JP2009174292A - ラッチ装置および建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドア1の扉体20に設けるラッチ装置30のラッチ本体35として、調節手段90をラッチ部材60とコイルばね80との間に設ける構成を適用しているので、コイルばね80の縮み量を変化させることなくラッチ部材60の突出量を変更できる。したがって、ラッチ部材60の突出量が異なっていてもラッチ部材60が掛け寸法だけ押し込まれたときのコイルばね80の縮み量を同一にすることができ、ラッチ力を一定にすることができる。
【選択図】図2
Description
この特許文献1に記載のものは、ハウジングとこのハウジングの前後壁に枢支させたノッチ軸とこのノッチ軸の後端部に枢着してノッチ部の突出長さを調整するストッパとノッチ部をハウジングの前方へ出没自在にするコイルばねとを備えている。
さらに、ラッチ装置は、ドライバなどでノッチ部をハウジング内に押し込みノッチ軸を左右に回転させ、雄ねじをストッパの前後方向に移動させることで、ハウジングからのノッチ部の突出長さが調節可能に構成されている。
ここで、上述の機能を有する調節手段としては、ベース部材およびラッチ部材のうち一方に固定されたナットと、他方に固定されたボルトとを螺合させる構成が例示できる。
このような構成によれば、ラッチ装置を分解したり面材や枠体から取り外したりしなくても、ベース部材を固定したままで突没方向外側からラッチ部材を回転させるだけの簡単な操作で突出量を変更できる。
ここで、上述の回転規制手段を設けない構成の場合、例えば面材の開閉時の振動によりラッチ部材が回転してしまい利用者の意志に反して突出量が変更されてしまうおそれがある。
これに対して、本発明によれば、振動によりラッチ部材が回転することがなくなるので、利用者の意志に反して突出量が変化して受部と掛け寸法が変わってしまうという不具合を防止できる。
ここで、押圧手段としては、上述の付勢手段の例示と同様のものを適用することができる。
このような構成によれば、押圧手段によりラッチ部材をベース部材に押し付けるので面材の開閉時におけるラッチ部材のがたつきを防止できる。
この発明によれば、突出部と溝部とを回転規制手段および押圧手段として機能させることでラッチ装置の構成の簡略化を図ることができる。さらには、従来のようにラッチ部材を押し込まなくても、弾性部を弾性変形させて突出部と溝部との係合を外す程度の操作力でラッチ部材を回転させて、突出量を変更することができる。
ここで、ダンパ手段としては、空気の出入りを調節することで付勢手段の付勢力と反対方向への力(以下、ダンパ力と称す)を作用させるエアダンパ、粘性が高いオイルを利用してダンパ力を作用させるオイルダンパを適用することができる。
この発明によれば、ダンパ手段によりラッチ部材にダンパ力を作用させるので、ラッチ部材が突出して受部に係合するときの速度(以下、突出速度と称す)を遅くすることができラッチ部材と受部との衝突音を低減することができる。
ここで、ベースラッチ間摺接部材を樹脂材などの弾性変形可能な材料で略リング状に形成すれば、ベースラッチ間摺接部材や収容部あるいはラッチ部材の公差が生じた場合でもベースラッチ間摺接部材を収容部に摺接させることができ、さらにはベースラッチ間摺接部材を弾性変形させることでラッチ部材に容易に取り付けることができる。なお、ベースラッチ間摺接部材は、ラッチ部材に設けられてもよいし、収容部に設けられていてもよい。また、収容部およびラッチ部材を両者間にわずかな隙間が形成されるような形状にして、この隙間にベースラッチ間摺接部材として粘性が高いオイルを塗布してもよい。
この発明によれば、ダンパ手段によりラッチ部材にダンパ力を作用させるので、上述の作用によりラッチ部材と受部との衝突音を低減することができる。また、回転規制手段として機能させている溝部を収容部内における閉塞面側空間の圧力を調整する手段として機能させることにより、圧力調整機能のみを有する孔などを設ける必要がなくラッチ装置の構成の簡略化を図ることができる。
