JP2009172953A - ポリカーボネート樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面に、重量平均分子量(Mw)が40000以上のメタクリル系樹脂(A)と、数平均重合度200〜4000のポリビニルアルコール樹脂をアセタール化度55〜83mol%で(共)アセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂(B)とを、99/1〜51/49の質量比(A)/(B)で、せん断速度100sec-1以上の条件で溶融混練してなるものであり、且つメタクリル系樹脂(A)が連続相を形成しているメタクリル系樹脂組成物からなる厚さ5〜200μmの層を備えてなるポリカーボネート樹脂積層体。
【選択図】なし
Description
また、本発明は、ポリカーボネート樹脂層と紫外線吸収剤を含有したメタクリル系樹脂組成物の層とを備えてなるものであり、上記特長に加えて、優れた耐候性を有するポリカーボネート樹脂積層体に関する。
これらの問題点を改善する方法として、ポリカーボネート樹脂層を(メタ)アクリレートの重合体または共重合体からなる層で被覆する方法が知られている。
しかし、このようにして得られたポリカーボネート樹脂積層体は、延伸時、折り曲げ時および/または衝撃を受けた時にアクリル系樹脂層が割れやすいという問題点があった。そのため、ポリカーボネート樹脂積層体は、携帯電話の前面板等の用途において求められている、衝撃強度、曲げ強度および表面硬度が高く、且つ薄いという特性を、十分に満足させるものでなかった。
特許文献3の手法によって得られた積層体は、延伸時、折り曲げ時および/または衝撃を受けた時でも二相混合ポリマーの層に割れが生じ難くなっているが、白化しやすく、透明性が低下するという新たな問題があった。また、積層体においてコア−シェル型粒子を用いて積層すると、粒子に由来して表面平滑性が低下し、透明性が劣る(ヘイズが高い)という問題点があった。
(1) ポリカーボネート樹脂層とメタクリル系樹脂組成物からなる厚さ5〜200μmの層とを備えてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、
前記メタクリル系樹脂組成物が、
重量平均分子量(Mw)が40000以上のメタクリル系樹脂(A)と、
数平均重合度200〜4000のポリビニルアルコール樹脂をアセタール化度55〜83mol%で(共)アセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂(B)とを、
99/1〜51/49の質量比(A)/(B)で、
せん断速度100sec-1以上の条件で溶融混練してなるものであり、且つ
メタクリル系樹脂(A)が連続相を形成している、
ポリカーボネート樹脂積層体。
(2) メタクリル系樹脂組成物は紫外線吸収剤を0.1〜2質量%含有する(1)に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(3) 前記メタクリル系樹脂組成物からなる層の、ポリカーボネート樹脂層と接している面の反対側の面の粗度が1.5nm以下である(1)または(2)に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(4) JIS K7136に準じて測定したヘイズが0.3%以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(5) フィルム、シートまたは板である(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(6) 動的粘弾性測定における、メタクリル系樹脂組成物中のメタクリル系樹脂(A)に起因するガラス転移温度TgAPが、メタクリル系樹脂(A)単独でのガラス転移温度(TgA)とポリビニルアセタール樹脂(B)単独でのガラス転移温度(TgB)との間の値を示す、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
本発明のポリカーボネート樹脂積層体は、各種グレージング材、光学部材、LCDやEL表示用保護シート、看板、自動車の窓材、防音壁、自動販売機の前面板、カーポート等の用途に好適である。
本発明の積層体は、ポリカーボネート樹脂からなる層とメタクリル系樹脂組成物からなる層とを備えてなるものである。
本発明を構成するポリカーボネート樹脂層に用いられるポリカーボネート樹脂は、特に制限されない。ポリカーボネート樹脂は、多官能ヒドロキシ化合物と炭酸エステル形成性化合物との反応によって得られる重合体である。
本発明に好適に用いられるポリカーボネート樹脂は、その分子量によって特に制限されないが、押し出し成形による製造の容易さの観点から、粘度平均分子量が13000〜30000程度のもの、あるいは250℃、100sec-1における溶融粘度が13000〜60000ポイズ程度のものが好ましい。分子量の調節は末端停止剤や分岐剤の量を調整することによって行うことができる。
