以下、本発明の第1実施例を図1〜図43に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図4に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図2に示すように、前面扉2が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この前面扉2は外枠1の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球が貯溜されている。
上皿4の左端部には複数のスリット5が形成されている。これら複数のスリット5の後方にはスピーカ6が固定されており、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から複数のスリット5を通して前方の遊技者に効果音が出力される。また、前面扉2の前面には右下部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には、図4に示すように、発射モータ9が装着されており、発射モータ9の回転軸には、図2に示すように、打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が図2の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ9に電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿4内のパチンコ球を上皿4内から弾き出す。
前面扉2の前面には矩形状の窓枠11が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠11の内周面には透明なガラス窓12が保持されている。また、前面扉2の後面には、図3に示すように、遊技盤13が保持されている。この遊技盤13は窓枠11のガラス窓12により前方から覆われたものであり、打球槌10が弾いたパチンコ球は遊技盤13内の上端部に到達する。この遊技盤13の前面には複数の障害釘14が打込まれており、パチンコ球は遊技盤13内の上端部から障害釘14に当りながら落下する。
遊技盤13の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナランプカバー15が固定されている。これら各コーナランプカバー15の後方には複数のコーナランプ16(図5参照)が固定されており、各コーナランプカバー15は後方のコーナランプ16が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー17が固定されている。これら各サイドランプカバー17の後方には複数のサイドランプ18(図5参照)が固定されており、各サイドランプカバー17は後方のサイドランプ18が点灯することに基づいて発光する。尚、コーナランプ16およびサイドランプ18は電飾部材に相当するものである。
遊技盤13の前面には、図3に示すように、表示台板19が固定されており、表示台板19の上端部には4個の保留球ランプ20が固定されている。これら4個の保留球ランプ20は保留球表示器21を構成するものであり、横一列に配置されている。また、表示台板19にはカラー液晶表示器からなる図柄表示装置22が固定されている。この図柄表示装置22には特別図柄変動領域TEが設けられており、特別図柄表示領域TE内には特別図柄が横3列に表示される。この特別図柄は大当りおよび外れを識別する識別図柄に相当するものであり、数字図柄から構成されている。
図柄表示装置22には普通図柄変動領域HEが設けられている。この普通図柄変動領域HEは特別図柄変動領域TEの左下隅部に位置するものであり、普通図柄変動領域HE内には普通図柄が横2列に表示される。この普通図柄は当りおよび外れを識別する識別図柄に相当するものであり、数字図柄から構成されている。尚、図柄表示装置22は表示器に相当するものである。
表示台板19の後面には左右両側部に位置して役物モータ23(図5参照)が固定されている。これら各役物モータ23はステッピングモータからなるものであり、各役物モータ23の回転軸には、図3に示すように、駆動機構(図示せず)を介して役物24が連結されている。これら各役物24は表示台板19の前面側に図柄表示装置22の左右両側部に位置して配置されたものであり、各役物モータ23の駆動時には役物24が特別図柄変動領域TE内に侵入した前進位置(二点鎖線参照)および特別図柄変動領域TE内から退避した後退位置(実線参照)間で左右方向へ移動する。これら各役物24は人の手を模した立体形状をなすものであり、図柄表示装置22の表示内容に連動して移動制御される。これら各役物24は遊技盤13の前面に対して非突出状態にされたものであり、パチンコ球は役物24に当ることなく落下する。尚、役物モータ23は役物24の駆動源に相当するものである。また、役物24は可動部材に相当するものである。
遊技盤13には図柄表示装置22の下方に位置して特別図柄始動口25が固定されている。この特別図柄始動口25は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別図柄始動口25内には特別図柄始動センサ26(図5参照)が固定されている。この特別図柄始動センサ26は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口25内にパチンコ球が入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。尚、特別図柄始動口25は始動口に相当するものである。
特別図柄始動口25には、図3に示すように、2枚の羽根板27が軸28を中心に回動可能に装着されており、両羽根板27が垂直状態(図3の二点鎖線参照)に回動しているときには両羽根板27間の離間寸法がパチンコ球の直径寸法程度になり、特別図柄始動口25に向って真上から落下するパチンコ球だけが両羽根板27間の隙間を通って特別図柄始動口25内に入賞する。また、両羽根板27が傾斜状態(図3の実線参照)に回動しているときには特別図柄始動口25の左右両側部を落下するパチンコ球が羽根板27に捕捉されることに基いて特別図柄始動口25内に入賞する。即ち、両羽根板27は特別図柄始動口25の開口部を実質的に拡縮するものである。
両羽根板27は羽根板ソレノイド29(図5参照)のプランジャに機械的に連結されたものであり、羽根板ソレノイド29は両羽根板27を傾斜状態および垂直状態に回動操作することに基いて特別図柄始動口25を拡縮する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口25の左側部に位置して普通図柄始動ゲート30が固定されている。この普通図柄始動ゲート30は上下面が開口するコ字枠状をなすものであり、普通図柄始動ゲート30内には普通図柄始動センサ31(図5参照)が固定されている。この普通図柄始動センサ31は近接スイッチからなるものであり、普通図柄始動ゲート30内を通過するパチンコ球を検出して普通図柄始動信号を出力する。
遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口25の下方に位置して入賞口台板32が固定されており、入賞口台板32には前面が開口する四角筒状の大入賞口(図示せず)が固定されている。また、入賞口台板32には扉33が下端部の水平な軸34を中心に回動可能に装着されており、大入賞口の前面は扉33が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、扉33が前方へ水平に倒れた開放状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口は可変入賞口に相当するものである。
入賞口台板32の後面には大入賞口ソレノイド35(図5参照)が固定されている。この大入賞口ソレノイド35のプランジャには扉33が機械的に連結されており、扉33は大入賞口ソレノイド35のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口内にはカウントセンサ36(図5参照)が固定されている。このカウントセンサ36は近接スイッチからなるものであり、大入賞口内にパチンコ球が入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
前面扉2の後面側には、図4に示すように、上端部に位置して球タンク37が固定されている。この球タンク37は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク37内にはパチンコ球が貯溜されている。また、前面扉2の後面側には賞球払出装置38が着脱可能に装着されており、賞球払出装置38内には球タンク37内からパチンコ球が供給される。この賞球払出装置38はステッピングモータからなる払出モータ39(図5参照)を駆動源とするものであり、パチンコ球が特別図柄始動口25内および大入賞口内に入賞することに基づいて上皿4内にパチンコ球を賞品球として払出す。
前面扉2の後面側には、図4に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス40が固定されている。このメイン基板ボックス40内には、図5に示すように、メイン基板41が収納されており、メイン基板41にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置42が搭載されている。このメイン制御装置42はCPU43,ROM44,RAM45,I/O46を有するものであり、ROM44には制御プログラムおよび制御データが記録されている。
尚、メイン制御装置42は主制御装置に相当するものである。また、メイン制御装置42のCPU43は大当り判定手段,外れリーチ判定手段,演出パラメータ設定手段,図柄設定手段,高確率モード判定手段,大当り遊技手段に相当するものである。また、メイン制御装置42のROM44およびRAM45は記録手段に相当するものである。
特別図柄始動センサ26・普通図柄始動センサ31・カウントセンサ36はセンサ出力回路47を介してメイン制御装置42に電気的に接続されている。このセンサ出力回路47はメイン基板41に搭載されたものであり、メイン制御装置42のCPU43は特別図柄始動センサ26からの特別図柄始動信号,普通図柄始動センサ31からの普通図柄始動信号,カウントセンサ36からのカウント信号をセンサ出力回路47を介して検出する。
羽根板ソレノイド29・大入賞口ソレノイド35はソレノイド駆動回路48を介してメイン制御装置42に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路48はメイン基板41に搭載されたものであり、メイン制御装置42のCPU43は羽根板ソレノイド29および大入賞口ソレノイド35をソレノイド駆動回路48を介して通断電制御し、特別図柄始動口25の両羽根板27および大入賞口の扉33を回動操作する。
4個の保留球ランプ20はランプ駆動回路49を介してメイン制御装置42に電気的に接続されている。このランプ駆動回路49はメイン基板41に搭載されたものであり、メイン制御装置42のCPU43は4個の保留球ランプ20をランプ駆動回路49を介して点灯制御する。
前面扉2の後面側には、図4に示すように、メイン基板ボックス40の前方に位置して払出基板ボックス50が固定されている。この払出基板ボックス50内には、図7に示すように、払出基板51が収納されており、払出基板51にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置52が搭載されている。この払出制御装置52はCPU53,ROM54,RAM55,I/O56を有するものであり、ROM54には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置52にはメイン制御装置42が電気的に接続されており、払出制御装置52にはメイン制御装置42から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
払出制御装置52にはモータ駆動回路57を介して払出モータ39が電気的に接続されている。このモータ駆動回路57は払出基板51に搭載されたものであり、払出制御装置52のCPU53はモータ駆動回路57を通して払出モータ39の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置52のCPU53がメイン制御装置42からの賞球データに基づいて調節するものであり、CPU53は払出モータ39の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置38から上皿4内に賞球データに応じた個数のパチンコ球を賞品球として払出す。
前面扉2の後面側には統合基板ケース(図示せず)が固定されている。この統合基板ケース内には、図6に示すように、統合基板58が収納されており、統合基板58には図柄制御装置59が搭載されている。この図柄制御装置59はCPU60,ROM61,RAM62,VDP63,VROM64,VRAM65,I/O66を有するものであり、ROM61には制御プログラムおよび制御データが記録され、VROM64には表示プログラムおよび表示データが記録されている。
尚、図柄制御装置59は表示制御装置に相当するものである。また、図柄制御装置59のCPU60は演出パターン設定手段,コマンド生成手段,表示制御手段,駆動制御手段に相当するものである。また、図柄制御装置59のROM61およびRAM62は記録手段に相当するものである。
