JP2019197035A - 撹拌装置、分析装置、分注方法 - Google Patents

撹拌装置、分析装置、分注方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性粒子を含む溶液を簡易な構成で撹拌することができる技術を提供することを目的とする。なお上述した課題は、生化学免疫分析装置においてのみ発生する課題ではなく、磁性粒子の撹拌装置を有する機器全般において共有される課題である。【解決手段】本発明に係る撹拌装置は、常磁性を有する磁性粒子を含む溶液を収容した容器のなかに磁気撹拌子を配置し、容器外から変動磁場を加えることにより前記磁気撹拌子を回転させて、前記容器内の溶液を撹拌する。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性粒子を含む溶液を撹拌する技術に関する。
生化学免疫分析装置の分野においては、検体中に含まれる抗原等の分析対象物質に対して抗原抗体反応を利用して標識発光物質を付与し、発光物質の発光量等を計測することにより、検体中の抗原や抗体を検出し、濃度を定量する。標識発光物質の種類は発光方式毎に異なる。化学発光方式においてはルミノール誘導体やジオキセタン化合物等を用い、電気化学発光方式においてはRu錯体等を用いる。標識発光物質が付与された分析対象物質を磁性粒子表面と結合させることにより、サンドイッチ型の抗原抗体複合体を形成する。磁性粒子を磁石に引き付けることにより磁石近傍に複合体を配置して、発光測定を実施する。
このとき使用する磁性粒子は、一般的には試薬ボトル内の溶液中に保管されている。ただし、磁性粒子は溶液よりも比重が大きいので重力によって沈降し、濃度の不均一性が生じる。したがって磁性粒子を取り出す際には、まず溶液を撹拌することにより、所定濃度に均一化する。その後、ノズル等の分注機構によって必要量の磁性粒子含有液を回収し、検体等に対して磁性粒子含有液を加える。
下記特許文献1は、磁性粒子を溶液中で分散させる撹拌機構を記載している。同文献が記載しているように、撹拌機構としては、パドル状の構造を持った撹拌部材を溶液中に入れてその撹拌部材を回転させる方式(ミキサー撹拌方式)を用いることが多い。生化学免疫分析装置の分野に限らず、磁性粒子を自動分注する装置は、上記のような磁性粒子の撹拌機構を必要とする。
特開2013−253826号公報
磁性粒子の撹拌装置として一般的に用いられるミキサー撹拌方式は、撹拌棒の上昇下降機構や回転機構を含むことに起因して、装置製造コストが高い傾向がある。また一般に磁性粒子は溶液中で数分の間で沈降するので、1日に多数の検体を分析する生化学免疫分析装置においては何度も磁性粒子含有溶液を撹拌する必要がある。さらにミキサー撹拌方式においては、試薬ボトル中に挿入する撹拌棒の製造コストが高く使い捨てできないので、同じ撹拌棒で撹拌する必要がある。撹拌の度に撹拌棒に対して磁性粒子が付着するので、キャリーオーバーによる磁性粒子濃度の変動を防ぐために、撹拌棒を洗浄する機構が必要となる。洗浄機構を有する分析装置においては、分析装置導入時に洗浄用の純水設備を配置するための装置導入環境を整備することが必要となることに加え、装置のランニングコストが上がる。
磁性粒子撹拌の別方式として、容器全体を振動させる方式(振動撹拌方式)が考えられる。しかしながら、振動撹拌を与えると容器中の磁性粒子含有溶液が容器外に飛散する可能性がある。特に生化学免疫分析装置においては、一般に磁性粒子を含む試薬ボトルは隣接して多数配置された状態で保管庫に格納されているので、特定の試薬ボトルをロボットアーム等で取り出して振動撹拌する機構は装置コストが高価になりやすい。保管庫全体を振動撹拌することも考えられるが、保管庫の重量が相対的に大きいので、装置コストが高価になる。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、磁性粒子を含む溶液を簡易な構成で撹拌することができる技術を提供することを目的とする。なお上述した課題は、生化学免疫分析装置においてのみ発生する課題ではなく、磁性粒子の撹拌装置を有する機器全般において共有される課題である。
本発明に係る撹拌装置は、常磁性を有する磁性粒子を含む溶液を収容した容器のなかに磁気撹拌子を配置し、容器外から変動磁場を加えることにより前記磁気撹拌子を回転させて、前記容器内の溶液を撹拌する。
本発明に係る撹拌装置によれば、簡易な構成を用いて、溶液中に含まれる磁性粒子を凝集させることなく所定濃度まで分散できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
撹拌装置100の側面図である。 撹拌装置100の上面図である。 変動磁場発生装置4が永久磁石を用いる構成例である。 変動磁場発生装置4が電磁石を用いる構成例である。 分注機構の構成例である。 分注機構の別構成例である。 磁気撹拌子3が容器2内部で発生させる磁場の模式図である。 磁気撹拌子3の形状例である。 磁気撹拌子3のサイズを説明する図である。 磁気撹拌子3の挙動を観察する観察部の例である。 撹拌子観察部14の具体例である。 容器2の下方に撹拌子観察部14を配置した例である。 分注ノズル12を駆動する機構の例である。 分析装置の上面図である。 容器ディスク19の側断面模式図である。 容器ディスク19の別構成例を示す側断面模式図である。 溶液吸引位置と変動磁場発生装置4による撹拌位置とが互いに離れている例である。 撹拌位置を複数備える例である。 超常磁性の磁性粒子同士が凝集する様子を示す例である。 磁性粒子に与える外部磁場を除去したときの磁性粒子の振る舞いを示す例である。 画像分析による磁性粒子面積のヒストグラムの例である。 撹拌方式による磁性粒子濃度の違いを検証した結果を示す図である。 磁気撹拌子3からの距離に応じた磁束密度を計測した結果を示すグラフである。 磁性粒子M−280の特性を線形近似することによりF(z)とFを算出した結果である。 粒子移動速度を算出した結果を示すグラフである。 液面付近から回収した溶液の粒子濃度比を示すグラフである。