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、艶消し剤などが配合されていてもよい。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂積層体の力学物性および表面硬度の観点から軟化剤や可塑剤を多量には含まないことが好ましい。
ポリカーボネート樹脂層の厚さは、特に制限はないが、通常、0.05〜20mm、好ましくは0.1〜10mmであり、さらに好ましくは、0.2〜10mmである。
ポリカーボネート樹脂層のメタクリル系樹脂組成物からなる層と接する側の面は、密着性を高めるために表面処理が為されていてもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。
アルキルアクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレートなどが挙げられる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレートが好ましい。これらのアルキルアクリレートは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
アルキルメタクリレート及びアルキルアクリレートと共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、ハロゲンで核置換されたスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどのビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイン酸イミド、モノメチルマレエート、ジメチルマレエートなどを挙げることができる。
これらのエチレン性不飽和単量体は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、メタクリル系樹脂(A)の耐熱性の観点から0.1〜20質量%の範囲でアルキルアクリレート単位を含有することが好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、完全けん化されたものであってもよいが、部分的にけん化された部分けん化ポリビニルアルコール樹脂であってもよい。けん化度は80mol%以上のものを用いることが好ましい。
これらポリビニルアルコール樹脂は、一種単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセタール化度(mol%)は、以下の式で定義することができる。
アセタール化度(mol%)=
{k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2
/{{k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2+l+m}×100
ブチラール化度(mol%)={k(1)}×2
/{{k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2+l+m}×100
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、ブチラール化度が55〜75mol%であることが好ましく、60〜75mol%であることがさらに好ましい。ブチラール化度が上記範囲にあるポリビニルアセタール樹脂を用いると、力学特性、特に靭性に優れたポリカーボネート樹脂積層体を容易に且つ安価に得ることができる。また、ブチラール化度が上記範囲にあるポリビニルアセタール樹脂を用いると、メタクリル系樹脂(A)の屈折率とポリビニルブチラールの屈折率との差が小さくなり、メタクリル系樹脂(A)の特長である透明性(高可視光線透過率・低ヘイズ)が保持されやすい。さらに、延伸した際、折り曲げた際、衝撃を受けた際および/または長時間湿熱条件下に置かれた際にほとんど白化しないという特長があらわれやすい。
上記酸触媒除去のために用いる化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属化合物やアンモニア、アンモニア水溶液が挙げられる。また、アルキレンオキサイド類としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド;エチレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類が挙げられる。
残渣等が除去された含水状態のポリビニルアセタール樹脂は、必要に応じて乾燥され、必要に応じてパウダー状、顆粒状あるいはペレット状に加工され、成形材料として供される。パウダー状、顆粒状あるいはペレット状に加工される際に、減圧状態で脱気することによりアルデヒドの反応残渣や水分などを低減しておくことが好ましい。
メタクリル系樹脂組成物のガラス転移温度が一つしか観測できない場合は、すなわちTgAP=TgBPとなる場合は、メタクリル系樹脂組成物中のメタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とが完全な相溶状態になっていることを示している。
