JP2009169576A - 携帯式コンピュータ - Google Patents
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Abstract
【課題】強度および断熱に優れた携帯式コンピュータを提供する。
【解決手段】システム筐体11は電子デバイスを収納する。キーボード・アセンブリ17はシステム筐体11の上面に配置される。パーム・レスト19は合成樹脂で形成されてシステム筐体の上面の一部を覆う。中間部材23は、キーボード・アセンブリの周辺部の少なくとも一部を覆う意匠部23a、23b、23cとパーム・レストの下に配置される支持部23dとを備える。中間部材の意匠部が意匠的な機能を発揮し、支持部23dが強度的な機能を発揮することにより、部材を統合して軽量化および薄型化を果たすことができる。さらに、パーム・レストは強度を必要としないため、断熱効果の大きな合成樹脂で形成することができる。
【選択図】図2
【解決手段】システム筐体11は電子デバイスを収納する。キーボード・アセンブリ17はシステム筐体11の上面に配置される。パーム・レスト19は合成樹脂で形成されてシステム筐体の上面の一部を覆う。中間部材23は、キーボード・アセンブリの周辺部の少なくとも一部を覆う意匠部23a、23b、23cとパーム・レストの下に配置される支持部23dとを備える。中間部材の意匠部が意匠的な機能を発揮し、支持部23dが強度的な機能を発揮することにより、部材を統合して軽量化および薄型化を果たすことができる。さらに、パーム・レストは強度を必要としないため、断熱効果の大きな合成樹脂で形成することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯式コンピュータの筐体構造に関する。
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)は、システム筐体にディスプレイ筐体がヒンジで開閉できるように取り付けられている。システム筐体の表面には、キーボードおよび化粧パネルが取り付けられている。これらを広義のシステム筐体としたときに、システム筐体には内部に収納する電子デバイスを保護する強度、ユーザが接触する部分の表面温度の上昇を抑える断熱、軽量化、および薄型化などのさまざまな機能が要求される。
システム筐体の構造は、当初いわゆるモノコック構造といわれる外郭となる強度を確保した箱状の筐体本体と、その上部に配置されたキーボード・アセンブリと、その周囲を覆う化粧パネルとで構成されていた。化粧パネルのうち、キーボード・アセンブリの手前にある部分をユーザがキーボード操作のときに手を保持するパーム・レストという。この化粧パネルは合成樹脂で形成されていた。
特許文献1は、パーム・レストの温度上昇を抑えた携帯型電子機器を開示する。この電子機器は、動作時に高温となる装置や部品をキーボードの下部などのパーム・レストの下部以外の部分に配置する。特許文献2は、パーム・レストとハードディスク・ドライブとの間にパーム・レストを補強する支持部材を設け、パーム・レストに加えられた衝撃をハードディスク・ドライブに伝えないようにしたノート型パーソナル・コンピュータを開示する。
特開2000−75962
特開2001−297572
パーム・レストは、ユーザがノートPCを持ち上げるときに保持する場所であり、特に強い強度が要求される。モノコック構造では、パーム・レストの強度を確保するために裏面にリブを貼り付けたり全体を厚くしたりしていたが、内部のスペースが狭くなってしまったり強度が十分でなかったりするといった問題があった。また、パーム・レストを金属で形成して強度を確保しようとすれば、内部からの放熱を受けて表面温度が上昇しやすくなり、ユーザに不快感を与えてしまうといった問題があった。
その後、システム筐体の内部に収納されたデバイスの全体を覆うような別の骨格部材を設けてこれにパーム・レストを支持させる二重構造のシステム筐体が開発された。この構造では、パーム・レストの負荷を骨格部材が支えるので強度を確保することはできるが、別部材を必要とするためにコストが上昇したり、重量が増したりするといった問題があった。したがって、システム筐体に要求されるより厳しい要求を満たすには、従来のモノコック構造や二重構造とは異なる新たな構造のシステム筐体を実現する必要がある。
そこで本発明の目的は、強度および断熱に優れた携帯式コンピュータを提供することにある。さらに本発明の目的は、薄型化および軽量化を実現した携帯式コンピュータを提供することにある。
本発明にかかる携帯式コンピュータは、電子デバイスを収納するシステム筐体と、システム筐体の上面に配置されるキーボード・アセンブリと、システム筐体の上面の一部を覆うパーム・レストと、キーボード・アセンブリの周辺部の少なくとも一部を覆う意匠部とパーム・レストの下に配置される支持部とを備える中間部材とを有する。中間部材は、意匠部と支持部という2つの機能部分を備えており、二重構造のシステム筐体では独立していた部材を一つに統合して軽量化と強度の確保を実現している。
支持部は開口部を連絡する複数のリブで構成することで、軽量化しながら強度を確保することができる。パーム・レストの下に電池パックを配置するような場合でも、中間部材とパーム・レストは別部材であり、かつ、パーム・レストの下に支持部が存在するので電池パックからの熱をパーム・レストに伝わりにくくしている。中間部材を軽金属で一体成形したりパーム・レストを合成樹脂で形成したりすると、強度、重量、および断熱の観点で有利である。パーム・レストは強度が要求されないので、断熱および意匠を考慮して材料および構造を決定することができる。
