[0025] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は請求の範囲によって規定される。
[0026] 記載される実施形態、及び「1つの実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの本明細書における言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ないあるいは必ずしも含まないことを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
[0027] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその任意の組合せで実現することができる。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読み取り式媒体に記憶した命令として実現することができる。機械読み取り式媒体は、機械(例えば計算デバイス)で読み取り可能な形態で情報を記憶するか、伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読み取り式媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかし、このような記述は便宜的なものにすぎず、このような行為は実際には計算デバイス、取扱い装置、制御装置、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
[0028] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又は深紫外線(DUV)放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続された支持構造MT(例えばマスクテーブル)と、基板W(例えばレジストコートウェーハ)を保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続された基板テーブルWT(例えばウェーハテーブル)と、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システムPS(例えば屈折投影レンズシステム)とを含む。
[0029] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0030] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持している。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0031] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0032] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。このような実施形態では、傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0033] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば干渉光学システム、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0034] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0035] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0036] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に使用してもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0037] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。追加の実施形態では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0039] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。
[0040] 一般的に、支持構造MTの移動は、第一位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第二ポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークと呼ばれる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0041] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0042] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0043] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0044] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0045] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0046] 図2及び図3は、本発明の実施形態によりリソグラフィ投影システムで使用する例示的液体供給システムを概略的に示している。図2及び図3では、液体が少なくとも1つの入口INによって基板上に供給され、投影システムPLの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUTによって除去される。実施形態では、入口INが最終要素に対する基板の動作方向に沿って液体を基板上に供給する。したがって、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給される。しかし、本発明はこのような方向で供給される液体に限定されず、追加の実施形態では本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な数の入口IN及び出口OUTを最終要素の周囲に構成することができる。例えば図3に示すように、各側に4組の入口INと出口OUTが、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
[0047] 図4は、本発明の実施形態によりリソグラフィ投影システムで使用する例示的液体供給システムを概略的に示している。液体が、投影システムPLのいずれかの側にある2つの溝入口INによって供給され、入口INの半径方向外側に構成された複数の別個の出口OUTによって除去される。図4の実施形態では、入口IN及びOUTは、中心に穴があり、投影される投影ビームが通る板に配置することができる。液体は、投影システムPLの一方側にある1つの溝入口INによって供給されて、投影システムPLの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去され、これによって投影システムPLと投影システムPLの間に液体の薄膜の流れが生じる。液体供給システム内でどの組合せの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
