JP2009175055A - 粉体の付着力測定装置及び方法 - Google Patents

粉体の付着力測定装置及び方法 Download PDF

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浩之 杉山
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Abstract

【課題】粉体間に働く付着力を測定するために風圧を徐々に変化させそれぞれの風圧に対応した飛翔したトナーの質量を求めることで、静電的な付着力と非静電的な付着力を区別することなく粉体間の付着力を測定する粉体の付着力測定装置及び方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも一種類の磁性粒子と一種類以上の微粒子の混合物からなる粉体の付着力を測定する粉体の付着力測定装置において、前記粉体を磁気的に捕捉し、且つ内面にメッシュ2bを張った円筒状のブローオフセル2と、該ブローオフセル2と一定の距離に保たれるエア噴出装置4と、を備え、該エア噴出装置4からのエア圧を段階的に強め、風力により前記磁性粒子から離脱した微粒子の質量を前記エア圧毎に測定する粉体の付着力測定装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉体の付着力測定装置及び粉体の付着力測定方法に関し、とくに電子写真に用いられる粉体の付着力測定装置及び粉体の付着力測定方法に関するものである。
粉体を扱う分野では様々な特性値を把握することが重要であり、粉体や粒子に働く相互作用力、付着力は粉体を取り扱う工業分野全般において重要である。粉体の付着力を測定する方法としては付着している物体から粉体を分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的である。
粉体を物体から分離させる方法としては遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界及び磁界を用いた方法が知られており、従来から、粉体と物体の間に働く相互作用や付着力の測定装置や方法は幾つか提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、粉体間の付着力の測定例は少なく、微粒子に作用する力が極めて微弱であることや粒子径が小さいほど搬送や操作が困難であること、そして分子間の相互作用、静電気力、磁気力などの物理力や温度、湿度などの周辺環境など多くの因子により影響を受けることが微粒子間の付着力測定を困難にしている。
一方、電子写真方式で用いるトナー画像の現像プロセスではトナーを静電力により拘束するため現像には静電的付着力が重要である。静電的な作用力はファンデルワールス力などの分子間力に比べ極めて大きく、測定環境下において作用する液架橋力などの非静電的付着力に比べて遠方まで作用するため、現像には静電気力が支配的である。
これに対し、特許文献1の技術には、静電的な粉体間の付着力測定として作用力を見積もる測定方法が示されており、静電的付着力による現像を考察することには適している。
一方で、これまでに粉体間の非静電的付着力を測定する装置も提案されており、特許文献2の技術には、転写後のトナーの飛び散りなどを考慮し遠心力により非静電的付着力を測定する手法が挙げられている。しかしここでも非静電付着力は静電付着力に対して非常に弱く静電的な付着力と切り離されて考えられていた。
特開2003−98065号公報 特許第3670134号
しかしながら、特許文献1の技術では静電的付着力について正確に見積もることができるが、非静電的付着力については評価することができない。また、特許文献2の技術では非静電付着力は静電付着力に対して非常に弱く静電的な付着力と切り離されて考えられていた。
このように粉体間の付着力測定については静電的付着力、非静電的付着力を別々に測定する方法が示されてきた。しかし、最近では添加剤の技術の向上、重合トナーなどの出現により、静電的付着力により現像されるトナー量などを制御する技術が発展し、トナーの非静電的な付着力変化による現像の変化が議論されるようになっており、静電的、非静電的付着力を同時に測定しなくては現像の現象を評価するのは困難である。
電子写真のように電荷を帯びた粉体に対して適応する場合、現像には非静電的な付着力と静電的な付着力を両方ともコントロールすることが重要である。それにも拘わらず、その両方の付着力を同時に測定し現像の現象を評価することができる測定方法はなかった。また、従来の評価方法では測定や解析に手間が掛かり、トナーの多種の条件や状態に対して付着力の値や差を比較することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、粉体間に働く付着力を測定するために風圧を徐々に変化させ、それぞれの風圧に対応した飛翔したトナーの質量を求めることで、静電的な付着力と非静電的な付着力を区別することなく粉体間の付着力を測定する粉体の付着力測定装置及び方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも一種類の磁性粒子と一種類以上の微粒子の混合物からなる粉体の付着力を測定する粉体の付着力測定装置において、前記粉体を磁気的に捕捉し、且つ内面にメッシュを張った円筒状のブローオフセルと、該ブローオフセルと一定の距離に保たれるエア噴出装置と、を備え、該エア噴出装置からのエア圧を段階的に強め、風力により前記磁性粒子から離脱した微粒子の質量を前記エア圧毎に測定することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、各エア圧で離脱した質量の他に、離脱した微粒子が持っていた電荷の測定も併せて行なうも併せて行なう請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記離脱した微粒子の質量は、前記エア噴出装置から一定の風圧を吹きつけながら、前記ブローオフセルと前記エア噴出装置の距離を遠