以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図4に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図2に示すように、前面扉2が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この前面扉2は外枠1の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図6参照)が貯溜されている。
上皿4の左端部には、図2に示すように、複数のスリット5が形成されている。これら複数のスリット5の後方にはスピーカ6が固定されており、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から複数のスリット5を通して前方の遊技者に効果音が出力される。
前面扉2の前面には右下部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には、図4に示すように、発射モータ9が装着されており、発射モータ9の回転軸には、図2に示すように、打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が図2の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ9に電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
前面扉2の前面には矩形状の窓枠11が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠11の内周面には透明なガラス窓12が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には、図3に示すように、遊技盤13が保持されており、遊技盤13は窓枠11のガラス窓12により前方から覆われている。
前面扉2の前面には、図2に示すように、右側部に位置して枠鍵14が装着されており、枠鍵14は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠11を前面扉2の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、外レール15および内レール16が固定されており、打球槌10が弾いたパチンコ球Pは外レール15および内レール16間の発射通路17を通って上昇し、発射通路17の出口18から放出される。また、遊技盤13の前面には複数の障害釘19が打込まれており、出口18から放出されたパチンコ球Pは障害釘19に当りながら落下する。
遊技盤13の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナランプカバー20が固定されている。これら各コーナランプカバー20の後方には複数のコーナランプ21(図7参照)が固定されており、各コーナランプカバー20は後方のコーナランプ21が点灯することに基づいて発光する。
遊技盤13の前面には、図3に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー22が固定されている。これら各サイドランプカバー22の後方には複数のサイドランプ23(図7参照)が固定されており、各サイドランプカバー22は後方のサイドランプ23が点灯することに基づいて発光する。
遊技盤13の前面には、図3に示すように、表示台板24が固定されており、表示台板24の上端部には4個の保留球ランプ25が固定されている。これら4個の保留球ランプ25は保留球表示器26を構成するものであり、横一列に配置されている。
表示台板24にはカラー液晶表示器からなる図柄表示装置27が固定されている。この図柄表示装置27には特別図柄変動領域TEが設けられており、特別図柄表示領域TE内には特別図柄が横3列に表示される。この特別図柄は大当りおよび外れを識別する識別図柄に相当するものであり、数字図柄から構成されている。また、図柄表示装置27には普通図柄変動領域HEが設けられている。この普通図柄変動領域HEは特別図柄変動領域TEの左下隅部に位置するものであり、普通図柄変動領域HE内には普通図柄が横2列に表示される。この普通図柄は当りおよび外れを識別する識別図柄に相当するものであり、数字図柄から構成されている。尚、図柄表示装置27は表示装置に相当するものである。
遊技盤13には図柄表示装置27の下方に位置して特別図柄始動口28が固定されている。この特別図柄始動口28は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別図柄始動口28内には特別図柄始動センサ29(図7参照)が固定されている。この特別図柄始動センサ29は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口28内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。尚、特別図柄始動口28は始動口に相当するものである。
特別図柄始動口28には2枚の羽根板30が軸31を中心に回動可能に装着されており、両羽根板30が垂直状態(図3の二点鎖線参照)に回動しているときには両羽根板30間の離間寸法がパチンコ球Pの直径寸法程度になり、特別図柄始動口28に向って真上から落下するパチンコ球Pだけが両羽根板30間の隙間を通って特別図柄始動口28内に入賞する。また、両羽根板30が傾斜状態(図3の実線参照)に回動しているときには特別図柄始動口28の左右両側部を落下するパチンコ球Pが羽根板30に捕捉されることに基いて特別図柄始動口28内に入賞する。即ち、両羽根板30は特別図柄始動口28の開口部を実質的に拡縮するものである。
両羽根板30は羽根板ソレノイド33(図7参照)のプランジャに機械的に連結されたものであり、羽根板ソレノイド33は両羽根板30を傾斜状態および垂直状態に回動操作することに基いて特別図柄始動口28を拡縮する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口28の左側部に位置して普通図柄始動ゲート34が固定されている。この普通図柄始動ゲート34は上下面が開口するコ字枠状をなすものであり、普通図柄始動ゲート34内には普通図柄始動センサ35(図7参照)が固定されている。この普通図柄始動センサ35は近接スイッチからなるものであり、普通図柄始動ゲート34内を通過するパチンコ球Pを検出して普通図柄始動信号を出力する。
遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口28の下方に位置して入賞口台板36が固定されており、入賞口台板36には、図5に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口37が固定されている。また、入賞口台板36には、図3に示すように、扉38が下端部の水平な軸39を中心に回動可能に装着されており、大入賞口37の前面は扉38が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図5に示すように、扉38が前方へ水平に倒れた開放状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口37は可変入賞口に相当するものである。
入賞口台板36の後面には大入賞口ソレノイド40が固定されている。この大入賞口ソレノイド40のプランジャには扉38が機械的に連結されており、扉38は大入賞口ソレノイド40のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口37内にはカウントセンサ41(図7参照)が固定されている。このカウントセンサ41は近接スイッチからなるものであり、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
遊技盤13の後面には、図4に示すように、正方形状のセンタカバー42が配設されている。このセンタカバー42は前面が開口する容器状をなすものであり、センタカバー42の外周部には矩形枠状のメインセット43が配設されている。このメインセット43は前面扉2の後面に着脱可能に固定されたものであり、センタカバー42はメインセット43に着脱可能に固定されている。
遊技盤13の後面には集合樋(図示せず)が固定されており、集合樋はセンタカバー42により後方から覆われている。この集合樋は特別図柄始動口28および大入賞口37に接続されており、特別図柄始動口28内に入賞したパチンコ球Pおよび大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋からメインセット43の入賞球通路(図示せず)を通して機外へ排出される。
メインセット43の後面には、図4に示すように、上端部に位置して球タンク44が固定されている。この球タンク44は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク44内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット43の後面にはタンクレール45が固定されている。このタンクレール45は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール45の右端部は球タンク44内に接続されている。
メインセット43の左側部には賞球払出装置46が着脱可能に装着されている。この賞球払出装置46はパチンコ球Pが特別図柄始動口28内および大入賞口37内に入賞することに基づいて上皿4内にパチンコ球Pを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
<賞球払出装置46について>
メインセット43には、図6に示すように、払出ケース47が着脱可能に固定されており、払出ケース47内には球通路48が形成されている。この球通路48の上端部はタンクレール45の出口に接続されており、球通路48内には球タンク44内からタンクレール45内を通してパチンコ球Pが一列に充填される。この球通路48の上下方向中間部にはスプロケット49が軸50を中心に回動可能に装着されており、スプロケット49の外周部には凹状をなす複数の球受け部51が形成されている。
払出ケース47内にはステッピングモータからなる払出モータ52(図9参照)が固定されている。この払出モータ52の回転軸にはスプロケット49の軸50が連結されており、払出モータ52の回転停止時にはスプロケット49の回動が払出モータ52の電磁力で拘束され、図6に実線で示すように、パチンコ球Pがスプロケット49の1個の球受け部51内に保持されている。この状態で払出モータ52の回転軸が単位量だけ回転すると、図6に二点鎖線で示すように、スプロケット49が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部51内から1個のパチンコ球Pが排出され、球通路48の下端部を通して払出ケース47の下方へ放出される。賞球払出装置46は以上のように構成されている。
メインセット43には下皿通路(図示せず)が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置46の球通路48に接続されており、球通路48内から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路(図示せず)が設けられている。この上皿通路は上皿4に接続されており、賞球払出装置46から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿4内に払出される。
前面扉2の前面には、図2に示すように、上皿4の下方に位置して下皿53が固定されている。この下皿53は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Pが上皿4内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿53内に払出される。
メインセット43の後面には、図4に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス54が固定されている。このメイン基板ボックス54内には、図7に示すように、メイン基板55が収納されており、メイン基板55にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置56が搭載されている。このメイン制御装置56はCPU57,ROM58,RAM59,I/O60を有するものであり、ROM58には制御プログラムおよび制御データが記録されている。
尚、メイン制御装置56は主制御装置に相当するものである。また、メイン制御装置56のCPU57はモード設定手段、パラメータ選択手段、モード報知手段、判定手段、保留手段、外れリーチ図柄設定手段,図柄設定手段,リーチ設定手段,データ取得手段,表示内容設定手段,変動パターン設定手段,大当り遊技手段,時間短縮判定手段,特典判定手段に相当するものである。また、メイン制御装置56のROM58およびRAM59は格納手段に相当するものである。
特別図柄始動センサ29,普通図柄始動センサ35,カウントセンサ41はセンサ出力回路61を介してメイン制御装置56に電気的に接続されている。このセンサ出力回路61はメイン基板55に搭載されたものであり、メイン制御装置56のCPU57は特別図柄始動センサ29からの特別図柄始動信号,普通図柄始動センサ35からの普通図柄始動信号,カウントセンサ41からのカウント信号をセンサ出力回路61を介して検出する。
羽根板ソレノイド33および大入賞口ソレノイド40はソレノイド駆動回路62を介してメイン制御装置56に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路62はメイン基板55に搭載されたものであり、メイン制御装置56のCPU57は羽根板ソレノイド33および大入賞口ソレノイド40をソレノイド駆動回路62を介して通断電制御し、特別図柄始動口28の両羽根板30および大入賞口37の扉38を回動操作する。
4個の保留球ランプ25はランプ駆動回路63を介してメイン制御装置56に電気的に接続されている。このランプ駆動回路63はメイン基板55に搭載されたものであり、メイン制御装置56のCPU57は4個の保留球ランプ25をランプ駆動回路63を介して点灯制御する。
メインセット43の後面には、図4に示すように、メイン基板ボックス54の前方に位置して払出基板ボックス64が固定されている。この払出基板ボックス64内には、図9に示すように、払出基板65が収納されており、払出基板65にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置66が搭載されている。この払出制御装置66はCPU67,ROM68,RAM69,I/O70を有するものであり、ROM68には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置66にはメイン制御装置56が電気的に接続されており、払出制御装置66にはメイン制御装置56から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
払出制御装置66にはモータ駆動回路71を介して払出モータ52が電気的に接続されている。このモータ駆動回路71は払出基板65に搭載されたものであり、払出制御装置66のCPU67はモータ駆動回路71を通して払出モータ52の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置66のCPU67がメイン制御装置56からの賞球データに基づいて調節するものであり、CPU67は払出モータ52の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置46から上皿4内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Pを賞品球として払出す。