[0048] 図5は、本発明の実施形態によりリソグラフィ投影システムで使用する液体供給システムを概略的に示している。図5の実施形態では、液体供給システムが、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間にある空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材(又はいわゆる「液浸フード」)を含む。バリア部材は、投影システムに対してXY面では実質的に静止していてよいが、Z方向(例えば光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。
[0049] 図5を参照すると、バリア部材12が、投影システムの像フィールドの周囲でバリア部材と基板の表面との間に非接触シールを形成する。したがって液体が基板表面と投影システムの最終要素との間のリザーバ又は液浸空間11に封じ込められる。リザーバ11は、投影システムPLの最終要素の下方に配置され、それを囲むバリア部材12によって形成される。液体を、例えば開口13によって投影システムの下方で、バリア部材12内の空間に入れる。図5では、バリア部材12の部分が投影システムの最終要素の少し上まで延在し、液体のバッファが提供されるように、液体が最終要素の上まで上昇する。バッファ部材12は、その上端が投影システム又はその最終要素の形状に非常に一致することができる内周を有し、内周は例えば円形でよい。底部では、内周の下端が像フィールドの形状に非常に一致し、例えば下端は長方形でよい。しかし追加の実施形態では、このような一致が存在する必要はない。
[0050] 液体は、バリア部材12の底部と基板Wの表面との間のガスシール16によってリザーバ内に封じ込められる。実施形態では、ガスシール16は、気体、例えば空気、合成空気、窒素(N2)、又は他の不活性ガスよって形成されるが、それに限定されない。気体は、圧力下で入口15を介してバリア部材12と基板の間のギャップに提供され、出口14を介して抽出することができる。気体入口15への過剰圧力、出口14の真空レベル、及びギャップの幾何学的形状は、液体を封じ込める内側への高速の気体流があるように構成することができる。例示的システムが、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,952,253号で開示されている。
[0051] 追加の実施形態では、図5に示すような液体供給システムはガスシール16などのガスシールに限定されない。例えば、ガスシール16は、液体のみを抽出するように構成された単相抽出器と交換することができる。さらに、気体流を生成するように構成された1つ又は複数の追加のモジュールを、単相抽出器の半径方向外側に配置して、液体を空間に閉じ込めるのに役立てることができる。例えば、1つのこのようなモジュールは、いわゆる「ガスナイフ」で、その内部で薄い気体のジェットが基板Wへと下方向に誘導される。さらに、投影システム及び液体供給システムの下方で基板がスキャン動作をしている間に、基板に向かって液体に下方向の圧力を加えることになる流体静力学的及び流体力学的な力を生成することができる。
[0052] 局所領域液体供給システムがある状態で、基板Wが投影システムPL及び液体供給システムの下方で移動する。テーブルの相対運動によって、基板Wの縁部を結像するか、基板テーブル上のセンサが感知目的のために、又は基板交換(例えば異なる基板の露光間に、基板Wを基板テーブルWTから外して、交換する)のために結像することができる。さらに、基板交換中に、液体を液体封じ込めシステム12内に維持することが望ましいことがある。このような実施形態では、液体封じ込めシステムを、シャッタ部材のように基板Wから離れた基板テーブルWTの表面に載せるように、基板テーブルWTに対して液体封じ込めシステム12を、又はその逆を動かすことによって、封じ込めを達成することができる。したがって、ガスシール16を操作するか、シャッタ部材の表面を液体封じ込めシステム12の下面に締め付けることによって、液体封じ込めシステム内に液浸液を保持することができる。締め付けは、液体封じ込めシステム12の下面に提供される流体の流れ及び/又は圧力を制御することによって達成することができる。例えば、入口15から供給される気体の圧力及び/又は出口14から加えられる低圧を制御することができる。
[0053] 液体封じ込めシステム12が配置された基板テーブルWTの表面は、基板テーブル12の一体部品でもよく、あるいはこの表面が基板テーブル12の着脱式及び又は交換可能なコンポーネントでもよい。このような着脱式コンポーネントを、閉鎖ディスク又はダミー基板と呼ぶこともできる。さらに、着脱式又は分離式コンポーネントは別個のステージでもよい。デュアル又はマルチステージ構成では、基板の交換中に基板テーブル12全体を取り替える。このような構成では、着脱式コンポーネントを基板テーブル間で移送することができる。シャッタ部材は、基板交換前に基板テーブルWTの隣で動かすことができる中間テーブルでよい。次に、基板交換中に液体封じ込めシステムを中間テーブル上に、又はその逆に動かすことができる。シャッタ部材は、基板交換中にステージ間に配置することができる後退可能なブリッジなどの基板テーブルの可動コンポーネントでよい。さらに、基板交換中にシャッタ部材の表面を液体封じ込め構造の下で、又はその逆で動かすことができる。
[0054] 基板交換中に、基板Wの縁部が空間11の下方を通過し、液体が基板Wと基板テーブルWTの間のギャップ内に漏れることがある。この液体は、流体静力学的又は流体力学的圧力で、又はガスナイフ又は他の気体流を生成するデバイスの力によって押しやることができる。基板Wの縁部の周囲にギャップ内のようなドレインを設けることができ、追加的又は代替的に、ドレインを基板テーブル上の別の物体の周囲に配置することができる。このような物体は、1つ又は複数のセンサ、及び/又は例えば基板交換などの間に液体供給システムの底部に取り付けることによって液体供給システム内に液体を維持するために使用されるシャッタ部材を含むが、それに限定されない。したがって、基板Wに言及した場合、それはセンサ又はシャッタ部材、例えば閉鎖プレートを含む任意のこのような他の物体と同義と見なされたい。
[0055] 他の例示的リソグラフィシステムについては、概ね米国特許第4,509,852号、国際PCT特許出願公開第WO99/49504号、及び欧州特許出願公開第EP−A−1,420,298号を参照されたい。これは全て参照により全体が本明細書に組み込まれる。液浸リソグラフィシステムの例示的リサイクルシステムについては、概ね米国特許出願公開第US2005−0078286号及び第US2008−0062393号を参照されたい。これは両方とも参照により全体が本明細書に組み込まれる。
