JP2009177306A - 磁気論理素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピントルク磁化反転過程によるメモリセルへの書き込み、読み出し動作と同様にして、論理素子の演算を行い、メモリ、論理素子いずれの動作速度もほぼ等しい装置を提供する。
【解決手段】第1磁化固定層、第1絶縁層、磁化自由層、第2絶縁層、及び第2磁化固定層を積層してなる二重トンネル障壁素子を複数組み合わせて構成されたインバータ素子、NAND素子及びNOR素子によって構成した論理回路11と、磁化固定層と絶縁層と磁化自由層を積層し電流誘起磁化反転機構により動作する磁気メモリ素子を複数有するメモリ17とを同一基板上に混載し、同一の制御回路12から共通のクロックを取る。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流誘起磁化反転機構を利用した演算論理素子の実現する固体磁気論理素子及びこれらを利用した装置に関する。
磁気抵抗効果は、磁性体に磁場を印加したとき、あるいは磁性体の磁化状態が変化したとき電気抵抗が変化する現象である。この効果を利用した磁気抵抗効果素子として、従来から磁気ヘッドや磁気センサが知られ、近年、不揮発性固体磁気メモリ素子(MRAM)なども試作されるようになってきている。最近、以下に説明する電流誘起磁化反転機構、つまりスピントルクが提案され(非特許文献1,2)、実際にスピントルクによる磁化反転が確認された(非特許文献3,4)。このスピントルクによる、メモリセルへの書き込みが提案されている。これら広い意味でのMRAMは、1)不揮発性、2)書き換え耐性が原理的に無限大、3)書き込み速度が現状のフラッシュメモリより速い、という特性ため、現在汎用記憶装置として用いられる半導体メモリ(DRAM)を置き換える利点を有する。
ここで、電流誘起磁化反転機構について説明する。電流誘起磁化反転機構は、それぞれが磁化固定層、磁化自由層として機能する少なくとも2つの磁性体を用いる。これら磁化固定層と磁化自由層は、非磁性金属あるいは非磁性絶縁体で接合される。電流印加時、伝導電子が磁化固定層を通り抜け、磁化自由層に進入する場合、伝導電子は固定層の磁化の向きに分極している。すなわちスピン流が流れる。そのため、分極した量に対応するスピン角運動量を磁化自由層に移行することができる。その結果、磁化自由層の磁化の向きを、磁化固定層のそれに平行に揃えることが出来る。また、伝導電子の進行方向が逆の場合には、磁化固定層からの反射が支配的となる。つまり磁化固定層の磁化と同じスピンの向きのスピン流は透過し、逆向きのスピンを持つスピン流が磁化自由層に進入するため、磁化自由層の磁化の向きを磁化固定層のそれと反平行に揃えることが出来る。結果的に、電流の極性により磁化自由層の磁化の向きを制御することが可能であり、磁化固定層の磁化に対する相対的な磁化の向きが引き起こす磁化抵抗効果をメモリ素子として応用できる。
Phys. Rev.B 39, 6995-7002 (1989) Phys. Rev.B 54, 9353-9358 (1996) Phys. Rev. Lett.84, 3149-3152 (2000) Appl. Phys. Lett.78, 3663-3665 (2001)
一方、近年の半導体VLSI技術は、1チップ上に億単位のトランジスタを構成可能にしたが、1チップ上に占めるマイクロプロセッサユニット(MPU)の相対面積は少ない。DRAMにアクセスするために、数少ないI/Oピンを通さなければならず、キャッシュメモリとその制御回路を必要とするためである。そのため、I/Oピンの動作クロックによるメモリアクセスのボトルネックが生じ、メモリバンド幅が減少してしまう。したがって、DRAMをMRAMに置き換えるだけではメモリアクセスの改善にはならず、また多数のトランジスタを有効に論理演算に用いることが出来ない。MRAMを有効活用するには、MPUを構成するCMOS論理回路を、MRAMと同じプロセスで、また同様の動作クロックで機能する論理回路を構成する必要がある。
本発明の目的は、スピントルク磁化反転過程によるメモリセルへの書き込み、読み出し動作と同様にして、論理素子の演算を行い、メモリ、論理素子いずれの動作速度もほぼ等しい装置を提供することにある。また、メモリ、論理素子いずれも不揮発とし、DRAMのようなリフレッシュを不要とし、さらに処理待ち時間に電源を遮断することにより、消費電力の低い素子及び装置を提供することにある。
本発明の論理回路は、第1磁化固定層、第1絶縁層、磁化自由層、第2絶縁層、及び第2磁化固定層を積層してなる二重トンネル障壁素子を複数組み合わせて構成されたインバータ素子、NAND素子及びNOR素子を含む。