図柄制御装置59にはメイン制御装置42が電気的に接続されている。この図柄制御装置59はメイン制御装置42から演出コマンドおよび演出データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置59のCPU60はメイン制御装置42からの演出コマンド等に基づいて制御コマンドを設定し、VDP63に出力する。すると、VDP63は制御コマンドに応じた表示データをVROM64から検出し、LCD駆動回路67を介して図柄表示装置22に制御コマンドに応じた動画面を表示する。このLCD駆動回路67は統合基板58に搭載されたものであり、表示データをハードウェア的に重ねて図柄表示装置22に表示するスプライト機能を有している。
統合基板58にはモータ駆動回路68が搭載されており、図柄制御装置59にはモータ駆動回路68を介して両役物モータ23が電気的に接続されている。このモータ駆動回路68はクロック回路69からのクロック信号に基いて駆動パルスを生成し、両役物モータ23に駆動パルスを与えることに基いて両役物24を駆動するものであり、CPU60はモータ駆動回路68に制御コマンドを与えることに基いて駆動パルスの生成を指令し、両役物モータ23を介して両役物24を駆動制御する。
クロック回路69は図柄制御装置59に内蔵されたものであり、図柄制御装置59のCPU60はクロック回路69からクロック信号が与えられることに基いてタイマ割込みプログラムを起動し、タイマ割込みプログラムでモータ制御処理およびLCD制御処理を行うことに基いて役物24の動作内容および図柄表示装置22の表示内容を制御する。
統合基板58にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置70が搭載されている。このスピーカ制御装置70は、図8に示すように、CPU71,ROM72,RAM73,I/O74を有するものであり、ROM72には制御プログラムおよび制御データが記録されている。このスピーカ制御装置70には図柄制御装置59が電気的に接続されており、スピーカ制御装置70には図柄制御装置59から演出コマンドおよび演出データが送信される。
尚、スピーカ制御装置70は音制御装置に相当するものである。また、スピーカ制御装置70のCPU71は音響パターン設定手段,スピーカ制御手段,コマンド生成手段に相当するものである。また、スピーカ制御装置70のROM72およびRAM73は記録手段に相当するものである。
スピーカ制御装置70にはスピーカ駆動回路75を介してスピーカ6が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路75は統合基板58に搭載されたものであり、スピーカ制御装置70のCPU71はスピーカ駆動回路75を通してスピーカ6から効果音を出力する。この効果音の出力はスピーカ制御装置70のCPU71が図柄制御装置59からの演出コマンドおよび演出データに基づいて行うものであり、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から演出データに応じた効果音が出力される。
スピーカ制御装置70のCPU71は図柄制御装置59のクロック回路69に電気的に接続されている。このCPU71はクロック回路69からクロック信号が与えられることに基いてタイマ割込みプログラムを起動するものであり、タイマ割込みプログラムの中でスピーカ制御処理を行い、図柄表示装置22の表示内容および両役物23の動作内容に同期してスピーカ6から遊技音を出力する。
統合基板58には、図9に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置76が搭載されている。このランプ制御装置76はCPU77,ROM78,RAM79,I/O80を有するものであり、ROM78には制御プログラムおよび制御データが記録されている。このランプ制御装置76には図柄制御装置59が電気的に接続されており、ランプ制御装置76には図柄制御装置59から演出コマンドおよび演出データが送信される。
尚、ランプ制御装置76は電飾制御装置に相当するものである。また、ランプ制御装置76のCPU77は電飾パターン設定手段,電飾制御手段,コマンド生成手段に相当するものである。また、スピーカ制御装置76のROM78およびRAM79は記録手段に相当するものである。
ランプ制御装置76にはランプ駆動回路81を介して複数のコーナランプ16および複数のサイドランプ18が電気的に接続されている。このランプ駆動回路81は統合基板58に搭載されたものであり、ランプ制御装置76のCPU77はランプ駆動回路81を通して複数のコーナランプ16および複数のサイドランプ18を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置76のCPU77が図柄制御装置59からの演出コマンドおよび演出データに基づいて行うものであり、コーナランプ16およびサイドランプ18の駆動時にはコーナランプカバー15およびサイドランプカバー17が演出データに応じた態様で電飾される。
ランプ制御装置76のCPU77は図柄制御装置59のクロック回路69に電気的に接続されている。このCPU77はクロック回路69からクロック信号が与えられることに基いてタイマ割込みプログラムを起動するものであり、タイマ割込みプログラムの中でランプ制御処理を行い、図柄表示装置22の表示内容および両役物23の動作内容に同期してコーナランプ16・サイドランプ18を発光させる。
次に上記構成の作用について説明する。
<普通図柄遊技>
遊技者が上皿4内にパチンコ球を投入して発射ハンドル8を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤13内にパチンコ球が発射され、障害釘14に当りながら落下する。このパチンコ球が普通図柄始動ゲート30内を有効に通過すると、普通図柄遊技が行われる。この普通図柄遊技は図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を表示することに基いて行われるものであり、普通図柄遊技の概略は次の通りである。
図柄表装置22の普通図柄変動領域HE内には左列および右列の普通図柄として「3,7」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球が普通図柄始動ゲート30内を有効に通過すると、各列の普通図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の普通図柄が静止状態で変化することを称するものであり、各列の普通図柄の変化順序は「3」→「7」→「3」→…の交互である。
普通図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左普通図柄および右普通図柄が同時に停止し、左普通図柄および右普通図柄の停止状態での組合せに応じて当りおよび外れが報知される。当り図柄は当りの発生を報知するものであり、当り図柄には「3 3」,「7 7」の2種類が設定されている。外れ図柄は外れの発生を報知するものであり、外れ図柄には「3 7」,「7 3」の2種類が設定されている。
図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に当り図柄が表示されたときには当り遊技が開始される。この当り遊技は両羽根板27を傾斜状態に回動させることに基いて特別図柄始動口25を拡大し、パチンコ球が特別図柄始動口25内に入賞する確率を高める遊技者に有利な状態を発生させるものであり、両羽根板27は回動時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで傾斜状態に保持される。
<特別図柄遊技>
遊技盤13内を落下するパチンコ球が特別図柄始動口25内に有効に入賞すると、賞球払出装置38から設定個数のパチンコ球が上皿4内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置22の特別図柄変動領域TE内に各種のアニメーション画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
図柄表装置22の特別図柄変動領域TE内には左,中,右の各列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球が特別図柄始動口25内に入賞すると、各列の特別図柄が変動開始する。この変動は各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下であり、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「7」→「8」→「1」→…のループ状である。
各列の特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄が当該順序で仮停止し、左特別図柄および右特別図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左特別図柄および右特別図柄が上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する2個の特別図柄(左特別図柄および右特別図柄)の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には下記の8種類が設定されており、「↓」は中特別図柄が変動中であることを示している。
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」
リーチの発生状態では図柄表示装置22に複数種のリーチアクション画面が選択的に表示される。このリーチアクション画面は最終の中特別図柄が何で仮停止するかを演出するアニメーション画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクション画面が出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄に続けて最終の中特別図柄が仮停止した後、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が1本の水平な有効ラインに沿って静止した確定状態になる。これら3列の特別図柄の変動開始から確定に至る経過時間は変動表示時間(可変表示時間)と称されるものであり、3列の特別図柄の確定状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が遊技者に報知される。
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄は図柄制御装置59がメイン制御装置42からの演出コマンドを検出することに基づいて仮停止状態から静止表示するものであり、当該静止表示を確定停止表示(可変停止表示)と称する。仮停止は図柄制御装置59が演出コマンドに基いて自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を停止させることを称するものである。
大当り図柄は大当りを報知する3列の特別図柄の組合せを称するものであり、大当り図柄には下記の8種類が設定されている。
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」
完全外れ図柄はリーチすら発生しない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が同一で中特別図柄が相違するものである。
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動中には両役物24が動作することがある。これら両役物24の動作パターンは図柄制御装置59がメイン制御装置42からの演出コマンドおよび演出パターンを検出することに基いて独自に設定するものであり、図柄制御装置59は両役物24の挙動に応じて左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が仮停止する様子等を視覚的に演出する。これら両役物24の動作内容および図柄表示装置22の表示内容は図柄制御装置59のCPU60がモータ駆動回路68およびVDP63に動作コマンドおよび表示コマンドを出力することに基いて制御するものであり、両役物24および図柄表示装置22は制御タイミングの発生源を共通にすることで同期が取られている。
図柄表示装置22に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口の扉33を開放し、大入賞口内にパチンコ球が入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口は上限個のパチンコ球が入賞する個数条件または開放時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
大入賞口の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件および時間条件のいずれかが満足されたときには大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドの繰返し回数には上限値が設定されており、大当りラウンドの繰返し回数が上限値に達したときには大当り遊技が無条件に終了する。この大当りラウンド中には図柄表示装置22に大当りラウンド表示が行われる。この大当りラウンド表示は現在の大当りラウンド回数に応じたアニメーション画面を表示することで行われるものであり、アニメーション画面上には現在の大当りラウンド回数が数値で表示される。
特別図柄の変動表示を即座に開始できない特別図柄の変動表示時および大当りラウンド表示時にパチンコ球が特別図柄始動口25内に入賞したときには特別図柄の変動表示(特別図柄遊技)が4回を上限に保留される。保留球表示器21は特別図柄遊技の保留回数を保留球ランプ20の点灯個数によって表示するものであり、特別図柄の変動表示が開始されたときには保留球ランプ20が消灯することに基いて保留回数の減少が報知される。
