JP2009176709A - 蛍光ランプに水銀を導入するための水銀導入装置 - Google Patents

蛍光ランプに水銀を導入するための水銀導入装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、蛍光ランプに水銀を導入させるための、組成物及び該組成物の容器を含む水銀導入装置に関するものである。
【解決手段】
組成物の容器はNiクラッド/Fe板/Niクラッドの3層構造を有する板材で製造され、かつ溝又はスリット形状の開口部が形成されている構造である。組成物はTi100-XHgX(X値は10以上60以下)の水銀化合物にZr100-YAlY(Y値は10以上70以下)の合金、Ti、Ta又はFeを添加して構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は蛍光ランプ、特にLCD TV及びモニタ等のバックライトユニット(Back Light Unit:BLU)に用いられる蛍光ランプに水銀を導入するための装置に関するものである。
蛍光ランプは発光過程において少量の水銀を必要とするが、水銀のような有害物質の産業上使用について国際的に制約がより厳格になっているため、ランプ製造工程において発光用途として注入される水銀は性能に問題がない限り少量(数mg;ランプの種類と大きさにより少しずつ異なる)を注入することが望ましい。
したがって、少量の水銀の正確な導入のために水銀放出効果が高く、水銀を安定的に保有することができる、組成物及び該組成物の容器を含む水銀導入装置が必要である。
組成物の容器の材料としては、通常、鋼鉄、ニッケル又はニッケル処理された鉄を用い、特に製造コストの削減と実用性を勘案してFe板の両面にNiをメッキしたNiメッキ/Fe板/Niメッキの構造物が主に用いられてきた。しかし、前記メッキ構造物を用いる場合、メッキ過程において不純物が混入し、メッキが均一でない場合、水銀放出に否定的な影響を与える。そのため、水銀放出効率が高く、水銀を安定的に保有することができる容器が要求される。
また、既存容器の形状は円筒形、球形、又は棒形で水銀放出のための開口部がなかったり、開口物があったとしてもその形状が水銀放出に効果的なものではなかった。また、容器に組成物を押入した後、板材の重畳により溝又はスリット形状の開口部を形成する場合、製造過程における粉塵の発生が激しく、押入された組成物が砕けるおそれがあった。容器に形成された開口部は、組成物に含まれた水銀を蒸気形態でランプ内に放出する役割を行い、ランプ内部の残留ガスを吸着、除去する機能を行う。そのため、組成物を適切に保有できるだけでなく、水銀放出及び残留ガスの吸着、除去効果を高めるために、適切な開口部が形成された容器が要求される。
一方、蛍光ランプはランプ内の真空度が高いほど(一部不活性ガスを充填するランプは空気がないほど)性能が良く寿命が長くなる。したがって、水銀導入装置に用いられる組成物は、ランプ内の除去しようとするガスを化学的に吸収することができる特性を有さなければならないが、このために、除去しようとする残留ガスの成分と使用条件に応じて、種々の金属成分を混合して製造される。前記組成物の究極的な目的は、水銀を安定的に保有し、ランプ内で特定の温度条件に応じて容易に活性化して、水銀放出が容易で、かつランプ内の不純ガスを容易に吸収せしめることである。また、ランプが完成すると、水銀放出後の水銀導入装置はランプ内に残っていることもあり、容易に除去可能でもある。
一方、水銀導入装置は、その内部に充填された組成物中の水銀を活性化させるために、高温で加熱する工程を経る。水銀放出のための最適な活性化温度は約550〜650℃と知られているが、従来、大部分の組成物の活性化温度は約700〜750℃で、最適な温度より高温で活性化する。活性化温度が余りにも高いと、電極酸化を誘発させて蛍光ランプの性能を十分に発揮することができず、一般ガラスを用いてランプを製造する場合、製造過程においてガラスが耐えきれず損傷する問題があった。また、前記温度で問題がない石英のような硬質ガラスを用いる場合、原材のコストが高くなることは勿論、高温で水銀を放出するための高価の高周波装備を別途に備えなければならない困難があった。また、高温で水銀を放出する組成物には、活性化段階で放出された水銀が総水銀の約30〜40%しかならない問題があった。したがって、ランプが稼働するのに必要な量よりも2〜3倍多い水銀量をランプに導入しなければならなかった。過量の水銀はランプの寿命になるまでランプ内に残留し、これは結果的に、廃ランプの処理問題を招いた。反面、500℃以下で水銀が活性化して放出されると、ランプ製造工程中に水銀が予め放出されて組成物中に残存する水銀が殆どないので、ランプ内に導入された水銀が必要量よりも不足で目的とする効果を達成することができなかった。
