JP2009173775A - 樹脂分散液連続凝析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る樹脂分散液連続凝析方法では、脂凝析粒体製造工程中、粉砕空間SPcにおいて樹脂分散液と凝析液とが粉砕翼32によって攪拌混合されると同時に樹脂分散液と凝析液との攪拌混合によって生成する樹脂凝析体が粉砕翼によって粉砕されて所定範囲内の大きさの樹脂凝析粒体が順次製造され、樹脂凝析粒体が剪断空間SPsに連続的に送出される。そして、剪断工程中、剪断空間において流体搬送翼34a,34b,34c及び固定羽根111により樹脂凝析粒体に剪断力が掛けられながら樹脂凝析粒体が連続的に排出空間SPeに送出される。
【選択図】図1
Description
(1)ケーシング
ケーシング10は、図1及び図2に示されるように、主に、本体部11、蓋部12、樹脂分散液供給管13、凝析液供給管14及び樹脂凝析粒体排出管15から構成されている。なお、このケーシング10は、本体部11及び樹脂凝析粒体排出管15の軸が水平面に平行になり(つまり、本体部11及び樹脂凝析粒体排出管15の軸が鉛直方向に直交し)且つ凝析液供給管14が上を向くように設置される。
攪拌棒30は、図4に示されるように、主に、シャフト31、粉砕翼32、粉砕補助翼33、3つの流体搬送翼34a,34b,34c、剪断翼35、3つの局所攪拌翼36a,36b,36c、逆流補助翼37及び逆流発生翼38から構成されている。なお、以下、説明の便宜上、粉砕翼側の流体搬送翼34aを「第1流体搬送翼」と称し、中央に位置する流体搬送翼34bを「第2流体搬送翼」と称し、逆流発生翼側の流体搬送翼34cを「第3流体搬送翼」と称し、粉砕翼側の局所攪拌翼36aを「第1局所攪拌翼」と称し、中央に位置する局所攪拌翼36bを「第2局所攪拌翼」と称し、逆流発生翼側の局所攪拌翼36cを「第3局所攪拌翼」と称する。
シール機構50は、ケーシング10の内部空間SPに流れる液が駆動シャフト71を伝って駆動機構70に浸入しないように内部空間SPと駆動機構70とを分け隔てる。なお、このシール機構50には駆動シャフト71の脇に凝析液通路が設けられており、凝析液通路を流れる凝析液は逆流発生翼38によって排出空間SPeへと送られる。
駆動機構70は、例えば、電動機や内燃機関等であって、駆動シャフト71を回転させる。
先ず、駆動機構70により駆動シャフト71を回転させて攪拌棒30を回転させる。そして、樹脂分散液供給管13に所定流量で樹脂分散液を流して樹脂分散液を粉砕空間SPcに送ると同時に凝析液供給管14に所定流量で凝析液を流して凝析液を粉砕空間SPcに送る。すると、粉砕空間SPcでは、粉砕翼32によって流入する樹脂分散液と凝析液とが攪拌混合されると同時に樹脂分散液と凝析液との攪拌混合によって生成する樹脂凝析体が粉砕翼32によって粉砕される。この結果、粉砕空間SPcには、所定範囲内の大きさの樹脂凝析粒体が連続的に製造される。そして、この樹脂凝析粒体は、主に流体搬送翼34a,34b,34cによって生じる流体流れ(以下「搬送方向流れ」という)に乗って剪断空間SPsへと送られる。そして、剪断空間SPsでは、樹脂凝析粒体及び未凝析成分が、搬送方向流れに乗って排出空間SPeへと流れながら、流体搬送翼34a,34b,34c、局所攪拌翼36a,36b,36c及び固定羽根111によって剪断力を加えられる。この結果、未凝析成分が減少すると同時に樹脂凝析粒体の形状が整えられていく。そして、搬送方向流れに乗って排出空間SPeへと達した樹脂凝析粒体は、搬送方向流れと、逆流発生翼38によって逆流空間SPrにおいて生じる逆搬送方向流れとによって樹脂凝析粒体排出管15に押し出される。
(1)
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂分散液供給管13を通って所定の流量で流れてくる樹脂分散液と、凝析液供給管14を通って所定の流量で流れてくる凝析液とが粉砕空間SPcにおいて粉砕翼32によって攪拌混合されると同時に、この攪拌混合により生成する樹脂凝析体が粉砕翼32によって粉砕されて、所定範囲内の大きさの樹脂凝析粒体が順次製造される。そして、その後、剪断空間SPsにおいて樹脂凝析粒体に剪断力が掛けられながら樹脂凝析粒体が連続的に排出空間SPeに送出される。つまり、この樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂凝析体が粉砕翼32によって所定範囲内の大きさの樹脂凝析粒体にされてから剪断空間SPsに送出されることになる。