JP4201328B2 - 合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法および当該乳化方法によって製造される合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物 - Google Patents

合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法および当該乳化方法によって製造される合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法および当該乳化方法によって製造される合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境学的見地から、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂やネオプレン共重合体樹脂などのゴム状弾性体樹脂は、水性の形態で、粘着剤や接着剤などの用途において採用されている。
ゴム状弾性体樹脂を、水性の形態にする1つの方法として、高速撹拌機による乳化方法が知られている〔以下の特許文献1、参照〕。この既知の乳化方法によれば、相互に不混和性の液体を、撹拌槽中で高速撹拌機によって乳化分散して微小液滴を形成している。この既知の方法は、自由表面における空気の巻き込みを回避すべく、撹拌槽の側面に邪魔板を設けて撹拌の際の液面の窪み形成を防止することを提案しており、また、自由表面に円盤状のフロートを設置することを開示する。しかしながら、この提案法では、空気巻き込みの完全な防止は、不可能であり、また回分式であるため、大量生産には不適当である。
【0003】
【特許文献1】
特開平8-168661号公報
【0004】
また、横型湿式粉砕機を用いて乳化する方法も知られている(以下の特許文献2、参照)。特許文献2は、熱可塑性エラストマーの乳化方法を開示する。この乳化方法によれば、有機溶剤中に溶解した熱可塑性エラストマーを、界面活性剤を用いて水中に混合、乳化する際に、円形断面を有する筒状の横型湿式粉砕機を採用する。この横型湿式粉砕機は、一般に高粘度の物質を乳化、分散する装置であって、通常、原料の吸入口と、高速回転する高速回転体(タービンまたはローター)と、この回転体から所定の間隔を開けてこの回転体の周囲を包囲してなる粉砕機本体の環状側壁に相当する非回転部分のステーターと、乳化済み生成物の吐出口とを備えている。
特許文献2は、横型湿式粉砕機として、ユーロテック社のキャビトロンを開示する(当該明細書34頁、参照)。
【0005】
【特許文献2】
国際公開第00/73382号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者らによれば、このキャビトロン横型湿式粉砕機を用い、前記したようなゴム状弾性体樹脂を乳化したところ、当該粉砕機の構造上の理由から、多量の樹脂が当該粉砕機に絡み付いて、当該粉砕機、特に回転体とステーターの間並びにスリットを閉塞させ、これにより多量の凝集物が発生し、得られた生成物は、製品として許容できないものであることを、本発明者らは、知見した。
そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題は、特定の横型湿式粉砕機使用に伴う、多量の樹脂の絡み付きによる粉砕機の閉塞並びに凝集物の発生を防止しうるような合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記知見に基づき、従来技術が被る多量の樹脂の絡み付きによる粉砕機閉塞の問題並びに凝集物発生の問題を解決すべく、鋭意検討した結果、従来技術で採用されていたキャビトロン横型湿式粉砕機に代えて、回転体が所定の直径を有しかつ回転体/ステーターが所定寸法のスリットを有する横型湿式粉砕機を用いると、前記問題を回避できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、有機溶剤中に溶解した合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂に対し、界面活性剤を添加し、得られた生成物を、水と共に筒状の横型湿式粉砕機に供給して当該粉砕機によって乳化させる、合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法を提供する。本発明の乳化方法によれば、上記横型湿式粉砕機は、前記生成物が水と共に供給される粉砕機本体と、当該粉砕機本体内部に設けた回転体であってスリットを有する翼部を備えた回転体と、スリットを有する非回転ステーターであって前記回転体から所定の間隔を開けて前記回転体の周囲を包囲してなる非回転ステーターとを備え、上記回転体の直径は、前記非回転ステーターの最小径部の直径の20〜80%、好ましくは50〜80%であり、かつ上記回転体および上記ステーターは、隙間3〜10 mmの前記スリットを有することを特徴とする。上記直径に関し、上限値を越えれば、樹脂の絡み付きの問題が起こり、下限値を下回れば、粉砕不良等の問題が起こる。また、スリットに関し、上限値を越えれば、粉砕不良等の問題が起こり、下限値を下回れば、樹脂の絡み付きの問題が起こる。
【0009】