[0056] 本発明の例示的実施形態を、前述した図で説明したような液体取扱い構造及びドレインがある液浸システムを有するリソグラフィ装置に関して説明する。しかし、実施形態を任意の種類の液浸装置に適用できることは明白である。特に、本明細書で説明する実施形態は、欠陥カウント密度などの欠陥が、軽減することが最適であり、最小限に抑えることが望ましい問題となる任意の液浸リソグラフィ装置にも適用可能である。さらに、このような実施形態は液浸システムの他の特徴にも適用することができ、これはインライン及びオフラインで実行する洗浄システム及び洗浄ツール、液浸液供給及び液浸液回収システム、及び気体供給及び除去システム(例えば真空ポンプ)を含むが、それに限定されない。実施形態を、以下では液浸液を供給する液浸システムに関して説明する。しかし、この実施形態は、液浸媒体として液体以外の流体を供給する流体供給システムを使用する液浸システムでの使用にも、同等に適用可能である。
[0057] 液浸装置では、液浸流体の流れを流体取扱い構造で制御することができる。実施形態では、流体取扱いシステムは液浸流体を供給することができ、したがって流体供給システムとすることもできる。流体取扱い構造は流体を封じ込め、したがって流体封じ込めシステムとすることもできる。実施形態では、流体取扱い構造は流体にバリアを提供することができ、したがってバリア部材とすることもできる。さらに流体取扱いシステムは、例えば液浸流体の流れの制御に役立てるために、(気体などの)流体の流れを生成するか、使用することができる。実施形態では、液浸液を液浸流体として使用することができる。その場合、流体取扱い構造は液体取扱い構造とすることができる。以降の実施形態は液体に関して説明されているが、検討したように別の流体を処理してもよい。
[0058] 図6は、本発明の実施形態による液体リサイクルシステム600を含む例示的液浸液取扱い構造を示している。実施形態では、システム600は、液浸液を捕捉して、これをリサイクルする液浸リソグラフィシステム内の再循環液体取扱い構造とすることができる。例えば、システム600を使用して、以上で検討したような屈折率の高い液浸液(例えばデカリンなどの炭化水素)を捕捉し、リサイクルすることができる。デカリンを処理する場合、システム600は、超純水の液浸液をリサイクルするシステムと比較して、異なる動作をする。このような実施形態では、システム600は静電放電(ESD)に対する措置、例えば接地を組み込むことができる。さらに、システム600を使用して、窒素(N2)などの不活性ガスを捕捉/処理することができる。
[0059] システム600は、それぞれ図6にグレー及び黒で示した液浸液流路及び気体流路を含む。酸素は、液浸液などのある種の有機流体を劣化させることがあるので、システム600は、液浸液を分散させる方法を実行する。つまり酸素が液浸液から追い出されるように、液浸液を通して気体(窒素(N2)、ヘリウム(He)、水素(H2)又は他の気体を含む)を泡立たせる。分散は、液浸液が興味のある放射波長で望ましい低い吸収度を呈することを保証する。気体入口601は、分散に使用される気体を液浸液流路に沿って配置された1つ又は複数のコンポーネントへとルーティングする。例えば、気体をスパージャー(sparger)616にルーティングし、任意選択で入力ストレージ(IT)602及び/又は出力ストレージ(OT)618にルーティングして、液浸液によって占有されていない余分な空間に気体を充填することができる。さらに、又は代替的に、気体をシステム600の他の部品にルーティングして、レセプタクル626及び/又はレセプタクル628などの接続管に流すことができる。
[0060] システム600の液浸液流路に沿ったこのようなコンポーネントの例は、液浸液の入力ストレージ602(例えば入力タンク)及び任意選択のバッファストレージ(BR)604(例えばバッファリザーバ)、ポンプ620、安全コントローラ622、スパージャー(S)616、脱ガス装置(D)614、温度コントローラ(TC)612、フィルタ(F)610、吸収メータ608、フローセル606、出力ストレージ618、リサイクル済み液浸液レセプタクル626及び628、及び/又は弁624を含むが、それに限定されない。
[0061] 実施形態では、例えば保持タンクなどの入力ストレージ602は主要な液浸液供給源でよい。バッファストレージ604が局所的にリソグラフィ装置に一体化されたシステムでは、入力ストレージ602は物理的にリソグラフィ装置から離れていてよい。さらに、入力ストレージ602及びバッファストレージ604はそれぞれ、制御システム670(以下で説明)に結合された液体レベルセンサ605を含んでよい。入力ストレージ602及びバッファストレージ604はテフロン(登録商標)、セラミック、ステンレス鋼、又はこれらの材料の任意の組合せから作成することができる。実施形態では、入力ストレージ602とバッファストレージ604の一方又は両方が、ブラダタイプのタンクでよい。このようなブラダタンクは、テフロン(登録商標)又は他の適切な材料で作成することができる。さらに、入力ストレージ602とバッファストレージ604の一方又は両方は、設計の一部として自身内に組み込まれたスパージャー(以下で検討するスパージャー616など)を含んでよい。
[0062] システム600は、1つ又は複数の計測コンポーネントをさらに含む。図6の実施形態では、このようなコンポーネントはフローセル606(液浸システムの対応する液体取扱い構造を伴ってよい)及び吸収メータ608を含む。追加の実施形態では、図7に関して以下で検討するように、他の計測コンポーネントを再循環システムに含めてよい。
[0063] システム600は、液浸液を再生するコンポーネントをさらに含む。図6の実施形態では、フィルタ610(例えば粒子フィルタ)、温度コントローラ612、スパージャー614、及びスパージャー616である。実施形態では、フィルタ610、温度コントローラ612、脱ガス装置614、及びスパージャー616を、図6の点線で示すように、1つの再生ユニット685内に含めることができる。
[0064] さらに、再生ユニット685の位置は図6の図示に限定されないことが、当業者には認識される。例えば、ユニット685(又はユニット685内の個々の再生コンポーネント)を、液浸液流路に沿って(図6に示すように)液浸液が液体取扱い構造に入る前に、及び/又は液浸液が液体取扱い構造を出た後(図7に示すように、コンポーネント685と同様のコンポーネント785の位置)に配置することができる。実施形態では、システム600はそれぞれ液浸液流路に沿って配置される2つ以上の再生ユニット685を含むことができる。このような実施形態では、各再生ユニット685は、上述した個々の再生コンポーネントの完全なセットを含まなくてもよい。また、ユニット685内の個々の再生コンポーネントの順番は、図6に示した順番に限定されない。例えば実施形態では、温度コントローラ612がスパージャー616の前、及び/又はフィルタ610の後にあってよい。
