JP2009173071A - 車両用スピーカーの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スピーカーにはルーフライニングへの固定時に使用する固定用ボスを設け、ルーフライニングには固定用ボスが挿入可能なスピーカー固定用孔を設け、固定用ボスは根元部とルーフライニングが挿入する先端部とルーフライニングが根元部へ侵入するのを防ぐストッパ部とを備え、スピーカーの固定用ボスをルーフライニングのスピーカー固定用孔に挿入し、ストッパ部の径と同等以上の外径を持つワッシャ付き固定部材でスピーカーをルーフライニングに固定した。
【選択図】図1
Description
車両のヘッドライナー上で使用するためのスピーカーサポートバーには、スピーカーの重量をヘッドライナーの大きな領域に拡散させる2本のサポートレッグを外側の側面端に備え、取付部材を介してスピーカーをヘッドライナー内に装着するものがある。
車載用装着部品の取付構造には、内装板の内側表面に取り付けられたブラケットに、内装板の内側表面に露出している取付ボルトの頭部を挿通させる挿通孔を形成し、ブラケットには係合爪によって前記取付ボルトの頭部を覆うカバーを取り付けたものがある。
また、その取付方法においても、次のような問題があつた。
(1)、取付部品を固定部材としてのスクリューによってスクリュー締め付けする場合に、そのスクリューの締付方向が車室の内側からなり、スクリューの頭部が見えてしまうため、見栄えが悪くなる。また、カバー等でスクリューを隠す場合に、部品点数が増えてしまい、コスト高となる。
(2)、取付部品をルーフライニングヘ溶着する場合には、別の設備が必要となる。
(3)、取付部品を係合爪による引っ掛け構造にする場合には、ルーフライニングヘの部品引き付けが弱くなって隙間ができる可能性があると共に、重量負荷がかかった場合に外れやすい。
即ち、従来においては、ルーフライニングヘの部品の取り付けは、勘合が緩いと部品とルーフライニングとの間に隙間が発生してしまい、商品価値が下がってしまう。
また、部品を強く引き寄せる構造にすることにより、隙間を埋めることができるが(ルーフライニングに部品を埋め込む)、引き込みに耐えうる強度が必要なため、ルーフライニングを介して車両側の別の取付ブラケット等に取り付ける構造が主流であった。
ルーフライニングへの固定部材としてのスクリューの取り付けにおいては、部品を強く引き寄せるために締付トルクを大きくする必要がある。
しかし、ルーフライニングの材質は柔らかいため、スクリューの座面の接圧が大きくなると、ルーフライニングが破損してしまう問題があった。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
図1において、1は車両のルーフライニングである。このルーフライニング1は、図11、図13に示すように、ルーフパネル2の車室内側である車室3側に備えられている。また、ルーフライニング1は、図16に示すように、柔らかい材質からなり、所定の厚さTを有している。
このルーフライニング1には、図1〜図3に示すように、スピーカー4(例えば、車両左右方向で2つ)が取り付けられる。
スピーカーハウジング5は、表側で略断面円弧状の表面部9と、裏側で直線状の開口面部10とによって形成されている。
この固定用ボス12は、図7に示すように、スピーカーハウジング5の表面部9の裏面に連設した根元部13と、ルーフライニング1が挿入する先端部14と、ルーフライニング1が根元部13へ侵入するのを防ぐストッパ部15とを備えている。
図7、図12、図14に示すように、固定用ボス12の先端部14の先端面14Fは、スピーカーハウジング5の開口面部10よりも所定の長さLだけ外側に突出して位置している。
この開口面部10よりも外側に突出した先端部14の長さLは、図16に示すように、前記ルーフライニング1の厚さTよりも所定の長さSだけ小さく設定されている。
図8、図9に示すように、ストッパ部15は、根元部13の外周面で略円周方向等間隔に放射状に配置された複数のリブ16によって形成されている。これら各リブ16の先端となる前記ストッパ部15は、図7に示すように、スピーカーハウジング5の開口面部10と同一面に位置し、且つ、図9に示すように、所定の径(外径)D1を有している。