大当りの発生時には確率変動モードに選択的に移行する。この確率変動モードは大当りを確率変動モードの非設定状態に比べて高い一定確率で判定するモードであり、大当り遊技終了直後の1回目の特別図柄遊技から有効になる。この確率変動モードは大当り図柄の種類に応じて抽選されるものであり、例えば大当りが偶数の大当り図柄で発生したときには確率変動モードが設定されず、大当りが奇数の大当り図柄で発生したときには確率変動モードが設定される。即ち、確率変動モードは大当りの発生を条件に「1/2」の確率で抽選されるものであり、次の大当りが偶数で発生することに基いて終了し、次の大当りが奇数で発生することに基いて再設定される。
大当りが奇数図柄で発生した確率変動モードの設定時には時間短縮モードに確定的に移行する。この時間短縮モードは普通図柄および特別図柄の変動表示時間を時間短縮モードの非設定状態に比べて短く設定し、特別図柄始動口25の拡大時間を長く設定するモードであり、大当り遊技終了直後の1回目の特別図柄遊技から有効になる。この時間短縮モードは継続回数に固定的な限度値が設定されないモードであり、次の大当りが偶数で発生することに基いて終了し、次の大当りが奇数で発生することに基いて再設定される。
次にメイン制御装置42,払出制御装置52,図柄制御装置59,スピーカ制御装置70,ランプ制御装置76の内部処理を図10〜図43に基づいて説明する。
<メイン制御装置42の内部処理について>
メイン制御装置42のCPU43は電源が投入されると、図10のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップS1〜S3の実行後にステップS4〜S11を無限ループ状に繰返すものであり、CPU43はステップS1へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
CPU43は割込み禁止を設定すると、ステップS2へ移行し、ランダムカウンタR1〜R7の計測値,ノーマルカウンタN1〜N4の計測値,タイマT1〜T4の計測値,各種フラグの設定結果,大当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果,当りの判定結果,普通図柄の設定結果,確率変動モードの設定結果,時間短縮モードの設定結果等のRAM45の全データおよびI/O46を初期設定する。そして、ステップS3で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップS4〜S11を無限ループ状に繰返す。
CPU43は図10のステップS4へ移行すると、ランダムカウンタR5およびR7を更新する。ランダムカウンタR5は、図11の(a)に示すように、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を「1〜8」の特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR5は3桁のカウンタからなるものであり、1桁目は、図12に示すように、「0」から「7」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算されれる。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、2桁目は1桁目が「7」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算され、3桁目は2桁目が「7」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
ランダムカウンタR7は、図11の(a)に示すように、左普通図柄および右普通図柄を「3,7」の普通図柄群の中から選択するものである。このランダムカウンタR7は2桁のカウンタからなるものであり、1桁目は「0」から「1」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算されれる。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、2桁目は1桁目が「1」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
CPU43は図10のステップS4でランダムカウンタR5およびR7を加算すると、ステップS5でランダムカウンタR5の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS6でランダムカウンタR5をRAM45の完全外れ図柄エリア(図13参照)に格納する。
CPU43は図10のステップS5でランダムカウンタR5の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS7でランダムカウンタR5の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS8でランダムカウンタR5をRAM45の外れリーチ図柄エリア(図13参照)に格納する。
CPU43は図10のステップS9へ移行すると、ランダムカウンタR7の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が同一であることを検出したときにはステップS10でランダムカウンタR7をRAM45の当り図柄エリア(図13参照)に格納し、ステップS9でランダムカウンタR7の1桁目と2桁目とが相違していること検出したときにはステップS11でランダムカウンタR7をRAM45の外れ図柄エリア(図13参照)に格納する。
図14のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置42のCPU43はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS21の出力監視処理〜ステップS31の大当り遊技処理を有するものであり、ステップS21の出力監視処理〜ステップS27の普通図柄用変動処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップS28の制御データ設定処理〜ステップS31の大当り遊技処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
(1)出力監視処理
メイン制御装置42のCPU43は特別図柄始動センサ26からの特別図柄始動信号の有無,普通図柄始動センサ31からの普通図柄始動信号の有無,カウントセンサ36からのカウント信号の有無をセンサ出力回路47を介して検出し、検出結果をRAM45の出力監視エリアの特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部(いずれも図13参照)に格納する。この出力監視処理はタイマ割込が発生する4msec毎に必ず行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは4msec毎に更新される。
(2)カウンタ更新処理
図14のステップS22のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43はステップS22のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R4,R6を更新する。
ランダムカウンタR1は、図11の(a)に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から確定停止に至る間は図柄表示装置22に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示され、両役物24が変動パターンの選択結果に応じた動作パターンで駆動する。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「222」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「952」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR4は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「1〜8」の中から選択するものである。このランダムカウンタR4はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「7」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR6は当りの発生の有無を検出するものである。このランダムカウンタR6はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻って加算される。
(3)賞球信号処理
図14のステップS23の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43は出力監視エリアの格納データに基づいて特別図柄始動信号の有無およびカウント信号の有無を判断する。ここで特別図柄始動信号またはカウント信号を検出したときには払出制御装置52に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
(4)特別図柄用データ取得処理
図14のステップS24の特別図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43は特別図柄用データ取得処理でパチンコ球が特別図柄始動口25内に有効に入賞したことを条件にランダムカウンタR1〜R4の現在の計測値を取得し、RAM45の特別図柄用カウンタデータエリア(図13参照)に格納する。
CPU43は図15のステップS41へ移行すると、特別図柄始動センサ26からの特別図柄始動信号の有無を検出する。この特別図柄始動信号の有無はRAM45の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU43は出力監視エリアに特別図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS42へ移行し、カウンタN1を上限値「4」と比較する。このカウンタN1はパチンコ球の特別図柄始動口25に対する入賞個数を計測するものであり、CPU43は「N1<4」を検出したときにはステップS43でランダムカウンタR1〜R4の現在の計測値を検出し、ステップS44でカウンタN1に「1」を加算する。
カウンタN1には、図16に示すように、計測値「1」〜「4」に対応してカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E4が割付けられており、CPU43は図15のステップS45へ移行すると、保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN1の計測値に対応する記録部にランダムカウンタR1〜R4の取得結果を格納する。例えばカウンタN1の計測値が「1」であるときにはランダムカウンタR1〜R4の取得結果が計測値「1」に対応する保留データ記録部E1に格納される。また、計測値が「3」であるときにはランダムカウンタR1〜R4の取得結果が計測値「3」に対応する保留データ記録部E3に格納される。
(5)保留球処理
図14のステップS25の保留球処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43は保留球処理でカウンタN1の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ20を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
保留球ランプ20には図3の左から順にランプナンバー「RP1」,「RP2」,「RP3」,「RP4」が割付けられている。カウンタN1の計測値「1」〜「4」には、図16に示すように、ランプナンバー「RP1」〜「RP4」が割付けられており、CPU43は保留球処理へ移行すると、カウンタN1の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ20を点灯する。
例えばカウンタN1の計測値が「3」の状態では「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ20が点灯している。この状態で特別図柄始動口25内に1個のパチンコ球が入賞したときにはカウンタN1が「3」から「4」に加算され、「N1=4」に対応する4個の保留球ランプ20が点灯する。従って、1個の保留球ランプ20が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「3」から「4」に増えたことが報知される。
この状態で特別図柄の変動表示が開始されたときには、後述するように、カウンタN1が「4」から「3」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ20が点灯する。従って、1個の保留球ランプ20が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「4」から「3」に減ったことが報知される。
(6)普通図柄用データ取得処理
図14のステップS26の普通図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43は普通図柄用データ取得処理でパチンコ球が普通図柄始動ゲート30内を通過したことを条件にランダムカウンタR6の現在の計測値を取得し、ランダムカウンタR6の取得結果に基いて普通図柄遊技の遊技内容を制御する。