センタカバー42の後面には統合基板ケース(図示せず)が固定されている。この統合基板ケース内には、図8に示すように、統合基板72が収納されており、統合基板72には図柄制御装置73が搭載されている。この図柄制御装置73はCPU74,ROM75,RAM76,VDP77,VROM78,VRAM79,I/O80を有するものであり、図柄制御装置73のROM75には制御プログラムおよび制御データが記録され、VROM78には表示プログラムおよび表示データが記録されている。
尚、図柄制御装置73は演出制御装置に相当するものである。また、図柄制御制御装置73のCPU74はモード判定手段,計数手段,比較手段,表示制御手段,報知手段,演出表示手段に相当するものである。また、図柄制御装置73のROM75は記録手段に相当するものである。
図柄制御装置73にはメイン制御装置56が電気的に接続されている。この図柄制御装置73はメイン制御装置56から演出コマンドおよび演出データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置73のCPU74はメイン制御装置56からの演出コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、VDP77に出力する。すると、VDP77は駆動コマンドに応じた表示データをVROM78から検出し、LCD駆動回路81を介して図柄表示装置27に駆動コマンドに応じた動画面を表示する。このLCD駆動回路81は統合基板72に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、VDP77が複数の図形と表示位置とを指定すれば、LCD駆動回路81が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置27に表示する。
図柄制御装置73のVROM78には表示データとして複数の背景データ、複数の図柄データ、複数のキャラクタデータが記録されており、VDP77は背景データ,図柄データ,キャラクタデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じてLCD駆動回路81に指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
統合基板72にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置82が搭載されている。このスピーカ制御装置82は、図10に示すように、CPU83,ROM84,RAM85,I/O86を有するものであり、ROM84には制御プログラムおよび制御データが記録されている。このスピーカ制御装置82には図柄制御装置73が電気的に接続されており、スピーカ制御装置82には図柄制御装置73から演出コマンドおよび演出データが送信される。
スピーカ制御装置82にはスピーカ駆動回路87を介してスピーカ6が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路87は統合基板72に搭載されたものであり、スピーカ制御装置82のCPU83はスピーカ駆動回路87を通してスピーカ6から効果音を出力する。この効果音の出力はスピーカ制御装置82のCPU83が図柄制御装置73からの演出コマンドおよび演出データに基づいて行うものであり、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から演出データに応じた効果音が出力される。
統合基板72には、図11に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置88が搭載されている。このランプ制御装置88はCPU89,ROM90,RAM91,I/O92を有するものであり、ROM90には制御プログラムおよび制御データが記録されている。このランプ制御装置88には図柄制御装置73が電気的に接続されており、ランプ制御装置88には図柄制御装置73から演出コマンドおよび演出データが送信される。
ランプ制御装置88にはランプ駆動回路93を介して複数のコーナランプ21および複数のサイドランプ23が電気的に接続されている。このランプ駆動回路93は統合基板72に搭載されたものであり、ランプ制御装置88のCPU89はランプ駆動回路93を通して複数のコーナランプ21および複数のサイドランプ23を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置88のCPU89が図柄制御装置73からの演出コマンドおよび演出データに基づいて行うものであり、コーナランプ21およびサイドランプ23の駆動時にはコーナランプカバー20およびサイドランプカバー22が演出データに応じた態様で電飾される。
次に上記構成の作用について説明する。
<普通図柄遊技>
遊技者が上皿4内にパチンコ球Pを投入して発射ハンドル8を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤13内にパチンコ球Pが発射され、障害釘19に当りながら落下する。このパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート34内を通過すると、普通図柄遊技が行われる。この普通図柄遊技は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を表示することに基いて行われるものであり、普通図柄遊技の概略は次の通りである。
図柄表装置27の普通図柄変動領域HE内には左列および右列の普通図柄として「3,7」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート34内を通過すると、各列の普通図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の普通図柄が静止状態で変化することを称するものであり、各列の普通図柄の変化順序は「3」→「7」→「3」→…の交互である。
普通特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左普通図柄および右普通図柄が同時に停止し、左普通図柄および右普通図柄の停止状態での組合せに応じて当りおよび外れが報知される。当り図柄は当りの発生を報知するものであり、当り図柄には「3 3」,「7 7」の2種類が設定されている。外れ図柄は外れの発生を報知するものであり、外れ図柄には「3 7」,「7 3」の2種類が設定されている。
図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に当り図柄が表示されたときには当り遊技が開始される。この当り遊技は両羽根板30を傾斜状態に回動させることに基いて特別図柄始動口28を拡大し、パチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞する確率を高める遊技者に有利な状態を発生させるものであり、両羽根板30は回動時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで傾斜状態に保持される。
<特別図柄遊技>
遊技盤13内を落下するパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞すると、賞球払出装置46から設定個数のパチンコ球Pが上皿4内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に各種のアニメーション画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
図柄表装置27の特別図柄変動領域TE内には左,中,右の各列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞すると、各列の特別図柄が変動開始する。この変動は各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下であり、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「7」→「8」→「1」→…のループ状である。
各列の特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄が当該順序で仮停止し、左特別図柄および右特別図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左特別図柄および右特別図柄が上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する2個の特別図柄(左特別図柄および右特別図柄)の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には下記の8種類が設定されており、「↓」は中特別図柄が変動中であることを示している。
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」
リーチの発生状態では図柄表示装置27に複数種のリーチアクション画面が選択的に表示される。このリーチアクション画面は最終の中特別図柄が何で仮停止するかを演出するアニメーション画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクション画面が出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄に続けて最終の中特別図柄が仮停止した後、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が1本の水平な有効ラインに沿って静止した確定状態になる。これら3列の特別図柄の変動開始から確定に至る経過時間は変動表示時間(可変表示時間)と称されるものであり、3列の特別図柄の確定状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が遊技者に報知される。
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄は図柄制御装置73がメイン制御装置56からの演出コマンドを検出することに基づいて仮停止状態から静止表示するものであり、当該静止表示を確定停止表示(可変停止表示)と称する。仮停止は図柄制御装置73が演出コマンドに基いて自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を停止させることを称するものである。
大当り図柄は大当りを報知する3列の特別図柄の組合せを称するものであり、大当り図柄には下記の8種類が設定されている。
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」
完全外れ図柄はリーチすら発生しない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が同一で中特別図柄が相違するものである。
図柄表示装置27に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口37の扉38を開放し、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口37は上限個のパチンコ球Pが入賞する個数条件または開放時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
大入賞口37の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件および時間条件のいずれかが満足されたときには大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドの繰返し回数には上限値Xが設定されており、大当りラウンドの繰返し回数が上限値Xに達したときには大当り遊技が無条件に終了する。
大当りラウンド中には図柄表示装置27に大当りラウンド表示が行われる。この大当りラウンド表示は現在の大当りラウンド数に応じた絵柄からなる大当りラウンド背景の前方に現在の大当りラウンド数を表示することで行われ、大当りラウンド背景の前方には大入賞口37に対するパチンコ球Pの現在の入賞個数が表示される。
特別図柄の変動表示を即座に開始できない特別図柄の変動表示時および大当りラウンド表示時にパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞したときには特別図柄の変動表示(特別図柄遊技)が4回を上限に保留される。保留球表示器26は特別図柄遊技の保留回数を保留球ランプ25の点灯個数によって表示するものであり、特別図柄の変動表示が開始されたときには保留球ランプ25が消灯することに基いて保留回数の減少が報知される。
大当りの発生時には確率変動モードに選択的に移行する。この確率変動モードは大当りを確率変動モードの非設定状態に比べて高い一定確率で判定するモードであり、大当り遊技終了直後の1回目の特別図柄遊技から有効になる。この確率変動モードは大当り図柄の種類に応じて抽選されるものであり、具体的には、図1に示すように、大当りが偶数の大当り図柄で発生したときには確率変動モードが設定されず、大当りが奇数の大当り図柄で発生したときには確率変動モードが設定される。即ち、確率変動モードは大当りの発生を条件に「1/2」の確率で抽選されるものであり、次の大当りが偶数で発生することに基いて終了し、次の大当りが奇数で発生することに基いて再設定される。
大当りの発生時には時間短縮モードに確定的に移行する。この時間短縮モードは普通図柄および特別図柄の変動表示時間を時間短縮モードの非設定状態に比べて短く設定し、特別図柄始動口28の拡大時間を長く設定するモードであり、大当り遊技終了直後の1回目の特別図柄遊技から有効になる。この時間短縮モードは大当り図柄の種類に応じて態様が選択されるものであり、具体的には、図1に示すように、大当りが偶数図柄で発生したときには第1の時間短縮モードが設定され、大当りが奇数図柄で発生したときには第2の時間短縮モードが設定される。
第1の時間短縮モードは時間短縮モードの継続に固定的な限度値が設定されるモードであり、具体的には大当り遊技終了から100回の特別図柄の変動表示に対して時間短縮機能を有効化するものである。この第1の時間短縮モード中に大当りが発生したときには大当り図柄の種類に応じて第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードが選択的に設定される。
第2の時間短縮モードは時間短縮モードの継続に固定的な限度値が設定されないモードであり、具体的には次の大当りが発生するまで時間短縮機能を有効化するものである。この第2の時間短縮モード中に大当りが発生したときには大当り図柄の種類に応じて第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードが選択的に設定される。
第1の時間短縮モード時および第2の時間短縮モード時には特定リーチ選択モードが有効化される。この特定リーチ選択モードは第1の時間短縮モードの設定および解除に同期して設定および解除されたり、第2の時間短縮モードの設定および解除に同期して設定および解除されるものであり、特定リーチ選択モード時にはノーマルリーチパターン以外のスペシャルリーチパターンでリーチが発生したときには大当りが必ず発生する。
次にメイン制御装置56,払出制御装置66,図柄制御装置73,スピーカ制御装置82,ランプ制御装置88の内部処理を図12〜図47に基づいて説明する。
