JP2009179162A - 落水者救助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】落水発生から救助完了まで短時間で行うことができるとともに、船上に残された乗員が簡単な操作のみで容易に救助が行うことができ、しかも落水者の協調動作を要することのない落水者救助装置を提供する。
【解決手段】この落水者救助装置は、船体1の一部に固定可能な支持部材15と、一端側が支持部材15に回動自在に支持され、他端側が船外に張り出し可能なアーム部材21と、アーム部材21に接続され、引き込み及び送り出し操作により該アーム部材21を回動させる索状部材30と、落水者を取り込み可能な開口部35を有し、前記アーム部材21の他端側を船外へ張り出した際に該アーム部材21から吊り下げられて開口部35の少なくとも一部が水中に浸るようアーム部材21の中間部に取り付けられた捕獲用容器37と、を具える。
【選択図】図1
【解決手段】この落水者救助装置は、船体1の一部に固定可能な支持部材15と、一端側が支持部材15に回動自在に支持され、他端側が船外に張り出し可能なアーム部材21と、アーム部材21に接続され、引き込み及び送り出し操作により該アーム部材21を回動させる索状部材30と、落水者を取り込み可能な開口部35を有し、前記アーム部材21の他端側を船外へ張り出した際に該アーム部材21から吊り下げられて開口部35の少なくとも一部が水中に浸るようアーム部材21の中間部に取り付けられた捕獲用容器37と、を具える。
【選択図】図1
Description
この発明は、落水者を救出する際に用いる落水者救助装置に関する。
航行中に船から乗員等が水上へ転落した場合、落水者を救助することは容易なことではない。特に、ヨットで帆走中には、操縦性能が制限されているだけでなく、少人数で操縦している場合が多いので、ヨットを制御するだけで手一杯の状態となり、落水者を救助するだけの余力がない場合が多い。
現在、落水者を救助する際に用いる救助用具は製品化され市場に出回っている。例えば、救助用具のひとつとして用いられているライフスリングは、小人数の場合でも落水者を救うことが可能である。ライフスリングは、艇全長の3〜4倍の長さを有する救命用投げ索が繋がれた馬蹄型のブイをバッグの中に収容してなる救助用具である。ライフスリングを用いた落水者の救助は、図8(a)〜(d)に示すように、まず救助者M1は、バッグ内のブイ70を水上に投げ込み、ブイ70を艇71に追随させる。その後、艇71が落水者M2の周りを図8(b)の矢印に示すように大きく回るようにする。ブイ70は、艇71が回転することによって半径方向内側へ向かうので落水者M2の手元に投げ索73が届くこととなる。落水者M2が自らブイ70を装着した後に救助者M1がブイを落水者M2とともに艇71に引き寄せ、ハリヤード74(セールをマストに引き上げるためのロープ)等を用いて落水者M2を吊り上げる。
しかしながら、このようなライフスリングを用いた救助は、多くの欠点を有している。すなわち、ブイを落水者に到達させるのに要する時間が長いこと、ハリヤード等を用いて落水者を吊り上げる際の準備及び操作が非常に複雑であること、及び落水者が自らブイを掴んで装着しなければならず落水者による積極的な協調動作が必要であることである。従って、水温が低い場合や船に残された乗員が一人であって、特に女性が救助にあたる場合、また、落水者の意識が喪失状態にある場合には、落水者を救助することは極めて困難なものとなる。
それゆえ、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、落水発生から救助完了まで短時間で行うことができるとともに、船上に残された乗員が簡単な操作のみで容易に救助が行うことができ、しかも落水者の協調動作を要することのない落水者救助装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、落水者を救助する際に用いる落水者救助装置であり、船体の一部に固定可能な支持部材と、一端側が前記支持部材に回動自在に支持され、他端側が船外に張り出し可能なアーム部材と、前記アーム部材に接続され、引き込み及び送り出し操作により該アーム部材を回動させる索状部材と、前記落水者を取り込み可能な開口部を有し、該アーム部材の他端側を船外へ張り出した際に該アーム部材から吊り下げられて前記開口部の少なくとも一部が水中に浸るように前記アーム部材の中間部に取り付けられた捕獲用容器と、を具えることを特徴とする落水者救助装置である。なお、ここでいう支持部材を固定する「船体の一部」とは、船舶の本体部分の任意の箇所を指す他、船舶に予め取り付けられた、又は支持部材を船舶に取り付けるために事後的に取り付けられた付属品をも指すものとする。従って、支持部材は船体の所定位置に固定可能である。また、「索状部材」とは、例えばワイヤやロープ、チェーン等のように、圧縮方向及び曲げ方向の力に対してはたるむ一方で、引張方向の力のみを伝達する部材を指す。