い位置から段階的に近づけて測定される請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記粉体からなる微粒子の測定サンプルは、微細なスリットやメッシュを張った密閉セルである前記ブローオフセル内に捕捉され、且つ閉じ込められる請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記エア噴出装置によってエアを吹き付ける前記ブローオフセルの下流側には、微粒子を離脱させるためにエアを吸引するエア吸引装置が設けられる請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、各段階のエア圧で毎回測定する微粒子を入れ替え、離脱したトナー量の総量を測定する請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記エアの噴出が、現像剤を均等にエアに当てるために外周部から内側に向かって円弧を描くように動作する請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、現像剤の凝集によるスリットの目詰まりや圧縮を防ぐためにエア圧の各段階において超音波や物理的振動により前記ブローオフセル内の現像剤を攪拌させる請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記エアは前記ブローオフセル内の前記メッシュに吹き付けられる請求項4記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記ブローオフセルが、ステンレスなど導電性材質から形成される請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、前記エア噴出装置で使用するエアは圧縮した乾燥エアである請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、前記ブローオフセルの前記メッシュの目開きは、少なくとも測定するトナー粒径よりも大きく、キャリア粒径よりも小さい請求項1記載の粉体の付着力測定装置を特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、少なくとも一種類の磁性粒子と一種類以上の微粒子の混合物からなる粉体の付着力を測定する粉体の付着力測定方法において、前記粉体をメッシュが張られた円筒状のブローオフセル内で磁気的に捕捉し、該ブローオフセルとエア噴出装置の距離を一定に保ち、エア圧を段階的に強め、風力により前記磁性粒子から離脱した微粒子の質量を前記エア圧毎に測定する粉体の付着力測定方法を特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、段階的な各エア圧を前記ブローオフセルに当てる手順では、始めに弱いエアを当てて慣らし、その後に所定圧のエアを当てて現像剤からトナーを引き離すことを段階的に繰り返す請求項13記載の粉体の付着力測定方法を特徴とする。
本発明によれば、粉体間に働く付着力を測定するために風圧を徐々に変化させそれぞれの風圧に対応する飛翔したトナーの質量を求めることで、静電的な付着力と非静電的な付着力を区別することなく粉体間の付着力を測定することができる。また、電荷を同時に測定することで電子写真による現像に寄与するトナー量と付着力の関係を考察することができる。
測定で電界を使用しない簡易な構成により微粉体間の付着力を簡易に求めることができ、また、これまでに困難であったトナー−キャリア間の付着力を見積もることを可能にする。
また、本発明によれば、トナー−キャリア間の付着力変化による画像濃度変化などの現像量が変化に対して静電的な付着力、非静電的付着力によるものかを判断することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の粉体の付着力測定装置における測定セルであるブローオフセルの一例を示す概略斜視図である。図1に示すように、ブローオフセル(測定セル)2は、被測定試料である2成分現像剤を入れる、例えば、ステンレスから作られる円筒状の導電性容器(セル)2aを含んでいる。
この導電性容器(セル)2aの上下に所定の開口長さで所定の開口率の導電性メッシュ(例えば、#635メッシュ、開口20μm、開口率25%)2bを取り付けている。この導電性メッシュ2bに代えて微細なスリットとすることもできる。
円筒状の導電性容器2aと導電性メッシュ2bが電気的に互いに導通し、導電性メッシュ2bの開口を除けば、円筒状の導電性容器2aと導電性メッシュ2bの内部が閉空間をなしており、例えば、容積は約1cmである。
図2は本発明による粉体の付着力測定装置であるブローオフ装置の第1の実施の形態の基本構成を示す概念図である。図2のブローオフ装置Aにおいて、導電性メッシュ2bを有しているブローオフセル2は、これを他から電気的に絶縁状態でかつ略水平になる状態でホルダ1内に支持される。このホルダ1は樹脂等の絶縁体で形成されていて、円筒状胴部1bの上に円形台状の保持部1aを固定した形状になっている。
ブローオフセル2が載置される円形台状の保持部1aの一部にはブローオフセル2とエレクトロメータ7を電気的に接続するための触針1cが付いている。また、図示しないが、場合によってはホルダ1とブローオフセル2を被うシールド(パンチメタル等)が設けられてもよい。
このホルダ1の保持部1aの中央部には円筒状胴部1bの中空部に連通する開口が設けられており、円筒状胴部1bの他端側に連結されたエア吸引装置3のホース部3aを介してブローオフセル2の下方からエアを吸引できるようになっている。
なお、エア吸引装置3には、エアクリーナやその他の排気(吸引)装置が利用でき、エア吸引装置3の電源電圧の可変手段、又はエアバイパスを設けることにより吸引力(吸引圧)を変えられるようになっている。
ホルダ1に保持されたブローオフセル2の上方には、このブローオフセル2の上方から導電性メッシュ2b面にエアを吹き付ける手段としてのコンプレッサであるエアブローワ4のノズル4aが配置されている。