前記のように、従来の水銀放出効果の低い組成物の場合、ランプ製造時に要する単位組成物の量がさらに多くならなければならないため製造コストが増大し、水銀放出率が一定に維持できないためランプ間の品質偏差が大きいという問題があった。そのため、水銀を安定的に保有することができるとともに、最適な温度で低温活性化が可能で、かつ水銀放出効率の高い組成物が要求される。
本発明の目的は、蛍光ランプに少量の水銀を定量的に導入するために、水銀放出効率が高く、水銀を安定的に保有することができる、組成物及び該組成物の容器を含む水銀導入装置を提供することである。
具体的に、本発明の目的は、水銀放出効率が高く、組成物を安定的に保有することができる容器を提供することである。
本発明の他の目的は、水銀を安定的に保有しつつ、ランプ内で特定の温度条件に応じて容易に活性化して水銀放出が容易で、かつランプ内の不純ガスを容易に吸収することができる組成物を提供することである。
本発明に係る水銀導入装置は、Hg化合物が含まれた組成物及び該組成物の容器を含んでいる。該容器はFeからなる板の両面にNiからなるクラッド金属を積層させて形成される上部Niクラッド/Fe板/下部Niクラッドの3層構造を有する板材からなり、該板材の全厚さは0.05〜0.4mmであり、上部及び下部のNiクラッド層の厚さはそれぞれ1.0〜20μmである。また、該容器は溝又はスリット形態の開口部を有するが、望ましくは該開口部の幅は0.15〜0.6mmであり、深さは0.1〜0.6mmである。また、本発明の水銀導入装置は種々の長さに切断して使用可能であり、その切断面が同一の断面形状及び断面積を有することが望ましい。
本発明に係る組成物は水銀放出のための水銀含有金属間化合物又は化合物(以下、本発明では、このような水銀含有物質を通称して「水銀化合物」という)を含んでいる。前記組成物は(i)Ti 0.05〜5重量%、又はTa 0.05〜5重量%、又はTi及びTaをその含量の和が0.05〜5重量%となるように含み、(ii)Ti100-XHgX(X値は10以上60以下)の水銀化合物とZr100-YAlY(Y値は10以上70以下)のZr-Alの合金がZ:10-Z(Z値は5以上9 以下)の重量比率で混合された混合物が残部を構成する。また、前記組成物はFeを0.05〜5重量%さらに含んでいてもよい。
さらに、本発明の水銀導入装置に充填される組成物はTaを0.05〜5重量%含み、Ti100-XHgX(X値は10以上60以下)の水銀化合物が残部を構成する。また、前記組成物はFeを0.05〜5重量%さらに含んでいてもよい。
本発明によれば、組成物の容器の材料としてNiクラッド/Fe板/Niクラッドの3層構造を有する板材を用いることによって、水銀放出過程において自体不純ガス発生を遮断するとともに水銀放出効率を高める。また、前記容器に溝又はスリット形状の開口部を形成することによって、ランプ内部への安定的な水銀導入が可能であり、水銀放出効率を極大化できるだけでなく、作業環境の汚染問題を最小化する。また、本発明に係る組成物は、吸着効率を高め、強い耐腐食性で組成物の酸化を防止し、水銀放出効果を増大させて低温活性化を可能にし、費用を低減させるという優れた効果を奏し得る。
本発明に係る組成物の容器はその材料として、Feからなる板の両面にNiからなる金属クラッド(clad)を積層して形成される、上部Niクラッド/Fe板/下部Niクラッドの3層構造を有する板材を用いる。望ましくは、該板材の全厚さは約0.05〜0.4mmであり、上部及び下部のNiクラッド層の厚さはそれぞれ約1.0〜20μmである。
本発明は、前記Niクラッド/Fe板/Niクラッドからなる構造物を用いることによって、Fe板の両面にNiをメッキした既存のNiメッキ/Fe板/Niメッキの構造物に比べて工程において不純物を含有しないため、水銀化合物含有組成物から水銀を放出する過程において自体不純ガス発生を遮断するとともに水銀放出効率を高める効果を有する。また、水銀化合物含有組成物が充填された容器をランプに導入した後、水銀放出のために高周波装備等を活用して熱を加えるとき、Niメッキ/Fe板/Niメッキの構造物の場合、熱伝導度が低下し熱放射率が低いためさらに多くの熱量を必要とする。反面、Niクラッド/Fe板/Niクラッドの構造物の場合、板材構造物の厚さが同一の場合、メッキ板材に比べてクラッドされたNi層の厚さが相対的にさらに厚く、厚さが均一であり、不純物の混入が少ないため熱伝導度が向上し、熱放射率が相対的に増加するようになる(ニッケルの熱伝導度=0.907w/cm・k、鉄の熱伝導度=0.802w/cm・k)。
これにより、より小さな熱量でもランプが必要とする熱供給が可能であり、過剰の熱供給による電極酸化のおそれを最小化し水銀放出効率を極大化でき、高周波装置の効率を高めて製造コストの削減に効果を発揮することができる。