図1は、本発明に係る撹拌装置100の側面図である。容器2は、磁性粒子を含有する溶液1と磁気撹拌子3を収容している。容器2の外部には変動磁場発生装置4が配置されている。磁気撹拌子3は、変動磁場発生装置4が発生させる磁場の磁気吸引力によって回転駆動される。磁気撹拌子3は、磁気撹拌子3単体で磁石としての性質(強磁性等)を示すものであってもよいし、変動磁場発生装置4が発生させる磁場によって磁化する性質(例えば常磁性)を示すものであってもよい。
図1において磁気撹拌子3は容器2の底に配置されているが、液面付近に配置されていてもよい。変動磁場発生装置4は必ずしも容器2の下方に配置する必要はなく、容器2の上部や側部に配置してもよい。ただし典型的には、磁気撹拌子3は溶液内で沈んで容器2底部に配置されているので、変動磁場発生装置4が磁気撹拌子3に対して十分な大きさの磁気吸引力を与えられるように、変動磁場発生装置4を容器2の下方に配置することが好ましい。以下の説明において特別な断りがない限り、磁気撹拌子3は容器2底に配置されており、変動磁場発生装置4は容器2下部に配置されているものとする。
磁性粒子は一般に1nm〜100μm程度の大きさを有する。磁性粒子は重力によって徐々に沈降するので、長時間放置された磁性粒子は容器2の底に沈んでいる。したがって所定濃度の磁性粒子を回収するためには、一度溶液を撹拌させて磁性粒子を溶液内で分散させる必要がある。
図2は、撹拌装置100の上面図である。変動磁場発生装置4が回転磁場を発生させることにより、磁気撹拌子3は自転するように回転する。これにより溶液1内に旋回流を発生させて溶液1を撹拌する。回転方向は時計周り・反時計周りのいずれでもよく、あるいは両者を組み合わせた回転であってもよい。ただし、変動磁場発生装置4が発生させる磁場に磁気撹拌子3の動きを追従させる必要があるので、不規則な磁場よりは一定の周期で回転する磁場が好ましい。したがって以下の説明において特別な断りがない限り、磁気撹拌子3は図2に示すようにある一定方向に回転し、変動磁場発生装置4は磁気撹拌子3の回転方向と同じ方向へ回転する回転磁場を発生させるものとする。
変動磁場発生装置4の内部には、永久磁石または電磁石の磁性体が配置されている。変動磁場発生装置4が発生させる磁場は、永久磁石を駆動させ、または電磁石の磁場の強弱を制御することにより、変動させることができる。
図3は、変動磁場発生装置4が永久磁石を用いる構成例である。永久磁石を駆動させる場合には、磁石7を乗せた回転円盤5をモータ6で回転させることにより、回転磁場を発生させることができる。
図4は、変動磁場発生装置4が電磁石を用いる構成例である。電磁石で駆動する場合には、電磁石8に巻かれたコイル9に電源10を通じて交流を与えることにより、交流磁場を発生させる。磁気撹拌子3を一定速度で回転させるためには、電磁石8は複数配置することが好ましく、4つ以上配置されていることが望ましい。各電磁石8から与える交流磁場の位相差を制御することにより回転磁場を発生させ、磁気撹拌子3を一方向に回転させる。
図3の構成と図4の構成いずれも回転磁場を発生させることができる。ただし電磁石8を用いる方が、変動磁場発生装置4の厚みを薄く実装しやすい。装置厚みが薄いと、後述のとおり変動磁場発生装置4を分析装置等に対して組み込みやすくなる利点がある。また電磁石8を用いる構成は、撹拌後にコイル9に流す電流を遮断することにより、変動磁場発生装置4から発せられる磁場の大きさを低減できる。これにより後述するような磁性粒子への磁場の影響を低減できる。
変動磁場発生装置4の内部に配置される磁性体からの磁場によって、十分な磁場を磁気撹拌子3に与えて磁気吸引力によって回転させるためには、変動磁場発生装置4内部の磁性体と磁気撹拌子3との間の距離は可能な限り接近させることが好ましい。一般的な磁石の磁場が十分に及ぶ範囲は2cm程度であるので、変動磁場発生装置4内部の磁性体と磁気撹拌子3との間の距離は2cm以下であることが好ましく、1cm以下であればより好ましい。
磁性粒子の近傍に磁気撹拌子3等の磁石が配置されていると、磁石が発する磁場の磁気吸引力によって磁性粒子が磁石へ引き付けられる。磁気撹拌子3が強磁性体である場合、磁性粒子は磁気撹拌子3の磁気吸引力によって磁気撹拌子3に向かって凝集する。したがって、磁気撹拌子3が発生させる旋回流による磁性粒子を磁気撹拌子から引き離す力は、磁気撹拌子3が有する磁気吸引力よりも大きい必要がある。これを実現するためには、磁気撹拌子3の回転速度(すなわち変動磁場発生装置4が発生させる回転磁場の周波数)は市販のスターラー装置と同様に100rpm以上であることが好ましく、500rpm以上であればより好ましい。回転磁場の周波数が大きいほど磁性粒子を磁気撹拌子から引き離す力は大きくなり、磁性粒子濃度を均一化する時間も短縮できる。ただし回転磁場の周波数が極端に大きいと、磁気撹拌子3の動きが回転磁場に対して追従しなくなるので、10000rpm以下であることが好ましく、典型的には市販のスターラーで用いられるような3000rpm以下である。この範囲内で磁気撹拌子3を回転させることにより、磁性粒子を磁気撹拌子から引き離し、溶液中に均一濃度で分散させる。