また、このエアブローワ4のノズル4aの支持部(図示せず)には、ブローオフセル2の導電性メッシュ2b面に対してノズル4aを回転(旋回)させかつエアジェットが導電性メッシュ2b面をスイープするようにするための回転(旋回)機構4bと、ノズル4aを上下に移動してノズル4aとブローオフセル2の導電性メッシュ2b面との距離を変えることができるようにするエアノズル接離(高さ変更)機構4cとが設けられており、上方からのエアの吹き付け圧や吹き付け位置を変更できるようになっている。
なお、ホルダ1の円筒状胴部1bにはゴムチューブ等を介して水銀マノメータ5が接続されており、エア吸引力(圧力)が測定できるようになっている。また、エア吸引装置3の吸引力調整手段(図示せず)、エアブローワ4、及びノズル4aの移動機構(旋回、接離機構)4b、4cはコントローラ6により制御されるようになっている。
図2に示す構成のブローオフ装置Aでは、エア吸引装置3による吸引圧を、水銀マノメータ5を用いて測定している。そして、コントローラ6により測定者が手動で吸引圧のレベル調整やエアジェットを吹き付ける強さをノズル4aの高さを変えて調整している。また、ノズル4aはブローオフセル2の導電性メッシュ2b上で旋回し、エアジェットを満遍なく導電性メッシュ2bに吹き付けることができるようになっている。
従って、上記ブローオフセル2内にトナーとキャリアとからなる2成分現像剤の試料を入れ、エア吸引装置3によりブローオフセル2の下方からエアを吸引し、かつブローオフセル2の上方からエアブローワ4のノズル4aによってエアを吹き付けることにより、ブローオフセル2の上方から下方に向かう気流を生じさせることができる。
この気流によってトナーをキャリアから分離し、吸引圧によりトナーのみをブローオフセル2の導電性メッシュ2bを介してブローオフセル2外に取り出すことができる。この時、エアの吹き付けと吸引とが同時に行なわれているため、ブローオフセル2内を気流が一方向に流れ、トナーを周囲にまき散らすことがない。
ブローオフセル2の導電性メッシュ2bの目は、トナーは通過できるが、キャリアは通過できない大きさとなっている。従って、エアブロー(エアの吹き付け)によって分離した帯電トナーは上述したように導電性メッシュ2bの目を通過してエア吸引装置3により吸引されるが、キャリアはブローオフセル2内に残る。
従って、エア吸引装置3によって吸引したトナーの量、あるいはエアブロー後のブローオフセル2内のキャリア重量を計測することにより、トナー濃度が測定できる。また、ブローオフセル2は、ホルダ1の保持部1aにより導電性メッシュ2bが略水平になる状態で他から電気的に絶縁状態に支持されている。
このため、エアブロー後のブローオフセル2内のキャリアには、帯電トナーが持ち去ったと等量で逆極性の電荷Qが残る。従って、エアブロー前後のブローオフセル2に流入する電荷量あるいはブローオフセル2から流出する電荷量を測定する。
すなわち、エレクトロメータ7によりエアブロー前後のブローオフセル2の電位の変化を測定すれば、これにブローオフセル2とグランド間の静電容量を掛けることで、エアブローでトナーによって持ち去られた電荷量qを知ることができる。そして、この電荷量qをエアブロー前後のブローオフセル(現像剤込み)2の重量差で割ることでトナーの比帯電量(の平均)q/mを求めることができる。
図3は本発明による粉体の付着力測定装置であるブローオフ装置の第2の実施の形態の基本構成を示す概略概斜視図である。図4は図3に示すブローオフ装置のブローオフセルの周囲の基本構成を示す断面図である。
図3及び図4に示すブローオフ装置の第2の実施の形態では、X−Yテーブル8上に密閉構造のアルミ(Al)製のボックス9が載置されており、アルミ製ボックス9の上面に絶縁体(例えば、PTFE樹脂等)よりなる円筒状のホルダ1が固定されている。
このアルミ製ボックス9の上面には開口9aが設けられ、ホルダ1の中空部と連通されている。また、アルミ製ボックス9の一側面には吸引口9bが設けられており、この吸引口9bにはエアクリーナ等のエア吸引装置(図示せず)に至るホース3aが接続されている。
さらに、アルミ製ボックス9はベース9cを有し、このベース9cの下にはゴム足9dが配置されている。なお、アルミ製ボックス9、ホルダ1、ブローオフセル2等は、四方をシルード部材11によって囲われている。
ホルダ1の上面部にはブローオフセル2が保持されており、このブローオフセル2は、図4に示すように、被測定試料である2成分現像剤を入れる筒状の導電性容器2aと導電性メッシュ2bを含んでいる。この筒状導電性容器2aの上下に所定の開口長さで所定の開口率の導電性メッシュ(例えば、#635メッシュ、開口20μm、開口率25%)2bを張り、導電性容器2aと導電性メッシュ2bが電気的に互いに導通し、導電性メッシュ2bの開口を除けば導電性容器2aと導電性メッシュ2bの内部が閉空間をなしているものである。
また、ホルダ1の上面部には、ブローオフセル2とエレクトロメータ7を電気的に接続するための接触子(図3には1つ(1c)だけ示している)が三箇所に設けられており、エレクトロメータ7によりブローオフセル2の電位を計測することができる。
また、ホルダ1の側壁には小径の孔1d(図4)が穿設されており、この孔1dには硬質のゴムチューブ5a(図4)が接続されおり、このゴムチューブ5aの他端側は電子式のマノメータ(図示せず)に接続されている。従って、ブローオフセル2下方の吸引圧が電子式のマノメータにより計測される。
このマノメータの検出信号を、例えば、図2に示したようなコントローラにフィードバックすることにより、エア吸引装置による吸引圧の自動制御を行なうことができる。すなわち、エア吸引装置の電源部にスライダック等の可変電源を用い、マノメータの検出信号に応じてコントローラで可変電源を制御すれば吸引圧の制御が可能となる。
ホルダ1に保持されたブローオフセル2の上方には、ブローオフセル2の上方からエアを吹き付ける手段としてのエアブローワのノズル4aが配置されている。なお、図ではノズル4aの部分のみを図示しており、このノズル4aはゴムチューブ4dを介してエアブローワに接続されているが、エアブローワの図示は省略している。