また、固定用ボス12には、図7に示すように、軸芯上で先端部14の先端14Fから根元部13まで固定部材用穴17が形成されている。よって、固定用ボス12は、先端部14から根元部13まで円筒状に形成される。
この実施例では、図4に示すように、複数の固定用ボス12として、略四角状に配置された第1〜第4固定用ボス12A〜12Dが設けられる。
このワッシャ部21の座面22には、図18に示すように、ねじ部19周りの中央部23と、外側の外縁部24とが備えられている。このワッシャ部21の外縁部24の外径D2は、図9、図10に示すように、前記ストッパ部15の径D1と同等以上に設定されている。
この実施例においては、ワッシャ付き固定部材18として、図2、図11、図13、図19に示すように、第1〜第4固定用ボス12A〜12Dに対応した第1〜第4ワッシャ付き固定部材18A〜18Dが設けられる。
スピーカー本体25には、前記第1〜第3ユニット用ボス11A〜11Cに対応した位置で第1〜第3本体取付片28A〜28Cが備えられている。
この第1〜第3本体取付片28A〜28Cは、第1〜第3本体固定部材(スクリュー)29A〜29Cで第1〜第3ユニット取付ボス11A〜11Cの先端に固定される。この場合、第1〜第3本体固定部材29A〜29Cの頭部は、図5に示すように、スピーカーハウジング5の開口面部10よりも内側に位置する。
また、図4に示すように、スピーカーユニットコネクタ26には、スピーカー信号配線と、前記照明部6を光らすための光源27に電気を供給する照明用配線とが結合されている。なお、光源27から発せられた光は、導光部32を通って前記照明部6を光らせている。
なお、前記ワッシャ付き固定部材18としては、スクリューの他に、クリップ等の他の部材とすることも可能である。
図15に示すように、ルーフライニング1には、スピーカーユニット8に対応したユニット用挿通孔30と、第1〜第4固定用ボス12A〜12Dが挿入可能な第1〜第4スピーカー固定用孔31A〜31Dとを、所定位置に形成する。
そして、スピーカー4を車室3の内側からルーフライニング1に近づけ、スピーカー4の第1〜第4固定用ボス12A〜12Dをルーフライニング1の第1〜第4スピーカー固定用孔31A〜31Dに挿通する。この場合、図16、図17に示すように、固定用ボス12の先端部14の長さLがルーフライニング1の厚さTよりも長さSだけ小さく設定されていることから、固定用ボス12の先端部14の先端面14Fとルーフライニング1の裏面との間には前記長さS分の段差が形成される。
次いで、図2、図18に示すように、ルーフライニング1の裏側から各ワッシャ付き固定部材18を各固定用ボス12の各固定部材用穴17に載置し、そして、この各ワッシャ付き固定部材18を各固定部材用穴17に螺着して行くと、図19、図20に示すように、各ワッシャ付き固定部材18の各ワッシャ部21の中央部23が固定用ボス12の先端部14の先端面14Fに接すると、ルーフライニング1の厚さTが所定に狭められ、そして、各ワッシャ付き固定部材18の各ワッシャ部21の外縁部24と固定用ボス12の各リブ16の先端であるストッパ部15との間でルーフライニング1を挟持することで、スピーカー4がルーフライニング1に固定される。
そして、固定部材の座面の接圧を小さくするために、図10に示すように、ワッシャ付き固定部材18を採用している。通常のワッシャ無し固定部材と比較すると、同じトルクで締め付けた場合にも、ルーフライニング1ヘの接圧を小さくすることができ、破損の発生を少なくすることができる。
但し、ルーフライニング1の破損の発生を零(0)にはできないので、締付トルク(ルーフライニング1ヘの接圧)が一定に保たれる構造が必要である。そのために、この実施例では、ある一定位置で固定部材の締め付けが停止される構造とした。具体的には、図7〜図9に示すように、スピーカー4の固定用ボス12は、先端部14が円筒形状で、根元部13からは放射状の複数のリブ16を付けた形状とした。
ルーフライニング1のスピーカー固定用孔31(図15参照)に固定用ボス12の円筒状の先端部14を挿入し(図16、図17参照)、ルーフライニング1の裏側(ルーフパネル2側)からワッシャー付き固定部材18で固定用ボス12の先端部14の先端面14Fに突き当たるまで締め付ける。つまり、ワッシャ付き固定部材18のワッシャ部21と固定用ボス12の放射状の各リブ16とでルーフライニング1を挟み込む構造とした(図19、図20参照)。このような構造により、一定接圧での締め付けが可能となり、また、ルーフライニング1の厚さTに対して固定用ボス12の先端部14の長さLを調整することにより、スピーカー4のルーフライニング1ヘの埋め込み寸法を調整できる(図20参照)。