磁性粒子の近傍に磁気撹拌子3等の磁石が配置されていると、磁石が発する磁場の影響により磁性粒子同士が互いに凝集する。磁性粒子が凝集すると、粒子の運動特性が変化することに加えて、磁性粒子の表面積が低下して磁性粒子と試薬を反応させる際の反応効率が低下する。また生化学免疫分析装置においては、磁性粒子表面に吸着できる抗原や抗体の数が減少する。しかし本願発明者による検討の結果、磁性粒子が常磁性または超常磁性を有する場合、磁性粒子が一度磁化して凝集したとしても、磁気撹拌子3の磁場が十分に届かない場所まで磁性粒子が離れることにより、磁性粒子の残留磁化がゼロに近い状態となって磁石としての性質を失い、磁性粒子同士の凝集を解消できることが判明した。典型的には磁気撹拌子3表面の磁束密度の大きさは10〜100 mT程度である。磁気撹拌子3表面から1cm以上離れると磁束密度は表面上における大きさの10%程度以下まで低減し、3cm以上離れると0.1mT以下程度まで小さくなる。したがって、磁性粒子が磁気撹拌子3表面から3cm以上離れれば、十分に磁性粒子同士の凝集を低減できる。特に溶液中で分散した磁性粒子を分注機構によって回収することにより、磁気撹拌子3が及ぼす磁場の範囲外まで磁性粒子を移動させ、磁性粒子同士の凝集を防ぐことができる。
図5は、分注機構の構成例である。ここでは分注機構として分注ノズル12を用いる例を示した。分注ノズル12は容器2上部に配置されている。分注ノズル12を下降させて溶液1中に挿入し、分注ノズル12内を負圧にすることにより、溶液1を吸い込む。回収した溶液ごと分注ノズル12を上昇させ、水平方向に移動し、別の試薬または検体中に溶液を吐出する。
図6は、分注機構の別構成例である。容器2下部に溶液回収用流路が接続されている。バルブ13は流路への溶液流入をする。ただし生化学免疫分析装置においては、磁性粒子の試薬容器は複数配置されており、各容器それぞれについてバルブ13を用いる分注機構を配置すると複雑な構造になりやすいので、図5に示すような分注ノズル12を用いた分注機構のほうが好ましい。以下の説明において特別な断りがない限り、分注機構は図5の分注ノズル12を用いるものとする。溶液の回収量や吐出量は用途ごとに自由に設定すればよく、生化学免疫分析装置においては10〜100μL程度の溶液を分注する。
以下ではノズルを用いた分注機構によって溶液を回収する手順について述べる。溶液の回収は典型的には磁気撹拌子3の回転を止めた後に実施されるので、まず磁気撹拌子3の回転を止めたときの磁性粒子の挙動について説明する。
図7は、磁気撹拌子3が容器2内部で発生させる磁場の模式図である。磁気撹拌子3の回転によって一度溶液中で分散した磁性粒子のうち、磁気撹拌子3の磁場が届く範囲に存在する磁性粒子11は、磁気撹拌子3が発生する磁気吸引力によって磁気撹拌子3へ引き付けられ沈降する。図7の容器2内部の濃淡は、磁束密度の強度を模式的に示している(濃い場所は磁束密度が強い)。磁気撹拌子3の近傍では磁束密度が大きいので、磁性粒子の沈降速度も速い。磁気撹拌子3から十分に離れた場所においては、磁束密度は0.1mT以下程度まで小さくなり、この領域では磁気吸引力が重力よりも小さいので、磁性粒子の沈降速度は十分に遅い。したがって、分注機構によって磁性粒子を回収する際には、磁性粒子濃度の変化量が比較的小さくなるように、磁気撹拌子3表面から10mm以上離れた場所から回収することが好ましい。より好ましくは、液面付近の溶液を回収すればよく、具体的には液面から高さ3mm以内の溶液を回収すればよい。
ただし同一容器から溶液回収を繰り返すと徐々に液面位置が下がるので、残液量が少ない状態においては磁気撹拌子3近傍の溶液を回収する必要がある。容器2中の溶液のデッドボリュームを減らすためには、液面位置が十分に磁気撹拌子3に接近して両者間距離が2mm以下となる液量まで回収することが好ましい。このような場合には、磁気撹拌子3の回転を止めると、短時間で磁性粒子が大きく沈降して磁性粒子濃度が変動するので、磁気撹拌子3の回転を止めてから5秒以内に回収することが好ましく、より好ましくは磁性粒子の移動量がさらに20%以下となるように1秒以内に回収するのがよい。回収までの時間の計算方法については、後述の実験結果で詳しく説明する。
上述したような磁性粒子濃度の変動を生じさせずに分注するためには、磁気撹拌子3を回転させた状態で分注ノズル12を挿入して溶液を回収することが好ましい。ただし磁気撹拌子3を回転させた状態で回収すると、圧力変動が生じることに加え、溶液中に気泡が入り正確な量を回収できなくなる場合がある。したがって、より好ましくは磁気撹拌子3回転中はノズル先端を液面付近に待機させておき、磁気撹拌子3を止めた直後に(5秒以内、好ましくは1秒以内に)ノズル先端を溶液中に挿入して溶液を回収するのがよい。
磁気撹拌子3は、変動磁場発生装置4が発生させる磁場の磁気吸引力によって駆動する磁性体を用いて構成される。典型的には、変動磁場発生装置4が発する磁場によって強い磁気吸引力が発生するように、ネオジム磁石、サマリウム・コバルト磁石、アルニコ磁石などの永久磁石を用いる。ただし永久磁石を磁気撹拌子3の材料として用いると、前述のように磁性粒子が磁気撹拌子3へ凝集するので、好ましくは常磁性や超常磁性のように、外部磁場の印加によって磁化する特性を有するものを用いるのがよい。あるいはソフトフェライト等の軟磁性材料であれば、磁化曲線のヒステリシスが小さく残留磁化による磁束密度も小さくなるので同様に望ましい。永久磁石を磁気撹拌子3の材料として用いると、磁気撹拌子3表面の磁束密度の大きさは10mT以上となる。残留磁化が小さく表面での磁束密度の大きさが1mT以下程度となる磁気撹拌子3を用いると、変動磁場発生装置4の磁場を止めることにより、磁性粒子への磁気吸引力の影響を大幅に軽減できる。以下の説明において特別な断りがない限り、磁気撹拌子3は表面の磁束密度の大きさが10mT以上となるような永久磁石で構成されているものとする。