このエアジェット吹き付け用のノズル4aは、このノズル4aを上下に移動するための接離機構10に支持されており、ブローオフセル2の導電性メッシュ2b面との間隔を変えられるようになっている。
また、ホルダ1が固定されたアルミ製ボックス9のベース部はX−Yテーブル8上に載置されているため、鉛直にエアジェットを吹き付けるノズル4aに対して水平方向にブローオフセル2を相対運動することができる。なお、ノズル4aの接離機構10や、X−Yテーブル8の移動機構はコントローラ(図示せず)によって自動制御することができる。
上述した、本発明によるブローオフ装置Aの第1及び第2の実施の形態を略述すれば、ブローオフ装置Aは、導電性の筒2aの上下に導電性メッシュ2bを張り、導電性の筒2aと導電性メッシュ2bが電気的に互いに導通し、該導電性メッシュ2bの開口を除けば、導電性の筒2aと導電性メッシュ2bの内部が閉空間をなしているブローオフセル2を含んでいる。
また、ブローオフ装置Aは、ブローオフセル2の導電性メッシュ2bが略水平になる状態で他から電気的に絶縁状態に支持する手段(ホルダ)1と、ブローオフセル2の下方からエアを吸引する手段(エア吸引装置)3と、ブローオフセル2の上方からエアを吹き付ける手段(ブローワ)4とを有している。
エアを吹き付ける手段4は、導電性メッシュ2bの一部にエアを吹き付けるノズル4aを有し、このノズル4aと導電性メッシュ2bとが、互いの距離を維持したまま相対的に移動でき、導電性メッシュ2b全体にエアを吹き付けることができることを特徴としている。
ブローオフセル2内にトナーとキャリアとからなる2成分現像剤を入れ、ブローオフセル2の下方からエアを吸引し、かつブローオフセル2の上方からエアを吹き付けることにより、トナーとキャリアとを分離し、吸引手段3によりトナーのみをブローオフセル2外に取り出すことができる。
この時、エアの吹き付けと吸引とが同時に行なわれているため、ブローオフセル2内を気流が一方向に流れトナーを周囲にまき散らすことがない。とくに、下方からのエア吸引を開始し、一定時間経過後に上方からのエアの吹き付けを開始するようにすれば、トナーの飛散が防止され確実にトナーを吸引することができる。
ブローオフセル2の導電性メッシュ2bの目は、トナーは通過できるが、キャリアは通過できない大きさとなっており、エアブローによって分離した帯電トナーは上述したように導電性メッシュ2bの目を通過して吸引手段3により吸引されるが、キャリアはブローオフセル2内に残る。
従って、吸引手段3によって吸引したトナーの量、あるいはエアブロー後のキャリア重量を計測することにより、トナー濃度を測定できる。また、ブローオフセル2は、支持手段であるホルダ1により導電性メッシュ2bが略水平になる状態で他から電気的に絶縁状態に支持されているため、エアブロー後のブローオフセル2内のキャリアには、帯電トナーが持ち去ったと等量で逆極性の電荷Qが残る。
従って、エアブロー前後のブローオフセルの電位の変化を測定すれば、これにブローオフセル2とグランド間の静電容量を掛けることで、ブローでトナーによって持ち去られた電荷量qを知ることができる。
図5はブローオフ装置の動作例を示すタイミングチャートである。図3及び図4に示した第2の実施の形態のブローオフ装置を用いた測定時の動作例について説明する。
第1の動作例を示す図5において、t0〜t10の動作は次の通りである。
t0:図示してないスタートボタン「オン(ON)」(ノズル4aがホームポジションから降下し、エア吸引開始し、動作中、コントローラのインジケータ点灯)。
t1:ノズル4aの設定高さがh3に到着。
t2:エアブローワ「オン(ON)」(3秒:この時間はエア吸引安定所要時間に応じて変更可能)。
t3:X−Yテーブル8の渦巻き運動(図8で後述)A→B開始(t2と同時でも可)。
t4:X−Yテーブル8の渦巻き運動A→B終了。
t5:ノズル4a再降下開始。
t6:ノズル4aの設定高さがh5に到着。
t7:X−Yテーブル8の渦巻き運動B→A開始(t6と同時でも可)。
t8:X−Yテーブル8の渦巻き運動B→A終了。
t9:ノズル4a上昇開始、エアブローワ及びエア吸引装置オフ(OFF)。
t10:ノズル4aがホームポジションに到着、動作中、インジケータ消灯。
なお、上記の動作例でエアノズル4aの高さh3,h5は予め設定された値である。
さて、この第1の動作例では、t0でスタートボタンを押したと同時にエアの吸引を開始する。また、エアノズル4aが所定の高さに向かって移動を開始する。次に、t1でエアノズル4aは所定の高さh3に達するがエアブローは行なわれない。そして、t2(エア吸引圧が所定の値に達した後)でエアブローを開始する。すなわち、この第1の動作例では、ブローオフセル2の下方からのエア吸引を開始し、一定時間経過後に上方からのエアの吹き付けを開始するものである。
トナー濃度が高い現像剤を試料として吸引とエアブローを同時に行った場合は、現像剤の表面にトナーが多く存在する状態でエアが吹き付けられることになる。しかし、一般に吸引より吹き付けがより早く立ち上がり、場合によっては吹き付けられたエアが現像剤層で跳ね返されてトナーを舞い上げることがある。
これは機械装置の周囲を汚すだけでなく、計測作業を行なう人の健康を阻害することも考えられる。従って、この第1の動作例のように、吸引側を先にスタートさせ、吸引圧が十分高くなり、吸引のみで収集できるトナーは現像剤から取り去った状態でブローを開始することにより、トナーが飛散するのを防ぐことができる。
ブローオフ装置を用いた場合の、風力を段階的に変化させるための技術として、エアノズルからのエア圧、吸引圧、エアノズルの高さの3種類の技術が挙げられる。次に、エアノズルの高さを段階的に変化させ、吸引力とエアノズルのエア圧を固定した例について説明する。
ブローオフ装置は、特定のエア圧、吸引圧、エアノズルの高さにおいてブローオフセル(測定セル)内の現像剤からトナーを全て離脱させる設計となっている。これに対して、本実施の形態ではエアノズルからのエア圧の設定は変更しないこととした。本実施の形態ではエアノズルからのエア圧は0.24Mpaに調整された圧力調整弁からのエアによりブローオフセルに吹き付ける。