この発明の落水者救助装置にあっては、船上に残された救助者が、支持部材に回動自在に支持されたアーム部材を、索状部材を送り出すことにより回動させることで、該アーム部材は、船外に張り出される。これにより、アーム部材に取り付けられた捕獲用容器は、船外に運び出されるとともにアーム部材から吊り下げられた状態となる。かかる状態にて、捕獲用容器の開口部の一部は水中に浸ることとなる。捕獲容器内への落水者の収容は、落水者が該捕獲用容器の開口部を通過するよう操船して行うことができる。落水者を捕獲用容器に収容したまま索状部材を引き込むことで、捕獲用容器はアーム部材の起立に追随して持ち上げられるとともに船内側に移動し、落水者は船内に取り込まれる。
従って、この発明の落水者救助装置によれば、ブイ等を用いた従来の救助用具と異なり捕獲容器内にそのまま落水者を収容する構成としたことから、ブイを落水者に到達させるために落水者の周りを大きく回るよう操船する必要がなく、また落水者の、船内への取り込みに際してもハリヤード等を準備する必要がないので短時間で、しかも簡単かつ容易に救助を行うことができる。また、落水者の協調動作が一切必要ないことから落水者の意識が喪失状態にあっても救助が可能となる。
なお、この発明の落水者救助装置においては、アーム部材は、索状部材を掛着可能な掛着部材を有し、索状部材は、一端部がアーム部材以外の部材に固定され、中間部がアーム部材の他端側に近接する方向に延びて掛着部材に移動可能に掛着されるとともにそこから離間する方向に延びることが好ましい。
また、この発明の落水者救助装置においては、掛着部材から離間する方向に延びる索状部材を、該索状部材を引き込み及び送り出し操作する操作地点に案内する案内部材を具えることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、索状部材の移動を、アーム部材を起立方向に回動させる方向にのみ制限する制限手段を具えることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、索状部材の移動を任意の位置で停止させる停止手段をさらに具えることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、停止手段は、索状部材を挿通させる挿通環と、該挿通環に抜け止めされる、該索状部材に形成された結び目とで構成されることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、掛着部材は、環状具又は滑車であることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、案内部材は、環状具又は滑車であることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、捕獲用容器を、少なくとも網体で形成してなることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、捕獲用容器の下部に錘を設けることが好ましい。
さらに、この発明の落水者救助装置においては、捕獲用容器の開口部の形状を維持する形状維持手段を具えることが好ましい。
加えて、この発明の落水者救助装置においては、未使用時に捕獲用容器を収納するホルダを設けることが好ましい。
