JP2009178741A - 鍛造ターボフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりが良好で、ターボフィン自体を安価に成形できる鍛造ターボフィンの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ステンレス材料17で、棒状のベーン軸部14と、該ベーン軸部14の一端側に形成された翼形状のベーン翼部とを有する鍛造ターボフィンを形成する製造方法において、棒状のステンレス材料17を軸方向に鍛造することにより、ベーン軸部14と、ベーン軸部14の一端部側に略板状で、ベーン軸部14より幅広の、ベーン翼部となる成形途中部分を形成する軸方向鍛造工程と、成形途中部分を板状の厚み方向に鍛造して、板厚をより薄く、且つ、所定形状とする板厚方向鍛造工程とを有する鍛造ターボフィンの製造方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、棒状の金属材料から鍛造ターボフィンを成形する製造方法に関するものである。
従来からこの種のものとしては、特許文献1に記載されたようなものがある。これは板状のステンレス鋼又は耐熱鋼等の金属材料から、軸部となる部分と、フィン部となる部分とが連続した略T字状の板材を打ち抜き、この板材を板厚方向に冷間鍛造して、軸部とフィン部とを成形した後、最終段階で、トリミングプレス加工によりバリを除去すると共に、寸法精度を確保するようにしている。
特開2000−301283号公報
しかしながら、このような従来のものにあっては、ステンレス鋼の板材を略T字状に打ち抜くようにしているため、打ち抜いた残りの部分の端材が出てしまい、複数のターボフィンを形成するのに歩留まりが悪く、ターボフィン自体が高価なものになってしまう、という問題があった。
そこで、この発明は、歩留まりが良好で、ターボフィン自体を安価に成形できる鍛造ターボフィンの製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、金属材料で、棒状のベーン軸部と、該ベーン軸部の一端側に形成された翼形状のベーン翼部とを有する鍛造ターボフィンを形成する製造方法において、棒状の金属材料を軸方向に鍛造することにより、前記ベーン軸部と、該ベーン軸部の一端部側に略板状で、前記ベーン軸部より幅広の、前記ベーン翼部となる成形途中部分を形成する軸方向鍛造工程と、前記成形途中部分を板状の厚み方向に鍛造して、板厚をより薄く、且つ、所定形状とする板厚方向鍛造工程とを有する鍛造ターボフィンの製造方法としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記軸方向鍛造工程は、前記棒状の金属材料がセットされるダイと、前記棒状の金属材料を鍛造するパンチとを有し、前記ダイには、前記棒状の金属材料の前記ベーン軸部となる部分が挿入される挿入孔と、前記成形途中部分を形成する凹部とを有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記板厚方向鍛造工程は、複数の板厚方向鍛造工程を有し、該複数の板厚方向鍛造工程で、順次、前記成形途中部分の板厚を薄く、且つ、所定形状に近づけて行くようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記軸方向鍛造工程の前に、前記棒状の金属材料を軸方向に鍛造して、ポンチ部にて前記棒状の金属材料にシャフト穴を形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記金属材料は、ステンレス材料であることを特徴とする。
上記請求項1に記載の発明によれば、棒状の金属材料を軸方向に鍛造することにより、ベーン軸部と、ベーン軸部の一端部側に略板状で、ベーン軸部より幅広の、ベーン翼部となる成形途中部分を形成する軸方向鍛造工程と、成形途中部分を板状の厚み方向に鍛造して、板厚をより薄く、且つ、所定形状とする板厚方向鍛造工程とを有する鍛造ターボフィンの製造方法としたため、従来のように、板材から打ち抜くものと比較すると、歩留まりが良好で、ターボフィン自体を安価に成形できる。