TgAP=TgA、TgBP=TgBとなる場合は、メタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とが完全な非相溶の状態になっていることを示している。
なお、本発明において、メタクリル系樹脂(A)が二以上のメタクリル系樹脂の組み合わせである場合、その組み合わせたもののうちのいずれか一つのガラス転移温度をTgAとし、ポリビニルアセタール樹脂(B)が二以上のポリビニルアセタール樹脂の組み合わせである場合は、その組み合わせたもののうちのいずれか一つのガラス転移温度をTgBとし、上記関係、すなわちTgB<TgAP<TgA、又はTgA<TgAP<TgBの関係を満たしていることが好ましい。
一方、メタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とが完全相溶である場合は、メタクリル系樹脂組成物の表面硬度が低下傾向になる。また、メタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とが完全相溶でTgB<TgAである場合には耐熱性が低下傾向になる。メタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とが完全非相溶である場合は、強度が低下したり、白化したりするようになる。
(B)の割合が1質量%を下回ると、本発明の積層体の靭性などの力学物性の改善効果が低下傾向になる。一方、(B)の割合が49質量%を上回ると、本発明の積層体の表面硬度および剛性が不足する傾向になる。
また、本発明に好ましく用いられるメタクリル系樹脂組成物は、JIS K7171にしたがって、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を用いて歪み速度1mm/min.で曲げ試験した際において、応力の降伏点を有している。なお、応力の降伏点は、固体において塑性変形がはじまる応力限界のことである。
メタクリル系樹脂組成物の好適な調製方法は、メタクリル系樹脂(A)とポリビニルアセタール樹脂(B)とを、溶融混練する際に、せん断速度100sec-1以上のせん断を印加する段階と、該せん断をせん断速度50sec-1以下にする段階とをそれぞれ少なくとも2回経る方法である。せん断速度を上記のように変化させて溶融混練すると、メタクリル系樹脂組成物からなる層が、延伸した時、折り曲げた時、衝撃を受けた時および/または長時間湿熱条件下に置かれた時に白化し難くなる。
溶融混練する際の樹脂温度は、140℃以上が好ましく、140〜270℃がより好ましく、160〜250℃が特に好ましい。
なお、メタクリル系樹脂組成物に添加される上記添加剤は、メタクリル系樹脂組成物を製造する際に添加してもよいし、後述する成形の直前に添加してもよい。
メタクリル系樹脂組成物からなる薄膜は、少なくとも一方の面に、印刷が施されていてもよい。印刷によって絵柄、文字、図形などの模様、色彩等が付与される。模様は有彩色のものであっても、無彩色のものであってもよい。印刷は、印刷層の退色を防ぐために、ポリカーボネート樹脂層と接する側に施すのが好ましい。
上記のようにして得られたメタクリル系樹脂組成物からなる薄膜と、ポリカーボネート樹脂層との熱圧着は、熱プレス機、熱ロール機などの公知の手段を用いて行うことができる。熱圧着時の温度は通常50〜250℃である。
また、メタクリル系樹脂組成物からなる薄膜を金型内等に設置し、溶融されたポリカーボネート樹脂を前記薄膜上に流し込んで、ポリカーボネート樹脂層の成形と同時にメタクリル系樹脂組成物からなる薄膜を積層させることもできる。
メタクリル系樹脂組成物からなる層と、ポリカーボネート樹脂層との間に介在させる他の層として、例えば、着色されていても良い透明性に優れる熱可塑性樹脂からなる層が挙げられる。
また、メタクリル系樹脂組成物からなる層の外側に設ける他の層として、紫外線硬化膜などのハードコート層を設けてもよい。
なお、他の層との密着性等を高めるために、メタクリル系樹脂組成物からなる層の表面にプラズマ処理、電子線処理、コロナ処理等の表面処理を行っても良い。
本発明の積層体におけるメタクリル系樹脂組成物からなる層の厚さが5μm未満であると、積層体の表面硬度が不足する。また、耐候性が必要な用途においては、メタクリル系樹脂組成物に十分な量の紫外線吸収剤を保持させることができず、積層体の力学物性が経年劣化する。また、本発明の積層体におけるメタクリル系樹脂組成物からなる層の厚さが200μmを超えると、延伸した際、折り曲げた際および/または衝撃を受けた際などにメタクリル系樹脂組成物からなる層が破断しやすくなる。また、経済性においても不利となりやすい。
(1)重量平均分子量
テトラヒドロフランを溶媒に用い、昭和電工株式会社製Shodex(商標)GPC SYSTEM11に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー用カラムとしてShodex(商標)KF−806Lを繋ぎ、検出器としてShodex(商標)示差屈折率検出器RI−101を用いて測定した。試料溶液は、重合体を3mg精秤し、これを3mlのテトラヒドロフランに溶解し、目開き0.45μmのメンブランフィルターでろ過することにより調製した。測定の際の流量は、1.0ml/min.とし、ポリマーラボラトリーズ製標準ポリメタクリル酸メチルで作製した検量線に基づいて、ポリメタクリル酸メチル換算分子量として重量平均分子量(Mw)を算出した。
