〜10の整数である。mは、1以上の整数であって、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して最大値が決まる数である。)で表される芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物、その製造方法、芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物並びにその成形体及び光学部材に関する。より詳しくは、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料等の用途に有用な化合物及びその製造方法、並びに、該化合物によって構成される樹脂組成物、その成形体及び光学部材に関する。
エポキシ化合物は、その硬化物が光学特性、機械特性、電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)、耐薬品性等に優れた性質を示すことから、例えば、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料等の他、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、塗料や接着剤等の各種用途の構成材料として幅広く用いられている。これらの用途において、特に光学用途や電気・電子部品材料用途等のように光学特性が要求される用途においては、高外観を呈することや透明性、屈折率といった光学特性とともに、硬化物として機能するために成型性が良好であることが必要とされている。
ところで、従来、エポキシ化合物を硬化させるには酸無水物類やアミン類、フェノール類等の硬化剤が使用されてきたが、この場合には、硬化時の加熱により又は硬化後の硬化物を部材として組み込んだ光学素子の加工工程における加熱プロセスにおいて、着色することが多く、硬化物が高外観でかつ無色・高透明性を充分に実現することができない等という懸念があった。そのため、最近では、これら従来の硬化剤に代えて、カチオン種を発生して硬化(重合)を開始させるカチオン硬化触媒を用いる技術が種々検討されている。
このような技術に関し、例えば、一分子中にフルオレン骨格とグリシジル基とを有する構造を持つフルオレン含有エポキシ樹脂(例えば、特許文献1参照。)について、従来の酸無水物類やフェノール類の他、イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等のカチオン系の光重合開始剤を使用してエポキシ樹脂を硬化させる形態が開示されている。また、カチオン重合が可能なエポキシ化合物として、一分子中にフルオレン骨格とオキセタン環とを有するフルオレン誘導体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの化合物では、カチオン硬化反応性が充分とはいえないことから、高屈折率とともにカチオン硬化反応性をより充分に発揮させることにより、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料等の各種用途に有用なエポキシ化合物を得るための工夫の余地があった。
特開2004−83855号公報(第21、23〜32頁) 特開2000−336082号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高屈折率とカチオン硬化反応性とを一成分で両立でき、次世代のエポキシ化合物として有望な芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物及びその製造方法、並びに、当該化合物によって構成される樹脂組成物、その成形体及び光学部材を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、高屈折率等の光学特性が要求される用途に有用なエポキシ化合物について種々検討したところ、芳香族エポキシ化合物が高屈折率を実現できることにまず着目し、硬化成分としてカチオン硬化触媒を使用すると、従来の酸無水物類やアミン類、フェノール樹脂等の硬化剤を使用した場合に比べて着色のおそれが抑制されるうえ、樹脂組成物に含有された状態であっても常温での経時的な粘度上昇やゲル化を引き起こすことなく保存安定性を発揮することができることを見いだし、またその一方で、カチオン硬化触媒を用いた系では樹脂組成物が充分に硬化することができないことに着目した。また、芳香族エポキシ化合物に脂環式エポキシ化合物を併用させると、カチオン硬化反応性を向上させることができるものの、芳香族エポキシ化合物のみを使用する場合よりも屈折率が低下し、期待される高屈折率が充分に達成できないことに着目した。そこで、一分子中に芳香族骨格と特定の脂環式エポキシ基とを有する化合物を作成したところ、該化合物一成分で、高屈折率を実現しながらも良好なカチオン硬化反応性を発揮できるという相反する特性を両立できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。そして、このような化合物を含む樹脂組成物を用いると、その硬化物が、無色で透明性が高く、高屈折率、高外観等の優れた光学特性及び耐熱変色性を発揮するとともに、樹脂組成物は良好な保存安定性を呈しながらも、短時間で充分に硬化させることができ、離型性や成型性等に優れたものとなることを見いだし、また、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料等の各種用途に有用な成形体や光学部材を与えることができることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、芳香族骨格を有する脂環式エポキシ化合物であって、下記一般式(1);
Figure 2009179568
(式中、Xは、芳香族骨格を表す。Yは、同一若しくは異なって、、エポキシシクロヘキサン基、又は、エポキシ基が直接若しくは炭化水素を介して付加した環状脂肪族炭化水素を表す。R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。nは、(−CR−CR−O−)で表される基の繰り返し数を表し、0〜10の整数である。mは、1以上の整数であって、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して最大値が決まる数である。)で表される芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物である。
本発明はまた、上記香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と、カチオン硬化触媒とを含む芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物でもある。
本発明は更に、上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる成形体でもある。
本発明はそして、上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる光学部材でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、上記一般式(1)で表される構造を有するが、芳香族骨格Xとしては、フルオレン構造、ビスフェノール構造、ビフェニル構造、アントラセン構造、ナフタレン構造又はフェノール構造を含むものであることが好適であり、また、複数の芳香環が共役している系が好適である。その中でも、より高屈折率及び透明性を実現させるため、フルオレン構造又はビスフェノール構造を含むことが好ましい。より好ましくは、フルオレン構造であり、これによって、更に著しく屈折率を高めることができ、また、離型性を更に高めることも可能となる。なお、これら各構造は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子やアルキル基等で置換されたものであってもよい。また、芳香環が臭素化された形態(芳香環の一部又は全部の水素原子が臭素原子で置換された構造)であっても、より高屈折率を達成できるため好適であるが、アッベ数が若干上がるため、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
上記一般式(1)において、Yは、同一若しくは異なって、エポキシシクロヘキサン基、又は、エポキシ基が直接若しくは炭化水素を介して付加した環状脂肪族炭化水素を表す。このような基を有することによって上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の硬化反応活性を高めることができるため、カチオン硬化触媒の添加量が少量であっても該化合物一成分で硬化速度を充分に高めることができ、より短時間で硬化物を得ることが可能となる。また、それと同時に、触媒量を低減することに起因して、耐熱性に優れ、加熱による熱変色や機械的強度の劣化が抑制された硬化物を得ることが可能となる。
なお、上記Yで表される基は、置換基を有していてもよい。
上記Yが、エポキシ基が直接又は炭化水素を介して付加した環状脂肪族炭化水素を表す場合、環状脂肪族炭化水素としては、炭素数4以上の環状脂肪族炭化水素であることが好ましく、シクロヘキサンであることが最も好適である。また、エポキシ基と環状脂肪族炭化水素との間に存在し得る上記炭化水素としては、例えば、炭素数1〜20の炭化水素であることが好適である。
上記Yで表される基として特に好ましくは、エポキシシクロヘキサン基であり、これによって、カチオン硬化反応性を更に高め、硬化速度を更に向上させることが可能となる。
なお、本明細書における「エポキシ基」とは、エポキシ基の他、グリシジル基、グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含むものとする。