請求項2に記載の発明によれば、軸方向鍛造工程は、棒状の金属材料がセットされるダイと、棒状の金属材料を鍛造するパンチとを有し、ダイには、棒状の金属材料のベーン軸部となる部分が挿入される挿入孔と、成形途中部分を形成する凹部とを有するため、より単純なダイの構造で、軸方向鍛造工程を実行できる。
請求項3に記載の発明によれば、板厚方向鍛造工程は、複数の板厚方向鍛造工程を有し、該複数の板厚方向鍛造工程で、順次、前記成形途中部分の板厚を薄く、且つ、所定形状に近づけて行くようにしたため、ベーン翼部等をより高精度に成形できる。
請求項4に記載の発明によれば、軸方向鍛造工程の前に、棒状の金属材料を軸方向に鍛造して、ポンチ部にて棒状の金属材料にシャフト穴を形成したため、鍛造ターボフィンの軽量化を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、金属材料をステンレス材料とすることにより、耐久性に優れた鍛造ターボフィンを成形できる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図4には、この発明の実施の形態1を示す。
まず構成を説明すると、図4中符号11は、エンジンの過給機としてのターボチャージャーで、このターボチャージャー11には、複数の鍛造ターボフィン12が環状に配設されている。
これら鍛造ターボフィン12は、図3の(D)に示すように、ベーン翼部13及びベーン軸部14とがステンレス材料にて鍛造により一体成形されている。そのベーン翼部13は、所定の高さを有し、断面が所謂、翼形状を呈し、排気ガスが効果的にタービンに向かうように構成されている。
また、ベーン軸部12は、円柱形状を呈し、底面部側からシャフト穴14aが形成され、図示省略のベーン取付フランジ部に取り付けられるようになっている。
次に、かかる鍛造ターボフィン12の製造方法について、図 乃至図 を参照しながら説明する。
まず、図1の(A)に示すように、棒状の金属材料であるステンレス材料17を所定の長さに切断する。次いで、図1の(B)に示すように、この棒状のステンレス材料17を、第1ダイ18の挿入孔18a内に挿入した後、第1パンチ19にてそのステンレス材料17を、室温にて、軸方向に押圧して冷間鍛造し、前記挿入孔18a内の底部に設けられた第1突部18bにて、ステンレス材料17のセンター穴20の加工を行う。
次に、この棒状のステンレス材料17を、第2ダイ22の挿入孔22a内に挿入した後、第2パンチ23にてそのステンレス材料17を、室温にて、軸方向に押圧して冷間鍛造し、前記挿入孔22a内の底部に設けられた第2突部22bにて、ステンレス材料17のシャフト穴14aの成形を行う。
その後、この棒状のステンレス材料17を、第3ダイ24の挿入孔24a内に挿入した後、第3パンチ25にてそのステンレス材料17を、室温にて、軸方向に押圧して冷間鍛造する。その第3ダイ24には、その挿入孔24aの上側に連続して凹部24bが形成されており、上記冷間鍛造を行うことにより、その凹部24bの内部で、ベーン翼部13となる第1成形途中部分13aが形成される(軸方向鍛造工程)。
これは、図2の(A)に示すように、ベーン軸部14と第1成形途中部分13aとに形成され、これを図2の(B)に示すように、高周波加熱により1000℃以上に加熱された第1成形途中部分13aを横向きにして第4ダイ26の凹所26aの上に置き、第4パンチ27を下降させて、この第4パンチ27と第4ダイ26の凹所26aとの間で、熱間鍛造を行う。これにより、ベーン翼部13となる第1成形途中部分13aより薄い第2成形途中部分13bを形成する(板厚方向鍛造工程)。
さらに、図2の(C)に示すように、ベーン翼部13となる1000℃以上の第2成形途中部分13bを第5ダイ28の凹所28aの上に置き、第5パンチ29を下降させて、この第5パンチ29と第5ダイ28の凹所28aとの間で、熱間鍛造を行う。これにより、ベーン翼部13の第2成形途中部分13bより薄い略翼形状の第3成形途中部分13cを形成する(板厚方向鍛造工程)。
これにより、図3の(A)に示すような形状の鍛造ターボフィン12の中間成形品が形成される。