[0065] 実施形態では、フィルタ610(例えば粒子フィルタ)は、液浸液と化学的に相互作用して、フィルタ610、液浸システム及び露光プロセスを妨害するような残留物、汚染物質及び/又は付着物を生成するコンポーネント又は残留物(例えば指紋)を含まない。したがって、汚染残留物は、使用する材料ばかりでなく、製造方法によっても回避しなくてはならない。例えば、有機系接着剤は例えばフィルタ610などを構築する際に回避しなければならない。フィルタ610に適切な材料は、テフロン(登録商標)及びテフロン(登録商標)系材料、ステンレス鋼(焼結してよい)、及び焼結ニッケルを含むが、それに限定されない。実施形態では、材料を通る(したがって材料から製造されるフィルタを通る)孔を、周囲圧力(つまりテフロン(登録商標)の圧縮)及び温度を慎重に制御したプロセスで作成することができる。追加的又は代替的に、ステンレス鋼と同様に大きい膨張率を有する材料を使用して、フィルタ610を製造することができる。実施形態では、フィルタ610を使用して、液浸液が基板又は基板テーブルと相互作用するにつれて、液浸液を汚染しているような粒子を抽出することができる。追加的又は代替的に、システム600は、液体がUV放射及び基板上のレジストからの化学成分に曝露した場合に生じる分子部分を除去するデバイスを組み込むことができる。
[0066] システム600で使用するのに適切なフィルタ610の例は、微粒子汚染フィルタ及び化学フィルタを含むが、それに限定されない。微粒子汚染フィルタは、液浸液から微粒子汚染を除去するカートリッジ式フィルタを含んでよい。必要に応じて、液浸液流路に沿って複数の位置で、複数の微粒子汚染フィルタを使用することができる。化学フィルタは、活性アルミナ、シリカ、又は他の材料のようなフィルタ媒体を充填したフィルタカラムを備えることができる。実施形態では、適切な化学フィルタは、クロマトグラフィで使用されるリサイクルカラムと同様に機能することができる。実施形態では、化学フィルタは、UV放射によって誘発された液浸液(特に有機液浸液)の化学分解によって発生した残留物を除去することができる。
[0067] 実施形態では、温度コントローラ612を使用して液浸液の温度を制御する。温度コントローラ612は、熱交換器を含んでよい。液浸液の屈折率は温度に影響され、屈折率の変化はリソグラフィシステムの性能に影響する(例えば較正した焦点が変化する、望ましくない収差が生じるなど)ので、システム600の動作のために温度制御することが望ましい。必要な範囲の温度制御を与えるために、熱交換器及び/又は制御ユニットを、システム600内の様々な位置で使用することができる。
[0068] 実施形態では、スパージャー616を使用して、液体から酸素及び/又は水を除去することができる。以上で検討したように、液浸液を通して交換用分散ガスを泡立てることを通して液浸液から酸素を実質的に除去することによって、液浸液のUV吸収度を維持することができる。適切な分散ガスは窒素(N2)、ヘリウム(He)、水素(H2)、又は液浸液に対して化学的不活性を呈する他の気体を含むが、それに限定されない。実施形態では、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、別の分散又は脱ガス方法をシステム600に組み込むことができる。
[0069] 実施形態では、脱ガス装置(degasser)614は液浸液から溶解ガス(例えば溶解した酸素及び/又は酸素を置換した溶解分散ガス)を減少させることができる。脱ガス装置614は、フィルタ610のそれと同様の材料から、それと同様の制限付きで構築することができる。追加的又は代替的に、脱ガス装置614は、溶解ガスを透過可能であるが、液浸液は透過可能でないナノ規模の孔を有する材料から構築することができる。このような材料の表面は低い表面エネルギを有するか、このような表面に対して、液体は高い接触角を有する(つまり、液体は疎液性であるか、油性液体の場合は疎油性である)。実施形態では、液浸リソグラフィシステムを通過するにつれて液浸液と結合した全ての気体を除去するために、脱ガス装置614を使用することができる。脱ガス装置614は化学系膜を含むことができる。
[0070] システム600は、液浸液を動かし、循環させるように構成されたポンプ620をさらに含む。ポンプは、対応する安全コントローラ622を有してよい。ポンプ620は、液浸液に融和性の材料から構築することができ、これはテフロン(登録商標)及びステンレス鋼を含むが、それに限定されない。さらに、ポンプ620は、追加の汚染が液浸液に導入されないような方法で製造し、操作する。実施形態では、ポンプ620には、潤滑剤が実質的にないように、可動部品がなくてよい。例えば、ポンプ620は可動部品がないブラダ式ポンプでよい。
[0071] 概して、ポンプ620又はシステムの任意の追加的コンポーネントは、液浸液の損傷を回避するような方法で操作しなければならない。例えば、液体ラインに気泡が溜まることがあり、これによってラインを通る流れが詰まる。このような2相の流れは望ましくない。ラインを通して圧力を加え、気泡の詰まりを減少させる、及び/又は実質的に解消することができる。
[0072] 図6では、システム600のコンポーネントは、液浸液と融和性である材料で形成したコネクタ(例えば管)を使用して相互接続する。例えば、適切な管の材料はテフロン(登録商標)、テフロン(登録商標)誘導体、KEL−Fポリクロロトリフルオロエチレン、ガラス、及び様々なセラミックスを含むが、それに限定されない。
[0073] 液体又は気体の流れを制御又は停止する様々な流量コントローラ又は弁624を、システム600全体に配置する。例えば、システム600は、以上及び以下で検討するような1つ又は複数のセンサ、メータ、又はコントローラ(図6には個々に図示していないものもある)、及びシステム600内の液体及び気体の流れの自動制御に使用できる弁624を有する。
[0074] 実施形態では、システム600は当業者に理解されるような液浸液を調整する電子制御システム670を含んでよい。例えば、電子制御システム670は、システム600内の1つ又は複数のコンポーネントから信号を受信して、処理し、それに基づいて表示出力又は制御信号を生成する。これは、システム600の状態をオペレータに警告するか、システム600の1つ又は複数のコンポーネントを制御するために実行することができる。
[0075] システム600は、図7に関して以下で検討するように、液浸液のルーティングを割り出す計測ベースのリサイクル論理を組み込むことができる。
[0076] 図6に示すような実施形態では、(例えば計測によって割り出された)インシチュ(in-situ)再生に不適切とされる液浸液は、出力ストレージ618へとルーティングされ、これは使用済み液浸液の保持領域として作用する。実施形態では、使用できない使用済み液浸液を出力レセプタクル628内に捕捉することができる。代替的又は追加的に、図8に関してさらに検討するように、液浸液を主要再生のためにベンダへとルーティングすることができる。
[0077] 様々な実施形態では、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、追加又は代替コンポーネントをシステム600に組み込むことができる。図6で別個であるものとして図示されている様々なコンポーネントは、一部の用途では組み合わせることができる。再循環の制御を向上させ、さらに保守を容易にするために、コンポーネント及びモジュールは、必要に応じて液浸液流路に沿って繰り返すことができる。
[0078] 実施形態では、液体をシステム600のバッファストレージ604からポンプ620及び安全コントローラ622へと通してから、スパージャー616で受ける。スパージャー616で処理した後、液体を脱ガス装置614、温度コントローラ612、及びフィルタ610を通してから、吸収メータ608で受ける。液体を吸収メータ608からフローセル606に通して、液浸システム液体取扱い構造(図示せず)へ、及び任意選択でレセプタクル626に送る。液体は、入力ストレージ602からバッファストレージ604へと通し、及び/又は液体を液浸システム液体取扱い構造からバッファストレージ604へと通す(したがって再循環させる)ことができる。
