JP2009179229A - 操舵システム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者が操向ハンドルを片手で操作している場合の、操舵フィーリングの低下を軽減する操舵システムを提供することを課題とする。
【解決手段】自動変速装置のセレクタレバー10にタッチセンサ10aを備え、電動力付与手段を制御する操舵制御ECU130は、運転者が自動変速装置のセレクタレバー10に接触していることを、セレクタレバー10に備わるタッチセンサ10aからの検出信号で検出する。そして、操舵制御ECU130は、ダンパ補正ゲインIを演算してダンパ補償値Iに積算し、電動力付与手段のダンピングゲインを大きくする
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の操舵を補助する電動力付与手段を含む操舵システムに関するものである。
車両の操舵システムは、電動機が操舵トルクの大きさに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをステアリング系に伝達して、運転者が操舵する操舵力を軽減する電動力付与手段を含んでなる。このような電動力付与手段においては、操舵トルクと車速によって定まるベース信号を、ステアリング系のイナーシャ(慣性)とダンピング(粘性)によって補償し、この補償された信号を目標電流として電動機を制御する。
従来、電動力付与手段におけるダンピング、イナーシャ、および、ベース信号の各特性は、ベーステーブル、ダンパテーブル、および、事実上微分特性を備えるイナーシャテーブルを用いて演算される。
ここで、操舵トルク、車速および電動機角速度の関数である各テーブルの設定方法について検討する。ベーステーブルは、車速が速くなるほどゲインを低くし、かつ、不感帯を大きくして、マニュアルステアリング領域を大きくとって路面情報を運転者に与え、車速の増大に応じてしっかりとした操舵トルクの手応え感を付与すると共に、中低車速域では、イナーシャテーブルを使って、電動機の慣性や粘性による操舵の応答遅れを改善してすっきりした操舵フィーリングを付与する必要がある。
また、ダンピング制御では、高速走行時に路面反力が低下することから、電動機の速い回転速度での動きを抑制制御して、操舵フィーリングに安定感を与えるようにしている。そのために、ダンピング制御は、ダンピングゲインに対応する補償値で、目標電流を減衰または増幅する補正を行う。
このように構成される電動力付与手段において、車両の運転者に対する操舵フィーリングの更なる向上を図るため、例えば特許文献1には、自動変速装置のシフトポジション(走行レンジ)に対応して、電動力付与手段を駆動する電動機の目標電流の特性を変更する技術が開示されている。
特開平08−216901号公報(段落0020〜段落0022参照)
しかしながら、例えば特許文献1に開示される技術では、同一の走行レンジにおいて、例えば運転者の体勢の変化に伴って発生する操舵フィーリングの低下を軽減することはできない。
例えば、運転者が操作子(例えば操向ハンドル)を片手で操作する片手運転をしている場合、車両が路面から受ける衝撃によってハンドル取られが発生し、操舵フィーリングが低下する場合がある。
そこで本発明は、運転者が操作子を片手で操作している場合の、操舵フィーリングの低下を軽減する操舵システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電動機が発生する補助トルクを転舵輪のステアリング系に伝達する電動力付与手段と、前記補助トルクを演算するとともに、当該補助トルクを発生するように前記電動機を制御する制御信号を演算する操舵制御手段と、前記ステアリング系の操作子を、運転者が片手で操作していることを検出する片手操作検出手段と、運転者が前記操作子を片手で操作していることを前記片手操作検出手段が検出しているときに、前記電動機が発生する補助トルクが小さくなるように前記制御信号を補正する補正手段と、を備えることを特徴とした。
請求項1に係る発明によると、操舵システムの操作子を運転者が片手で操作しているときに、補正手段は、電動機が発生する補助トルクが小さくなるように制御信号を補正することができる。
また、請求項2に係る発明は、前記操舵制御手段は、前記制御信号の基準となるベース信号を演算するベース信号演算部と、前記操作子の回転速度に基づいてダンパ補償値を演算するダンパ補償信号演算部と、を含み、前記ベース信号から前記ダンパ補償値を減算するように補償して前記制御信号を演算し、前記補正手段は、運転者が前記操作子を片手で操作していることを前記片手操作検出手段が検出しているときに、前記ダンパ補償値を大きくするように補正すること、および/または、前記ベース信号を減少するように補正すること、で前記補助トルクを小さくすることを特徴とした。
請求項2に係る発明によると、運転者が操作子を片手で操作しているとき、補正手段は、操作子の回転速度に基づいて演算されるダンパ補償値を大きくすること、および/または、制御信号の基準となるベース信号を減少することで制御信号を減少し、補助トルクを小さくすることができる。
また、請求項3に係る発明は、前記補正手段は、前記操舵システムが備わる車両が有する車速検出手段を介して当該車両の車速を検出し、前記車両の車速が大きいほど、前記ダンパ補償値の補正量、および/または、前記ベース信号の補正量、を大きくすることを特徴とした。
請求項3に係る発明によると、補正手段は、車速検出手段が検出する車両の車速が大きいほど、ダンパ補償値、および/または、ベース信号を大きく補正して、補助トルクの減少量を大きくすることができる。