さらに、磁性体の周りをPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの樹脂でコーティングすることにより、溶液中へのコンタミを防止することができる。
図8は、磁気撹拌子3の形状例である。磁気撹拌子3は、比較的製作が容易な図8(a)に示すような楕円球形状であってもよく、より撹拌効率に優れるように複数の翼部を有する図8(b)に示すような形状であってもよく、上部から分注ノズル12が下降してきた際に磁気撹拌子3と分注ノズル12とが干渉しないよう中央に空洞部を有する図8(c)に示すような形状であってもよい。この場合、空洞部の径は分注ノズル12先端部の径よりも大きい。
図9は、磁気撹拌子3のサイズを説明する図である。図9(a)は磁気撹拌子3が容器2内で回転しているときの上面図である。磁気撹拌子3が図9(a)に示す向きに回転するとき、磁気撹拌子3が通過する軌跡は円201である。円201の直径を本発明においては磁気撹拌子3の長さと定義する。磁気撹拌子3の長さと厚さの定義を示すため、1例として、図9(b)に楕円球形状の磁気撹拌子3の上面図と断面図を示す。図9(a)中の円202は、容器2内側に配置できる最も大きな円である。円202の直径を本発明においては容器2の内径と定義する。
円201の内側を磁気撹拌子3が通過するので、円201の内側に別の部材が配置されていると、その部材が磁気撹拌子3と干渉して設計どおりの回転を与えられなくなる。したがって、磁気撹拌子3の長さは容器2内径よりも小さくする必要がある。磁気撹拌子3のサイズは容器2の寸法に合わせて適切な大きさのものを使用することが好ましい。生化学免疫分析装置等に用いられる容器は、内径10〜30mm程度であり、高さ30〜100mm程度である。したがって磁気撹拌子3の長さは5〜25mm程度、厚さは1〜10mm程度のものを用いる。
磁気撹拌子3の回転によって強い撹拌力を得るためには、磁気撹拌子3の長さは可能な限り長いものを用いることが好ましいが、一方で、容器2壁面と干渉することなく回転するためには、容器2内径よりも小さい必要がある。したがって、磁気撹拌子3の長さは容器2内径の30〜80%の大きさであることが好ましい。強い撹拌力を得るためには、磁気撹拌子3ができる限り厚い構造であることが望ましいが、磁気撹拌子3の厚みは長さに比べると撹拌力への影響はそれほど大きくない。また磁気撹拌子3の厚さが厚くなると、図8(a)(b)などの構造では上部からノズルが下降してきた際に磁気撹拌子3がノズルと干渉する。溶液のデッドボリュームを減らすには、容器2底から5mm以下程度まで回収することが好ましいので、図8(a)(b)の構造を用いる場合は磁気撹拌子3の厚さも1〜5mmにすることが好ましい。ただし、磁気撹拌子3の近傍2mm以下まで接近すると、磁気撹拌子3へ磁性粒子が凝集する速度が非常に大きくなるので、より好ましくは磁気撹拌子3の厚さは1〜3mmである。
以下では撹拌装置100においてエラーが生じた際の検知機構について述べる。生化学免疫分析装置等の自動化装置において、装置使用者のヒューマンエラーや撹拌装置100のトラブル等によって、本来容器2中に配置されているはずの磁気撹拌子3が、容器2中に配置されていないエラーが発生する可能性も考えられる。磁気撹拌子3が容器2中に配置されていなければ、溶液1は撹拌されない。磁気撹拌子3が容器2壁面に立てかかるように配置された場合や、磁気撹拌子3と変動磁場発生装置4との間の位置関係が適切でない場合においては、磁気撹拌子3が所望の回転運動とはならずに、非周期的な運動をする場合がある。このような運動をしている状態を、本発明においては暴れ状態と呼び、暴れ状態では溶液1が効率よく撹拌されない。暴れ状態にあるときには、磁気撹拌子3の位置をずらして適切な位置に配置するために、容器2や変動磁場発生装置4を移動させることが好ましい。あるいは、変動磁場発生装置4の磁場を変調させる、一度磁場を止めて再度磁場を発生させる、といった方法で磁気撹拌子3の位置を変えてもよい。
図10は、磁気撹拌子3の挙動を観察する観察部の例である。1日に多数の容器を撹拌するよう自動化された分析装置においては、上述のような磁気撹拌子3の有無や暴れ状態を自動検知する機構があることが好ましい。撹拌子観察部14は、容器2外部から磁気撹拌子3の挙動を観察し、観察によって得られたデータを演算装置15(例えばコンピュータ)へ送信する。演算装置15は、受け取ったデータにしたがって、磁気撹拌子3の回転状態を判断することができる。
図11は、撹拌子観察部14の具体例である。図11(a)において、撹拌子観察部14は、磁気撹拌子3に対して光を照射する照射部16a、磁気撹拌子3の表面から反射した反射光17を受光する受光部16b、を備える。受光部16bは、受光した光強度に対応する検出信号を出力する。磁気撹拌子3が回転しているとき、検出信号はその回転周波数に対応して変動する。図11(b)は検出信号の例である。磁気撹拌子が正常に回転している場合には、撹拌子の回転周波数に同期した周期波形の信号が得られる。撹拌子が容器内に配置されていない状態では、撹拌子の反射波が得られず、定常値を示す。また撹拌子が暴れ状態であるときには、不規則な非周期波形の信号が得られる。演算装置15は、これらの時間変化の波形にしたがって、磁気撹拌子3の状態を判定することができる。あるいはFFT(高速フーリエ変換)を利用して時間変化の波形をパワースペクトルのグラフに変換し、回転磁場の回転速度に対応する周波数のパワーを調べることにより、磁気撹拌子3の状態を判定してもよい。
撹拌子観察部14は、例えば磁場計測によって回転状態を観察してもよい。磁気撹拌子3の回転によって容器2外部の磁場が周期的に変動するので、磁気センサ16cを容器2外に配置することにより、磁気センサ16cの検出信号から磁気撹拌子3の運動を観測できる。光計測を利用する場合は、容器2外部から光を照射して撹拌子の反射波を計測するので、容器2の材質は透光性材料とすることが好ましいが、磁場計測を利用する場合は容器2が透過性でなくともよい利点がある。