この発明によれば、落水発生から救助完了まで短時間で行うことができるとともに、船上に残された乗員が簡単かつ容易に救助を行うことができ、しかも落水者の協調動作を要することのない落水者救助装置を提供することが可能である。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。ここでは、この発明に従う実施形態の落水者救助装置(以下、単に「救助装置」という。)をセーリングボートに適用した例につき説明するが、この発明は、これ以外に種々の船舶にも適用可能である。ここに、図1は、この発明に従う実施形態の救助装置を適用したセーリングボートの概略斜視図である。図2(a)は、図1に示す救助装置の一部をセーリングボートの一部とともに拡大して示す概略側面図であり、図2(b)は、この発明の救助装置の索条部材に適用可能な好適なロープの概略図である。図3は、作動状態にある、図1に示す救助装置をセーリングボートとともに示す概略背面図である。図4は、作動状態にある、図1に示す救助装置をセーリングボートとともに示す概略側面図である。図5は、この実施形態の救助装置に適用される制限手段及び停止手段の概略斜視図である。図7は、上記実施形態の救助装置を用いて落水者を救助する際の操船例を示す模式図である。
図1に示す船体1は、ほぼ中央部に垂直に立設されたマスト3と、該マスト3を後方から引っ張り船体に固定して支持するバックステイ5と、該マスト3から懸吊されたフォアステイ7と、該マスト3下部に回動可能に設けられたブーム9とを有する。さらに、マスト3とブーム9との間にはメインセール11が掛け渡され、マスト3とフォアステイ7との間にはジブセール13が掛け渡されている。
図2に詳細を示すように、バックステイ5の下部には、この実施形態の救助装置の一部をなす支持部材15が設けられている。この実施形態では、支持部材15は、後述するアーム部材21を回動可能に支持する支持金具17(図示例ではシャックル)と、該支持金具17をバックステイ5に固定するための固定金具19(図示例ではワイヤクリップ)とで構成されているが、これに限らず、支持部材15は、アーム部材21を回動可能に支持できればどのような構造のものでも良い。
支持金具17の軸部23には、円柱状をなすアーム部材21の一端が回動可能に連結されている。アーム部材21は、回動時に船外に張り出されるよう所定の長さを有する。アーム部材21の長さは、船体からの張り出し部分の長さが2m以上となるよう設定することが好ましい。軽量化の観点から、アーム部材21はアルミニウム製であるとともに中空であることが好ましい。この実施形態のように、アーム部材21を中空とした場合には、アーム部材21の両端部における強度を向上させる観点から、アーム部材21両端部の内周側に、略円柱状の補強具25、26を挿嵌することが好ましい。補強具25、26には、支持金具17及び連結金具29が連結されている。補強具25、26は、例えば樹脂で形成することができる。
アーム部材21の、支持金具17の軸部23に支持された側の端部とは反対側の端部には、掛着部材としての滑車28が連結金具29を介して取り付けられており、該滑車28には、索状部材としてのロープ30が掛着されている。ロープ30の一端部は、バックステイ5に固定金具31を介して固定された、案内部材としての滑車33に係止されている。ここでロープ30は、滑車33に係止された部分の耐久性を高めるとともに重量を減ずる観点から、図2(b)に示すように金属製のワイヤ部30aと化繊のロープ部30bとで構成することが好ましい。滑車33に係止されたロープ30は、アーム部材21先端の滑車28に掛け回された後、さらにバックステイ5に固定された滑車33に掛け渡され、さらにアーム部材21を操作する操作地点に導かれることとなる。この実施形態では、案内部材としての滑車33は、アーム部材21をバックステイ5に沿わせた状態で、該アーム部材21よりも高い位置に設けたが、該滑車33はアーム部材21と同位置かそれよりも低い位置に設けても良く、これらに代えて、船体を構成する他の部材に取り付けても良い。なお、掛着部材及び案内部材には、ロープ30の円滑な走行を目的として滑車28、33を用いたが、これ以外に索状部材を挿通させてアーム部材21を掛着する環状具(例えば、U字状の金具)を用いても良い。
