次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこの限りではない。図1〜図3に示すように、この空気調和機の室内機ユニット1は、図示しない背板を介して壁面に支持されるベースパネル100を備えており、ベースパネル100には、化粧板としての上面パネル110と、前面パネル120と、側面パネル130とが一体的に設けられている。この例において、各パネルは合成樹脂の成型品からなる。
上面パネル110には、空気を室内機ユニット1に取り込むための空気吸込グリル111が形成されている。前面パネル120の一部が開閉することにより、吸込グリルが形成されるが、この例では図示しない。
ベースパネル100には、熱交換器2とクロスフローファン(図示しない)が支持されている。本発明において、熱交換器2とクロスフローファンの具体的な構成は、任意であってよいため、その説明は省略する。
また、ベースパネル110の下面側には、空気吹出口や風向板、ディフューザーなどが設けられるが、本発明において、これらは特に限定されることがないため、その説明も省略する。
ベースパネル100の背面には、フィルタ清掃ユニット200によって駆動されるフィルタ3の一部をベースパネル100の背面側に引き込むためのガイドパネル130が背面側熱交換器に沿って設けられている。
ガイドパネル140は、フィルタ清掃ユニット200の後端に向けて開放されたS字状のフィルタガイド通路141(第2迂回通路)を有し、フィルタガイド通路141内にフィルタ3の後端側が案内されるようになっている。
上面パネル110と熱交換器2との間には、フィルタ3,3を支持するとともに、同フィルタ3,3に付着したゴミを清掃するフィルタ清掃ユニット200がさらに設けられている。
この例において、フィルタ3は、熱交換器2の右半分を覆い隠す右フィルタ3Aと、左半分を覆い隠す左フィルタ3Bの2枚のフィルタを備えるが、各フィルタ3A,3Bはともに同一形状であるため、一方のみについて説明し、他方についての説明は省略する。
図4に示すように、フィルタ3は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂の成型品からなり、フレーム部31とメッシュ部32とが一体的に形成されている。フィルタ3には、静電気の帯電を防止するため導電性樹脂が含有されていることが好ましく、さらには、防かび剤などの添加剤も添加されていてもよい。
フレーム部31の長手方向の両端(図4では左右両端)には、フィルタ3をダストボックス300を中心に前後に往復移動させるための移動レール33,33が設けられている。移動レール33,33は、後述するフィルタ清掃ユニット200に設けられた送りギア212,232に歯合するようにラックが形成されている。
フレーム部31の一部には、フィルタ3の位置を検出するための切欠孔34が設けられている。この切欠孔34に位置検出センサ280(図3参照)が嵌合されることにより、フィルタ3の位置検出が行われる。この例において、切欠孔34は移動レール33,33の側面に沿って形成されたフレーム部31の一部に設けられているが、その設置箇所は特に限定されない。
この例において、位置検出センサ280は、第1支持フレーム210と第3支持フレーム230のフィルタ支持面211,231に設けられたリミットスイッチからなるが、これ以外の位置検出手段を用いてもよい。
図5および図6に示すように、フィルタ清掃ユニット200は、右フィルタ3Aの右側の移動レール33を支持する第1支持フレーム210と、右フィルタ3Aの左側の移動レール33および左フィルタ3Bの右側の移動レール33をそれぞれ支持する第2支持フレーム220と、左フィルタ3Bの左側面を支持する第3支持フレーム230とを備え、それらの上端が水平な梁部材201によって連結されている。
図7を併せて参照して、各支持フレーム210〜230は、熱交換器2の表面に沿って弓状に形成されたフィルタ支持面211〜231を有し、フィルタ清掃時にフィルタ3の本体の外に出さすに折り返すためのU字状のガイド溝240(第1迂回通路)が設けられている。
図3に示すように、ガイド溝240は、各フィルタ支持面211,221,231の下端側に向けて導入部が開口され、U字状に折り返されて、前面側熱交換器に沿って上面パネル110側まで持ち上げられており、上端側が各フィルタ支持面211,221,231の上面パネル側の支持面に合流するように形成されている。