撹拌子観察部14は、音(振動)によって回転状態を観察してもよい。磁気撹拌子3が暴れ状態にあるときには、磁気撹拌子3が容器2側壁等に衝突して衝突音が生じる。この衝突音を観測することにより、暴れ状態等を検知できる。別構成として、容器2外部から光を照射して、溶液の吸光や散乱光を計測することにより、回転状態を観察してもよい。磁気撹拌子3が適切に回転して溶液1を撹拌した場合には、ある一定の磁性粒子濃度に到達するので、吸光や散乱光を計測して磁性粒子濃度を調べることにより、間接的に磁気撹拌子3の運動を検出できる。
図12は、容器2の下方に撹拌子観察部14を配置した例である。図12において、変動磁場発生装置4は電磁石8を複数備え、各電磁石の中央部(容器下部)に撹拌子観察部14を配置している。撹拌子観察部14から鉛直上方に向けて照射された光は、磁気撹拌子3から反射して受光部16bがこれを計測する。変動磁場発生装置4が永久磁石をモータで回転させる方式を利用する場合には、撹拌子観察部14を容器2下部に配置することは困難であるが、電磁石8を利用する場合には容器2下部へ配置することが比較的容易である。図12に示すように撹拌子観察部14の周囲に電磁石8を配置することにより、撹拌子観察部14と変動磁場発生装置4を一体化したモジュールを構成できるので、生化学免疫分析装置等への組み込みも容易であり、装置サイズも小さく構成できる。上述のような光計測を利用した撹拌子観察部14は、安価に実装できるとともに検出感度が高い利点がある。
図13は、分注ノズル12を駆動する機構の例である。分注ノズル12はアームにより付けられており、支持部18を中心にして回転駆動し、さらに必要に応じて上下駆動することができる。
図14は、分析装置の上面図である。分析装置は撹拌装置100を備え、撹拌装置100を用いて溶液1を撹拌する。生化学免疫分析装置等の自動化装置においては、複数試薬を混合および反応させるため、2種類以上の試薬容器が直列に連結した試薬容器が用いられる。図14においては1例として、磁性粒子を含む容器の他に、2種類の容器が含まれることを想定し、計3種類の試薬容器が容器ディスクの半径方向に連結して配置されている。磁性粒子含有溶液を含む試薬容器は、容器ディスク19上に環状に隣接して配置されている。容器ディスク19は図示しない駆動装置によって回転駆動し、これにより容器ディスク19上の各容器2は同方向へ回転する。容器ディスク19の回転駆動によって、変動磁場発生装置4上部へ撹拌対象の溶液1を移動させる。その後、変動磁場発生装置4を稼動させて溶液1を撹拌する。
撹拌時の磁気撹拌子3の運動は、撹拌子観察部14によって検知されており、磁性粒子が所定濃度に達するまで溶液1を撹拌する。分注機構は分注チップ装着位置20の上部に分注ノズル12を回転駆動させて降ろし、分注ノズル12の先端に分注チップを圧入して装着する。分注チップを装着した分注ノズル12は、分注機構の回転駆動および上下駆動によって分注チップ先端を溶液1内に下降させ所定量吸引する。吸引のタイミングは、前述のとおり撹拌中でもよいし撹拌直後でもよい。溶液を回収した分注ノズル12は、再び分注機構の回転駆動および上下駆動によって溶液導入位置21まで移動して溶液を吐出する。吐出が終了すると、分注ノズル12は分注チップ廃棄孔22の上部に移動して、使用済の分注チップを分注チップ廃棄孔22から廃棄する。ここで示した一連動作は一例であり、必ずしも上記順序である必要はなく、また幾つかの手順を省略あるいは追加した動作であってもよい。
磁気撹拌子3は、磁性粒子含有溶液を含む容器2を容器ディスク19に架設する際に、作業者が磁性粒子含有溶液中に入れてもよいし、あるいは磁性粒子含有溶液を工場等から出荷する際に予め容器2中に磁気撹拌子3を収容してもよい。あるいは、容器ディスク19の上部等に磁気撹拌子3を投入する投入機構25が配置されており、撹拌前に磁気撹拌子3を容器2に対して投入してもよい。
図15Aは、容器ディスク19の側断面模式図である。容器ディスク19は、例えば回転体23によって支持される。変動磁場発生装置4は、容器ディスク19の下方に配置されている。変動磁場発生装置4を配置する位置は、容器ディスク19や回転体23が駆動しているときこれらと互いに干渉しない場所とする必要がある。したがって変動磁場発生装置4を装置内に簡易に組み込むためには、変動磁場発生装置4は小型構造であることが好ましく、電磁石8を利用した変動磁場発生装置4は厚みが薄いので組み込みやすい。磁気撹拌子3に対して十分な磁気吸引力を与えるためには、変動磁場発生装置4と磁気撹拌子3との間の距離は可能な限り近いことが望ましい。変動磁場発生装置4表面から磁気撹拌子3表面までの距離は2cm以内とすることが好ましく、より好ましくは1cm以内である。
図15Bは、容器ディスク19の別構成例を示す側断面模式図である。磁気撹拌子3と変動磁場発生装置4とができる限り接近するためには、容器ディスク19に貫通穴を設けてその貫通穴に容器2を収容することが好ましい。この場合は例えば容器2の側方から容器2を把持する機構などをもうければよい。
変動磁場発生装置4は上下動する駆動機構を備えていることが好ましい。この場合は、撹拌対象の容器2が変動磁場発生装置4の上部に配置された際に、駆動機構によって変動磁場発生装置4が上昇して磁気撹拌子に接近し、撹拌後には変動磁場発生装置4が下降して離れるようにすることができる。
