JP2009170296A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雄ハウジング50には、嵌合方向の前方に延出した延出端に内向きのロック突部114を設けたロックアーム110が、シーソー状の弾性変位可能に設けられる。雌ハウジング10の外面における2個の大キャビティ25Lの間には、前後方向を向いたガイド溝131が形成され、同ガイド溝131の途中に設けられた隔壁134の裏側に、両ハウジング10,50が正規に嵌合された場合にロックアーム110のロック突部114が弾性的に嵌合されるロック凹部130が形成される。ガイド溝131並びにロック凹部130の正面から見た断面形状が、方形でかつ各大キャビティ25Lと対向した2つの角にC面132が形成された形状とされる。
【選択図】図6
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ロックアームに係止される側のコネクタハウジングの小型化を図り、なおかつロック強度を高めるところにある。
(1)前記第1のコネクタハウジングの外面における前記ロック凹部の前側には、同ロック凹部と同じ断面形状をなす前後方向を向いたガイド溝が、前記ロック凹部との間に隔壁を介し、かつ同第1のコネクタハウジングの前端面に開口して形成されている。
両コネクタハウジングが嵌合されると、ロックアームのロック突部がガイド溝に沿って進出し、途中でロックアームが弾性変位しつつロック突部が隔壁に乗り上げ、正規に嵌合されると、ロック突部が隔壁を通過することでロックアームの弾性的な復動を伴ってロック凹部に嵌り、ロックされる。ガイド溝を設けたことで、嵌合抵抗が小さく抑えられる。また、ガイド溝の断面形状が方形と比べて複雑となっているために、ロックアームのロック突部ががたつきをより有効に抑えられて進出し、嵌合動作がよりスムーズに行われる。
ロックアームが振れた姿勢で両コネクタハウジングが嵌合されたとしても、ロックアームのロック突部が誘い込み面に当たって案内されることで、ロックアームすなわち第1のコネクタハウジングが真直姿勢に向きを矯正されつつ、相手の第2のコネクタハウジングと嵌合される。
本発明の一実施形態を図1ないし図27に基づいて説明する。この実施形態では、互いに嵌合される雌コネクタFと雄コネクタMとを備えており、信号用電線となる2本のシールド電線11と、電源用電線となる1本の被覆電線12とからなる電線群同士を接続することに機能し、ハイブリッド形式のコネクタとなっている。
以下では、各コネクタF,Mについて、嵌合時に相手コネクタと対向する側を前方として説明する。
シールド電線11は、図3に示すように、軸心側から順に、芯線11A、絶縁内皮11B、編組線11C、絶縁外皮11Dを同心に備えた公知構造のものであり、このうち芯線11Aは、自動車の電気回路の信号線を構成し、編組線11Cは、同電気回路のアース線を構成する。
雌シールド端子13における雌外導体13Cと誘電体13Bとの間には、後記する相手の雄側のシールド端子53(以下、雄シールド端子53という)における外導体53C(以下、雄外導体53Cいう)が挿入されるようになっている。また、誘電体13Bの前壁には、同じく相手の雄シールド端子53における内導体53A(以下、雄内導体53Aという)のタブ54が挿入される挿入口15が形成されている。
一方、小型の雌端子20は、内部に弾性接触片を設けた角筒部21の後端側に、前後2個のバレル22A,22Bが設けられ、それぞれ被覆電線12における芯線12Aの端末と被覆12Bの端末とにそれぞれかしめ圧着されて、同被覆電線12の端末に接続されている。
大キャビティ25Lは、雌シールド端子13がほぼ緊密に挿入される略円形断面で、かつ前後方向に延出した形態をなし、雌ハウジング10における下側の略2/3の領域において、2個の大キャビティ25Lが、所定間隔を開けて左右に並んで形成されている。雌ハウジング10における底面側の左右両角部は、大キャビティ25Lよりも一回り大きい円弧形に形成されている。
各雌シールド端子13は、図3に示すように、上下反転させた姿勢において大キャビティ25L内に後方から挿入され、スタビライザ17をガイド溝27Lに沿わせつつ、かつ終盤ではランス26Lを弾性変位させつつ押し込まれ、前壁に当たる正規位置まで押し込まれると、ランス26Lが復動変位してランス孔16に嵌ることで、抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
小キャビティ25Sの底面における前端側に寄った位置には、前後方向を向いた両持ち状をなして上下方向に弾性変位可能なランス26Sが形成され、雌端子20の角筒部21における前端側の上面に突設された係止突起23に係止可能となっている。小キャビティ25Sの底面における後面から見た右端には、雌端子20の角筒部21における後端側の上面の一側縁に立てられたスタビライザ24を摺動案内するガイド溝27Sが形成されている。また、小キャビティ25Sの前壁には、後記する相手の雄端子60のタブ62が挿入可能な開口部28Sが形成されている。