図2を併せて参照して、ガイド溝240のU字状に折り返された空間には、空気吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定するための、温度センサ250が取り付けられている。この例において、ガイド溝240の折り返し空間には、温度センサ250が取り付けられているが、これ以外に湿度センサなどの各種センサ類を取り付けてもよい。
フィルタ清掃ユニット200には、フィルタ3を移動させるための移動手段250が設けられている。移動手段250は、第1支持フレーム210の側面に一体的に取り付けられるモータ251と、モータ251の回転駆動力を第2支持フレーム220に設けられたクラッチ300に入力する第1伝達シャフト252と、クラッチ300を介して第1支持フレーム210に回転駆動力を伝達する第2伝達シャフト253と、クラッチ300を介して第3支持フレーム230に回転駆動力を伝達する第3伝達シャフト254とを備えている。
第1伝達シャフト252は、一方がモータ251の出力軸に接続され、他端がクラッチ300の入力側に接続されており、第1支持フレーム210と第2支持フレーム220の間に平行に架け渡されている。
第2伝達シャフト253は、一端がクラッチ300の出力側に接続され、他端が第1支持フレーム210の支持面211に突出するように設けられた送りギア212に接続されており、第1支持フレーム210と第2支持フレーム220の間に平行に架け渡されている。この例において、第2伝達シャフト253の第2支持フレーム220の軸受側にも、送りギア372が設けられている。
第3伝達シャフト254は、一端がクラッチ300の出力側に接続され、他端が第3支持フレーム230の支持面231に突出するように設けられた送りギア232に接続されており、第2支持フレーム220と第3支持フレーム230の間に平行に架け渡されている。この例において、第3伝達シャフト254の第2支持フレーム220側にも、送りギア392が設けられている。
次に、図8〜図10を参照して、クラッチ300は、第2支持フレーム220に設けられた凹部内に収納されており、第1伝達シャフト252を介して入力された回転駆動力の伝達先を選択的に切り換える切換ユニット310と、右フィルタ3Aを移動させるための第1駆動ギアユニット320と、左フィルタ3Bを移動させるための第2駆動ギアユニット330とを備えている。
この例において、切換ユニット310は、第1駆動ギアユニット320と第2駆動ギアユニット330とを選択的に切り換えて回転駆動力を伝達する、いわゆる2ウェイクラッチユニットである。
図9に示すように、切換ユニット310は、第1伝達シャフト252の回転駆動力によって常に回転する回転体340と、回転体340を回転可能に支持し、回転体340を左右にスライドさせるスライダ350とを備えている。
回転体340は、第1伝達シャフト252の中心軸に対して同軸的に取り付けられた円盤体からなり、その軸方向の両端には、スライダ350によって回転体340を第1伝達シャフト252の軸線方向に沿って左右にスライドさせるためのスライドガイド341,342が同軸的に突設されている。
回転体340の軸方向の両側面には、回転体340と各駆動ギアユニット320,330とを繋ぐための凸部343が設けられている。この例において、凸部343は120°間隔で3箇所設けられて居いるが、凸部343の数および形状は特に限定されない。
スライダ350は、回転体340の外周を囲むようにして回転フリーな状態で保持する枠体からなり、その一部には、スライダ350自体を左右に移動させるためのラックギア351が一体的に形成されている。
スライダ350の背面側には、スライダ350を左右にスライドさせるスライドギア352,伝達ギア353および駆動モータ354を備えている。
図10を併せて参照して、ラックギア351は、スライダ350のスライド方向(図9では左右方向)に沿って形成されており、ラックギア351に第2支持フレーム220の背面側に搭載されたスライドギア352が歯合され、さらにこのスライドギア352が伝達ギア353を介して駆動モータ354に歯合されることで、ラック&ピニオン方式でスライダ350を左右にスライドさせるようになっている。
第1駆動ギアユニット320は、第2支持フレーム220の一部に回転可能に軸支される第1駆動ギア360と、この第1駆動ギア360に歯合され、第2伝達シャフト253に接続される第1伝達ギア370とを備えている。
第1駆動ギア360は、外周に第1伝達ギア370に歯合するギア面が形成された円盤体からなり、中央には回転体340のスライドガイド341を回転可能に軸支する軸受孔361が設けられている。