変動磁場発生装置4の近傍に比透磁率が1よりも大きな部材が配置されていると、変動磁場発生装置4が発生させる磁場が歪むので、容器ディスク19は比透磁率が2以下の部材で構成されていることが好ましい。より好ましくは、磁石につかないような比透磁率1.02以下の部材であればよく、例えばアルミニウムや樹脂などの材料で容器ディスク19を構成すればよい。必ずしも容器ディスク19の全部材の比透磁率をこの範囲に収める必要はなく、変動磁場発生装置4の周囲3cm以内程度に配置される部材の比透磁率を小さくすればよい。
図16は、溶液吸引位置と変動磁場発生装置4による撹拌位置とが互いに離れている例である。図16においては、説明の便宜上、1つの容器2のみ図示した。図16(a)に示すように、変動磁場発生装置4と撹拌子観察部14とが近傍に配置された場所で溶液を撹拌した後、容器ディスク19の回転駆動によって、図16(b)に示す溶液吸引位置へ試薬容器組を移動する。その後、分注ノズル12を下降させて溶液を吸引する。
図17は、撹拌位置を複数備える例である。図17の構成においては、分注ノズル12によって溶液を吸引している途中であっても、別の場所で溶液を撹拌できる。したがって吸引後にすぐに撹拌済みの容器2を吸引位置へと移動させ、次の溶液を吸引できる。また2ヶ所以上の撹拌位置で同時に撹拌できるので、効率良く溶液を撹拌して分注することができる。特に2ヶ所以上の撹拌位置を設ける場合には、溶液量が少ない容器2ほど撹拌後の磁性粒子の沈降速度が速いので、溶液量が少ない容器2から優先して素早く吸引することが好ましい。
容器ディスク19に配置される各試薬は、一般的には低温で保管することが多いので、容器ディスク19全体は4℃程度の低温の恒温槽内で配置される。変動磁場発生装置4は内蔵する電磁石やモータにより放熱するが、低温の恒温槽内に配置することによって冷やされるので、劣化を防止できる。好ましくは、電磁石8やモータに放熱板を配置し、放熱板と低温恒温槽の壁面とを接触させることにより、効率よく放熱することが望ましい。
以下では本実施形態の効果を検証した実験例を示す。本発明における変動磁場発生装置4によって、磁性粒子同士が凝集することなく、所定濃度の溶液を回収できることを検証した。
図18は、超常磁性の磁性粒子同士が凝集する様子を示す例である。図18(a)は磁性粒子を含む溶液を転倒撹拌させて混ぜたときの溶液を分注してガラスプレート上に滴下したときの光学顕微鏡の写真である。図18(b)は、滴下した磁性粒子に対して水平方向に10mT程度の外部磁場を与えたときの写真である。図18(a)と(b)を比較すると明らかなとおり、外部磁場を与えることにより磁性粒子の磁化の向きが揃うので、磁性粒子同士が磁気吸引力によって凝集して棒状のクラスタを形成することが判明した。このような凝集状態では、試薬との反応効率が低下する等の問題が生じる。
図19は、磁性粒子に与える外部磁場を除去したときの磁性粒子の振る舞いを示す例である。図19(a)は外部磁場を与えている状態、図19(b)は外部磁場を除去してから3秒後の状態、図19(c)は外部磁場を除去してから10秒後の状態を、それぞれ光学顕微鏡によって撮影した写真である。図19の結果から明らかなように、超常磁性の磁性粒子に与える外部磁場を除去すると、速やかに残留磁化がゼロに近い状態になるので、磁性粒子同士の棒状クラスタの形成が解消され、凝集構造を維持できなくなることが分かる。
図20は、画像分析による磁性粒子面積のヒストグラムの例である。粒子面積が大きい状態は、粒子同士が凝集して面積が大きくなったことを意味する。換言すると、単分散の粒子の比率が高いと粒子面積が小さい粒子の比率が増加する。図20(a)は溶液を含む容器を転倒混和させることで撹拌(以下、転倒撹拌とよぶ)した溶液(図18(a)に対応)であり、図20(b)は転倒撹拌後の溶液に対して外部磁場を与えたもの(図18(b)に対応)であり、図20(c)は変動磁場発生装置によって磁気撹拌子を回転させることで撹拌(以下、磁場撹拌とよぶ)した溶液である。図20(b)では棒状クラスタが形成されているので一粒子由来のピークが小さく、二粒子由来や三粒子由来のピークが顕著に見られた。図20(a)と(c)に示すとおり、磁場撹拌時の粒子面積ヒストグラムは転倒撹拌時の結果と同等であり、単粒子割合の変化はないので、磁場撹拌による凝集への悪影響はないことが判明した。
図21は、撹拌方式による磁性粒子濃度の違いを検証した結果を示す図である。図21の計測結果は、ペンシルミキサーによる撹拌(以下、ミキサー撹拌とよぶ)、転倒撹拌、磁場撹拌によってそれぞれ十分時間撹拌したあとの粒子濃度比である。ミキサー撹拌と転倒撹拌については撹拌後5秒以内に溶液を回収し、磁場撹拌については撹拌中の溶液を回収した。回収する溶液はいずれも液面付近のものとした。図21に示す粒子濃度比は、ミキサー撹拌で得られた磁性粒子濃度の値を100%と定義して、この磁性粒子濃度との比を計算することにより、転倒撹拌と磁場撹拌それぞれの粒子濃度比を算出した。磁性粒子濃度は、吸光度を用いて測定することとし、あらかじめ磁性粒子濃度と吸光度の関係について検量線を作成して、撹拌後の吸光度の値から磁性粒子濃度を算出した。計測の結果、いずれの撹拌方式も磁性粒子の濃度には差がないことが判明し、磁場撹拌による粒子濃度への悪影響はないことを確認できた。
図21の磁場撹拌は撹拌中の溶液を回収したものである。前述のとおり、撹拌を止めてから溶液回収までに時間差があると、磁気撹拌子が及ぼす磁気吸引力によって磁性粒子が大きく沈降する可能性があるので、この磁気吸引力の影響を検討する必要がある。磁気撹拌子3を回転させない状態において、磁性粒子に対して働くZ軸方向(容器下部から容器上部に向かう方向)の力の運動方程式は、次のように表せる。
α=F+F(z)+Fη ・・・(式1)