前記したように、従来技術のキャビトロン横型湿式粉砕機は、一般に、回転体(タービン)と、これに対応する非回転ステーターとの組合せを複数備えている。非回転ステーターは、回転体から所定の間隔を開けて当該回転体の周囲を包囲してなる粉砕機本体の環状側壁に相当する。また、回転体およびステーターは、乱流形成のためにスリットを備える。従来技術であるキャビトロンでは、回転体(タービン)の直径は、非回転ステーターの最小径部の直径の90%以上であり、かつ回転体およびステーターは、隙間2 mm以下のスリットを有する。このように、本発明の粉砕機は、従来技術であるキャビトロンと、構造上、明確な相違が存在している。
【0010】
本発明によれば、本発明に使用される横型湿式粉砕機に関し、回転体の直径を、所定の前記範囲内に規定することにより、回転体と、これを包囲するステーターとの間隔を、従来技術のキャビトロンに比して大きくして乳化物が受ける抵抗をより小さくし、これにより、樹脂の粉砕機への絡み付きを防止でき、その結果、粉砕機の閉塞並びに凝集物の発生を回避できるという、技術的効果を奏することができる。さらに、本発明によれば、回転体およびステーターに設けたスリットの隙間を所定の前記範囲内に規定することにより、従来技術のキャビトロンに比し、より幅広のスリットとして乳化物が受ける抵抗をより小さくし、これにより、前記と同様に樹脂の粉砕機への絡み付きを防止でき、その結果、粉砕機の閉塞並びに凝集物の発生を回避できるという、技術的効果を達成することができる。
【0011】
また、本発明は、本発明の乳化方法によって製造される合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本実施形態によれば、第1工程において、有機溶剤中に溶解した合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂に対し、界面活性剤を添加する。
界面活性剤は、直接、ゴム状弾性体樹脂の有機溶剤溶液中に添加してもよいし、予め水中に溶解してから添加してもよい。
本明細書に使用されるゴム状弾性体樹脂は合成ゴムである。合成ゴムとして、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、イソプレン重合体樹脂、ブタジエン重合体樹脂、エチレン・プロピレン共重合体樹脂などを例示でき、本発明にとって、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂が特に好ましい。また本発明には、ネオプレン共重合体樹脂も、好適に使用することができる。
また本発明に使用される有機溶剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロオクタンなどを挙げることができる。もちろん、本発明の有機溶剤は、ゴム状弾性体樹脂を溶解しうる作用を有することが必要である。
【0013】
界面活性剤は、かかる合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂を水中に乳化させる作用を示すものであれば、いずれでもよく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる1つまたはそれ以上の界面活性剤を使用することができる。
アニオン性界面活性剤として、いわゆる石鹸、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤または硫酸エステル型アニオン性界面活性剤を使用することができる。カチオン性界面活性剤として、アミン型カチオン性界面活性剤または第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤を例示できる。また、非イオン性界面活性剤として、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤または多価アルコール型非イオン性界面活性剤を採用することができる。さらに、両性界面活性剤には、アミノ酸型両性界面活性剤またはベタイン型両性界面活性剤が包含される。これらの界面活性剤は、単独の形態または混合物の形態で使用することができる。本発明に好適な界面活性剤は、カチオン性界面活性剤(特に、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤)と非イオン性界面活性剤(特に、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤)との組合せである。
【0014】
本実施形態の第2工程によれば、界面活性剤の添加後、合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の有機溶液を、水と共に筒状の横型湿式粉砕機の吸入口に供給して、この粉砕機で乳化させることができる。
横型湿式粉砕機への供給は、好ましくはポンプによってなされる。なお、横型湿式粉砕機への〔水の流量〕対〔ゴム状弾性体樹脂の流量〕の割合(質量基準)は、樹脂の種類、ゴム状弾性体樹脂の有機溶液の濃度および使用した界面活性剤の種類に応じて変化するため、予備実験によって予め確認するのが好ましい。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂/有機溶液濃度約16〜26質量%/カチオン性界面活性剤+非イオン性界面活性剤の組合せでは、〔水の流量〕対〔ゴム状弾性体樹脂の流量〕の好ましい割合(質量基準)は、0.1〜0.6であることが判明した。この場合、カチオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤との好ましい組合せは、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤との組合せである。