<メイン制御装置56の内部処理について>
メイン制御装置56のCPU57は電源が投入されると、図12のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップS1〜S3の実行後にステップS4〜S11を無限ループ状に繰返すものであり、CPU57はステップS1へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
CPU57は割込み禁止を設定すると、ステップS2へ移行し、ランダムカウンタR1〜R8の計測値,ノーマルカウンタN1〜N5の計測値,タイマT1〜T4の計測値,各種フラグの設定結果,大当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果,当りの判定結果,普通図柄の設定結果等のRAM59の全データおよびI/O60を初期設定する。そして、ステップS3で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップS4〜S11を無限ループ状に繰返す。
CPU57は図12のステップS4へ移行すると、ランダムカウンタR4,R6,R8を更新する。ランダムカウンタR4は、図13の(a)に示すように、大当り判定用のランダムカウンタR3の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタR4はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「952」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR6は左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を「1〜8」の特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR6は3桁のカウンタからなるものであり、1桁目は、図14に示すように、「0」から「7」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算されれる。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、2桁目は1桁目が「7」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算され、3桁目は2桁目が「7」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
ランダムカウンタR8は左普通図柄,右普通図柄を「3,7」の普通図柄群の中から選択するものである。このランダムカウンタR8は2桁のカウンタからなるものであり、1桁目は「0」から「1」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算されれる。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、2桁目は1桁目が「1」から「0」に戻される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
CPU56は図12のステップS4でランダムカウンタR4,R6,R8を加算すると、ステップS5でランダムカウンタR6の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS6でランダムカウンタR6をRAM59の完全外れ図柄エリア(図15参照)に格納する。
CPU56は図12のステップS5でランダムカウンタR6の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS7でランダムカウンタR6の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS8でランダムカウンタR6をRAM59の外れリーチ図柄エリア(図15参照)に格納する。
CPU56は図12のステップS9へ移行すると、ランダムカウンタR8の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が同一であることを検出したときにはステップS10でランダムカウンタR8をRAM59の当り図柄エリア(図15参照)に格納し、ステップS9でランダムカウンタR8の1桁目と2桁目とが相違していること検出したときにはステップS11でランダムカウンタR8をRAM59の外れ図柄エリア(図15参照)に格納する。
図16のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置56のCPU57はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS21の出力監視処理〜ステップS31の大当り遊技処理を有するものであり、ステップS21の出力監視処理〜ステップS27の普通図柄用変動処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップS28の制御データ設定処理〜ステップS31の大当り遊技処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
(1)出力監視処理
メイン制御装置56のCPU57は特別図柄始動センサ29からの特別図柄始動信号の有無,普通図柄始動センサ35からの普通図柄始動信号の有無,カウントセンサ41からのカウント信号の有無をセンサ出力回路61を介して検出し、検出結果をRAM59の出力監視エリアの特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部(いずれも図15参照)に格納する。この出力監視処理はタイマ割込が発生する4msec毎に必ず行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは4msec毎に更新される。
(2)カウンタ更新処理
図16のステップS22のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57はステップS22のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R5,R7を更新する。
ランダムカウンタR1は、図13の(a)に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から確定停止に至る間は図柄表示装置27に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「222」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタR3が上限値に達したときにはランダムカウンタR4の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタR3がランダムカウンタR4の取得値から上限値「952」に加算される。即ち、ランダムカウンタR3は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値R4から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値R4に戻って加算されるものである。
ランダムカウンタR4は、上述したように、ランダムカウンタR3の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に加算され且つメインプログラムの1ループ毎に加算される。
ランダムカウンタR5は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「1〜8」の中から選択するものである。このランダムカウンタR5はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「7」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR7は当りの発生の有無を検出するものである。このランダムカウンタR7はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻って加算される。
(3)賞球信号処理
図16のステップS23の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57は出力監視エリアの格納データに基づいて特別図柄始動信号の有無およびカウント信号の有無を判断する。ここで特別図柄始動信号またはカウント信号を検出したときには払出制御装置66に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
(4)特別図柄用データ取得処理
図16のステップS24の特別図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57は特別図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞したことを条件にランダムカウンタR1〜R5の現在の計測値を取得し、RAM59の特別図柄用カウンタデータエリア(図15参照)に格納する。
CPU57は図17のステップS41へ移行すると、特別図柄始動センサ29からの特別図柄始動信号の有無を検出する。この特別図柄始動信号の有無はRAM59の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU57は出力監視エリアに特別図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS42へ移行し、カウンタN1を上限値「4」と比較する。このカウンタN1はパチンコ球Pの特別図柄始動口28に対する入賞個数を計測するものであり、CPU62は「N1<4」を検出したときにはステップS43でランダムカウンタR1〜R5の現在の計測値を検出し、ステップS44でカウンタN1に「1」を加算する。
カウンタN1には、図18に示すように、計測値「1」〜「4」に対応してカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E4が割付けられており、CPU57は図17のステップS45へ移行すると、保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN1の計測値に対応する記録部にランダムカウンタR1〜R5の取得結果を格納する。
例えばカウンタN1の計測値が「1」であるときにはランダムカウンタR1〜R5の取得結果が計測値「1」に対応する保留データ記録部E1に格納される。また、計測値が「3」であるときにはランダムカウンタR1〜R5の取得結果が計測値「3」に対応する保留データ記録部E3に格納される。
(5)保留球処理
図16のステップS25の保留球処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57は保留球処理でカウンタN1の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ25を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
保留球ランプ25には図3の左から順にランプナンバー「RP1」,「RP2」,「RP3」,「RP4」が割付けられている。カウンタN1の計測値「1」〜「4」には、図18に示すように、ランプナンバー「RP1」〜「RP4」が割付けられており、CPU57は保留球処理へ移行すると、カウンタN1の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ25を点灯する。
例えばカウンタN1の計測値が「3」の状態では「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯している。この状態で特別図柄始動口28内に1個のパチンコ球Pが入賞したときにはカウンタN1が「3」から「4」に加算され、「N1=4」に対応する4個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「3」から「4」に増えたことが報知される。
この状態で特別図柄の変動表示が開始されたときには、後述するように、カウンタN1が「4」から「3」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「4」から「3」に減ったことが報知される。
(6)普通図柄用データ取得処理
図16のステップS26の普通図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57は普通図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート34内を通過したことを条件にランダムカウンタR7の現在の計測値を取得し、ランダムカウンタR7の取得結果に基いて普通図柄遊技の遊技内容を制御する。
CPU57は図19のステップS51へ移行すると、普通図柄始動センサ35からの普通図柄始動信号の有無を検出する。この普通図柄始動信号の有無はRAM59の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU57は出力監視エリアに普通図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS52へ移行し、カウンタN5の計測値を上限値「4」と比較する。このカウンタN5はパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート34に対する通過個数を計測するものであり、CPU57は「N2<4」を検出したときにはステップS53でランダムカウンタR7の現在の計測値を検出し、ステップS54でカウンタN5に「1」を加算する。
カウンタN5には、図20に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して普通図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E11〜E14が割付けられており、CPU57は図19のステップS55へ移行すると、ランダムカウンタR7の取得結果をカウンタN5の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN5の計測値が「2」であるときにはランダムカウンタR7の取得結果が計測値「2」に対応する保留データ記録部E12に格納され、計測値が「4」であるときにはランダムカウンタR7の取得結果が計測値「4」に対応する保留データ記録部E14に格納される。
(7)普通図柄用変動処理
図16のステップS27の普通図柄用変動処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置56のCPU57は普通図柄用変動処理で当りおよび外れを振分け、当り図柄および外れ図柄を設定する。
CPU57は図21のステップS61で始動口フラグの設定状態を判断する。この始動口フラグは特別図柄始動口28の現在の状態を示すものであり、CPU57は始動口フラグが縮小中にセットされていることを検出すると、特別図柄始動口28が縮小状態にあると判断し、ステップS62へ移行する。
CPU57はステップS62へ移行すると、普通図柄変動フラグの設定状態を判断する。この普通図柄変動フラグは普通図柄の変動状態を示すものであり、CPU57は普通図柄変動フラグが停止中にセットされていることを検出したときには普通図柄が変動停止していると判断し、ステップS63へ移行する。
