JP2009173774A - 固体燃料およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シュレッダーダスト100重量部、油泥30〜150重量部の混合物からなる固体燃料を、セメント製造設備であるNSPキルンの仮焼炉に投入し、該固体燃料をセメント製造用燃料として利用する。
【選択図】 図1
Description
た後に残る破砕廃棄物の総称である。
常、かさ比重約0.1〜0.4程度)である。
点からも、シュレッダーダストを有効利用することが望まれている。
〔1〕 シュレッダーダストと油泥との混合物からなることを特徴とする、固体燃料。
〔2〕 シュレッダーダスト100重量部、油泥30〜150重量部の混合物からなることを特徴とする、前記〔1〕に記載の固体燃料。
〔3〕 前記シュレッダーダストが、廃自動車シュレッダーダストであることを特徴とする、前記〔1〕または〔2〕に記載の固体燃料。
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の固体燃料を、セメント製造設備に投入し、該固体燃料をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、固体燃料の使用方法。
〔5〕 前記固体燃料を投入するセメント製造設備が、NSPキルンの仮焼炉であることを特徴とする、前記〔4〕に記載の固体燃料の使用方法。
また、上記した本発明に係る固体燃料の使用方法は、上記ハンドリング性が改善され高いエネルギーを有する固体燃料を、セメント製造設備、例えばNSPキルンの仮焼炉に投入し、該固体燃料をセメント製造用燃料として利用するため、大量に消費することが期待できる。
上記のことから、本発明によれば、従来においてはその大部分がそのままあるいは減容化されて埋め立て処分されていたシュレッダーダストを、資源として有効にかつ大量に使用することが可能となる。
本発明で用いるシュレッダーダストは、先にも記載したように、使用済の廃自動車や廃家電などから再利用可能な部品やパーツを取り外した後、大型破砕機(シュレッダー)で最大粒径100mm程度に破砕し、磁力選別や手選別などで有価金属類を回収した後に残る破砕廃棄物である。
本発明においては、上記シュレッダーダストの中でも、吸収性能の高いスポンジや繊維を多量に含み、特に大量に発生する廃自動車シュレッダーダスト(ASR:Automobile Shredder Residue )を対象とすることが好ましい。
特に、例えばセメント製造設備において、焼成炉内にバーナーより吹き込む燃料として本発明に係る固体燃料を使用する場合には、上記ASRの最大粒径(篩の残分が5重量%以内となる目開き寸法)は、10mm以下、好ましくは5mm以下に微粉砕して用いることが好ましい。これは、該最大粒径が10mmを超えると、火炎(フレーム)を形成しにくく、燃料が着地した後も燃焼を継続するため、セメントクリンカの品質を低下させるおそれがある。特に該最大粒径を5mm以下とすれば、着地燃焼する粒体の割合が少なくなり、固体燃料の使用割合を大きくすることができるので特に好ましい。
本発明において用いる油泥としては、オイルスラッジ(例えば重油スラッジ、原油スラッジ、廃ワイヤソーオイル等)、廃油再生残渣(廃油を蒸留設備等を用いて再生した後に残る残渣)、廃切削油、廃研削油、廃研磨油、廃塗料、廃インク、廃溶剤、グリース、廃植物油、廃食用油、脱粉体有機汚泥等の油性物質などの単独、あるいはこれらの二種以上の混合物を挙げることができる。
上記ASRと油泥との混合割合は、ASR100重量部に対し、油泥30〜150重量部が適当である。
これは、油泥の配合量が30重量部未満では、廃棄油泥の利用促進の観点、また得られる固体燃料の発熱量の観点から好ましくない。逆に油泥の配合量が150重量部を超えると、得られる固体燃料の粒子表面に多くの油が残留し、その付着性を改善することが困難であるためである。かかる観点から、油泥の配合割合は、ASR100重量部に対し、30〜150重量部が好ましく、50〜100重量部が特に好ましい。
上記ASRと油泥との混合は、コンクリートをも混練できるようなミキサ、例えばパン型ミキサ、2軸パドルミキサなどを用いて行えば、材料中の金属片、ガラス片、あるいは砂分などの存在も問題なく混合することができるために好ましい。