また、横型湿式粉砕機の内圧は、好ましくは0.05〜0.8 MPa、より好ましくは0.1〜0.6 MPaである。内圧の下限値を下回れば、不安定な乳化物しか得られず、また内圧の上限値を越えれば、乳化物の製造速度が著しく遅くなり、経済的に不利である。
【0015】
本発明に使用される横型湿式粉砕機は、筒状の形態、特に円形断面を有する。また、横型湿式粉砕機は、前記生成物が水と共に供給される粉砕機本体と、当該粉砕機本体内部に設けられた回転体、特に高速回転体と、前記回転体から所定の間隔を開けて前記回転体の周囲を包囲してなる非回転ステーター(好ましくは、前記回転体から所定の間隔を開けて前記回転体の周囲を包囲してなる当該粉砕機本体の環状側壁に相当する非回転ステーター)とを備える。高速回転体とステーターの組み合わせは、複数あってもよい。回転体は、その翼部にスリットを有し、同様に、非回転ステーターもスリットを有する。これらスリットが形成される方向は、いずれの方向であってもよく、例えば、長手軸方向、径方向または横型湿式粉砕機の側壁円周方向などを挙げることができる。回転体は、一般にタービン、ローターなどと呼ばれ、主として当該回転体とステーターとの間隔によって生じる強力な剪断力、破砕力、衝撃力などによって、対象物を混合、撹拌、微粒化、乳化、分散させることができる。本実施形態に使用される横型湿式粉砕機は、回転体の直径並びにスリットの隙間に関する前記要件を充足し、かつゴム状弾性体樹脂を乳化しうるものであれば、いずれの横型湿式粉砕機も使用することができ、好ましくはパイプラインホモミクサー(商品名、特殊機化工業)、パイプラインミル(商品名、特殊機化工業)などを本発明の乳化に使用することができる。パイプラインホモミクサーに関し、タービンの直径は、110 mmで、ステーターの最小径部の直径は、160 mmで、スリットの隙間は、5 mmである。パイプラインミルに関し、タービンの直径は、110 mmで、ステーターの最小径部の直径は、160 mmで、スリットの隙間は、5 mmである。したがって、パイプラインホモミクサーおよびパイプラインミルは、両者とも、本発明の前記要件を充足する。なお、パイプラインホモミクサーおよびパイプラインミルは、本発明の出願前、単に、界面活性剤の製造に用いられていたに過ぎない。
【0016】
本発明に使用されるパイプラインホモミクサーは、好ましくは、図1に示すように、吸入口10から、順に、第1タービン9/第1ステーター8、第2タービン7/第2ステーター6および吐出口5を備える。第1タービン9および第2タービン7は、タービンシャフト3に回転自在に付設されており、このタービンシャフト3は、ホモミクサー本体外部のモータ1に接続されている。なお、符号2は、カップリングであり、符号4は、メカニカルシールである。ここにタービンとは、一般にタービンのインペラー(流体推進用の羽根)を備えた撹拌機をいい、タービンに吸引された流体は、接線方向へ流れる。同様に、本発明に使用されるパイプラインミルは、吸入口から、順に、第1タービン/第1ステーター、第2ローター/第2ステーター、第3ローター/第3ステーターおよび吐出口を備える。また同様に、第1タービン、第2ローターおよび第3ローターは、シャフトに回転自在に付設されており、このシャフトは、パイプラインミル本体外部のモータに接続されている。
【0017】
なお、前記第1工程および前記第2工程は、好ましくは連続工程で実施することができ、連続工程を採用する場合には、横型湿式粉砕機は、連続式設備において、その配管の間に組み込むことができる。なお、この連続式製造方法は、大量生産が可能という利点がある。また、この連続式製造方法は、ゴム状弾性体樹脂の有機溶液および水を、連続的に供給するため、横型湿式粉砕機内の空気は、その外部に押し出されるという利点もある。なお、空気を押し出し難い場合には、別途、空気抜き装置を設置してもよい。
【0018】
本発明の乳化方法によって得られた合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物は、非常に安定な分散体であって、好ましくは平均粒径0.3〜4.0μmを有し、有機溶剤の除去後に、粘着剤、接着剤、塗料、封止剤などの材料として用いられる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお実施例において、特に断らない限り、割合は、全て質量(重量)を基準とする。
【0020】
調製例 1 :スチレン・ブタジエン共重合体樹脂のトルエン溶液の調製
スチレン・ブタジエン共重合体樹脂〔TR-2631C(商品名)、JSR〕50 kgおよびトルエン192 kgを、ジャケット付きの溶解槽に仕込み、ジャケットに蒸気を導入して、50℃で加温溶解した(スチレン・ブタジエン共重合体樹脂のトルエン溶液の濃度=約21%)。得られた混合物を均一に溶解した後、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤〔カチオーゲンPAN(商品名)、第一工業製薬〕6 kgおよびポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤〔ノイゲンEA-167(商品名)、第一工業製薬〕2 kgを添加し、溶解するまで撹拌した。
【0021】
調製例 2 :ネオプレン共重合体樹脂のトルエン溶液の調製