曲げ試験における弾性率、降伏点伸度、破断伸度は、JIS K7171に従い、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、射出成形法で得られた長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を用いて歪み速度1mm/min.で測定した。
靭性は、試験片が破断するまでに要するエネルギーで評価した。
白化状態は、曲げ歪み20%における試験片の白化状態を目視で観察することにより行い、試験片の長さ方向の白化している部分の長さが2mm以上であるものを×、0.3mm以上かつ2mm未満であるものを△、0.3mm未満であるものを○、その中で全く白化が見られないものを◎として評価した。
引張り試験における弾性率は、JIS K7162に従い、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、射出成形法で得られた1A形ダンベル状試験片を用いて歪み速度1mm/min.で測定した。破断伸度、靭性および白化状態の観察は、JIS K7162に従い、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、射出成形法で得られた1A形ダンベル状試験片を用いて歪み速度5mm/min.で測定することにより評価した。靭性は、試験片が破断するまでに要するエネルギーで評価した。
白化状態は、引張り歪み10%における試験片の白化状態を目視で観察することにより行い、試験片の長さ方向の白化している部分の長さが10mm以上であるものを×、1mm以上かつ10mm未満であるものを△、1mm未満であるものを○、全く白化が見られないものを◎として評価した。
損失正接(tanδ)の主分散のピーク温度(Tg)は、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製EXSTAR6000 DMSを用いて、射出成形で得られた試験片を切断することによって得た長さ60mm×幅10mm×厚さ4mmの直方体試験片を曲げモード(両持ち梁測定)において、正弦波振動10Hz、昇温速度3℃/min.により測定した。
射出成形で得られた試験片からウルトラミクロトーム(RICA社製ReichertULTRACUT−S)を用いて超薄切片を作製した後、メタクリル系樹脂組成物のポリビニルアセタール部分を四酸化ルテニウムの蒸気で電子染色し、試料を作製した。こうして作成した試料のモルフォロジーを株式会社日立製作所製透過電子顕微鏡H−800NAを用いて観察した。観察されたモルフォロジーにおいて非染色部(メタクリル系樹脂(A))が連続相を形成していたものを○、メタクリル系樹脂(A)が不連続であったものを×として評価した。
株式会社日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計U−4100を用いて厚さ100μmのフィルムの波長380nmから780nmにおける透過率を測定し、JIS R3106に従って算出した可視光線透過率を測定した。
JIS K7136に従い、厚さ100μmのフィルムで測定した。
(8)フィルムの表面硬度
JIS K5400にしたがって、厚さ100μmのフィルムの鉛筆硬度を測定した。
(9)フィルムの引張り試験における弾性率、破断伸度、靭性
厚さ100μmのフィルムから引張試験時にMD方向に延伸されるようにプラスチックJIS1A型ダンベル形状試験フィルムを打抜き、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、歪み速度5mm/min.で試験を行い、試験フィルムの弾性率、破断伸度、靭性を測定した。靭性は、試験フィルムが破断するまでに要するエネルギーで評価した。
株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、JIS K6252規格に準拠した切込みなしアングル型試験フィルムを打抜き、引張り速度5mm/min.で切込みなしアングル型試験フィルムを引裂いた際の、厚さ換算した最大引裂き強さ(単位:N/mm)で評価した。測定は厚さ100μmのフィルムで行った。
厚さ100μmのフィルムをTD方向に折り目がつくように180°折り曲げた際に、目視評価により、折り曲げた部分が全く白化しないものを○、折り曲げた部分の一部が白化したものを△、折り曲げた部分全体が白化したものを×として評価した。
フィルムあるいは積層体からウルトラミクロトーム(RICA社製ReichertULTRACUT−S)を用いて超薄切片を作製した後、メタクリル系樹脂組成物層のポリビニルアセタール部分を四酸化ルテニウムの蒸気で電子染色し、試料を作製した。こうして作成した試料のモルフォロジーを株式会社日立製作所製透過電子顕微鏡H−800NAを用いて観察した。観察されたモルフォロジーにおいてメタクリル系樹脂組成物層の非染色部(メタクリル系樹脂(A))が連続相を形成していたものを○、メタクリル系樹脂(A)が不連続であったものを×として評価した。