第1駆動ギア360の側面には、回転体340の凸部343が歯合する係合孔362が円周方向に沿って3箇所設けられている。この例において、係合孔362は、凸部343の大きさよりも大きく、若干の遊びを持って形成されている。これによれば、回転体340を回転させながら第1駆動ギア360に歯合させようとした際に凸部343が係合孔362に入らなかった場合でも、次に来る係合孔362に確実に嵌め込むことができる。
第1伝達ギア370は、第1駆動ギア360に歯合するギア面を有し、中央には第2伝達シャフト253が支持される挿通孔371が同軸的に設けられている。第1伝達ギア370の側面には、右フィルタ3Aのラック34に歯合する送りギア372が一体的に設けられている。
第2駆動ギアユニット330は、第2支持フレーム220の一部に回転可能に軸支される第2駆動ギア380と、この第2駆動ギア380に歯合され、第3伝達シャフト254に接続される第2伝達ギア390とを備えている。
第2駆動ギア380は、外周に第2伝達ギア390に歯合するギア面が形成された円盤体からなり、中央には回転体340のスライドガイド341を回転可能に軸支する軸受孔381が設けられている。
第2駆動ギア380の側面には、回転体340の凸部343が歯合する係合孔382が円周方向に沿って3箇所設けられている。この例において、係合孔382は、凸部343の大きさよりも大きく、若干の遊びを持って形成されている。これによれば、回転体340を回転させながら第2駆動ギア380に歯合させうようと際に凸部343が係合孔382に入らなかった場合でも、次に来る係合孔382に確実に嵌め込むことができる。
第2伝達ギア390は、第2駆動ギア380に歯合するギア面を有し、中央には第3伝達シャフト254が支持される挿通孔391が同軸的に設けられている。第2伝達ギア390の側面には、左フィルタ3Bのラック33に歯合する送りギア392が一体的に設けられている。
これによれば、回転体340をスライダ350を介して左右に選択的に移動させることにより、右側に移動した場合は、第1駆動ギアユニット320と連結され、右フィルタ3Aを駆動することができる。逆に、回転体340が左側に移動した場合は、回転体340と第2駆動ギアユニット330とが繋がれることにより、左フィルタ3Bを駆動することができる。
図5および図6に示すように、フィルタ清掃ユニット200には、後述するダストボックス400内に設けられた清掃ブラシ430を回動させるためのブラシ回動手段260が設けられている。
ブラシ回動手段260は、第1支持フレーム220の側面に一体的に設けられた駆動モータ261と、右フィルタ3B側のダストボックス400の清掃ブラシ430を回動させる第1回動シャフト262と、左フィルタ3B側のダストボックス400内の清掃ブラシ430を回動させる第2回動シャフト263とを備えている。
第1回動シャフト262は、一端が駆動モータ261の出力軸に接続され、他端が第2支持フレーム220に回転可能に架け渡されており、他端側には、ダストボックス400の背面側に露出した回動ギア433に歯合するギア265が設けられている。
第2回動シャフト263は、連結部材264を介して第1回動ギア262と連結されており、一端側には、ダストボックス400の背面側に露出した回動ギア433に歯合するギア266が設けられている。第2回動シャフト262の他端側は、第3支持フレーム230によって支持されいる。なお、第2駆動シャフト263側にも清掃ブラシ430を回動させるためのギア(図示しない)が設けられている。
次に、図2を参照して、フィルタ清掃ユニット200には、フィルタ3,3に付着したゴミを回収するダストボックス400が2箇所設けられている。なお、ダストボックス400はともに同一形状であるため、いずれか一方のみについて説明し、他方についての説明は省略する。
図11〜図14に示すように、ダストボックス400は、上下両面が開放されたボックス本体410と、上記ボックス本体410の上面開口を覆い隠すトップパネル420と、フィルタ3の表面に接触可能に配置された清掃ブラシ430とを備え、全体が支持フレーム210,220に架け渡されるよう横長の箱体からなる。
ボックス本体410は、上下両端が開口される筒体からなり、一方の内側面には清掃ブラシ430に付着したゴミを掻き取るゴミ回収ブラシ440が設けられている。ゴミ回収ブラシ440は、所定の水平回転軸を中心に回動する円弧状のブラシ台441を備え、同ブラシ台441の内周面に沿ってブラシ本体442が一体的に設けられている。
ボックス本体410の前面側には、ダストボックス400をフィルタ清掃ユニット200に固定するための固定爪401,401が設けられている。固定爪401,401は、スライド式で、フィルタ清掃ユニット200側に設けられた図示しない差込孔に固定孔401,401を差し込むことで、フィルタ清掃ユニット200に固定される。
