JP2007234821A - 液浸露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】投影光学系の最終面と基板との間の空間からの液体の回収量を正確に計測する。
【解決手段】液浸露光装置は、投影光学系140と基板170との間の液浸空間に液体が満たされた状態で基板170を露光する。液浸露光装置は、液浸空間に液体を供給する供給部182と、液浸空間から液体を回収する回収部190と、空間からの液体の回収量を検知する検知部194aを含む制御部194とを備える。回収部190は、液浸空間から回収された液体と気体とを分離するための容器192と、容器192内の液体の量を計測する液量センサ193とを含む。検知部194aは、液量センサ193の出力に基づいて液浸空間からの液体の回収量を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液浸露光装置及びデバイス製造方法に係り、特に、投影光学系の最終面と基板との間の空間に液体が提供された状態で該基板を露光する液浸露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化に伴い、露光装置、特にその投影光学系には、高い性能が求められている。露光装置の解像度は投影光学系の開口数(NA)を大きくすることによって高めることができるが、NAを大きくすることによって焦点深度は浅くなる。したがって、NAを大きくすることには限界があり、解像度を高めるために露光波長を短波長化することが要求されてきた。
露光波長の短波長化を実現するためには、レジスト、ペリクル、レチクル、レンズなどの各種材料を開発する必要がある。しかし、材料開発には、時間やコストがかかるため、短期間のうちに短波長化を実現することは困難であった。このような材料開発の問題を解決するために、露光波長の短波長化をせずに解像度を向上させる液浸露光方式が提案されている。
液浸露光方式の一つとして、投影光学系の最終面(最終レンズ)とウエハの表面との間の空間に局所的に液体を充填するローカルフィル方式が提案されている(特許文献1)。屈折率nの液体中では波長が1/nになるため、見かけ上の露光波長が短くなり、解像度を高めることができる。併せて、焦点深度をn倍程度に拡大することも可能である。
ローカルフィル方式では、液体が最終レンズとウエハ表面との間の開放空間に供給された後に液体回収装置によって回収される。この回収の際に開放空間から液体が漏れ出さないように、液体回収装置の液体回収能力は、液体供給量を超えるように設定されうる。この場合、開放空間から回収される流体は液体だけではなく、雰囲気気体を含む気液混合流体となる。気体は液体に比較して圧力損失が小さいため、気液混合流体には気体が多く含まれることになる。
また、ウエハを搭載するステージの移動に伴って、開放空間に満たされた液体と雰囲気気体との界面の位置が動的に変化するため、気液混合流体における気体と液体との割合も動的に変化する。したがって、短時間で見た場合、液体供給量と液体回収量は必ずしも一致していない。ただし、当然に正常状態では、長時間で見て液体供給量と液体回収量は一致している。
しかしながら、不測の事態により液体供給量と液体回収量との間に継続的に差が生じる可能性がある。液体回収量が少ない状態が続いた場合、開放空間への液体の供給が過剰となり、開放空間だけでは液体を保持することができなくなる。この場合は、最終的にステージ外に液体が漏れ出すことになる。ステージ外に液体が漏れ出した場合は、装置・部材の故障、漏電、錆びの発生等のような不都合を引き起こす可能性がある。
特許文献2には、異常検出方法及び漏れ出した液体を回収する方法が開示されている。
前述のとおり、開放空間から回収した流体は雰囲気気体を含む気液混合流体となっているので、液体回収量を測定するためには該気液混合流体を気体と液体とに分離するための分離器が必要である。
国際公開第99/49504号パンフレット 特開2005−159322号公報
特許文献2に開示されている液浸露光装置では、分離器から液体回収部へ流れる液体の流量を計測することによって液体回収量の計測する。しかしながら、分離器内に残っている液体の量が一定とは限らない。したがって、特許文献2に開示されている液浸露光装置では、分離器内の液体量の時間的な変化を把握することができず、正確な液体回収量を知ることができない。
また、液体供給量及び液体回収のための回収圧力が変化すると、開放空間に満たされた液体の圧力が変化し、最終レンズやウエハに加わる力が変化する。これが位置決め誤差の原因となる。
分離器内に残っている気体と液体の割合が変化すると、開放空間から真空系に至る圧力損失が変化するため、液体回収のための回収圧力が一定とはならない。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、例えば、投影光学系の最終面と基板との間の空間からの液体の回収量を正確に計測することを目的とする。
