JP2009173762A - 光学材料用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】押し出し成型性、金型からの離型性に優れ、高温環境下であっても、光学的性能の劣化が無く、耐熱性に優れた光学材料用熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】メチロール基を有する特定のビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)と、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂(B)を含有する光学材料用熱硬化性樹脂組成物。ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合比が質量比として70/30〜30/70である。
【選択図】なし
【解決手段】メチロール基を有する特定のビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)と、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂(B)を含有する光学材料用熱硬化性樹脂組成物。ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合比が質量比として70/30〜30/70である。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性が高く、高温にさらされた場合においても光学特性が良好で押し出し成型性に優れた光学材料用熱硬化性樹脂組成物に関する。
従来、光学材料として使用されているプラスチック材料は、熱可塑性樹脂の射出成型、あるいは熱プレス成型により製造されるのが一般的であった(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかしながら、熱可塑性樹脂はガラス転位温度以下になるまで金型から取り出すことができず冷却に長時間を必要とするため生産性が低いという問題がある。また、熱硬化性樹脂を用いた光学材料用エポキシ樹脂組成物としてビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、及びビフェニルノボラックを用いることにより耐熱性の高い透明硬化物が得られることが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、熱硬化時に硬化剤中のフェノール性水酸基空気酸化により着色し、光学特性の低下を生じるという問題がある。
米国特許第2482598号明細書
米国特許第3565978号明細書
特開2003−55437号公報
そこで、本発明の目的は、押し出し成型性、金型からの離型性に優れ、高温環境下であっても、光学的性能の劣化が無く、耐熱性に優れた光学材料用熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち下記一般式(1)で表されるメチロール基を有するビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)と、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂(B)を含有する光学材料用熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物である。
[式中、Rは、メチロール基または水素であり、それぞれのRは相互に異なっていても同一でもよく、Rの少なくとも一つはメチロール基であり、Xは、CH2、C(CH3)2、S、SO2、C(CF3)2またはOであり;nは1以上の整数である。]
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物は、押し出し成型性に優れ、またその硬化物は、金型からの離型性に優れ、高温環境下であっても、光学的性能の劣化が無く、耐熱性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物において用いられるビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)は上記一般式(1)で示される。上記一般式(1)中、Rは、メチロール基または水素であり、それぞれのRは相互に異なっていても同一でもよく、Rの少なくとも一つはメチロール基である。メチロール基は、従来、酸化による着色を生じるフェノール骨格の酸化抑止に効果を発揮する。また、Xは、CH2、C(CH3)2、S、SO2、C(CF3)2またはOであり、nは1以上の整数である。例えば、上記一般式(1)において、X=C(CH3)2のビスフェノールA骨格、X=C(CF3)2のビスフェノールAF骨格、及びX=SのビスフェノールS骨格、X=CH2のビスフェノールF骨格等が含まれる。これらは1種又は2種以上が含まれてもよい。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはビスフェノールA、ビスフェノールAFである。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物において用いられるビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)は上記一般式(1)で示される。上記一般式(1)中、Rは、メチロール基または水素であり、それぞれのRは相互に異なっていても同一でもよく、Rの少なくとも一つはメチロール基である。メチロール基は、従来、酸化による着色を生じるフェノール骨格の酸化抑止に効果を発揮する。また、Xは、CH2、C(CH3)2、S、SO2、C(CF3)2またはOであり、nは1以上の整数である。例えば、上記一般式(1)において、X=C(CH3)2のビスフェノールA骨格、X=C(CF3)2のビスフェノールAF骨格、及びX=SのビスフェノールS骨格、X=CH2のビスフェノールF骨格等が含まれる。これらは1種又は2種以上が含まれてもよい。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはビスフェノールA、ビスフェノールAFである。
ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)の重量平均分子量(以下、重量平均分子量をMwと略す。)は、光学材料用熱硬化性樹脂組成物の硬化性、取り扱い性、硬化物の靭性の観点から、好ましくは400以上、より好ましくは500〜2,000である。Mwが400未満の場合、押し出し成型時に十分な粘性が得られず、成型体に気泡残りを生じる。また、2,000より大きい場合、硬化速度が速く、十分な流動性が得られない。ここでMwは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下ゲルパーミエイションクロマトグラフィーをGPCと略す。)で測定できる。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物において用いられるエポキシ樹脂(B)としてはその構造や分子量等が特に制限されるものではないが、着色の無いこと。光学材料用熱硬化性樹脂組成物が成型時に良好な流動性を有すること、ビスフェノール・ホルムアルデヒドとエポキシ樹脂とで架橋構造が形成されること、以上の3点を考慮する場合、エポキシ樹脂の軟化点が低く、かつ1分子中に2個以上のグリシジル基を有するものであることが望ましい。
ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合比が質量比として70/30〜30/70あり、好ましくは65/35〜35/65である。ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の配合比が上記の範囲でなくビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)が多い場合は、エポキシ樹脂(B)による流動性が損なわれ、成型不良のおそれがある。また、エポキシ樹脂(B)が多い場合はビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)を添加する効果が十分に発揮されず、硬化不良、着色のおそれがある。
上記において用いるエポキシ樹脂(B)としては特に制限はないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ化合物、アラルキルフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキルフェノール型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシフルオレン型エポキシ化合物等があげられ、単独でも2種以上を併用してもよい。
また、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物には、硬化性の観点から、熱硬化触媒(C)を含有させることがより好ましい。熱硬化触媒(C)としては、イミダゾール系、フォスフィン系、第三級アミン系等の公知の触媒が使用できる。例えば、フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール2−メチルイミダゾール、トリフェニルフォスフィン、トリトリルフォスフィン、メトキシ置換のトリフェニルフォスフィン、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラナフトイルオキシボレート、のようなフォスフォニウムボレート化合物、ジアザビシクロウンデセン、ベンジルジメチルアミン等が使用できる。この中でも特にリン系触媒が適している。その使用量は全エポキシ成分に対し0.1〜5質量%である。
これらは、単独でも2種以上併用してもよい。
これらは、単独でも2種以上併用してもよい。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤(D)を含有させてもよい。(D)には、離型剤(D−1)、消泡剤(D−2)、レベリング剤(D−3)、シランカップリング剤(D−4)、チクソトロピー性付与剤もしくは増粘剤(D−5)、スリップ剤(D−6)、酸化防止剤(D−7)および紫外線吸収剤(D−8)が含まれ、これらは1種でも2種以上の併用でもよい。
(D)全体の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常20%以下、好ましくは1〜10%である。
(D)全体の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常20%以下、好ましくは1〜10%である。
離型剤(D−1)としては、ナフタレンスルホン酸塩(アルカリ金属(NaおよびK等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩等)のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)、ポリアクリル酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)、ポリ(2〜4)カルボン酸(マレイン酸/グリセリン/モノアリルエーテル共重合体等)塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)、カルボキシメチルセルロース、およびポリビニルアルコール、脂肪族アルコール(C4〜30)、アルキル(C1〜30)フェノール、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミド、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミド等のアレキレンオキサイド(以下、アルキレンオキサイドをAOと略す。)(C2〜4)付加物(モル数1〜30)、C4〜30の脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸等)と多価(2〜6またはそれ以上)アルコールのモノエステル化合物、C4〜30の脂肪酸のアルカリ金属塩、C4〜30の脂肪族アルコールおよび脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属塩、アルキル(C1〜30)フェノールスルホン酸のアルカリ金属塩、C4〜30の脂肪族アルコールおよび脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のモノまたはジリン酸エステルの塩(アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩等)、C4〜30の脂肪族アミン塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩、C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩等が挙げられる。
(D−1)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常15%以下、好ましくは1〜10%である。
(D−1)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常15%以下、好ましくは1〜10%である。
消泡剤(D−2)としては、C1〜6の低級アルコール(メタノール、ブタノール等)、C8〜18の高級アルコール(オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール等)、C10〜20の高級脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸等)、C11〜30の高級脂肪酸エステル(グリセリンモノラウレート)、リン酸エステル(トリブチルホスフェート等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、ポリエーテル(ポリエチレングリコール(以下、ポリエチレングリコールをPEGと略す。)(数平均分子量(以下、数平均分子量をMnと略す。)200〜10,000)、ポリプロピレングリコール(Mn200〜10,000)等)、シリコーン(ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等)および鉱物油系(シリカ粉末を鉱物油に分散させたもの)等が挙げられる。