上記一般式(1)において、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基としては、特に限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基であることが好適である。
また上記一般式(1)におけるnは、(−CR−CR−O−)で表される基の繰り返し数を表し、0〜10の整数である。好ましくは、0、1又は2であり、無機物等他の成分との相溶性が必要な場合は該nが大きい方が好適である。より好ましくは、0又は1である。
上記一般式(1)において、mは、Xに含まれる芳香環に結合する〔−O−(CR−CR−O)n−CO−Y〕基の結合数であって、1以上の整数であり、mの最大値は、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して決まるものである。すなわち例えば、上記Xが下記式(i)で表される置換基を有さないフルオレン構造である場合、mの最大値は10となり、上記Xが下記式(ii)で表される、フルオレン構造にベンゼン環2個が置換した構造である場合、mの最大値は18となり、また、上記Xが下記式(iii)で表される置換基を有さないビスフェノールA骨格である場合、mの最大値は10となる。
Figure 2009179568
上記mとしては、Xで表される芳香族骨格に起因する高屈折率と、Yで表される基に起因する良好なカチオン硬化反応性との相反する特性を最大限に両立できるよう選択することが好適であり、例えば、下限値は、Yで表される基に起因するカチオン硬化反応性を更に高めることができる点で2以上であることが好ましい。また、上限値は、Xで表される芳香族骨格に起因して更に高屈折率を実現できる点で、10以下であることが好ましく、より好ましくは4以下である。特に好ましくは、mが2である形態である。
上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物はまた、分子量が100以上、1万以下であることが好適である。100未満であると、該化合物を用いて得られる製品の機械強度が充分とはならないおそれがあり、1万を超えると、より適切な粘度とすることができず、加工特性(粘度、流れ性)により優れたものとすることができないおそれがあり、また、樹脂組成物の透明性がより充分なものとはならないおそれもある。より好ましい下限値は120であり、更に好ましくは150であり、また、より好ましい上限値は5000であり、更に好ましくは1000である。
なお、分子量(重量平均分子量)としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、下記条件下で測定することができる。
<分子量の測定方法>
測定器:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、商品名「HLC−8220GPC」
カラム:東ソー社製「TSK−GEL SUPER HZM−N 6.0*150」×4本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/分
温度:40℃
検量線:ポリスチレン標準サンプル(東ソー社製)を用いて作成。
本発明はまた、上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物を製造する方法であって、該製造方法は、下記一般式(2);
Figure 2009179568
(式中、Xは、芳香族骨格を表す。R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。nは、(−CR−CR−O−)で表される基の繰り返し数を表し、0〜10の整数である。mは、1以上の整数であって、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して最大値が決まる数である。)で表される芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸若しくはその酸ハロゲン化物、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素若しくはその酸ハロゲン化物とを反応させた後に、エポキシ化させる工程を含む芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の製造方法である。
上記製造方法では、(1)上記一般式(2)で表される芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸、若しくは、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素とを脱水縮合させる工程(以下、「脱水縮合工程」ともいう。)、又は、上記一般式(2)で表される芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸の酸ハロゲン化物、若しくは、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素の酸ハロゲン化物とを脱ハロゲン化水素反応させる工程(以下、「脱ハロゲン化水素反応工程」ともいう。)と、(2)該脱水縮合工程又は脱ハロゲン化水素反応工程で得られた化合物をエポキシ化させる工程(以下、「エポキシ化工程」ともいう。)とを含むことになる限り、他の工程については特に限定されるものではない。なお、他の工程としては、例えば、洗浄工程、抽出工程等の通常の化学反応で行われる工程が例示される。
上記脱水縮合工程又は脱ハロゲン化水素反応工程において、上記芳香族骨格含有化合物とは、上述した一般式(2)で表される構造を有する化合物であれば特に限定されるものではない。一般式(2)中の記号は、上記一般式(1)において上述したとおりである。
上記一般式(2)で表される芳香族骨格含有化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2009179568
なお、脱ハロゲン化水素反応工程を行う場合には、上記一般式(2)で表される芳香族骨格含有化合物としては特に、一般式(2)中のn=0である、すなわち当該化合物が「X−(OH)m」で表される形態であることが好適である。
上記シクロヘキセンカルボン酸としては、1分子中にシクロヘキセン環とカルボキシル基とをそれぞれ1以上有する化合物であれば特に限定されず、置換基を有していてもよい。具体的に例えば、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸、2−シクロヘキセン−1−カルボン酸等が好適である。
また上記シクロヘキセンカルボン酸の酸ハロゲン化物としては、上記シクロヘキセンカルボン酸が有するカルボキシル基部分において、−COF、−COCl、−COBr、−COI等の形態になっていればよい。
なお、シクロヘキセンカルボン酸又はその酸ハロゲン化物に由来して、上記一般式(1)中のエポキシシクロヘキサン基(Y)が形成されることになる。
上記アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素としては、1分子中にカルボキシル基とアルケニル基とをそれぞれ1以上有する環状脂肪族炭化水素であれば特に限定されず、置換基を有していてもよい。中でも、1以上のアルケニル基が環状脂肪族炭化水素に直接又はエーテル結合若しくはエステル結合を介して結合した形態や、環状脂肪族炭化水素に結合した炭化水素に直接又は該炭化水素にエーテル結合若しくはエステル結合を介してアルケニル基が結合した形態であることが好適である。アルケニル基としては、例えば、炭素数2〜20のアルケニル基であることが好ましく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられ、二重結合部分の炭素原子に結合した水素原子が有機基(例えば、アルキル基等)で置換されていてもよい。また、環状脂肪族炭化水素としては、上述したとおりである。
また上記アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素の酸ハロゲン化物としては、当該環状脂肪族炭化水素が有するカルボキシル基部分において、−COF、−COCl、−COBr、−COI等の形態になっていればよい。
上記アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素又はその酸ハロゲン化物に由来して、上記一般式(1)中の環状脂肪族炭化水素に直接若しくは炭化水素を介して付加したエポキシ基(Y)が形成されることになるが、ここでいう「エポキシ基」とは、上述したように、エポキシ基の他、グリシジル基、グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含むものである。例えば、上記アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素におけるアルケニル基として、ビニル基(CH=CH−)を有する場合は、上記「エポキシ基」は下記式(a)で表されるエポキシ基となり、アルケニル基としてプロピレン基(CH=CH−CH−)を有する場合は、上記「エポキシ基」は下記式(b)で表されるグリシジル基となる。また、プロピレン基がエーテル結合を介して環状脂肪族炭化水素又は環状脂肪族炭化水素に結合した炭化水素に結合している(CH=CH−CH−O−)場合には、上記「エポキシ基」は下記式(c)で表されるグリシジルエーテル基となり、プロピレン基がエステル結合を介して環状脂肪族炭化水素又は環状脂肪族炭化水素に結合した炭化水素に結合している(CH=CH−CH−O−C(=O)−)場合には、上記「エポキシ基」は下記式(d)で表されるグリシジルエステル基となる。