この発明によれば、ラッチ部材に取り付けられた調節手段を付勢手段とともに収容部に収容した後に、調節手段移動規制部材を取り付けて調節手段の移動を規制することでラッチ装置を容易に組み立てることができる。
また、本発明の建具では、前記面材は、前記枠体に回動可能に支持されている扉体である構成が好ましい。
これらのような発明によれば、上述のラッチ装置と同様の作用効果を有する建具を提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るドア1を示す縦断面図である。図2は、ドア1を示す横断面図である。
図1および図2において、建具としてのドア1は、図示しない建物に設けられ、浴室出入口に固定される枠体10と、この枠体10に開閉自在に支持された面材としての扉体20と、を備えている。
枠体10は、上枠11、下枠12および左右の縦枠13を備えている。一方(図2の左側)の縦枠13の複数箇所には、蝶番14が設けられている。
扉体20は、枠体10に蝶番14を介して回動支持されており蝶番14の回動軸を中心にして浴室側に開閉される。また、扉体20は、四周枠組みされた扉上枠21、扉下枠22および左右の扉縦枠23と、これら各枠21〜23で区画される開口部分を閉塞するパネル24とを備えている。
また、ドア1には、枠体10に設けられた受部31と、扉体20に設けられたラッチ本体35とを備え、ラッチ本体35が受部31に係合することで扉体20を閉鎖位置に位置規制するラッチ装置30が設けられている。
受部31は、他方(図2の右側)の縦枠13の内側面側に球状に凹む受本体部32を備えている。この受本体部32の深さ寸法つまり掛け寸法は、Kmm(Kミリメートル:以下、「mm」はミリメートルを意味する)に設定されている。
ラッチ本体35は、図2に示すように、ベース部材40とラッチ部材60と付勢手段としてのコイルばね80と調節手段90とを備えている。
図3は、ラッチ本体35を示す扉体20の上側から見た横断面図である。図4は、ラッチ本体35を示す浴室側から見た縦断面図であり、図3に矢視IV−IV線で示す断面図である。図5は、ラッチ本体35を示す扉体20の回動中心側から見た縦断面図であり、図4に矢視V−V線で示す断面図である。
調節手段90は、多角板状のナット91と、このナット91に螺合するボルト軸92および多角形板状のボルト頭93を有するボルト94とを備えている。
このベース外筒部44の脱衣室側の内周面には、ベース取付部41の受部31と対向する面からベース外筒部44の延出方向に沿って延びる断面円弧状の回転規制手段および押圧手段としての溝部45が設けられている。また、ベース外筒部44の延出方向先端には、ばね受板部46がベース孔42と対向するように設けられている。
また、ばね受板部46のベース孔42側の面には、浴室側が開口された断面略C字状のベース内筒部47が設けられている。このベース内筒部47は、ボルト94の回転を規制しつつ、ボルト94をボルト頭93のボルト軸92側の面(軸側当接面)95がベース内筒部47に当接するまで軸方向に移動可能に支持する。また、ボルト94のボルト頭93における軸側当接面95と反対の面(ばね当接面)96とばね受板部46との間には、コイルばね80が配置されている。
また、平坦面における外周縁に沿った略C字状の部分には、略垂直方向に突出する壁部67が設けられている。そして、この壁部67と平坦面とで略区画形成されるボルト軸受部挿入領域68には、ベース部材40のベース内筒部47の先端が挿入される。
まず、ベース部材40のベース内筒部47内にボルト頭93が位置する状態でボルト94を設置した後、ボルト94のばね当接面96とばね受板部46との間にコイルばね80を設置する。また、ラッチ部材60のナット嵌合部63にナット91を嵌合する。そして、ラッチ部材60をベース部材40のベース孔42内に挿入した後、ドライバ溝61に係合されたドライバの操作によりラッチ部材60を回転させて、ナット91をボルト94のボルト軸92に螺合させる。つまり、調節手段90をラッチ部材60とコイルばね80との間に設ける。この螺合状態を調節することでラッチ部材60がベース孔42に対して進退してラッチ部材60の突出量を変更することができる。また、この螺合の際、ラッチ部材60を1回転させる(360°回転させる)ごとにラッチ部材60の突出部66がベース部材40の溝部45に係合して、この係合によりラッチ部材60の回転が規制される。以上により、ラッチ本体35の組み立てが完了する。