また、本発明の組成物の容器の形状は、溝又はスリット形態の開口部を有し、該開口部の形状を変化させてランプ内部への安定的な水銀導入を可能にし、水銀放出効率を極大化できる。水銀導入装置の開口部は、種々の断面形状を有するワイヤ形態又は棒形態であってもよく、組成物に含まれた水銀を蒸気形態でランプ内に放出する役割を行い、ランプ内部の残留ガスを吸着、除去可能にする機能を行う。
本発明において容器に形成される溝又はスリット形態の開口部は幅が望ましくは0.15mm〜0.6mm、より望ましくは0.2mm〜0.4mmであり、場合によって該開口部が容器の壁を貫通して組成物の一定部分にまで至るようにすることもできるが、溝又はスリットの深さは望ましくは0.1mm〜0.6mmである。溝の幅が狭い場合水銀放出が容易でなく、溝の幅が広くなるほど水銀放出効果が増加するが、0.6mmを超えると、容器内の組成物を安定的に保有することができず、組成物が粉状に砕けて成形性が壊れるので、ランプに導入して使用することが困難である。また、溝の深さは深いほど水銀放出効果が増加するが、溝の深さが0.6mmを超える場合、組成物が不純ガスを吸着するゲッター(getter)としての特性を十分に発揮することができない。従来の溝がなく、または溝が狭く形成された水銀導入装置と比べて、本発明の形状が水銀放出効果を顕著に向上させることを下記の実施例を通じて確認することができる。
以下の図面を参照して本発明を、具体例を挙げて説明するが、これら具体例は本発明の一部実施例であるだけで本発明を限定するためのものではない。
図1において装置(10)は、Niクラッド/Fe板/Niクラッドの板材を五角形(五角形の一辺に該当する部分が開いた
のような形である)の断面を有するように成形した後、その内部に水銀化合物を含む組成物(11)を充填し、容器の両側壁の端部(13,13’)が開口部である細長い溝(14)を形成するように折れる形態に成形したものである。このとき、溝は一定の開口部の幅を保持するとともに水銀が最も容易に放出され得る形態を取るようになり、該溝を形成する過程において上部に連続ローリングを介して組成物が固まるようになる。したがって、組成物粉末を容器内部に保有するのにはるかに効果的な結果が得られる。
本発明は、容器の形状を製造する過程のうち組成物を充填する方式で製造されるため、組成物の充填と溝の形成が同時に又は連続的に成される特徴を有しており、連続ローリングを介した組成物凝固効果により粉塵の発生が殆どなく、使用時も粉砕のおそれが殆どない。したがって、従来の水銀導入装置の製造過程及び使用時、組成物に含まれた水銀の粉末の飛散が作業環境を汚染させる問題があったが、本発明の製造工程は粉塵の発生が少ないため作業環境を改善できる利点がある。
製造された水銀導入装置はワイヤ形態であって、コイル形態に巻かれてもよく、目的に応じて適当な大きさに切断して使用してもよい。
図2〜7は本発明に係る五角形、円形、三角形、四角形など種々の断面形状を有する水銀導入装置の形状を例示する。製造方法は図1に関連して説明した製造方法と同様である。
図1〜9において例示するように、本発明の水銀導入装置の形状は対象ランプの形状及び大きさに応じて種々変更させて使用することができる。
また、本発明の水銀導入装置は種々の長さに切断して使用可能であり、切断長さは用途に応じて種々変更させることができ、例えば、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)又は冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)に水銀を導入する用途で用いる場合は、通常長さを2〜15mmにして用いる。望ましくは、その切断面が同一の断面形状及び断面積を有するようにして実用性を高め、最終製品の品質を一定に保つことができる。また、最終ランプの製造時に水銀導入装置はランプ内に残っていることもあり、容易に除去も可能である。
また、本発明は前記容器に充填される組成物をさらに提供する。この組成物は水銀化合物にZr-Al合金、Ti、Ta及びFeからなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の金属を混合して製造する。具体的に、本発明の組成物は(i)Ti 0.05〜5重量%、又はTa 0.05〜5重量%、又はTi及びTaをその含量の和が0.05〜5重量%となるように含み、(ii)Ti100-XHgX(X値は10以上60以下であり、望ましくは15以上50以下であり、より望ましくは20以上40以下である)の水銀化合物及びZr100-YAlY(Y値は10以上70以下であり、望ましくは20以上50以下であり、より望ましくは25以上45以下である)のZr-Al合金がZ:10-Z(Z値は5以上9以下)の重量比率で混合された混合物が残部を構成する組成物を提供する。また、本発明は該組成物にFe 0.05〜5重量%をさらに含む組成物を提供する。