本発明の第1の側面は、投影光学系と基板との間の空間に液体が満たされた状態で前記基板を露光する液浸露光装置に関する。前記液浸露光装置は、前記空間に液体を供給する供給部と、前記空間から液体を回収する回収部と、前記空間からの液体の回収量を検知する検知部を含む制御部とを備えうる。前記空間から液体を回収する際には、液体と共に気体も回収されうる。前記回収部は、前記空間から回収された液体と気体とを分離するための容器と、前記容器内の液体の量を計測する液量センサとを含みうる。前記検知部は、例えば、前記液量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知するように構成されうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記回収部は、例えば、前記容器で分離された液体を排出する排出路と、前記排出路を通して排出される液体の流量を計測する流量センサとを更に含みうる。前記検知部は、前記液量センサの出力の他、前記流量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知するように構成されうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記回収部は、前記排出路を通して排出される液体の流量を調整する調整バルブを更に含みうる。前記制御部は、前記容器内の液体の量がほぼ一定に維持されるように、前記液量センサの出力に基づいて前記調整バルブを制御するように構成されうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記回収部は、前記容器で分離された液体を排出する排出路と、前記排出路に設けられたバルブとを更に含みうる。前記制御部は、露光動作中は、前記容器から液体が排出されないように前記バルブを閉じ、前記検知部は、前記バルブが閉じられた状態で前記液量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知するように構成されうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記回収部は、前記容器内の圧力をほぼ一定に維持する圧力調整部を更に含むことが好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、前記制御部は、前記供給部による前記空間への液体の供給量と前記検知部によって検知された前記空間からの液体の回収量との差に基づいて前記供給部及び前記回収部の少なくとも一方を制御するように構成されうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記制御部は、前記供給部による前記空間への液体の供給量と前記検知部によって検知された前記空間からの液体の回収量との差が予め設定された許容範囲を超えた場合に、前記供給装置による前記空間への液体の供給を停止させるように構成されうる。
本発明の第2の側面は、デバイス製造方法に係り、前記デバイス製造方法は、感光剤が塗布された基板を上記の液浸露光装置によって露光する工程と、前記感光剤を現像する工程とを含みうる。
本発明によれば、例えば、投影光学系と基板との間の空間から液体と共に気体が回収される場合において、液体の回収量を正確に計測することができる。
以下に、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態としての液浸露光装置100の模式図である。液浸露光装置100は、照明装置110と、レチクルステージ(原版ステージ)132と、投影光学系140と、基板ステージ174と、液体供給装置182と、液体回収装置190とを備える。照明装置110は、レチクルステージ132によって保持されたレチクル(原版)130を照明する。投影光学系140の最終面(基板170に対向する面)と基板170との間の空間(以下では、液浸空間ともいう)に液体供給装置182によって液体180が供給される。液浸空間に供給された液体180は、液体回収装置190によって回収される。投影光学系140は、レチクル130のパターンを基板ステージ174の基板チャックによって保持された基板170に液体180を介して投影する。
液浸露光装置100は、例えば、ステップアンドスキャン方式、ステップアンドリピート方式として構成されうる。
照明装置110は、光源部と照明光学系とを含んで構成されうる。光源部は、光源としてのレーザー112と、ビーム整形光学系114とを含みうる。レーザー112としては、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約157nmのFレーザーなどを使用することができる。
ビーム整形光学系114は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを含むビームエクスパンダ等を含むことができ、レーザー112からの光束の縦横比率を所望の値に変換することによりビーム形状を所望のものに成形する。ビーム成形光学系114は、後述するオプティカルインテグレーター118を照明するのに必要な大きさと発散角を持つ光束を形成する。