原子間力顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製SPI4000プローブステーションE−sweep環境制御ユニット)を用いて、表面の形状をDFMモードによって測定した。プローブはエスアイアイ・ナノテクノロジー社製SI−DF20(背面Al)を用いた。(試料測定に先立ち、ピッチ10μm、段差100nmの参照試料を測定し、装置のX軸、Y軸の測定誤差が10μmに対して5%以下、Z軸の誤差が100nmに対して5%以下であることを確認した。)
試料の観察領域は2μm×2μmとし、測定周波数を1.0Hzとした。スキャンライン数はX軸を512、Y軸を512とした。測定は25℃±2℃、湿度30±5%の大気環境で行った。得られた測定データを、装置に付属のデータ処理ソフトウェアにより解析し、平均面粗さRaを求めた。すなわち、装置の測定ソフトウェアの[ツール]メニューの[3次傾き補正]コマンドを選択し、フィルムの傾きや大きなうねりの全面傾きを補正した後、[解析]メニューの[表面粗さ解析]コマンドを選択し、平均面粗さRaを得た。平均面粗さRaは、以下のように定義される。
※平均面粗さRa:基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値。
この平均面粗さRaをフィルムの両面(便宜上、A面およびB面とする)において異なる10箇所の領域でそれぞれ測定し、10箇所の平均面粗さRaの平均値を成形体表面の粗度とした。また、積層体のアクリル系樹脂層において異なる10箇所の領域で測定し、10箇所の平均面粗さRaの平均値を積層体表面の粗度とした。
3次傾き補正は、測定した試料表面を3次の曲面で最小2乗近似によってフィッティングすることによって行い、試料の傾きおよびうねりの影響を排除するために行った。
JIS K7136に従って積層体のヘイズを測定した。
(15)積層体の引張り試験における弾性率、破断伸度、靭性
積層体から引張試験時にMD方向に延伸されるようにプラスチックJIS1A型ダンベル形状試験フィルムを打抜き、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Bを用いて、歪み速度5mm/min.で試験を行い、試験フィルムの弾性率、破断伸度、靭性を測定した。靭性は、試験フィルムが破断するまでに要するエネルギーで評価した。
直径6.8cmの円形の穴が開いたステンレス製の冶具で積層体をたるみのないように水平に固定し、試験時に落球の衝撃によって積層体が変形してもこのステンレス製の冶具以外には接触しないような条件で、直径1インチのステンレス製の球(質量67g)を、積層体からの高さを10cm刻みで変化させて、積層体のメタクリル系樹脂組成物面側から落下させ、メタクリル系樹脂組成物からなる層が割れない最大高さ(cm)で積層体の耐衝撃性を評価した。
JIS K5400にしたがって、鉛筆硬度を測定した。
(18)積層体の白化状態の観察
積層体からMD方向に6cm、TD方向に1cmの短冊を切り出し、TD方向に折り目がつくように90°折り曲げた際に、目視評価により、折り曲げた部分が全く白化しないものを○、折り曲げた部分が一部でも白化したものを△、折り曲げた際に破断したものを×として評価した。その際、積層体のメタクリル系樹脂組成物からなる層が片面にのみ積層されている場合には、積層体のメタクリル系樹脂組成物からなる層が積層されている面に対して山折りに折り曲げて評価した。
JIS B7754に準拠(ブラックパネル温度63℃、湿度50%、120分サイクル18分間噴霧)してアトラス社製キセノンウェザオメータ−(Ci4000)を用いて促進暴露試験を行い、2000時間暴露後の試験片を目視観察して、耐候性を評価した。なお、促進暴露試験は、積層体のメタクリル系樹脂組成物層側のみが紫外線照射を受けるように行った。目視評価により、試験後の積層体にクラックが入っていないものを○、クラックが入っているものを×として評価した。
表1に示す比率のメタクリル酸メチル単位およびアクリル酸メチル単位からなるメタクリル系樹脂をバルク重合法により作製した。作製したメタクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)を表1に示した。
ポリビニルアルコール樹脂を溶解した水溶液に、アルデヒド化合物ならびに酸触媒(塩酸)を添加し、攪拌してアセタール化し、樹脂を析出させた。公知の方法に従ってpH=6になるまで洗浄し、次いでアルカリ性にした水性媒体中に懸濁させて攪拌し、再びpH=7になるまで洗浄し、揮発分が1.0%になるまで乾燥することにより、表2に示す特性を有するポリビニルアセタール樹脂をそれぞれ得た。
まず、JIS K6728(1977年)に記載の方法に則って、ビニルアルコールユニットの質量割合(l0)および酢酸ビニルユニットの質量割合(m0)を後記の方法によって求め、さらに、ビニルアセタールユニットの質量割合(k0)をk0=1−l0−m0によって求めた。