また、上記混合操作に際して、可燃性ガスの揮発が懸念される場合は、空気を混合機内に導入し、混合物から揮発する可燃性ガスを、爆発あるいは火災を起こさない濃度まで希釈させながら行うことが好ましい。
上記混合操作により、ASRと油泥との混合物からなる本発明に係る固体燃料が得られる。この固体燃料は、油泥がASR、特にASR中に含まれるスポンジ類に吸収され、そのハンドリング性が大幅に改善されると共に、油泥およびASRが備えた高いエネルギーを有する固体燃料となる。
かかる本発明に係る固体燃料は、例えばセメント製造設備に投入し、該固体燃料をセメント製造用燃料として利用することにより、大量に消費することが期待できる。この場合、ASR中の金属分やガラス分などの不燃分は、セメント原料の一部となり、セメントクリンカに取り込まれる。
次に、図面を参照しつつ、本発明に係る固体燃料の製造設備、および製造した固体燃料の使用設備の一実施の形態を説明する。
造設備を概念的に示した図である。
この図1に示した設備では、ASR(A)と、油泥Oとが混合機1によって混合され、機械式搬送および機械式投入が可能な必要最低限のハンドリング性を備えた固体燃料Xに製造される。
セメント製造設備であるNSPキルンの仮焼炉まで搬送される。
はガスの流れを示す。
〔1〕油泥吸収材
表1に示した性状の廃自動車シュレッダーダスト(ASR)、比較として廃畳および紙屑の破砕品を用いた。
エンジンオイル(Mobil pro-fit SL/CFシーリング L )に水を添加してオイル分を60容積%に調整した模擬油泥(容重:0.91g/cm3 )を用いた。
上記油泥吸収材と油泥とを、それぞれ重量および容積を統一した2種類の配合(油泥吸収材100gと油泥100cm3、油泥吸収材588cm3と油泥100cm3)で混合し、固体燃料を製造した。
なお、混合は、アイリッヒ社製小型インテンシブミキサーを用いて、3分間混合することにより行った。
上記製造した各固体燃料について、その付着量を測定した。
付着量の測定は、直径120mm、長さ150mmのステンレス製円筒状容器(容量:1.7L)に試料を100g投入し、該円筒状容器を軸芯を中心として46rpmの回転
数で20分間回転させ、容器内壁に付着する試料の重量を測定することにより行った。
なお、試料は、製造後(混合後)の固体燃料から製造直後に採取した。
付着量の測定結果を表2に記載する。
上記の実施例から、廃自動車シュレッダーダスト(ASR)は、廃畳や紙屑の破砕品に比しても、十分に油泥吸収能力を有している(上記実施例には記載しなかったが、木屑の付着量は10gを越え、また廃畳の破砕品でも水分量や破砕粗さによっては付着量は10gを越える。)ことが分かった。
2 天蓋付密閉車両
3 ホッパー
4 スクリューコンベヤー
5 バケットエレベーター
6 ベルトコンベヤー
10 NSPキルン
11 サスペンションプレヒータ
C1,C2,C3,C4 サイクロン
12 仮焼炉
13 入口フッド
14 ロータリーキルン
15 クーラ
16 原料投入口
20 2重のフラップダンパー
A 廃自動車シュレッダーダスト(ASR)
O 油泥
X 固体燃料
Claims (5)
- シュレッダーダストと油泥との混合物からなることを特徴とする、固体燃料。
- シュレッダーダスト100重量部、油泥30〜150重量部の混合物からなることを特
徴とする、請求項1に記載の固体燃料。 - 前記シュレッダーダストが、廃自動車シュレッダーダストであることを特徴とする、請
求項1または2に記載の固体燃料。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の固体燃料を、セメント製造設備に投入し、該固体燃料
をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、固体燃料の使用方法。 - 上記固体燃料を投入するセメント製造設備が、NSPキルンの仮焼炉であることを特徴
とする、請求項4に記載の固体燃料の使用方法。
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