まず、例えば受部31を縦枠13に取り付ける。また、ラッチ本体35のベース部材40のベース外筒部44を扉体20の扉縦枠23内に位置させて、ベース取付部41の挿通孔43に挿通させた取付部材を扉縦枠23に取り付ける。このとき、ラッチ部材60は、図5に示すように弾性部65により溝部対向面48につまり浴室側に押し付けられている。ラッチ本体35を扉体20へ取り付けた後、必要に応じてラッチ部材60の突出量を変更する。以上により、ラッチ装置30の扉体20への取り付けが完了する。
ここで、扉体20を回動させてドア1を閉じるとき、ラッチ装置30は図5に示すような矢印F1の方向(脱衣室側)へ移動する。そして、ラッチ部材60が受部31に当接して摺動するときに、ラッチ部材60には矢印F1と反対の矢印F2の方向(浴室側)への力が作用する。このとき、上述したようにラッチ部材60が弾性部65により浴室側に押し付けられてベース部材40に対して固定されているので、ラッチ部材60をがたつかせることなくドア1を閉じることができる。また、ドア1を開くときラッチ装置30が矢印F2の浴室側へ移動してラッチ部材60には矢印F1の脱衣室側への力が作用するが、弾性部65が変形することでラッチ部材60がベース部材40に対して徐々に移動するので、ラッチ部材60ががたつくことがない。
図6は、ラッチ部材60が掛け寸法だけ押し込まれた状態を上から見た横断面図である。図7は、扉枠間隔が図2の状態と比べて小さいときの状態を上から見た横断面図である。図8は、扉枠間隔が図2の状態と比べて大きいときの状態を上から見た横断面図である。
例えば、図2に示すように、扉枠間隔がL1mmの場合、ラッチ部材60の半球部分の先端とボルト94のばね当接面96との距離(ラッチボルト間距離)をM1mmに設定することで、ラッチ部材60が受部31に係合したときにボルト94の軸側当接面95とベース内筒部47とが当接する状態になり、コイルばね80の寸法(ラッチ係合ばね寸法)はBmmになる。この状態から扉体20を浴室側へ回動させてドア1を開けるとき、図6に示すように、ラッチ部材60が受本体部32の内面に沿って移動しつつベース外筒部44内に押し込まれる。そして、ラッチ部材60が受本体部32の外縁まで移動すると、コイルばね80の縮み量は掛け寸法と等しいKmmになる。さらに扉体20が浴室側へ回動してラッチ部材60が受部31の外側へ移動すると、ラッチ部材60はコイルばね80の縮み量に対応した付勢力(ラッチ力)により付勢されて軸側当接面95がベース内筒部47に当接するまで移動する。
(1)ラッチ装置30のラッチ本体35として調節手段90をラッチ部材60とコイルばね80との間に設ける構成を適用しているので、コイルばね80の縮み量を変化させることなくラッチ部材60の突出量を変更できる。したがって、図2,7,8に示すように、ラッチ部材60の突出量が異なっていてもラッチ部材60が掛け寸法だけ押し込まれたときのコイルばね80の縮み量を同一にすることができ、ラッチ力つまり操作力を一定にすることができる。
例えば、本発明の調節手段として、例えばベース部材40に設けられた筒状部材内にラッチ部材60に設けられた棒状部材を圧入することで調節する構成を適用してもよい。
さらに、溝部45、弾性部65、突出部66を設けない構成、つまり本発明の回転規制手段および押圧手段を設けない構成としてもよい。このような溝部45、弾性部65、突出部66を設けない構成において、ラッチ部材60の側面とベース部材40との間に板ばねや樹脂材などの弾性部材を挟み込むことでラッチ部材60をベース部材40の溝部45側の側面に押し付けてもよい。
そして、弾性部65を介さずに突出部66をラッチ部材60の側面から突出させて回転規制手段のみを設けてもよい。このような回転規制手段のみを設ける構成において、ラッチ部材60における突出部66と反対側の側面とベース部材40との間に上述の弾性部材を挟み込むことでラッチ部材60をベース部材40の溝部45側の側面に押し付けてもよい。