吸引力としては、本実施の形態ではマノメータによる調整により0.1Mpaで吸引することが通常のブローオフとして設定されているが、吸引圧の吸引のみでトナーがキャリアから離脱しないような設定値とすることが望ましい。
望ましくは吸引力ゼロであるが、本実施の形態では装置の構成上吸引を行なわなくてはエアノズルからのエア圧により離脱したトナーがブローオフセルの外側に出ないため、弱めの設定である0.01Mpaに設定し吸引を行なった。その吸引圧の設定は、弱めの設定値が任意の値であるため、以下の手順を行なうこととする。
吸引圧の変更はエア吸引装置(バキュウムクリーナ等)の駆動電圧を変化させて吸引圧を変えている。トナーがキャリアから離脱することの影響を考慮するために、始めに、ブローオフ装置においてエアノズルを最も遠い距離(最も高い高さ)h0に設定し、ブローオフ(吹き付け)を行なう。
その後、測定サンプルについて重量を測定し、これにより離脱したトナー質量を求めておく。この状態をスタート条件とし、設定したエアノズル高さh1から順に測定を開始する。
エアノズル高さとしては、最終的なエアノズルエア圧で全てのトナーが離脱するように最終の高さhLはブローオフセル(測定セル)に最も近い位置に固定する。吸引力を弱めているため、最後に測定サンプルを通常条件でブローオフ装置にて残存トナー質量を測定したが皆無であったため、本実施の形態で最終の高さによりトナーが全て離脱していると判断した。
ここで本実施の形態で使用したエアノズル高さについて記載する。本実施の形態では高さを最もブローオフセルに近い位置をhL、最も遠い位置をh0としている。前記hLとh0の間を8区間に分け、遠い側から順番にh0、h1、h2、h3、h4、h5、h6、h7、hLとした。
本実施の形態では装置の制限もあり、区間を現像剤の状態やブローオフセルに合わせて任意に設定している。実際には最も詳しく知りたい領域を重点的に区分けする、又は区画数を細分化して増やすことが望ましい。
ここで本実施の形態の手順を示す。まず、ブローオフセルの重量を測定後、吸引圧のみで測定する。次に、ブローオフセルの重量を測定後、エアノズルの高さをh1で以下の動作例2のようにブローオフを行なう。その後、ブローオフセルの重量を測定後、エアノズルの高さをh2、h3・・・の順番で以下の第2の動作例を繰り返す。これにより各段階のエア圧と離脱したトナー質量の関係を求めることができる。
(動作例2)
図6はブローオフ装置の第2の動作例を示すタイミングチャートである。この動作例は、エア吸引圧は一定とし、ノズル高さをh1、h2、h3、h4、h5・・・のように段階的に変化させて動作を繰り返し行なった場合の例である。図6において、t0〜t11の動作は次の通りである。
t0:スタートボタン“ON”(ノズルがホームポジションから降下・エア吸引開始、動作中コントローラのインジケータ点灯)。
t1:ノズル設定高さhi(i=1、2、3、4、5・・・)に到着。
t2:エアブロー“ON”(3秒:エア吸引安定所要時間に応じて変更可能)。
t3:X−Yテーブル渦巻き運動A→B開始(t2と同時でも可)。
t4:X−Yテーブル渦巻き運動A→B終了。
t7:X−Yテーブル渦巻き運動B→A開始(t4と同時でも可)。
t8:X−Yテーブル渦巻き運動B→A終了。エアブロー“OFF”、エア吸引装置のスライダック駆動(減圧)開始。
t9:ノズル上昇開始、エア吸引“OFF”。
t10:ノズルがホームポジションに到着。
t11:スライダック出力電圧0V位置で停止、動作中インジケータ消灯。
この第2の動作例では、t0でスタートボタンを押したと同時にエアの吸引を開始する。また、ノズルが所定の高さに向かって移動を開始する。そして、t1でノズルは所定の高さに達するが、エアブロー(エア吹き付け)しない。そして、t2(エア吸引圧が所定の値に達した後)でエアブローが開始される。
なお、この第2の動作例ではノズル高さをh1から段階的に変え、エア吹き付け圧を変化させているが、hi(i=1、2、3・・・)はコントローラの操作パネルで設定(変更)可能である。また、ノズルの高さを変える代わりに、ノズルへのエア供給路に圧力調整弁を用いて吹き付け圧を直接調整しても良い。
本発明により重要なことは、エアの強さと離脱したトナー量を測定できなくてはならない。そこで、エアノズルの高さを変化させた時、各高さでのエア圧を測定する必要がある。ブローオフセルの位置に圧力計測器(図示せず)を置き、各高さでのエアノズルからのエア圧を測定する等により測定を行なうことでエア圧を測定可能である。
図7はエア圧とブロー距離の関係をグラフで示す図である。距離ゼロにおいて、0.24Mpaに調圧されたエアをエアノズルから照射したデフォルト条件でのエア圧を1とした時、各距離でそれぞれのエア圧は図7のようになった。小型の円形のブローオフセルであるためブロー(吹き付け)距離が離れるに連れて急激にエア圧が弱まっている。
従って、本実施の形態ではブロー距離と離脱トナー質量を求めれば、エア圧とトナー−キャリア間の付着力の関係を求めることが可能であるといえる。以後の実施の形態では、多様な条件での現像剤種類の比較により本発明の有用性を示すが、ブロー距離と離脱トナー質量を測定し、エア圧とトナー−キャリア間の付着力について考察している。
第2の動作例では、ブロー圧の弱い時は帯電量の少ないトナーのみが吹き飛ばされ、ブロー圧を上げるに従って、より高い帯電量のトナーを吹き飛ばすことができる。
従って、所定のブロー圧で吹き飛ばし、吸引できたトナーの重量を計り、かつその時の電荷の流失(又は流入)量を、ブロー圧の低い所(h1)から徐々にブロー圧を上げながら繰り返しエレクトロメータで計ることにより、現像剤中のトナーの帯電量と帯電量分布を概略して知ることができる。
次に、図3及び図4の構成のブローオフ装置Aを用い、X−Yテーブル8を移動して、ブローオフセル2に張ったメッシュ2b表面全体に略一定量のエアが吹き付けられるようにブローオフセル2とノズル4aの相対位置を変化させる場合の動作例を示す。
