JP6742158B2 - アクリル系樹脂フィルムおよびそれを用いた積層フィルム並びに積層体 - Google Patents
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前記(メタ)アクリル系樹脂が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%
以上含有するメタクリル系重合体(A)とメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を含有するアクリル系ブロック共重合体(B)とを、前記メタクリル系重合体(A)60〜99質量%およびアクリル系ブロック共重合体(B)1〜40質量%含有し、
前記アクリル系ブロック共重合体(B)がトリブロック共重合体でり、
前記アクリル系ブロック共重合体(B)において、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の両末端に其々結合する2つのメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の質量比が互いに異なり、
前記アクリル系樹脂フィルムの押出方向に垂直な方向の断面において、前記アクリル酸エステルブロック(b2)が柱状の相を形成しており、
前記アクリル系樹脂フィルムの軟化点より20℃高い温度で10分間加熱した際の加熱前後の算術平均粗さの変化量が5nm以上である、アクリル系樹脂フィルム。
[2] 少なくとも一方の面の算術平均粗さが1〜10nmである、[1]のアクリル系樹脂フィルム。
[3] 前記アクリル系樹脂フィルムを100℃で30分間加熱した際の加熱収縮率が1.0%以下である、[1]または[2]のアクリル系樹脂フィルム。
[4] 前記柱状の相は、短径に対する長径の比が3以上である、[1]〜[3]のいずれかのアクリル系樹脂フィルム。
[5] 前記アクリル系ブロック共重合体(B)が、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)20〜80質量%およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)80〜20質量%を含有する、[1]〜[4]のいずれかのアクリル系樹脂フィルム。
[6] 前記(メタ)アクリル系樹脂は、ブロック共重合体(B)のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1)に対するメタクリル系重合体(A)の重量平均分子量Mw(A)の比Mw(A)/Mw(b1)の値が4〜10である、[1]〜[5]のいずれかのアクリル系樹脂フィルム。
[7] 少なくとも一方の面に印刷が施されている、[1]〜[6]のいずれかのアクリル系樹脂フィルム。
[8] [1]〜[7]のいずれかのアクリル系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、無機層、熱可塑性樹脂層または基材層を有する、積層フィルム。
[9] [1]〜[7]のいずれかのアクリル系樹脂フィルムまたは[8]の積層フィルムを被着体の表面に有する積層体。
[10] [1]〜[7]のいずれかのアクリル系樹脂フィルムを、前記(メタ)アクリル系樹脂の軟化点以上の温度で加熱し、加熱前後の算術平均粗さの変化量を5nm以上とする、加飾フィルムの製造方法。
二軸押出機を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し、減圧下での溶融混練または窒素気流下での溶融混練を行うことが好ましい。このようにして、本発明の(メタ)アクリル系樹脂を、ペレット、粉末などの任意の形態で得ることができる。ペレット、粉末などの形態の(メタ)アクリル系樹脂は、成形材料として使用するのに好適である。
また、ブロック共重合体(B)を、メタクリル系重合体(A)の単量体単位であるアクリル系モノマーとトルエン等の溶媒の混合溶液に溶解し、該アクリル系モノマーを重合することにより、ブロック共重合体(B)を含む、本発明に用いられる(メタ)アクリル系樹脂を調製することもできる。
ΔRa=Ra2−Ra1
係る変化量ΔRaが5nm以上であることで、透明なフィルムからゆらめきの大きいフィルムまで、加熱後にユーザーが選択できるフィルムのゆらめきの程度の幅が広がり、またゆらめいた外観を十分に発現できるフィルムが得られるため好ましい。また、アクリル系樹脂フィルムの透明性および寸法を維持する観点から、係る変化量ΔRaは好ましくは100nm以下であり、より好ましくは60nm以下である。なお、アクリル系樹脂フィルムが複数の(メタ)アクリル系樹脂からなる場合、使用される複数の(メタ)アクリル系樹脂の中で最も高い軟化点を有する(メタ)アクリル系樹脂の軟化点を採用し、該軟化点より20℃高い温度で10分間加熱した際の加熱前後の算術平均粗さの変化量を測定する。
また、加熱する時間は、アクリル系樹脂フィルムの外観を十分に変化させ、且つフィルム全体の乱れが生じない時間であれば特に限定されず、10分間より長い時間加熱しても良いが、成形サイクルを短くできるという観点から、好ましくは30分間以内、より好ましくは15分間以内、更に好ましくは10分間以内で、ΔRaが5nm以上となる時間が好ましい。加熱する時間が30分間より長いとアクリル系樹脂フィルムが波打ったり、ヘーズが増大する傾向となる。
また、加熱する方法は特に限定されず、例えば真空成型、熱プレス成型、TOM成形等、いずれの方法で行ってもよい。これらの方法で外観を変化させることで、アクリル系樹脂フィルムを加飾フィルムとすることができる。
フィルムの予備成形は、別個の成形機で行ってもよいし、射出成形同時貼合法に用いる射出成形機の金型内で予備成形を行ってもよい。後者の方法、即ち、フィルムを予備成形した後その片面に溶融樹脂を射出する方法は、インサート成形法と呼ばれる。