Zrは最も普遍的に用いられている構成成分であり、耐腐食性が強く、不純ガス吸着能に優れた元素であって、空気中において下記反応式1及び反応式2のような発熱反応で不純ガスを化学的に除去する役割を行う。
[反応式1]
Zr + O2 → ZrO2
[反応式2]
Zr + 1/2N2 → ZrN
また、Alは高い電気伝導度及び熱伝導度を有し、加工性及び耐食性に優れた特徴を有する。
また、Tiは吸着効率をさらに高め、水銀放出率を増加させるとともに強い耐腐食性により組成物の酸化を防止する効果がある。Tiは0.05〜5重量%添加することが望ましい。0.05重量%未満の場合は耐腐食性の効果が得られず、5重量%を超えると費用対効果が下がり経済性がない。
また、Taは腐食防止に効果があるため組成物を安定化させ、下記の実施例を通じて証明されるように、水銀放出効果を高めることができる。しかも、Taは活性化温度を100℃降下させて低温活性化効果を高めることができる。Taは0.05〜5重量%添加することが望ましく、0.05重量%未満の場合は低温活性化効果が得られず、5重量%を超えるとTaは高価のため費用対効果が下がり経済性がないからである。すなわち、本発明では、組成物にTaを0.05〜5重量%添加することによって、550〜650℃の理想的な活性化温度で水銀放出を可能にした。したがって、電極損傷を最小化できるとともに、高価の高周波装備なしにランプ製造工程で用いている一般炉やガス火等を用いて製造できる利点がある。また、低温活性化を通じて水銀放出効果を高めることで水銀の量を正確に注入できるため高品質のランプを製造することができ、作業環境の汚染問題を最小化できるだけでなく、寿命になった廃ランプに残存する水銀量が殆どないため環境問題を解消することができる。
また、Feは熱と電気の両導体であって、組成物の活性化工程時に活性効率を高めることができる媒体の役割を担当する。組成物の容器の材料として鋼鉄、ニッケル又はニッケル処理された鉄が用いられた場合、容器の材料と殆ど類似する電気及び熱伝導度を有するFeを少量添加することによって、組成物活性化工程において熱及び電気の投入時にさらに円滑な熱伝導効果が得られる。しかし、組成物にFeが多量含有する場合、組成物の酸化を誘発して却って性能低下を生じうる。具体的に、Feは0.05〜5重量%添加することが望ましい。0.05重量%未満の場合は媒体の役割の増大効果が得られず、5重量%を超えると組成物の酸化を誘発して性能低下を生じうるからである。一方、Feは最も廉価で求めることができる鉱物であるため原材料コストの削減効果もある。
さらに、本発明はTaを0.05〜5重量%含み、Ti100-XHgX(X値は10以上60以下であり、望ましくは15以上50以下であり、より望ましくは20以上40以下である)の水銀化合物が残部を構成する組成物を提供する。また、本発明は該組成物にFe 0.05〜5重量%をさらに含む組成物を提供する。本発明はZr及びAlを添加しないことにより相対的なコスト削減の効果が得られ、Zr及びAlが添加された組成に比べて水銀放出率において殆ど同等な効果を示す。これは下記の実施例を通じて確認することができる。
一方、組成物は粉末の粒径が150μm以下のものが95%以上の形態で用いることが望ましく、実質的に全粒子の粒径が150μm以下のものがさらに望ましい。粉末の粒度が小さいほど粉末の比表面積が大きくなり、組成物の不純ガス吸着効率と水銀放出効果を高めることができる。粒径が150μmを超えると相対的に吸着効率が低下し、水銀放出効率も急激に低下する。また、粒子の大きさがあまりにも小さいと管理に困難が生じ容易に酸化されるおそれがある。組成物が酸化される場合、ランプに投入されても水銀放出及び不純ガス吸入という固有の役割を十分に行うことが出来なくなる。
[効果実験1:容器の材料に応じた水銀析出効果の比較]
図8及び表1は、組成物の容器の材料としてNiメッキ/Fe板/Niメッキの板材又はNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材を用いたそれぞれの水銀導入装置をランプ内に投入し、水銀放出工程後のランプ破壊実験を通じたランプ内不純ガス含量を測定した結果である。実験に用いられた装置の大きさ及び水銀含量は同じにし、高周波出力は4.3kVに固定した。図8及び表1に示すように、Niクラッド/Fe板/Niクラッドの板材を用いた水銀導入装置が、Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材を用いた水銀導入装置に比べてランプ内不純ガス含量が少なかった。