[0079] 新しい液浸液は、リサイクルシステム685で温度及び純度を調整し、システム600は新鮮な液を取り入れて、液体の喪失を補充する。システム600は、再循環液を必要な仕様に維持するために、液体を排出することができる。
[0080] 実施形態では、液浸液の体積流量は約500ml/分でよい。追加の実施形態では、液浸液の体積流量は約1.5リットル/分、約5リットル/分、及び約10リットル/分を含むが、それに限定されない。
[0081] 追加的又は代替的に、システム600は引火性、可燃性、又は不活性液浸液と融和性とすることができる。
[0082] 追加的又は代替的に、システム600のユニットを直列又は並列に接続することができる。例えば、このような例示的コネクタが、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2008−0062393号に記載されている。
[0083] 実施形態では、リソグラフィツール内でシステム600を使用すると、液体の費用を削減することができ、さらにシステム600の使用は重要な費用削減になり得る。システム600は、温度、UV吸収、及び屈折率などの液浸液のパラメータを精密に制御可能にすることができる。システム600は、モジュールとして既存の液浸システムに一体化することができる。
[0084] 図6全体の様々な矢印は、液浸液をリサイクルする例示的流路を示す。
[0085] 実施形態では、この実施形態及び他の実施形態の装置は、閉じたシステム又は部分的に閉じたシステムの部分とすることができる。このような実施形態は、リソグラフィ装置から除去された液浸液が処分されるか、オフラインで再加工され、その後にリソグラフィ装置に再供給される開いたシステムとは対照的である。閉じたシステムでは、装置内の液体は連続的にリサイクルされ、使用時に液体に新鮮な液体を補充しない。
[0086] 図7は、本発明の実施形態によるメトロロジーデバイス及びリサイクル論理モジュールがある例示的液浸液取扱い構造を概略的に示している。図7では、液浸液再循環システム700は、リサイクル制御デバイス775に結合されたメトロロジーデバイス750を含む。メトロロジーデバイス750は、メトロロジーデバイス750によって実行された液浸液の様々なパラメータの測定に基づいて、液浸液の経路を調整する。
[0087] システム700は、図6のシステム600に関して上述したものと同様の幾つかのコンポーネントを含む。例えば、システム700は気体入口601、入力ストレージ602又はバッファストレージ604と同一でもよいスパージャー(図示せず)がある入力リザーバ、温度コントローラ612、脱ガス装置614、ポンプ620、及び弁624を含む。システム700の再生ユニット785は、図6に示す再生ユニット685と同一であるか、類似していてもよい。あるいは、再生ユニット785は1つ又は複数のフィルタ610、及び温度コントローラ612、スパージャー616、及び/又は脱ガス装置614のみを含んでよい。
[0088] メトロロジーデバイス750は、液浸リソグラフィ装置の動作にとって望ましい液浸液のパラメータを監視し、制御する様々なメトロロジーデバイスを含んでよい。メトロロジーデバイス750は、液浸液の温度を測定する温度ゲージ760、液浸液の流量を測定する流量計770、及び液浸液の所望の波長における放射の吸収率を監視又は測定する吸収監視デバイス765を含んでよい。実施形態では、吸収監視デバイスは、液浸液を通る放射の吸収率を監視するように構成され、液浸液のUV吸収率を測定する分光光度計765でよい。図7に特に図示されていない追加の計測コンポーネントは、粒子カウンタ、屈折率メータ、気体含有率メータ(例えば酸素含有率メータ)、及び計測結果を連絡する様々な表示器(例えば屈折率表示器、UV吸収率表示器、又は流量表示器)を含むが、それに限定されない。実施形態では、図6に示すようなフローセル606及び吸収メータ608をメトロロジーデバイス750に含めることができる。図6の安全コントローラ622をメトロロジーデバイス750に含めることができる。
[0089] 実施形態では、計測コンポーネントをシステム700内で繰り返し、液浸液の特性をさらに良好に調整することができる。
[0090] リサイクル制御デバイス775は、液浸液を液体取扱い構造で再使用するか、リサイクルするかのルーティングを制御するために、制御信号の生成に使用される埋め込み式又はプログラム可能なリサイクル論理を含むことができる。リサイクル制御デバイス775は、図7に示すデバイス775にある矢印の方向でシャワヘッドに接続される。計測結果に基づき、リサイクル制御デバイス775が、液浸液の量を液浸リソグラフィの動作で使用するのに適切ではないと論理的に判断した場合、液浸液は液浸取扱い構造にルーティングされない。このような実施形態では、液浸液は、液浸液の劣化程度に応じて、システム700内で(例えば再生ユニット785によって再生した後に入力リザーバ704に供給することによって)さらに再生するようにルーティングされるか、システム700から処分用のドレインへルーティングされるか、主要再生用ベンダにルーティングされる。リサイクル制御デバイス775は、図7のリサイクル制御デバイス775の右側に図示されたドレインに接続される。リサイクル制御デバイス775が、液浸液の品質を液浸リソグラフィの動作に適切であると論理的に判断した場合、液浸液は液体取扱い構造へとルーティングされる。液浸液は、液体取扱い構造が使用した後、液体取扱い構造から流出する。任意選択で、別の計測及び/又はリサイクル論理モジュール780を、液体取扱い構造から流れている液浸液の経路に組み込むことができ、これは液浸液を再生ユニット785へ(及び次に入力リザーバ704へ)、又は入力リザーバ704を介してポンプ620へのさらなる経路を決定する。モジュール780は、シャワヘッドからシステム700に入る液浸液の流れの中にある。
[0091] 図6に関して以上で検討したように、システム700は、図7に図示していない他のコンポーネントを有してよい。システム700の個々のコンポーネントの位置及び順番は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく変更することができる。
[0092] 液浸液の(吸収率に関連する)透明性は、液浸リソグラフィ装置の熱効果及び放射線量の均一性を制御するために非常に望ましい。(液浸液がリサイクルされるにつれて)標準量のUV露光が繰り返されるか、偶発的なUVの過剰露光のせいで、液浸液の品質が特定の品質閾値より下まで劣化した場合、使用済み液浸液の吸収率が高い劣化部分を除去し、新鮮な液浸液と交換しなければならない。液浸液の吸収率が高い部分を除去すると、リサイクルされた液浸液の残り部分をさらに長期に再使用することを保証するのに役立つ。