さらに、回転規制手段としては、樹脂材などの摩擦力を利用する構成としてもよい。また、押圧手段によりラッチ部材60を浴室側ではなく脱衣室側や天井側あるいは床側に押し付ける構成としてもよい。
そして、受部31を扉体20に設け、ラッチ本体35を枠体10に設けてもよい。
ベース部材110のベース孔111と対向する面には、コイルばね80およびボルト94が配置されるベース内筒部47が設けられている。
ラッチ部材120は、断面略台形かつ正面視で略正方形のブロック形状に形成されたラッチ外側部121と、このラッチ外側部121内に回転可能に配設された円柱状のラッチ内側部125とを備えている。ラッチ外側部121には、ラッチ内側部125を外部に露出させるボルト軸挿通孔122とドライバ挿通孔123とが設けられている。ラッチ内側部125内には、ベース部材110に配置されたボルト94が螺合されるナット91が回転不可能に嵌合されている。また、ラッチ内側部125には、ボルト軸92を軸方向に移動可能にするボルト軸挿入部126と、ドライバ挿通孔123を介して露出されたドライバ溝61とが設けられている。また、ラッチ本体35Bには、扉体20を開くときにラッチ外側部121を没入させる機構を備えている。この機構としては、図示しないハンドルと、ハンドル操作に連動してラッチ外側部121を没入させる図示しない連動部とを有する構成が例示できる。
ベース部材110におけるベース孔111の近傍には、互いに対向し、ラッチ部材140を受部31Cに対して進退する方向へガイドする一対のガイド部112が設けられている。
ラッチ部材140は、ローラ141と、このローラ141を回転可能に軸支する一対のローラ軸支部142とを備えている。
調節手段150は、ベース内筒部47内に移動可能に設けられたラック部151と、このラック部151と係合するラック係合部155と、ラック部151の移動を規制するラック移動規制部158とを備えている。ラック部151は、ベース内筒部47内でコイルばね80に当接して付勢される略板状のラック基部152と、このラック基部152の一面から突出する棒状に形成されその側面に複数のラック歯153が設けられたラック軸部154とを備えている。ラック係合部155は、ローラ軸支部142から棒状に延び弾性変形可能な係合軸部156と、この係合軸部156の先端から突出しラック歯153と係合する係合突部157とを備えている。ラック移動規制部158は、ローラ軸支部142にラック係合部155と対向するように設けられている。また、ラック係合部155とガイド部112の間には、ベース孔111から出入自在に設けられたラッチ規制部材160が設けられている。
また、図11に示すラッチ装置30Cにおいてラッチ部材140の突出量を調節する場合には、ラッチ規制部材160を取り外した後に、ラッチ部材140を移動させつつ係合軸部156を弾性変形させて係合突部157とラック歯153との係合位置を変える。そして、調節後にラッチ規制部材160を挿入することでラッチ部材140をベース部材110に対して位置規制する。
このような図9〜図11に示すラッチ本体35Aやラッチ装置30B,30Cにおいても、調節手段90,150をラッチ部材60A,120,140とコイルばね80との間に設けているので上記実施形態と同様の作用効果を期待できる。
図12において、建具としてのドア1Dには、枠体10に設けられた受部31と、扉体20に設けられたラッチ本体35Dとを備えたラッチ装置30Dが設けられている。ラッチ本体35Dは、ベース部材200とラッチ部材220とコイルばね80と調節手段90とを備えている。
図13は、ラッチ本体35Dを示す扉体20の上側から見た横断面図である。図14は、ラッチ本体35Dを示す浴室側から見た縦断面図であり、図13に矢視XIV−XIV線で示す断面図である。図15は、ラッチ本体35Dを示す扉体20の回動中心側から見た縦断面図であり、図14に矢視XV−XV線で示す断面図である。図16は、ラッチ本体35Dを示す扉体20の回動中心側から見た縦断面図であり、図14に矢視XVI−XVI線で示す断面図である。