雌端子20は、図4に示すように、上下反転させた姿勢において小キャビティ25S内に後方から挿入され、スタビライザ24をガイド溝27Sに沿わせつつ、かつ終盤ではランス26Sを弾性変位させつつ押し込まれ、前壁に当たる正規位置まで押し込まれると、ランス26Sが復動変位して係止突起23の後面に係止することで、抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
そのため、雌ハウジング10の下面には、リテーナ30を挿入するリテーナ挿入孔40が形成されている。リテーナ挿入孔40は、図8に示すように、雌ハウジング10の下面における長さ方向の中央部において、同下面の全幅を横切るようにして形成され、両大キャビティ25L並びに小キャビティ25Sと交差して連通するように、雌ハウジング10の上面付近まで立ち上がり形成されている。また、リテーナ挿入孔40の両端部には、雌ハウジング10の左右両側面に沿うようにして、幅広のあり溝状の係止用溝41が形成されている。
また、仕切壁33の上端には底壁構成部36が形成され、この底壁構成部36の上面には、小キャビティ25Sの下端部と整合する断面形状を持った凹溝37が形成され、この凹溝37の底面に、雌端子20のスタビライザ24に係止する係止部35Sが形成されている。
リテーナ30が仮係止位置にあるときには、係止部35L,35Sが、対応する大キャビティ25Lまたは小キャビティ25Sの下方に退避して、大キャビティ25Lへの雌シールド端子13の挿入、または小キャビティ25Sへの雌端子20の挿入を許容する。一方、雌シールド端子13、雌端子20の挿入後に、リテーナ30が本係止位置に押し込まれて保持されると、係止部35L,35Sが、対応する大キャビティ25Lまたは小キャビティ25S内に突入し、雌シールド端子13の突起18または雌端子20のスタビライザ24にそれぞれ係止し、すなわち二重係止するようになっている。
リテーナ30が本係止位置に押し込まれたときには、基部31が雌ハウジング10の下面と面一となる。
小型の雄端子60は、角筒形の本体部61の先端にタブ62が設けられるとともに、本体部61の後側に、前後2個のバレル63A,63Bが設けられており、前後のバレル63A,63Bが、被覆電線12における芯線12Aの端末と被覆12Bの端末とにそれぞれかしめ圧着されて、同被覆電線12の端末に接続されている。
各雄シールド端子53は、大キャビティ65L内に後方から挿入され、スタビライザ57をガイド溝67Lに沿わせつつ、かつ終盤ではランス66Lを弾性変位させつつ押し込まれ、雄外導体53Cの前半部分がフード部52内に突出した正規位置まで押し込まれると、ランス66Lが復動変位してランス孔56に嵌ることで、抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
雄端子60は小キャビティ65S内に後方から挿入され、スタビライザ64Bをガイド溝67Sに沿わせつつ、かつ終盤ではランス66Sを弾性変位させつつ押し込まれ、タブ62がフード部52内に突出した正規位置まで押し込まれると、ランス66Sが復動変位して係止突起64Aの後面に係止することで、抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
そのため端子収容部51の上面には、リテーナ挿入孔80が形成されている。リテーナ挿入孔80は、図15に示すように、ほぼ全幅にわたる領域において、端子収容部51の上側部分を除去するようにして、大キャビティ65Lと小キャビティ65Sとに連通して形成されている。リテーナ挿入孔80の両端部には、係止用溝81が形成されている。
また、基板71の後部側の中央からは、短寸の柱72が垂下して形成され、その柱72の下面には、小キャビティ65Sの上端部と整合する断面形状を持った凹溝73が形成され、この凹溝73の天井面に、雄端子60のスタビライザ64Bに係止する係止部75Sが形成されている。
リテーナ30が仮係止位置にあるときには、係止部75L,75Sが、対応する大キャビティ65Lまたは小キャビティ65Sの上方に退避して、大キャビティ65Lへの雄シールド端子53の挿入、または小キャビティ65Sへの雄端子60の挿入を許容する。一方、雄シールド端子53、雄端子60の挿入後に、リテーナ70が本係止位置に押し込まれて保持されると、係止部75L,75Sが、対応する大キャビティ65Lまたは小キャビティ65S内に突入し、雄シールド端子53のスタビライザ57または雄端子60のスタビライザ64Bにそれぞれ係止し、すなわち二重係止するようになっている。