CPU57はステップS63へ移行すると、カウンタN5の計測値を「0」と比較する。このカウンタN5は、上述したように、普通図柄遊技用のランダムカウンタR7の格納状態を示すものであり、CPU57は「N5>0」を検出したときにはランダムカウンタR7がRAM59に格納されていると判断し、ステップS64へ移行する。
CPU57はステップS64へ移行すると、RAM59の普通図柄用の保留データ記録部E11からランダムカウンタR7を検出し、30個の当り値「3〜32」と比較する。ここでランダムカウンタR7が30個の当り値のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、30個の当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をRAM59の当りエリア(図15参照)に格納する。即ち、当りは固定的な一定確率「30/33」で判定されるものである。
CPU57は当りおよび外れの判定結果をRAM59の当りエリアに格納すると、図21のステップS65で当りエリアから判定結果を検出する。ここで当りを検出したときにはRAM59の普通図柄用の当り図柄エリアからランダムカウンタR8を検出する。そして、ROM58の普通図柄テーブル(図22参照)からランダムカウンタR8の1桁目に対応する図柄および2桁目に対応する図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄に設定する。
CPU57は図21のステップS65で当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、RAM59の普通図柄用の外れ図柄エリアからランダムカウンタR8を検出する。そして、ROM58の普通図柄テーブルからランダムカウンタR8の1桁目に対応する図柄および2桁目に対応する図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄に設定する。
CPU57は普通図柄を設定すると、図21のステップS66でRAM59の時間短縮エリア(図15参照)を参照する。この時間短縮エリアは時間短縮の設定状態を格納するものであり、CPU57は時間短縮エリアに第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれかが格納されていることを検出したときには時間短縮中であると判断し、図23に示すように、変動パターンを「101」に設定する。また、時間短縮エリアに第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれも格納されていないことを検出したときには時間短縮中でないと判断し、変動パターンを「102」に設定する。
CPU57は変動パターンを設定すると、図21のステップS67で変動表示時間を設定する。この変動表示時間は普通図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、図23に示すように、変動パターン「101」が設定される時間短縮中には「T101(例えば5sec)」に設定され、変動パターン「102」が設定される非時間短縮中には「T102(例えば58sec)」に設定される。
CPU57は変動表示時間を設定すると、図21のステップS68でタイマT3を「0」にリセットする。このタイマT3は普通図柄の変動開始時を基準とする経過時間(普通図柄の変動表示時間)を計測するものであり、CPU57はタイマT3をリセットすると、ステップS69で図柄制御装置73にINT信号を出力する。そして、ステップS70で演出コマンドとして普通図柄変動開始コマンドを出力し、演出データとして普通図柄用の変動パターンの設定結果と左普通図柄の設定結果と右普通図柄の設定結果とを出力する。すると、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、演出コマンドおよび演出データをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて普通図柄の変動表示を開始する。
CPU57は図柄制御装置73に演出コマンドおよび演出データを出力すると、ステップS71でタイマT3をスタートさせる。この演出コマンド等の出力後には図柄制御装置73が図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄の変動表示を行っており、タイマT3は普通図柄の変動開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
CPU57はタイマT3をスタートさせると、ステップS72でRAM59の普通図柄用のカウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E11〜E13に保留データ記録部E12〜E14の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E11だけにランダムカウンタR7が格納されているときには保留データ記録部E11に保留データ記録部E12のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E11のランダムカウンタR7が消去される。
保留データ記録部E11〜E14にランダムカウンタR7が格納されているときには保留データ記録部E12〜E14のランダムカウンタR7が前段の保留データ記録部E11〜E13に移動され、保留データ記録部E14にデフォルトデータが記録される。従って、次回の普通図柄用変動処理では保留データ記録部E12に格納されていたランダムカウンタR7に基づいて当りの判定処理が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E13に格納されていたランダムカウンタR7に基づいて当りの判定処理が行われる。
CPU57は普通図柄用のカウンタデータエリアを整理すると、図21のステップS73でカウンタN5から「1」を減算し、ステップS74で普通図柄変動フラグに変動中をセットする。このカウンタN5は、上述したように、普通図柄始動ゲート34に対するパチンコ球Pの通過個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、演出コマンド等が出力された普通図柄の変動開始直後にはカウンタN5が減算され、カウンタN5が上限値まで加算されていたときでもカウンタN5に加算の余地が生成される。このカウンタN5の減算状態では普通図柄用のカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で普通図柄始動信号有りが記録されたときには普通図柄用データ取得処理でカウンタN5が加算され、普通図柄用のカウンタデータエリアにランダムカウンタR7が新たに格納される。
CPU57は図21のステップS62で普通図柄変動フラグに変動中がセットされていることを検出すると、ステップS75で変動表示時間用のタイマT3の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT3の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS76でタイマT3を停止し、変動表示時間の計測を終える。
CPU57はタイマT3を停止すると、ステップS77で図柄制御装置73にINT信号を出力し、ステップS78で演出コマンドとして確定停止コマンドを出力する。そして、ステップS79へ移行し、普通図柄変動フラグに停止中をセットすることに基づいて普通図柄の変動停止を記録する。この確定停止コマンドは図柄制御装置73に普通図柄の変動停止を指令するものであり、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で確定停止コマンドを検出し、左普通図柄および右普通図柄を変動状態から静止した確定状態に切換える。
CPU57は普通図柄の変動停止を記録すると、ステップS80でRAM59の当りエリアに当りの判定結果および外れの判定結果のどちらが格納されているかを判断する。ここで当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS81へ移行し、タイマT4を「0」にリセットする。このタイマT4は特別図柄始動口28の拡大時間を計測するものであり、CPU57はタイマT4をリセットすると、ステップS82で羽根板ソレノイド33に駆動電源を印加することに基づいて両羽根板30を傾斜状態に回動操作し、特別図柄始動口28を拡大する。
CPU57は特別図柄始動口28を拡大すると、ステップS83でタイマT4をスタートさせることに基づいて特別図柄始動口28の拡大時間を計測開始する。そして、ステップS84へ移行し、始動口フラグに拡大中をセットすることに基づいて特別図柄始動口28の拡大を記録する。
CPU57はステップS61で始動口フラグに拡大中がセットされていることを検出すると、特別図柄始動口28が拡大状態にあると判断する。そして、ステップS85へ移行し、拡大時間用タイマT4の計測値を拡大時間の設定結果と比較する。この拡大時間は第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードの双方が設定されていない時間短縮の非設定時に短値(0.7sec)に設定され、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれかが設定されている時間短縮の設定時に長値(3.5sec)に設定されるものであり、CPU57はタイマT4の計測値が設定値に達していることを検出すると、ステップS86で羽根板ソレノイド33を断電することに基づいて特別図柄始動口28を縮小する。
CPU57は特別図柄始動口28を縮小すると、ステップS87で拡大時間用タイマT4を停止することに基づいて拡大時間の計測を終え、ステップS88で始動口フラグに縮小中をセットすることに基づいて特別図柄始動口28の縮小を記録する。即ち、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート34内を通過したときには図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄が変動表示される。この変動表示時間は時間短縮の設定時に短値に設定され、時間短縮の非設定時に長値に設定されるものであり、変動表示時間の経過時には普通図柄が外れの組合せ(「3 7」,「7 3」)または当りの組合せ(「3 3」または「7 7」)で変動停止する。
普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口28が拡大される。この拡大時間は時間短縮の設定時に長値に設定され、時間短縮の非設定時に短値に設定されるものであり、パチンコ球Pの特別図柄始動口28に対する入賞個数は時間短縮の設定の有無に応じて調節される。これら普通図柄の変動表示時および特別図柄始動口28の拡大時には普通図柄始動ゲート34内をパチンコ球Pが通過してもステップS64の当り判定処理が実行されず(保留球の発生)、当り判定処理は普通図柄の変動停止および特別図柄始動口28の縮小の双方を条件に実行される。
(8)制御データ設定処理
図16のステップS28の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置56のCPU57は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には確率変動の獲得状態および時間短縮の獲得状態を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の1回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
CPU57は図24のステップS91でカウンタN1を「0」と比較する。このカウンタN1は、上述したように、ランダムカウンタR1〜R5の格納状態を示すものであり、CPU57は「N1>0」を検出したときにはランダムカウンタR1〜R5がRAM59に格納されていると判断し、ステップS92へ移行する。
CPU57はステップS92へ移行すると、確率変動の設定状態を判断する。この判断処理はRAM59の確率変動エリア(図15参照)に格納されている確率変動フラグの設定状態に基づいて行われるものであり、CPU57は確率変動フラグが確率変動状態にセットされていることを検出したときには確率変動が設定されていると判断してステップS93へ移行し、確率変動フラグが非確率変動状態にセットされていることを検出したときには確率変動が設定されていないと判断してステップS94へ移行する。
CPU57はステップS93へ移行すると、RAM59の特別図柄用の保留データ記録部E1に格納されている大当り判定用のランダムカウンタR3を15個の大当り値「17,61,103,197,277,367,401,431,523,619,661,727,797,887,941」と比較する。ここでランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りおよび外れの判定結果をRAM59の大当りエリア(図15参照)に格納する。即ち、確率変動の設定時には大当りが「15/953」の固定的な高確率で判定される。
CPU57は図24のステップS94へ移行すると、RAM59の特別図柄用の保留データ記録部E1に格納されている大当り判定用のランダムカウンタR3を3個の大当り値「17,401,727」と比較する。ここでランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りおよび外れの判定結果をRAM59の大当りエリアに格納する。即ち、確率変動の非設定時には大当りが「3/953」の固定的な低確率で判定される。
CPU57は大当りおよび外れを判定すると、ステップS95でRAM59の大当りエリアから判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りが格納されていることを検出すると、ステップS96へ移行する。
メイン制御装置56のROM58には図柄テーブルが記録されている。この図柄テーブルは、図25に示すように、ランダムカウンタR5と大当り図柄との関係を示すものであり、メイン制御装置56のCPU57は図24のステップS96へ移行すると、特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR5を検出する。そして、図柄テーブルからランダムカウンタR5に応じた図柄を検出し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR5が「6」であるときには数字図柄「7」が検出され、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とが同一の検出図柄「7」に設定される。
CPU56は図24のステップS97へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出する。そして、大当り図柄の設定結果に基づいて確率変動の獲得状態を判定し、判定結果をRAM59の確率変動エリアに格納する。例えば大当り図柄の設定結果が奇数であるときには確率変動の獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグを確率変動状態で格納する。また、大当り図柄の設定結果が偶数であるときには確率変動の非獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグを非確率変動状態で格納する。即ち、確率変動の獲得の有無は大当りの発生を条件に「1/2」の確率で振分けられる。