また、請求項4に係る発明は、前記片手操作検出手段は、自動変速装置の走行レンジを選択するために運転者が操作するセレクタレバーに、運転者が接触したことを検出するタッチセンサを含んで構成されることを特徴とした。
請求項4に係る発明によると、操舵制御手段は、運転者が自動変速装置のセレクタレバーに接触したことを検出することで、操作子を片手で操作していることを検出できる。
また、請求項5に係る発明は、前記片手操作検出手段は、手動変速装置のギアチェンジをするために運転者が操作するシフトノブに、運転者が接触したことを検出するタッチセンサを含んで構成されることを特徴とした。
請求項5に係る発明によると、操舵制御手段は、運転者が手動変速装置のシフトレバーに接触したことを検出することで、操作子を片手で操作していることを検出できる。
本発明によれば、運転者が操作子を片手で操作している場合の、操舵フィーリングの低下を軽減する操舵システムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る操舵システムを適用した4輪の車両の全体概念図であり、図2は電動力付与手段の構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る操舵システム100は、転舵輪である前輪1(1L、1R)を転舵させる操向ハンドル(操作子)3による操舵を電動機4で補助する電動力付与手段110、電動力付与手段110を制御する操舵制御ECU(操舵制御手段)130、自動変速装置(オートマチックトランスミッション、以下、ATと称する)の走行レンジを選択するために運転者が操作するセレクタレバー10、セレクタレバー10に運転者がタッチしたことを検出するタッチセンサ10aを含んで構成されている。
なお、手動変速装置(マニュアルトランスミッション、以下、MTと称する)を備える車両Vの場合、ギアチェンジをするためのシフトノブ(図示せず)に、タッチセンサ10aが備わる構成としてもよい。
さらに、車両Vには後輪2(2R、2L)が備わる。
電動力付与手段110は、図2に示すように操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)3bによって連結され、また、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動力付与手段110は、操向ハンドル3の操作時に車両V(図1参照)の進行方向を変えることができる。
なお、ピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介して、図示しないステアリングギアボックスに支持されている。
また、電動力付与手段110は、操向ハンドル3による操舵力を軽減するための補助操舵力(補助トルク)を電動力として付与する電動機4を備えており、この電動機4の出力軸に設けられたウォームギア5aが、ピニオン軸7に設けられたウォームホイールギア5bに噛合している。
すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構が構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されているウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオン軸7、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9、9などにより、ステアリング系が構成されている。
電動機4は、複数の界磁コイルを備えた固定子(図示せず)とこの固定子の内部で回動する回転子(図示せず)からなる3相ブラシレスモータであり、電気エネルギーを機械的エネルギー(P=ωT)に変換するものである。
ここで、ωは電動機4の角速度であり、Tは電動機4の発生トルクである。また、発生トルクTと実際に出力として取り出すことができる出力トルクT との関係は、次式(1)によって表現される。
=T−(cdθ/dt+Jθ/dt)i ・・・(1)
ここで、iはウォームギア5aとウォームホイールギア5bとの減速比である。
(1)式より、出力トルクT と電動機回転角θとの関係は、電動機4の回転子の慣性モーメントJと粘性係数cとによって規定され、車両特性や車両状態に無関係である。
ここで、操向ハンドル3に加えられる操舵トルクをTs、減速機構を介して倍力された電動機4の発生トルク(補助トルク)によりアシストするアシスト量Aの係数を、例えば、車速Vの関数として変化するk(V)とする。この場合、A=k(V)×Tsであるから、路面負荷であるピニオントルクTpは、次式(2)のように表される。
Tp=Ts+A
=Ts+k(V)×Ts ・・・・・・・(2)
これより、操舵トルクTsは、次式(3)のように表現される。
Ts=Tp/(1+k(V)) ・・・・・・・(3)
したがって、操舵トルクTsは、ピニオントルクTp(負荷)の1/{1+k(V)}倍に軽減される。例えば、車速V=0のときにk(0)=2ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpの1/3の軽さに制御され、車速V=100km/hのときに、k(100)=0ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpと等しくなり、マニュアルステアリングと同等のしっかりとした重さの操舵トルクの手応え感に制御される。すなわち、車速Vに応じて操舵トルクTsを制御することにより、低速走行時には軽やかに、高速走行時にはしっかりと安定した操舵トルクの手応え感が付与される。
また、アシスト量Aは、電動機4の発生トルク(補助トルク)によりアシストされる量であって、電動機4の発生トルク(補助トルク)が大きいほど、アシスト量Aは大きくなる。