本発明の積層フィルムを用いる場合には、熱可塑性樹脂層が射出成形される樹脂に面するように配置することが好ましい。このようにして、最表層に本発明のアクリル系樹脂フィルムが設けられた成形体を得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂およびブロック共重合体の各構成単位の割合は、各モノマーの仕込み量より算出した。
アクリル系樹脂フィルムを幅5mm×長さ30mmに切り出し、レオスペクトラー(レオロジー社製;DVE RHEOSPECTOLER DVE−V4)を用いて貯蔵弾性率の時間依存性を測定し、低温側でのベースラインと、変曲点での接線との交点を該アクリル系樹脂フィルムの軟化点とした。測定に際し、測定モードは引張り、波形は正弦波、周波数1.0Hz、測定温度範囲は30〜200℃、昇温速度は3℃/minとした。
アクリル系樹脂フィルムを50mm×50mmに切り出して試験片とし、微細形状測定機(小坂研究所社製;サーフコーダ ET 4000A)を用いて表面の形状を測定した。検出器の仕様は、Z方向測定範囲が100μm以下、Z方向分解能が0.1nm、測定力が0.5μN、触針が先端半径 0.5μmのダイヤモンド製である。
試料の評価長さは1mmとし、カットオフ値は0.25mm、送り速さは0.1mm/sとした。得られた測定データを、装置に付属のデータ処理ソフトウェアにより解析し、算術平均粗さRa1を求めた。
ここでF(X,Y)は(X,Y)座標での高さの値を表す。Z0は以下で定義されるZデータの平均値を表す。
また、S0は、測定領域の面積を表す。
アクリル系樹脂フィルムについて、ウルトラミクロトーム(日本電子社製;Leica EM UC7rt)を用いて、押出方向に垂直な方向(TD方向)の断面切片を厚さ50nmで作成した。10%リンタングステン酸水溶液により、作成した断面切片を染色し、ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡(STEM)(日本電子社製;本体:JSM−7600F、検出器:SM−74240RTED)を用いて染色部の形状(モルフォロジー)を観察した。係るリンタングステン酸水溶液により、断面切片中のアクリル酸エステル部分が染色されると思われる。さらに、係る染色部30個について長径、短径を測定し、短径の平均値に対する長径の平均値の比を長径/短径比とした。観察された短径はいずれも10〜100nmであった。
算術平均粗さRa1を測定した試験片を、軟化点より20℃高い温度のオーブンの中に、各実験例に記載した時間放置した。試験片をオーブンから取り出し、Ra1を測定した面と同じ面の算術平均粗さを、Ra1と同じ方法で測定し、Ra2とした。また、Ra2とRa1の差を算定し、ΔRaとした。
加熱前のフィルムおよび上記Ra2の測定で作成した加熱後のフィルムの表面形状を、倍率216〜1728Xの対物レンズ(MPLFLN10X)を備えたレーザー顕微鏡(OLYMPUS社製;OLS4100)で観察し、以下の通り評価した。
線状凹凸:線状の凹凸が見られた。
点状凹凸:点状の凹凸が見られた。
平滑:凹凸は見られなかった。
加熱前のフィルムおよび上記Ra2の測定で作成した加熱後のフィルムの外観を肉眼で観察し、以下の通り評価した。
ゆらめき大:透明であり、ゆらめいた風合いが多く見られる。
ゆらめき中:透明であり、ゆらめいた風合いが見られる。
ゆらめき小:透明であり、ゆらめいた風合いが僅かに見られる。
白濁:白濁しており、ゆらめいた風合いは見られない。
透明:透明であり、ゆらめいた風合いは見られない。
アクリル系樹脂フィルムを50mm×50mmに切り出して試験片とし、JIS−K7136に準拠して、23℃にてヘーズを測定した。また、上記Ra2の測定で作成した加熱後のフィルムについて、同じ方法でヘーズを測定した。
アクリル系樹脂フィルムを12cm×12cmに切り出して試験片とし、該試験片の中心に、フィルム製造時の押出方向(MD方向)に平行な長さ10cmの直線をペンで記入した後、該試験片を100℃のオーブンで30分間加熱した。加熱後の直線の長さL(cm)を測定し、L/(10−L)×100を計算した。3枚の試験片について同じ操作を行い、その平均値を加熱収縮率(%)とした。
メタクリル酸メチル100質量部からなる単量体に重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.1質量部および連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.21質量部を加え溶解させて原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部および懸濁分散剤0.45質量部を混ぜ合わせて混合液を得た。耐圧重合槽に、前記混合液420質量部と前記原料液210質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行って、ビーズ状重合体が分散した液を得た。
得られた重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状のメタクリル系重合体(A)(以下「メタクリル系重合体(A−1)」と称する)を得た。得られたメタクリル系重合体(A−1)の重量平均分子量Mw(A)は110,000だった。
合成例1において、単量体をメタクリル酸メチル100質量部からメタクリル酸メチル99.3質量部およびアクリル酸メチル0.7質量部に変更し、連鎖移動剤の量を0.21質量部から0.16質量部に変更した以外は合成例1と同様にして、重量平均分子量Mw(A)が130,000であるメタクリル系重合体(A−2)を製造した。