Figure 2009179568
上記芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素との脱水縮合反応や、上記芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸の酸ハロゲン化物、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素の酸ハロゲン化物との脱ハロゲン化水素反応としては、通常のエステル化の手法を用いて行うことができ、例えば、必要に応じて触媒の存在下、溶媒中で加熱することにより反応させることができる。
この反応によって、脱水縮合工程であれば、上記芳香族骨格含有化合物の末端基である水酸基と、上記シクロヘキセンカルボン酸、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素が有するカルボキシル基とが脱水縮合することになる。また、脱ハロゲン化水素反応工程であれば、上記芳香族骨格含有化合物の末端基である水酸基と、上記シクロヘキセンカルボン酸の酸ハロゲン化物、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素の酸ハロゲン化物が有する−COX基(ここでのXは、ハロゲン原子を表す。)とが脱ハロゲン化水素反応することになる。
上記脱水縮合反応において、必要に応じて使用される触媒としては、酸性触媒であっても塩基性触媒であってもよく、酸性触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸等が挙げられ、塩基性触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン等の3級アミン類が挙げられる。中でも、原料となる上記各種化合物と触媒自身との反応を抑制できる点で、酸性触媒が好適である。
上記触媒の使用量としては、上記芳香族骨格含有化合物100モルに対し、0.01〜20モルであることが好適であり、より好ましくは0.05〜10モルである。
上記脱ハロゲン化水素反応においては、副生するハロゲン化水素を捕捉することが好ましく、捕捉剤を、反応系内に共存させることが好ましい。捕捉剤としては3級アミンが好ましい。
上記捕捉剤は、通常、酸ハロゲン化物における−COX基(ここでのXは、ハロゲン原子を表す。)のモル数に対し、1倍モル以上用いることが好ましく、1倍〜2倍モルが更に好ましい。
上記溶媒としては、通常の脱水縮合反応又は脱ハロゲン化水素反応で使用される溶媒を用いればよく、例えば、塩化メチレン、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エーテル類等が挙げられる。反応のし易さにもよるが、通常は、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基を有しない有機溶媒が好ましい。
上記脱水縮合反応又は脱ハロゲン化水素反応の反応条件は、使用する溶媒の種類や量等によっても異なる。
例えば、脱水縮合反応の場合は、反応温度は70〜200℃とすることが好適であり、より好ましくは100〜180℃である。また、反応時間は1〜20時間とすることが好適であり、より好ましくは4〜10時間である。
脱ハロゲン化水素反応の場合は、反応温度は0〜100℃とすることが好適であり、反応時間は0.1〜20時間とすることが好適である。
また、反応圧力は、常圧〜2×10Paとすることが好適であり、減圧下で反応を行うこともできる。
上記エポキシ化工程では、上記脱水縮合工程又は脱ハロゲン化水素反応工程によって得られた反応生成物をエポキシ化することになるが、エポキシ化方法としては、通常の手法を用いればよく、例えば、必要に応じて触媒の存在下、溶媒中で酸化剤を用いてエポキシ化反応に供することができる。
上記必要に応じて使用される触媒としては特に限定されないが、例えば、遷移金属元素を含む酸を用いることが好ましく、遷移金属元素としては、タングステンやモリブデン等が挙げられる。なお、無触媒下で上記エポキシ化を行うこともできる。
上記触媒の使用量としては、上記脱水縮合工程により得られた反応生成物100モルに対し、0.01〜10モルであることが好適であり、より好ましくは0.05〜5モルである。
上記溶媒としては、通常のエポキシ化反応で使用される溶媒を用いればよく、例えば、上述した脱水縮合工程又は脱ハロゲン化水素反応工程に関して例示した各種溶媒等を用いることができる。
上記酸化剤としては特に限定されず、酸素イオン、酸素ラジカル、ぺルオキシド、スーパーペルオキシドを生成し得る化合物や物質、例えば、過酸化水素、有機過酸化物、無機過酸化物、酸素、酸素と水素との混合ガス、一酸化二窒素、ヨードシルベンゼン等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。中でも、過酸化物が好ましく、より好ましくは有機過酸化物である。
上記有機過酸化物として具体的には、過安息香酸(ペルオキシ安息香酸)、m−クロロ過安息香酸、p−ニトロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、過酢酸、ペルオキシマレイン酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシフタル酸、ペルオキシラウリン酸、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メンチルヒドロペルオキシド、1−メチルシクロヘキサンヒドロペルオキシド等が挙げられる。
上記酸化剤の使用量としては、上記脱水縮合工程により得られた反応生成物100モルに対し、50〜150モルであることが好適であり、より好ましくは70〜130モルである。
上記エポキシ化工程においては、反応溶液を中性〜酸性とすることが好適であり、また、緩衝溶液中で反応を行なうことも可能である。
酸性とする場合には、反応系中に酸性物質を加えてもよく、酸性物質としては、例えば、ブレンステッド酸、ルイス酸等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。ブレンステッド酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸;酢酸、安息香酸、ギ酸、トリクロロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スルホン酸等の有機酸類;ゼオライト類、混合酸化物類等の無機酸類等が好適であり、ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化ホウ素化合物、塩化アンチモン化合物、塩化第二スズ、フッ化アンチモン、亜鉛やチタンの化合物、ゼオライト類、混合酸化物等が好適である。更に無機、有機酸性塩を用いることもできる。
上記エポキシ化反応の反応条件に関し、反応温度は0〜150℃とすることが好適であり、より好ましくは10〜50℃である。また、反応時間は5〜80時間とすることが好適であり、より好ましくは20〜60時間である。また、反応圧力は、常圧〜2×10Paとすることが好適であり、減圧下で反応を行うこともできる。
本発明はまた、上記香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と、カチオン硬化触媒とを含む芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)でもある。
上記樹脂組成物において、カチオン硬化触媒としては、熱や光により重合を開始させるカチオン種が発生するものであれば特に限定されないが、熱潜在性硬化触媒(熱酸発生剤)又は光潜在性硬化触媒(光酸発生剤)であることが好適である。熱潜在性硬化触媒を用いることにより、加熱によりカチオン種を含む化合物が励起され、熱分解反応が起こり、熱硬化が進むこととなる。また、光潜在性硬化触媒を用いることにより、光によりカチオン種を含む化合物が励起され、光分解反応が起こり、光硬化が進むこととなる。これらの中でも、上記樹脂組成物を光学材料として使用する場合には、熱潜在性硬化触媒が特に好適である。
上記熱潜在性硬化触媒とは、熱酸発生剤、熱潜在性硬化剤、熱潜在性カチオン発生剤、カチオン重合開始剤とも呼ばれ、樹脂組成物において硬化温度になれば、硬化剤としての実質的な機能を発揮するものである。熱潜在性硬化触媒は、硬化剤として一般に使用されている酸無水物類、アミン類、フェノール樹脂類等とは異なり、樹脂組成物に含まれていても、樹脂組成物の常温での経時的な粘度上昇やゲル化を引き起こすことなく、また、熱潜在性硬化触媒の作用として、硬化反応を充分に促進して優れた効果を発揮することができ、ハンドリング性に優れた一液性樹脂組成物(一液化材料)を提供することが可能となる。
また上記熱潜在性硬化触媒を用いることによって、得られる樹脂組成物の硬化物の耐湿性が劇的に改善され、過酷な使用環境においても樹脂組成物が有する優れた光学特性を保持し、種々の用途に好適に用いることができるものとなる。通常、屈折率が低い水分が樹脂組成物やその硬化物に含まれると濁りの原因になるが、熱潜在性硬化触媒を用いると、優れた耐湿性が発揮できることから、このような濁りが抑制され、レンズ等の光学用途に好適に用いることができる。特に車載用カメラや宅配業者向けバーコード読み取り機などの用途では、長時間の紫外線照射や夏季の高温暴露により黄変や強度劣化が懸念されるが、これらの現象は空気や水分の紫外線照射又は熱線暴露の相乗効果により酸素ラジカルの発生が原因と考えられる。耐湿性が向上することで、樹脂組成物中への吸湿が抑制され、紫外線照射又は熱線暴露の相乗効果による酸素ラジカル発生も抑えられるため、樹脂組成物の黄変や強度低下を引き起こすことなく長時間にわたり優れた耐熱性を発揮できる。
上記熱潜在性硬化触媒としては、例えば、下記一般式(3)