(D−2)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D−2)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.01〜2%である。
レベリング剤(D−3)としては、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと略す。)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[例えばポリエーテル変性シリコーンオイルおよび(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル]等が挙げられる。
(D−3)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.1〜2%である。
(D−3)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.1〜2%である。
シランカップリング剤(D−4)としては、アミノ基含有シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等)、ウレイド基含有シランカップリング剤(ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル基含有シランカップリング剤(ビニルトリエトキシシラン等)、メタクリレート基含有シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート基含有シランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型シランカップリング剤(ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型シランカップリング剤(N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等)等が挙げられる。
(D−4)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常2%以下、好ましくは0.1〜1%である。
(D−4)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常2%以下、好ましくは0.1〜1%である。
チクソトロピー性付与剤もしくは増粘剤(D−5)としては、無機チクソトロピー性付与剤(ベントナイト、炭酸カルシウム等)および有機チクソトロピー性付与剤(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
(D−5)の使用量は本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(D−5)の使用量は本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.5〜3%である。
スリップ剤(D−6)としては、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル等)、高級脂肪酸アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス(パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等)およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、およびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。
(D−6)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D−6)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.01〜2%である。
酸化防止剤(D−7)としては、ヒンダードフェノール化合物(トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル)およびアミン化合物(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等)が挙げられる。
(D−7)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
(D−7)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
紫外線吸収剤(D−8)としては、ベンゾトリアゾール化合物(2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等)、トリアジン化合物(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール)、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等)、シュウ酸アニリド化合物(2−エトキシ−2’−エチルオキサリック酸ビスアニリド等)が挙げられる。
(D−8)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
上記(D−1)〜(D−8)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
(D−8)の使用量は、本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の全質量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
上記(D−1)〜(D−8)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)、(B)および必要により他の上記成分を配合し、例えば20〜90℃で均一に混合撹拌することで製造できる。配合の順番は特に限定されず、全組成物を同時に一括配合しても、分割して逐次的に配合してもよい。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の粘度は、押し出し成型時の温度において、好ましくは500〜5,000mPa・sである。押し出し時における粘度がこの範囲内であると、成形物に泡が残らず光学特性を損なわない。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物の粘度は、押し出し成型時の温度において、好ましくは500〜5,000mPa・sである。押し出し時における粘度がこの範囲内であると、成形物に泡が残らず光学特性を損なわない。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、例えば次の方法で成形することができる。本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物を予め20〜80℃に温調し、一軸押し出し機から3〜10MPaの射出圧力にて任意の形状を施した金型に充填し、100℃〜200℃で1〜60分間の条件で加熱硬化後に、金型から離型し透明な硬化物を得る。