リテーナ70が本係止位置にあるときには、基板71が雄ハウジング50の上面と面一となる。
ブラケットBは、導電性に優れた金属板製であって、図21に示すように、ボディとの固定箇所から片持ち状に延びた形状をなし、先端部近くの幅方向の中央部に、厚さ方向に貫通する嵌合孔Baが開口されている。
雄ハウジング50における正面から見た右側面には、ブラケット取付部85が設けられている。ブラケット取付部85は、後方へ開放する袋状に形成され、その内部がブラケット挿入空間86となっており、同ブラケット取付部85の外壁には弾性変位可能な片持ち状の取付片87が設けられ、その先端部内面に、ブラケットBの嵌合孔Baに嵌合可能な嵌合突部87Aが形成されている。
基板91は、平面矩形をなし、両側縁の中央部分には、雄ハウジング50に対して係止可能な抜け止め片95が切り起こし形成されている。端子接触片92は、基板91の前縁に一対のスリット92Bを入れるとともに、両スリット92B間の部分をさらに前方へ延出させてなる板片を折り返すことで片持ち状に形成されている。より詳細には、基板91から前方の斜め上方に延出されたのち、基板91の前端位置で基板91側へ折り返され、その折り返し部が雄シールド端子53との接点部92Aとなっており、基端部を支点として上下方向に沿って弾性変形可能とされている。
ブラケット接触片94は、側板93の前縁から前方に延出して形成され、途中位置が基板91から離間する方向に膨出した略山形をなし、その頂点部分が接点部94Aとなっており、基端を支点として基板91に対して接離する方向に弾性変形可能とされている。
両大キャビティ65Lの底壁には、基板収容部101と連通するとともに、端子接触片92が大キャビティ65L内へ進入することを許容する端子接触片挿通溝104が、それぞれ後方へ開口して形成されている。
一方、側板収容部102とブラケット挿入空間86との間には、両者を連通するとともに、ブラケット接触片94がブラケット挿入空間86内へ進入することを許容するブラケット接触片挿通溝105が、同じく後方へ開口して設けられている。
雄ハウジング50の下面側には、ロックアーム110の収容部111が膨出して形成されている。この収容部111は、図12及び図16に示すように前後両面が開口されているとともに、下面壁における後半分の領域に窓孔112が開口されている。
ロックアーム110は、全体として前後方向に延びた形状であって、収容部111内の幅方向の中央部に配されている。ロックアーム110の前端部には、上向きの鈎状をなすロック突部114が設けられている。同ロック突部114は、図12に示すように、後面が略鉛直に切り立ったロック面115とされているとともに、前面が、下端に向けて次第に前方に突出するように傾斜したガイド面116とされている。また、上面の左右両角がC面117とされている。
ロックアーム110の後端部には、下方から押圧操作可能な操作部118が設けられており、ロック突部114を備える前端部が中間部よりも幅狭に形成されるのに対し、操作部118を備える後端部が中間部よりも幅広に形成されている。
ロックアーム110は、図11に示すように、中間部の上面における幅方向の両端部に設けられた一対の支点部121が、端子収容部51の下面におけるフード部52との境目付近に連結され、自然状態では、前端部のロック突部114が切割溝120を通してフード部52内に突出した状態に形成されている。
また、ロックアーム110の操作部118における幅方向の両端部と、収容部111の左右の側壁122とが、それぞれ連結部123によって連結されている。詳細には、図16に示すように、連結部123は、その後端部が、ロックアーム110の操作部118における幅方向の両端部の前面に連結されるとともに、前端部の側縁が収容部111の側壁122の内面に連結されており、その前側の連結位置は、前後方向において上記した支点部121とほぼ同じ位置にある。両連結部123は主に、ロックアーム110の弾性力を大きく取ることに機能する。
このガイド溝131は言い換えると、雌ハウジング10の下面における両大キャビティ25Lの間の領域を利用して形成されており、基本的には、図6に示すように、上記した切割溝120よりもさらに大きい幅を持った横長の方形で、かつ天井面の左右の角部にC面132を設けた断面形状となっている。ガイド溝131をこのような断面形状としたのは、両大キャビティ25Lの周壁に所定の厚さを確保しつつ極力幅広に形成するためである。
また、このガイド溝131の出入口131Aにおける上縁並びに左右の側縁は、面取りされて誘い込み面133が形成されている。
図28にも示すように、ロック凹部130のロック面135は、言い換えるとガイド溝131と同じく幅広の断面形状であるから、ロックアーム110のロック突部114に対する掛かり代を大きく取ることができる。