CPU43は図17のステップS51へ移行すると、普通図柄始動センサ31からの普通図柄始動信号の有無を検出する。この普通図柄始動信号の有無はRAM45の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU43は出力監視エリアに普通図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS52へ移行し、カウンタN4の計測値を上限値「4」と比較する。このカウンタN4はパチンコ球の普通図柄始動ゲート30に対する通過個数を計測するものであり、CPU43は「N4<4」を検出したときにはステップS53でランダムカウンタR6の現在の計測値を検出し、ステップS54でカウンタN4に「1」を加算する。
カウンタN4には、図18に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して普通図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E11〜E14が割付けられており、CPU43は図17のステップS55へ移行すると、ランダムカウンタR6の取得結果をカウンタN4の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN4の計測値が「2」であるときにはランダムカウンタR6の取得結果が計測値「2」に対応する保留データ記録部E12に格納され、計測値が「4」であるときにはランダムカウンタR6の取得結果が計測値「4」に対応する保留データ記録部E14に格納される。
(7)普通図柄用変動処理
図14のステップS27の普通図柄用変動処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置42のCPU43は普通図柄用変動処理で当りおよび外れを振分け、当り図柄および外れ図柄を設定する。
CPU43は図19のステップS61で始動口フラグの設定状態を判断する。この始動口フラグは特別図柄始動口25の現在の拡縮状態を示すものであり、CPU43は始動口フラグが縮小中にセットされていることを検出すると、特別図柄始動口25が縮小状態にあると判断し、ステップS62へ移行する。
CPU43はステップS62へ移行すると、普通図柄変動フラグの設定状態を判断する。この普通図柄変動フラグは普通図柄の変動状態を示すものであり、CPU43は普通図柄変動フラグが停止中にセットされていることを検出したときには普通図柄が変動停止していると判断し、ステップS63へ移行する。
CPU43はステップS63へ移行すると、カウンタN4の計測値を「0」と比較する。このカウンタN4は、上述したように、普通図柄遊技用のランダムカウンタR6の格納状態を示すものであり、CPU43は「N4>0」を検出したときにはランダムカウンタR6がRAM45に格納されていると判断し、ステップS64へ移行する。
CPU43はステップS64へ移行すると、RAM45の普通図柄用の保留データ記録部E11からランダムカウンタR6を検出し、30個の当り値「3〜32」と比較する。ここでランダムカウンタR6が30個の当り値のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、30個の当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をRAM45の当りエリア(図13参照)に格納する。即ち、当りは固定的な一定確率「30/33」で判定される。
CPU43は当りおよび外れの判定結果をRAM45の当りエリアに格納すると、図19のステップS65で当りエリアから判定結果を検出する。ここで当りを検出したときにはRAM45の普通図柄用の当り図柄エリアからランダムカウンタR7を検出する。そして、ROM44の普通図柄テーブル(図20参照)からランダムカウンタR7の1桁目に対応する図柄および2桁目に対応する図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄に設定する。
CPU43は図19のステップS65で当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、RAM45の普通図柄用の外れ図柄エリアからランダムカウンタR7を検出する。そして、ROM44の普通図柄テーブル(図20参照)からランダムカウンタR7の1桁目に対応する図柄および2桁目に対応する図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄に設定する。
CPU43は普通図柄を設定すると、図19のステップS66でRAM45の時間短縮エリア(図13参照)を参照する。この時間短縮エリアは時間短縮モードの設定状態が格納されたものであり、CPU43は時間短縮エリアに時間短縮フラグがオン状態で格納されていることを検出したときには時間短縮モードが有効化されていると判断し、変動表示時間を「T101(例えば5sec)」に設定する。この変動表示時間は普通図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、CPU43は時間短縮エリアに時間短縮フラグがオフ状態で格納されていることを検出したときには時間短縮モードが無効化されていると判断し、変動表示時間を「T102(例えば58sec)」に設定する。
CPU43は変動表示時間を設定すると、図19のステップS67でタイマT3を「0」にリセットする。このタイマT3は普通図柄の変動開始時を基準とする経過時間(普通図柄の変動表示時間)を計測するものであり、CPU43はタイマT3をリセットすると、ステップS68で図柄制御装置59にINT信号を出力する。そして、ステップS69で演出コマンドとして普通図柄変動開始コマンドを出力し、演出データとして左普通図柄の設定結果および右普通図柄の設定結果を出力する。すると、図柄制御装置59のCPU60はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、演出コマンドおよび演出データをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて普通図柄の変動表示を開始する。
CPU43は図柄制御装置59に演出コマンド等を出力すると、ステップS70でタイマT3をスタートさせる。この演出コマンド等の出力後には図柄制御装置59が図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に普通図柄の変動表示を行っており、タイマT3は普通図柄の変動開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
CPU43はタイマT3をスタートさせると、ステップS71でRAM45の普通図柄用のカウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E11〜E13に保留データ記録部E12〜E14の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E11だけにランダムカウンタR6が格納されているときには保留データ記録部E11に保留データ記録部E12のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E11のランダムカウンタR6が消去される。
保留データ記録部E11〜E14にランダムカウンタR6が格納されているときには保留データ記録部E12〜E14のランダムカウンタR6が前段の保留データ記録部E11〜E13に移動され、保留データ記録部E14にデフォルトデータが記録される。従って、次回の普通図柄用変動処理では保留データ記録部E12に格納されていたランダムカウンタR6に基づいて当りの判定処理が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E13に格納されていたランダムカウンタR6に基づいて当りの判定処理が行われる。
CPU43は普通図柄用のカウンタデータエリアを整理すると、図19のステップS72でカウンタN4から「1」を減算し、ステップS73で普通図柄変動フラグに変動中をセットする。このカウンタN4は、上述したように、普通図柄始動ゲート30に対する有効なパチンコ球の通過個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、演出コマンド等が出力された普通図柄の変動開始直後にはカウンタN4が減算され、カウンタN4が上限値まで加算されていたときでもカウンタN4に加算の余地が生成される。このカウンタN4の減算状態では普通図柄用のカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で普通図柄始動信号有りが記録されたときには普通図柄用データ取得処理でカウンタN4が加算され、普通図柄用のカウンタデータエリアにランダムカウンタR6が新たに格納される。
CPU43は図19のステップS62で普通図柄変動フラグに変動中がセットされていることを検出すると、ステップS74で変動表示時間用のタイマT3の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT3の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS75でタイマT3を停止し、変動表示時間の計測を終える。
CPU43はタイマT3を停止すると、ステップS76で図柄制御装置59にINT信号を出力し、ステップS77で演出コマンドとして確定停止コマンドを出力する。そして、ステップS78へ移行し、普通図柄変動フラグに停止中をセットすることに基づいて普通図柄の変動停止を記録する。この確定停止コマンドは図柄制御装置59に普通図柄の変動停止を指令するものであり、図柄制御装置59のCPU60はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で確定停止コマンドを検出し、左普通図柄および右普通図柄を変動状態から静止した確定状態に切換える。
CPU43は普通図柄の変動停止を記録すると、ステップS79でRAM45の当りエリアに当りの判定結果および外れの判定結果のどちらが格納されているかを判断する。ここで当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS80へ移行し、タイマT4を「0」にリセットする。このタイマT4は特別図柄始動口25の拡大時間を計測するものであり、CPU43はタイマT4をリセットすると、ステップS81で羽根板ソレノイド29に駆動電源を印加することに基づいて両羽根板27を傾斜状態に回動操作し、特別図柄始動口25を拡大する。
CPU43は特別図柄始動口25を拡大すると、ステップS82でタイマT4をスタートさせることに基づいて特別図柄始動口25の拡大時間を計測開始する。そして、ステップS83へ移行し、始動口フラグに拡大中をセットすることに基づいて特別図柄始動口25の拡大を記録する。
CPU43はステップS61で始動口フラグに拡大中がセットされていることを検出すると、特別図柄始動口25が拡大状態にあると判断する。そして、ステップS84へ移行し、拡大時間用タイマT4の計測値を拡大時間の設定結果と比較する。この拡大時間は時間短縮モードの無効状態で短値(0.7sec)に設定され、時間短縮モードの有効状態で長値(3.5sec)に設定されるものであり、CPU43はタイマT4の計測値が設定値に達していることを検出すると、ステップS85で羽根板ソレノイド29を断電することに基づいて特別図柄始動口25を縮小する。
CPU43は特別図柄始動口25を縮小すると、ステップS86で拡大時間用タイマT4を停止することに基づいて拡大時間の計測を終え、ステップS87で始動口フラグに縮小中をセットすることに基づいて特別図柄始動口25の縮小を記録する。即ち、パチンコ球が普通図柄始動ゲート30内を有効に通過したときには図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に普通図柄が変動表示される。この変動表示時間は時間短縮モードの設定時に短値に設定され、時間短縮モードの非設定時に長値に設定されるものであり、変動表示時間の経過時には普通図柄が外れの組合せ(「3 7」,「7 3」)または当りの組合せ(「3 3」または「7 7」)で変動停止する。
普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口25が拡大される。この拡大時間は時間短縮モードの設定時に長値に設定され、時間短縮モードの非設定時に短値に設定されるものであり、パチンコ球の特別図柄始動口25に対する入賞個数は時間短縮モードの設定の有無に応じて調節される。これら普通図柄の変動表示時および特別図柄始動口25の拡大時には普通図柄始動ゲート30内をパチンコ球が通過してもステップS64の当り判定処理が実行されず(保留球の発生)、当り判定処理は普通図柄の変動停止および特別図柄始動口25の縮小の双方を条件に実行される。
(8)制御データ設定処理
図14のステップS28の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置42のCPU43は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には確率変動モードの獲得状態および時間短縮モードの獲得状態を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の1回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
CPU43は図22のステップS91でカウンタN1を「0」と比較する。このカウンタN1は、上述したように、ランダムカウンタR1〜R4の格納状態を示すものであり、CPU43は「N1>0」を検出したときにはランダムカウンタR1〜R4がRAM45に格納されていると判断し、ステップS92へ移行する。