また、円筒収容部202の脱衣室側の内周面には、ベース取付部41の受部31と対向する面から円筒収容部202の延出方向に沿って延びる断面円弧状の溝部206が設けられている。六角筒収容部203の内周面には、図示しないダンピンググリスが塗布されている。そして、六角筒収容部203は、ナット91の回転を規制しつつ、ナット91の一面がナット移動規制部材210に当接するまで軸方向に移動可能に支持する。また、ナット91の他面とばね受板部204との間には、コイルばね80が配置されている。
そして、突出部228と溝部206とは、互いに係合することでラッチ部材220の回転を規制する回転規制手段を構成している。また、収容部201と溝部206とOリング230とは、収容部201内におけるOリング230よりもばね受板部204側の閉塞面側空間208とその外部(空間外部)との間で溝部206を介して空気を出入りさせ、閉塞面側空間208の圧力を調整することでラッチ部材220にラッチ力と反対方向の力(ダンパ力)を作用させるダンパ手段としてのエアダンパを構成している。
まず、ボルト94にナット91を螺合させてボルト軸92の先端をかしめた後に、ボルト頭93をラッチ部材220のボルト圧入突部224を変形させつつボルト嵌合部223に圧入する。次に、Oリング溝225にOリング230を嵌め込む。そして、六角筒収容部203の開口周縁にダンピンググリスを塗布して、六角筒収容部203内にコイルばね80を配置する。この後、ラッチ部材220に取り付けられたナット91でコイルばね80を縮めつつナット91を六角筒収容部203内に収容して、ナット91を差込部205よりもばね受板部204側に位置させるとともにナット91の側面にダンピンググリスを塗りつける。そして、差込部205にナット移動規制部材210を差し込みボルト軸92を挿通させることにより、移動規制本体部211でナット91がベース孔42側へ移動することを規制する。そして、ナット91とボルト94との螺合状態を調節することでラッチ部材220の突出量を変更することができ、ラッチ部材220を1回転させるごとに突出部228が溝部206に係合してラッチ部材220の回転が規制される。以上により、ラッチ本体35Dの組み立てが完了する。
ドア1Dを閉じるために扉体20を回動させるとき、ラッチ装置30Dのラッチ部材220は、受部31に当接して移動しつつ円筒収容部202内に押し込まれる。このとき、ナット91がばね受板部204に近づくため閉塞面側空間208が狭くなり閉塞面側空間208の圧力が一時的に高くなるが、溝部206を介して閉塞面側空間208内の空気を少しずつ空間外部に出すことで閉塞面側空間208の圧力が徐々に低くなり、やがて空間外部との圧力差がなくなる。このため、ラッチ部材220が円筒収容部202内にスムーズに押し込まれる。
(7)収容部201と溝部206とOリング230とで構成されるエアダンパによりラッチ部材220にダンパ力を作用させているため、ラッチ部材220の突出速度を遅くすることができラッチ部材220と受本体部32との衝突音を低減することができる。特に、ナット91にダンピンググリスを塗布しているため、大きなダンパ力を作用させることができ、衝突音をより低減できる。
例えば、Oリング230を設けずにダンピンググリスのみでダンパ力を作用させてもよいし、ダンピンググリスを塗布せずにエアダンパのみでダンパ力を作用させてもよい。
また、Oリング230を円筒収容部202の内周面に設けてもよい。そして、Oリング230の代わりに、ラッチ部材220または円筒収容部202にその周方向に沿って断続的に樹脂製のベースラッチ間摺接部材を設けてもよい。さらに、円筒収容部202とラッチ部材220とを両者間にわずかな隙間が形成されるような形状にして、この隙間にダンピンググリスを塗布してダンパ力を作用させてもよい。このような構成では、断面略C字状のベース内筒部47と同様の構成でナット91の移動を規制してもよい。