照明光学系は、レチクル130を照明する光学系である。照明光学系は、例えば、集光光学系116と、オプティカルインテグレーター118と、開口絞り120と、集光レンズ122と、折り曲げミラー124と、マスキングブレード126と、結像レンズ128とを含む。
集光光学系116は、複数の光学素子を含んで構成され、オプティカルインテグレーター118に所望の形状で効率よく光を提供する。
オプティカルインテグレーター118は、レチクル130を照明する照明光を均一化し、入射光の角度分布を位置分布に変換して出射するハエの目レンズとして構成される。ハエの目レンズは、ロッドレンズ(即ち、微小レンズ素子)を多数組み合わせることによって構成されている。ただし、本発明が使用可能なオプティカルインテグレーター118は、ハエの目レンズに限定されず、光学ロッド、回折光学素子、各組が直交するように配置された複数の組のシリンドリカルレンズアレイ板などを含みうる。
オプティカルインテグレーター118の出射面の直後には、形状及び径が固定された開口絞り120が配置されている。開口絞り120は、投影光学系140の瞳142に形成される有効光源とほぼ共役な位置に配置される。開口絞り120の開口形状は、投影光学系140の瞳面142の有効光源形状に相当する。開口絞り120は、有効光源の形状を制御する。開口絞り120は、照明条件に応じて、図示しない絞り交換機構によって変更されうる。
集光レンズ122は、オプティカルインテグレーター118の射出面近傍の2次光源から射出して開口絞り120を透過した複数の光束を集光し、ミラー124で反射させてマスキングブレード126面を均一にケーラー照明によって照明する。
マスキングブレード126は、複数の可動遮光板より構成され、投影光学系140の有効面積に対応するほぼ矩形の任意の開口形状を有している。マスキングブレード126は、レチクル130面と光学的に共役な位置に設けられる。マスキングブレード126の開口部を透過した光束がレチクル130の照明光として使用される。また、露光装置100は、スキャン方向における転写領域の幅の変更を可能にするスリット状の開口が設けられた絞りを更に備える。この絞りは、レチクル130面と光学的にほぼ共役な位置に設けられる。露光装置100は、これら二つの可変ブレードを用いることによって露光を行なうショットの寸法に合わせて転写領域の寸法を設定することができる。
結像レンズ128は、マスキングブレード126の開口形状をレチクル130面上に結像する。
レチクル130は、基板170上に転写されるべきパターンを有し、レチクルステージ132によって保持され駆動される。レチクル130のパターンは、投影光学系140により基板170上に投影される。基板170上には、レジストが塗布されている。レチクル130と基板170とは、光学的に共役の関係に配置される。
露光装置100がステップアンドスキャン方式の露光装置として構成される場合は、レチクル130と基板170とを同期させて走査することによりレチクル130のパターンを基板170上に転写する。露光装置100がステップアンドリピート方式の露光装置として構成される場合は、レチクル130と基板170とを静止させた状態で露光が実施される。
レチクルステージ132は、図示しない駆動機構によって駆動される。レチクルステージ132及び投影光学系140は、例えば、床等に載置されたベースフレームにダンパ等を介して支持されるステージ鏡筒定盤上に設けられる。レチクルステージを駆動する駆動機構は、例えば、リニアモータなどで構成され、XY方向にレチクルステージ132を駆動することでレチクル130を移動することができる。
投影光学系140は、レチクル130に形成されたパターンを基板170上に結像する。投影光学系300は、複数のレンズのみからなる屈折光学系として構成されうる。或いは、投影光学系300は、複数のレンズと少なくとも一枚の凹面鏡とを有する反射屈折光学系として構成されうる。なお、レンズの代わりに、回折光学素子を用いても良い。
基板170は、シリコンウエハ等のウエハ、又は、液晶モニタ用ガラス基板、又は他の基板を含みうる。基板170の表面にはレジストが塗布されており、基板170は基板チャック172を介して基板ステージ174によって保持される。基板チャック172は、種々の方式で構成されうるが、例えば、真空保持又は静電保持方式が好適である。
基板ステージ174は、種々の方式で構成されうるが、例えば、6軸駆動が可能であることが好ましい。例えば、基板ステージ174は、リニアモータを利用してX、Y、Z方向に基板170を移動させる。スキャナへの応用例において、レチクル130と基板170は、例えば、同期して走査され、レチクルステージ132と基板ステージ174の位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