JSR製のネオプレン共重合体樹脂50 kgおよびトルエン220 kgを、ジャケット付きの溶解槽に仕込み、ジャケットに蒸気を導入して、50℃で加温溶解した。得られた混合物を均一に溶解した後、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤〔カチオーゲンPAN(商品名)、第一工業製薬〕7 kgおよびポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤〔ノイゲンEA-167(商品名)、第一工業製薬〕2.5 kgを添加し、溶解するまで撹拌した。
【0022】
実施例 1 :パイプラインホモミクサーによるスチレン・ブタジエン共重合体樹脂の乳化
横型湿式粉砕機への〔水の流量〕対〔ゴム状弾性体樹脂の流量〕の割合を決定すべく、調製例1で調製したトルエン溶液を用いて予備実験を行い、約0.43であることがわかった。
次いで、調製例1のトルエン溶液を、横型湿式粉砕機〔パイプラインホモミクサー(商品名)、特殊機化工業〕に、ポンプにて20 kg/分の流量で供給した。これと同時に、水をポンプにて8 kg/分の流量で横型湿式粉砕機に供給した。
用いた粉砕機内の圧力は、出口配管に取付けた弁で0.35 MPaに調整した。乳化時間は、約9分間である。
以上の乳化処理の間に、樹脂の閉塞は、何ら観察されなかった。また、得られた乳化物の粒径を、レーザー回折式粒度分布装置〔SALD-2100(商品名)、島津製作所〕によって測定したところ、平均粒径2.2μmを得た。また、乳化物は、気泡の存在もなく、安定した乳化状態である。さらに、乳化物を24時間放置しても、水の分離は、何ら観察されなかった。
【0023】
実施例 2 :パイプラインホモミクサーによるネオプレン共重合体樹脂の乳化
実施例1と同様な方法により、ゴム状弾性体樹脂を乳化させた。ただし、調製例1のスチレン・ブタジエン共重合体のトルエン溶液に代えて、調製例2で調製したネオプレン共重合体樹脂のトルエン溶液を用いた。また、乳化時間は、約12分を要した。
得られた乳化物の粒径を、前記と同様に、レーザー回折式粒度分布装置〔SALD-2100(商品名)、島津製作所〕によって測定したところ、平均粒径2.2μmを得た。また、乳化物は、気泡の存在もなく、安定した乳化状態である。さらに、乳化物を24時間放置しても、水の分離は、何ら観察されなかった。
【0024】
実施例 3 :横型湿式粉砕機の内圧の影響
実施例1と同様な方法により、ゴム状弾性体樹脂を乳化させた。ただし、横型湿式粉砕機の内圧として、0.35 MPa(実施例1)に代えて、0.07 MPaを用いた。
以上の乳化処理の間に、樹脂の閉塞は、何ら観察されず、また、凝集物も全く形成されなかった。得られた乳化物の平均粒径は、10μmであった。
【0025】
比較例 1 :キャビトロン(従来技術)によるネオプレン共重合体樹脂の乳化
実施例2と同様な方法によって、ゴム状弾性体樹脂を乳化させた。ただし、パイプラインホモミクサーに代えて、キャビトロン(商品名、ユーロテック)を用いた。
以上の乳化処理の間に、樹脂の閉塞が観察され、多量の凝集物が発生し、その割合は、出発共重合体樹脂量を基準に、18%である。なお、得られた乳化物の平均粒径は2.5μmである。
評価
実施例2および比較例1の結果から明らかなように、キャビトロンによる従来法は、乳化処理の間に樹脂の閉塞が観察され、かつ多量の凝集物を発生するのに対し、本発明の乳化方法では、樹脂の閉塞は何ら観察されず、かつ凝集物も何ら形成されていない。したがって、本発明の乳化方法は、優れた技術的効果を奏することが証明された。
【0026】
【発明の効果】
本発明の乳化方法は、従来技術に比し、横型湿式粉砕機の閉塞並びに凝集物の発生を回避できるという、技術的効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の乳化方法に用いられるパイプラインホモミクサーを示す断面図。
【符号の説明】
1:モータ、2:カップリング、3:シャフト、4:メカニカルシール、5:吐出口、6:第2ステーター、7:第2タービン、8:第1ステーター、9:第1タービン、10:吸入口

Claims (2)

  1. 有機溶剤中に溶解した合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂に対し、界面活性剤を添加し、得られた生成物を、水と共に横型湿式粉砕機に供給して当該粉砕機によって乳化させる、合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法であって、
    上記横型湿式粉砕機は、前記生成物が水と共に供給される粉砕機本体と、当該粉砕機本体内部に設けた回転体であってスリットを有する翼部を備えた回転体と、スリットを有する非回転ステーターであって前記回転体から所定の間隔を開けて前記回転体の周囲を包囲してなる非回転ステーターとを備え、
    上記回転体の直径は、前記非回転ステーターの最小径部の直径の20〜80%であり、かつ
    上記回転体および上記ステーターは、隙間3〜10mmの前記スリットを有することを特徴とする合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化方法。
  2. 請求項1に記載の乳化方法によって製造されることを特徴とする合成ゴムであるゴム状弾性体樹脂の乳化物。
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