また、電動力付与手段110は、電動機4を駆動する電動機駆動回路23と、レゾルバ25と、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するトルクセンサSと、トルクセンサSの出力を増幅する差動増幅回路21と、車両V(図1参照)の速度(車速)を検出する車速センサ(車速検出手段)Sとを備えている。
そして、操舵システム100(図1参照)の操舵制御ECU130は、電動力付与手段110の機能部である電動機4を駆動制御する後記する電動力付与手段制御部130a(図3参照)を有している。
電動機駆動回路23は、例えば、3相のFETブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、電動力付与手段制御部130a(図3参照)からのDUTY(DU、DV、DW)信号を用いて矩形波電圧を生成し、電動機4を駆動するものである。
また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU、IV、IW)を検出する機能を備えている。
レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを図示しない回転子の周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
トルクセンサSは、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTを検出するものであり、ピニオン軸7の軸方向2箇所に逆方向の異方性となるように磁性膜が被着され、各磁性膜の表面に検出コイルがピニオン軸7に離間して挿入されている。
差動増幅回路21は、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁歪膜の透磁率変化の差分を増幅し、トルク信号Tを出力するものである。
車速センサSは、車速を単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速信号VSを出力する。
そして、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23および各センサにはバッテリなどの電源から電力が供給され(図示せず)、駆動する。
図1に戻って、セレクタレバー10は、ATを備える車両Vの走行レンジを選択するために運転者が操作するレバーであって、本実施形態においては、タッチセンサ10aを備える。
運転者がセレクタレバー10を操作する場合、操向ハンドル3を片手で操作する片手運転をすることになる。すなわち、操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10に接触していることをタッチセンサ10aで検出することで、運転者がセレクタレバー10を操作してシフト操作をしていると判定し、運転者が操向ハンドル3を片手運転していることを検出する。
タッチセンサ10aは、とくに限定するものではなく、例えば静電容量の変化を検出するものなどがある。これは、運転者がタッチセンサ10aに接触することで、タッチセンサ10aがあらかじめ有する静電容量に運転者が有する静電容量が増加され、この静電容量の増加分を検出することで、タッチセンサ10aは、運転者が接触していることを検出できる。
その他、タッチセンサ10aには光学式や電波式のものなどがあり、適宜選択して使用すればよい。
タッチセンサ10aは、操舵制御ECU130と信号線で接続され、セレクタレバー10に運転者が接触していることを検出して、例えば電気信号からなる検出信号を、操舵制御ECU130に入力する機能を有する。
次に、図3、図4を参照しながら操舵制御ECUの機能を説明する。図3は操舵システムの操舵制御ECUの概略構成図、図4の(a)は、べーステーブルに格納されているベース信号の特性関数を示すグラフ、(b)は、ダンパテーブルの特性関数を示すグラフである。
操舵制御ECU130は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムによって制御される。
図3に示すように操舵制御ECU130は、電動力付与手段110(図2参照)を制御する電動力付与手段制御部130a、及びシフト操作判定部70を備えている。
電動力付与手段制御部130a、及びシフト操作判定部70は、例えば、操舵制御ECU130を制御するプログラムに組み込んだソフトウェアロジックで構成することができるが、これに限定されず、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
(電動力付与手段制御部)
まず、図3を参照しながら適宜図2を参照して電動力付与手段制御部130aについて説明する。
電動力付与手段制御部130aは、ベース信号演算部51と、ダンパ補償信号演算部52と、イナーシャ補償信号演算部53と、Q軸(トルク軸)PI制御部54と、D軸(磁極軸)PI制御部55と、2軸3相変換部56と、PWM変換部57と、3相2軸変換部58と、電動機速度算出部67と、励磁電流生成部59とを備える。
なお、加算器61、62、64、65、積算器71については後記する。
3相2軸変換部58は、電動機駆動回路23が検出する電動機4の3相電流IU、IV、IWを、電動機4の回転子の磁極軸であるD軸と、このD軸に対して電気的に90度回転した軸であるQ軸との2軸に変換するものであり、Q軸電流IQは電動機4の発生トルクTに比例し、D軸電流IDは励磁電流に比例する。電動機速度算出部67は、レゾルバ25が出力する、電動機4の角度信号θを微分演算して角速度信号ωを生成する。励磁電流生成部59は、電動機4の励磁電流の目標信号を生成するが、必要に応じD軸電流IDとQ軸電流IQとをほぼ等しくすることにより、弱め界磁制御を行うことができる。