CPU43はステップS92へ移行すると、確率変動モードの設定状態を判断する。この判断処理はRAM45の確率変動エリアに格納されている確率変動フラグの設定状態に基づいて行われるものであり、CPU43は確率変動フラグがオン状態にセットされていることを検出したときには確率変動モードが設定されていると判断してステップS93へ移行し、確率変動フラグがオフ状態にセットされていることを検出したときには確率変動モードが設定されていないと判断してステップS94へ移行する。
CPU43はステップS93へ移行すると、RAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3の取得結果を検出し、15個の大当り値「17,61,103,197,277,367,401,431,523,619,661,727,797,887,941」と比較する。ここでランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りおよび外れの判定結果をRAM45の大当りエリア(図13参照)に格納する。即ち、確率変動モードの設定時には大当りが「15/953」の固定的な高確率で判定される。
CPU43は図22のステップS94へ移行すると、RAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3の取得結果を検出し、3個の大当り値「17,401,727」と比較する。ここでランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りおよび外れの判定結果をRAM45の大当りエリアに格納する。即ち、確率変動モードの非設定時には大当りが「3/953」の固定的な低確率で判定される。
CPU43は大当りおよび外れを判定すると、ステップS95でRAM45の大当りエリアから判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りが格納されていることを検出すると、ステップS96へ移行する。
メイン制御装置42のROM44には図柄テーブルが記録されている。この図柄テーブルは、図23に示すように、ランダムカウンタR4と大当り図柄との関係を示すものであり、メイン制御装置42のCPU43は図22のステップS96へ移行すると、特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR4の取得結果を検出する。そして、図柄テーブルからランダムカウンタR4に応じた図柄を検出し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR4が「6」であるときには数字図柄「7」が検出され、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とが同一の検出図柄「7」に設定される。
メイン制御装置42のROM44には、図24に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、CPU43は図22のステップS96で大当り図柄を設定すると、ステップS97でRAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」であるときには変動パターン「34」が検出され、変動パターンが「34」に設定される。即ち、大当りの判定時には時間短縮モードの設定状態とは無関係に変動パターンが設定されることになる。
CPU43は変動パターンを設定すると、図22のステップS98で大当り図柄の設定結果を検出する。そして、大当り図柄の設定結果に基づいて確率変動モードの獲得状態を判定し、判定結果をRAM45の確率変動エリアに格納する。例えば大当り図柄の設定結果が奇数であるときには確率変動モードの獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグをオン状態で格納する。また、大当り図柄の設定結果が偶数であるときには確率変動モードの非獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグをオフ状態で格納する。即ち、確率変動モードの獲得の有無は大当りの発生を条件に「1/2」の確率で振分けられる。
CPU43は確率変動モードの判定処理を終えると、ステップS99でRAM45の確率変動エリアから判定結果を検出する。ここで確率変動エリアに確率変動フラグがオン状態で格納されていることを検出したときにはステップS100でRAM45の時間短縮エリアに時間短縮フラグをオン状態で格納することに基いて時間短縮モードを有効化し、確率変動エリアに確率変動フラグがオフ状態で格納されていることを検出したときにはステップS101で時間短縮エリアに時間短縮フラグをオフ状態で格納することに基いて時間短縮モードを無効化する。即ち、時間短縮モードは確率変動モードに連動して設定されるものである。
CPU43は図22のステップS95でRAM45の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS102でRAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR2の取得結果を検出し、19個の外れリーチ値「5,11,23,31,43,53,61,79,89,97,113,127,139,149,157,163,173,181,193」と比較する。
CPU43はランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、RAM45の外れリーチエリアに外れリーチの判定結果を格納する。また、ランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、外れリーチエリアに完全外れの判定結果を格納する。
CPU43は外れリーチおよび完全外れの判定結果を格納すると、図22のステップS103へ移行し、外れリーチエリアから判定結果を検出する。ここで外れリーチを検出したときにはステップS104へ移行し、RAM45の特別図柄用の外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR5を検出する。そして、ROM22の図柄テーブル(図23参照)からランダムカウンタR5の1桁目に対応する図柄,2桁目に対応する図柄,3桁目に対応する図柄を検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄に設定する。
CPU43は外れリーチ図柄を設定すると、ステップS106でRAM45の時間短縮エリアから時間短縮モードの設定状態を検出する。ここで時間短縮エリアに時間短縮フラグがオフ状態で格納されていることを検出したときには時間短縮モードが無効化されていると判断してステップS107へ移行し、時間短縮エリアに時間短縮フラグがオン状態で格納されていることを検出したときには時間短縮モードが有効化されていると判断してステップS108へ移行する。
メイン制御装置43のROM44には、図25に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔSとランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔSとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中特別図柄−左特別図柄(=中特別図柄−右特別図柄)」を称する。
CPU43は図22のステップS107へ移行すると、RAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 2 10」であるときには変動パターン「3」が設定される。
CPU43は図22のステップS108へ移行すると、RAM45の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、差分ΔSを演算する。ここで差分ΔSが「+1」,「−1」,「−2」のいずれかであるときには外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを選択的に設定し、差分ΔSが「+1」,「−1」,「−2」のいずれでもないときには変動パターンを「0」に設定する。
即ち、時間短縮モードの無効状態で外れリーチが判定されたときにはランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンが無作為に設定される。また、時間短縮モードの有効状態で外れリーチが判定されたときには差分ΔSが特定値である場合にのみ変動パターンが無作為に設定され、差分ΔSが特定値でない場合には変動パターンが固定値に設定される。
CPU43は図22のステップS103でRAM45の外れリーチエリアに完全外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS105でRAM45の特別図柄用の完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR5を検出する。そして、ROM44の図柄テーブル(図23参照)からランダムカウンタR5の1桁目に対応する図柄,2桁目に対応する図柄,3桁目に対応する図柄を検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄に設定する。
CPU43は完全外れ図柄を設定すると、ステップS106でRAM45の時間短縮エリアから時間短縮モードの設定状態を検出する。ここで時間短縮エリアに時間短縮フラグがオフ状態で格納されていることを検出したときにはステップS107へ移行し、変動パターンを「1」に設定する。また、時間短縮エリアに時間短縮フラグがオン状態で格納されていることを検出したときにはステップS108へ移行し、変動パターンを「0」に設定する。即ち、時間短縮モードの無効状態で完全外れが判定されたときには変動パターンとして固定値が設定され、時間短縮モードの有効状態で完全外れが判定されたときには変動パターンとして別の固定値が設定される。
変動パターンには、図24および図25に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左特別図柄〜右特別図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、CPU43は変動パターンを設定すると、図22のステップS109で変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間を選択的に設定し、ステップS110で遊技制御フラグに特別図柄変動処理をセットする。尚、変動パターンの設定結果が「0」および「1」であるときには変動表示時間が「T0」および「T1」に設定される。
(9)特別図柄用変動処理
図14のステップS29の特別図柄変動処理は遊技制御フラグが杜l区別図柄変動処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置42のCPU43は特別図柄変動処理で図柄制御装置59に演出コマンドおよび演出データを出力することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
CPU43は図26のステップS111でタイマT1を「0」にリセットする。このタイマT1は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU43はタイマT1をリセットすると、ステップS112で図柄制御装置59にINT信号を出力し、ステップS113で演出コマンドおよび演出データを出力する。INT信号は図柄制御装置59のCPU60にIRQ割込みプログラムの起動を指令するものであり、CPU60はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、演出コマンドおよび演出データをIRQ割込みプログラムの中で受信する。
演出コマンドは特別図柄の変動開始を指令する変動開始コマンドからなるものであり、図柄制御装置59のCPU60は変動開始コマンドを検出することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。演出データは変動パターンの設定結果と左特別図柄〜右特別図柄の設定結果とを有するものであり、図柄制御装置59のCPU60は演出データに基づいて特別図柄の変動表示を下記(1)〜(2)の態様で制御し、両役物24の挙動を特別図柄の変動表示内容に連動して制御する。
(1)左特別図柄〜右特別図柄の設定結果:左列,中列,右列の確定停止図柄を示すものであり、図柄制御装置59のCPU60は各列の特別図柄を設定図柄で確定停止させる。(2)変動パターンの設定結果:特別図柄の変動表示内容および両役物24の動作内容を示すものであり、図柄制御装置59のCPU60は特別図柄の変動表示を変動パターンに応じた表示パターンで演出する。このとき、両役物24を変動パターンに応じた動作パターンで駆動し、特別図柄の変動表示を両役物24の挙動によって演出する。
メイン制御装置42のCPU43は演出コマンド等を出力すると、図26のステップS114でタイマT1をスタートさせる。この演出コマンド等の出力後には図柄制御装置59のCPU60が図柄表示装置22に特別図柄の変動表示を行っており、タイマT1は変動表示の開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