例えばインバータ素子は、第1及び第2の二重トンネル障壁素子を並列に配置し、第1及び第2の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層が信号入力端子に接続され、第1の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層が電源端子に接続され、第2の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層がグランドに接続され、第1及び第2の二重トンネル障壁素子の磁化自由層が信号出力端子に接続され、第1の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層の磁化の向き向きのみ反転させ、他の磁化固定層の磁化の向きを揃え、電流誘起磁化反転機構により動作する。
上記構成において、不揮発NOT素子の動作が可能となり、更にC−MOS論理回路構成と同様にして不揮発NAND素子、不揮発NOR素子が構成可能となる。また、不揮発メモリ素子(MRAM)と同様の動作原理で不揮発演算素子を構成できるため、動作速度がほぼ等しい演算回路とメモリを同一基板上に混載可能となる。
本発明の不揮発磁気論理素子と不揮発メモリ素子の組み合わせによれば、電源をオフしてもデータが残り、再び電源をオンにすれば素早く動作を開始できる。さらに論理回路の不揮発化により処理待ち時間に電源を遮断することが可能で、低消費電力化が可能である。さらに、動作速度がほぼ等しい演算素子とメモリ素子を同一基板上に混載することで、I/Oピンの動作クロックによるメモリアクセスのボトルネックが発生せず、高いメモリバンド幅を実現することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
(プロセッサとメモリの混載集積回路への応用)
図1は、本発明のプロセッサとメモリの混載集積回路10の平面構造を示す図である。図中点線で囲まれた部分11が演算器、同様に点線で囲まれた部分12が制御回路で、図の上、下を横に貫くのがそれぞれアドレスバス13、データバス14である。これら2つのバス13,14は演算器、制御回路と接続され、更に、アドレスレジスタ15、データレジスタ16を介し、メインメモリ17と接続される。なお、図1では説明の都合上プロセッサ部を簡略化し、搭載する素子の代表として、以下に説明するNOT素子のみを示した。
演算器11は算術演算ユニット、アキュムレータ、汎用レジスタからなるが、図1はその演算器の1部である汎用レジスタのそれぞれのバスへの出力となるNOTゲート111_1、111_2、111_3のみが記してある。ここで、NOTゲート111は、以下の図3で詳述するように、黒塗りの矢印は強磁性体の磁化の向きが固定されている磁化固定層を表し、白抜きの矢印は、この矢印から向かって左側の黒塗り矢印から流れ込むスピン流により磁化の向きが変化する磁化自由層を表す。
メインメモリ17は、磁気抵抗効果素子を用いたメモリセル175をX−Yマトリクス状に配列した例として縦2列、横2列の場合のメモリセル配列を示す。メモリセル175も、NOTゲート111同様、黒塗りの矢印は強磁性体の磁化の向きが固定されている磁化固定層を表し、白抜きの矢印は、向かって左側の黒塗り矢印から流れ込むスピン流により磁化の向きが変化する磁化自由層を表す。
図1に示したNOTゲート111、メモリセル175において、磁化固定層/トンネルバリア/磁化自由層からなるトンネル接合は強磁性体/絶縁体/強磁性体としたが、磁化固定層には反強磁性体の膜を付加し、より磁化のピンニングを強固にしたものが望ましい。また、磁化自由層には、積層フェリ構造と呼ばれる強磁性体/Ru/強磁性体とした構造を用いて、臨界磁化反転電流を小さくすることが望ましい。
プロセッサからのアドレス信号は、行アドレスデコーダ171と列アドレスデコーダ172に入力する。メモリへの読み出し、あるいは書き込みは、行アドレスデコーダ171によりワード線173_1,173_2のうち1本が選択され、列アドレスデコーダ172によりビット線174_1,174_2のうち1本が選択されることにより、それらの交点にあるメモリセル175が指定される。ビット線の選択は、MOS−FET176_1,176_2の開閉により行われるが、このとき同時にデータ線177に選択的に接続されるので、プロセッサとの間にデータのやり取りが可能になる。