図3及び4に示すように、アーム部材21の中間部には、落水者を取り込み可能な開口部35を有する捕獲用容器37が取り付けられている。この実施形態では、捕獲用容器37は、比較的目の粗い網体を袋状にすることで形成されているが、これ以外に、捕獲用容器37は、水の抵抗を低減すべく表裏を貫通する無数の孔が穿設された布地を袋状にすることで形成できる。また、捕獲用容器37は、開口部35の形状を維持することにより落水者の、開口部35内への進入をより容易とすべく、形状維持手段としての棒部材39を有することが好ましい。この実施形態では、棒部材39は、捕獲用容器37の上部に、船外に張り出されたアーム部材21と平行となるよう設けられている。さらに、捕獲用容器37の下部に錘41を配設することが好ましい。錘41の重さとしては、捕獲用容器37を網体で形成した場合には、網体の浮力により異なるが約2kgあれば十分である。捕獲用容器37に関連して、救助装置を使用しない時に、捕獲用容器37を内部に収容及び保管しておくホルダ43(図1参照)を設けることが好ましい。この実施形態では、ホルダ43は、図1に示すようにバックステイ5に取り付けることができる。このホルダ43は、円筒状をなし、内部に捕獲用容器37を収容可能である。なお、使用時に、迅速かつ確実に捕獲用容器37をホルダ43外に引き出せるよう、捕獲用容器37に繋がれた紐体45をホルダ43の口部から導出させておくことが好ましい。また、捕獲用容器37を収容するホルダは、図6(a)、(b)に示すようにアーム部材21に沿わせて取り付けることもできる。図6に示すホルダは、捕獲用容器37を出し入れするための取出し口44aを有する袋体44でありアーム部材21に固定されている。袋体44は、布片の周縁に設けられたファスナ44bを閉じることで構成される。ファスナ44bに代えて面ファスナ、スナップボタン等の他の係合方法を用いても良い。使用時にはファスナ44bを開放し、取出し口44aから捕獲用容器37を取出すことができる。さらにこのホルダには、袋体44の下部に残余のロープ30を収納するためのロープ収納袋46が設けられており、これにより未使用時に残余のロープ30を安全に収納することができる。ロープ収納袋46は、その下部にメッシュ孔又は水抜き孔(図示省略)を有することが好ましく、これによればロープ収納袋46内に入り込んだ雨水又は海水を効果的に排出し、残余のロープ30の劣化を防ぐことができる。
また、この実施形態の救助装置は、ロープ30の移動を、アーム部材21を起立方向に回動させる方向(図4の矢印方向)にのみ制限する制限手段としての例えばカムクリート47(図5に詳細を示す)を具えていても良い。
さらに、この実施形態の救助装置は、図5に示すように、ロープ30の移動を任意の位置で停止させる停止手段としての挿通環49及び結び目51を具えていても良い。挿通環49はその開口部にロープ30を挿通させる一方で、ロープ30に形成された結び目51を抜け止めする。停止手段は、未使用時に起立状態にあるアーム部材21を使用時に伏臥させた場合に、アーム部材21が所定の回動角度、好ましくは水平な状態となった時点でロープ30の移動を停止させるのに用いることができる。これによれば、使用時にロープ30を自由状態とするだけで、容易にアーム部材21を所定位置に置くことができる。
次いで、この実施形態の救助装置の動作及び船体1の操船例について説明する。
先ず、乗員が落水した場合、船上に残された乗員は、図1に示す捕獲用容器37に繋がれた紐体45を引っ張り、捕獲用容器37をホルダ43外に引き出す。そして、カムクリート47(制限手段)により制止されたロープ30を開放状態とすることで、図3及び4に示すようにアーム部材21はその自重により左舷側又は右舷側に倒れ、ロープ30が所定長さ引き出された時点で図5に示すようにロープ30の結び目51が挿通環49に抜け止めされ該ロープ30の移動は停止する。これにより、アーム部材21に取り付けられた捕獲用容器37は船外に運び出されるとともにアーム部材21から吊り下げられた状態となる。かかる状態にて、捕獲用容器37の開口部35の一部は水中に浸り、救助装置の操作準備は完了する。
この状態にて、船舶を航行させることで捕獲用容器37は、水抵抗により図4に示すような後方に膨出した形状となる。落水者を救助するには、船舶を落水者付近に近づけ、捕獲用容器37の開口部35を通じて落水者を該容器内に収容する。
次いで、落水者を捕獲用容器37に取り込んだままの状態で、図4に示すように、カムクリート47の手前側(図ではカムクリート47の右側)からロープ30を引き込む。このとき、この実施形態の救助装置では、動滑車の原理で引き込み力を倍増させる構造となっていることから、かかる原理を利用しない場合の約1/2の力でアーム部材21を起立させることができる。これでも引き込み力が不足する場合には、船舶に設けられているウインチ等(図示省略)を用いても良い。また、カムクリート47によりロープ30の移動方向が引き込み方向に制限される。捕獲用容器37は、アーム部材21の起立に追随して持ち上げられるとともに船内側に移動し、落水者は船内に取り込まれる。