CPU43はタイマT1をスタートさせると、ステップS115でRAM45の特別図柄用のカウンタデータエリアを整理する。この処理はカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E3に保留データ記録部E2〜E4の格納データを上書きするものである。例えば保留データ記録部E1だけにランダムカウンタR1〜R4が格納されているときには保留データ記録部E1に保留データ記録部E2のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E1のランダムカウンタR1〜R4が消去される。また、保留データ記録部E1〜E4の全てにランダムカウンタR1〜R4が格納されているときには保留データ記録部E2〜E4のランダムカウンタR1〜R4が前段の保留データ記録部E1〜E3に移動され、保留データ記録部E4にデフォルトデータが記録される。
即ち、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部E2の格納データに基づいて大当り判定処理・外れリーチ判定処理・特別図柄設定処理・変動パターン設定処理等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E3の格納データに基づいて大当り判定処理・外れリーチ判定処理・特別図柄設定処理・変動パターン設定処理等が行われる。
CPU43は特別図柄用のカウンタデータエリアを整理すると、ステップS116でカウンタN1から「1」を減算し、ステップS117で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。このカウンタN1は、上述したように、保留球数を計測するものであり、次のタイマ割込み処理ではカウンタN1の減算結果が検出され、カウンタN1の減算結果に基づいて保留球ランプ20が点灯制御される。従って、変動表示の開始後に保留球ランプ20が消灯し、保留球数の減少が遊技者に報知される。
カウンタN1は特別図柄始動口25に対するパチンコ球の入賞個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、演出コマンド等が出力された特別図柄の変動開始直後にはカウンタN1が減算され、カウンタN1が上限値まで加算されていたときでもカウンタN1に加算の余地が生成される。このカウンタN1の減算状態ではカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で特別図柄始動信号有りが記録されたときには特別図柄用データ取得処理でカウンタN1が加算され、特別図柄用のカウンタデータエリアにランダムカウンタR1〜R4が新たに格納される。
(10)全図柄停止処理
図14のステップS30の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置42のCPU43は全図柄停止処理で図柄制御装置59に演出コマンドを出力し、特別図柄の変動表示を終了させる(図柄確定)。
CPU43は図27のステップS121でタイマT1の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。このタイマT1は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU43はタイマT1の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS122でタイマT1を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
CPU43は変動表示時間の計測を終えると、ステップS123で図柄制御装置59にINT信号を出力し、ステップS124で演出コマンドとして全図柄停止コマンド(図柄確定コマンド,可変停止指令)を出力する。この変動表示時間の経過時点では左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置59のCPU60はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
CPU43は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS125でRAM45の大当りエリアから判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りが格納されていることを検出したときにはステップS126で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットし、大当りエリアに外れが格納されていることを検出したときにはステップS127で遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。
(11)大当り遊技処理
図14のステップS31の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置42のCPU43は大当り遊技処理の中で大当りラウンドを実行し、図柄制御装置59に演出コマンドおよび演出データを出力することに基づいて図柄表示装置22に大当りラウンド表示を行う。
メイン制御装置42のCPU43は図28のステップS131へ移行すると、大入賞口の開放状態を判断する。この判断処理は開放フラグの設定状態に基いて行われるものであり、CPU43は開放フラグがオフ状態にセットされていることを検出したときには大入賞口が閉鎖されていると判断する。そして、ステップS132へ移行し、カウンタN2を上限値「14」と比較する。このカウンタN2は大入賞口の開放回数(大当りラウンド回数)を計測するものであり、CPU43は「N2≦14」を検出したときにはステップS133へ移行する。
CPU43はステップS133へ移行すると、カウンタN2に「1」を加算し、ステップS134でタイマT2を「0」にリセットする。このタイマT2は大入賞口の開放時間(大当りラウンドの継続時間)を計測するものであり、CPU43はタイマT2を「0」にリセットすると、ステップS135へ移行する。
CPU43はステップS135へ移行すると、図柄制御装置59にINT信号を出力することに基づいてIRQ割込みプログラムの起動を指令する。そして、ステップS136へ移行し、図柄制御装置59に演出コマンドとして大当りラウンドコマンドを出力し、演出データとして大当りラウンドデータ(カウンタN2の計測値)を出力する。
図柄制御装置59のCPU60はINT信号を検出すると、IRQ割込みプログラムを起動する。そして、IRQ割込みプログラムで演出コマンドおよび演出データを検出し、図柄表示装置22に大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数(カウンタN2の計測値)に応じたアニメーション画面を表示するものであり、アニメーション画面上には現在の大当りラウンド回数(カウンタN2の計測値)が数値で表示される。
CPU43は演出コマンド等を出力すると、ステップS137で大入賞口ソレノイド35に駆動電源を印加し、大入賞口を開放する(大当りラウンド動作の開始)。これにより、パチンコ球が大入賞口内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
CPU43は大入賞口を開放すると、ステップS138で開放フラグをオン状態にセットすることに基づいて大入賞口の開放を記録する。そして、ステップS139で開放時間用のタイマT2をスタートさせ、大入賞口の開放時間を計測開始する。例えば大当りの判定直後には開放フラグがオフ状態にセットされ、カウンタN2が「0」にリセットされている。従って、CPU43はステップS131からS132,S133へ移行し、カウンタN2に「1」を加算する。そして、ステップS134でタイマT2をリセットし、ステップS137で大入賞口を開放する。
CPU43は大入賞口の開放状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS131で開放フラグがオン状態にセットされていることを検出し、ステップS140でカウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球が大入賞口内に入賞することに基づいてカウントセンサ36から出力されるものであり、CPU43はRAM45の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウント信号有りと判断し、ステップS141でカウンタN3に「1」を加算する。このカウンタN3は1回の大当りラウンド動作中に何個のパチンコ球が大入賞口内に入賞したかを計測するものであり、CPU43はパチンコ球の入賞個数を計測すると、ステップS142へ移行する。
CPU43はステップS142へ移行すると、カウンタN3の計測値を上限値「10個」と比較し、ステップS143で開放時間用のタイマT2の計測値を上限値「27秒」と比較する。ここで「N3≧10個」および「T2≧27秒」のいずれかを検出したときにはステップS144で大入賞口ソレノイド35を断電することに基づいて大入賞口を閉鎖する。即ち、大当りラウンドは規定個数のパチンコ球が大入賞口内に入賞するか、大入賞口の開放時間が上限値に達することに基づいて終了する。
CPU43はステップS144で大当りラウンドを終えると、ステップS145でタイマT2を停止することに基づいて開放時間の計測動作を終える。そして、ステップS146で入賞個数用のカウンタN3を「0」にリセットし、ステップS147で開放フラグをオフ状態にセットすることに基づいて大入賞口の閉鎖を記録する。
CPU43は大入賞口の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS131からS132へ移行し、大当りラウンド回数用のカウンタN2を上限値「14」と比較する。ここで「N2>14」を検出したときにはステップS148で大当りラウンド回数用のカウンタN2を「0」にリセットし、ステップS149で遊技制御フラグを制御データ設定処理にセットする。即ち、大当りラウンドの繰返し回数には上限値「15回」が設定されており、大当りラウンドの継続回数が15回に達したときには大当り遊技処理が無条件に終了する。
<図柄制御装置59の内部処理について>
図柄制御装置59のCPU60は電源が投入されると、図29のステップS201で割込み禁止を設定し、ステップS202でRAM62の全データおよびI/O66を初期設定する。そして、ステップS203でVDP63にデモ表示コマンドを出力し、ステップS204で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
VDP63はデモ表示コマンドを検出すると、VROM64から必要な表示データを読出し、図柄表示装置22にデモンストレーション表示(デモ表示と称する)を行う。このデモ表示は遊技者に客待ち状態にあることを報知するものであり、具体的にはデモ背景の前方に製造社名および機種名等を表示することで行われる。
CPU60はステップS204で割込みを許可すると、ステップS205のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は特別図柄用の表示パターンを無作為に選択するためのランダムカウンタR10を「1」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタR10の加算処理は「0」から上限値「191」に加算された後に「0」に戻ってリング状に行われる。
CPU60はメイン制御装置42からのINT信号を検出すると、図30のIRQ割込みプログラムを起動する。そして、ステップS211でメイン制御装置42からの演出コマンドおよび演出データを検出し、RAM62のコマンドエリアおよびデータエリアに格納する。
図柄制御装置59は、図6に示すように、タイマ割込み用のクロック回路69を有しており、クロック回路69は4msecが経過する毎にクロック信号をCPU60に出力し、タイマ割込みプログラムの起動を指令する。CPU60はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムは、図31に示すように、ステップS221の普通図柄変動表示処理〜ステップS223の大当り表示処理を有するものであり、ステップS221の普通図柄変動表示処理〜ステップS223の大当り表示処理の詳細は次の通りである。
(1)普通図柄変動表示処理
図31のステップS221の普通図柄変動表示処理は図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動状態および確定停止状態で順に表示し、普通図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、普通図柄が当りの組合せで確定停止したときにはメイン制御装置42が特別図柄始動口25を拡大し、特別図柄始動口25に対するパチンコ球の入賞確率を高める。
図柄制御装置59のCPU60は図32のステップS231へ移行すると、RAM62のコマンドエリアに普通図柄用の変動開始コマンドが格納されているか否かを判断する。この変動開始コマンドはメイン制御装置42がパチンコ球の普通図柄始動ゲート30に対する有効な通過を検出することに基づいて普通図柄の設定結果と共に出力するものであり、CPU60はコマンドエリアに普通図柄用の変動開始コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS232へ移行する。
CPU60はステップS232へ移行すると、VDP63に普通図柄の変動開始コマンドを出力する。そして、ステップS233へ移行し、RAM62のコマンドエリアに格納している普通図柄用の変動開始コマンドを消去する。VDP63はCPU60から普通図柄の変動開始コマンドを検出すると、VROM64から必要な表示データを読出し、普通図柄の変動表示を開始する。この変動表示は図柄表示装置22の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を横2列に可変表示するものであり、各列の普通図柄の可変順序は「3」および「7」の交互である。