ウエハステージ174は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられうる。レチクルステージ132及び投影光学系140は、例えば、鏡筒定盤は床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持される鏡筒定盤上に設けられうる。
液体180は、液体供給装置182から供給路183及び供給ノズル184を介して、投影光学系140の最終面と基板170との間の空間に供給される。当該空間に供給された液体180は、回収ノズル186及び回収配管191を介して液体回収装置190によって回収される。
液体180の材料としては、露光波長の光の透過率がよく、投影光学系に汚れを付着させず、レジストプロセスとのマッチングが良好な物質が選択される。液体180は、例えば、水や有機系液体であり、基板170に塗布されるレジストや露光光の波長に応じて選定することができる。投影光学系140の最終面には、液体180からの影響を保護するためにコーティングを施すこともできる。
図2は、図1に示す液浸露光装置100の一部を詳述した模式図である。液体供給装置182は、例えば、液体180を溜めるタンク、精製装置、脱気装置、温度制御装置、液体180を送り出す圧送装置、液体180の供給流量を制御する流量制御装置(例えば、流量制御バルブ)を含みうる。また、液体180は、タンクを介さずに、純水装置等の装置から直接提供されてもよい。
精製装置は、図示しない原料水供給源から供給される原料水中に含まれる金属イオン、微粒子及び有機物などの不純物を低減し、液体180を精製する。精製装置により精製された液体180は、脱気装置に供給される。
脱気装置は、液体180に脱気処理を施し、液体180の溶存酸素及び溶存窒素を低減する。脱気装置は、例えば、膜モジュールと真空ポンプによって構成される。脱気装置としては、例えば、ガス透過性の膜を隔てて、一方に液体180を流し、他方を真空にして液体180中の溶存ガスをその膜を介して真空中に追い出す装置が好適である。
温度制御装置は、液体180を所定の温度に制御する機能を有する。供給路183は、脱気装置及び温度制御装置によって脱気処理及び温度制御が施された液体180を、供給ノズル184を介して投影光学系140の最終面と基板170との間の液浸空間に供給する。
供給路183は、液体180を汚染しないように、溶出物質が少ないテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂で構成されることが好ましい。液体180に純水以外の液体を用いる場合には、液体180に対して耐性を有し、且つ、溶出物質が少ない材料で供給路183を構成すればよい。
供給ノズル184及び回収ノズル188は、図3に例示的に示すように同心円状に配置されうる。ここで、内側に供給ノズル184、外側に回収ノズル188が配置されることが好ましい。供給ノズル184及び回収ノズル188の配置については、同心円状に限定されるものではなく、例えば、基板のスキャン方向に対向して配置されてもよいし、更にステップ方向に配置されてもよい。ここで、図3は図2の断面AA’を下方から見た図である。
供給ノズル184及び回収ノズル188は、供給路183と同様に、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂で構成されうる。
供給ノズル184は、投影光学系140の最終面と基板170表面との間の液浸空間へ一様に液体180を供給するために供給路183に比べ圧力損失の大きい構造を有する。例えば、供給ノズル184は、多孔質体を含み、又は、スリット形状を有する。
回収ノズル188についても、投影光学系140の最終面と基板170表面との間の空間から一様に液体180を回収するために、回収路191に比べ圧力損失の大きい構造を有する。例えば、回収ノズル188は、多孔質体を含み、又は、スリット形状を有する。
回収ノズル188は、液体180と雰囲気気体181に接しているため、回収ノズル188を介して回収される流体は、液体180と気体181とが混合された気液混合流体となっている。
液体回収装置190は、回収路191に連結された密閉容器192と、密閉容器192内の気体を排気するための排気装置204と、密閉容器192内の圧力を制御するための圧力制御装置202を備えうる。液体回収装置190はまた、密閉容器192内の液体を排出するための排液装置195と、密閉容器192内の液体の量を計測するための液量センサ193を備えうる。
密閉容器192内の液体量は、設定された範囲内に維持される。例えば、密閉容器192内の液体量は、ほぼ一定に維持されうる。排気装置204は、例えば、真空ポンプ、又は、露光装置100が設置される工場の設けられた排気設備等の真空源で構成されうる。
圧力制御装置202は、圧力センサ201によって密閉容器192内の圧力を検出し、密閉容器192内の圧力が予め設定された圧力になるように圧力調整バルブ203を制御する。当該圧力は、密閉容器192が液体供給装置182の液体供給量に比べて十分な液体回収能力を持つように決定される。