次に、l=(l0/44.1)/(l0/44.1+m0/86.1+2k0/Mw(acetal)およびm=(m0/86.1)/(l0/44.1+m0/86.1+2k0/Mw(acetal)を計算によって求め、k=1−l−mの計算式によりビニルアセタールユニットの割合(k=k(1)+k(2)+・・・+k(n))を計算し、最後に、アセタール化度(mol%)={k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2/{{k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2+l+m}×100によって求めた。
ここで、Mw(acetal)はアセタール化ユニットひとつあたりの分子量であり、例えば、ポリビニルブチラールのとき、Mw(acetal)=Mw(butyral)=142.2である。
また、ブチルアルデヒドとその他のアルデヒドとで共アセタール化した場合は、1H−NMR、または13C−NMRを測定し、各々のアセタール化度(mol%)を算出することができる。
ポリビニルアセタール樹脂約0.4gを共せん付き三角フラスコに正確に量りとり、ピリジン/無水酢酸(体積比92/8)の混合液10mlをピペットで加えて溶解し、冷却器をつけて温度50℃の水浴上で120分間加熱した。冷却後ジクロロエタン20mlを加えてよく振り混ぜ、さらに水50mlを加え、栓をして激しく振り混ぜた後、30分間放置した。生成した酢酸をN/2水酸化ナトリウム溶液でフェノールフタレインを指示薬として激しく振り混ぜながら微紅色をするまで滴定し、その滴定量をa(ml)とする。別にブランク試験を行い、これに要したN/2水酸化ナトリウム溶液の滴定量をb(ml)とし、次の式により求めた。
l0=2.2×(b−a)×Fl/(sl×Pl)
式中の、s1:ポリビニルアセタール樹脂の質量、Pl:純分(%)、Fl:N/2水酸化ナトリウム溶液の力価である。
また、ポリビニルアセタール樹脂約0.4gを共せん付き三角フラスコに正確に量りとり、エタノール25mlを加えて85℃で溶解し、N/10水酸化ナトリウム溶液5mlをピペットでよく振り混ぜながら加え、冷却器をつけて温度85℃の水浴中で60分間還流させた。冷却後、N/10塩酸5mlをピペットで加えてよく振り混ぜ、30分間放置した。過剰の塩酸をN/10水酸化ナトリウム溶液でフェノールフタレインを指示薬として微紅色を呈するまで滴定し、その滴定量をc(ml)とした。別にブランク試験を行い、これに要したN/10水酸化ナトリウム溶液の滴定量をd(ml)として、次の式により求めた。
m0=0.86×(c−d)×Fm/(sm×Pm)
式中の、sm:ポリビニルアセタール樹脂の質量、Pm:純分(%)、Fm:N/10水酸化ナトリウム溶液の力価である。
メタクリル系樹脂(A−1)75部、およびポリビニルアセタール樹脂(B−1)25部を、日本製鋼所製二軸混練押出機TEX−44α(L/D=40)を用いてシリンダー温度220℃、スクリュー回転数200rpmで混練し、メタクリル系樹脂組成物のペレットを得た。その際の押出機のダイ直前で測定した樹脂温度は230℃であった。押出機内の最大剪断速度は、300sec-1であり、バレルとスクリューエレメントとのクリアランスが大きい部分でのせん断速度は45sec-1であった。スクリューは、上記の回転数において、300sec-1のせん断と45sec-1のせん断とが交互に2回ずつ掛かる構成のものを用いた。
これらの試験片を用い、曲げ試験における弾性率、降伏点伸度、破断伸度、靭性および白化状態;引張り試験における弾性率、破断伸度、靭性および白化状態;メタクリル系樹脂組成物のメタクリル系樹脂(A)に起因するガラス転移温度(TgAP)を測定した。また、モルフォロジーを観察した。表3にその結果を示した。
また、得られたメタクリル系樹脂組成物のペレットをプラスチック工学研究所製GT−40を用いて幅500mmのTダイよりシリンダー温度およびTダイ温度が220℃の条件で押出成形し、Tダイ直下において90℃に温度調節した2本の金属製鏡面ロールで、押付け圧力50N/mmで挟み込むことにより、厚さ100μmのフィルムを得た。このフィルムの可視光線透過率、ヘイズ、表面硬度、白化状態、表面の粗度(便宜上、A面およびB面と記載した。以下、同様。)等を表4に示した。
この厚さ100μmのメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムと厚さ500μmのポリカーボネートフィルム(ユーピロンフィルムFE−2000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)とを一枚ずつ重ね合わせ、二本の表面温度170℃の金属製鏡面ロールの間を通すことによってフィルム両側から熱圧着してポリカーボネートフィルムの片面にメタクリル系樹脂組成物が積層された積層体を得た。
得られた積層体のヘイズ、モルフォロジー、引張り試験における弾性率、破断伸度および靭性;耐衝撃性、表面硬度、白化状態、表面粗度、ならびに耐候性を表5に示した。
メタクリル系樹脂(A)およびポリビニルアセタール樹脂(B)の種類および/または配合量を表3に示す処方に変えた以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。それらの特性を表3〜表5に示した。