ベース信号演算部51は、トルク信号Tと車速信号VSとから出力トルクT の目標信号である出力信号IMの基準となるベース信号Dを生成する。この信号生成は、予め実験測定などによって設定されたべーステーブル51aをトルク信号Tと車速信号VSとに基づいて参照することによって求められる。べーステーブル51aは、あらかじめ実験測定などによって設定し、例えばベース信号演算部51を構成するソフトウエアロジックにデータとして組み込んでおけばよい。
また、ベース信号演算部51をハードウエアロジックで構成する場合、例えばベース信号演算部51に記憶部を備え、テーブルデータ形式で記憶しておけばよい。
ベース信号演算部51(図3参照)は、図4の(a)に示すように、トルク信号Tの値が小さいときはベース信号Dがゼロに設定される不感帯N1が設けられ、トルク信号Tの値がこの不感帯N1よりも大きくなるとゲインG1で直線的に増加する特性を備えている。また、ベース信号演算部51は、所定のトルク信号Tの値で出力はゲインG2で増加し、さらにトルク信号Tの値が増加すると出力が飽和する特性を備えている。
また、一般に車両は、走行速度に応じて路面の負荷(路面反力)が異なるため、車速信号VSによりゲインが調整される。車速ゼロの据え切り操作時が最も負荷が重く中低速では比較的負荷が軽くなる。このため、ベース信号演算部51は、車速V(車速信号VS)が大きく高速になるにしたがってゲイン(G1、G2)を低く、かつ、不感帯N1を大きく設定して、マニュアルステアリング領域を大きくとって路面情報を運転者に与える。すなわち、車速V(車速信号VS)の増大に応じてしっかりとした操舵トルクTsの手応え感が付与される。このとき、マニュアルステアリング領域においてもイナーシャ補償がなされることが必要である。
図3に戻り、ダンパ補償信号演算部52は、ステアリング系が有する粘性を補償するため、また車両V(図1参照)が高速走行時に、ステアリング系の中立点への収斂性が低下する際に、これを補償するステアリングダンパ機能を有するために設けられるものであり、角速度ωに対応するダンパテーブル52aを参照することによってステアリングダンパ機能を実現する。ダンパテーブル52aは、あらかじめ実験測定などによって設定し、例えばダンパ補償信号演算部52を構成するソフトウエアロジックにデータとして組み込んでおけばよい。
また、ダンパ補償信号演算部52をハードウエアロジックで構成する場合、例えばダンパ補償信号演算部52に記憶部を備え、テーブルデータ形式で記憶しておけばよい。
図4の(b)に示すように、ダンパテーブル52aの特性関数は、電動機4の角速度ωが増加するほど、ダンパ補償値Iが直線的に増加し、所定速度でダンパ補償値Iが急激に増加する特性を備えている。
また、車速信号VSの値が高いほどゲインを大きくして、電動機4の角速度ω、すなわち、転舵速度に応じて電動機4の出力トルクT を減衰させている。言い換えれば、車速信号VSの値が高いほど、路面反力が小さくなることから、モータの速い動きを大きく制動して安定性を出すために、ダンパ補償信号演算部52は、電動機4の角速度ωを抑制制御している。このステアリングダンパ効果により、操向ハンドル3の中立点への収斂性を向上させ、車両V(図1参照)の走行を安定化させることができる。
再び図3に戻り、加算器61は、ベース信号演算部51が演算するベース信号Dからダンパ補償信号演算部52の出力信号であるダンパ補償値Iを減算するものである。すなわち、操舵制御ECU130は、ベース信号Dからダンパ補償値Iを減算するように補償する。
そして、加算器62は、加算器61の出力信号とイナーシャ補償信号演算部53の出力信号とを加算して出力信号(制御信号)IMとするものである。
ここで、ダンパ補償値Iをベース信号Dから減算する(減衰補正)とは、電動機4の回転方向と逆方向へ補正することを意味する。
したがって、通常操舵時のように、操舵トルクの方向と電動機4(図1参照)の回転方向が同じ場合には減算となるが、転舵輪である前輪1(図1参照)に発生するセルフアライニングトルクによって、操向ハンドル3(図1参照)が中立位置に戻されるような、操舵トルクの方向と電動機4の回転方向が逆方向の場合には加算になる。
さらに、横風、路面の段差などにより、操向ハンドル3が動かされる場合も、加算になる。
イナーシャ補償信号演算部53は、ステアリング系の慣性による影響を補償するものであり、イナーシャテーブル53aを参照することによって、入力されるトルク信号Tに対応した出力信号を出力することができる。イナーシャテーブル53aは、あらかじめ実験測定などによって設定し、例えばイナーシャ補償信号演算部53を構成するソフトウエアロジックにデータとして組み込んでおけばよい。
また、イナーシャ補償信号演算部53をハードウエアロジックで構成する場合、例えばイナーシャ補償信号演算部53に記憶部を備え、テーブルデータ形式で記憶しておけばよい。
また、イナーシャ補償信号演算部53は、電動機4の回転子の慣性による応答性の低下を補償している。言い換えれば、電動機4は正回転から逆回転に、または、逆回転から正回転に回転方向を切り替える際、慣性によってその状態を持続させようとするので直ぐには回転方向が切り替わらない。そこで、イナーシャ補償信号演算部53は、電動機4の回転方向の切り替わりが操向ハンドル3の回転方向が切り替わるタイミングに一致するように制御している。このようにして、イナーシャ補償信号演算部53は、ステアリング系の慣性や粘性による操舵の応答遅れを改善してすっきりした操舵フィーリングを付与している。