回収ノズル188を介して回収された気液混合流体は、一時的に密閉容器192内に蓄えられ、重力によって気体と液体とに分離される。分離された気体は、排気装置204によって外部に排出され、分離された液体は、排液装置195によって排液部210に排出される。
排液部210は、例えば、露光装置100が設置された工場の廃液施設であってもよいし、廃液を供給液体として再利用するための再利用施設であってもよい。
流量センサ197は、排液路198を流れる液体の流量を計測し、その計測結果を制御装置194に提供する。制御装置194は、流量調整バルブ196を調整することによって、廃液路198を流れる液体の流量を制御する。
制御装置194は、検知部194aを含む。検知部194aは、密閉容器192内の液体量Vと、排液路198内の流量Qとに基づいて、回収ノズル188を介して回収される気液混合流体中の液体のみの回収量V(=V+∫Q・dt;tは時間。)をリアルタイムで検知することができる。ここで、密閉容器192内の液体量Vは、液量センサ193によって計測されて検知部194aに提供される。排液路198内の流量Qは、流量センサ197によって計測されて検知部194aに提供される。
更に、液体制御装置194は、検知された液体の回収量Vと液体供給装置182による液浸空間への液体の供給量とを監視することによって、液体供給装置182及び液体供給装置190の異常を検知することができる。より具体的には、制御装置194は、液体供給装置182による液浸空間への液体の供給量と検知された液体の回収量Vとの差に基づいて、液体供給装置182及び液体供給装置190の異常を検知することができる。
或いは、液体制御装置194は、回収ノズル188を介して回収される気液混合流体中の液体のみの量を流量Q(=dV/dt=dV/dt+Q)としてリアルタイムで検知することができる。ここで、Vが一定になるように制御装置194が流量調整バルブ196を制御すると、回収ノズル188を介して回収される気液混合流体中の液体のみの流量QとQとが一致(Q=Q)する。
液体制御装置194は、検知された液体の流量Qと液体供給装置182による液体の供給流量とを監視することによって、液体供給装置182及び液体供給装置190の異常を検知することができる。より具体的には、制御装置194は、液体供給装置182による液浸空間への液体の供給流量と検知された液体の回収流量Qとの差に基づいて、液体供給装置182及び液体供給装置190の異常を検知することができる。
制御装置194は、上記のようにして異常の発生が検知された場合に、異常状態を解消するように又は異常に伴う不具合が発生しないように、液体供給装置182及び液体供給装置190の少なくとも一方を制御することができる。例えば、制御装置194は、液体供給装置182による液浸空間への液体の供給量が検知された液体の回収量よりも許容値を超えて大きい場合には、供給路183に設けられた停止バルブ185を動作させて液体供給を停止させることができる。制御装置194は、異常が検知された場合に、そのことを報知する報知装置を含むことが好ましい。
更に、制御装置194は、露光動作中は排液装置195を停止させて、液量センサ193から提供される計測結果に基づいて密閉容器192内の水位を監視してもよい。この場合、密閉容器192の水位は液体の回収とともに徐々に上がるので、回収された液体の流量は、密閉容器192内の水位の時間変化から得ることができる。
[実施例]
以下、上記の実施形態をより具体化した実施例を例示する。露光装置100をステップアンドスキャン方式の露光装置として構成し、光源としてArFエキシマレーザーを使用した。投影光学系140の最終面と基板170との間に供給する液体180として純水を採用した。
供給ノズル184及び回収ノズル188の材質としてテトラフルオロエチレンの多孔質体を用いた。ここで、多孔質体の厚みを2mm、幅を4mmとし、供給ノズル184の直径を80mm、回収ノズル188の直径を92mmとした。
供給路183及び回収路191は、テトラフルオロエチレン製とした。
密閉容器192は、ステンレス製の容器の内面をテトラフルオロエチレンでコーティングたして構成した。密閉容器192の直径は10cm、高さは30cmで、容量は約2L(リットル)である。
密閉容器192内の液体量を計測するための液量センサ193として、高精度の磁歪式の水位センサを採用した。水位センサとしては、磁歪式のほか、超音波式、静電容量式等が好適である。密閉容器192の直径が小さいほど液体量計測装置193の計測感度を上げることができる。密閉容器192の形状に関しては、重力方向の断面積が一定であることが好ましいが、液体量計測装置193によって密閉容器192内の水位と液体量との関係を校正することによって任意の形状が使用可能である。
圧力制御装置202及び圧力調整バルブ203としては、気体用マスフローコントローラを採用した。
流量調整バルブ196及び流量計197としては、液体用マスフローコントローラを採用した。