実施例2における押出し機の最大剪断速度は300sec-1であり、メタクリル系樹脂組成物の押出し機のダイ直前で測定した樹脂温度は225℃であった。
実施例3における押出し機の最大剪断速度は300sec-1であり、メタクリル系樹脂組成物の押出し機のダイ直前で測定した樹脂温度は240℃であった。
実施例4における押出し機の最大剪断速度は300sec-1であり、メタクリル系樹脂組成物の押出し機のダイ直前で測定した樹脂温度は231℃であった。
実施例1で得られたメタクリル系樹脂組成物のペレットをプラスチック工学研究所製GT−40を用いて幅500mmのTダイよりシリンダー温度およびTダイ温度が220℃の条件で押出成形し、Tダイ直下において90℃に温度調節した2本の金属製鏡面ロールで、押付け圧力50N/mmで挟み込むことにより、厚さ50μmのメタクリル系樹脂組成物からなるのフィルムを得た。
この厚さ50μmのメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムと厚さ500μmのポリカーボネートフィルム(ユーピロンフィルムFE−2000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)とを、ポリカーボネートフィルムがメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムに両側から挟まれるように重ね合わせ、二本の表面温度170℃の金属製鏡面ロールの間を通すことによってフィルム両側から熱圧着してポリカーボネートフィルムの両面にメタクリル系樹脂組成物が積層された積層体を得た。力学物性などの特性を表3〜表5に示した。
実施例1で得られたメタクリル系樹脂組成物のペレットをプラスチック工学研究所製GT−40を用いて幅500mmのTダイよりシリンダー温度およびTダイ温度が220℃の条件で押出成形し、Tダイ直下において90℃に温度調節した2本の金属製鏡面ロールで、押付け圧力50N/mmで挟み込むことにより、厚さ50μmのメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
このフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。力学物性などを表3〜表5に示した。
実施例1で得られたメタクリル系樹脂組成物のペレットをプラスチック工学研究所製GT−40を用いて幅500mmのTダイよりシリンダー温度およびTダイ温度が220℃の条件で押出成形し、Tダイ直下において90℃に温度調節した2本の金属製鏡面ロールで、押付け圧力50N/mmで挟み込むことにより、厚さ20μmのメタクリル系樹脂組成物からなるのフィルムを得た。このフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。力学物性などを測定した結果を表3〜表5に示した。
ポリビニルアセタール樹脂(B)の種類を表3に示す処方に変えた以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。それらの結果を表3〜表5に示した。
メタクリル系樹脂(A−1)75部、ポリビニルアセタール樹脂(B−1)25部およびメタクリル系樹脂(A−1)とポリビニルアセタール樹脂(B−1)の合計に対し、紫外線吸収剤として0.8質量%のアデカスタブLA−31をさらに添加したこと以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。それらの結果を表3〜表5に示した。また、積層体の耐候性を評価したところ、積層体にクラックが入らず、○と評価された。
実施例1で得られた厚さ100μmのメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムと厚さ2mmのポリカーボネートシート(ユーピロンシートNF−2000;三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)とを一枚ずつ重ね合わせ、二本の表面温度170℃の金属製鏡面ロールの間を通すことによってフィルム両側から熱圧着してポリカーボネートフィルムの片面にメタクリル系樹脂組成物が積層された積層体を得た。評価結果を表3〜表5に示した。
厚さ500μmのポリカーボネート単層フィルム(ユーピロンフィルムFE−2000;三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)の力学物性などを測定した結果を表6に示した。また、この単層フィルムの耐候性を評価したところ、フィルムにクラックが入り、×と評価された。
実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物のペレットに代えて、メタクリル系樹脂(A−1)のみからなるペレットを用いた以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。その結果を表6に示した。