また、FF(Front engine Front wheel drive)車やFR(Front engine Rear wheel drive)車、RV(Recreation Vehicle)やセダンなどの車両特性や車速、路面などによって異なる操舵特性に対して、実用上十分な操舵フィーリングが付与される。
加算器62の出力信号IMは、電動機4のトルクを規定する電流の目標信号である。
加算器64は加算器62の出力信号IMからQ軸電流IQを減算し、偏差信号IEを生成する。Q軸(トルク軸)PI制御部54は、偏差信号IEが減少するように、P(比例)制御およびI(積分)制御を行う。
加算器65は、励磁電流生成部59の出力信号からD軸電流IDを減算するものである。D軸(磁極軸)PI制御部55は、加算器65の出力信号が減少するようにPI帰還制御を行う。
2軸3相変換部56は、Q軸(トルク軸)PI制御部54の出力信号VQとD軸(磁極軸)PI制御部55の出力信号VDとの2軸信号を3相信号UU、UV、UWに変換する。PWM変換部57は、3相信号UU、UV、UWの大きさに比例したパルス幅のON/OFF信号(PWM(Pulse Width Modulation)信号)であるDUTY信号(DU、DV、DW)を生成する。
なお、2軸3相変換部56およびPWM変換部57には、電動機4の角度信号θが入力され、回転子の磁極位置に応じた信号が出力される。
(シフト操作判定部)
さらに、本実施形態においては、操舵制御ECU130にシフト操作判定部70が備わる。
シフト操作判定部70は、運転者によるセレクタレバー10の操作を検出した場合に、運転者がシフト操作をしていると判定し、ダンパ補償信号演算部52が演算するダンパ補償値Iに積算するダンパ補正ゲインIを演算し、ダンパ補償値Iに積算することで、電動力付与手段110(図1参照)におけるダンピングゲインを大きくする。
運転者が操向ハンドル3(図1参照)を片手で操作する片手運転の場合、通常の運転(両手運転)に比べて、操向ハンドル3を押さえる力が弱いことから、車両V(図1参照)が路面から受ける衝撃等によってハンドルが取られる、いわゆるハンドル取られが発生しやすく、操舵フィーリングが低下する場合がある。そこで、本実施形態においては、操舵制御ECU130が運転者の片手運転を検出し、ダンパ補償値Iを大きくするように補正することで、電動力付与手段110におけるダンピングゲインを大きくする。そして、ステアリングダンパ効果を高めて操向ハンドル3の中立点への収斂性を向上させてハンドル取られを軽減し、操舵フィーリングの低下を軽減する。
本実施形態においては、運転者がシフト操作をしている場合に片手運転を検出する構成とする。
そこで、操舵制御ECU130にシフト操作判定部70と積算器71を備え、運転者がシフト操作をしていると判定するとともに、車速信号VSに対応したダンパ補正ゲインIを演算して積算器71でダンパ補償値Iに積算し、ダンパ補償値Iを増大するように補正する。このように、ダンピングゲインを大きくする。
シフト操作判定部70は、運転者がセレクタレバー10に接触していることを検出する接触検出部70bと、ダンパ補償値Iに積算するダンパ補正ゲインIを演算する補正ゲイン演算部70aを含んで構成される。
補正ゲイン演算部70aは、セレクタレバー10に運転者が接触していることを接触検出部70bが検出したときに、ダンパ補償値Iに積算するダンパ補正ゲインIを演算する機能を有する。
接触検出部70bは、セレクタレバー10に備わるタッチセンサ10aと信号線で接続され、運転者がセレクタレバー10に接触している場合には、タッチセンサ10aが出力する、例えば電気信号の検出信号が入力される。
接触検出部70bは、タッチセンサ10aからの検出信号が入力されると、セレクタレバー10に運転者が接触していることを検出する。
そして、シフト操作判定部70は、接触検出部70bに入力されるタッチセンサ10aの検出信号に基づいて、運転者がシフト操作をしていると判定すると、補正ゲイン演算部70aによって、ダンパ補償信号演算部52が演算するダンパ補償値Iに積算するダンパ補正ゲインIを演算する。
ダンパ補正ゲインIは、本実施形態においては、車両V(図1参照)に固有の値としてあらかじめ設定される値であり、例えば車速信号VSに対応した値として演算することが考えられる。
図5は、車速信号とダンパ補正ゲインの関数の一例を示すグラフである。図5に示すように、ダンパ補正ゲインIを車速信号VSに対応した変数とした場合、例えば車速信号VSの上昇に対応して、ダンパ補正ゲインIを大きくする構成が考えられる。
前記したように、ダンパ補償信号演算部52(図3参照)は、車速信号VSの値が高いほどダンピングゲインを大きくして電動機4の角速度ωを抑制制御し、車両Vの走行の安定性を向上させている。
そこで、補正ゲイン演算部70aが演算するダンパ補正ゲインIも同様に、車速信号VSの上昇に対応して大きくする。すなわち、車両V(図1参照)の車速が大きいほど、ダンパ補正ゲインIを大きくする。そして、ダンパ補償値Iにダンパ補正ゲインIを積算して得られるダンピングゲインを大きくすることで、車速信号VSの値が高いほどステアリングダンパ効果を高める構成とする。
ダンパ補償値Iは、ダンパ補正ゲインIが積算されることで補正されることから、車速信号VSの上昇に対応してダンパ補正ゲインIが大きくなると、ダンパ補償値Iの補正量は、車速信号VSの上昇に伴って大きくなる。
すなわち、車両Vの車速が大きいほど、ダンパ補償値Iの補正量が大きくなる。
なお、図5に示される車速信号VSとダンパ補正ゲインIの関数は、一例を示したものであって、車速信号VSとダンパ補正ゲインIの関数を限定するものではない。