上記の構成において、投影光学系140の最終面と基板170表面との間の距離を1mm、密閉容器192内の圧力を−20kPa、液体供給装置182の液体供給量を0.3L/minに設定した。
密閉容器192の水位を一定に保ちながら密閉容器192から液体を排出し、基板170を通常の露光時と同じ動作をさせた場合の流量計197の出力を図4に示す。図4において、縦軸は流量、横軸は時間であり、実線は流量計197の出力(排液量)を表し、破線は液体供給装置182の液体供給量を表す。周期Sは、1スキャン1ステップの動作時間であり、正常動作では周期Sの波形が繰り返された。
ここで、液体回収装置190の異常を模擬するため、故意に回収路191を潰し液体回収量を0とした場合の流量計197の出力を図5に示す。時刻Bは異常発生時間であり、横軸のスケールは図4と同じである。
図5の波形は、明らかに図4の正常動作とは異なり、本発明によれば液体回収装置190の異常を即座に検知することが出来た。
なお、この実施例では密閉容器192の水位を一定として排液量の計測を行なったが、これに代えて、排液量を液体供給量とを等しくして、密閉容器192の水位を監視しても同様の検知を行なうことができた。
更に、上記の実施例に代えて、露光動作中は排液装置195を停止し、密閉容器192内の水位を監視しても同様の検知を行なうことができた。この場合、密閉容器192の水位は液体回収とともに徐々に上がるので、流量の検出は、密閉容器192の水位の時間変化によって行なった。
また、非露光中に排液を行なえばよいので、高価な液体用マスフローコントローラ等の流量制御装置の必要がない。
ただし、密閉容器192の容量は、液体供給量と露光動作時間によって定まる容量以上にする必要がある。
[比較例]
上記実施例と同様の構成において、密閉容器192内の液体量を監視せず、液体供給装置182による液体供給量と同量を排液装置195によって密閉容器192から排液し、上記実施例と同様に異常を発生させた。この時の流量計197の出力を図6に示す。この比較例では、異常発生から密閉容器192内の液体が無くなる時刻Cまで異常を検出することができなかった。
[応用例]
本発明の露光装置を適用した半導体装置(半導体素子)の製造方法を説明する。
図7は、本発明の好適な実施形態のデバイス製造ププロセスのフローチャートである。ステップ1(回路設計)では、デバイス(例えば、IC、LSI、CCD等の半導体チップ、LCD等の表示装置)の回路設計を行なう。ステップ2(レチクル製作)では設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。一方、シリコン等からなるウエハを用意し、ステップ3(ウエハプロセス)においてレチクルとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成した。
次のステップ4(組立)において、ステップ3によって製作されたICの回路が形成されたウエハを半導体チップ化し、次いでアッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)を行ない、パッケージング(チップ封入)を行なった。
ステップ5(検査)においてステップ4で製作されたICチップの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なった。
図8は、図7のステップ3のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。まず、ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させた。次いでステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成した。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成した。ステップ14(イオン打ち込み)ではウエハにイオン打ち込みを行なった。ステップ15(レジスト処理)ではCMP(化学材機研磨)装置によってウエハ表面を平坦に研磨した。
ステップ16(レジスト処理)では、平坦化されたウエハ表面にレジストを塗布した。ステップ17(露光)では本発明の露光装置によってレチクルの回路パターンをウエハに焼き付け露光した。はじめにレチクルを搬送し、レチクルチャックにチャッキングし、次にレジストが塗布されたシリコンウエハ基板を露光装置内にローディングした。アライメントユニットでグローバルアライメント用のデータを読みとり、計測結果に基づいてウエハステージを駆動して所定の位置に次々に露光を行なった。
ステップ18(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ19(エッチング)では、現像後にレジストが除去された部分をエッチングした。ステップ20(レジスト剥離)では、レジストを剥離した。これらのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に多重に回路パターンを形成した。