CPU56は確率変動の獲得の有無を判定すると、ステップS98で演出パラメータに相当する変動パターンを設定する。この変動パターンは左特別図柄〜右特別図柄の組合せが決まる様子をどのような内容で演出するかを設定するパラメータとして機能するものであり、大当り判定時には第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードの設定状態とは無関係な同一の態様で変動パターンが設定される。
メイン制御装置56のROM58には、図26に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、CPU57は図24のステップS98へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1に応じた変動パターンを選択的に設定する。例えばランダムカウンタR1が「10」であるときには変動パターン「34」が検出され、変動パターンが「34」に設定される。
CPU57は図24のステップS95でRAM59の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS99へ移行する。そして、特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR2を検出し、19個の外れリーチ値「5,11,23,31,43,53,61,79,89,97,113,127,139,149,157,163,173,181,193」と比較する。
CPU57はランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、RAM59の外れリーチエリア(図15参照)に外れリーチの判定結果を格納する。そして、ステップS101でRAM59の特別図柄用の外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR6を検出し、ROM58の図柄テーブル(図25参照)からランダムカウンタR6の1桁目に対応する図柄,2桁目に対応する図柄,3桁目に対応する図柄を検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄に設定する。
CPU57は外れリーチ図柄を設定すると、ステップS102でRAM59の時間短縮エリア(図15参照)から時間短縮モードの設定状態を検出する。この時間短縮エリアは時間短縮モードの現在の設定状態が格納されたものであり、CPU57は時間短縮エリアに通常モードが格納されていることを検出したときには時間短縮モードが設定されていないと判断し、ステップS103へ移行する。また、時間短縮エリアに第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが格納されていることを検出したときには時間短縮モードが設定されていると判断し、ステップS105へ移行する。
メイン制御装置56のROM58には、図27に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔSとランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔSとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中特別図柄−左特別図柄(=中特別図柄−右特別図柄)」を称する。
CPU57は図24のステップS103へ移行すると、図27の外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを選択的に設定する。例えばランダムカウンタR1が「10」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 2 10」であるときには変動パターン「3」が設定される。即ち、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれも設定されていない通常状態で外れリーチが判定されたときには複数の変動パターン「2」〜「25」の中からランダムカウンタR1の取得結果および停止図柄の差分ΔSに応じたものが無作為に選択される。
メイン制御装置56のROM58には、図28に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1の全ての値に特定の1種類の変動パターンを対応させたものであり、CPU57は図24のステップS105へ移行すると、図28の変動パターンテーブルから変動パターン「2」を一義的に設定する。即ち、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの設定状態で外れリーチが判定されたときには特定の変動パターン「2」が作為的に設定される。
CPU57は図24のステップS99でランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、RAM59の外れリーチエリアに完全外れの判定結果を格納する。そして、ステップS100で外れリーチエリアから完全外れの判定結果を検出し、ステップS104へ移行する。
CPU57はステップS104へ移行すると、RAM59の特別図柄用の完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR6を検出する。そして、ROM58の図柄テーブル(図25参照)からランダムカウンタR6の1桁目に対応する図柄,2桁目に対応する図柄,3桁目に対応する図柄を検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄に設定する。
CPU57は完全外れ図柄を設定すると、ステップS102でRAM59の時間短縮エリアの格納データに基いて時間短縮モードの設定状態を判断する。そして、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれも設定されていないことを検出したときにはステップS103へ移行し、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが設定されていることを検出したときにはステップS105へ移行する。
メイン制御装置56のROM58には、図29の(a)に示すように、完全外れ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1の全ての値に特定の1種類の変動パターンを対応させたものであり、CPU57は図24のステップS103へ移行すると、図29の(a)の変動パターンテーブルから変動パターン「1」を一義的に設定する。即ち、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれも設定されていない状態で完全外れが判定されたときには完全外れ用の変動パターン「1」が一義的に設定される。
メイン制御装置56のROM58には、図29の(b)に示すように、完全外れ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1の全ての値に特定の1種類の変動パターンを対応させたものであり、CPU57は図24のステップS105へ移行すると、図29の(b)の変動パターンテーブルから変動パターン「0」を一義的に設定する。即ち、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが設定されている状態で完全外れが判定されたときには完全外れ用の変動パターン「0」が一義的に設定される。
変動パターンには、図26〜図29に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左特別図柄〜右特別図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、CPU57は図24のステップS106へ移行すると、変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間を選択的に設定する。
CPU57は変動表示時間を設定すると、図24のステップS107でRAM59の大当りエリアから判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS108で確率変動の獲得状態に基いて時間短縮の獲得状態を判定し、ステップS109で遊技制御フラグを変動表示処理に設定する。例えば確率変動の非獲得時には第1の時間短縮モードの獲得と判定し、RAM59の時間短縮エリアに第1の時間短縮モードを格納する。また、確率変動の獲得時には第2の時間短縮モードの獲得と判定し、時間短縮エリアに第2の時間短縮モードを格納する。即ち、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードは確率変動の非獲得および獲得に応じて振分けられるものである。
(9)変動表示処理
図16のステップS29の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置56のCPU57は変動表示処理で図柄制御装置73に演出コマンドおよび演出データを出力することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
CPU57は図30のステップS111でタイマT1を「0」にリセットする。このタイマT1は変動表示時間を計測するものであり、CPU57はタイマT1をリセットすると、ステップS112で図柄制御装置73にINT信号を出力し、ステップS113で演出コマンドおよび演出データを出力する。INT信号は図柄制御装置73にIRQ割込みプログラムの起動を指令するものであり、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、演出コマンドおよび演出データをIRQ割込みプログラムの中で受信する。
演出コマンドは特別図柄の変動開始を指令する変動開始コマンドからなるものであり、図柄制御装置73のCPU74は変動開始コマンドを検出することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。演出データは変動パターンの設定結果と左特別図柄〜右特別図柄の設定結果とを有するものであり、図柄制御装置73のCPU74は演出データに基づいて特別図柄の変動表示を下記の(1)〜(2)の態様で制御する。
(1)左特別図柄〜右特別図柄の設定結果:左列,中列,右列の確定停止図柄を示すものであり、図柄制御装置73のCPU74は各列の特別図柄を設定図柄で確定停止させる。
(2)変動パターンの設定結果:変動表示の演出内容を示すものであり、図柄制御装置73のCPU74は特別図柄の変動表示を変動パターンに応じた表示パターンで演出する。
メイン制御装置56のCPU57は演出コマンド等を出力すると、図30のステップS114でタイマT1をスタートさせる。この演出コマンド等の出力後には図柄制御装置73のCPU74が図柄表示装置27に特別図柄の変動表示を行っており、タイマT1は変動表示の開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
CPU57はタイマT1をスタートさせると、ステップS115でRAM59の時間短縮エリアから時間短縮モードの設定状態を検出する。ここで時間短縮エリアに第1の時間短縮モードが格納されていることを検出したときにはステップS116へ移行し、カウンタN4に「1」を加算することに基いて第1の時間短縮モードの継続回数(時間短縮回数)を計測する。
CPU57はステップS117へ移行すると、RAM59の特別図柄用のカウンタデータエリアを整理する。この処理はカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E3に保留データ記録部E2〜E4の格納データを上書きするものである。例えば保留データ記録部E1だけにランダムカウンタR1〜R5が格納されているときには保留データ記録部E1に保留データ記録部E2のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E1のランダムカウンタR1〜R5が消去される。また、保留データ記録部E1〜E4の全てにランダムカウンタR1〜R5が格納されているときには保留データ記録部E2〜E4のランダムカウンタR1〜R5が前段の保留データ記録部E1〜E3に移動され、保留データ記録部E4にデフォルトデータが記録される。即ち、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部E2の格納データに基づいて特別図柄設定処理や変動パターン設定処理等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E3の格納データに基づいて特別図柄設定処理や変動パターン設定処理等が行われる。
CPU57は特別図柄用のカウンタデータエリアを整理すると、ステップS118でカウンタN1から「1」を減算し、ステップS119で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。このカウンタN1は、上述したように、保留球数を計測するものであり、次のタイマ割込み処理ではカウンタN1の減算結果が検出され、カウンタN1の減算結果に基づいて保留球ランプ25が点灯制御される。従って、変動表示の開始後に保留球ランプ25が消灯し、保留球数の減少が変動開始後に遊技者に報知される。
カウンタN1は特別図柄始動口28に対するパチンコ球Pの入賞個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、演出コマンド等が出力された特別図柄の変動開始直後にはカウンタN1が減算され、カウンタN1が上限値まで加算されていたときでもカウンタN1に加算の余地が生成される。このカウンタN1の減算状態ではカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で特別図柄始動信号有りが記録されたときには特別図柄用データ取得処理でカウンタN1が加算され、特別図柄用のカウンタデータエリアにランダムカウンタR1〜R5が新たに格納される。
(10)全図柄停止処理
図16のステップS30の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置56のCPU57は全図柄停止処理で図柄制御装置73のCPU74に演出コマンドを出力し、変動表示を終了させる(図柄確定)。
CPU57は図31のステップS121でタイマT1の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。このタイマT1は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU57はタイマT1の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS122でタイマT1を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
CPU57は変動表示時間の計測を終えると、ステップS123で図柄制御装置73にINT信号を出力し、ステップS124で演出コマンドとして全図柄停止コマンド(図柄確定コマンド,可変停止指令)を出力する。この変動表示時間の経過時点では左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
CPU57は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS125でRAM59の大当りエリアから判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りが格納されていることを検出したときにはステップS126で時間短縮回数用のカウンタN4に「0」を投入することに基いてカウンタN4をリセットし、ステップS127へ移行する。