実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物のペレットに代えて、メタクリル系樹脂(A−3)のみからなるペレットを用いた以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。その結果を表6に示した。
実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物に代えて、アルキルアクリレート単位を含んでなる軟質重合体層とアルキルメタクリレート単位を含んでなる硬質重合体層との組み合わせからなり且つ最外層が硬質重合体層である多層構造重合体(C−1)16質量部およびメタクリル系樹脂(A−1)84質量部からなるコア−シェル型粒子含有メタクリル系樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。その結果を表6に示した。
実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物に代えて、アルキルアクリレート単位を含んでなる軟質重合体層とアルキルメタクリレート単位を含んでなる硬質重合体層との組み合わせからなり且つ最外層が硬質重合体層である多層構造重合体(C−1)28質量部およびメタクリル系樹脂(A−1)72質量部からなるコア−シェル型粒子含有メタクリル系樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。その結果を表6に示した。
実施例1で得られたメタクリル系樹脂組成物のペレットをプラスチック工学研究所製GT−40を用いて幅500mmのTダイよりシリンダー温度およびTダイ温度が220℃の条件で押出成形し、Tダイ直下において90℃に温度調節した2本の金属製鏡面ロールで、押付け圧力50N/mmで挟み込むことにより、厚さ300μmのメタクリル系樹脂組成物からなるフィルムを得た。このフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体の力学物性などを測定した結果を表6に示した。
また、メタクリル系樹脂のみからなる層を備えている比較例2および比較例3の積層体と比較して、本発明の積層体は透明性、表面平滑性、表面硬度が同等で、耐衝撃性が優れており、しかも延伸した時、折り曲げた時、衝撃を受けた時および/または長時間湿熱条件下に置かれた時にメタクリル系樹脂組成物層が白化しないという特長も併せ持つ。
さらに、コア−シェル型粒子を含有したメタクリル系樹脂組成物からなる層を備えている比較例4および比較例5の積層体と比較して、本発明の積層体は透明性、表面平滑性が優れており、しかも延伸した時、折り曲げた時、衝撃を受けた時および/または長時間湿熱条件下に置かれた時にメタクリル系樹脂組成物層が白化しない。一方、比較例4および比較例5の積層体は延伸した時、折り曲げた時、衝撃を受けた時および/または長時間湿熱条件下に置かれた時にメタクリル系樹脂組成物層が白化する。
Claims (6)
- ポリカーボネート樹脂層とメタクリル系樹脂組成物からなる厚さ5〜200μmの層とを備えてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、
前記メタクリル系樹脂組成物が、
重量平均分子量(Mw)が40000以上のメタクリル系樹脂(A)と、
数平均重合度200〜4000のポリビニルアルコール樹脂をアセタール化度55〜83mol%で(共)アセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂(B)とを、
99/1〜51/49の質量比(A)/(B)で、
せん断速度100sec-1以上の条件で溶融混練してなるものであり、且つ
メタクリル系樹脂(A)が連続相を形成している、
ポリカーボネート樹脂積層体。 - メタクリル系樹脂組成物は紫外線吸収剤を0.1〜2質量%含有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
- 前記メタクリル系樹脂組成物からなる層の、ポリカーボネート樹脂層と接している面の反対側の面の粗度が1.5nm以下である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
- JIS K7136に準じて測定したヘイズが0.3%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
- フィルム、シートまたは板である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
- 動的粘弾性測定における、メタクリル系樹脂組成物中のメタクリル系樹脂(A)に起因するガラス転移温度TgAPが、メタクリル系樹脂(A)単独でのガラス転移温度(TgA)とポリビニルアセタール樹脂(B)単独でのガラス転移温度(TgB)との間の値を示す、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
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