次に、図3の(B)に示すように、その中間成形品を、第6ダイ30と第6パンチ31とで、1000℃以上で、熱間鍛造により、首下部15を形成する。
その後、図3の(C)に示すように、ベーン軸部14を切削加工した後、図3の(D)に示すように、ベーン翼部13を切削加工して成形する。
これにより、鍛造ターボフィン12の成形を完了する。
このように、棒状のステンレス材料17から鍛造により鍛造ターボフィン12を成形することにより、従来のような打ち抜きと比べ、無駄な材料が発生することが少なく、歩留まりが良好で、鍛造ターボフィン12自体を安価に成形できる。
しかも、ターボチャージャ11には、多数の鍛造ターボフィン12が配設されているため、ターボチャージャ11においては大幅な原価低減となる。
また、ベーン軸部14にシャフト穴14aを形成することにより、軽量化を図ることができる。
さらに、冷間鍛造と熱間鍛造を組み合わせることにより、比較的、精度が要求されず、成形が容易な場合は冷間鍛造を、又、翼形状等の精度が要求される成形の場合は熱間鍛造を用いることにより、精度良く、且つ、成形時間も極力短縮することができる。
なお、上記実施の形態では、図1の(B),(C)に示すように、シャフト穴14aを成形する工程や、図3の(B)に示すように、首下部15を成形する工程等が設けられているが、これらの工程は必ずしも必要ではない。
本発明の実施の形態に係る鍛造ターボフィンの製造工程を示す図である。 同実施の形態に係る鍛造ターボフィンの製造工程を示す図で、図1の後の工程を示す図である。 同実施の形態に係る鍛造ターボフィンの製造工程を示す図で、図2の後の工程を示す図である。 同発明の実施の形態に係るターボチャージャを示す図である。
符号の説明
11 ターボチャージャ
12 鍛造ターボフィン
13 ベーン翼部
13a 第1成形途中部分
13b 第2成形途中部分
13c 第3成形途中部分
14 ベーン軸部
14a シャフト穴
17 ステンレス材料(金属材料)
18 第1ダイ
19 第1パンチ
22 第2ダイ
23 第2パンチ
24 第3ダイ
25 第3パンチ
26 第4ダイ
27 第4パンチ
28 第5ダイ
29 第5パンチ
30 第6ダイ
31 第6パンチ

Claims (5)

  1. 金属材料で、棒状のベーン軸部と、該ベーン軸部の一端側に形成された翼形状のベーン翼部とを有する鍛造ターボフィンを形成する製造方法において、
    棒状の金属材料を軸方向に鍛造することにより、前記ベーン軸部と、該ベーン軸部の一端部側に略板状で、前記ベーン軸部より幅広の、前記ベーン翼部となる成形途中部分を形成する軸方向鍛造工程と、
    前記成形途中部分を板状の厚み方向に鍛造して、板厚をより薄く、且つ、所定形状とする板厚方向鍛造工程とを有することを特徴とする鍛造ターボフィンの製造方法。
  2. 前記軸方向鍛造工程は、前記棒状の金属材料がセットされるダイと、前記棒状の金属材料を鍛造するパンチとを有し、前記ダイには、前記棒状の金属材料の前記ベーン軸部となる部分が挿入される挿入孔と、前記成形途中部分を形成する凹部とを有することを特徴とする請求項1に記載の鍛造ターボフィンの製造方法。
  3. 前記板厚方向鍛造工程は、複数の板厚方向鍛造工程を有し、該複数の板厚方向鍛造工程で、順次、前記成形途中部分の板厚を薄く、且つ、所定形状に近づけて行くようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鍛造ターボフィンの製造方法。
  4. 前記軸方向鍛造工程の前に、前記棒状の金属材料を軸方向に鍛造して、ポンチ部にて前記棒状の金属材料にシャフト穴を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の鍛造ターボフィンの製造方法。
  5. 前記金属材料は、ステンレス材料であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の鍛造ターボフィンの製造方法。
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