合成例2において、連鎖移動剤の量を0.16質量部から0.24質量部に変更した以外は合成例2と同様にして、重量平均分子量Mw(A)が80,000であるメタクリル系重合体(A−3)を製造した。
トルエン溶液中、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの触媒下で、sec−ブチルリチウムを重合開始剤として重合した。15質量部のメタクリル酸メチルを滴下してメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1−1)を重合した後、50質量部のアクリル酸n−ブチルを滴下してアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を重合、さらに35質量部のメタクリル酸メチルを滴下してメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1−2)を重合し、最後にメタノールで停止して、ブロック共重合体(B−1)を得た。得られたブロック共重合体は、(b1−1)−(b2)−(b1−2)のトリブロック構造をしており、(b1−1)−(b2)−(b1−2)の組成比は、15質量%−50質量%−35質量%である。すなわち、n(L)は15質量%、n(H)は35質量%であった。得られたブロック共重合体(B−1)において、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1)は20,000、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の重量平均分子量Mw(b2)は30,000であった。
合成例4と同様の溶媒、触媒条件下、重合開始剤を調整することで分子量を調整し、重合性単量体の量を調整し、メタクリル酸メチルからなる(b1)−アクリル酸n−ブチル/アクリル酸ベンジル=50/50(質量比)からなる(b2)の構造を有するジブロック共重合体(B−3)を得た。(b1)−(b2)の組成比は、50質量%−50質量%であった。得られたブロック共重合体(B−2)において、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1)は45,000、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の重量平均分子量Mw(b2)は45,000であった。
(1)撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、イオン交換水1,050質量部、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム0.3質量部および炭酸ナトリウム0.7質量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換した。次いで内温を80℃にした。そこに、過硫酸カリウム0.25質量部を投入し、5分間撹拌した。これにメタクリル酸メチル95.4質量%、アクリル酸メチル4.4質量%およびメタクリル酸アリル0.2質量%からなる単量体混合物245質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間重合反応を行った。
(2)次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.32質量部を投入して5分間撹拌した。その後、アクリル酸ブチル80.5質量%、スチレン17.5質量%およびメタクリル酸アリル2質量%からなる単量体混合物315質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間重合反応を行った。
(3)次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.14質量部を投入して5分間撹拌した。その後、メタクリル酸メチル95.2質量%、アクリル酸メチル4.4質量%およびn−オクチルメルカプタン0.4質量%からなる単量体混合物140質量部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに60分間重合反応を行った。得られたコア−シェルゴム(B−3)を含むラテックスを凍結して凝固させ、次いで水洗・乾燥してコア−シェルゴム(B−3)を得た。
メタクリル系重合体(A−1)85質量部およびブロック共重合体(B−1)15質量部を、二軸押出機を用いて、250℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、ペレタイザーでカットすることで、(メタ)アクリル系樹脂のペレットを製造した。
得られた(メタ)アクリル系樹脂を65mmΦベント式単軸押出機で溶融し、幅900mmのダイより押出温度250℃にて吐出量40kg/hで押出し、表面温度80℃の金属弾性ロールと表面温度80℃の金属剛体ロール間で挟持し、10m/分の速度で引き取り、厚さ75μmで透明なフィルムを製造した。係るフィルムの軟化点は110℃であった。また、図1に示す通り、係るフィルムのTD方向の断面における染色部のモルフォロジーは柱状であった。得られたアクリル系樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1で得られたアクリル系樹脂フィルムを、130℃に設定したオーブンにより3分間加熱し、オーブンから取り出した。得られた加熱後のフィルムは透明で、ゆらめいた風合いを僅かに有していた。係る加熱後のフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1で得られたアクリル系樹脂フィルムを、130℃に設定したオーブンにより20分間加熱し、オーブンから取り出した。