(R Z)+p(AQn)−p(3)
(式中、Zは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、N及びハロゲン元素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を表す。R、R、R及びRは、同一又は異なって、有機基を表す。a、b、c及びdは、0又は正数であり、a、b、c及びdの合計はZの価数に等しい。カチオン(R Z)+pはオニウム塩を表す。Aは、ハロゲン化物錯体の中心原子である金属元素又は半金属元素(metalloid)を表し、B、P、As、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coからなる群より選ばれる少なくとも一つである。Qは、ハロゲン元素を表す。pは、ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷である。pは、ハロゲン化物錯体イオン中のハロゲン元素の数である。)で表される化合物が好適である。
上記一般式(3)の陰イオン(AQn)−pの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4−)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6−)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6−)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6−)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6−)等が挙げられる。
更に一般式AQn(OH)で表される陰イオンも用いることができる。また、その他の陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO )、フルオロスルホン酸イオン(FSO )、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられる。
上記熱潜在性硬化触媒の具体的な商品としては、例えば、下記の商品等が挙げられる。
ジアゾニウム塩タイプ:AMERICUREシリーズ(アメリカン・キャン社製)、ULTRASETシリーズ(アデカ社製)、WPAGシリーズ(和光純薬社製)
ヨードニウム塩タイプ:UVEシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、UV9310C(GE東芝シリコーン社製)、Photoinitiator 2074(ローヌプーラン社製)、WPIシリーズ(和光純薬社製)
スルホニウム塩タイプ:CYRACUREシリーズ(ユニオンカーバイド社製)、UVIシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、CDシリーズ(サトーマー社製)、オプトマーSPシリーズ・オプトマーCPシリーズ(アデカ社製)、サンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)、WPAGシリーズ(和光純薬社製)、CPIシリーズ(サンアプロ社製)
上記光潜在性硬化触媒(光潜在性カチオン発生剤又は光カチオン重合開始剤とも言う)としては、例えば、米国特許第3379653号に記載されたような金属フルオロホウ素錯塩及び三フッ素化ホウ素錯化合物;米国特許第3586616号に記載されているようなビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)メタン金属塩;米国特許第3708296号に記載されているようなアリールジアゾニウム化合物;米国特許第4058400号に記載されているようなVIa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4069055号に記載されているようなVa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4068091号に記載されているようなIIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート;米国特許第4139655号に記載されているようなチオピリリウム塩;米国特許第4161478号に記載されているようなMF 陰イオン(ここでMは、リン、アンチモン及びヒ素から選択される)の形のVIb元素;米国特許第4231951号に記載されているようなアリールスルホニウム塩;米国特許第4256828号に記載されているような芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩;W.R.Wattらによって「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)、ポリマーケミストリー(Polymer Chemistry)版」、第22巻、1789項(1984年)に記載されているようなビス[4−(ジフェリルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えば、リン酸塩、ヒ酸塩、アンチモン酸塩など);鉄化合物の混合配位子金属塩;シラノール−アルミニウム錯体;等が挙げられる。これらの紫外線重合開始剤(光潜在性硬化触媒)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの紫外線重合開始剤のうち、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族ヨードニウム錯塩又は芳香族スルホニウム錯塩、II族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が好適である。これらのいくつかは、例えば、UVI−6992(ダウ・ケミカル社製)、FX−512(3M社製)、UVR−6990、UVR−6974(ユニオン・カーバイド社製)、KI−85(デグッサ社製)、SP−150、SP−170(旭電化社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)等の市販品を入手することができる。
上記樹脂組成物において、カチオン硬化触媒(溶媒等を含まない有効成分量としての固形分換算量)の含有量としては、樹脂組成物に含まれる有機樹脂成分(上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物及び必要に応じて含まれる他のエポキシ化合物から構成される樹脂成分)の総量100質量%に対し、0.01〜10質量%であることが好適である。0.01質量%未満であると、硬化速度が充分とはならず、短時間で成型可能であるという本発明の作用効果をより充分に発揮できないおそれがある。より好ましい下限値としては0.1質量%であり、更に好ましくは0.2質量%である。また、10質量%を超えて触媒量を増やすと、硬化時やその成形体の加熱時に着色するおそれがある。例えば、成型体を得た後にその成形体をリフロー実装する場合には200℃以上の耐熱性が必要であり、無色・透明性の観点からは、上限値は5質量%であることがより好ましく、更に好ましくは3質量%、特に好ましくは2質量%である。
上記樹脂組成物はまた、金属酸化物を含むことが好適であり、これにより、硬化物において、更に高屈折率化を実現することが可能となる。
上記金属酸化物としては、チタニア、ジルコニア、イットリア、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物粒子等の屈折率が2以上の金属酸化物ナノ粒子であることが好ましい。
上記金属酸化物粒子としては、一次粒子の平均粒子径が100nm以下であることが好適である。より好ましくは、20nm以下であり、更に好ましくは、15nm以下である。このような範囲とすることにより、透明性、光透過性の高い樹脂組成物及び硬化物を得ることが可能となる。
上記一次粒子径は、TEM像(透過型電子顕微鏡観察)により得られる数平均粒子径;比表面積径(B.E.T.表面積の測定より得られる重量平均粒子径;粉末X線回折測定法により得られる結晶子径;X線小角散乱法等により得られる慣性半径とその散乱強度から求められる平均粒子径等を用いることができる。中でも、TEM像より得られる数平均粒子径が好ましい。
上記金属酸化物粒子の形状は、球状に限られず、例えば、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、(六角)板状等の薄片状、紐状等が好適である。
ここで、従来、高屈折率を実現するためには、後述するような芳香族エポキシ化合物が好ましく使用されていたが、更に屈折率を高めるべく、該芳香族エポキシ化合物を2種以上併用すると、カチオン硬化触媒系では硬化速度が低下し、実用的な硬化強度を有する硬化物を得るには長時間の加熱を要していた。しかしながら、その芳香族エポキシ化合物のうちの1種以上を、本発明の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物に代えて使用すると、高屈折率を実現できると同時に、硬化速度を低下させることがないため、経済的な硬化条件で硬化物を得ることが可能となる。このように上記樹脂組成物及びその硬化物における屈折率を高める効果をより充分に発揮できるという観点から、上記樹脂組成物中の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の含有量としては、樹脂組成物に含まれる有機樹脂成分の総量100質量%に対し、10質量%以上が好適である。