なお、船体1に適用された救助装置を用い、より迅速かつ容易に落水者を救助するには、図7に示す船体1の操船例を用いることができる。すなわち、船体1から乗員Mが落水した場合、船上に残された乗員は、落水と同時に舵を落水者Mの側に取り、追い風走行にする。船体1の船尾が落水者Mと並んだ時点で舵を、船体1がラフィング(風上に進行方向を変えること)する方向に切る。次いで、タッキング(風上に向かって方向転換すること)し、そのままヒーブツー(ジブとメインとを反対側に出して力を相殺させて艇を停止させる)を行いながら船体1を落水者Mに近づける。かかる操船例を用いることで、迅速に落水者に近づくことができ、また落水者に近づいた際の船速を落とすことができるので、落水者の救出が一層容易となる。
この発明に従う実施形態の救助装置によれば、ブイ等を用いた従来の救助用具と異なり捕獲用容器37内にそのまま落水者を収容する構成としたことから、ブイを落水者に到達させるために落水者の周りを大きく回るよう操船する必要がなく、また落水者の、船内への取り込みに際してもハリヤード等を準備する必要がないので短時間で、しかも簡単かつ容易に救助を行うことができる。また、落水者の協調動作が一切必要ないことから落水者の意識が喪失状態にあっても救助が可能となる。
また、この実施形態の救助装置にあっては、アーム部材21は、ロープ30を掛着可能な掛着部材としての滑車28を有し、かつロープ30は、一端部がアーム部材21以外の部材に固定され、中間部がアーム部材21の他端側に近接する方向に延びて、上記滑車28に移動可能に掛着されるとともにそこから離間する方向に延びる構成であり、これによれば、動滑車の原理によりアーム部材21を起立させる時の引き込み力を倍増させることができるので、落水者の船内への取り込みを一人でも容易に行うことが可能となる。さらに、掛着部材を滑車28としたことで、より円滑にロープ30を摺動させることが可能となる。
さらに、この実施形態の救助装置にあっては、アーム部材21に接続された滑車28から離間する方向に延びるロープ30を引き込み及び送り出し操作する操作地点に案内する案内部材としての滑車33を設けたことにより、ロープ30は確実に操作者に導かれる。さらに、案内部材を滑車33としたことで、より円滑にロープ30を摺動させることが可能となる。
さらに、この実施形態の救助装置にあっては、ロープ30の移動をアーム部材21を起立方向に回動させる方向にのみに制限する制限手段としてのカムクリート47を有していることから、アーム部材21の起立操作をより容易に行うことが可能となる。
さらに、この実施形態の救助装置にあっては、ロープ30の移動を任意の位置で停止させる停止手段としての挿通環49及び結び目51を有することから、アーム部材21の、張り出し時の回動角度を所定の角度に容易に設定することができる。さらに、停止手段を挿通環49とロープ30の結び目51とで構成したことから、結び目51の位置を変更するのみで、アーム部材21の回動角度を容易に変更することができる。
さらに、この実施形態の救助装置においては、捕獲用容器37を網体で形成していることから軽量である。
さらに、この実施形態の救助装置においては、捕獲用容器37の下部に錘41を設けていることから、捕獲用容器37が確実に水中に沈むとともに、該容器の水中での形状は確実に維持される。
さらに、この実施形態の救助装置においては、捕獲用容器37の開口部35の形状を維持する形状維持手段としての棒部材39を設けたことから、使用時における開口部35の形状は確実に維持され、落水者の、開口部35からの収容をより容易に行うことが可能となる。
さらに、この実施形態の救助装置においては、捕獲用容器37を収納するホルダ43を具えることから、未使用時における捕獲用容器37を紫外線等による劣化から保護することが可能となる。加えて、引張り操作により捕獲用容器37をホルダ43外に引き出し可能な紐体45を設けたことから、使用時に迅速かつ確実に捕獲用容器37をホルダ43から引っ張り出すことができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