図8はブローオフセルに対するエアノズルのXY平面での軌跡(相対位置)を示す図である。図8において、Aの位置(0,16)は渦運動の開始点で、Bの位置(16,0)が終点である。
ブローオフセル2の導電性メッシュ2b面の直径をφ25とすると、Aの位置(0,16)は導電性メッシュ2b面の外側に在る。一般に、圧搾ガスをタンクに蓄え、弁の開閉でエアブローを制御する装置では、エアブローを開始した直後の流速は安定時の流速より大きい。
つまり、突出現象がある。従って、設定圧はこのAの位置で開始するようにしている。このようにすることで、エアの突出によりブローオフされるトナーの帯電量が場所により変化するのを防ぐことができる。
エアノズル4aとX−Yテーブル8の相対運動の線速度は一定であり、軌跡間の距離はほぼ一定である。また、戻り、すなわち、中心から外側へ向かう時の軌跡は、往き、すなわち、外側から中心へ向かう時の軌跡のほぼ中心を通る。
前述の図5及び図6のタイミングチャートで内巻きとしたのは往きの外側から中心へ向かう時の動きを表し、外巻きとしたのは戻りの中心から外側へ向かう時の動きを表している。さらに、位置AからBへの動きのみでなく、位置BからAへの動きもある。
この位置Bから位置Aへは図8の軌跡をY=Xの直線で鏡面反転した軌跡に従って移動する。なお、本実施の形態ではX−Yテーブル8を用いてブローオフセル2を動かしているが、図2の構成例で述べたように、エアノズル4aの方を旋回機構で動かしても良い。
本実施の形態を行なう上で懸念されることとして現像剤の凝集がある。これはブローオフセル2の円筒状の導電性容器2aの下方の導電性メッシュ2b側に各段階のエアが吹き付けられ、現像剤が圧縮され、トナーが離脱しにくくなる現象である。
現像剤の凝集を防ぐために、各段階のエア圧での吹き付け手順間にブローオフセル(測定セル)2を振動させ、現像剤を攪拌することが挙げられる。ブローオフセル2をセットする台(ホルダ)1上に図示していない超音波振動装置のような装置を組み付ける等でも良いが、本実施の形態ではX−Yテーブル8を1cm幅で小刻みに振動させることで対策とした。その振動数は2.5Hz程度で十分な効果が得られた。それ以上の強い振動を与えるとますます良い。
上記超音波振動装置を設けなくとも、各段階のエア圧で毎回測定する微粒子を入れ替え、離脱したトナー量の総量を測定する方法とした。前記方法との変更点は、まず、セルの重量を測定後、吸引圧のみでエアブロー後セルの重量を測定する。
次いで、ブローオフセル中のブローした現像剤から新しい現像剤に入れ替えの重量を1の開始と同量に合わせる、エアノズルの高さをh1で前記の第2の動作例のようにブローオフを行なう。その後、ブローオフセル中のブローした現像剤から新しい現像剤に入れ替えの重量を1の開始と同量に合わせた後、エアノズルの高さをh2、h3・・・の順番で第2の動作例2を繰り返す。
これにより各段階のエア圧と離脱したトナー質量の関係を求めることができる。前述した現像剤を入れ替えない手法と合わせるならば、各段階のエア圧でブロー後の離脱トナー質量の重量差を各エア段階でプロットすれば同一の結果となる。この手法によりどのエア圧でブローする時もブローオフセル中の現像剤を同じ状態でブローできるため、現像剤の凝集を無視できる。
また、送風するエアとしては乾燥していないと現像剤に水分が含まれ、非静電的な付着力の増加や静電的付着力の低下が懸念されるためエアコンプレッサに送るエアをエアドライヤ(図示せず)で乾燥させた。
粉体の付着力測定装置の実施の形態において、粉体間付着力測定装置は、図示してないが、測定セル、秤、エアコンプレッサ、エアドライヤ、エレクトロメータから構成される装置である。
エアコンプレッサをエアドライヤにより乾燥したエアを出力するように、かつ、ブローオフセル(測定セル)2(図1)とコンプレッサの距離を段階的に調整できるように設置する。また、秤はブローオフセル2の重量変化量を適時に測定できるように設置し、エレクトロメータはブローオフ2のステンレス部に接続し、トナーが離脱した時の電荷損失を測定できるようにしている。
ブローオフセル2の中にトナーとキャリアの混合物を0.3g閉じ込め、ブローオフセル2とコンプレッサの距離を或る一定の距離で固定する。エアドライヤにより乾燥させたエアをエアコンプレッサにより一定の圧力で送り出し、離脱したトナー質量をブローオフ2ごとに測定し、エア照射前後の質量変動を測定する。同時にエレクトロメータによりトナーが離脱したときの電荷消失量を測定する。
次に、距離を段階的に近づけていき、各段階で離脱したトナー量と損失電荷量をそれぞれ検出する。コンプレッサとの距離と離脱したトナー質量の関係をプロットすると付着力分布を知ることができ、その時の風力で離脱したトナーの帯電量も知ることができる。
また、或る距離までの積算質量を求め、その距離との関係を求めることで、或る電界を感光体(図示せず)に掛けた時、以下の(3)式により現像するトナー質量が求められる。
本実施の形態において粉体の受ける力、風力Faは、非静電的付着力FtとAを定数とした時、トナーの電荷による鏡像力の和で表される。
Fa=Ft+A(Q/M)2 (1)
従って、現像を説明するためには、感光体の電界からトナーが受ける力Fdを、
Fd=qE (2)
とすれば、現像では、
Fd=Ft+ A(Q/M)2=Fa (3)
となり、エアブローにより離脱したトナー量を現像量と考えることができる。
以下で具体的な粉体付着力測定方法を示す。本実施の形態では、製品名、イマジオMPC3500(imagio MPC3500)用トナーとキャリアを使用し、条件を変えてトナーとキャリア間の付着力を測定した。
トナーとキャリアの混合比を変え、キャリア重量に対するトナー質量比を3水準設け、トナーとキャリアの付着力について測定する。
[表1]
Figure 2009175055