[0093] 図8は、本発明の実施形態により液浸液の吸収度を制御するシステムを組み込んだ例示的液浸液取扱い構造を概略的に示している。図8では、リサイクルシステム800は第一再生ユニット885、メトロロジーデバイス850A及び850B、第二再生ユニット825、注入制御弁820、及び排出制御弁840を含む。実施形態では、第一再生ユニット885は、第二再生ユニット825によって再生されるより高品質の液浸液を再生することができる(例えば、第一再生ユニットは、第二再生ユニットより長期にわたって許容可能なレベルまで液体を再生することができる)。例えば、第一再生ユニット885は、第二再生ユニット825ほど汚染されていない液体を再生するように選択することができる。というのは、再生ユニットは、それが再生する液体によって汚染されることがあるからである。より汚染された液体が第二再生ユニット825によって再生されるのを防止することにより、第一再生ユニット885は、1つの再生ユニットだけで液浸液を再生する場合より高い品質で、より長期にわたって液体を再生することができる。
[0094] 図8では、液体取扱い構造810がリソグラフィ装置内の投影光学システム805の端部分又は最終光学要素に結合されるか、その隣に配置される。液体取扱い構造810と(基板テーブルに装着された)基板845との間に屈折率が高い液浸液830の薄膜が存在すると、投影光学システム805が高い開口数を達成することができる。例えば、液浸液が従来使用されている超純水より高い屈折率を有する場合、約1.55の開口数を獲得することができる。さらに、例えば水は開口数を約1.35という可能な最高値に制限することができる。液体取扱い構造810は、図9の液体取扱い構造の右側の矢印で図示されているドレインに接続される。
[0095] システム800は、新しい液浸液を連続的に供給できるようにするリサイクルシステムの単純化した略図である。実施形態では、システム800によって使用済み液浸液を連続的に投棄可能にすることができる。したがって、システム800は液浸液の放射吸収度を実質的に一定の値に維持するのに役立つ。例えば、液体取扱い構造の下方にある液浸液では、光学密度(つまり吸収度に基づく率)の値を約0.08/cmに維持することが望ましい。液浸液の光学密度が約0.08/cmの上まで上昇すると、光学密度の値が約0.03/cm以下の新鮮な液浸液を液体の流れに導入することができる。同時に、液浸液の高吸収度部分を除去することができる。注入制御弁820は、新鮮な液浸液の流入を調整する。排出制御弁840は、望ましくない高吸収度の液浸液の流出を調整する。したがって、その結果、再循環した液浸液の光学密度は約0.08/cmの近くに維持される。しかし実施形態では、光学密度の値が、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、約0.01/cmから約0.15/cmの範囲内で変動してよい。
[0096] 図8の実施形態では、図7のメトロロジーデバイス750に関して上述したように、メトロロジーデバイス850Aが液体取扱い構造810の上流に配置される。メトロロジーデバイス850Bは、液体取扱い構造810の下流に配置されて、基板845の露光を実行した後の液浸液の特性を測定する。実施形態では、メトロロジーデバイス850A又はメトロロジーデバイス850Bは任意選択で、システム800に含めなくてもよい。図8には図示されていないが、メトロロジーデバイス850A及び/又はメトロロジーデバイス850Bは、図7に示したのと同様のリサイクル制御デバイスを制御することができる。リサイクル制御デバイスは、液浸液の品質が特定の品質閾値レベルより高い場合、液体取扱い構造から流れる使用済み液浸液を標準的液体再生ユニット885へとルーティングすることができる。代替的又は追加的に、リサイクル制御デバイスは、液浸液の品質が特定の品質閾値レベルより低い場合、液体取扱い構造から流れる使用済み液浸液を集中液体再生ユニット825へとルーティングすることができる。実施形態では、標準的液体再生ユニット885はリソグラフィ装置に局所的に一体化することができ、集中液体再生ユニット825は離れてベンダの現場にあってよい。
[0097] 代替的又は追加的に、排出制御弁840から流れる液浸液を、より集中的な液体再生ループ(図示せず)へとルーティングすることができる。新鮮で透明度が高い(つまり吸収度が低い)液浸液は、ベンダによって供給されるか、集中液体再生ループから供給することができる。したがって、リソグラフィツールの動作を、高屈折率の液浸液特性に関して安定した再現可能なポイントに維持することができる。リソグラフィ装置の焦点、収差、及び熱効果などの露光パラメータを、安定したままにすることができる。既存の解決法とは対照的に、システム800は、連続的な液体供給を使用しているので、保守及び液体排出のためのリソグラフィ装置の頻繁な停止がない。
[0098] システム600及び700に関して以前に検討したように、システム800は図8に図示されていない他のコンポーネントを有してよい。システム800の個々のコンポーネントの位置及び順序は、本発明の範囲から逸脱することなく、変更することができる。
[0099] 以上で検討したように、液浸液の物理的及び光学的パラメータは、リソグラフィ装置の露光システムの性能を維持するために実質的に一定であることが望ましいことがある。したがって、液体パラメータの現場測定及びフィードバック(又はフィードフォワード)補正が望ましい。液浸液パラメータの制御を、液浸液のベンダが実行することはできない。リソグラフィ装置の動作中に液体の特性が変化し続けるからである。リソグラフィシステム内の液体パラメータを制御することによって、液体再生コンポーネントの寿命を延ばすことができ、リソグラフィ装置の保守頻度を減少させることができる。液体パラメータを制御することによって、有限の時間内で使用されるリサイクル済み液浸液の総体積を減少させることができる。したがって、使用する入力及び出力保存タンクを小型化することができ、それによってリソグラフィ装置内に一体化される液浸液再循環システムの総占有面積が減少する。したがって、コンポーネントのレイアウトの融通性を達成することができる。システムが処理する液浸液の体積が少なくなるにつれ、安全性の潜在的な危険性も比例して低下する。
[0100] 図9は、本発明の実施形態によりリソグラフィ装置内で液浸液をリサイクルする制御システムを概略的に示している。図9では、再循環システム900は、液浸液のパラメータ及び任意選択でリソグラフィシステムの運転パラメータを制御する中央コントローラ又は制御システム970を含む。図9に示すコンポーネントの多くは、図6、図7及び図8で以前に示し、説明したコンポーネントに類似し、同様の参照番号は図6から図9で同様のコンポーネントを示す。
[0101] 図9では、点線は液浸液の流路を示す。二重実線は分散ガスなどの気体の流路を示す。太い一点鎖線は様々なセンサと中央コントローラ970との間の通信線を示す。例えば、線952はメトロロジーデバイス950内のセンサを中央コントローラ970に接続する。
[0102] システム900を使用して制御することができる液浸液の例示的パラメータは、液浸液のUV吸収度、液浸液の屈折率、液浸液の表面張力、及び液浸液の粘度を含むが、それに限定されない。(基板845を支持する)基板テーブル912に関連するセンサ920は、液体取扱い構造810と基板845の間の液浸液薄膜830からUV吸収度及び屈折率の値を収集する。メトロロジーデバイス950は、液浸液の粘度及び表面張力を測定する。