図14(b)に示すように、ブラシ台441は、清掃ブラシ430の回転軌跡上に沿ってブラシ本体442が接触するように円弧状に形成されており、ブラシ本体442は、清掃ブラシ430の回転方向に対して斜めに接触する傾斜ブラシからなる。
トップパネル420は、ボックス本体410の上面に沿って形成された矩形状パネルからなり、一端が所定の水平回転軸を介して開閉可能に取り付けられている。トップパネル420の自由端側は、図示しないロック手段を介してボックス本体410に固定されている。
図14(a)および(b)を参照して、清掃ブラシ430は、所定の水平回転軸を中心に回動可能に軸支されるブラシ台431を有し、同ブラシ台431の外周面の一部にブラシ本体432が一体的に設けられている。
ブラシ台431の両端側には、ブラシ台を回転させるための回動ギア433が同軸的に設けられている。図12に示すように、回動ギア433は、その一部がダストボックス400の背面側から露出されており、上述したブラシ回動手段260のギア265,266に歯合するようになっている。
ブラシ台431は、ボックス本体410の長手方向の内周面に沿って架け渡されており、全体が半円筒状に形成されている。この例において、ブラシ本体432は、外周方向に向かってブラシ毛が放射状に植設された傾斜ブラシからなるが、ブラシの形態は仕様に応じて任意に選択されてよい。
図15を参照して、フィルタ清掃ユニット200にはさらに、フィルタ3,3をフィルタ清掃ユニット200に取り付ける際に、フィルタ支持面211〜231に案内するための開閉板270が設けられている。
開閉板270は、一端側に設けられた水平回転軸271を中心に回動可能に設けられており、開閉板270を開くことにより、フィルタ3を取り外したり、取り付けたりすることができるようになっている。
次に、図16および図17のフローチャートを参照して、フィルタの初期化工程の制御例について説明する。なお、室内機ユニット1には、あらかじめフィルタ3が取り付けられているものとする。
まず、ユーザがリモコンなどを操作するなどして、室内機ユニット1に運転開始の指令が出されると、室内機ユニット1内に設けられた図示しない制御部は、右フィルタ3Aの初期化を開始する。
指令を受けた制御部は、右フィルタ3Aを監視するリミットスイッチ280がONかOFFかを判断する(ST101)。リミットスイッチ280がOFFである場合は、リミットスイッチ280がフィルタ3の切欠孔34に嵌合している、すなわち、フィルタ位置が正常位置であると判断し、次の左フィルタ初期化工程に移行する(ST102)。
リミットスイッチ280がONの場合、制御部はフィルタが正常位置からずれていると判断し、次のステップST104でフィルタを降下させた際に、フィルタがダストボックス400から抜け落ちないようにするため、ブラシ回動手段260に指令を出して、清掃ブラシ430をダストボックス400の外に出し、清掃ブラシ430がフィルタ3に対して接触させて、抜け落ちを防止する(ST103)。
次に、制御部は、移動手段250に指令を出し、モータ251を回転させる。併せて、制御部は、クラッチ300に指令を出して、スライダ350を第1駆動ギア360側にスライドさせる。これにより、右フィルタ3Aが下降を開始する(ST104)。
右フィルタ3Aの下降中において、制御部はリミットスイッチ280の状況を随時を監視する(ST105)。リミットスイッチ280からOFF信号を受けると、制御部は、移動手段250に停止指令を出すが、その際、OFF信号を受けた直後に停止させた場合、リミットスイッチ280と切欠孔34の接触が弱く、何らかの拍子でスイッチがすぐにONになってしまうおそれがある。
そこで、OFF信号を受けた制御部は、若干量だけ右フィルタ3Aを送り出し、切欠孔34の中央にリミットスイッチ280が位置するように余裕パルスを移動手段に送るようにしている(ST106)。
次に、制御部は、ブラシ回動手段260に指令を出し、清掃ブラシ430をダストボックス400内に収納したのち(ST107)、右フィルタ3Aの初期化を完了し、左フィルタ3Bの初期化工程に移行する(ST108)。
逆に、リミットスイッチ280からON信号の送信継続中は、制御部は図示しないタイマにより40秒経過するまでリミットスイッチ280の監視を続ける(ST109)。40秒経過後は、フィルタの初期位置が設定された初期位置(リミットスイッチ280と切欠孔34が合致する位置)よりも上に位置していたと判断し、ブラシ回動手段260に指令を出し、清掃ブラシ430をダストボックス400内に格納する(STST110)。