CPU60はステップS234へ移行すると、RAM62のコマンドエリアに普通図柄用の変動停止コマンドが格納されているか否かを検出する。この普通図柄用の変動停止コマンドは変動表示時間が経過することに基いてメイン制御装置42が出力するものであり、上述したように、時間短縮モードの有効状態では普通図柄の変動開始から相対的に短時間が経過した時点で出力され、時間短縮モードの無効状態では普通図柄の変動開始から相対的に長時間が経過した時点で出力される。
CPU60はステップS234でRAM62のコマンドエリアに普通図柄用の変動停止コマンドが格納されていることを検出すると、RAM62のデータエリアから普通図柄の設定結果を検出する。そして、ステップS235でVDP63に普通図柄の変動停止コマンドおよび設定結果を出力し、ステップS236でコマンドエリアの普通図柄の変動停止コマンドおよびデータエリアの普通図柄の設定結果を消去する。
VDP63はCPU60から普通図柄の変動停止コマンドおよび設定結果を検出すると、VROM64から必要な表示データを読出す。そして、普通図柄の変動表示を設定結果で停止させることに基いて当り図柄および外れ図柄を静止表示する。この静止表示は普通図柄の確定表示に相当するものであり、遊技者には2列の普通図柄の静止状態での組合せによって当りおよび外れの判定結果が確定的に報知される。
(2)特別図柄変動表示処理
図31のステップS222の特別図柄変動表示処理は図柄表示装置22の特別図柄変動領域TE内に特別図柄を変動状態,仮停止状態,確定停止状態で順に表示し、特別図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、特別図柄が大当りの組合せで確定停止したときにはメイン制御装置42が大当りラウンドを開始する。
図柄制御装置59のCPU60は図33のステップS241へ移行すると、特別図柄変動フラグの設定状態を判断する。ここで特別図柄変動フラグがオフされていることを検出したときには特別図柄の変動表示が行われていないと判断し、ステップS242へ移行する。
CPU60はステップS242へ移行すると、RAM62のコマンドエリアに特別図柄用の変動開始コマンドが格納されているか否かを判断する。この変動開始コマンドはメイン制御装置42がパチンコ球の特別図柄始動口25に対する有効な入賞を検出することに基づいて特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU60はコマンドエリアに特別図柄用の変動開始コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS243でランダムカウンタR10の現在の計測値を取得する。
図柄制御装置59のROM61には、図34に示すように、演出パターンテーブルが記録されている。この演出パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタR10から演出パターンを選択するためのものであり、図柄制御装置59のCPU60は図33のステップS244へ移行すると、RAM62のデータエリアから特別図柄用の変動パターンを検出し、変動パターンの検出結果およびランダムカウンタR10の取得結果に応じた演出パターンを演出パターンテーブルから選択的に設定する。
演出パターンは図柄表示装置22の表示内容をVDP63に指令する表示コマンドおよび役物24の動作内容をモータ駆動装置68に指令する動作コマンドを予め設定されたタイミングで出力するシーケンスデータからなるものであり、変動表示時間の経過前に終了するように設定されている。
表示コマンドは特別図柄の変動速度の変更,各列の特別図柄の仮停止,背景図柄の変更等をVDP63に指令するものである。また、動作コマンドは役物24の前進開始,役物24の後退開始等をモータ駆動装置68に指令するものであり、CPU60はタイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に表示コマンドまたは動作コマンドを出力し、図柄表示装置22に演出パターンに応じた演出表示を行うと共に両役物24の動作内容を図柄表示装置22の表示内容に連動して制御する。
図35の(a)は演出パターン「0」の設定内容を説明するためのタイムチャートである。この表示パターン「0」は変動パターン「0」の検出時にランダムカウンタR10に拘らず設定される時間短縮モード専用のものであり、変動パターン「0」は時間短縮モードの設定状態で完全外れが判定された場合および時間短縮モードの設定状態で外れリーチが判定された場合(停止図柄の差分ΔSが「+1」,「−1」,「−2」である場合を除く)に選択される。
演出パターン「0」の設定時には、図35の(a)に示すように、CPU60からVDP63に全図柄変動コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が同時に変動開始し(「0.00sec」)、時短背景表示コマンドが出力されることに基いて時間短縮モード用の背景図柄が表示開始される(「0.04sec」)。そして、全図柄停止コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が通常変動状態から同時に仮停止し(「2.00sec」)、時短背景終了コマンドが出力されることに基いて時間短縮モード用の背景図柄の表示が終了する(「2.04sec」)。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM62のデータエリアに格納されている特別図柄の設定結果で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。この演出パターン「0」の設定時にはCPU60からモータ駆動装置68に動作コマンドが出力されず、図35の(b)に示すように、両役物24が後退端に保持される。
演出パターン「0」は変動表示時間「T0」が残りの変動表示時間「T1」〜「T58」に比べて短く設定されたものであり、時間短縮モードの設定状態では完全外れの判定時および外れリーチの判定時(停止図柄の差分ΔSが「+1」,「−1」,「−2」である場合を除く)に変動表示時間が短縮される。
図36の(a)は演出パターン「1−2」の設定内容を説明するためのタイムチャートである。この演出パターン「1−2」は時間短縮モードの非設定時にランダムカウンタR10の取得結果に応じて選択的に設定されるものであり、変動パターン「1」は完全外れの判定時に一義的に選択される。
演出パターン「1−2」の設定時には、図36の(a)に示すように、CPU60からVDP63に全図柄変動コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が同時に変動開始し(「0.00sec」)、通常背景表示コマンドが出力されることに基いて通常モード用の背景図柄が表示開始される(「0.04sec」)。そして、左特別図柄仮停止コマンド,右特別図柄仮停止コマンド,中特別図柄仮停止コマンドが順に出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が順に仮停止し(「2.00sec」,「4.00sec」,「5.00sec」)、通常背景終了コマンドが出力されることに基いて通常モード用の背景図柄の表示が終了する(「5.04sec」)。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM62のデータエリアに格納されているメイン制御装置42からの特別図柄の設定結果で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が完全外れの組合せになる。
演出パターン「1−2」の設定時には左方の役物24が左特別図柄の表示内容に連動して移動制御される。具体的には左特別図柄の仮停止前にCPU60からモータ駆動装置68に左役物前進コマンドが出力され(「1.88sec」)、左方の役物24が後退端から移動開始する。この左役物前進コマンドは左方の役物24を中途位置に移動させるものであり、左方の役物24は中途位置で左特別図柄に到達する。この左方の役物24は、図36の(b)に示すように、左特別図柄が仮停止するタイミング(「2.00sec」)で左特別図柄に到達するものであり、左方の役物24は左特別図柄を押えて停止させた演出を行う。
左特別図柄の仮停止後には、図36の(a)に示すように、CPU60からモータ駆動装置68に左役物後退コマンドが出力され(「2.20sec」)、左方の役物24が中途位置から後退開始する。この左役物後退コマンドは左方の役物24を中途位置から後退端に移動させるものであり、左方の役物24は左特別図柄の仮停止後に中途位置から後退端に復帰する。
図37は演出パターン「2−1」の設定内容を説明するためのタイムチャートである。この演出パターン「2−2」は変動パターン「2」の設定時にランダムカウンタR10の取得結果に応じて選択的に設定されるものであり、変動パターン「2」は外れリーチが判定され且つ差分ΔSが「+1」であることを条件に時間短縮モードの設定状態に拘らず選択される。
演出パターン「2−1」の設定時には、図37に示すように、CPU60からVDP63に全図柄変動コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が同時に変動開始し(「0.00sec」)、通常背景表示コマンドが出力されることに基いて通常モード用の背景図柄が表示開始される(「0.04sec」)。そして、左特別図柄仮停止コマンドおよび右特別図柄仮停止コマンドが順に出力され、左特別図柄および右特別図柄が順に仮停止する(「2.00sec」,「4.00sec」)。これら左特別図柄および右特別図柄の仮停止はRAM62のデータエリアに格納されているメイン制御装置42からの特別図柄の設定結果で行われるものであり、2列の仮停止状態ではリーチが発生する。
CPU60からVDP63に右特別図柄仮停止コマンドが出力されると、中特別図柄低速変動コマンドが出力され、中特別図柄の変動速度が遅くなる(「4.04sec」)。そして、リーチ背景表示コマンドが出力され、通常モード用の背景がリーチ用の背景に切換わる(「4.08sec」)。次に、「−1」図柄表示コマンドおよび「0」図柄表示コマンドが順に出力され、中列に「−1」図柄および「0」図柄が上下方向に揺れた状態で静止表示される(「8.00sec」,「10.00sec」)。尚、「−1」図柄とは左列の仮停止図柄の1個前の図柄を称し、「0」図柄とは左列の仮停止図柄と同一の図柄を称する。
CPU60からVDP63に「0」図柄表示コマンドが出力されると、中特別図柄仮停止コマンドが出力され、中特別図柄がデータエリアに格納されている設定結果で仮停止する(「12.00sec」)。そして、リーチ背景終了コマンドが出力され、リーチ用の背景図柄の表示が終了する。この演出パターン「2−1」は差分ΔSが「+1」の場合に設定されるものであり、中特別図柄仮停止コマンドの出力時には中特別図柄が左特別図柄の次の図柄で変動停止し、3列の特別図柄が外れリーチの組合せになる。
演出パターン「2−1」の設定時には両役物24が中特別図柄の表示内容に連動して移動制御される。具体的には中特別図柄として「−1」図柄が表示される前にCPU60からモータ駆動装置68に両役物前進コマンドが出力され(「7.80sec」)、両役物24が後退端から移動開始する。この両役物前進コマンドは両役物24を前進端に移動させるものであり、両役物24は前進端で中特別図柄に到達する。これら両役物24は、図38に示すように、中特別図柄として「−1」図柄が表示されるタイミング(「8.00sec」)で中特別図柄に到達するものであり、両役物24は「−1」図柄を押えて停止させる演出を行う。
中特別図柄として「−1」図柄が表示された後には、図37に示すように、CPU60からモータ駆動装置68に両役物後退コマンドが出力され(「8.48sec」)、両役物48が前進端から後退開始する。この両役物後退コマンドは両役物24を前進端から後退端に移動させるものであり、両役物24は「−1」図柄の仮停止後に前進端から後退端に復帰することに基いて「−1」図柄を押え切れなかった演出を行う。
中特別図柄として「0」図柄が表示される前にはCPU60からモータ駆動装置68に両役物前進コマンドが出力され(「9.80sec」)、両役物24が後退端から移動開始する。この両役物前進コマンドは両役物24を前進端に移動させるものであり、両役物24は前進端で中特別図柄に到達する。これら両役物24は、図38に示すように、中特別図柄として「0」図柄が表示されるタイミング(「10.00sec」)で中特別図柄に到達するものであり、両役物24は「0」図柄を押えて停止させる演出を行う。
中特別図柄として「0」図柄が表示された後には、図37に示すように、CPU60からモータ駆動装置68に両役物後退コマンドが出力され(「10.48sec」)、両役物48が前進端から後退開始する。この両役物後退コマンドは両役物24を前進端から後退端に移動させるものであり、両役物24は「0」図柄の仮停止後に前進端から後退端に復帰することに基いて「0」図柄を押さえきれんかった演出を行う。
CPU60は演出パターンを設定すると、図33のステップS245でコマンドエリアの変動開始コマンドを消去し、データエリアの変動パターンの設定結果および特別図柄の設定結果を消去する。そして、ステップS246へ移行し、特別図柄変動フラグをオン状態にセットすることに基いて特別図柄の変動表示中であることを記録する。
CPU60は特別図柄変動フラグをオンすると、ステップS247でスピーカ制御装置70およびランプ制御装置76にINT信号を出力し、ステップS248で演出パターンの設定結果を出力する。この演出パターンの設定結果とは設定番号を称するものであり、スピーカ制御装置70およびランプ制御装置76はINT信号を検出することに基いてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で演出パターンを検出する。