これにより、スピーカー4を、柔らかい材質からなるルーフライニング1に取り付けることができる。
先ず、請求項1に係る発明において、スピーカー4にはルーフライニング1への固定時に使用する固定用ボス12を設け、ルーフライニング1には固定用ボス12が挿入可能なスピーカー固定用孔31を設け、固定用ボス12は根元部13とルーフライニング1が挿入する先端部14とルーフライニング1が根元部13へ侵入するのを防ぐストッパ部15とを備え、スピーカー4の固定用ボス12をルーフライニング1のスピーカー固定用孔31に挿入し、ストッパ部15の径D1と同等以上の外径D2を持つワッシャ付き固定部材18でスピーカー4をルーフライニング1に固定した。
これにより、スピーカー4をルーフライニング1に取り付けるのに、ルーフパネル2に専用の取付ブラケットを設ける必要がないので、車両の軽量化、部品点数、組立工数の削減に貢献できる。また、固定用ボス12のストッパ部15と、このストッパ部15の径D1と同等以上の外径D2を備えたワッシャ付き固定部材18とから、ルーフライニング1と接するワッシャ付き固定部材18の座面22が、ルーフライニング1に与える影響(圧力)を小さくすることができるので、ルーフライニング1が破損することがない。更に、ワッシャ付き固定部材18が、ルーフライニング1に与える圧力(締付トルク)を一定にすることができ、破損をなくせるとともに、ワッシャ付き固定部材18の座面22がルーフライニング1に与える影響(圧力)を小さくすることとの組み合わせにより、ワッシャ部21と複数のリブ16とでルーフライニング1を挟み込むことができる。
請求項2に係る発明において、固定用ボス12の先端部14の長さLは、ルーフライニング1の厚さTよりも小さく設定されている。
これにより、スピーカー4の外周面とルーフライニング1との間に隙間が発生することなく、また逆に、スピーカー4が必要以上にルーフライニング1に埋め込まれる(ルーフライニング1の破損の原因となる)ことのない。また、締付トルク制御部となる先端部14の長さLを調整することにより、スピーカー4のルーフライニング1ヘの埋め込み寸法(引き込みじろ)を調整できる。更に、車室3の内側からワッシャ付き固定部材18の頭部20が見えないので、外見上優れ、且つ十分な固定力を備えた構造を実現することができる。
よって、ルーフライニング1に車両装備品を直接固定するときに発生する二つの相反する問題の両方を、解決することができる。
2 ルーフパネル
3 車室
4 スピーカー
8 スピーカーユニット
9 表面部
10 開口面部
12 固定用ボス
13 根元部
14 先端部
15 ストッパ部
16 リブ
17 固定部材用穴
18 ワッシャ付き固定部材
19 ねじ部
20 頭部
21 ワッシャ部
22 座面
23 中央部
24 外縁部
30 ユニット用挿通孔
31 スピーカー固定用孔
Claims (2)
- ルーフパネルの車室内側にルーフライニングを備え、このルーフライニングにスピーカーを取り付ける車両用スピーカーの取付構造において、前記スピーカーには前記ルーフライニングへの固定時に使用する固定用ボスを設け、前記ルーフライニングには前記固定用ボスが挿入可能なスピーカー固定用孔を設け、前記固定用ボスは根元部と前記ルーフライニングが挿入する先端部と前記ルーフライニングが前記根元部へ侵入するのを防ぐストッパ部とを備え、前記スピーカーの前記固定用ボスを前記ルーフライニングの前記スピーカー固定用孔に挿入し、前記ストッパ部の径と同等以上の外径を持つワッシャ付き固定部材で前記スピーカーを前記ルーフライニングに固定したことを特徴とする車両用スピーカーの取付構造。
- 前記固定用ボス部の前記先端部の長さは、前記ルーフライニングの厚さよりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用スピーカーの取付構造。
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