上記樹脂組成物においては、目的とする硬化物に要求される特性、例えば、屈折率やアッベ数等の光学物性等に応じて、上記樹脂組成物中の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の含有量や、併用するエポキシ化合物等を適宜選択することが好ましい。例えば、高屈折率レンズ等の高屈折率光学部材を得る目的においては、併用するエポキシ化合物としては、後述する芳香族エポキシ化合物が好適である。この場合、上記樹脂組成物中の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の含有量としては、樹脂組成物に含まれる有機樹脂成分の総量100質量%に対し、10〜100質量%が好適であり、屈折率を1.60とするためには、50質量%以上が好ましい。
上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と併用してもよいエポキシ化合物としては、上述したように分子中に芳香環を有するエポキシ化合物(芳香族エポキシ化合物)が好適である。より具体的には、ビスフェノール骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香環共役系を有するグリシジル化合物(「グリシジル化合物」とは、グリシジル基、グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基から選ばれる少なくとも1種の基を2個以上又は少なくとも2種の基を分子内に有する化合物を意味する。)であることが好ましく、中でも、ビスフェノール骨格及び/又はフルオレン骨格を有する化合物が好適である。より好ましくは、フルオレン骨格を有する化合物であり、これによって、更に屈折率を高めることができ、また、離型性を更に高めることも可能となる。また、芳香族エポキシ化合物の臭素化化合物を用いることによっても、より高屈折率を達成できるため好適であるが、アッベ数が若干上がるため、用途に応じて適宜使用することが好ましい。
上記芳香族エポキシ化合物として具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フルオレン系エポキシ化合物、ブロモ置換基を有する芳香族エポキシ化合物等が好適であり、市販品として例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン社製、828EL、1003又は1007)、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル社製、オンコートEX−1020又はオグソールEG−210)、フルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル社製、オンコートEX−1010又はオグソールPG)等が好ましく用いられる。より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、フルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル社製、オグソールEG−210)である。
上記樹脂組成物としてはまた、可撓性を有する成分(可撓性成分)を含むことが好適であり、これによって、一体感のある樹脂組成物とすることが可能となる。
上記可撓性成分としては、有機樹脂成分(上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と必要に応じて含まれる他のエポキシ化合物とから構成される有機樹脂成分)とは異なる化合物であってもよいし、該有機樹脂成分の少なくとも1種が可撓性成分であってもよい。
上記可撓性成分として具体的には、下記一般式(4);
−〔−(CH−O−〕− (4)
で表されるオキシアルキレン骨格を有する化合物(pは2以上、qは1以上の整数である。好ましくは、pは2〜12、qは1〜1000の整数であり、より好ましくは、pは3〜6、qは1〜20の整数である。)が好適である。
上記オキシアルキレン骨格を有する化合物として具体的には、例えば、(1)オキシブチレン基を含むエポキシ化合物(上記一般式(4)においてpが4である形態の化合物、ジャパンエポキシレジン社製、YL−7217、エポキシ当量437、液状エポキシ化合物);(2)オキシヘキシレン基を含むエポキシ化合物(上記一般式(4)において、pが6である形態の化合物、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル:ジャパンエポキシレジン社製、YED216D、エポキシ当量120、無色又は単黄色透明液体);(3)高分子エポキシ化合物(例えば、水添ビスフェノール(ジャパンエポキシレジン社製、YL−7170、エポキシ当量1000、固形水添エポキシ化合物));(4)脂環式固形エポキシ化合物(ダイセル工業社製 EHPE−3150);(5)脂環式液状エポキシ化合物(ダイセル工業社製、セロキサイド2081);(6)液状ニトリルゴム等の液状ゴム、ポリブタジエン等の高分子ゴム、粒径100nm以下の微粒子ゴム等が好ましい。
但し、脂環式エポキシ化合物については、それを上記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と併用することによって、より高屈折率を実現するという本発明の作用効果が充分に発揮されなくなるおそれがあることから、使用する場合は、少量であることが好ましい。通常、上記有機樹脂成分100質量%に対し、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
これらの中でもより好ましくは、末端や側鎖や主鎖骨格等にカチオン硬化性の官能基を含む化合物である。なお、「カチオン硬化性の官能基」とは、「エポキシ基、グリシジル基等の熱又は光で硬化する官能基(樹脂組成物を硬化反応をさせる基)」をいう。
このように上記可撓性成分としては、硬化性の官能基を含む化合物を好適に用いることができるが、該化合物としては、エポキシ基を含む化合物であることが好ましく、より好ましくは、オキシブチレン基(−〔−(CH−O−〕−(qは、同上。))を有する化合物である。
上記可撓性成分の含有量としては、上記樹脂組成物中の不揮発分100質量%中、0.01〜40質量%であることが好適である。上限値としては、より好ましくは30質量%であり、更に好ましくは10質量%であり、特に好ましくは5質量%であり、最も好ましくは1質量%である。また、下限値としては、より好ましくは0.1質量%であり、更に好ましくは0.5質量%である。
なお、ここでいう「上記樹脂組成物中の不揮発分」とは、熱や光によりカチオン硬化させた場合に硬化物となる成分のことであり、通常、上記有機樹脂成分を意味する。例えば、150℃で熱硬化した後の硬化物の質量を測定し、硬化前の樹脂組成物の質量に対する割合より、樹脂組成物中の有機樹脂成分量を求めることができる。
上記樹脂組成物としてはまた、離型剤(又は添加剤)を含むことが好適である。
このような離型剤としては、通常の離型剤を好適に用いることができるが、炭素数8〜36のアルコール、カルボン酸、カルボン酸エステル及びカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。このような離型剤を含有することで、金型を用いて硬化する際に容易に金型を剥がすことができ、硬化物の表面に傷をつけることなく外観を制御し、透明性を発現させることもできることから、上記樹脂組成物を、電気・電子部品材料や光学用途における材料としてより更に有用なものとすることが可能となる。
上記化合物の中でも、好ましくは、アルコール、カルボン酸、カルボン酸エステルであり、より好ましくは、カルボン酸(特に高級脂肪酸)及びカルボン酸エステルである。カルボン酸及びカルボン酸エステルは、カチオン硬化反応を阻害することなく、離型効果を充分に発揮できることから好適である。なお、アミン類は、カチオン硬化反応を阻害する可能性があることから、離型剤として用いない方が好ましい。
上記化合物はまた、直鎖状、分岐状、環状等のいずれの構造であってもよく、分岐しているものが好ましい。
上記化合物の炭素数としては、8〜36の整数であることが適当であるが、これによって、樹脂組成物の透明性や作業性等の機能を損なうことなく優れた剥離性を示す硬化物となる。炭素数として好ましくは、8〜20であり、より好ましくは、10〜18である。
上記炭素数が8〜36のアルコールとは、一価又は多価のアルコールであり、直鎖状のものでも分岐状のものでもよい。具体的には、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、マーガリルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコ−ル、メチルペンチルアルコール、2−エチルブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3.5−ジメチル−1−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、ジペンタエリスリトール、2−フェニルエタノール等が好適である。上記アルコールとしては、脂肪族アルコールが好ましく、中でも、オクチルアルコール(オクタノール)、ラウリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール(2−エチルヘキサノール)、ステアリルアルコールがより好ましい。
上記炭素数が8〜36のカルボン酸とは、1価又は多価のカルボン酸であり、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、1−ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、1−ヘキサコサン酸、ベヘン酸等が好適である。好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸である。