したがって、この樹脂分散液連続凝析装置1では、ゴムラテックスのような樹脂分散液であっても詰まり等の問題なく連続的に凝析して所定範囲の大きさの樹脂凝析粒体が得られる。また、この樹脂分散液連続凝析装置1では、粉砕空間SPcにおいて製造された樹脂凝析粒体が剪断空間SPsにおいて剪断される。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、未凝析成分を順次減少される。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、第1流体搬送翼34aと第2流体搬送翼34bとの間、第2流体搬送翼34bと第3流体搬送翼34cとの間、及び第3流体搬送翼34cと剪断翼35との間のシャフト31に局所攪拌翼36a,36b,36cが形成されている。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、流体搬送翼34a,34b,34cの間、及び第3流体搬送翼34cと剪断翼35との間のシャフト部分に樹脂凝析粒体が付着するのが防止されつつ樹脂凝析粒体に良好に剪断力が加えられる。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、逆流空間SPrにおいて、シール機構50を通って送出される凝析液が逆流発生翼38によって排出空間SPeに送出される。そして、この結果、剪断空間SPsから排出空間SPeに流れ込む樹脂凝析粒体と、逆流空間SPrから排出空間SPeに流れ込む凝析液とは、混じり合って排出空間SPeから樹脂凝析粒体排出管15を通って系外に排出される。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、粉砕翼32の羽根321が、シャフト31の第2端側の部分の外周から、シャフト31の第2端を基点とし第1端へと向かう方向の反対方向に向かうに連れて外周方向に向かって延びるように形成されている。また、この羽根321は、図5に示されるように、シャフト31の軸に沿って見た場合において、シャフト31の外周に沿って均等に配置されており、シャフト31の軸を含む第21面、及びシャフト31の軸を含み第21面に直交する第22面に対して90°傾斜するように形成されている。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、粉砕翼32が樹脂凝析粒体の粉砕空間SPcから剪断空間SPsへの送出に貢献する。したがって、この樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂凝析粒体が粉砕空間SPcから剪断空間SPsに向かってスムースに送り出される。また、粉砕空間SPsでは、シャフト等、変位しない物体が存在しない。したがって、この樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂凝析粒体が粘着性を有している場合であっても、粉砕翼32に樹脂凝析粒体が付着するおそれが低減される。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、攪拌棒30の粉砕翼32に隣接する位置に粉砕補助翼33が取り付けられている。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂凝析粒体が粉砕空間SPcに滞留する時間が長くなる。したがって、この樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂凝析体の粉砕を良好に行うことができる。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、流体流れ方向下流側において攪拌棒30が方持ちで駆動シャフト71に連結されている。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、流体流れ方向上流側及び下流側において攪拌棒30が支持されているものよりも樹脂分散液供給管13や凝析液供給管14の配置の自由度が高い。したがって、樹脂分散液連続凝析装置1では、樹脂分散液と凝析液との攪拌混合開始時における状態が制御しやすくなっている。