そして、上述した第1実施形態の変形例を第2実施形態の変形として適宜適用してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (10)
- 枠体および前記枠体に開閉自在に支持された面材のうち、一方に設けられたラッチ本体と、他方に設けられた受部とを備え、前記ラッチ本体が前記受部に係合することで前記面材を閉鎖位置に位置規制するラッチ装置であって、
前記ラッチ本体は、
前記一方に固定されるとともにベース孔を有したベース部材と、
前記ベース孔から突没自在に前記ベース部材に支持されるラッチ部材と、
このラッチ部材を前記ベース孔から突出させる方向へ付勢する付勢手段と、
前記ラッチ部材の前記ベース孔からの突出量を変更して前記受部との掛け寸法を調節可能な調節手段とを備えて構成され、
前記調節手段は、前記ラッチ部材と前記付勢手段との間に設けられているラッチ装置。 - 前記調節手段は、前記ラッチ部材を突没方向を回転軸として回転させることで前記突出量を変更可能に設けられている請求項1に記載のラッチ装置。
- 前記ラッチ部材の回転を規制する回転規制手段が前記ベース部材と前記ラッチ部材との間に設けられている請求項2に記載のラッチ装置。
- 前記ラッチ部材を突没方向と交差する方向へ押圧して前記ベース部材に押し付ける押圧手段が前記ベース部材と前記ラッチ部材との間に設けられている請求項2または請求項3に記載のラッチ装置。
- 前記ベース部材における前記ラッチ部材の外周面と対向する内周面および前記ラッチ部材の外周面のうち一方には、他方に向けて突出する突出部が設けられ、他方には、前記突出部と係合しかつ前記突出部が突没方向に摺動可能な溝部が設けられ、
前記突出部または前記溝部は、前記突出部の突出方向に略沿った方向に弾性変形可能な弾性部を介して前記ベース部材または前記ラッチ部材に設けられ、
前記突出部と前記溝部とは、これらの係合により前記ラッチ部材の回転を規制する回転規制手段を構成し、
前記押圧手段は、前記突出部と前記溝部と前記弾性部とで構成され、前記弾性部の弾性変形の反力により前記ラッチ部材が前記ベース部材に押し付けられている請求項4に記載のラッチ装置。 - 前記ラッチ部材が前記付勢手段で付勢された際に前記ラッチ部材に対して前記付勢手段の付勢力と反対方向への力を作用させるダンパ手段が設けられている請求項1から請求項5のいずれかに記載のラッチ装置。
- 前記ベース部材には、軸方向の一端面が閉塞された略筒状に形成されて前記ラッチ部材と前記調節手段と前記付勢手段とを収容する収容部が設けられ、
前記ラッチ部材の外周面には、前記収容部の内周面に対して進退する方向に弾性変形可能な弾性部を介して前記収容部の内周面に向けて突出する突出部が設けられ、
前記収容部の内周面には、前記突出部と係合しかつ前記突出部が突没方向に摺動可能な溝部が設けられ、
前記ラッチ部材の外周面および前記収容部の内周面のうち一方には、その周方向に略沿って一連に配置されて他方に摺接するベースラッチ間摺接部材が設けられ、
前記突出部と前記溝部とは、これらの係合により前記ラッチ部材の回転を規制する前記回転規制手段を構成し、
前記収容部と前記溝部と前記ベースラッチ間摺接部材とは、前記収容部内における前記ベースラッチ間摺接部材よりも閉塞面側の閉塞面側空間の圧力を前記溝部を介した空気の出入りで調整することで、前記ラッチ部材が前記付勢手段で付勢された際に前記ラッチ部材に対して前記付勢手段の付勢力と反対方向への力を作用させるダンパ手段を構成している請求項3に記載のラッチ装置。 - 前記ベース部材には、前記ラッチ部材と前記調節手段と前記付勢手段とを収容する収容部が設けられ、
前記収容部には、前記調節手段に当接して前記ラッチ部材の突出方向側への移動を規制する調節手段移動規制部材が着脱可能に取り付けられている請求項1から請求項7のいずれかに記載のラッチ装置。 - 建物に固定された枠体と、
この枠体に開閉自在に支持された面材と、
請求項1から請求項8のいずれかに記載のラッチ装置とを備えた建具。 - 前記面材は、前記枠体に回動可能に支持された扉体である請求項9に記載の建具。
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