また、ダンパ補正ゲインIは一定値としてもよく、車両V(図1参照)に要求される特性に応じて、好適なダンパ補正ゲインIを設定すればよい。
補正ゲイン演算部70a(図3参照)が、車速信号VSに対応したダンパ補正ゲインIを演算する方法は限定されるものではないが、例えば、図3に示すように、車速信号VSに対応するダンパ補正ゲインIを、あらかじめ実験測定などによって設定して補正ゲインテーブル70cを作成し、シフト操作判定部70を構成するソフトウエアロジックにデータとして組み込んでおけばよい。
また、シフト操作判定部70をハードウエアロジックで構成する場合、シフト操作判定部70に記憶部を備え、テーブルデータ形式で記憶しておけばよい。
そして、操舵制御ECU130は、ダンパ補償信号演算部52が演算するダンパ補償値Iに、シフト操作判定部70の補正ゲイン演算部70aが演算するダンパ補正ゲインIを積算器71で積算する。この場合、ダンパ補正ゲインIを1以上の値とすることで、ダンパ補償値Iを大きくするように補正でき、ダンピングゲインを大きくできる。
すなわち、シフト操作判定部70と積算器71が、請求項に記載の補正手段となり、ダンパ補償値Iを大きくするように補正することで、電動機4が発生する補助トルクが小さくなるように、制御信号である出力信号IMを補正する。
図6は、操舵制御ECUがダンピングゲインを補正するステップを示すフローチャートである。図6を参照して、操舵制御ECU130がダンパ補償値Iにダンパ補正ゲインIを積算して、ダンピングゲインを補正するステップを説明する(適宜図1〜図5参照)。
操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10を操作しない間は(ステップS1→No)、処理をしないが、運転者がセレクタレバー10を操作している場合(ステップS1→Yes)、制御をステップS2に進める。
前記したように、操舵制御ECU130にはシフト操作判定部70が備わり、シフト操作判定部70に含まれる接触検出部70bには、運転者がセレクタレバー10に接触しているときに、タッチセンサ10aから検出信号が入力される。
したがって、操舵制御ECU130は、シフト操作判定部70の接触検出部70bに、タッチセンサ10aからの検出信号が入力されている場合に、運転者がセレクタレバー10に接触していることを検出できる。
そして、操舵制御ECU130のシフト操作判定部70は、運転者がセレクタレバー10に接触していることを接触検出部70bが検出した場合に、運転者がセレクタレバー10を操作して、シフト操作をしていると判定する。
運転者がセレクタレバー10を操作する場合、操向ハンドル3を片手で操作する片手運転になる。すなわち、操舵制御ECU130のシフト操作判定部70は、運転者がセレクタレバー10に接触していることを検出することで、運転者の片手運転を検出できる。
このことから、シフト操作判定部70とタッチセンサ10aとが、請求項に記載の片手操作検出手段となる。
操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10を操作しているときに(ステップS1→Yes)、車速信号VSを検出する(ステップS2)。
シフト操作判定部70の補正ゲイン演算部70aには、車速信号VSが入力されることから、操舵制御ECU130は、補正ゲイン演算部70aを介して車速信号VSを検出できる。
そして、操舵制御ECU130は、シフト操作判定部70の補正ゲイン演算部70aで、検出した車速信号VSに対応するダンパ補正ゲインIを演算する(ステップS3)。
すなわち補正ゲイン演算部70aは、シフト操作判定部70に組み込まれる補正ゲインテーブル70cを参照して、入力された車速信号VSに対応するダンパ補正ゲインIを演算する。
そして、操舵制御ECU130は、ダンパ補償信号演算部52が演算するダンパ補償値Iに、補正ゲイン演算部70aが演算するダンパ補正ゲインIを、積算器71で積算する(ステップS4)。
このように、操舵制御ECU130がダンピングゲインを補正するステップを、例えば操舵制御ECU13を制御するプログラムにサブルーチンとして組み込み、定期的(例えば、100msecなど、所定の時間間隔)に実行する構成とすればよい。
このように、本実施形態において、操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10を操作して、シフト操作をしていると判定した場合、車速信号VSに対応するダンパ補正ゲインIを演算し、ダンパ補償信号演算部52が演算するダンパ補償値Iに積算する。
運転者がセレクタレバー10(図1参照)を操作しているときは、操向ハンドル3(図1参照)を片手で操作する片手運転になる。片手運転の場合、通常の運転(両手運転)に比べて、操向ハンドル3の操作が不安定になって、ハンドル取られが発生しやすくなり、操舵フィーリングが低下する場合がある。
本実施形態において、操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10に接触したことを検出してシフト操作を判定し、運転者の片手運転を検出する。そして、ダンパ補償値Iを大きくするように補正して、電動力付与手段110におけるダンピングゲインを大きくする。このことによって、操向ハンドル3の中立点への収斂性を向上させることができ、片手運転時におけるハンドル取られを軽減できる。そして、片手運転時においても操舵フィーリングの低下を軽減できるという優れた効果を奏する。
なお、本実施形態において、操舵制御ECU130が片手運転を検出した場合に、ダンピングゲインを大きくするとしたが、例えば、図3に示すベース信号演算部51が演算するベース信号Dを減少することによっても、ダンピングゲインを大きくするのと同等の効果を得ることができる。