本発明により、強度および断熱に優れた携帯式コンピュータを提供することができた。さらに本発明により、薄型化および軽量化を実現した携帯式コンピュータを提供することができた。
図1は、本実施の形態にかかるノートPC10の概略的な外観を示す斜視図である。ノートPC10は、ディスプレイ筐体13に液晶ディスプレイ(LCD)モジュール15が収納されている。システム筐体11には、プロセッサ、マザー・ボード、無線モジュール、ハードディスク・ドライブなどのシステム・デバイスが収納されている。システム筐体11の上面には、キーボード・アセンブリ17とパーム・レスト19が取り付けられている。システム筐体11とディスプレイ筐体13は、ヒンジ部21a、21bで開閉可能なように結合されている。
図2は、ノートPC10のシステム筐体側の構成を示す分解斜視図である。システム筐体11は軽金属で成型され、複数のタッピング・ボス25a〜25eが底面に形成されている。システム・デバイスを収納したシステム筐体11の上には、中間部材23がタッピング・ボス25a〜25dに取り付けられ、中間部材23とシステム筐体11の底面との間にはシステム・デバイスを収納する空間が確保されている。中間部材23は、キーボード・アセンブリ17の周囲では、ディスプレイ筐体13を開いたときに露出する意匠部23a、23b、23cを備えている。
中間部材23はまた、キーボード・アセンブリ17の下ではキーボード・アセンブリ17を取り付けるためのフレーム23eと、パーム・レスト19の下部でパーム・レスト19に対してキーボード操作をするユーザの手により加えられた圧力を支える支持部23dを備えている。意匠部23a〜23c、フレーム23e、および支持部23dはマグネシウムやアルミニウムなどの軽合金のダイカストで一体成形されている。支持部23dの下には、電池パック27が配置されている。
図3は、中間部材23がシステム筐体11に取り付けられ、さらにキーボード・アセンブリ17が中間部材23のフレーム23eに取り付けられた状態を示す平面図である。意匠部23a、23b、23cは、キーボード・アセンブリ17の3方に配置されている。中間部材23は、意匠部23a、23b、23cが従来のモノコック構造や二重構造のシステム筐体に取り付けられたキーボード・ベゼルの役割を果たし、支持部23dが従来の二重構造のシステム筐体に採用されていた骨格部材の役割を果たしている。
図4は、支持部23dの一部を拡大した斜視図であり、図6は、図4のA−A断面の一部を示す断面図である。支持部23dは、パーム・レスト19の下部に配置されて、パーム・レスト19に加えられた力を支えて内部のシステム・デバイスを保護したりユーザの手を安定して保持したりする役割を果たす。支持部23dは、図6に示すように板状のリブ101a、101b、およびブリッジ状のリブ105を含んだ立体的な形状で構成されている。さらに、開口部103a、103b、103cを備えており、軽量で強度を増した構造になっている。
図5は、図4における支持部23dの上にパーム・レスト19が取り付けられた状態を示す平面図である。パーム・レスト19は、強度を要求されないために意匠および断熱だけを考慮して材料および構造を決定することができるため、金属に比べて熱伝導率の悪いABS樹脂やPC樹脂で形成することができる。さらに、パーム・レスト19は中間部材23とは別の部材で形成されているため、支持部23dの下に特に発熱の大きい電池パック27が配置されるときであっても、パーム・レスト19の表面温度は上がりにくくなり、ユーザに不快感を与えないようになっている。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
11…システム筐体
17…キーボード・アセンブリ
19…パーム・レスト
23…中間部材
23a〜23c…意匠部
23d…支持部
23e…フレーム
25a〜25e…タッピング・ボス
27…電池パック
17…キーボード・アセンブリ
19…パーム・レスト
23…中間部材
23a〜23c…意匠部
23d…支持部
23e…フレーム
25a〜25e…タッピング・ボス
27…電池パック
Claims (6)
- 携帯式コンピュータであって、
電子デバイスを収納するシステム筐体と、
前記システム筐体の上面に配置されるキーボード・アセンブリと、
前記システム筐体の上面の一部を覆うパーム・レストと、
前記キーボード・アセンブリの周辺部の少なくとも一部を覆う意匠部と前記パーム・レストの下に配置される支持部とを備える中間部材と
を有する携帯式コンピュータ。 - 前記支持部は開口部と複数のリブで構成されている請求項1に記載の携帯式コンピュータ。
- 前記複数のリブは、板状のリブとブリッジ状のリブで構成されている請求項2に記載の携帯式コンピュータ。
- 前記パーム・レストの下に配置された電池パックを有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
- 前記中間部材が軽金属で一体成形されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
- 前記パーム・レストが合成樹脂で形成されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
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