[0103] 1つ又は複数の局所温度センサ905を様々なコンポーネント上又はその付近に配置して、様々な位置で液浸液の温度を監視することができる。往々にして、局所温度測定値は、そのセンサが関連するコンポーネントの適切又は不適切な動作を示す。例えば、温度コントローラ612が動作不良の場合、液浸液の局所温度が上昇する。これで、中央コントローラ970は自動制御を使用して動作不良を補正するか、考えられる動作不良を手動介入のために人間のオペレータに通知しようとすることができる。
[0104] 実施形態では、コントローラ970に結合されて入力リザーバ704に取り付けられたレベルインジケータ915が、入力リザーバ704内の液体904のレベルを表示することができる。この方法で、入力リザーバ704の漏れを検出する、及び/又は液浸液の補充タイミングを割り出すことができる。入力リザーバは気体入口601に接続することができる。これは気体出口にも接続され、これは図9では入力リザーバ704の頂部にある縦の矢印として図示されている。
[0105] 実施形態では、コントローラ970に結合された圧力センサ910が、例えば所望の分散効率が維持されるように、入力気体圧力を監視することができる。
[0106] システム600、700及び800に関して検討したように、システム900は図9に示されていない他のコンポーネントを有してよい。システム900内の個々のコンポーネントの位置及び順序は、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができる。
[0107] 図10は、本発明の実施形態による液浸液リサイクルの例示的方法1000のフローチャートである。例えば、方法1000は、図6から図9に関して説明したシステムの1つ又は複数で実行することができる。
[0108] ステップ1010で、液浸液を液体取扱い構造と基板(又は基板テーブル)の間に供給する。ステップ1015で、液浸液の1つ又は複数の特性を測定する。測定される特性はUV吸収度、屈折率、粘度、流量、溶解ガスの含有率、粒子カウント、及び温度を含むが、それに限定されない。ステップ1020で、ステップ1015にて実行した測定に基づいて、液浸液の品質を割り出す。次に、論理系モジュールが液浸液の測定品質を特定の基準品質と比較することができる。
[0109] 品質割り出しのステップ1020に基づいて、様々な代替ステップを後に続けることができる。例えば、液浸液の測定品質が満足できるとされた場合、液浸液はステップ1025に示すように、再使用するために液体取扱い構造に向かって誘導される。次に、方法1000はループして第一ステップ1010に戻る。つまり液浸液を液体取扱い構造に供給する。
[0110] あるいは、ステップ1020は、液浸液の測定品質が、液体取扱い構造へ直接ルーティングするには不満であると判断することがある。このような実施形態では、次に論理系モジュールが、液浸液の劣化が特定の閾値レベル内で低下しているか、特定の閾値レベルを超えて低下しているか(例えば劣化の適度なレベル内か、それを超えるか)を割り出すことができる。液浸液の劣化が適度なレベル内で低下している場合、液浸液はステップ1030に示すように標準的再生ユニットへとルーティングすることができる。しかし、液浸液の劣化が適度なレベルを超えている場合、液浸液はステップ1035に示すように集中再生ユニットへとルーティングすることができる。
[0111] ステップ1030又は1035の標準的又は集中再生の後、再生された液浸液は液体取扱い構造へとルーティング又は誘導することができる。このようなルーティング又は誘導は、ステップ1030及び1035をステップ1025に接続する矢印で示される。
[0112] 実施形態では、論理系モジュールが液浸液が実質的に劣化して、リサイクル不可能であることを判断することができる。したがって、液浸液又はその一部が、ステップ1040に示すように廃棄される。
[0113] ステップ1010からステップ1040は、例示的目的のためにのみ説明されている。方法1000はステップ1010からステップ1040に限定されず、このステップの順番にも限定されない。図10に示されていない追加のステップを、方法1000に組み込んでもよい。方法1000は、図10に示す全てのステップを辿る必要がない。
[0114] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることは言うまでもない。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0115] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、あるいはその辺りの波長を有する)又は極端紫外線(EUV)放射を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅するが、再循環システムの特定の変形は、EUVの用途に適切であることが必要なことがある。
[0116] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか一つ、又はその組合せを指す。
[0117] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[0118] 上述したコントローラは、信号を受信、処理及び送信するのに適切な任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上述した方法の機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行するために、1つ又は複数の取扱い装置を含んでよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を受信するハードウェアを含んでよい。
[0119] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域に封じ込められるか、封じ込められないかに係わらず、任意の液浸リソグラフィ装置、特に上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。封じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように封じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を封じ込めることができない、又はある割合の液浸液封じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の封じ込めを完成しない。