すなわち、ベース信号Dが減少することで、電動機4(図1参照)が発生する、電動力付与手段110に対する補助トルクが小さくなる。このことによって、しっかりとした操舵トルクTsの手応え感が付与され、例えば運転者が片手運転をしている場合におけるハンドル取られを軽減でき、操舵フィーリングの低下を軽減できる。
図7は、ベース信号を補正する操舵制御ECUの概略構成図である。図7において、図3に示す操舵制御ECU130の構成と同等の要素には同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
図7に示すように、シフト操作判定部70の補正ゲイン演算部70aは、ベース信号Dを補正するベース補正ゲインDを演算する。そして、操舵制御ECU130は、積算器72で、補正ゲイン演算部70aが演算するベース補正ゲインDを、ベース信号演算部51が演算するベース信号Dに積算する構成とすればよい。
補正ゲイン演算部70aが、ベース補正ゲインDを演算する方法は、ダンパ補償値Iに積算するダンパ補正ゲインI(図3参照)を演算する方法と同様に実現できる。すなわち、車速信号VSに対応した好適なベース補正ゲインDを、あらかじめ実験測定などによって設定して補正ゲインテーブル70cを作成し、シフト操作判定部70を構成するソフトウエアロジックにデータとして組み込んでおけばよい。
なお、ベース補正ゲインDは一定値としてもよく、車両V(図1参照)に要求される特性に応じて、好適なベース補正ゲインDを設定すればよい。
操舵制御ECU130のシフト操作判定部70は、接触検出部70bに入力されるタッチセンサ10aからの検出信号によって、運転者がセレクタレバー10に接触していることを検出し、運転者がシフト操作をしていると判定する。
そして、操舵制御ECU130は、シフト操作判定部70の補正ゲイン演算部70aで、検出した車速信号VSに対応するベース補正ゲインDを演算する。
すなわち補正ゲイン演算部70aは、シフト操作判定部70に組み込まれる補正ゲインテーブル70cを参照して、入力された車速信号VSに対応するベース補正ゲインDを演算する。
さらに、操舵制御ECU130は、ベース信号演算部51が演算するベース信号Dに、補正ゲイン演算部70aが演算するベース補正ゲインDを、積算器72で積算する。
そして、例えばベース補正ゲインDを0より大きく1以下の値とすることで、ベース信号Dを減少するように補正することができる。
また、ベース補正ゲインDを、例えば車速信号VSの上昇に伴って小さくするように設定することで、補正ゲイン演算部70aが演算するベース補正ゲインDは、車速信号VSの上昇に伴って小さくなる。このことによって、車速信号VSが大きいほど、ベース信号Dとベース補正ゲインDの積の減少率は大きくなる。換言すると、車両V(図1参照)の車速が大きいほど、ベース信号Dのベース補正ゲインDによる補正量が大きくなる。
図7においては、シフト操作判定部70と積算器72が、請求項に記載の補正手段となり、ベース信号Dを減少するように補正することで、電動機4が発生する補助トルクが小さくなるように、制御信号である出力信号IMを補正する。
なお、本実施形態においては、ダンパ補償値I(図3参照)をダンパ補正ゲインI(図3参照)で補正する構成と、ベース信号D(図7参照)をベース補正ゲインD(図7参照)で補正する構成を別の構成としたが、同時に行う構成としてもよい。
すなわち、運転者がセレクタレバー10(図7参照)に接触していることを接触検出部70b(図7参照)が検出した場合に、補正ゲイン演算部70a(図7参照)は、ダンパ補償値Iを補正するダンパ補正ゲインIを演算するとともに、ベース信号Dを補正するべース補正ゲインDを演算する。そして、ダンパ補正ゲインIを積算器71(図3参照)でダンパ補償値Iに積算するとともに、ベース補正ゲインDを積算器72(図7参照)でベース信号Dに積算する構成であってもよい。
以上、本実施形態において、操舵制御ECU130(図1参照)は、運転者がATのセレクタレバー10(図1参照)に接触していることを検出して片手運転を検出したが、片手運転を検出する方法は、これに限定されるものではない。
例えば、車両V(図1参照)に備わるATが、運転者が任意に走行ギアを選択できるモード(いわゆるマニュアルモード)を有する場合、操舵制御ECU130は、ATがマニュアルモードに設定されているときに片手運転を検出する構成としてもよい。
また、MTを備える車両V(図1参照)の場合、前記したように、ギアチェンジに使用する図示しないシフトノブにタッチセンサ10a(図1参照)を備え、操舵制御ECU130(図1参照)は、運転者のシフトノブへの接触を検出することで、片手運転を検出してもよい。さらに、MTを備える車両Vで運転者がギアチェンジする場合、クラッチペダルを操作することから、運転者がクラッチペダルを操作したことを検出するセンサ(図示せず)を備え、運転者がクラッチペダルを操作しているときに、操舵制御ECU130が片手運転を検出する構成であってもよい。
その他、例えば操向ハンドル3(図1参照)にタッチセンサ10a(図1参照)を備え、操舵制御ECU130(図1参照)は、運転者が操向ハンドル3に片手のみ接触していることを検出して、片手運転を検出する構成であってもよい。
なお、運転者が一瞬だけ片手運転をするたびに、操舵制御ECU130(図3参照)がダンパ補償値I(図3参照)、又はベース信号D(図3参照)を補正するように制御すると、運転者は違和感を覚える場合がある。また、一瞬の片手運転の場合、運転者は即時に通常の運転(両手運転)に戻すことができる。
そこで、本実施形態においては、セレクタレバー10(図3参照)にタッチセンサ10a(図3参照)を備えることで、一瞬の片手運転ではないことを検出する構成とした。