図9は、Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材とNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材の断面を例示したもので、Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材に比べてNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材におけるNi層がより厚く形成されている。
図10及び表2は、Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材とNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材をそれぞれ用いてEEFLを製造した後、水銀析出量の測定結果を示したものである。Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材を用いた場合に比べてNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材を用いた場合、水銀析出量の平均は2.92mgから3.90mgに増加し、水銀析出効率も60.14%から80.46%に増加した。
[効果実験2:容器の形状に応じた水銀放出効果の比較]
本発明の組成物を溝のない球形(81)、溝のない円筒形(82)、溝が非常に細い棒形(83)の容器及び図1に示す本発明に係る溝の幅が0.15mm〜0.6mmの容器(84)に充填した4つの水銀導入装置を製造して水銀放出効果を比較した。上記水銀導入装置をそれぞれ真空チャンバー内に導入し、チャンバー内の温度を10秒間900℃に上昇及び20秒間900℃に保つ誘導加熱処理後、水銀分析測定器で試料内の残余水銀を測定する方法で進め、水銀導入装置の形状に応じた水銀放出効率を図11に示した。図11によれば、球形(81)と円筒形(82)に比べて溝を有している棒形(83)と本発明の形状(84)が水銀放出効率が高く、溝が最も細く形成された棒形(83)に比べて、溝の幅が0.15mm〜0.6mmである本発明の形状(84)が高い水銀放出効率を呈した。
[効果実験3:組成物による水銀放出効果の比較]
Niクラッド/Fe板/Niクラッドの板材を断面が五角形の容器で成形した後、その内部に組成物を充填し、連続的に容器の両側壁の端部を折り薄い溝状の開口部を形成するようにし、図1に示すようなワイヤの形で製造した後、一定の形態に切断して水銀導入装置を準備した。該水銀導入装置は、側面が1.13×0.9mmであり、4.5mmの長さを有する。水銀の含量は水銀導入装置の長さ1mm当たり1.02mg(すなわち、1.02mg/mm)となるように統一した。水銀放出試験は該水銀導入装置を真空チャンバー内に導入し、チャンバー内の温度を10秒間900℃に上昇及び20秒間900℃に保つ誘導加熱処理後、水銀分析測定器で試料内の残余水銀を測定する方法で進めた。各試料内の放出された水銀量は%単位で比較して表3に示した。
上記表3によると、比較例1はTi-Hg化合物及びZr-Al合金のみから構成された組成物を用い、実施例1は比較例1の組成にTaを2重量%添加した組成物を用いて水銀放出率を測定したものである。Taを2重量%さらに添加した実施例1において水銀放出率が4%増加した。実施例2は比較例1の組成においてZr及びAlの含量を減らし、Tiをさらに2重量%添加した場合である。Tiをさらに添加することによって、水銀放出率が比較例1より1%増加した。実施例3は実施例2の組成にTaをさらに2重量%添加した場合である。実施例2に比べてTaの添加により水銀放出効率が4%増加した。また、実施例1及び実施例3を比較すると、Taを2重量%含んでいる組成においても、Zr及びAlの含量を減少させてTiをさらに2重量%添加することで水銀放出効率が増加した。実施例4は比較例1の組成にFeを1重量%添加した。実施例4は比較例1に比べて水銀放出率が2%増加した。実施例5及び実施例6は比較例1の組成に、それぞれTaを2重量%ずつ添加し、Feを同時に少量添加して組成物を製造した場合である。この場合、水銀放出率が比較例1に比べて6〜7%より増加した。比較例2はTi及びHgのみで組成物を製造した場合である。実施例7は比較例2の組成にTaのみを2重量%添加した。実施例7は比較例2に比べて水銀放出量が7%増加した。実施例8は比較例2の組成にTa及びFeを少量添加した場合であって比較例2に比べて水銀放出率が9%増加した。また、実施例7のTaのみ添加した場合よりも実施例8のようにTa及びFeを同時に添加した場合が、水銀放出率がさらに高かった。実施例7〜8はZr及びAlを添加せず、Ti及びHgにTa又はTa及びFeを同時に添加して相対的なコスト削減効果を得ようとし、比較例1と比較したとき水銀放出率に大きな差異がなかった。