CPU57はステップS127へ移行すると、図柄制御装置73にINT信号を出力する。そして、ステップS128で図柄制御装置73に時間短縮コマンドを出力し、ステップS129で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。すると、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を検出することに基いてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で時間短縮コマンドを検出することに基いて第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードに移行したことを検出する。即ち、時間短縮コマンドは図柄制御装置73に時間短縮モードの設定を報知するモード設定信号に相当するものである。
CPU57はステップS125で大当りエリアに外れが格納されていることを検出したときにはステップS130へ移行し、RAM59の時間短縮エリアから時間短縮モードの設定状態を検出する。ここで時間短縮エリアに第1の時間短縮モードが格納されていることを検出したときにはステップS131へ移行し、時間短縮回数用のカウンタN4を上限値Max(具体的には100)と比較する。ここで「N4=Max」を検出したときにはステップS132でRAM59の時間短縮エリアに通常モードを記録すること基づいて第1の時間短縮モードを解除し、ステップS133へ移行する。即ち、第1の時間短縮モードの設定状態で変動表示回数が上限値に達しても大当りが発生しないときには第1の時間短縮モードが自動的に解除される。
CPU57はステップS133へ移行すると、図柄制御装置73にINT信号を出力する。そして、ステップS134で図柄制御装置73に時間短縮解除コマンドを出力し、ステップS135で遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。すると、図柄制御装置73のCPU74はINT信号を検出することに基いてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で時間短縮解除コマンドを検出することに基いて第1の時間短縮モードが解除されたことを検出する。即ち、時間短縮解除コマンドは図柄制御装置73に時間短縮モードの解除を報知するモード解除信号に相当するものである。
(11)大当り遊技処理
図16のステップS31の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置56のCPU57は大当り遊技処理の中で大当りラウンドを実行し、図柄制御装置73に演出コマンドおよび演出データを出力することに基づいて図柄表示装置27に大当りラウンド表示を行う。
メイン制御装置56のCPU57は図32のステップS141へ移行すると、大入賞口37の開放状態を判断する。この判断処理は開放フラグの設定状態に基いて行われるものであり、CPU57は開放フラグが閉鎖状態にセットされていることを検出したときには大入賞口37が閉鎖されていると判断する。そして、ステップS142へ移行し、カウンタN2を上限値「14」と比較する。このカウンタN2は大入賞口37の開放回数(大当りラウンド回数)を計測するものであり、CPU57は「N2≦14」を検出したときにはステップS143へ移行する。
CPU57はステップS143へ移行すると、カウンタN2に「1」を加算し、ステップS144でタイマT2を「0」にリセットする。このタイマT2は大入賞口37の開放時間(大当りラウンドの継続時間)を計測するものであり、CPU57はタイマT2を「0」にリセットすると、ステップS145へ移行する。
CPU57はステップS145へ移行すると、図柄制御装置73にINT信号を出力することに基づいてIRQ割込みプログラムの起動を指令する。そして、ステップS146へ移行し、図柄制御装置73に演出コマンドとして大当りラウンドコマンドを出力し、演出データとして大当りラウンドデータ(カウンタN2の計測値)を出力する。
図柄制御装置73のCPU74はINT信号を検出すると、IRQ割込みプログラムを起動する。そして、IRQ割込みプログラムで演出コマンドおよび演出データを検出し、図柄表示装置27に大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数(カウンタN2の計測値)に応じた大当りラウンド背景を表示するものであり、大当りラウンド背景の前方には現在の大当りラウンド回数(カウンタN2の計測値)が数値で表示される。
CPU57は演出コマンド等を出力すると、ステップS147で大入賞口ソレノイド40に駆動電源を印加し、大入賞口37を開放する(大当りラウンド動作の開始)。これにより、パチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
CPU57は大入賞口37を開放すると、ステップS148で開放フラグを開放状態にセットすることに基づいて大入賞口37の開放を記録する。そして、ステップS149で開放時間用のタイマT2をスタートさせ、大入賞口37の開放時間を計測開始する。
例えば大当りの判定直後には開放フラグが閉鎖状態にセットされ、カウンタN2が「0」にリセットされている。従って、CPU57はステップS141からS142,S143へ移行し、カウンタN2に「1」を加算する。そして、ステップS144でタイマT2をリセットし、ステップS147で大入賞口37を開放する。
CPU57は大入賞口37の開放状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS141で開放フラグが開放状態にセットされていることを検出し、ステップS150でカウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することに基づいてカウントセンサ41から出力されるものであり、CPU57はRAM59の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウント信号有りと判断し、ステップS151でカウンタN3に「1」を加算する。このカウンタN3は1回の大当りラウンド動作中に何個のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したかを計測するものであり、CPU57はパチンコ球Pの入賞個数を計測すると、ステップS152へ移行する。
CPU57はステップS152へ移行すると、図柄制御装置73にINT信号を出力する。そして、ステップS153で演出コマンドとして入賞数コマンドを出力し、演出データとして入賞数データを出力する。この入賞数データは入賞個数用のカウンタN3の計測値を有するものであり、図柄制御装置73のCPU74はIRQ割込みプログラムの中で入賞数コマンドおよび入賞数データを検出し、図柄表示装置27に入賞数表示を行う。この入賞数表示は大当りラウンド回数に応じた大当りラウンド背景の前方にカウンタN3の計測値を数値表示することで行われるものであり、大当りラウンド中にパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したときには入賞数がカウントアップ表示される。
CPU57は演出コマンド等を出力すると、ステップS154でカウンタN3の計測値を上限値「10個」と比較し、ステップS155で開放時間用のタイマT2の計測値を上限値「27秒」と比較する。ここで「N3≧10個」および「T2≧27秒」のいずれかを検出したときにはステップS156で大入賞口ソレノイド40を断電することに基づいて大入賞口37を閉鎖する。即ち、大当りラウンドは規定個数のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞するか、大入賞口37の開放時間が上限値に達することに基づいて終了する。
CPU57はステップS156で大当りラウンドを終えると、ステップS157でタイマT2を停止することに基づいて開放時間の計測動作を終える。そして、ステップS158で入賞個数用のカウンタN3を「0」にリセットし、ステップS159で開放フラグを閉鎖状態にセットすることに基づいて大入賞口37の閉鎖を記録する。
CPU57は大入賞口37の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS141からS142へ移行し、大当りラウンド回数用のカウンタN2を上限値「14」と比較する。ここで「N2>14」を検出したときにはステップS160で大当りラウンド回数用のカウンタN2を「0」にリセットし、ステップS161で遊技制御フラグを制御データ設定処理にセットする。即ち、大当りラウンドの繰返し回数には上限値「15回」が設定されており、大当りラウンドの継続回数が15回に達したときには大当り遊技処理が終了する。
<図柄制御装置73の内部処理について>
図柄制御装置73のCPU74は電源が投入されると、図33のステップS201で割込み禁止を設定し、ステップS202でRAM76の全データおよびI/O80を初期設定する。そして、ステップS203でVDP77にデモ表示コマンドを出力し、ステップS204で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
VDP77はデモ表示コマンドを検出すると、VROM78から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にデモンストレーション表示(デモ表示と称する)を行う。このデモ表示は遊技者に客待ち状態にあることを報知するものであり、具体的にはデモ背景の前方に製造社名および機種名等を表示することで行われる。
CPU74はステップS204で割込みを許可すると、ステップS205のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は特別図柄用の表示パターンを無作為に選択するためのランダムカウンタR10を「1」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタR10の加算処理は「0」から上限値「191」に加算された後に「0」に戻ってリング状に行われる。
CPU74はメイン制御装置56からのINT信号を検出すると、図34のIRQ割込みプログラムを起動する。そして、ステップS211でメイン制御装置55からの演出コマンドおよび演出データ等を検出し、RAM76のコマンドエリアおよびデータエリアに格納する。
図35のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、図柄制御装置73のCPU74はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS221の時間短縮モード設定処理〜ステップS224の大当り表示処理を有するものであり、ステップS221の時間短縮モード設定処理〜ステップS224の大当り表示処理の詳細は次の通りである。
(1)時間短縮モード設定処理
図35のステップS221の時間短縮モード設定処理はメイン制御装置56からのコマンドに基いて時間短縮モードの設定および設定解除を行うものであり、図柄制御装置73のCPU74は図36のステップS231でRAM79のコマンドエリアに時間短縮コマンドが格納されているか否かを検出する。この時間短縮コマンドはメイン制御装置56が第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードを設定することに基いて出力するものであり、CPU74は時間短縮コマンドを検出したときにはステップS232でRAM79のモードエリアに時間短縮モードを記録することに基いて時間短縮モードを設定し、ステップS233でRAM79の時間短縮コマンドを消去する。
CPU74は図36のステップS234へ移行すると、RAM79のコマンドエリアに時間短縮解除コマンドが格納されているか否かを検出する。この時間短縮コマンドはメイン制御装置56が第1の時間短縮モードを解除することに基いて出力するものであり、CPU74は時間短縮解除コマンドを検出したときにはステップS235でRAM79のモードエリアに通常モードを記録することに基いて時間短縮モードを解除し、ステップS236でRAM79の時間短縮解除コマンドを消去する。
(2)普通図柄変動表示処理
図35のステップS222の普通図柄変動表示処理は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動状態および確定停止状態で順に表示し、普通図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、普通図柄が当りの組合せで確定停止したときにはメイン制御装置56が特別図柄始動口28を拡大し、特別図柄始動口28に対するパチンコ球Pの入賞確率を高める。
図柄制御装置73のCPU74は図37のステップS241へ移行すると、RAM76のコマンドエリアに普通図柄用の変動開始コマンドが格納されているか否かを判断する。この変動開始コマンドはメイン制御装置56がパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート34に対する通過を検出することに基づいて普通図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU74はコマンドエリアに普通図柄用の変動開始コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS242へ移行する。
CPU74はステップS242へ移行すると、VDP77に普通図柄の変動開始コマンドを出力する。そして、ステップS243へ移行し、RAM76のコマンドエリアに格納している普通図柄用の変動開始コマンドを消去する。VDP77はCPU74から普通図柄の変動開始コマンドを検出すると、VROM78から必要な表示データを読出し、普通図柄の変動表示を開始する。この変動表示は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を横2列に可変表示するものであり、各列の普通図柄の可変順序は「3」および「7」の交互である。
CPU74はステップS244へ移行すると、RAM76のコマンドエリアに普通図柄用の変動停止コマンドが格納されているか否かを検出する。この普通図柄用の変動停止コマンドは変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間が経過することに基いてメイン制御装置56が出力するものであり、上述したように、時間短縮モードの設定時には普通図柄の変動開始から相対的に短時間が経過した時点で出力され、時間短縮モードの非設定時には普通図柄の変動開始から相対的に長時間が経過した時点で出力される。
CPU74はステップS244でRAM76のコマンドエリアに普通図柄用の変動停止コマンドが格納されていることを検出すると、RAM76のデータエリアから普通図柄の設定結果を検出する。そして、ステップS245でVDP77に普通図柄の変動停止コマンドおよび設定結果を出力し、ステップS246でコマンドエリアの普通図柄の変動停止コマンドおよびデータエリアの普通図柄の設定結果を消去する。
VDP77はCPU74から普通図柄の変動停止コマンドおよび設定結果を検出すると、VROM78から必要な表示データを読出す。そして、普通図柄の変動表示を設定結果で停止させ、当り図柄および外れ図柄を静止表示する。この静止表示は普通図柄の確定表示に相当するものであり、遊技者には2列の普通図柄の静止状態での組合せによって当りおよび外れの判定結果が確定的に報知されることになる。
(3)特別図柄変動表示処理