すなわち、操舵制御ECU130は、運転者がセレクタレバー10に接触したことで、運転者がセレクタレバー10を操作する意図を有すると判定し、一瞬の片手運転ではないことを検出できる。
例えば、操向ハンドル3にタッチセンサ10aを備える場合、操舵制御ECU130は、一瞬の片手運転か否かを即時に判定できない。
この場合、例えばカメラなどの撮像手段で運転者を撮像して画像処理し、運転者の片手が、例えばセレクタレバー10に向かって動いたことを検出したときに、片手運転ではないと判定するなどの方法が考えられる。
以上の説明は、操作子である操向ハンドル3(図1参照)と転舵輪である前輪1(図1参照)が機械的に接続される電動力付与手段110(図1参照)を例にしたが、操向ハンドル3と前輪1が機械的に接続されない、いわゆるステアバイワイヤによる電動力付与手段にも本実施形態を適用できる。
また、本実施形態に係る電動力付与手段110(図1参照)は、操向ハンドル3(図1参照)に入力される操舵トルクの大きさに対応した補助トルクを発生するものであるが、これは限定されず、操向ハンドル3の操舵角と転舵輪である前輪1(図1参照)の転舵角(実舵角)との差に対応して補助トルクを発生する電動力付与手段にも、本実施形態を適用できる。
操向ハンドルを片手で操作する片手運転の場合、車両に路面から伝達される振動等によるハンドル取られが発生しやすく、このことによって操舵フィーリングが低下する場合がある。
本発明においては、操舵制御ECUが片手運転を検出した場合、例えばダンピングゲインを大きくして、電動機が発生する補助トルク(アシスト量)を小さくし、運転者が片手運転をしている場合のハンドル取られを軽減し、操舵フィーリングの低下を軽減できるという優れた効果を奏する。
本実施形態に係る操舵システムを適用した4輪車両の全体概念図である。 電動力付与手段の構成図である。 操舵システムの操舵制御ECUの概略構成図である。 (a)は、べーステーブルに格納されているベース信号の特性関数を示すグラフ、(b)は、ダンパテーブルの特性関数を示すグラフである。 車速信号とダンパ補正ゲインの関数の一例を示すグラフである。 操舵制御ECUがダンピングゲインを補正するステップを示すフローチャートである。 ベース信号を補正する操舵制御ECUの概略構成図である。
符号の説明
3 操向ハンドル(操作子)
4 電動機(ステアリング系)
5a ウォームギア(ステアリング系)
5b ウォームホイールギア(ステアリング系)
7 ピニオン軸(ステアリング系)
8 ラック軸(ステアリング系)
8a ラック歯(ステアリング系)
9 タイロッド(ステアリング系)
10 セレクタレバー
10a タッチセンサ(片手操作検出手段)
51 ベース信号演算部
52 ダンパ補償信号演算部
70 シフト操作判定部(片手操作検出手段、補正手段)
70a 補正ゲイン演算部
70b 接触検出部
71、72 積算器(補正手段)
100 操舵システム
110 電動力付与手段
130 操舵制御ECU(操舵制御手段)
ベース信号
ベース補正ゲイン
I ダンパ補償値
ダンパ補正ゲイン
車速センサ(車速検出手段)
V 車両

Claims (5)

  1. 電動機が発生する補助トルクを転舵輪のステアリング系に伝達する電動力付与手段と、
    前記補助トルクを演算するとともに、当該補助トルクを発生するように前記電動機を制御する制御信号を演算する操舵制御手段と、
    前記ステアリング系の操作子を、運転者が片手で操作していることを検出する片手操作検出手段と、
    運転者が前記操作子を片手で操作していることを前記片手操作検出手段が検出しているときに、前記電動機が発生する補助トルクが小さくなるように前記制御信号を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする操舵システム。
  2. 前記操舵制御手段は、
    前記制御信号の基準となるベース信号を演算するベース信号演算部と、
    前記操作子の回転速度に基づいてダンパ補償値を演算するダンパ補償信号演算部と、を含み、前記ベース信号から前記ダンパ補償値を減算するように補償して前記制御信号を演算し、
    前記補正手段は、
    運転者が前記操作子を片手で操作していることを前記片手操作検出手段が検出しているときに、前記ダンパ補償値を大きくするように補正すること、および/または、前記ベース信号を減少するように補正すること、で前記補助トルクを小さくすることを特徴とする請求項1に記載の操舵システム。
  3. 前記補正手段は、
    前記操舵システムが備わる車両が有する車速検出手段を介して当該車両の車速を検出し、
    前記車両の車速が大きいほど、前記ダンパ補償値の補正量、および/または、前記ベース信号の補正量、を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の操舵システム。
  4. 前記片手操作検出手段は、自動変速装置の走行レンジを選択するために運転者が操作するセレクタレバーに、運転者が接触したことを検出するタッチセンサを含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操舵システム。
  5. 前記片手操作検出手段は、手動変速装置のギアチェンジをするために運転者が操作するシフトノブに、運転者が接触したことを検出するタッチセンサを含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操舵システム。
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