図9は本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー濃度変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図10はトナー濃度変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図9に示すように、トナー濃度が高いと離脱するトナー質量が単純に増えるだけでなく、距離200mm程度の弱いエア圧で離脱するトナー質量がトナー濃度10%になるとピークが出現する。これはキャリア上のトナー被覆率の上昇によりキャリアと本来の鏡像力での付着ができていないと考察できる。
また、その時の電荷損失量と見比べると、図10に示すように、明らかに距離200mm付近の電荷量が低いため、このピークのトナーは帯電が十分になされていないことが解かる。従って、本発明を用いることで弱帯電や逆帯電トナーが原因となるトナー飛散や地汚れの現象を説明することが可能となった。
また、キャリアの帯電能力を、従来のキャリアに比べ低いキャリアを2種類用意し、付着力測定を行った。



[表2]
Figure 2009175055
図11は本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、キャリアCA変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図12はキャリアCA変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図11及び図12に示すように、キャリアCAが下がるとトナーの帯電量が下がり、付着力が弱くなり、弱いエア圧で離脱する成分が増えていることが解かる。このことから本発明によりキャリアCAの変化が現像に及ぼす現象を説明することが可能となった。
また、キャリアCAが極端に低い時、付着力分布はブロードであり、現像で理想的と考えることができるシャープな付着力分布でないため、トナーに適したキャリアではないと判断できる。従って、本発明によりトナーに適したキャリアCAを調べることやキャリアCAの低下が現像に及ぼす影響を調べることが可能となった。
トナーの帯電量を変化させて測定するために攪拌時間を変化させて測定を行なった。
[表3](攪拌はタービュラ混合機を用いた)
Figure 2009175055
図13は本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図14はトナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図13及び図14に示すように、攪拌時間を変化させることによって攪拌前は幅広いエア距離でトナーが離脱していたが、攪拌することでトナーの帯電量が上がり、距離80mm付近の位置でほとんどのトナーが離脱するシャープな分布となった。現像ではこのピークのトナーが使用されていることが推測でき、シャープで1つのピークであることが現像で理想的なトナーであると考えることができる。
図15は本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図16はトナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図15及び図16に示すように、帯電量が高いトナーb’のほうが距離80mm付近での立ち上がりが速く、トナー粒子が均一な付着力を持っていることが解かる。これらのことから本発明を使用することで現像の理想的なトナーの設計についても評価することが可能となった。
さらに、トナーにストレスを与えることによる非静電的付着力の変化について実施の形態を示す。



[表4](攪拌はタービュラ混合機を用いた)
Figure 2009175055
図17は本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図18はトナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図17及び図18に示すように、攪拌時間を増やすことによって帯電したシャープなピークが近距離側にズレており、付着力が強くなったことが解かる。
図19は本発明の一実施例の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化によるトナー帯電量をコンプレッサ距離に対するトナー帯電量の関係をグラフで示す図である。図19から、帯電量の分布を測定しても変化が小さいため、非静電的付着力の増加により付着力が増加したと推測できる。
図20は本発明の一実施例の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。図21はトナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
図20及び図21に示すように、同じ帯電量であるのに対してトナーとキャリアの付着力が強くなっている、すなわち、現像しにくくなっており、より高い電圧を感光体に掛けなければならないことが解かる。上述したように、本発明では非静電的付着力変化による現像の様子を知ることができるようになった。
本発明の粉体の付着力測定装置における測定セルであるブローオフセルの一例を示す概略斜視図である。 本発明による粉体の付着力測定装置であるブローオフ装置の第1の実施の形態の基本構成を示す概念図である。 本発明による粉体の付着力測定装置であるブローオフ装置の第2の実施の形態の基本構成を示す概略概斜視図である。 図3に示すブローオフ装置のブローオフセルの周囲の基本構成を示す断面図である。 ブローオフ装置の動作例を示すタイミングチャートである。 ブローオフ装置の第2の動作例を示すタイミングチャートである。 エア圧とブロー距離の関係をグラフで示す図である。 ブローオフセルに対するエアノズルのXY平面での軌跡(相対位置)を示す図である。 本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー濃度変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 トナー濃度変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。 