[0120] 本明細書で想定するような液体取扱いシステムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、液体取扱いシステムは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体取扱いシステムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[0121] 液浸リソグラフィのリソグラフィ装置が提供される。装置は、投影システム、流体取扱いシステム、メトロロジーデバイス及びリサイクル制御デバイスを備えることができる。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成することができる。基板を基板テーブル上で支持することができる。流体取扱いシステムは、液体を含む液浸流体を投影システムと基板又は基板テーブル又はその両方との間の空間に提供するように構成された流体取扱い構造を備えることができる。メトロロジーデバイスは、液浸流体のパラメータを監視するように構成することができる。メトロロジーデバイスに結合することができるリサイクル制御デバイスは、液浸流体を空間に供給するか、再生するかのルーティングを調整するように構成することができる。
[0122] 液浸流体は炭化水素又はデカリンを含むことができる。メトロロジーデバイスは、液浸流体中の微粒子汚染のレベルを監視するように構成することができる。メトロロジーデバイスは、温度ゲージ、所望の波長における放射の吸収率を監視するように構成された吸収監視デバイス、又は流量計から選択された1つ又は複数のデバイスを備えることができる。吸収監視デバイスは分光光度計を備えることができる。メトロロジーデバイスは、液浸流体の気体含有率を測定するように構成された気体含有率測定デバイスを備えることができる。
[0123] 流体取扱いシステムは、以下のコンポーネントから選択された1つ又は複数のコンポーネントを備えることができる。つまり、液浸流体を保存するように構成された入力保存タンク、液浸流体を空間から受けるように構成されたバッファリザーバ、液浸流体を流体取扱い構造へと誘導するように構成されたポンプ、液浸流体から酸素を除去するように構成されたスパージャー、液浸流体から残留物及び汚染物質を除去するように構成されたフィルタ、液浸流体の流れを制御するように構成された弁、液浸流体から望ましくない気体状材料を除去するように構成された脱ガス装置、液浸流体の所望の温度を維持するように構成された温度コントローラ、リソグラフィ装置から排出された液浸流体を保存するように構成された出力タンク、又は流体取扱いシステムの前記コンポーネントを物理的に接続するように構成されたコネクタである。
[0124] 流体取扱いシステムの1つ又は複数のコンポーネントは、液浸流体を劣化させない材料を含んでよい。材料はテフロン(登録商標)、ステンレス鋼、ポリクロロトリフルオロエチレン及び/又はガラスを含んでよい。流体取扱いシステムの1つ又は複数のコンポーネントは、引火性、可燃性及び/又は不活性の液浸流体と化学的に融和性である材料を含んでよい。流体取扱いシステムの1つ又は複数のコンポーネントには、製造段階中に導入される望ましくない残留物及び汚染物質が実質的になくてよい。流体取扱いシステムの1つ又は複数のコンポーネントは、望ましくない残留物及び汚染物質の導入を回避するために、制御された環境で焼結した材料を含んでよい。
[0125] 入力保存タンクは、実質的に液浸流体と化学的に融和性である材料で作成したブラダを備えることができる。ポンプはブラダポンプを備えてよい。フィルタは微粒子汚染除去フィルタを備えてよい。フィルタは化学汚染除去フィルタを備えてよい。脱ガス装置はナノ規模の孔を備えてよい。ナノ規模の孔は、液浸流体を実質的に阻止しながら、気体状材料を選択的に通過させるように構成することができる。ナノ規模の孔は、液浸流体と気体状材料を実質的に分離するように構成することができる。
[0126] 流体取扱いシステムのコンポーネントの1つ又は複数を、直列で接続することができる。流体取扱いシステムのコンポーネントの1つ又は複数を、並列で接続することができる。メトロロジーデバイスは、液浸流体のパラメータの測定値を示すように構成された出力を備えることができる。
[0127] リソグラフィ装置で使用する流体取扱いシステムが提供される。流体取扱いシステムは、メトロロジーデバイス及びリサイクル制御デバイスを備える。メトロロジーデバイスは、液体を含む液浸流体のパラメータを監視するように構成することができ、液浸流体をリソグラフィ装置の流体取扱い構造へと誘導する前に、液浸流体の品質が割り出される。リサイクル制御デバイスは、メトロロジーデバイスに結合し、使用後に流体取扱い構造から流れる液浸液のルーティングを、割り出された液浸流体の品質に基づいて標準的流体再生ユニットか集中流体再生ユニットかを調整するように構成することができる。
[0128] リサイクル制御デバイスは、空間からの使用済み液浸流体を、液浸流体の品質が品質閾値レベルより高い場合は標準的流体再生ユニットへとルーティングするように構成することができる。リサイクルコントローラは、空間からの使用済み液浸流体を、液浸流体の品質が品質閾値レベルより低い場合は集中流体再生ユニットへとルーティングするように構成することができる。
[0129] リソグラフィ装置内で液体を含む液浸流体の所望の品質を維持する制御システムが提供される。制御システムは、1つ又は複数のセンサ及びコントローラを備えることができる。1つ又は複数のセンサは、以下のセンサから選択することができる。つまり、液浸流体の所望の波長における放射の吸収率を測定するように構成された吸収センサ、液浸流体の屈折率を測定するように構成された屈折率センサ、液浸流体の表面張力を測定するように構成された表面張力センサ、及び温度センサ又は液浸流体の粘度を測定するように構成されたレオロジセンサである。コントローラは、1つ又は複数の選択されたセンサからデータを受信するように構成することができる。コントローラは、液浸流体をリソグラフィ装置の流体取扱い構造に誘導すべきか、流体再生システムに誘導すべきかを割り出すように構成することができる。
[0130] 制御システムは、流体レベルインジケータ及び/又は圧力センサを備えることができる。流体レベルインジケータは、制御システムが流体リザーバを補充する必要があるかを割り出せるように構成することができる。圧力センサは、制御システムが圧力レベルを調節する必要があるかを割り出せるように構成することができる。
[0131] デバイス製造方法が提供される。方法は、液体を含む液浸流体を流体取扱い構造から投影システムと基板、基板テーブル、又はその両方との間の空間に提供することを含み、投影システムはパターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成され、基板は基板テーブル上に支持され、液浸流体のパラメータを監視し、液浸流体のパラメータの監視に基づいて、液浸流体のルーティングを空間か再生かに調整することをさらに含む。
[0132] 液浸流体を提供することは、流体取扱いシステムを使用することを含むことができ、流体取扱いシステムの1つ又は複数のコンポーネントは、液浸流体の特性に影響し得る実質的に望ましくない残留物及び汚染物質を導入する可能性が低い方法によって製造される。
[0133] 以上で本発明の様々な実施形態について説明してきたが、これは例示によってのみ提示されたものであり、制限するものではないことを理解されたい。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更できることが、当業者には明白である。したがって、本発明の幅及び範囲は、上述した実施形態のいずれによっても制限されず、請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。