清掃ブラシ430の格納を確認すると、制御部は移動手段250にフィルタ上昇指令を送り、これを受けて移動手段250はモータ251を逆転させて、右フィルタ3Aを上昇させる(ST111)。
右フィルタ3Aの上昇中、制御部はリミットスイッチ280の状況を随時を監視する(ST112)。リミットスイッチ280からOFF信号を受けると、制御部は、上述した余裕パルスを移動手段250に送ったのち、移動手段250に停止指令を出す(ST113)。しかるのち、制御部は、右フィルタ3Aの初期化を完了し、左フィルタ3Bの初期化工程に移行する(ST114)。
逆に、リミットスイッチ280からON信号の送信継続中は、制御部は、図示しないタイマにより80秒経過するまでリミットスイッチ280監視指令を続けたのち(ST115)、フィルタが動作しないなどの異常状態であると判断し、図示しない表示部やアラーム手段を介してユーザに警告する(ST116)。
左フィルタ3Bの初期化工程も基本的には、右フィルタ3Aと同じである。すなわち、図17に示すように、左フィルタ3Bの初期化指令を受けた制御部は、まず左フィルタ3Bを監視するリミットスイッチ280がONかOFFかを判断し(ST201)、リミットスイッチ280がOFFの場合は、フィルタ位置が正常位置であると判断し、初期化工程を完了する(ST202)。
リミットスイッチ280がONの場合は、制御部はフィルタが正常位置からずれていると判断し、ブラシ回動手段260に指令を出して、清掃ブラシ430をダストボックス400の外に出す(ST203)。
次に、制御部は、移動手段250に指令を出し、モータ251を回転させ、クラッチ300に指令を出して、スライダ350を第2駆動ギア380側にスライドさせる。これにより、左フィルタ3Bが下降を開始する(ST204)。
左フィルタ3Bの下降中において、制御部はリミットスイッチ280の状況を随時を監視し(ST205)、OFF信号を受けると、制御部は、移動手段250に余裕パルスを移動手段に送ったのち、左フィルタ3Bを停止する(ST206)。
次に、制御部は、ブラシ回動手段260に指令を出し、清掃ブラシ430をダストボックス400内に収納したのち(ST207)、左フィルタ3Bの初期化を完了し、左フィルタ3Bの初期化工程に移行する(ST208)。
逆に、リミットスイッチ280からON信号の送信継続中は、制御部は図示しないタイマにより40秒経過するまでリミットスイッチ280の監視を続け(ST209)、40秒経過した場合は、フィルタの取り付けられた位置が設定された初期位置よりも下に位置していたと判断し、ステップST211でフィルタを上昇させる準備のため、ブラシ回動手段260に指令を出し、清掃ブラシ430をダストボックス400内に格納する(STST210)。
清掃ブラシ430の格納を確認すると、制御部は移動手段250にフィルタ上昇指令を送り、これを受けて移動手段250はモータ251を逆転させて、左フィルタ3Bを上昇させる(ST211)。
左フィルタ3Bの上昇中、制御部はリミットスイッチ280の状況を随時を監視し(ST212)、リミットスイッチ280からOFF信号を受けると、上述した余裕パルスを移動手段250に送ったのち、移動手段250に停止指令を出す(ST213)。しかるのち、制御部は、左フィルタ3Bの初期化を完了し、初期化工程に移行する(ST214)。
逆に、リミットスイッチ280からON信号の送信継続中は、制御部は、図示しないタイマにより80秒経過するまでリミットスイッチ280監視指令を続けたのち(ST215)、異常状態であると判断し、図示しない表示部やアラーム手段を介してユーザに警告する(ST216)。
次に、図18〜図20を参照して、フィルタの清掃工程の制御例について説明する。清掃工程開始の指令を受け、制御部は、まず、ブラシ回動手段260に指令を出して、ダストボックス400内に格納されている清掃ブラシ430を出す(ST301)。
清掃ブラシ430は、下向きに傾斜しているため、ブラシ格納位置から回転して出てきた状態では、ブラシ毛はフィルタの表面に撫で付けられた状態になっている。そこで、制御部は、ブラシ回動手段260に指令を出して、清掃ブラシ430を若干収納方向に回転させる(ST302)。これにより、ブラシ毛がフィルタの表面に対して立った状態で接触するようになる。
この状態にした上で、制御部は、移動手段250に指令を出し、モータ251を回転させたのち、クラッチ300に指令を出して、スライダ350を第1駆動ギア360側にスライドさせる(ST304)。これに伴い、図20(b)に示すように、右フィルタ3Aが上昇し始める(ST305)。
制御部は、タイマ手段と協働してリミットスイッチ280が10秒以内にONしたかどうかを判断し(ST306)、ONしないと判断した場合は、フィルタ自体が無いとしてエラーを表示する(ST307)。