熱により硬化させる場合は、光学材料用熱硬化性樹脂組成物の保存安定性、硬化物の着色抑制の観点から好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃のオーブンで1分〜5時間加熱処理することが望ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下において部は質量部、%は質量%を表す。
実施例に示された諸物性は以下の方法により測定した。
<屈折率およびアッベ数>
アッベ屈折計(多波長アッベ屈折計DR−M2、アタゴ社製)を用いて測定した。
アッベ屈折計(多波長アッベ屈折計DR−M2、アタゴ社製)を用いて測定した。
<イエローインデックス(YI)>
JIS K7105に準拠して測定した。
JIS K7105に準拠して測定した。
<離型性>
試験片作製時の金型からの離型の難易度について、金型からの離型が容易の場合○、金型からの離型が困難で離型時に変形、あるいは破損する場合×。
試験片作製時の金型からの離型の難易度について、金型からの離型が容易の場合○、金型からの離型が困難で離型時に変形、あるいは破損する場合×。
<泡かみ>
試験片中の気泡の有無について、気泡がない場合○、気泡がある場合×。
試験片中の気泡の有無について、気泡がない場合○、気泡がある場合×。
[合成例1]
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールA500部、50%ホルマリン水溶液132部を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン3.2部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸2部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A1)を得た。(A1)のMwは1,500であった。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールA500部、50%ホルマリン水溶液132部を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン3.2部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸2部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A1)を得た。(A1)のMwは1,500であった。
[合成例2]
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールAF736部、50%ホルマリン水溶液263部、メチルイソブチルケトン220部を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン6.4部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸4部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAFタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A2)を得た。(A2)のMwは900であった。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールAF736部、50%ホルマリン水溶液263部、メチルイソブチルケトン220部を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン6.4部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸4部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAFタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A2)を得た。(A2)のMwは900であった。
[合成例3]
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールS548部、50%ホルマリン水溶液263部、エチルセロソルブ164を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン6.4部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸4部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールSタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A3)を得た。(A3)のMwは1,200であった。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールS548部、50%ホルマリン水溶液263部、エチルセロソルブ164を配合し、30℃以下に冷却しながらトリメチルアミン6.4部を添加後、100℃で2時間反応させた。反応終了後シュウ酸4部を添加し、100℃、400mmHgで2時間減圧ストリップを行い、ビスフェノールSタイプのビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A3)を得た。(A3)のMwは1,200であった。
[比較合成例1]
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールA456部、50%ホルマリン水溶液84部、メチルイソブチルケトン230部を配合し、30℃以下に冷却しながらシュウ酸4.6部を添加後、100℃で4時間反応させた。反応終了後160℃まで濃縮しながら2時間で昇温、160℃、100mmHgで30分間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAタイプのノボラック樹脂(X1)を得た。(X1)のMwは900であった。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールA456部、50%ホルマリン水溶液84部、メチルイソブチルケトン230部を配合し、30℃以下に冷却しながらシュウ酸4.6部を添加後、100℃で4時間反応させた。反応終了後160℃まで濃縮しながら2時間で昇温、160℃、100mmHgで30分間減圧ストリップを行い、ビスフェノールAタイプのノボラック樹脂(X1)を得た。(X1)のMwは900であった。
[比較合成例2]
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールS500部、50%ホルマリン水溶液84部、メチルイソブチルケトン250部を配合し、30℃以下に冷却しながらp−トルエンスルホン酸2.5部を添加後、100℃で4時間反応させた。反応終了後10%NaOH水溶液5.3部を加え中和後、中和塩を除去するため750部の純水にて洗浄を行った。次いで160℃まで濃縮しながら2時間で昇温、160℃、100mmHgで30分間減圧ストリップを行い、ビスフェノールSタイプのノボラック樹脂(X2)を得た。(X2)のMwは1,100であった。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにビスフェノールS500部、50%ホルマリン水溶液84部、メチルイソブチルケトン250部を配合し、30℃以下に冷却しながらp−トルエンスルホン酸2.5部を添加後、100℃で4時間反応させた。反応終了後10%NaOH水溶液5.3部を加え中和後、中和塩を除去するため750部の純水にて洗浄を行った。次いで160℃まで濃縮しながら2時間で昇温、160℃、100mmHgで30分間減圧ストリップを行い、ビスフェノールSタイプのノボラック樹脂(X2)を得た。(X2)のMwは1,100であった。