本発明のプロセッサとメモリの混載集積回路10は、90nmルールのプロセス技術で作成される。1.8Vの動作電圧に対し、プロセッサの動作クロックは0.1GHzで、動作速度に換算すると10nsである。メモリへの書き込み時間は7nsec、読み出し時間は5nsecである。以下の図2で詳述するように、プロセッサを構成する各トランジスタとメモリセルを構成する各トランジスタいずれもがスピン流による磁化反転機構により動作するため、動作速度はほぼ等しい。つまり、従来の半導体で構成されるMPUとDRAMの場合のようなキャッシュメモリを必要としない。そのため、基板面積のメインメモリを除いた部分は、ほぼプロセッサに利用することが可能である。また、プロセッサとメモリを混載したことにより、従来の半導体で構成されるMPUチップ、DRAMチップと分離された場合のI/Oピンを必要としない。そのため、I/Oピンの動作クロックによるメモリアクセスのボトルネックが発生せず、メモリバンド幅にして100GByte/secが達成可能である。同一基板上に混載された論理回路11とメモリ17は、同一の制御回路12から共通のクロックを取る。なお、メモリ部では、論理素子部の組み合わせ段数による遅延時間を考慮する。
プロセッサ−メモリ混載集積回路10は、メモリだけでなくプロセッサも不揮発素子で構成されているため、算術演算ユニット、レジスタに蓄えられる命令、演算も不揮発情報として蓄えることが可能である。演算の途中で電源を切り3分後に電源を投入すると、演算が再開し正しい数値解を出力することが確認できた。
図2は、プロセッサ−メモリ混載集積回路10の断面構造を示す図で、メモリ部とプロセッサ部の隣接部分を示す。中央にあるMOS−FET176は、図1におけるそれに対応する。メモリセル175が図1におけるそれに対応し、磁化固定層223、トンネルバリア224、磁化自由層225からなるトンネル接合を形成する。ビット線23とワード線226の間に、Cu電極221,222を介してメモリセル175が形成される。メモリセル175は図の左方向と紙面手前、あるいは奥の方向に周期的に配列される。この図では、プロセッサ部の代表として、データバス25に接続されるデータレジスタのNOTゲート24のみが記してある。NOTゲート24は、磁化固定層242、トンネルバリア243、磁化自由層244、トンネルバリア245、磁化固定層246の二重トンネル接合、及び磁化固定層252、トンネルバリア253、磁化自由層254、トンネルバリア255、磁化固定層256の二重トンネル接合が並列に配置され、これら2つの二重トンネル接合の磁化自由層244,254が電極257で、これら2つの二重トンネル接合の最上部磁化固定層246,256が電極247で接合された構造である。
図2におけるNOTゲート24では、磁化固定層242、トンネルバリア243が、図1と異なり二重トンネル接合が直線状に配列した構造をとっている。図2の構造の方が、集積化には有利に働き、また積層構造で作成されるため、プロセス技術も容易になる。電極26,241,251,258は、NOTゲート24に対する端子で、それぞれ出力、グランド、電源、入力端子になる。NOTゲートの動作に関しては、以下の図3で詳述する。図2の断面構造から明らかなように、プロセッサを構成する各トランジスタとメモリセルを構成する各トランジスタいずれもがスピン流による磁化反転機構により動作するため、動作クロックはほぼ等しくなる。
なお、ここで用いた電圧値は素子の設計により変化するものであり、特にプロセスルールの微細化は低電圧駆動に対し有効に働く。また、ここで用いた磁化自由層は単一のCoFeB膜からなり、いわゆる面内磁化膜であるが、磁化反転臨界電流値低減のためには、積層フェリ構造を有する磁化自由層、あるいは垂直磁化膜を用いた磁化自由層を用いてもよい。
(インバータ素子への応用)
図3は、本発明の磁気論理素子であるインバータ素子、NOTゲート30の平面構造を示す図である。258は入力端子、26は出力端子、251は電源端子である。242,243,244,245、及び246は、それぞれ磁化固定層、トンネルバリア、磁化自由層、トンネルバリア、及び磁化固定層である。また、252,253,254,255、及び256は、それぞれ磁化固定層、トンネルバリア、磁化自由層、トンネルバリア、及び磁化固定層である。このとき、それぞれの磁化自由層244,254が出力端子に接続される。図3では、磁化固定層の磁化の向きを黒矢印で、磁化自由層の磁化の向きを白矢印で示してある。このとき、4つある磁化固定層のうち、1つの磁化固定層256の磁化の向きが他に対し逆向きあることが重要である。
NOTゲートとしての機能について説明する。図3に示した磁化自由層の磁化状態を出発点とする。電源端子251に1Vを印加する。このとき、入力端子258に正の電圧1Vを印加すると、出力端子26には、約0.2Vの出力電圧が得られる。これは、トンネル接合242−244間は磁化の向きが揃っているためほぼ導通状態に近く、一方、トンネル接合252−254間は磁化の向きが互いに反平行なため絶縁状態が実現しているためと考えられる。入力端子258に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子26には、約0.8Vの出力電圧が得られる。これは、最初の負の電圧1.8V印加により、磁化自由層244,254の磁化の向きが、入力端子付近の磁化固定層246,256の磁化の向きに対して反平行になったためと考えられる。というのは、入力端子付近の磁化固定層の磁化に対して反平行になれば、電源251とグランドの間におけるトンネル接合の磁化配列は、正の入力信号の場合と比べ全く反対の組み合わせとなるからである。さらに、入力端子258に正の電圧1.8Vを印加した後、正の電圧1Vを印加すると、出力端子26には、約0.2Vの出力電圧が得られ、出発点として図3の磁化配置が実現する。