は粒子質量、αはZ軸方向加速度、Fは重力、F(z)は撹拌子表面からZ軸方向にz離れた点に存在する磁性粒子への磁気吸引力、Fηは粘性力を示す。F(z)は磁性粒子の磁気モーメントMと点zでの磁束密度B(z)を用いてd/dz(MB(z))と表せる。ミキサー撹拌や転倒撹拌の場合には、F(z)の成分は表れず、沈降させる力の成分はFのみである。磁場撹拌においては、磁気撹拌子3を溶液中に有するのでF(z)の成分が存在する。したがって、撹拌後に溶液を吸引するまでにかかる時間を計算するためには、磁性粒子の磁気モーメントMと磁束密度B(z)を見積もる必要がある。Mは磁性粒子の特性に由来し、B(z)は撹拌子の特性に由来する。
図22は、磁気撹拌子3からの距離に応じた磁束密度を計測した結果を示すグラフである。ここでは、典型的な磁性粒子としてM−280を用い、磁気撹拌子3は直径φ3mm×長さ8mmの典型的なものを用いて検証を行った。使用した磁気撹拌子3の表面磁場は30mT程度と一般的な値である。図22の黒線は、磁気撹拌子3表面からz離れた地点での磁束密度を、残留磁気Bである半径Rの球体表面から距離z離れた地点での磁束密度式B(z)=2B/3(R+Z)に近似できると考えてフィッティングした理論線である。図22に示すとおり、B=50mT、R=2.5mmと設定することでよく近似できると分かった。また図22の結果から、撹拌子表面から10mm以上離れると撹拌子表面での磁束密度と比較して十分に小さくなり、20mm以上離れると十分に減衰して変動磁場発生装置4による撹拌子駆動が困難になる程度にまで小さくなることが分かった。また撹拌子表面から30mm以上離れると、一般に0.01mT以下程度と地磁気と同程度の大きさとなり、磁気撹拌子3による磁場の影響はほぼ無視できるようになる。
図23は、磁性粒子M−280の特性を線形近似することによりF(z)とFを算出した結果である。磁性粒子M−280の特性は文献値(Geir Fonnum, et al. Characterisation of Dynabeads by magnetization measurements and Mossbauer spectroscopy, Journal of Magnetism and Magnetic Materials, vol. 293, 2005.)によると100mT以下の範囲ではほぼ線形に変化することから、比例定数aを用いてM=amB(z)と表せる。以上の式を用いてF(z)とFをそれぞれ算出したところ、図23のように表せることが判明した。横軸はzとしており、Fはzに依存しないことから一定値を示す。図23のF(z)とFとの交点はF(z)=Fとなることを意味し、交点よりもzが大きな値では磁気吸引力よりも重力が勝ることを意味している。すなわち、Z=10mm以上となるときには沈降力は磁気吸引力よりも重力が主成分となり、Z=30mm以上では磁気吸引力の影響はほぼ無視できると分かった。
図24は、粒子移動速度を算出した結果を示すグラフである。ストークスの式より、粘性率η、粒子移動速度v(z)、粒子半径r、粘性率ηを用いてFη=6πηrv(z)と表すことができる。粒子移動速度v(z)が一定であるときα=0と近似できることから、(式1)を解いて水中での粒子移動量を算出すると、図24のようになる。撹拌子から十分に離れた場所(z=50mm)に存在する磁性粒子は、磁性粒子に作用する磁束密度が小さいので移動量は小さいが、撹拌子近傍(z=2mm)の磁性粒子は、磁束密度が大きいので移動量も大きい。一般に粒子が100μm以上動くと回収時の粒子濃度が大きく変動して1%以上変動する場合があるので、z=50mmでは60秒以上、z=2mmでは5秒以上経過すると、粒子濃度は大きく変動する。すなわち、液面から撹拌子表面までの距離がZ=50mmのときには60秒以内に回収することが好ましく、液面から撹拌子表面までの距離がZ=2mmのときには5秒以内に回収することが好ましい。
図25は、液面付近から回収した溶液の粒子濃度比を示すグラフである。Z=50mmとZ=2mmにおいて、それぞれ10sと60s経過した時点で、粒子濃度比が10%以上低減しており、概ね理論式の予測と合致することが分かった。分析装置における性能を維持するためには、磁性粒子濃度は少なくとも90%以上、好ましくは99%以上とする必要があるので、図25のように濃度が低減すると、所望の特性が得られなくなる。以上の検証実験により、液面がZ=2mmの場所まで溶液を回収して残液量が十分に少なくなるようにするためには、5秒以内に回収することが好ましいと分かった。
図24と図25においては、液面高さzが2mmのケースと50mmのケースを比較したが、それ以外の液面高さにおいても一般に、液面高さが低いときほど、磁気撹拌子3の回転が停止してからより短い時間のうちに、溶液1を回収することが望ましいと考えられる。
<本発明の変形例について>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
1:溶液
2:容器
3:磁気撹拌子
4:変動磁場発生装置
5:回転円盤
6:モータ
7:磁石
8:電磁石
9:コイル
10:電源
11:磁性粒子
12:分注ノズル
13:バルブ
14:撹拌子観察部
15:演算装置
16a:照射部
16b:受光部
16c:磁気センサ
17:反射光
18:支持部
19:容器ディスク
20:分注チップ装着位置
21:溶液導入位置
22:分注チップ廃棄孔
23:回転体
25:投入機構
100:撹拌装置

Claims (23)

  1. 常磁性を有する磁性粒子を含む溶液を撹拌する撹拌装置であって、
    前記磁性粒子と磁気撹拌子を含む溶液を収容する容器を保持する容器保持部、
    変動磁場を発生させることにより前記磁気撹拌子に対して前記変動磁場を加える変動磁場発生装置、
    を備え、
    前記磁気撹拌子は、前記変動磁場によって回転して前記容器のなかの前記溶液を撹拌することにより、前記溶液のなかの前記磁性粒子を拡散させる
    ことを特徴とする撹拌装置。