本発明に係る樹脂分散液連続凝析装置1では、3つの円筒部材11a,11b,11cが取り外し可能に連結されて本体部11が構成されている。また、樹脂分散液連続凝析装置1では、攪拌棒30と駆動シャフト71とを容易に取り外すことができる。このため、この樹脂分散液連続凝析装置1では、品種の切換やメンテナンス等において、容易にケーシングを分解することができる。したがって、洗浄作業者やメンテナンス作業者等は、樹脂分散液連続凝析装置1を簡便に洗浄したりメンテナンスしたりすることができる。
(A)
先の実施の形態に係る樹脂分散液連続凝析装置1では図4に示されるような攪拌棒30が採用されたが、これに代えて、図13に示されるような攪拌棒30Aが採用されてもよい。この攪拌棒30Aは、粉砕翼32A以外、先の実施の形態に掛かる攪拌棒30と同一である。また、本変形例に係る粉砕翼32Aは、羽根321AがL字型の形状を呈していること以外、先の実施形態に掛かる粉砕翼32と同一である。
先の実施の形態では粉砕翼32、粉砕補助翼33、流体搬送翼34a,34b,34c、剪断翼35、局所攪拌翼36a,36b,36c、逆流補助翼37及び逆流発生翼38において羽根の枚数が規定されたが、本発明においてこれらの翼の羽根の枚数は特に限定されず、条件に応じて適宜変更してもかまわない。例えば、粉砕翼32の羽根321の枚数を6枚としてもかまわないし、流体搬送翼34の羽根341の枚数を4枚としてもかまわない。
32 粉砕翼
33 粉砕補助翼
34a,34b,34c 流体搬送翼
36a,36b,36c 局所攪拌翼
111 固定羽根
331 粉砕補助翼の羽根
361 局所攪拌翼の羽根
SPc 粉砕空間
SPe 排出空間
SPr 逆流空間
SPs 剪断空間
Claims (5)
- 粉砕翼(32)が配置される粉砕空間(SPc)に第1通路を通じて樹脂分散液を第1流量で供給すると同時に第2通路を通じて凝析液を第2流量で供給し前記粉砕空間において前記樹脂分散液と前記凝析液とを前記粉砕翼によって攪拌混合すると同時に前記樹脂分散液と前記凝析液との攪拌混合によって生成する樹脂凝析体を前記粉砕翼によって粉砕して所定範囲内の大きさの樹脂凝析粒体を順次製造し前記樹脂凝析粒体を前記粉砕空間に隣接する剪断空間(SPs)に連続的に送出する樹脂凝析粒体製造工程と、
前記剪断空間に配置され前記樹脂凝析粒体を前記剪断空間に隣接する前記排出空間に送出する複数の流体搬送翼(34a,34b,34c)と、前記剪断空間を形成する円筒壁から前記円筒壁の軸に向かって延びる固定羽根(111)とによって前記樹脂凝析粒体に剪断力を掛けながら前記樹脂凝析粒体を連続的に排出空間(SPe)に送出する剪断工程と
を備える樹脂分散液連続凝析方法。 - 前記流体搬送翼の間の空間には、前記流体搬送翼の回転軸の延長線上にある回転軸と、前記回転軸を含む面に沿って延びる複数の羽根(361)とを有する局所攪拌翼(36a,36b,36c)が配置されており、
前記剪断力は、前記流体搬送翼、前記局所攪拌翼及び前記固定羽根によって発生される
請求項1に記載の樹脂分散液連続凝析方法。 - 前記粉砕翼の回転軸の延長線上にある回転軸を有し前記樹脂凝析粒体の流れ方向と反対方向の流体流れを発生させる逆流発生翼が設けられる逆流空間(SPr)において、第3通路を通って送出される凝析液を逆流発生翼によって前記排出空間に送出する逆流発生工程をさらに備え、
前記剪断空間から前記排出空間に流れ込む樹脂凝析粒体と、前記逆流空間から前記排出空間に流れ込む前記凝析液とは、混じり合って前記排出空間から系外に排出される
請求項1又は2に記載の樹脂分散液連続凝析方法。 - 前記粉砕翼は、前記剪断空間に存在するシャフト端から前記粉砕空間に向かうに連れてシャフト(31)の外周方向に向かって延び前記シャフトの長手方向に沿って見た場合において前記シャフトの半径方向に対して所定角度傾斜するように前記シャフトに取り付けられる複数の羽根を有する
請求項1から3のいずれかに記載の樹脂分散液連続凝析方法。 - 前記シャフトには、前記粉砕翼に隣接する位置に、前記シャフトの軸を含む面に沿って延びる複数の羽根(331)を有する粉砕補助翼(33)が取り付けられている、
請求項4に記載の樹脂分散液連続凝析方法。
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- 2008-01-24 JP JP2008014065A patent/JP5369442B2/ja active Active
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