以上、図3に示した本発明の磁気論理素子の動作をまとめると、入力端子258に正、あるいは負の電圧1.8Vの印加に対し、出力端子26には0.2V、0.8Vの出力電圧が得られるので、これはNOTゲートとして機能する。これを表1にまとめる。
Figure 2009177306
(NAND素子への応用)
図4は、図3において説明したインバータ素子を組み合わせた、NANDゲート40の平面構造を示す図である。401,402は入力端子、403は出力端子、404は電源端子である。411,412,413,414、及び415は、それぞれ磁化固定層、トンネルバリア、磁化自由層、トンネルバリア、及び磁化固定層である。他の二重トンネル接合も同様の構成であるが、磁化固定層の磁化の向きが重要である。
NANDゲートとしての機能について説明する。図4に示した磁化自由層の磁化状態を出発点とする。電源端子404に1Vを印加する。このとき、入力端子401,402の両者に正の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.2Vの出力電圧が得られる。これは、トンネル接合411−413間、及び421−423間の磁化の向きが揃っているため、グランドと出力端子403間はほぼ導通状態に近い。一方、トンネル接合431−433間、及び441−443間は磁化の向きが互いに反平行なため、電源端子404と出力端子403の間は絶縁される。入力端子401に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.8Vの出力電圧が得られる。これは、最初の負の電圧1.8V印加により、磁化自由層413,433の磁化の向きが、入力端子付近の磁化固定層415,435の磁化の向きに対して反平行になったためと考えられる。さらに、入力端子401に正の電圧1.8Vを印加した後、正の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.2Vの出力電圧が得られ、出発点として図4の磁化配置が実現する。
同様に、図4の磁化自由層の磁化状態を出発点とし、電源端子404に1Vを印加する。入力端子402に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.8Vの出力電圧が得られる。これは、最初の負の電圧1.8V印加により、磁化自由層423,443の磁化の向きが、入力端子付近の磁化固定層425,445の磁化の向きに対して反平行になったためと考えられる。さらに、入力端子402に正の電圧1.8Vを印加した後、正の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.2Vの出力電圧が得られる。また、この状態から、入力端子401,402に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子403には、約0.8Vの出力電圧が得られる。これは、上述したように、入力端子401,402に独立に負の電圧1.8Vを印加した後実現される磁化自由層の組み合わせから明らかな動作である。
以上、図4に示した本発明の磁気論理素子の動作をまとめると、入力端子401,402の印加電圧1.8Vの極性がいずれも正であった場合、出力端子403には0.2Vの出力電圧が得られ、印加電圧1.8Vの極性の組み合わせがそれ以外の場合、0.8Vの出力電圧が得られるので、これはNANDゲートとして機能する。これを表2にまとめる。
Figure 2009177306
(NOR素子への応用)
図5は、図3において説明したインバータ素子を組み合わせた、NORゲート50の平面構造を示す図である。501,502は入力端子、503は出力端子、504は電源端子である。511,512,513,514、及び515は、それぞれ磁化固定層、トンネルバリア、磁化自由層、トンネルバリア、及び磁化固定層である。他の二重トンネル接合も同様の構成であるが、磁化固定層の磁化の向きが重要である。