逆に、10秒以内にON信号を得た場合は、まずそのON信号が10秒間継続的に得られたかどうかを判断し(ST308)、10秒間継続していない場合は、突発的に信号が出たもので、フィルタが例えば表裏逆向きなど通常の取付状態ではないと判断して、エラーを表示する(ST307)。
10秒間継続してON信号が送信された場合、制御部は、その間にフィルタが全移動量の1/3移動したかどうかを確認し(ST309)、図20(c)に示すように、1/3の移動が確認されると、移動手段250に停止指令を出し、フィルタの移動を停止する(ST310)。これにより、フィルタの1/3の面積が清掃される。
フィルタの停止を確認すると、制御部は、ブラシ回動手段260にセルフクリーン開始指令を出し(ST311)、これを受けて、ブラシ回動手段260は清掃ブラシ430を3往復回動させて、清掃ブラシ430に付着したゴミをゴミ回収ブラシ440に掻き取らせるとともに、清掃ブラシ430を一旦ダストボックス400内に格納する(ST312)。
次に、制御部は図20(d)に示すように、移動手段250に指令を出し、フィルタを全移動距離の2/3下降させたのち(ST313)、ブラシ回動手段260に指令を送って、清掃ブラシ430を再びフィルタに向けて出す(ST314)とともに、清掃ブラシ430を若干収納方向に回転させて、ブラシ毛を起立させる(ST315)。
次に、制御部は移動手段250にブラシ移動指令を出し、フィルタを1/3上昇させて、フィルタに付着したゴミを清掃ブラシ430で掻き取る(ST316)。フィルタが1/3上昇すると、制御部は移動手段250に停止指令を出したのち(ST317)、上述したセルフクリーン作業を再度行うとともに(ST318)、清掃ブラシ430をダストボックス400内に一旦格納する(ST319)。
次に、制御部は、移動手段250にフィルタ移動指令を出し、フィルタを2/3移動させる(ST320)。これにより、図20(e)に示すように、フィルタの上端がダストボックス400にさしかかる。
この状態において、制御部は、ブラシ回動手段260に指令を送って、清掃ブラシ430をフィルタに向けて出し(ST321)、さらに清掃ブラシ430を若干収納方向に回転させて、ブラシ毛を起立させる(ST322)。
この状態で、制御部は、移動手段250にブラシ移動指令を出し、フィルタを1/3上昇させて、フィルタに付着したゴミを清掃ブラシ430で掻き取る(ST323)。フィルタが1/3上昇すると、制御部は移動手段250に停止指令を出したのち(ST324)、清掃ブラシ430をダストボックス400内に格納する(ST325)。
次に、制御部は、クラッチ300が右側(右フィルタ3A側)になっているかどうかを確認する(ST326)。クラッチ300が右側にあると確認した場合、制御部は、図20(f)に示すように、移動手段250にフィルタ上昇指令を出し、フィルタを上昇させて初期位置に戻す(ST340)。
これに併せて、リミットスイッチ280を監視し(ST341)、リミットスイッチ280のOFF信号を受けると、移動手段250に余裕パルス上昇指令を送ってフィルタを若干上昇させたのち(ST342)、フィルタの移動を停止する(ST343)。
その後、ブラシ回動手段260に指令を送り、ダストボックス400内に格納された清掃ブラシ430を出すとともに(ST344)、清掃ブラシ430を若干収納方向に回転させて、ブラシ毛を起立させる(ST345)。
次に、制御部は、クラッチ300に切換指令を出し、クラッチ300を右側から左側へ切り換える(ST346)。しかるのち、制御部は、ST305から左フィルタ3Bの清掃工程を同様に繰り返す。
クラッチが右側でなく、左側に位置していると判断した場合、制御部は、図20(f)に示すように、移動手段250にフィルタ上昇指令を出し、フィルタを上昇させる(ST330)。
これに併せて、リミットスイッチ280を監視し(ST331)、リミットスイッチ280のOFF信号を受けると、移動手段250に余裕パルス上昇指令を送ってフィルタを若干上昇させたのち(ST332)、フィルタの移動を停止する(ST333)。
しかるのち、制御部は、フィルタの着脱時にギア370,390を空転させるため、クラッチ300に中立指令を出し、クラッチ300を中立ポジションに移動させて、フィルタ清掃を完了する(ST334)。
以上により、一連のフィルタ清掃工程が完了するが、フィルタ清掃工程は、ユーザが任意に行ってもよし、タイマーなどを介して一定の運転時間経過後に自動的に行ってもよい。さらには、フィルタの埃をセンサで監視して、一定量の埃が溜まったら自動的にフィルタ清掃を行うようにしてもよい。