  2. 前記変動磁場発生装置は、前記容器保持部の下方に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  3. 前記変動磁場発生装置は、前記変動磁場を発生させる電磁石を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  4. 前記磁気撹拌子は、磁性体と、前記磁性体を被覆するコートとを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  5. 前記撹拌装置はさらに、前記磁気撹拌子の回転動作を観察する撹拌子観察部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  6. 前記変動磁場発生装置は、前記変動磁場を発生させる電磁石を備え、
    前記変動磁場発生装置と前記撹拌子観察部はともに、前記容器保持部の下方に配置されており、
    前記電磁石は、前記撹拌子観察部の外周に沿って配置されている
    ことを特徴とする請求項5記載の撹拌装置。
  7. 前記撹拌子観察部は、
    前記磁気撹拌子に対して検出光を照射する照射部、
    前記磁気撹拌子から反射した前記検出光を受光して前記検出光の強度に応じた検出信号を出力する受光部、
    を備え、
    前記撹拌装置はさらに、前記検出信号の経時変化にしたがって前記磁気撹拌子が正常に回転しているか否かを判定する演算部を備える
    ことを特徴とする請求項5記載の撹拌装置。
  8. 前記撹拌子観察部は、前記磁気撹拌子から生じる磁場を検出してその強度に応じた検出信号を出力する磁場測定部を備え、
    前記撹拌装置はさらに、前記検出信号の経時変化にしたがって前記磁気撹拌子が正常に回転しているか否かを判定する演算部を備える
    ことを特徴とする請求項5記載の撹拌装置。
  9. 前記容器保持部は、前記容器保持部を貫通する貫通穴を有し、
    前記貫通穴は、前記容器を収容することができる径を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  10. 前記磁気撹拌子は常磁性を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  11. 請求項1記載の撹拌装置、
    前記溶液を分注する分注ノズル、
    を備えることを特徴とする分析装置。
  12. 前記磁気撹拌子は、前記分注ノズルの先端径よりも大きい径を有する穴を備える
    ことを特徴とする請求項11記載の分析装置。
  13. 前記分析装置はさらに、前記磁気撹拌子を前記容器のなかに投入する投入機構を備える
    ことを特徴とする請求項11記載の分析装置。
  14. 前記分析装置はさらに、前記容器を収容するとともに前記容器の温度を調整する恒温槽を備え、
    前記変動磁場発生装置はさらに、前記恒温槽と接触することにより前記変動磁場発生装置から生じた熱を放熱する放熱板を備える
    ことを特徴とする請求項11記載の分析装置。
  15. 常磁性を有する磁性粒子を含む溶液を分注する分注方法であって、
    請求項1記載の撹拌装置を用いて前記溶液を撹拌するステップ、
    前記溶液のなかに分注ノズルを挿入して前記溶液を前記分注ノズルのなかに吸引する吸引ステップ、
    を有することを特徴とする分注方法。
  16. 前記分注方法は、前記磁気撹拌子が回転している間に、分注する前記溶液を収容している前記容器の上方まで前記分注ノズルを移動させるステップを有し、
    前記磁気撹拌子が回転している間、または前記磁気撹拌子が回転を停止した後に、前記吸引ステップを実施する
    ことを特徴とする請求項15記載の分注方法。
  17. 前記溶液の液面高さが第1高さであるときは、前記変動磁場発生装置が前記変動磁場を発生させる動作を停止してから第1時間が経過するまでの間に、前記吸引ステップを実施し、
    前記溶液の液面高さが前記第1高さよりも小さい第2高さであるときは、前記変動磁場発生装置が前記変動磁場を発生させる動作を停止してから、前記第1時間よりも短い第2時間が経過するまでの間に、前記吸引ステップを実施する
    ことを特徴とする請求項15記載の分注方法。
  18. 前記磁気撹拌子の長さは、前記容器の内径の30%から80%の間である
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  19. 前記磁気撹拌子の厚さは、1mmから3mmの間である
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  20. 前記磁気撹拌子は、残留磁化の磁束密度が1mT以下となる磁気特性を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  21. 前記変動磁場発生装置は、前記磁気撹拌子と、前記変動磁場発生装置が有する磁性体との間の距離が20mm以内となる位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  22. 前記変動磁場発生装置は、回転速度が500rpm以上3000rpm以下の回転磁場を発生させる
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  23. 前記容器保持部は、比透磁率が1.02以下の部材を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
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