本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、キャリアCA変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 キャリアCA変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。 本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。 本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 トナー帯電量変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算損失電荷量の関係をグラフで示す図である。 本発明の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する損失電荷量の関係をグラフで示す図である。 本発明の一実施例の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化によるトナー帯電量をコンプレッサ距離に対するトナー帯電量の関係をグラフで示す図である。 本発明の一実施例の粉体間付着力測定方法により測定された、トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算離脱トナー量の関係をグラフで示す図である。 トナーストレス変化による付着力変化をコンプレッサ距離に対する積算損失電荷量の関係をグラフで示す図である。
符号の説明
A 粉体の付着力測定装置(ブローオフ装置)、1 ホルダ、2 ブローオフセル(測定セル)、2a 円筒状の導電性容器、2b メッシュ(導電性メッシュ)、3 エア吸引装置、4 エア噴出装置(ブローワ)、4a エアノズル、4b エアノズル旋回機構、4c エアノズル接離(高さ変更)機構、5 水銀マノメータ、6 コントローラ、7 エレクトロメータ

Claims (14)

  1. 少なくとも一種類の磁性粒子と一種類以上の微粒子の混合物からなる粉体の付着力を測定する粉体の付着力測定装置において、前記粉体を磁気的に捕捉し、且つ内面にメッシュを張った円筒状のブローオフセルと、該ブローオフセルと一定の距離に保たれるエア噴出装置と、を備え、該エア噴出装置からのエア圧を段階的に強め、風力により前記磁性粒子から離脱した微粒子の質量を前記エア圧毎に測定することを特徴とする粉体の付着力測定装置。
  2. 各エア圧で離脱した質量の他に、離脱した微粒子が持っていた電荷の測定も併せて行なうことを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  3. 前記離脱した微粒子の質量は、前記エア噴出装置から一定の風圧を吹きつけながら、前記ブローオフセルと前記エア噴出装置の距離を遠い位置から段階的に近づけて測定されることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  4. 前記粉体からなる微粒子の測定サンプルは、微細なスリットやメッシュを張った密閉セルである前記ブローオフセル内に捕捉され、且つ閉じ込められることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  5. 前記エア噴出装置によってエアを吹き付ける前記ブローオフセルの下流側には、微粒子を離脱させるためにエアを吸引するエア吸引装置が設けられることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  6. 各段階のエア圧で毎回測定する微粒子を入れ替え、離脱したトナー量の総量を測定することを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  7. 前記エアの噴出は、現像剤を均等にエアに当てるために外周部から内側に向かって円弧を描くように動作することを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  8. 現像剤の凝集によるスリットの目詰まりや圧縮を防ぐためにエア圧の各段階において超音波や物理的振動により前記ブローオフセル内の現像剤を攪拌させることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  9. 前記エアは前記ブローオフセル内の前記メッシュに吹き付けられることを特徴とする請求項4記載の粉体の付着力測定装置。
  10. 前記ブローオフセルは、ステンレスなど導電性材質から形成されることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  11. 前記エア噴出装置で使用するエアは圧縮した乾燥エアであることを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  12. 前記ブローオフセルの前記メッシュの目開きは、少なくとも測定するトナー粒径よりも大きく、キャリア粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の粉体の付着力測定装置。
  13. 少なくとも一種類の磁性粒子と一種類以上の微粒子の混合物からなる粉体の付着力を測定する粉体の付着力測定方法において、前記粉体をメッシュが張られた円筒状のブローオフセル内で磁気的に捕捉し、該ブローオフセルとエア噴出装置の距離を一定に保ち、エア圧を段階的に強め、風力により前記磁性粒子から離脱した微粒子の質量を前記エア圧毎に測定することを特徴とする粉体の付着力測定方法。
  14. 段階的な各エア圧を前記ブローオフセルに当てる手順では、始めに弱いエアを当てて慣らし、その後に所定圧のエアを当てて現像剤からトナーを引き離すことを段階的に繰り返すことを特徴とする請求項13記載の粉体の付着力測定方法。
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