上記炭素数が8〜36のカルボン酸エステルとは、(1)上記アルコールと上記カルボン酸とから得られるカルボン酸エステル、(2)メタノール、エタノール、プロパノール、ヘプタノール、ヘキサノール、グリセリン、ベンジルアルコール等の炭素数1〜7のアルコールと上記カルボン酸との組み合わせで得られるカルボン酸エステル、(3)酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ブタン酸等の炭素数1〜7のカルボン酸と上記アルコールとの組み合わせで得られるカルボン酸エステル、(4)炭素数1〜7のアルコールと、炭素数1〜7のカルボン酸とから得られるカルボン酸エステルであって、合計炭素数が8〜36となる化合物等が好適である。これらの中でも、(2)及び(3)のカルボン酸エステルが好ましく、ステアリン酸メチルエステル、ステアリン酸エチルエステル、酢酸オクチルエステル等がより好ましい。
上記炭素数が8〜36のカルボン酸塩とは、上記カルボン酸と、アミン、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Snとの組み合わせで得られるカルボン酸塩等が好適である。これらの中でも、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Mg、2−エチルヘキサン酸Zn等が好ましい。
上述の化合物の中でもより好ましくは、ステアリン酸及びステアリン酸エステル等のステアリン酸系化合物である。
上記離型剤の含有量としては、上記樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましい。10質量%を超えると樹脂が硬化しにくくなる等のおそれがある。より好ましくは、0.01〜5質量%であり、更に好ましくは、0.1〜2質量%である。なお、「上記樹脂組成物中の不揮発分」とは、上述したとおりである。
本発明の樹脂組成物は、上述した必須成分や好適成分の他に、カチオン硬化触媒以外の硬化触媒、硬化剤、硬化促進剤、反応性希釈剤、不飽和結合を有さない飽和化合物、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、非反応性化合物、連鎖移動剤、熱重合開始剤、嫌気重合開始剤、重合禁止剤、無機充填剤や有機充填剤、カップリング剤等の密着向上剤、熱安定剤、防菌・防カビ剤、難燃剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤・分散剤、沈降防止剤、増粘剤・タレ防止剤、色分かれ防止剤、乳化剤、スリップ・スリキズ防止剤、皮張り防止剤、乾燥剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤(静電助剤)等を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物の硬化方法としては、熱硬化や光硬化等の種々の方法を好適に用いることができるが、上述した必須成分に必要に応じてその他の材料を混合して1液組成物とし、硬化物の形状に合わせた金型に該組成物を塗出して硬化させた後、硬化物を金型から取り出す方法が好適に用いられる。
上記硬化方法において、硬化温度及び硬化時間等の硬化条件としては、硬化させる樹脂組成物等に応じて適宜設定すればよいが、上記カチオン硬化触媒として熱潜在性硬化触媒を用いる場合、これらは一般に、硬化温度でカチオンが発生することになる。硬化温度としては、25〜250℃が好ましく、より好ましくは60〜200℃、更に好ましくは80〜180℃、特に好ましくは100〜180℃、最も好ましくは110〜150℃である。また、硬化時間としては、生産性を向上させるため、10分以内であることが好ましく、より好ましくは5分以内であり、更に好ましくは3分以内である。
なお、硬化温度を段階的に変化させてもよい。例えば、樹脂組成物の硬化物を製造するうえでの生産性を向上する目的で、型内に所定の温度・時間で保持した後、型から取り出して空気又は不活性ガス雰囲気内に静置して熱処理することも可能である。この場合の熱処理温度としては、型内保持温度を25℃〜250℃となるように設定することが好ましく、より好ましくは60℃〜200℃、更に好ましくは80〜180℃である。また、保持時間は10秒〜5分であることが好ましく、より好ましくは30秒〜5分である。
上記硬化方法においてはまた、上述したように金型を用いて短時間で硬化させた後、硬化物を金型から取り出し、熱処理(ベーク)を行うことか好ましい。熱処理を行うことにより、硬化物が充分な強度をもち、種々の用途に好適に用いることができる。また、熱処理においては、ある程度の強度を持つ硬化物を更に硬化させる点から、取り扱い性に優れている。そのため、金型を用いないでよいことから、小さな面積で大量の製品を熱処理できる利点がある。
上記熱処理において、硬化温度及び硬化時間としては、硬化させる樹脂組成物等に応じて適宜設定することができ、上述したように型内保持温度及び保持時間を設定することが好適である。
本発明の樹脂組成物は、上述のように優れた透明性・光学特性を発揮できる硬化物を与えることができるが、このように上記樹脂組成物を硬化させて得られる成形体(硬化物)もまた、本発明の1つである。このような成形体は、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途等の種々の用途に好適に用いることができる。具体的には、眼鏡レンズ、(デジタル)カメラや携帯電話や車裁カメラのカメラ用撮像レンズ、フィルター、回折格子、プリズム、光案内子、光ビーム集光レンズや光拡散用レンズ、ウォッチガラス、表示装置用のカバーガラス等の透明ガラスやカバーガラス等の光学用途;フォトセンサー、フォトスイッチ、LED、発光素子、光導波管、合波器、分波器、断路器、光分割器、光ファイバー接着剤等のオプトデバイス用途;LCDや有機ELやPDP等の表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、ディスプレイ保護膜、ディスプレイバックライト、導光板、反射防止フィルム、防曇フィルム等の表示デバイス用途等が好適である。
これらの用途の中でも、光学用途に用いることが好適であり、このように上記樹脂組成物によって構成される光学材料もまた、本発明の一つであり、また、上記樹脂組成物を硬化させて得られる光学部材(上記樹脂組成物により形成される硬化物)も本発明の一つである。中でも、レンズ用途に使用することが好適であり、高屈折率レンズ用途に特に好ましく用いられる。この場合、アッベ数は35以下、屈折率は1.57以上であることが好適である。
上記光学材料としては、上記樹脂組成物を含むものであればよいが、光学材料の用途に応じて適宜その他の成分を含んでいてもよい。具体的には、UV吸収剤、IRカット剤、反応性希釈剤、顔料、洗料、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、非反応性化合物、連鎖移動剤、熱重合開始剤、嫌気重合開始剤、光安定剤、重合禁止剤、消泡剤等が好適である。
なお、上記硬化物の形状としては特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、異形品等の成形体、フィルム、シート、ペレット等の形態であってもよい。
本発明の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、上述のような構成からなり、高屈折率とカチオン硬化反応性とを一成分で両立でき、次世代のエポキシ化合物として有望な化合物であることから、これを含む樹脂組成物とした場合に、高外観を呈し、無色で透明性が高く、高屈折率等の優れた光学特性を発揮できる硬化物を与えることができるとともに、短時間で充分に硬化させることができ、離型性や成型性等に優れたものとなる。これらの特性によって、本発明の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物を用いて構成される樹脂組成物は、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料等の各種用途に有用な成形体及び光学部材を与えることができることとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例1
<シクロヘキセン環含有フルオレンの合成>
3−シクロヘキセン−1−カルボン酸6.06g(48mmol)と、9,9−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕フルオレン8.77g(20mmol)とを、p−トルエンスルホン酸一水和物(PTS)76.1mg(0.4mmol)存在下、トルエン溶媒50mLでディーンスタークを用いてバス温130℃にて脱水縮合した。6時間後、5%水酸化ナトリウム水溶液50mLで2回分液操作を行い、水層と有機層とに分離した。水層を酢酸エチル30mLで2回抽出し、分離した有機層を先の有機層と合わせた。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去して淡黄色液体13.8gを得た。
上記反応生成物についてH−NMRを測定したところ、以下の結果が得られた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.74(d,2H,J=7.6Hz),7.37−7.31(m,4H),7.27−7.23(m,2H),7.13−7.09(m,4H),6.77−6.73(m,4H),5.69−5.62(m,4H),4.33−4.36(m,4H),4.10(t,4H,J=4.8Hz),2.61−2.53(m,2H),2.24−2.22(m,4H),2.08−2.03(m,4H),2.00−1.95(m,2H),1.71−1.61(m,2H).