NORゲートとしての機能について説明する。図5に示した磁化自由層の磁化状態を出発点とする。電源端子504に1Vを印加する。このとき、入力端子501,502の両者に正の電圧1Vを印加すると、出力端子503には約0.2Vの出力電圧が得られる。これは、トンネル接合511−513間、及び521−523間の磁化の向きが揃っているため、グランドと出力端子503間はほぼ導通状態に近い。一方、トンネル接合531−533間、及び541−543間は磁化の向きが互いに反平行なため、電源端子504と出力端子503の間は絶縁される。入力端子501に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子503には、約0.2Vの出力電圧が得られる。最初の負の電圧1.8V印加により、磁化自由層513,533の磁化の向きが、入力端子付近の磁化固定層515,535の磁化の向きに対して反平行になったと考えられる。しかしながら、依然521−523間の磁化の向きが揃っているため、グランドと出力端子503間はほぼ導通状態に近い。さらに、入力端子501に正の電圧1.8Vを印加した後、正の電圧1Vを印加すると、出力端子503には、約0.2Vの出力電圧が得られ、出発点として図5の磁化配置が実現する。
同様に、図5の磁化自由層の磁化状態を出発点とし、電源端子504に1Vを印加する。入力端子502に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子503には約0.2Vの出力電圧が得られる。最初の負の電圧1.8V印加により、磁化自由層523,543の磁化の向きが、入力端子付近の磁化固定層525,545の磁化の向きに対して反平行になったと考えられる。しかしながら、依然511−513間の磁化の向きが揃っているため、グランドと出力端子503間はほぼ導通状態に近い。さらに、入力端子502に正の電圧1.8Vを印加した後、正の電圧1Vを印加すると、出力端子503には、約0.2Vの出力電圧が得られる。また、この状態から、入力端子501,502に負の電圧1.8Vを印加した後、負の電圧1Vを印加すると、出力端子503には、約0.8Vの出力電圧が得られる。これは、上述したように、入力端子501,502に独立に負の電圧1.8Vを印加した後実現される磁化自由層の組み合わせからわかるように、磁化自由層の磁化の向きは図5に示した向きとは全く反対の向きを示すため、電源端子504と出力端子503の間はほぼ導通状態となる。
以上、図5に示した本発明の磁気論理素子の動作をまとめると、入力端子501,502の印加電圧1.8Vの極性がいずれも負であった場合、出力端子503には0.8Vの出力電圧が得られ、印加電圧1.8Vの極性の組み合わせがそれ以外の場合、0.2Vの出力電圧が得られるので、これはNORゲートとして機能する。これを表3にまとめる。
Figure 2009177306
本発明のプロセッサとメモリの混載素子の平面構造を示す図。 本発明のプロセッサ−メモリ混載素子のメモリ部とプロセッサ部の隣接部分を示す断面摸式図。 本発明の磁気論理素子であるNOTゲートの平面構造を示す図。 本発明のインバータ素子を組み合わせた、NANDゲートの平面構造を示す図。 本発明のインバータ素子を組み合わせた、NORゲートの平面構造を示す図。
符号の説明
10 プロセッサ−メモリの混載集積回路
11 演算器
12 制御回路
13 アドレスバス
14 データバス
15 アドレスレジスタ
16 データレジスタ
17 メインメモリ
23 ビット線
24 NOTゲート
25 データバス
26 出力端子
30 NOTゲート
40 NANDゲート
50 NORゲート
171 行アドレスデコーダ
172 列アドレスデコーダ
175 メモリセル
176 MOS−FET
221,222,241,247,251,257,258 電極
223,242,246,252,256 磁化固定層
224,243,245,253,255 トンネルバリア
225,244,254 磁化自由層
226 ワード線
251 電源端子
258 入力端子
401,402 入力端子
403 出力端子
404 電源端子
411,415,421,425,431,435,441,445 磁化固定層
412,414,422,424,432,434,442,444 トンネルバリア
413,423,433,443 磁化自由層
501,502 入力端子
503 出力端子
504 電源端子
511,515,521,525,531,535,541,545 磁化固定層
512,514,522,524,532,534,542,544 トンネルバリア
513,523,533,543 磁化自由層

Claims (6)

  1. 第1磁化固定層、第1絶縁層、磁化自由層、第2絶縁層、及び第2磁化固定層を積層してなる二重トンネル障壁素子を複数組み合わせて構成されたインバータ素子、NAND素子及びNOR素子を含むことを特徴とする論理回路。
  2. 請求項1記載の論理回路において、
    前記インバータ素子は、第1及び第2の二重トンネル障壁素子と、信号入力端子と、信号出力端子と、電源端子と、グランドとを有し、