得られた加熱後のフィルムは透明で、ゆらめいた風合いを多く有していた。係る加熱後のフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、メタクリル系重合体(A−1)をメタクリル系重合体(A−2)に変更した以外は実施例1と同じ方法でフィルムを得た。係るフィルムの軟化点は100℃であった。また、図2に示す通り、係るフィルムのTD方向の断面における染色部のモルフォロジーは柱状であった。得られたアクリル系樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、ブロック共重合体(B−1)をブロック共重合体(B−2)に変更した以外は実施例1と同じ方法でフィルムを得た。係るフィルムの軟化点は110℃であった。また、図3に示す通り、係るフィルムのTD方向の断面における染色部のモルフォロジーは球状であった。得られたアクリル系樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
メタクリル系重合体(A−3)80質量部およびコア−シェルゴム20質量部を、二軸押出機を用いて、250℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、ペレタイザーでカットすることで、(メタ)アクリル系樹脂のペレットを製造した。
得られた(メタ)アクリル系樹脂のペレットを使用した以外は実施例1と同じ方法でフィルムを得た。係るフィルムの軟化点は110℃であった。また、図4に示す通り、係るフィルムのTD方向の断面における染色部のモルフォロジーは球状であった。得られたアクリル系樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
また、実施例1並びに参考例1および2より、加熱の程度を変化させることで表面粗さおよびゆらめいた風合いの程度を制御することができ、違った表面外観を表現できることがわかる。
Claims (10)
- (メタ)アクリル系樹脂からなるアクリル系樹脂フィルムであって、
前記(メタ)アクリル系樹脂が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上含有するメタクリル系重合体(A)とメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を含有するアクリル系ブロック共重合体(B)とを、前記メタクリル系重合体(A)60〜99質量%およびアクリル系ブロック共重合体(B)1〜40質量%含有し、
前記アクリル系ブロック共重合体(B)がトリブロック共重合体であり、
前記アクリル系ブロック共重合体(B)において、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の両末端に其々結合する2つのメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の質量比が互いに異なり、
前記アクリル系樹脂フィルムの押出方向に垂直な方向の断面において、前記アクリル酸エステルブロック(b2)が柱状の相を形成しており、
前記アクリル系樹脂フィルムの軟化点より20℃高い温度で10分間加熱した際の加熱前後の算術平均粗さの変化量が5nm以上である、アクリル系樹脂フィルム。 - 少なくとも一方の面の算術平均粗さが1〜10nmである、請求項1に記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 前記アクリル系樹脂フィルムを100℃で30分間加熱した際の加熱収縮率が1.0%以下である、請求項1または2に記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 前記柱状の相は、短径に対する長径の比が3以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 前記アクリル系ブロック共重合体(B)が、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)20〜80質量%およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)80〜20質量%を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 前記(メタ)アクリル系樹脂は、ブロック共重合体(B)のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1)に対するメタクリル系重合体(A)の重量平均分子量Mw(A)の比Mw(A)/Mw(b1)の値が4〜10である、請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 少なくとも一方の面に印刷が施されている、請求項1〜6のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、無機層、熱可塑性樹脂層または基材層を有する、積層フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムまたは請求項8に記載の積層フィルムを被着体の表面に有する積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムを、前記(メタ)アクリル系樹脂の軟化点以上の温度で加熱し、加熱前後の算術平均粗さの変化量を5nm以上とする、加飾フィルムの製造方法。
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