図35のステップS223の特別図柄変動表示処理は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に特別図柄を変動状態,仮停止状態,確定停止状態で順に表示し、特別図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、特別図柄が大当りの組合せで確定停止したときにはメイン制御装置56が大当りラウンドを開始し、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞することを許容する。
図柄制御装置73のCPU74は図38のステップS251へ移行すると、RAM76のコマンドエリアに特別図柄用の変動開始コマンドが格納されているか否かを判断する。この変動開始コマンドはメイン制御装置56がパチンコ球Pの特別図柄始動口28に対する入賞を検出することに基づいて特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU74はコマンドエリアに特別図柄用の変動開始コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS252でランダムカウンタR10の現在の計測値を取得する。
図柄制御装置73のROM75には、図39に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタR10から表示パターンを選択するためのものであり、図柄制御装置73のCPU74は図38のステップS253へ移行すると、RAM76のデータエリアから特別図柄用の変動パターンを検出し、変動パターンの検出結果およびランダムカウンタR10の取得結果に応じた表示パターンを表示パターンテーブルから選択的に設定する。尚、表示パターンは演出パターンに相当するものである。
表示パターンは各列の特別図柄の可変速度,各列の特別図柄の仮停止タイミング,特別図柄用背景の種類,特別図柄用背景の切換えタイミング,キャラクタの表示タイミング,キャラクタの種類等を示すものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定されている。
図40は表示パターン「0」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「0」は変動パターン「0」の検出時にランダムカウンタR10に拘らず一義的に選択されるものであり、変動パターン「0」は第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの設定状態で完全外れが判定された場合に一義的に選択されるものである。
表示パターン「0」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景Aが表示される。また、キャラクタの表示は行われず、左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄は通常変動状態から同時に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM76のデータエリアに格納されているメイン制御装置56からの特別図柄の設定結果で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が完全外れの組合せになる。
表示パターン「0」は変動表示時間「T0」が残りの全ての表示パターンの変動表示時間「T1」〜「T58」に比べて短く設定されたものであり、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの設定状態で完全外れが判定されたときには変動表示時間が相対的に短縮されることになる。
図41は表示パターン「1−1」および「1−2」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。これら表示パターン「1−1」および「1−2」は完全外れが判定された変動パターン「1」の検出時にランダムカウンタR10の取得結果に応じて選択されるものであり、変動パターン「1」は第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードの非設定状態で完全外れが判定された場合に一義的に選択されるものである。
表示パターン「1−1」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景Aが表示される。また、キャラクタの表示は行われず、左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM76のデータエリアに格納されているメイン制御装置56からの特別図柄の設定結果で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が完全外れの組合せになる。表示パターン「1−2」は表示パターン「1−1」と同系統のものであり、3列の変動状態でキャラクタの表示を瞬間的に行うことに基いてリーチの発生を予告する点で表示パターン「1−1」と相違する。
図42は表示パターン「2−1」および「2−2」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。これら表示パターン「2−1」および「2−2」は外れリーチが判定された変動パターン「2」の検出時にランダムカウンタR10に応じて選択されるものであり、変動パターン「2」は第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが設定されている状態では外れリーチが判定されることに基いて作為的に設定され、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれもが設定されていない状態ではランダムカウンタR1および停止図柄の差分ΔSに応じて無作為に設定される。
表示パターン「2−1」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景Aが表示され、キャラクタの表示は行われない。また、左特別図柄および右特別図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止し、中特別図柄は通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM76のデータエリアに格納されているメイン制御装置56からの特別図柄の設定結果で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れリーチの組合せになる。表示パターン「2−2」は表示パターン「2−1」と同系統のものであり、3列の変動状態でキャラクタの表示を瞬間的に行うことに基いてリーチの発生を予告する点で表示パターン「2−1」と相違する。
図43は表示パターン「12−1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「12−1」は外れリーチが判定された変動パターン「12」の検出時にランダムカウンタR10に応じて選択的に設定されるものであり、変動パターン「12」は第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれもが設定されていない状態で外れリーチが判定された場合にランダムカウンタR1および停止図柄の差分ΔSに応じて選択的に設定され、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが設定されている状態では設定されない。
表示パターン「12−1」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景A→背景C→背景Aが切換え表示される。また、左特別図柄および右特別図柄は通常変動状態から仮停止した後に消滅し、中特別図柄は通常変動状態から消滅する。この中特別図柄の消滅は特別図柄遊技用背景が「A」から「C」に切換わると同時に行われるものであり、特別図柄遊技用背景の切換え状態ではリーチアクション用キャラクタが表示され、所定の動作を行うアニメーション画面が表示される。このアニメーション画面はリーチアクション用キャラクタの動作内容に応じて大当り発生の有無を遊技者にイメージさせるものであり、スペシャルリーチと称される。
図44は表示パターン「12−1」の設定時に表示されるスペシャルリーチを説明するものであり、表示パターン「12−1」の設定時には、図44の(a)に示すように、リーチアクション用のキャラクタMが釣りを行い、図44の(b)に示すように、狙いとは別の長靴のキャラクタFを釣上げる演出のリーチアクションが表示される。このリーチアクションの終了時には、図44の(c)に示すように、キャラクタとして「残念」のメッセージが表示された後、特別図柄遊技用背景が「C」から「A」に切換わり、図44の(d)に示すように、3列の特別図柄が外れリーチの組合わせで仮表示される。
図45は表示パターン「58−1」の設定時に表示されるスペシャルリーチを説明するものである。この表示パターン「58−1」は大当りが判定された変動パターン「58」の検出時にランダムカウンタR10に応じて選択的に設定されるものであり、変動パターン「58」は第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードのいずれもが設定されていない状態で大当りが判定された場合にも、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードが設定されている状態で大当りが判定された場合にもランダムカウンタR1および停止図柄の差分ΔSに応じて無作為に設定される。この表示パターン「58−1」は表示パターン「12−1」と同系統のものであり、狙いの魚のキャラクタFを釣上げるリーチアクションが表示される点(図45のb参照)、リーチアクションの終了時にキャラクタとして「大当り」のメッセージが表示される点(図45のc参照)を除いて表示パターン「12−1」と演出内容が同一である。
第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの有効状態で外れリーチが判定されたときには特定の変動パターン「2」に基いて表示パターン「2−1」または「2−2」が設定され、図42のノーマルリーチが発生する。また、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの有効状態で大当りが判定されたときには変動パターン「26」〜「58」の中からランダムカウンタR1に応じたものが無作為に設定され、変動パターン「26」〜「58」に応じた表示パターンに基いてリーチが発生する。
図柄制御装置73のCPU74は変動パターン「26」の検出時には表示パターン「26−1」および「26−2」を選択的に設定する。これら表示パターン「26−1」および「26−2」は表示パターン「2−1」および「2−2」と同一内容のノーマルリーチを発生させ、中列の低速変動状態の特別図柄を左列および右列と同一の大当り図柄で変動停止させるものである。
CPU74は変動パターン「27」〜「58」の検出時にはスペシャルリーチ用の表示パターンを設定する。これら各スペシャルリーチはノーマルリーチとは演出内容が相違するものであり、具体的にはリーチアクション用キャラクタの挙動によって大当り発生の有無を遊技者にイメージさせたり、特別図柄の変動方向がノーマルリーチと異なる左右方向に変化したり、有効ラインが複数本に増えたりするものである。即ち、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの設定状態でノーマルリーチ以外のスペシャルリーチが出現したときには100%の確率で大当りが確定的に発生することになる。
CPU74は表示パターンを設定すると、図38のステップS254でVDP77に変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP77は表示パターンに応じた表示データをVROM78から検出し、図柄表示装置27の特別図柄表示領域HE内に表示パターンに応じた演出内容で特別図柄の変動表示を行う。
CPU74は特別図柄の変動表示を開始すると、ステップS255でコマンドエリアの特別図柄用の変動開始コマンドおよびデータエリアの特別図柄の設定結果等を消去し、ステップS256へ移行する。ここでRAM76のコマンドエリアから時間短縮モードの設定状態を検出し、時間短縮モードが設定されていることを検出したときにはステップS257でスピーカ制御装置82およびランプ制御装置88にINT信号を出力し、ステップS258で時短報知コマンドを出力する。
INT信号はスピーカ制御装置82のCPU83およびランプ制御装置88のCPU89にIRQ割込みプログラムの起動を指令するものであり、スピーカ制御装置82のCPU83およびランプ制御装置88のCPU89はINT信号を検出することに基いてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御装置73からの時短報知コマンドをIRQ割込みプログラムの中で検出する。
スピーカ制御装置82のCPU83は時短報知コマンドを検出することに基いてスピーカ6から効果音「時短中です」を出力し、ランプ制御装置88のCPU89は時短報知コマンドを検出することに基いて全てのコーナランプ21および全てのサイドランプ23を点灯させる。即ち、第1の時間短縮モード中および第2の時間短縮モード中には特別図柄の変動開始タイミングでスピーカ6が専用の音的演出を行い、コーナランプ21およびサイドランプ23が専用の電飾的演出を行うことに基いて時間短縮モード中であることを遊技者に報知する。
図柄制御装置73のCPU74は図38のステップS259へ移行すると、コマンドエリアに全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドはメイン制御装置56が変動表示時間の経過を検出することに基づいて出力するものであり、CPU74は全図柄停止コマンドを検出すると、ステップS260でVDP77に特別図柄用の図柄確定コマンドを出力し、ステップS261でコマンドエリアの全図柄停止コマンドを消去する。
全図柄停止コマンドはメイン制御装置56が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置73が変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定される。従って、図柄制御装置73のCPU74が全図柄停止コマンドを検出してVDP77に図柄確定コマンドを出力するときには左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にある。この仮停止状態ではVDP77が左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を上下に揺らしており、VDP77は図柄確定コマンドを検出すると、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を水平な1本の有効ライン上に静止した確定状態で表示する。
例えば変動パターン「12−1」の設定時にはメイン制御装置56から図柄制御装置73に変動表示時間「T12」の経過タイミングで全図柄停止コマンドが出力される。この変動パターン「12」の設定時には図柄制御装置73が表示パターン「12−1」を変動表示時間「T12」で終了するように設定している。この変動表示時間「T12」の経過時点では、図43に示すように、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が仮停止状態にあり、VDP77はCPU73からの図柄確定コマンドを左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の仮停止状態で検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から確定状態に切換える。