上記ウエハプロセスに本発明の製造方法を用いれば、従来の製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態及び実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の好適な実施形態としての液浸露光装置の模式図である。 図1に示す液浸露光装置の一部を詳述した模式図である。 供給ノズル及び回収ノズルの配置の一例を示す図である。 本発明の好適な実施形態の液浸露光装置における正常状態時の排液量を表す図である。 本発明の好適な実施形態の液浸露光装置における異常発生時の排液量を表す図である。 比較例における異常発生時の排液量を表す図である。 デバイス製造プロセスを説明するためのフローチャートである。 図7に示すフローチャートにおけるステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
100 液浸露光装置
110 照明光学系
130 レチクル
132 レチクルステージ
140 投影光学系
170 基板
172 基板チャック
174 基板ステージ
180 液体
182 液体供給装置
183 供給路
184 供給ノズル
188 回収ノズル
190 液体回収装置
191 回収路
192 密閉容器
193 液量センサ
194 制御装置
194a 検知部
195 排液装置
196 流量調整バルブ
197 流量センサ
198 排液路
201 圧力センサ
202 圧力制御装置
203 圧力調整バルブ
204 排気装置
210 排液部

Claims (8)

  1. 投影光学系と基板との間の空間に液体が満たされた状態で前記基板を露光する液浸露光装置であって、
    前記空間に液体を供給する供給部と、
    前記空間から液体を回収する回収部と、
    前記空間からの液体の回収量を検知する検知部を含む制御部とを備え、
    前記空間から液体を回収する際に液体と共に気体も回収され、
    前記回収部は、前記空間から回収された液体と気体とを分離するための容器と、前記容器内の液体の量を計測する液量センサとを含み、
    前記検知部は、前記液量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知することを特徴とする液浸露光装置。
  2. 前記回収部は、前記容器で分離された液体を排出する排出路と、前記排出路を通して排出される液体の流量を計測する流量センサとを更に含み、
    前記検知部は、前記液量センサの出力の他、前記流量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知することを特徴とする請求項1に記載の液浸露光装置。
  3. 前記回収部は、前記排出路を通して排出される液体の流量を調整する調整バルブを更に含み、
    前記制御部は、前記容器内の液体の量がほぼ一定に維持されるように、前記液量センサの出力に基づいて前記調整バルブを制御することを特徴とする請求項2に記載の液浸露光装置。
  4. 前記回収部は、前記容器で分離された液体を排出する排出路と、前記排出路に設けられたバルブとを更に含み、
    前記制御部は、露光動作中は、前記容器から液体が排出されないように前記バルブを閉じ、前記検知部は、前記バルブが閉じられた状態で前記液量センサの出力に基づいて前記空間からの液体の回収量を検知することを特徴とする請求項1に記載の液浸露光装置。
  5. 前記回収部は、前記容器内の圧力をほぼ一定に維持する圧力調整部を更に含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液浸露光装置。
  6. 前記制御部は、前記供給部による前記空間への液体の供給量と前記検知部によって検知された前記空間からの液体の回収量との差に基づいて前記供給部及び前記回収部の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液浸露光装置。
  7. 前記制御部は、前記供給部による前記空間への液体の供給量と前記検知部によって検知された前記空間からの液体の回収量との差が予め設定された許容範囲を超えた場合に、前記供給装置による前記空間への液体の供給を停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液浸露光装置。
  8. デバイス製造方法であって、
    感光剤が塗布された基板を請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液浸露光装置によって露光する工程と、
    前記感光剤を現像する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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