上述のように、本発明に係る、好ましい実施例を説明したが、本発明は、上記した実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば種々変更実施可能である。
本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第一例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第二例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第三例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第四例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第五例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第六例を図示するものである。 本発明の組成物の容器を表した水銀導入装置の第七例を図示するものである。 EEFLランプ破壊実験を通じたランプ内不純ガスの含量を測定した結果を図示するグラフである。 Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材とNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材の断面形状の例を図示するものである。 Niメッキ/Fe板/Niメッキの板材とNiクラッド/Fe板/Niクラッドの板材による水銀析出量の測定結果を図示するものである。 水銀導入装置の形状に応じた水銀放出効率を比較図示するグラフである。
符号の説明
10 水銀導入装置
11 組成物
12 組成物の容器
13 組成物の容器の端部
13’ 組成物の容器の端部
14 溝
81 溝のない球形の水銀導入装置
82 溝のない円筒形の水銀導入装置
83 溝が非常に細い棒形の水銀導入装置
84 水銀導入装置

Claims (10)

  1. Hg化合物が含まれた組成物及び該組成物の容器を含む水銀導入装置であって、
    該容器はFeからなる板の両面にNiからなるクラッド金属を積層して形成される、上部Niクラッド/Fe板/下部Niクラッドの3層構造を有する板材からなり;
    該板材の全厚さは0.05〜0.4mmであり、上部及び下部のNiクラッド層の厚さはそれぞれ1.0〜20μmであり;
    該容器は溝又はスリット形態の開口部を有することを特徴とする、蛍光ランプに水銀を導入するための水銀導入装置。
  2. 上記開口部の幅は0.15mm〜0.6mmであり、深さは0.1mm〜0.6mmであることを特徴とする、請求項1記載の水銀導入装置。
  3. 上記容器が長手方向に沿って同一の断面形状及び断面積を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の水銀導入装置。
  4. 上記組成物は、
    (i)Ti 0.05〜5重量%、又はTa 0.05〜5重量%、又はTi及びTaをその含量の和が0.05〜5重量%となるように含み;
    (ii)Ti100-XHgX(X値は10以上60以下)の水銀化合物とZr100-YAlY(Y値は10以上70以下)のZr-Alの合金がZ:10-Z(Z値は5以上9以下)の重量比率で混合された混合物が残部を構成することを特徴とする、請求項1又は2記載の水銀導入装置。
  5. 上記組成物がFeを0.05〜5重量%さらに含むことを特徴とする、請求項4記載の水銀導入装置。
  6. 上記組成物がTaを0.05〜5重量%含み、Ti100-XHgX(X値は10以上60以下)の水銀化合物が残部を構成することを特徴とする、請求項1又は2記載の水銀導入装置。
  7. 組成物がFeを0.05〜5重量%さらに含むことを特徴とする、請求項6記載の水銀導入装置。
  8. 請求項1記載の水銀導入装置により水銀が導入されたことを特徴とする、蛍光ランプ。
  9. 請求項1記載の水銀導入装置を含むことを特徴とする、蛍光ランプ。
  10. 上記蛍光ランプは外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)又は冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)であることを特徴とする、請求項8又は9記載の蛍光ランプ。
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