    前記第1及び第2の二重トンネル障壁素子は並列に配置され、
    前記第1及び第2の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層が前記信号入力端子と接続され、
    前記第1の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層が前記電源端子に接続され、
    前記第2の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層がグランドに接続され、
    前記第1及び第2の二重トンネル障壁素子の磁化自由層が前記信号出力端子に接続され、
    前記第1の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層の磁化の向きが他の磁化固定層の磁化の向きに対して反転しており、
    電流誘起磁化反転機構により動作することを特徴とする論理回路。
  3. 請求項1記載の論理回路において、
    前記NAND素子は、第1、第2、第3及び第4の二重トンネル障壁素子と、第1及び第2の信号入力端子と、信号出力端子と、電源端子と、グランドとを有し、
    前記第1、第2の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層がそれぞれ第1、第2の信号入力端子に接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層がそれぞれ前記第1、第2の入力端子に接続され、
    前記第1、第2の二重トンネル障壁素子の磁化自由層が互いに接続され、
    前記第2の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層と前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の磁化自由層が前記信号出力端子に接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層が前記電源端子に接続され、
    前記第1の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層がグランドに接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層の磁化の向きが他の磁化固定層の磁化の向きに対して反転しており、
    電流誘起磁化反転機構により動作することを特徴とする論理回路。
  4. 請求項1記載の論理回路において、
    前記NOR素子は、第1、第2、第3及び第4の二重トンネル障壁素子と、第1及び第2の信号入力端子と、信号出力端子と、電源端子と、グランドとを有し、
    前記第1、第2の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層がそれぞれ前記第1、第2の信号入力端子に接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層がそれぞれ前記第1、第2の入力端子に接続され、
    前記第1、第2の二重トンネル障壁素子の磁化自由層と前記第3の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定相が前記信号出力端子に接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の磁化自由層が互いに接続され、
    前記第1、第2の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層が前記グランドに接続され、
    前記第4の二重トンネル障壁素子の第2磁化固定層が電源端子に接続され、
    前記第3、第4の二重トンネル障壁素子の第1磁化固定層の磁化の向きが他の磁化固定層の磁化の向きに対して反転しており、
    電流誘起磁化反転機構により動作することを特徴とする論理回路。
  5. 磁化固定層と絶縁層と磁化自由層を積層してなり、電流誘起磁化反転機構により動作する磁気メモリ素子を複数有するメモリと、
    第1磁化固定層、第1絶縁層、磁化自由層、第2絶縁層、及び第2磁化固定層を順次積層してなる二重トンネル障壁素子を複数組み合わせて構成されたインバータ素子、NAND素子及びNOR素子を含む論理回路と
    を同一基板上に混載したことを特徴とする集積回路。
  6. 請求項5記載の集積回路において、前記メモリと前記論理回路は同一の制御回路から共通のクロックを取ることを特徴とする集積回路。
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