実施例1〜3及び比較例1〜2
表1に光学材料用熱硬化性樹脂組成物配合、及び物性評価結果を示す。表1の配合物組成欄に示す各成分を配合し、それぞれの光学材料用熱硬化性樹脂組成物を用い、予め40〜80℃に温調した一軸押し出し機から8MPaの射出圧力にて15mm×15mm×厚さ1.0mmの形状を施した金型に充填し、180℃で5分間の条件で加熱硬化後に、金型から離型し透明な試験片を作成した。このとき、得られた試験片について、金型からの離型性および泡かみの評価を行った。得られた試験片を更に180℃、5時間の硬化条件にて後硬化を行い、得られた硬化物、および更に280℃、5分間の熱リレキを与えた試験片についてYI(イエローインデックス)、25℃での屈折率、アッベ数を測定した。結果を表2に示す。
表1に光学材料用熱硬化性樹脂組成物配合、及び物性評価結果を示す。表1の配合物組成欄に示す各成分を配合し、それぞれの光学材料用熱硬化性樹脂組成物を用い、予め40〜80℃に温調した一軸押し出し機から8MPaの射出圧力にて15mm×15mm×厚さ1.0mmの形状を施した金型に充填し、180℃で5分間の条件で加熱硬化後に、金型から離型し透明な試験片を作成した。このとき、得られた試験片について、金型からの離型性および泡かみの評価を行った。得られた試験片を更に180℃、5時間の硬化条件にて後硬化を行い、得られた硬化物、および更に280℃、5分間の熱リレキを与えた試験片についてYI(イエローインデックス)、25℃での屈折率、アッベ数を測定した。結果を表2に示す。
エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)
デナコールEX−201:レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)
EOCN−102S:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)
NC−3000H:ビフェニルアラルキルフェノール型エポキシ樹脂(日本化薬社製)
IRGAFOS 168:酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
IRGNOX 1010:酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
ニュートロン−2:ステアリン酸アミド系離型剤(日本精化社製)
デナコールEX−201:レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)
EOCN−102S:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)
NC−3000H:ビフェニルアラルキルフェノール型エポキシ樹脂(日本化薬社製)
IRGAFOS 168:酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
IRGNOX 1010:酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
ニュートロン−2:ステアリン酸アミド系離型剤(日本精化社製)
比較例1〜2は初期YIが高く、280℃の高温にさらされることにより更に着色が大きくなっていることが分かる。それに対し、実施例1〜4は初期YIが低く、及び280℃処理後YIの変化も小さいことから、耐熱劣化性が無く良好な透明性が得られることが分かる。また、比較例1〜2で用いたX1、及びX2のエポキシ樹脂との硬化速度が速く、成型時に生じた気泡が増粘により抜けきれず、泡かみがあり離型性も悪かった。それに対し、実施例1〜4は得られた成型体は容易に離型し、泡かみが無く良好な外観であった。
本発明の光学材料用熱硬化性樹脂組成物は、押し出し成型性、金型からの離型性に優れ、高温環境下であっても、光学的性能の劣化が無く、耐熱性に優れ、光学レンズ、光ディスク用基板などの光学材料用途にきわめて有用である。
Claims (5)
- ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)が上記一般式(1)から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の光学材料用熱硬化性樹脂組成物。
- ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合比が質量比として70/30〜30/70である請求項1〜2のいずれか1項に記載の光学材料用熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、離型剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤もしくは増粘剤、スリップ剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学材料用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学材料用熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102153717A (zh) * | 2011-01-07 | 2011-08-17 | 长兴化学工业(中国)有限公司 | 含氟线型酚醛树脂及其制备方法和其应用 |
JP2013234286A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱硬化性フラン樹脂組成物、フラン樹脂硬化物及びそれらの製造方法 |
CN103965423A (zh) * | 2014-05-28 | 2014-08-06 | 南京信息工程大学 | 一种双酚af酚醛树脂的制备方法 |
US9376543B2 (en) | 2012-03-26 | 2016-06-28 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Thermosetting furan resin composition and furan resin laminated body using the same |
JP2016155930A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 群栄化学工業株式会社 | フェノールレゾール樹脂 |
-
2008
- 2008-01-24 JP JP2008013210A patent/JP2009173762A/ja active Pending
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