この発明により、落水発生から救助完了まで短時間で行うことができるとともに、船上に残された乗員が簡単かつ容易に救助を行うことができ、しかも落水者の協調動作を要することのない落水者救助装置を提供することが可能となった。
1 船体
3 マスト
5 バックステイ
7 フォアステイ
9 ブーム
11 メインセール
13 ジブセール
15 支持部材
17 支持金具
19 固定金具
21 アーム部材
23 軸部
25、26 補強具
28、33 滑車
30 ロープ
31 固定金具
35 開口部
37 捕獲用容器
39 棒部材
41 錘
43 ホルダ
44 袋体
45 紐体
46 ロープ収納袋
47 カムクリート
49 挿通環
51 結び目
3 マスト
5 バックステイ
7 フォアステイ
9 ブーム
11 メインセール
13 ジブセール
15 支持部材
17 支持金具
19 固定金具
21 アーム部材
23 軸部
25、26 補強具
28、33 滑車
30 ロープ
31 固定金具
35 開口部
37 捕獲用容器
39 棒部材
41 錘
43 ホルダ
44 袋体
45 紐体
46 ロープ収納袋
47 カムクリート
49 挿通環
51 結び目
Claims (5)
- 落水者を救助する際に用いる落水者救助装置であり、
船体の一部に固定可能な支持部材と、
一端側が前記支持部材に回動自在に支持され、他端側が船外に張り出し可能なアーム部材と、
前記アーム部材に接続され、引き込み及び送り出し操作により該アーム部材を回動させる索状部材と、
前記落水者を取り込み可能な開口部を有し、前記アーム部材の他端側を船外へ張り出した際に該アーム部材から吊り下げられて前記開口部の少なくとも一部が水中に浸るように該アーム部材の中間部に取り付けられた捕獲用容器と、を具えることを特徴とする落水者救助装置。 - 前記アーム部材は、前記索状部材を掛着可能な掛着部材を有し、
前記索状部材は、一端部が前記アーム部材以外の部材に固定され、中間部が前記アーム部材の前記他端側に近接する方向に延びて前記掛着部材に移動可能に掛着されるとともにそこから離間する方向に延びる、請求項1に記載の落水者救助装置。 - 前記掛着部材から離間する方向に延びる前記索状部材を、該索状部材を引き込み及び送り出し操作する操作地点に案内する案内部材を具える、請求項2に記載の落水者救助装置。
- 前記索状部材の移動を、前記アーム部材を起立方向に回動させる方向にのみ制限する制限手段を具える、請求項1〜3の何れか一項に記載の落水者救助装置。
- 前記索状部材の移動を任意の位置で停止させる停止手段をさらに具える、請求項1〜4の何れか一項に記載の落水者救助装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008019385A JP2009179162A (ja) | 2008-01-30 | 2008-01-30 | 落水者救助装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009179162A true JP2009179162A (ja) | 2009-08-13 |
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ID=41033478
Family Applications (1)
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JP2008019385A Withdrawn JP2009179162A (ja) | 2008-01-30 | 2008-01-30 | 落水者救助装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009179162A (ja) |
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-
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- 2008-01-30 JP JP2008019385A patent/JP2009179162A/ja not_active Withdrawn
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