雌コネクタF側では、雌ハウジング10のリテーナ挿入孔40にリテーナ30を挿入して仮係止位置に保持した状態において、図3に示すように、2個の雌シールド端子13がそれぞれ対応する大キャビティ25Lに挿入されて、ランス26Lにより一次係止され、また図4に示すように、1個の雌端子20が対応する小キャビティ25Sに挿入されて、同じくランス26Sにより一次係止される。続いて、リテーナ30が本係止位置まで押し込まれることにより、各雌シールド端子13、雌端子20が二重係止される。
それとともに、雄ハウジング50のリテーナ挿入孔80にリテーナ70を挿入して仮係止位置に保持した状態において、図11に示すように、2個の雄シールド端子53がそれぞれ対応する大キャビティ65Lに挿入されて、ランス66Lにより一次係止される。この挿入状態では、雄シールド端子53の雄外導体53Cが、大キャビティ65L内で待ち受けていたアース端子90の端子接触片92に対して弾性接触される。
また図12に示すように、1個の雄端子60が対応する小キャビティ65Sに挿入されて、同じくランス66Sにより一次係止される。続いて、リテーナ70が本係止位置まで押し込まれることにより、各雄シールド端子53、雄端子60が二重係止される。
また、取付片87を弾性変位させてロックを外すことにより、雄コネクタMをブラケットBから外すことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、キャビティと干渉することなくロックアーム(ロック突部)に対する掛かり代を大きく取るために、ロック凹部のロック面並びにガイド溝の断面形状を、基本的に横長の方形で、かつキャビティに近い側の両角部にC面を設けた断面形状としたのであるが、方形の両角部に凹んだ円弧形面を形成する等、要は、方形でかつ各キャビティと対向した2つの角に面取りが施された断面形状であればよい。
(2)上記実施形態では、2個の大キャビティが幅方向に並んだものを例示したが、上下方向に並んだものも本発明に含まれる。
(3)2個並んだ大キャビティは、上記実施形態に例示したシールド端子に限らず、被覆電線に接続された通常の端子金具を収容することに用いるものであってもよい。
(5)本発明は、アース端子を備えないタイプのコネクタにも同様に適用可能である。
(6)本発明はまた、通常の被覆電線のみからなる電線群同士を接続するタイプのコネクタにも適用でき、また極数も任意である。
M…雄コネクタ
10…雌ハウジング(第1のコネクタハウジング)
13…雌シールド端子(第1の端子)
25L…大キャビティ
50…雄ハウジング(第2のコネクタハウジング)
51…端子収容部
52…フード部
53…雄シールド端子(第2の端子)
65L…大キャビティ
110…ロックアーム
114…ロック突部
115…ロック面
116…ガイド面
130…ロック凹部
131…ガイド溝
131A…(ガイド溝131の)出入口
132…C面(面取り)
133…誘い込み面
134…隔壁
135…ロック面
136…ガイド面
Claims (3)
- 第1の端子が収容されるキャビティが少なくとも2個並んで設けられた第1のコネクタハウジングと、
この第1のコネクタハウジングを内側に嵌合可能でかつ前記第1の端子と接続される第2の端子が収容されるキャビティが対応して設けられた第2のコネクタハウジングと、が備えられ、
この第2のコネクタハウジングには、嵌合方向の前方に延出した延出端に内向きのロック突部を設けたロックアームが、前記延出端側を内外に揺動させるように弾性変位可能に設けられる一方、
前記第1のコネクタハウジングでは前記2個のキャビティが略円形断面に形成されて、同第1のコネクタハウジングの外面における前記2個のキャビティの間には、両コネクタハウジングが正規に嵌合された場合に前記ロックアームの前記ロック突部が弾性的に嵌って係止されるロック凹部が形成され、
かつ前記ロック凹部の正面から見た断面形状が、方形でかつ前記各キャビティと対向した2つの角に面取りが施された形状となっていることを特徴とするコネクタ。 - 前記第1のコネクタハウジングの外面における前記ロック凹部の前側には、同ロック凹部と同じ断面形状をなす前後方向を向いたガイド溝が、前記ロック凹部との間に隔壁を介し、かつ同第1のコネクタハウジングの前端面に開口して形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記ガイド溝の前端の開口縁には、奥側に向けて次第に窄まるように傾斜した誘い込み面が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
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