(4)大当り表示処理
図35のステップS224の大当り表示処理は大当り遊技中に大当りラウンド回数に応じた大当りラウンド背景を表示し、大当りラウンド背景の前方にキャラクタとして大当りラウンド情報を報知するものであり、CPU74は図46のステップS271へ移行すると、RAM76のコマンドエリアに大当りラウンドコマンドが格納されているか否かを検出する。この大当りラウンドコマンドはメイン制御装置56が大当りラウンドの開始時に大当りラウンド回数(カウンタN2)と共に出力するものであり、CPU74は大当りラウンドコマンドを検出すると、ステップS272でRAM76のデータエリアから大当りラウンド回数を検出し、ステップS273へ移行する。
CPU74はステップS273へ移行すると、大当りラウンド回数に応じた表示パターンを設定し、VDP77にラウンドコマンドおよびラウンドデータを出力する。このラウンドデータは表示パターンの設定結果を有するものであり、VDP77はラウンドコマンドおよびラウンドデータを検出すると、VROM78から必要な表示データを検出し、図47に示すように、図柄制御装置27の特別図柄変動領域TE内に大当りラウンド背景および大当りラウンド回数(R)を表示する。
CPU74はVDP77に大当りラウンド表示を指令すると、図46のステップS274でコマンドエリアの大当りラウンドコマンドおよびデータエリアの大当りラウンドデータを消去し、ステップS275でRAM76のコマンドエリアに入賞数コマンドが記録されているか否かを検出する。この入賞数コマンドは大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置56がカウンタN3(大入賞口37に対するパチンコ球Pの入賞数)と共に出力するものであり、CPU74は入賞数コマンドを検出すると、ステップS276へ移行する。
CPU74はステップS276へ移行すると、RAM76のデータエリアからカウンタN3を検出し、ステップS277でVDP77に入賞数コマンドおよびカウンタN3を出力し、ステップS278でコマンドエリアの入賞数コマンドおよびデータエリアの入賞数N3を消去する。
VDP68は入賞数コマンドおよびカウンタN3を検出すると、VROM78から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27の特別図柄表示領域TE内に入賞数表示を行う。この入賞数表示は、図47に示すように、「N3個」を表示するものであり、入賞数の表示は大当りラウンド背景の前方で行われる。
上記実施例によれば、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの有効状態で外れリーチが判定されたときには特定の変動パターン「2」を作為的に設定し、特定の変動パターン「2」に応じた特定の表示パターン「2−1」または「2−2」でリーチ演出を行った。また、第1の時間短縮モードまたは第2の時間短縮モードの有効状態で大当りが判定されたときには変動パターン「26」〜「58」の中からランダムカウンタR1の取得結果に応じたものを無作為に設定し、変動パターン「26」〜「58」の設定結果に応じた表示パターンでリーチ演出を行った。このため、特定の表示パターン「2−1」および「2−2」と異なるスペシャルパターンでリーチが発生したときには大当りが必ず発生するようになる。この場合、メイン制御装置56が行う変動パターンの設定態様に変化を付与することに基いてリーチ演出の出現態様に変化を付けたので、図柄制御装置73が複雑な態様で表示パターンを設定する必要がなくなり、図柄制御装置73の処理内容の複雑化が防止される。
また、メイン制御装置56から図柄制御装置73に時間短縮コマンドを送信することに基いて第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードの設定を報知した。このため、図柄制御装置73がスピーカ制御装置82およびランプ制御装置88に時短報知コマンドを出力することに基いてスピーカ6およびコーナランプ21等を特定態様で駆動し、第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードの有効化を遊技者に報知することができる。
尚、上記実施例においては、外れリーチの判定時に特定の変動パターン「2」を一義的に選択する特定リーチ選択モードとして第1の時間短縮モードおよび第2の時間短縮モードを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば下記(1)〜(4)のモードであっても良い。
(1)メイン制御装置56が特定の特別図柄(例えば「1 2 3」)を設定することに基いて特定リーチ選択モードを設定し、別の特定図柄(例えば「3 2 1」)を設定することに基いて特定リーチ選択モードを解除する。
(2)メイン制御装置56が特定の変動パターン(例えば外れリーチ用の変動パターン「12」)を設定することに基いて特定リーチ選択モードを設定し、別の特定の変動パターン(例えば外れリーチ用の変動パターン「13」)を設定することに基いて特定リーチ選択モードを解除する。
(3)メイン制御装置56が電源投入時および大当り発生時等を基準に特別図柄の変動表示回数を計測し、変動表示回数が第1の設定値に到達することに基いて特定リーチ選択モードを設定し、変動表示回数が第2の設定値に到達することに基いて特定リーチ選択モードを解除する。
(4)メイン制御装置56が特別図柄始動口28内にパチンコ球Pが入賞したことを条件にランダムカウンタの計測値を取得し、ランダムカウンタの取得結果を第1の設定値および第2の設定値と比較する。そして、ランダムカウンタの取得結果が第1の設定値と同一である場合に特定リーチ選択モードを設定し、第2の設定値と同一である場合に特定リーチ選択モードを解除する。このランダムカウンタはR1〜R8のいずれかと兼用しても良く、あるいは、専用のものを用いても良い。
(1)〜(3)はメイン制御装置56および図柄制御装置73がROM58およびROM75に予め記録された共通のルールに基いて特定リーチ選択モードの設定・解除を判断する一例であり、図柄制御装置73はメイン制御装置56と同一の特定条件の成立を検出することに基いてメイン制御装置56が特定リーチ選択モードを設定したことを判定する。この構成の場合、図柄制御装置73が特定リーチ選択モードの設定を検出することができるので、特定リーチ選択モードの有効化を遊技者にスピーカ6・コーナランプ21等を用いて報知することができる。しかも、メイン制御装置56から図柄制御装置73にモード設定信号を送信することに基いて特定リーチ選択モードの設定を報知する必要がなくなるので、メイン制御装置56の処理内容の複雑化が防止される。
また、上記実施例においては、特定リーチ選択モードを有効化する成立条件として1種類を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば時間短縮モードの設定を条件に特定リーチ選択モードを有効化し、ランダムカウンタの計測値が第1の設定値と同一である場合にも有効化する等、特定リーチ選択モードを有効化する成立条件として複数種類を設定しても良い。
また、上記実施例においては、時間短縮モード等の1種類の条件が成立することに基いて特定リーチ選択モードを有効化したが、これに限定されるものではなく、例えば時間短縮モードの設定状態でランダムカウンタの計測値が第1の設定値になることに基いて特定リーチ選択モードを有効化する等、複数種の条件が同時に成立することに基いて特定リーチ選択モードを有効化しても良い。
また、上記実施例においては、外れリーチ用の特定の変動パターン「2」と同一展開のノーマルリーチを発生させる変動パターン「26」を特定リーチ選択モードの有効状態で大当りが判定されたときの選択肢としたが、これに限定されるものではなく、例えばノーマルリーチ用の変動パターン「26」を除外したスペシャルリーチ用の変動パターン「27」〜「58」の中から変動パターンを無作為に設定する構成としても良い。
また、上記実施例においては、図柄制御装置73とスピーカ制御装置82とランプ制御装置88とを別個のマイクロコンピュータから構成したが、これに限定されるものではなく、例えば単一のマイクロコンピュータから構成しても良い。
また、上記実施例においては、特別図柄遊技用の保留球数を4個を上限に計測したが、これに限定されるものではなく、例えば4個以外の複数値を上限に計測したり、上限値を設定しない構成としても良い。
また、上記実施例においては、変動パターン用のランダムカウンタR1を特別図柄用データ取得処理で取得したが、これに限定されるものではなく、例えば制御データ設定処理で変動パターンを設定するときに取得しても良く、要は特別図柄始動口28内に有効なパチンコ球Pの入賞があったことを条件に取得すれば良い。
また、上記実施例においては、大当りの発生を条件に確率変動の獲得状態を判定し、確率変動の獲得状態に応じて第1の時間短縮モードを選択的に有効化したが、これに限定されるものではなく、例えば確率変動機能を廃止し、大当りの発生を条件に第1の時間短縮モードを抽選で有効化したり、大当りの発生を条件に第1の時間短縮モードを確定的に有効化しても良い。
上記実施例には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の[発明1]〜[発明4]が記載されている。
[発明1]
大当り・外れリーチ・完全外れを判定し、大当り・外れリーチ・完全外れの判定結果に応じた演出パラメータを設定して出力する主制御装置と、前記主制御装置からの演出パラメータに応じて演出パターンを設定し演出パターンの設定結果に応じた内容で識別図柄の可変表示を演出する演出制御装置とを備え、前記主制御装置は特定条件の成立を検出することに基いて特定リーチ選択モードを設定するモード設定手段と、特定リーチ選択モードの設定状態で外れリーチが判定されたときには外れリーチ用の全ての選択肢の中から予め設定された特定の演出パラメータを選択し大当りが判定されたときには外れリーチ用の特定の演出パラメータと同一内容の演出を行う演出パラメータを含んだ全ての大当り用の選択肢の中から演出パラメータを選択するパラメータ選択手段とを有していることを特徴とする遊技機。
[発明2]
大当り・外れリーチ・完全外れを判定し、大当り・外れリーチ・完全外れの判定結果に応じた演出パラメータを設定して出力する主制御装置と、前記主制御装置からの演出パラメータに応じて演出パターンを設定し演出パターンの設定結果に応じた内容で識別図柄の可変表示を演出する演出制御装置とを備え、前記主制御装置は特定条件の成立を検出することに基いて特定リーチ選択モードを設定するモード設定手段と、特定リーチ選択モードの設定状態で外れリーチが判定されたときには外れリーチ用の全ての選択肢の中から予め設定された特定の演出パラメータを選択し大当りが判定されたときには外れリーチ用の特定の演出パラメータと同一内容の演出を行う演出パラメータを除外した複数の大当り用の選択肢の中から演出パラメータを設定するパラメータ設定手段とを有していることを特徴とする遊技機。
発明1〜2のそれぞれは主制御装置が行う演出パラメータの設定態様に変化を付与し、演出制御装置が演出パラメータに基いて設定する演出パターンの出現態様に変化を付けるものであり、特定リーチ選択モードの有効状態で演出の出現態様に変化ができる。即ち、外れリーチの判定時には特定の演出パターンが作為的に設定され、特定の演出パターンに応じた特定の演出が発生するので、特定の演出と異なる内容でリーチが発生したときには大当りが必ず発生するようになる。この場合、主制御装置が行う演出パラメータの設定態様に変化を付与することに基いて演出の出現態様に変化を付けているので、演出制御装置が複雑な態様で演出パターンを設定する必要がなくなり、演出制御装置の処理内容の複雑化が防止される。これら発明1〜2のそれぞれの用語の意義は次の通りである。
1.主制御装置:大当り・外れリーチ・完全外れの判定機能を有する最上位の制御装置を称する。この主制御装置は大当り等の判定処理をパチンコ球が始動口に入賞したことを条件に行い、大当り等の判定結果に応じて演出パラメータを設定するものである。ここで外れリーチとはリーチにはなるものの大当りにならない外れの一態様であり、リーチとは大当りが発生する可能性が視覚的に存在する状態を称する。また、完全外れとは外れの一態様であり、リーチすら発生しない状態を称する。
2.演出制御装置:主制御装置からの演出パラメータに応じた演出パターンを設定し、演出パターンの設定結果に応じた内容で可変表示を演出するものである。
この可変表示はパチンコ球が始動口に入賞したことを条件に行われるものであり、識別図柄を可変状態および可変停止状態で順に表示し、識別図柄の可変停止状態での態様によって遊技者に大当り等の判定結果を報知するものである。即ち、識別図柄とは大当り等を識別するための図柄であり、識別図柄の可変状態とは識別図柄が態様を変えて表示されている状態を称する。
3.モード設定手段:特定条件の成立を検出して特定リーチ選択モードを設定する手段を称する。この特定条件とは予め設定された所定条件を称するものであり、特定条件は1個または複数個のいずれでも良い。この特定条件の成立の有無を判定する判定データはパチンコ球が入賞口等に入賞したことを条件に有効になるものであることが好ましい。
4.パラメータ選択手段:パラメータ選択手段は特定リーチ選択モードの有効状態で外れリーチが判定されたときに特定の演出パラメータを作為的に設定するものである。この作為的とは設定される演出パラメータが予め決められていることであり、例えば1種類の特定の演出パターンを設定すること,複数の特定の演出パラメータを設定順序で選択することが作為的に該当する。パラメータ選択手段は特定リーチ選択モードの有効状態で大当りが判定されたときに複数の大当り用の選択肢の中から演出パラメータを無作為に設定するものである。この無作為とは複数の選択肢のいずれが設定されるのか予め決められていないことであり、例えばランダムカウンタの計測値に応じた選択肢を設定すること等が無作為に該当する。この大当り用の選択肢は外れリーチ用の特定の演出パラメータと同一内容の演出を行う演出パラメータを含んでいるもの、外れリーチ用の特定の演出パラメータと同一内容の演出を行う演出パラメータを含んでいないもののどちらでも良い。ここで同一内容とは演出の展開が視覚的に同一であることを称するものであり、識別図柄の態様は同一でなくても良い。
[発明3]
前記主制御装置は前記演出制御装置にモード設定信号を送信することに基いて特定リーチ選択モードの設定を報知するモード報知手段を備えていることを特徴とする発明1または2に記載の遊技機。
発明3は主制御装置から演出制御装置にモード設定信号を送信することに基いて特定リーチ選択モードの設定を報知するものであり、主制御装置から演出制御装置に特定リーチ選択モードに移行したことが報知されるので、演出制御装置が特定リーチ選択モードの有効化を遊技者にスピーカ・ランプ等の報知手段を用いて報知することができる。
[発明4]
前記演出制御装置は前記主制御装置と同一の特定条件の成立を検出することに基いて前記主制御装置が特定リーチ選択モードを設定したことを判定する判定手段を備えていることを特徴とする発明1または2に記載の遊技機。
発明4は演出制御装置が特定条件の成立を独自に検出することに基いて特定リーチ選択モードの設定を判別するものであり、演出制御装置が特定リーチ選択モードの設定を検出するので、特定リーチ選択モードの有効化を遊技者にスピーカ・ランプ等の報知手段を用いて報知することができる。しかも、主制御装置から演出制御装置にモード設定信号を送信することに基いて特定リーチ選択モードの設定を報知する必要がなくなるので、主制御装置の処理内容の複雑化が防止される。