なお、反応機構を下記式に示す。
Figure 2009179568
<脂環式エポキシ基含有フルオレンの合成>
次いで、得られた反応混合物(淡黄色液体)13.1gの塩化メチレン50mL溶液に、m−クロロ過安息香酸(m−CPBA)8.28g(48mmol)を30分かけて徐々に加えた後、室温で48時間撹拌した。5%水酸化ナトリウム水溶液50mLで5回分液操作を行い、水層と有機層とに分離した。水層を塩化メチレン50mLで2回抽出し、分離した有機層を先の有機層と合わせた。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去して淡黄色固体13.1gを得た。これを「化合物(1)」とする。
上記化合物(1)についてH−NMRを測定したところ、以下の結果が得られた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.75(d,2H,J=7.6Hz),7.37−7.33(m,4H),7.28−7.24(m,2H),7.11(dd,4H,J=2.0,6.6Hz),6.74(dd,4H,J=2.0,8.8Hz),4.38(t,4H,J=4.6Hz),4.10(t,4H,J=4.6Hz),3.22−3.20(m,1H),3.15−3.11(m,3H),2.56−2.50(m,1H),2.27−2.19(m,2H),2.17−2.12(m,2H),2.00−1.89(m,3H),1.78−1.71(m,2H),1.62−1.54(m,2H),1.45−1.35(m,2H).
なお、この反応機構を下記式に示す。
Figure 2009179568
実施例2
<シクロヘキセン環含有フルオレンの合成>
3−シクロヘキセン−1−カルボン酸6.31g(50mmol)と、塩化チオニル11.9g(100mmol)とを、窒素10mL/min下、バス温70℃にて1時間、80℃で2時間撹拌後、90℃、1時間45分で塩化チオニルを留去した。トルエン10mLを加えてバス温120〜140℃で更に留去し、黄色液体を得た。
得られた黄色液体に塩化メチレン50mL及びトリエチルアミン7.79g(75mmol)を加え、水冷下、ビスフェノールフルオレン7.01g(20mmol)を30分かけて徐々に加え、更に室温で2時間撹拌した。5%水酸化ナトリウム水溶液50mLで2回分液操作を行い、水層と有機層とに分離した。水層を塩化メチレン30mLで2回抽出し、分離した有機層を先の有機層と合わせた。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去して淡黄色液体9.74gを得た。酢酸エチルを用いて再結晶化し、無色固体4.89gを得た。
この反応生成物についてH−NMRを測定したところ、以下の結果が得られた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.76(d,2H,J=6.8Hz),7.38−7.34(m,4H),7.28−7.24(m,2H),7.20−7.17(m,4H),6.94−6.91(m,4H),5.74−5.68(m,4H),3.13−3.06(m,1H),2.82−2.75(m,2H),2.37−2.35(m,4H),2.17−2.10(m,5H),1.85−1.75(m,2H).
なお、この反応機構を下記式に示す。
Figure 2009179568
<脂環式エポキシ基含有フルオレンの合成>
先に得た無色固体3.97gの塩化メチレン30mL溶液に、m−クロロ過安息香酸(m−CPBA)3.77g(16.8mmol)を30分かけて徐々に加えた後、室温で4時間撹拌した。5%水酸化ナトリウム水溶液50mLで2回分液操作を行い、水層と有機層とに分離した。水層を塩化メチレン50mLで2回抽出し、分離した有機層を先の有機層と合わせた。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去して淡黄色固体4.27gを得た。これを「化合物(2)」とする。
この化合物(2)についてH−NMRを測定したところ、以下の結果が得られた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.76(d,2H,J=7.6Hz),7.38−7.34(m,4H),7.28−7.24(m,2H),7.20−7.17(m,4H),6.93−6.89(m,4H),3.28−3.26(m,1H),3.22−3.17(m,3H),2.78−2.71(m,1H),2.52−2.45(m,1H),2.38(dd,1H,J=5.2,15.2Hz),2.31−2.23(m,2H),2.12−1.99(m,3H),1.93−1.80(m,2H),1.76−1.70(m,2H),1.60−1.50(m,2H).