CPU60は以後のタイマ割込み処理では特別図柄変動フラグのオンを検出し、ステップS241からS249へ移行する。ここで表示コマンドまたは動作コマンドをシーケンスデータの設定順序で出力し、演出パターンに応じた内容で特別図柄の変動表示および両役物24の演出動作を実行する。
CPU60はステップS250へ移行すると、コマンドエリアに全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドはメイン制御装置42が変動表示時間の経過を検出することに基づいて出力するものであり、CPU60は全図柄停止コマンドを検出すると、ステップS251でスピーカ制御装置70およびランプ制御装置76にINT信号を出力することに基いてIRQ割込みプログラムの起動を指令し、ステップS252で演出コマンドとして全図柄停止コマンドを出力する。すると、スピーカ制御装置70およびランプ制御装置76はIRQ割込みプログラムの中で図柄制御装置59からの全図柄停止コマンドを検出する。
CPU60はスピーカ制御装置70およびランプ制御装置76に全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS253でVDP63に図柄確定コマンドを出力する。この全図柄停止コマンドはメイン制御装置42が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。演出パターンは図柄制御装置59が変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定される。従って、図柄制御装置59のCPU60が全図柄停止コマンドを検出してVDP63に図柄確定コマンドを出力するときには左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にある。この仮停止状態ではVDP63が左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を上下に揺らしており、VDP63は図柄確定コマンドを検出すると、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を水平な1本の有効ライン上に静止した確定状態で表示する。
CPU60は図柄確定コマンドを出力すると、ステップS254でコマンドエリアの全図柄停止コマンドを消去する。そして、ステップS255へ移行し、特別図柄変動フラグをオフすることに基いて特別図柄の変動表示が停止中であることを記録する。
(4)大当り表示処理
図31のステップS223の大当り表示処理は大当り遊技中に大当りラウンド回数に応じたアニメーション画面を表示するものであり、CPU60は図39のステップS261へ移行すると、RAM62のコマンドエリアに大当りラウンドコマンドが格納されているか否かを検出する。この大当りラウンドコマンドはメイン制御装置42が大当りラウンドの開始時に大当りラウンドデータ(カウンタN2)と共に出力するものであり、CPU60は大当りラウンドコマンドを検出すると、ステップS262でRAM62のデータエリアから大当りラウンドデータを検出し、ステップS263へ移行する。
CPU60はステップS263へ移行すると、大当りラウンドデータに応じた表示パターンを設定し、VDP63に表示開始コマンドおよび表示パターンの設定結果を出力する。そして、ステップS264へ移行し、コマンドエリアの大当りラウンドコマンドおよびデータエリアの大当りラウンドデータを消去する。VDP63は表示開始コマンドおよび表示パターンを検出すると、VROM64から表示パターンに応じた表示データを検出し、図柄制御装置22に大当りラウンド回数に応じたアニメーション画面を表示する。
<スピーカ制御装置70の内部処理について>
スピーカ制御装置70のCPU71は図柄制御装置59からのINT信号を検出すると、IRQ割込みプログラムを起動する。そして、IRQ割込みプログラムで図柄制御装置59からの演出パターンを検出し、RAM73に格納する。
スピーカ制御装置70のCPU71はクロック回路69からのクロック信号を検出すると、タイマ割込みプログラムを起動する。このタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはスピーカ制御処理を有するものであり、スピーカ制御処理の詳細は次の通りである。
CPU71は図40のステップS301へ移行すると、スピーカ制御フラグの設定状態を判断する。ここでスピーカ制御フラグがオフされていることを検出したときにはスピーカ6が駆動停止状態にあると判断し、ステップS302へ移行する。
CPU71はステップS302へ移行すると、RAM73に演出パターンが格納されているか否かを判断する。この演出パターンは図柄制御装置59が特別図柄の変動表示を開始するときに出力するものであり、CPU71は演出パターンが格納されていることを検出すると、ステップS303へ移行する。
スピーカ制御装置70のROM72には音響パターンテーブルが記録されている。この音響パターンテーブルは演出パターンから音響パターンを選択するためのものであり、スピーカ制御装置70のCPU71はステップS303へ移行すると、RAM73から演出パターンを検出し、演出パターンの検出結果に応じた音響パターンを音響パターンテーブルから選択的に設定する。
音響パターンはスピーカ6の鳴動内容をスピーカ駆動回路75に指令する音響コマンドを予め設定されたタイミングで出力するシーケンスデータからなるものであり、CPU71はタイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に音響コマンドを出力し、スピーカ6を図柄表示装置22の表示内容および両役物24の動作内容に連動して制御する。
図41は音響パターン「2−1」の設定内容を説明するためのタイムチャートである。この音響パターン「2−1」は演出パターン「2−1」の検出時に設定されるものであり、演出パターン「2−1」は、上述したように、両役物24を後退端および前進端間で往復操作することに基いて中特別図柄の低速変動を演出するものである。
音響パターン「2−1」の設定時には、図41に示すように、CPU71からスピーカ駆動回路75に変動開始音響コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の変動開始に連動して効果音「スタート」が出力され(「0.00sec」)、リーチ発生音響コマンドが出力されることに基いてリーチの発生に連動して効果音「リーチ」が出力される(「4.00sec」)。
CPU71からスピーカ駆動回路75にリーチ発生音響コマンドが出力されると、役物前進音響コマンドが出力されることに基いて両役物24の前進に連動して効果音「ドーン」が出力される(「7.80sec」,「9.80sec」)。そして、役物後退音響コマンドが出力されることに基いて両役物24の後退に連動して効果音「カッシャーン」が出力される(「8.48sec」,「10.48sec」)。この後、変動終了音響コマンドが出力され、最終の中特別図柄の仮停止に連動して効果音「残念」が出力される(「12.00sec」)。
CPU71は音響パターンを設定すると、図40のステップS304でRAM73の演出パターンを消去し、ステップS305でスピーカ制御フラグをオン状態にセットすることに基いてスピーカ6の制御中であることを記録する。
CPU71はスピーカ制御フラグをオンした以後のタイマ割込み処理ではスピーカ制御フラグのオンを検出し、ステップS301からS306へ移行する。ここで音響コマンドをシーケンスデータの設定順序で出力し、音響パターンに応じた内容で図柄表示装置22の表示内容および両役物24の動作内容を音的に演出する。
CPU71はステップS307へ移行すると、RAM73に全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドは図柄制御装置59が特別図柄の変動表示を終えるときに出力するものであり、CPU71は全図柄停止コマンドを検出すると、ステップS308でRAM73の全図柄停止コマンドを消去し、ステップS309でスピーカ制御フラグをオフすることに基いてスピーカ6の駆動制御を終える。
<ランプ制御装置76の内部処理について>
ランプ制御装置76のCPU77は図柄制御装置59からのINT信号を検出すると、IRQ割込みプログラムを起動する。そして、IRQ割込みプログラムで図柄制御装置59からの演出パターンを検出し、RAM79に格納する。
ランプ制御装置76のCPU77はクロック回路69からのクロック信号を検出すると、タイマ割込みプログラムを起動する。このタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはランプ制御処理を有するものであり、ランプ制御処理の詳細は次の通りである。
CPU77は図42のステップS401へ移行すると、ランプ制御フラグの設定状態を判断する。ここでランプ制御フラグがオフされていることを検出したときにはコーナランプ16およびサイドランプ18が駆動停止状態にあると判断し、ステップS402へ移行する。
CPU77はステップS402へ移行すると、RAM79に演出パターンが格納されているか否かを判断する。この演出パターンは図柄制御装置59が特別図柄の変動表示を開始するときに出力するものであり、CPU77は演出パターンが格納されていることを検出すると、ステップS403へ移行する。
ランプ制御装置76のROM78には電飾パターンテーブルが記録されている。この電飾パターンテーブルは演出パターンに応じた電飾パターンを選択するためのものであり、ランプ制御装置76のCPU77はステップS403へ移行すると、RAM79から演出パターンを検出し、演出パターンの検出結果に応じた電飾パターンを電飾パターンテーブルから選択的に設定する。
電飾パターンはコーナランプ16およびサイドランプ18の発光内容をランプ駆動回路81に指令する電飾コマンドを予め設定されたタイミングで出力するシーケンスデータからなるものであり、CPU77はタイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に電飾コマンドを出力し、コーナランプ16およびサイドランプ18を図柄表示装置22の表示内容・両役物24の動作内容・スピーカ6の鳴動内容に連動して制御する。
図43は電飾パターン「2−1」の設定内容を説明するためのタイムチャートである。この電飾パターン「2−1」は演出パターン「2−1」の検出時に設定されるものであり、演出パターン「2−1」は、上述したように、両役物24を後退端および前進端間で往復操作することに基いて中特別図柄の低速変動を演出するものである。
電飾パターン「2−1」の設定時には、図43に示すように、CPU77からランプ駆動回路81に変動開始電飾コマンドが出力されることに基いて左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の変動開始に連動してコーナランプ16が点滅し(「0.00sec」)、リーチ発生電飾コマンドが出力されることに基いてリーチの発生に連動してサイドランプ18が点滅する(「4.00sec」)。
CPU77からランプ駆動回路81にリーチ発生電飾コマンドが出力されると、役物前進電飾コマンドが出力されることに基いて両役物24の前進に連動してコーナランプ16およびサイドランプ18が発光する(「7.80sec」,「9.80sec」)。そして、役物後退電飾コマンドが出力されることに基いて両役物24の後退に連動してコーナランプ16およびサイドランプ18が点滅する(「8.48sec」,「10.48sec」)。
CPU73は電飾パターンを設定すると、図42のステップS404でRAM79の演出パターンを消去し、ステップS405でランプ制御フラグをオン状態にセットすることに基いてコーナランプ16およびサイドランプ18の制御中であることを記録する。
CPU77はランプ制御フラグをオンした以後のタイマ割込み処理ではランプ制御フラグのオンを検出し、ステップS401からS406へ移行する。ここで電飾コマンドをシーケンスデータの設定順序で出力し、電飾パターンに応じた内容で図柄表示装置22の表示内容・両役物24の動作内容・スピーカ6の鳴動内容を光的に演出する。
CPU77はステップS407へ移行すると、RAM79に全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドは図柄制御装置59が特別図柄の変動表示を終えるときに出力するものであり、CPU77は全図柄停止コマンドを検出すると、ステップS408でRAM79の全図柄停止コマンドを消去し、ステップS409でランプ制御フラグをオフすることに基いてコーナランプ16およびサイドランプ18の制御を終える。
上記第1実施例によれば、役物24の動作内容および図柄表示装置22の表示内容を共通の図柄制御装置59によって制御した。このため、役物24および図柄表示装置22間で制御タイミングの発生源が共通になるので、役物24の動作内容と図柄表示装置22の表示内容とを連動させ易くなる。しかも、役物24の駆動制御に関する一切の処理をメイン制御装置42に分担させないようにしたので、メイン制御装置49を役物24の有無の点で異なる機種間・役物24の動作内容の点で異なる機種間等で兼用することが可能になる。さらに、メイン制御装置42の処理容量の増加が抑えられるので、メイン制御装置42の大当り判定機能等を容易に検査することができる。
また、図柄制御装置59のCPU60が図柄表示装置22の表示内容および役物24の動作内容をシーケンス制御する演出パターンを設定するように構成したので、両者の連動関係を設計段階で簡単に設定することが可能になる。