なお、この反応機構を下記式に示す。
Figure 2009179568
実施例3
110℃で、ビスフェノールAエポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン社製、828EL、エポキシ当量188、液状エポキシ化合物)80部と、実施例1で得た化合物(1)20部とを均一になるように混合した。この混合物100部に対し、50℃でカチオン硬化触媒(三新化学工業社製、サンエイドSI−80L、固形分50%)1部を添加した。得られた樹脂組成物を「樹脂組成物(3)」とする。
この樹脂組成物(3)に必要に応じて熱を加え(50℃等)減圧脱泡処理を行った後、溶媒の存在により気泡が発生する場合には減圧処理を行いながら、硬化温度120℃での硬化時間(温度を120℃としてから硬化が終了するまでの時間)を測定した。同様に、硬化温度130℃でも硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
ビスフェノールAエポキシ化合物を50部に、実施例1で得た化合物(1)を50部にそれぞれ変更した他は、実施例3と同様にして樹脂組成物(4)を得た後、同様にして、硬化温度120℃、130℃及び140℃での硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
実施例5
110℃で、ビスフェノールAエポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン社製、828EL、エポキシ当量188、液状エポキシ化合物)50部と、実施例2で得た化合物(2)50部とを均一になるように混合した。この混合物100部に対し、50℃でカチオン硬化触媒(三新化学工業社製、サンエイドSI−80L、固形分50%)1部を添加した。得られた樹脂組成物を「樹脂組成物(5)」とする。
この樹脂組成物(5)に必要に応じて熱を加え(50℃等)減圧脱泡処理を行った後、溶媒の存在により気泡が発生する場合には減圧処理を行いながら、硬化温度120℃での硬化時間(温度を120℃としてから硬化が終了するまでの時間)を測定した。同様に、硬化温度130℃及び140℃でも硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例3において、実施例1で得た化合物(1)20部の代わりにフルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル社製、オグゾールEG−210、エポキシ当量340)20部を使用した他は、実施例3と同様にして比較用樹脂組成物(1)を得た。
この比較用樹脂組成物(1)について、実施例3と同様にして硬化温度120℃及び130℃でのそれぞれの硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
ビスフェノールAエポキシ化合物を50部に、フルオレン系エポキシ化合物を50部にそれぞれ変更した他は、比較例1と同様にして比較用樹脂組成物(2)を得た。
この比較用樹脂組成物(2)について、実施例4と同様にして硬化温度120℃、130℃及び140℃でのそれぞれの硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009179568
ここで、上記実施例では、本願の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物(化合物(1)又は(2))と芳香族エポキシ化合物(ビスフェノールAエポキシ化合物)とを併用しているが、これは、化合物(1)又は(2)が常温で固体となることから、流動性を持たせて比較例との効果をより比較しやすくするためにビスフェノールAエポキシ化合物を併用させたものである。なお、実施例で該ビスフェノールAエポキシ化合物を併用させたため、比較例でも、同じようにビスフェノールAエポキシ化合物を併用させて効果を比較した。
なお参考のため、芳香族エポキシ化合物(ビスフェノールAエポキシ化合物)を併用しない例、すなわち化合物(1)単体での樹脂組成物、及び、化合物(2)単体での樹脂組成物について、硬化物の屈折率を求めた。
具体的には、化合物(1)単体での樹脂組成物として、実施例3において、ビスフェノールAエポキシ化合物を用いないこと以外は実施例3と同様にして得た樹脂組成物を用いた。また、化合物(2)単体での樹脂組成物として、実施例3において、化合物(1)に代えて化合物(2)を用い、かつビスフェノールAエポキシ化合物を用いないこと以外は実施例3と同様にして得た樹脂組成物を用いた。
これらの樹脂組成物に必要に応じて熱を加え(50℃等)減圧脱泡処理を行った後、溶媒の存在により気泡が発生する場合には減圧処理を行いながら、硬化温度120℃で硬化させた。このようにして得られた硬化物について、屈折率計(アタゴ社製、DR−M2)を用いて、20℃、589nmでの屈折率及びアッベ数を求めた。
その結果、化合物(1)単体の樹脂組成物の硬化物では、屈折率1.6096、アッベ数26.9、化合物(2)単体の樹脂組成物の硬化物では、屈折率1.6120、アッベ数26.36であった。
上記表1に示された実施例3と比較例1との対比結果から、以下のことが分かる。
すなわち、カチオン硬化触媒を用いる系において、本願の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と芳香族エポキシ化合物とを併用した実施例3と、2種類の芳香族エポキシ化合物を使用した比較例1とを比較すると、硬化温度120℃の場合には、実施例3では比較例1で要した時間の25%も硬化時間を短縮することができ、硬化温度130℃の場合には33%も短縮することができたことから、実施例3の方が格段に硬化速度が大きいことが分かる。
なお、屈折率は表には示していないが、実施例3と比較例1とのいずれも高屈折率レンズに求められる屈折率1.57以上を満たすことができ、高屈折率の点ではほぼ同等の効果を奏することを確認している。したがって、本願の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、高屈折率を発揮しながらも、著しく良好なカチオン硬化反応性を有することが示されているといえる。
また上記表1に示された実施例4及び5と比較例2との対比結果から、以下のことが分かる。
硬化温度を120℃とした場合について、本願の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と芳香族エポキシ化合物とを併用した実施例4と、2種類の芳香族エポキシ化合物を使用した比較例2とを比較すると、実施例4では比較例2で要した時間に比較して、ゲル化時間を75%、硬化時間を70%、それぞれ短縮することができ、硬化温度を130℃とした場合にはゲル化時間を62%、硬化時間を64%、それぞれ短縮することができ、更に硬化温度を140℃とした場合にはゲル化時間を44%、硬化時間を58%、それぞれ短縮することができたため、実施例4の方が格段に硬化速度が大きいことが分かる。
また芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物として、実施例4で用いた化合物(1)に代えて化合物(2)を用いた実施例5においても、比較例2で要した時間に比較して、硬化温度を120℃とした場合にはゲル化時間を25%、硬化時間を50%、それぞれ短縮することができ、硬化温度を130℃とした場合にはゲル化時間を14%、硬化時間を36%、それぞれ短縮することができ、更に硬化温度を140℃とした場合にはゲル化時間を33%、硬化時間を50%、それぞれ短縮することができたため、実施例5もまた、比較例2に比べて格段に硬化速度が大きいことが分かる。
なお、実施例4、5及び比較例2についても屈折率1.57以上を満たすことができ、高屈折率の点ではほぼ同等の効果を奏することを確認しており、したがって、本願の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、高屈折率を発揮しながらも、著しく良好なカチオン硬化反応性を有することが示されているといえる。

Claims (8)

  1. 芳香族骨格を有する脂環式エポキシ化合物であって、下記一般式(1);
    Figure 2009179568
    (式中、Xは、芳香族骨格を表す。Yは、同一若しくは異なって、エポキシシクロヘキサン基、又は、エポキシ基が直接若しくは炭化水素を介して付加した環状脂肪族炭化水素を表す。R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。nは、(−CR−CR−O−)で表される基の繰り返し数を表し、0〜10の整数である。mは、1以上の整数であって、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して最大値が決まる数である。)で表されることを特徴とする芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物。
  2. 前記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、前記一般式(1)におけるYが、エポキシシクロヘキサン基であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物。
  3. 前記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、前記一般式(1)におけるXが、フルオレン構造を含む芳香族骨格であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物。
  4. 前記芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物は、前記一般式(1)におけるnが、0又は1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物を製造する方法であって、
    該製造方法は、下記一般式(2);
    Figure 2009179568
    (式中、Xは、芳香族骨格を表す。R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。nは、(−CR−CR−O−)で表される基の繰り返し数を表し、0〜10の整数である。mは、1以上の整数であって、Xに含まれる芳香環の結合手の本数に依存して最大値が決まる数である。)で表される芳香族骨格含有化合物と、シクロヘキセンカルボン酸若しくはその酸ハロゲン化物、又は、アルケニル基及びカルボキシル基を有する環状脂肪族炭化水素若しくはその酸ハロゲン化物とを反応させた後に、エポキシ化させる工程を含むことを特徴とする芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ化合物と、カチオン硬化触媒とを含むことを特徴とする芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする成形体。
  8. 請求項6に記載の芳香族骨格含有脂環式エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする光学部材。
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